JP2016075497A - 強度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊した際の反力を測定することによりに当該板状部材の強度を測定する強度測定装置を提供する。【解決手段】強度測定装置1は、無機材料製の板状部材Gが載置される支持部22と、前記支持部22の上方に配置され、前記支持部22に前記板状部材Gが載置された状態で、前記板状部材Gの上面に配置される加熱部Hと、前記板状部材Gの表面を前記加熱部Hで加熱することで前記板状部材Gに熱的負荷を与え、該熱的負荷により前記板状部材Gが破壊する際に生じた反力を測定する反力測定部10と、を備え、前記加熱部Hと前記反力測定部10とは、物理的に独立している。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊した際の反力を測定することによりに当該板状部材の強度を測定する強度測定装置に関するものである。
無機材料製の板状部材、例えばガラスの強度は、ガラスに加わる負荷や支持方法によって異なる値となる。そこで、実際にガラスが用いられている状況と同様の状態に当該ガラスを支持して負荷を加え、実際の使用に近い状態を作り出し、その条件でのガラスの強度測定が行われている。そのため、多種多様な強度測定法が提案されている。
このような強度測定法としては、例えば曲げ強度測定法や衝撃試験法がある。
曲げ強度測定法としては、4点曲げ強度測定法や、同心円負荷曲げ法が、衝撃試験法としては、ショットバッグ試験法や落球試験法が代表的である。それ以外にも、耐風圧強度や熱割れ強度を始めとする実用強度の試験法も数多く提案されている。
曲げ強度測定法としては、4点曲げ強度測定法や、同心円負荷曲げ法が、衝撃試験法としては、ショットバッグ試験法や落球試験法が代表的である。それ以外にも、耐風圧強度や熱割れ強度を始めとする実用強度の試験法も数多く提案されている。
これらの強度測定方法は、
1)機械的負荷とその変形に基づく破壊、
2)熱的負荷とその内部応力発生に基づく破壊
3)これらの混合モードの破壊、
のどれかに大別される。
1)機械的負荷とその変形に基づく破壊、
2)熱的負荷とその内部応力発生に基づく破壊
3)これらの混合モードの破壊、
のどれかに大別される。
このような中、強度測定法の大半は、1)「機械的負荷とその変形に基づく破壊」によるものであり、2)「熱的負荷とその内部応力発生に基づく破壊」、および3)「混合モードの破壊」による強度測定法は数少ない。
2)「熱的負荷とその内部応力発生に基づく破壊」による強度測定法としては、ガラス中央部をランプ等で加熱し、同時にガラス端部を水冷ジャケット等で冷却して測定する、いわゆる「熱割れ強度測定法」がある。
この「熱割れ強度測定法」は、破壊時において、ガラス中央部とガラス端部の温度差から発生する、主に平面方向における応力を測定するものである。これは、試験開始からガラス破壊まで、時間をかけて行う準静的な試験法であり、かつ実験結果のバラツキも大きい。
この「熱割れ強度測定法」は、破壊時において、ガラス中央部とガラス端部の温度差から発生する、主に平面方向における応力を測定するものである。これは、試験開始からガラス破壊まで、時間をかけて行う準静的な試験法であり、かつ実験結果のバラツキも大きい。
これに対し、「熱的負荷とその内部応力発生に基づく破壊」による強度測定法の他の測定法として、「熱衝撃による強度測定法」がある。この熱衝撃強度は主に板厚方向におけるガラス中央部とガラス端部の温度差を発生させて破壊強度を測定するものである。
熱衝撃による強度測定法は、温度差に基づく内部応力での破壊による強度測定という点では熱割れ強度と同様の概念である。しかし、短時間で熱負荷を加えること、および応力の発生方向が異なっている。
熱衝撃による強度測定法は、温度差に基づく内部応力での破壊による強度測定という点では熱割れ強度と同様の概念である。しかし、短時間で熱負荷を加えること、および応力の発生方向が異なっている。
熱衝撃による強度測定法は、ガラスの場合、高温に熱したガラスを低温の液体中に入れ、その温度差を熱衝撃強度の値とする方法が多く採用されている。液体としては水を用いることが多いので、一般的には水中投下法と呼ばれる。
しかし、水中投下法においては、例えば試料とする無機材料板状部材の表面温度により、無機材料板状部材から水への伝熱様式が大きく変化、例えば膜沸騰伝熱から核沸騰伝熱へ変化する。
しかし、水中投下法においては、例えば試料とする無機材料板状部材の表面温度により、無機材料板状部材から水への伝熱様式が大きく変化、例えば膜沸騰伝熱から核沸騰伝熱へ変化する。
すなわち、無機材料板状部材表面の温度とともに、その熱伝達係数は急激にかつ非線形的に変化するので、無機材料板状部材内の温度分布を推定するのは非常に難しく、正確な熱衝撃強度を求めることは大変困難である。
このため、水中投下法で行った個々の熱衝撃試験結果についての信頼性はあまり高いとは言えず、信頼できる程度まで無機材料板状部材数を増やし、統計的に処理することで対応してきた。
このため、水中投下法で行った個々の熱衝撃試験結果についての信頼性はあまり高いとは言えず、信頼できる程度まで無機材料板状部材数を増やし、統計的に処理することで対応してきた。
