JP2004179355A - 真空装置及び加熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で信頼性の高い温度測定を行うことが可能な真空装置を提供する。
【解決手段】本発明の加熱処理装置は、真空槽2内において基板20に接触した状態で当該基板20の温度を測定するもので、基板20を搬送する搬送機構5を備えている。基板の温度を測定するための熱電対9が、搬送機構5の基板20と接触する部分に設けられている。熱電対9は、基板20を昇降させる支持ピン8aの先端部のセンサチップ10内に設けられている。センサチップ10は、基板20と同じ材料で作成することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば真空槽内で基板等の処理対象物を加熱するための真空装置において基板等の温度を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば真空槽内で基板等の処理対象物を加熱する装置においては、赤外線型温度測定機構を用いて処理対象物の温度を測定することが行われている。
【0003】
しかし、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼に挙げる条件の下では、処理対象物の温度測定に赤外線型温度測定機構の使用が困難であるという問題がある。
▲1▼ランプヒーター、プラズマなどの赤外線の多い環境下における温度測定
▲2▼150℃以下などの低温域における温度測定
▲3▼処理対象物裏面から放出される赤外線を測定器に導入する孔を、ステージやホットプレートなどに追加工できない場合
上記▲1▼、▲2▼のような条件の下では、熱電対を使用して処理対象物の温度を測定することになる。
【0004】
従来、熱電対を使用する方法としては、図4に示す加熱処理装置100のように、真空槽101内に設置された熱電対102付きのロッド103を回転して処理対象物104に接触させ、図5のように処理対象物104を少し持ち上げ、ランプヒーター105によって加熱される処理対象物104の温度を測定する方法が知られている。
【0005】
また、図6に示す加熱処理装置200のように、真空槽201内においてランプヒーター205によって加熱される処理対象物204には熱電対を接触させず、シース型熱電対202などを処理対象物204の温度変化とほぼ同じ挙動を示す位置に設置して、あらかじめ得られているシース型熱電対202の示す温度と処理対象物204の温度の関係から処理対象物204の温度を推定する方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4、5に示す方法では、熱電対102を駆動する部分を新規に追加する必要があるため、構成が複雑になるとともにコストアップにつながるという問題がある。
【0007】
一方、図6に示す方法では、シース型熱電対202が処理対象物202に直接接触していないため、処理条件の変化によって測定の信頼性が著しく下がってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で信頼性の高い温度測定を行うことが可能な真空装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためなされた請求項1記載の発明は、真空槽内において処理対象物に接触した状態で当該処理対象物の温度を測定する温度測定用センサを備えた真空装置であって、前記処理対象物を搬送する搬送機構を備え、温度測定用センサが、前記搬送機構の前記処理対象物と接触する部分に設けられているものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記温度測定用センサが、当該処理対象物を昇降させる昇降ピンの先端部に設けられているものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の真空装置と、前記真空槽の外部に設けられたランプヒータとを有する加熱処理装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記処理対象物を支持する基台を備え、前記基台に前記処理対象物を冷却する冷却手段が設けられているものである。
請求項5記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の真空装置と、前記処理対象物を支持する基台とを備え、前記基台に前記処理対象物を吸着するための静電吸着手段と前記処理対象物を加熱する加熱手段が設けられているものである。
【0010】
本発明の真空装置にあっては、搬送機構の処理対象物と接触する部分に温度測定用センサが設けられていることから、センサの駆動部を追加する必要がなく、簡素な構成で処理対象物の温度測定が可能な真空装置を安価に提供することが可能になる。
【0011】
また、本発明によれば、処理対象物の搬送と温度測定を同時に行うことができるので、処理対象物の搬送及び温度測定を効率良く行いスループットを向上させることが可能になる。
【0012】
さらに、本発明によれば、処理対象物に接触した状態で測定を行うことができるので、処理条件が変化する場合であっても、高精度で信頼性の高い温度測定を行うことができる。
【0013】
本発明において、温度測定用センサを、当該処理対象物を昇降させる昇降ピンの先端部に設けるようにすれば、既存の装置構成を利用することができるので、製造が容易で安価の真空装置を提供することができる。
【0014】