その他、セラミックスの熱衝撃強度法として提案されている反力試験法による強度測定法は、いくつか検討がなされている(例えば、水谷らによる非特許文献1,)が、ガラスにそのまま応用することは極めて難しい。
しかし、例えば水谷らの方法ではその測定に多くの時間を要するため、光透過率の高いガラスにそのまま応用するのは極めて難しい。ガラス試料の中央部と周辺部の温度差を十分に確保することが必要となるが、その温度差をつけることが難しいからである。
このような状況から、ガラスにおける熱的負荷が行われた場合における、高速で高精度に測定できる強度測定法の開発が期待されている。このため、本発明者らは、光透過率が高いガラスにおいても反力測定により熱衝撃強度を測定できる方法を見いだし、ガラスの反力測定による熱衝撃試験方法に関する検討を行っている(例えば、特許文献1、2及び非特許文献2)。
本発明者らにより見出された、ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊させることにより、当該板状部材の強度を測定できるようになった。
しかし、一般的にはガラス等が矩形の場合、ガラスの端面の状態の影響を受け易いという問題がある。このため、ガラス試料の端面の影響をできるだけ小さくするように、その端面処理(シーミング処理)をできるだけ丁寧に行い、さらにはその端面の状況を丹念に調べる必要があった。
本発明者らにより見出された、ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊させることにより、当該板状部材の強度を測定できるようになった。
しかし、一般的にはガラス等が矩形の場合、ガラスの端面の状態の影響を受け易いという問題がある。このため、ガラス試料の端面の影響をできるだけ小さくするように、その端面処理(シーミング処理)をできるだけ丁寧に行い、さらにはその端面の状況を丹念に調べる必要があった。
その対策として、ガラス試料の端面を支持部の外側において負荷がかからないようにする方法が考えられる。静的な強度測定法の同心負荷曲げ法がこれにあたるが、この同心円負荷曲げ法で熱衝撃を与えることは不可能であった。
一方、例えば高津ら(例えば、高津らによる非特許文献2)は負荷の部分にルテニウムを塗り、それに通電して熱負荷を与えることも提案している。
水谷他、「拘束されたセラミックススラブの一面加熱による反力と熱応力」、材料、第44巻(1995)、第498号、pp362−367
荒谷他、「反力試験法によるガラス強度測定」、日本材料強度学会誌 (2012)、第45巻、 第3号、pp41−50
高津他、「セラミックスの熱衝撃抵抗係数の新しい測定法」、材料、日本材料学会 昭和53年12月、第27巻、第303号、p.69―73頁.
しかし、本発明者らが提案したレベルの熱衝撃性はなく、一枚ごとにルテニウムを塗る必要があるため、測定試料を製作するのに膨大な時間がかかることから、強度測定のようにある程度の試料数を準備する必要がある測定には不向きであった。また、ルテニウムの膜厚を一定にすることが難しいことから、その測定精度にも問題があった。
本発明は、ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊した際の反力を測定することによりに当該板状部材の強度を測定する強度測定装置において、上記の問題を解決した。すなわち、ガラスの端面の状態の影響を受けにくく、かつ熱衝撃法を利用した、精度の高い強度測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、無機材料製の板状部材(G)が載置される支持部(22)と、前記支持部(22)の上方に配置され、前記支持部(22)に前記板状部材(G)が載置された状態で、前記板状部材(G)の上面に配置される加熱部(H)と、前記板状部材(G)の表面を前記加熱部(H)で加熱することで前記板状部材(G)に熱的負荷を与え、該熱的負荷により前記板状部材(G)が破壊する際に生じた反力を測定する反力測定部(10)と、を備え、前記加熱部(H)と前記反力測定部(10)とは、物理的に独立していること、を特徴とする前記板状部材(G)の強度測定装置(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は円環状で、前記加熱部(H)の内側には、前記反力測定部(10)が配置されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の強度測定装置(1)であって、前記反力測定部(10)は円環状で、前記反力測定部(10)の内側には、前記加熱部(H)が配置されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属で製造されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は、加熱源に接続されていること、
を特徴とする強度測定装置(1)である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
請求項1に記載の発明は、無機材料製の板状部材(G)が載置される支持部(22)と、前記支持部(22)の上方に配置され、前記支持部(22)に前記板状部材(G)が載置された状態で、前記板状部材(G)の上面に配置される加熱部(H)と、前記板状部材(G)の表面を前記加熱部(H)で加熱することで前記板状部材(G)に熱的負荷を与え、該熱的負荷により前記板状部材(G)が破壊する際に生じた反力を測定する反力測定部(10)と、を備え、前記加熱部(H)と前記反力測定部(10)とは、物理的に独立していること、を特徴とする前記板状部材(G)の強度測定装置(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は円環状で、前記加熱部(H)の内側には、前記反力測定部(10)が配置されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の強度測定装置(1)であって、前記反力測定部(10)は円環状で、前記反力測定部(10)の内側には、前記加熱部(H)が配置されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属で製造されていること、を特徴とする強度測定装置(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の強度測定装置(1)であって、前記加熱部(H)は、加熱源に接続されていること、
を特徴とする強度測定装置(1)である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、ガラス等の無機材料製の板状部材に熱衝撃を加えて破壊した際の反力を測定することによりに当該板状部材の強度を測定する強度測定装置において、ガラスの端面の状態の影響を受けにくく、かつ熱衝撃法を利用した、精度の高い強度測定装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る、無機材料板状部材(本実施形態ではガラスG)の強度測定装置1(反力測定装置,熱衝撃試験装置)の概略正面図である。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る、無機材料板状部材(本実施形態ではガラスG)の強度測定装置1(反力測定装置,熱衝撃試験装置)の概略正面図である。
(装置)
熱衝撃法による強度測定装置1は、ベース部11と、ベース部11に対して上下動可能な第1ステージ20と、第1ステージ20とともに、ベース部11に対して上下動可能な第2ステージ30とを備える。
熱衝撃法による強度測定装置1は、ベース部11と、ベース部11に対して上下動可能な第1ステージ20と、第1ステージ20とともに、ベース部11に対して上下動可能な第2ステージ30とを備える。
ベース部11は、矩形の板状部材である。ベース部11の上面から上方(Zプラス方向)に向かって、後述するロードセル10が垂下された上板14を支持する2本の支持柱13とが延びている。
第1ステージ20は、ベース部11上に、第1垂直駆動部としてシリンダ21を介して配置されている。第1ステージ20は、シリンダ21によってベース部11に対して垂直方向に駆動可能となっている。
第1ステージ20の略中央部には、強度測定対象としてのガラスGを載置する支持部22が配置されている。支持部22は、円筒形状である。支持部22上にガラスGを配置すると、ガラスGの下面は、支持部22の円筒部の側面で保持される。支持部22の内径は30〜50mm程度である。
第2ステージ30は、第1ステージ20とともに上下動可能であるとともに、その第1ステージ20に対しても相対的に上下動可能である。第1ステージ20に対する上下動は第2垂直駆動部31により行われる。
第2ステージ30にはヒータHが保持されている。ヒータHは、円環形状であり、第2ステージ30から水平に、支持部22の上方に配置されるように延びている。
本実施形態のヒータHは、電熱ヒータであって、熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属で製造されている。ヒータHは加熱源である電源3に接続されている。
本実施形態のヒータHは、電熱ヒータであって、熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属で製造されている。ヒータHは加熱源である電源3に接続されている。
熱伝導率を50kcal/mh°C以上としたのは、熱伝導率が50kcal/mh°Cよりも小さいと、ヒータH内の温度分布が悪くなり、ガラスG上面の温度が不均一になるからである。
なお、熱伝導率が50kcal/mh°C以上のヒータHでなくとも、熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属とヒータHを接触させれば、それなりの効果が認められる。
ヒータHは、後述のロードセル10の検知部10aから1〜2mm程度離間して配置されており、内径は6〜12mmである。
電源3は、制御部2に接続され、制御部2からの信号に応じてヒータHへの電力供給のオンオフが行われる。
なお、熱伝導率が50kcal/mh°C以上のヒータHでなくとも、熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属とヒータHを接触させれば、それなりの効果が認められる。
ヒータHは、後述のロードセル10の検知部10aから1〜2mm程度離間して配置されており、内径は6〜12mmである。