一方、上記真空装置と、真空槽の外部に設けられたランプヒータとを有する加熱処理装置によれば、簡素な構成で、しかも高スループットの処理が可能であるとともに、高精度で信頼性の高い測定が可能な加熱処理装置を安価に提供することができる。
【0015】
この場合、処理対象物を支持する基台に冷却手段を設けるようにすれば、より精度の高い処理対象物の温度制御を行うことが可能になる。
【0016】
他方、上記真空装置と、処理対象物を支持する基台に静電吸着手段と加熱冷却手段を有する加熱処理装置によれば、処理対象物を基台に密着させることができるので、効率良く処理対象物の加熱冷却を行うことができる。
【0017】
なお、本発明の場合、「加熱冷却」とは、加熱又は冷却のいずれかをも含むものする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る加熱処理装置の第1の実施の形態を示す断面図、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線A部を示す拡大図である。
【0019】
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態の加熱処理装置1においては、図示しない真空排気系に接続された真空処理槽2を有し、この真空処理槽2の下部に、基板(処理対象物)20を支持するためのステージ3が設けられている。
【0020】
真空処理槽2の天井部分には、透明な石英板で構成された窓部2aが設けられている。そして、この窓部2aの上にはランプヒーター4が設けられ、このランプヒーター4によって処理対象物の上面を加熱するように構成されている。
【0021】
本実施の形態の場合、ステージ3の内部には、基板20を冷却するための冷却機構(図示せず)が設けられている。
【0022】
また、ステージ3の下部には、基板20を昇降させるための昇降機構5が設けられている。この昇降機構5は、昇降シリンダー6によって上下動される昇降ピン7を有している。
【0023】
この昇降ピン7は、ステージ3を貫通するように構成された複数の支持ピン8を有している。
【0024】
そして、本実施の形態においては、所定の支持ピン8aの基板20と接触する部分である先端部に、温度測定用センサである熱電対9を有するセンサチップ10が設けられている。
【0025】
本発明の場合、センサチップ10の材料は特に限定されることはないが、接触部分の汚染等の問題を回避する観点からは、処理すべき基板20の材料と同じ材料若しくは接触しても汚染の問題が発生せず熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。
【0026】
例えば、シリコンウェハを加熱する場合には、シリコン(Si)を用いてセンサチップ10を作成する。
【0027】
また、センサチップ10の材料として、従来から支持ピン8の材料として採用実績のあるものを用いることも好ましい。
【0028】
このような材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の軽金属やステンレス等の鋼類、AlN、SiC、Al、TiO等の金属化合物等があげられる。
【0029】
そして、センサチップ10内の熱電対9は、支持ピン8及び昇降シリンダー6の内部を引き回された配線11を介して熱電対用温度測定器12に接続されている。
【0030】
このような構成を有する本実施の形態の加熱処理装置1においては、支持ピン8を上昇させ基板20をステージ3から離間させた状態でランプヒーター4を駆動して基板20の加熱を行う。
【0031】
そして、支持ピン8を下降させ基板20をステージ3に密着させた状態で基板20の冷却を行う。
【0032】
以上述べたように本実施の形態によれば、搬送機構5の支持ピン8の基板20と接触する部分に熱電対9が設けられていることから、センサの駆動部を追加する必要がなく、簡素な構成で安価の加熱処理装置1を提供することができる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、基板20の搬送と温度測定を同時に行うことができるので、基板20の搬送及び温度測定を効率良く行いスループットを向上させることができる。
【0034】
さらに、本実施の形態によれば、基板20に接触した状態で測定を行うことができるので、処理条件が変化する場合であっても、高精度で信頼性の高い測定を行うことができる。
【0035】
さらにまた、本実施の形態においては、センサチップ10が支持ピン8の先端部に設けられているので、既存の装置構成を利用することができ、これにより製造が容易で安価の加熱処理装置を提供することができる。
【0036】
図2(a)は、本発明の第2の実施の形態を示す断面図、図2(b)は、図1(a)の一点鎖線A部を示す拡大図であり、以下、上記実施の形態と対応する部分について同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0037】
図2(a)(b)に示すように、本実施の形態の加熱処理装置1Aにおいては、支持ピン8と測定用センサとが、一体的に構成されている点が上記第1の実施の形態と異なるものである。
【0038】
すなわち、本実施の形態においては、一体成形によって作成された支持ピン8bの先端部に、上述した熱電対9が設けられている。そして、この熱電対9は、支持ピン8及び昇降シリンダー6の内部を引き回された配線11を介して熱電対9用温度測定器に接続されている。
【0039】
このような構成を有する本実施の形態によれば、支持ピン8bと測定用センサとが、一体的に構成されているので、機械的強度が強く、長期間安定して使用することができる。その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0040】
図3は、本発明の第3の実施の形態を示す断面図であり、以下、上記実施の形態と対応する部分について同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態の加熱処理装置1Bにおいては、ステージ3に、静電チャック30とヒーター31を備えたホットプレート32が設けられている。
【0041】
また、ステージ3の内部には、基板20を冷却するための冷却機構(図示せず)が設けられている。
【0042】
本実施の形態のホットプレート32は、真空処理槽2外部に設けられたホットプレート用制御部(図示せず)に接続され、所定のシーケンスに従って動作するように構成されている。
【0043】
また、本実施の形態の昇降シリンダー6は、基板20に対する圧力を調整するための圧力制御機構(図示せず)を有している。
【0044】
そして、本実施の形態においては、静電チャック30の吸着力によって基板20をホットプレート32に吸着させ、基板20の温度を調整する。
【0045】
すなわち、昇降シリンダー6を下降させることにより基板20をホットプレート32上に載置し、静電チャック30の吸着力によって基板20をホットプレート32表面に吸着させ、支持ピン8を上昇させて基板20の裏面に接触させて基板20の温度を測定する。
【0046】
この場合、基板20がホットプレート32から外れることがないように、基板20に対する支持ピン8の押圧力が静電チャック30の吸着力より小さくなるように昇降シリンダー6の圧力制御機構を調整しておく。
【0047】
このような構成を有する本実施の形態によれば、基板20を支持するステージ3に静電チャック30を備えたホットプレート32が設けられているので、基板20をステージに密着させて効率良く基板20の加熱冷却を行うことができる。
その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0048】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、1つの支持ピンの先端部に熱電対を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、複数の支持ピンの先端部に熱電対を設けることも可能である。このような構成によれば、処理対象物の複数の部分の温度を正確に測定することができる。
【0049】
また、上述の実施の形態においては、ヒーターによって処理対象物を加熱する加熱処理装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、例えばスパッタリング装置、CVD装置等の成膜装置や基板搬送装置等にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、簡素な構成で信頼性の高い温度測定を行うことが可能な真空装置を提供することができる。
そして、本発明によれば、赤外線型の温度測定機構では測定が困難な150℃以下の基板温度測定や、プラズマなどが存在する処理において基板を透過する紫外線や赤外線などの電磁波の影響によって赤外線型温度測定機構では基板温度の測定が困難な場合にも正確な温度測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明に係る加熱処理装置の第1の実施の形態を示す断面図
(b):図1(a)の一点鎖線A部を示す拡大図
【図2】(a):本発明に係る加熱処理装置の第2の実施の形態を示す断面図
(b):図2(a)の一点鎖線A部を示す拡大図
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す断面図
【図4】従来の第1の温度測定方法を示す説明図(その1)
【図5】従来の第1の温度測定方法を示す説明図(その2)
【図6】従来の第2の温度測定方法を示す説明図
【符号の説明】
1…加熱処理装置 2…真空処理槽 3…ステージ 4…ランプヒーター 5…昇降機構 7…昇降ピン 8…支持ピン 9…熱電対 10…センサチップ 20…基板(処理対象物)

Claims (5)

  1. 真空槽内において処理対象物に接触した状態で当該処理対象物の温度を測定する温度測定用センサを備えた真空装置であって、
    前記処理対象物を搬送する搬送機構を備え、
    温度測定用センサが、前記搬送機構の前記処理対象物と接触する部分に設けられている真空装置。
  2. 前記温度測定用センサが、当該処理対象物を昇降させる昇降ピンの先端部に設けられている請求項1記載の真空装置。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項記載の真空装置と、
    前記真空槽の外部に設けられたランプヒータとを有する加熱処理装置。
  4. 前記処理対象物を支持する基台を備え、前記基台に前記処理対象物を冷却する冷却手段が設けられている請求項3記載の加熱処理装置。
  5. 請求項1又は2のいずれか1項記載の真空装置と、
    前記処理対象物を支持する基台とを備え、前記基台に前記処理対象物を吸着するための静電吸着手段と前記処理対象物を加熱する加熱手段が設けられている加熱処理装置。
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