電源3は、制御部2に接続され、制御部2からの信号に応じてヒータHへの電力供給のオンオフが行われる。
なお、ヒータHは、カンタル、ニクロム、タングステンなどの金属電熱ヒータに限らず、窒化珪素、シリコンカーバイト、窒化カーバイト、窒化アルミなどのセラミックヒーター、黒鉛である。また、レーザ照射や赤外線照射によってガラスGを加熱するものであってもよい。さらに、ヒータHは、高周波により発熱する物質であってもよい。例えば黒鉛である。
2本の支持柱13の上端は、上板14が架け渡されている。上板14における、支持部22の上方となる位置、すなわち、支持部22上にガラスG及びヒータHが配置された場合のガラスG及びヒータHの上方には、ロードセル10が垂下されている。
ロードセル10の先端の検知部10aは、その温度上昇を防ぐために、セラミックス製であり、径が2〜5mm程度である。また、ロードセル10とヒータHとは、物理的に独立している。
ロードセル10の先端の検知部10aは、その温度上昇を防ぐために、セラミックス製であり、径が2〜5mm程度である。また、ロードセル10とヒータHとは、物理的に独立している。
また、強度測定装置1は、制御部2に接続された操作部5を備える。電源3により制御されるヒータHへの出力、第1ステージ20及び第2ステージ30のシリンダ21による上下動、第2ステージ30の第1ステージ20に対する第2垂直駆動部31による上下動の操作は操作部5により可能となっている。
操作部5は、例えば複数のダイヤル等を備え、そのうちの一つのダイヤルを回転させることにより第1ステージ20及び第2ステージ30を一体となって上下動させるシリンダ21を動作させることがでる。
また、他のダイヤルを回転させることにより、第2ステージ30に対して第1ステージ20を相対移動させる第2垂直駆動部31を動作させることができる。
さらに操作部5は、スイッチも備え、スイッチのオンオフにより制御部2及び電源を介してヒータHの加熱のオンオフが可能である。
また、他のダイヤルを回転させることにより、第2ステージ30に対して第1ステージ20を相対移動させる第2垂直駆動部31を動作させることができる。
さらに操作部5は、スイッチも備え、スイッチのオンオフにより制御部2及び電源を介してヒータHの加熱のオンオフが可能である。
(ガラス)
本実施形態において熱衝撃法による強度測定装置1の測定対象は、ガラスGを用いるが、ガラスに限定されず、セラミック等の他の非金属無機材料板状部材であってもよい。
また、ガラスについても、フロートガラスと呼ばれるソーダ・ライム・シリカ系以外のどのガラスに対しても測定可能である。医療用によく用いられる鉛ガラス、光学用ガラス等、どのガラス組成系でも板状であれば、測定可能である。さらには、化学強化法や熱強化法で強化された、いわゆる強化ガラスでも測定が可能である。すなわち、各種組成のガラス並びに加工されたガラスに対しても有用である。
ガラスGは、支持部22よりも十分に大きいことが必要であり、最低でも板厚の3倍は必要であって、好ましくは5〜10倍程度である。本実施形態では、100mmである。
本実施形態において熱衝撃法による強度測定装置1の測定対象は、ガラスGを用いるが、ガラスに限定されず、セラミック等の他の非金属無機材料板状部材であってもよい。
また、ガラスについても、フロートガラスと呼ばれるソーダ・ライム・シリカ系以外のどのガラスに対しても測定可能である。医療用によく用いられる鉛ガラス、光学用ガラス等、どのガラス組成系でも板状であれば、測定可能である。さらには、化学強化法や熱強化法で強化された、いわゆる強化ガラスでも測定が可能である。すなわち、各種組成のガラス並びに加工されたガラスに対しても有用である。
ガラスGは、支持部22よりも十分に大きいことが必要であり、最低でも板厚の3倍は必要であって、好ましくは5〜10倍程度である。本実施形態では、100mmである。
(測定方法)
熱衝撃法による強度測定は以下の順序で行う。
1)まず、操作部5を操作して第1ステージ20と第2ステージ30を初期位置にする。
初期位置とは、第1ステージ20にガラスG、第2ステージ30にヒータHを配置した状態で、ガラスGの上面とロードセル10の下端とが十分に離れている位置である。
熱衝撃法による強度測定は以下の順序で行う。
1)まず、操作部5を操作して第1ステージ20と第2ステージ30を初期位置にする。
初期位置とは、第1ステージ20にガラスG、第2ステージ30にヒータHを配置した状態で、ガラスGの上面とロードセル10の下端とが十分に離れている位置である。
2)ガラスGを支持部22に載置する。このとき、ガラスGの下面は、支持部22の円筒の側面と線接触する。
4)操作部5を介して第1ステージ20及び第2ステージ30を、ロードセル10に40Nの力がかかるまで一体的にシリンダ21で上昇させる。これにより、ガラスGに対して予備負荷が行われる。
5)その後、操作部5を操作して第1ステージ20を第2垂直駆動部31により第2ステージに対してわずかに下げて、予備負荷を約30Nにする。
なお、負荷の値は40Nおよび30Nに限定されるものではない。
なお、負荷の値は40Nおよび30Nに限定されるものではない。
6)次いで、操作部5を介して電源3をONにしてヒータHを急激に加熱する。
このとき、ガラスGの表面がヒータHによる加熱で熱膨張し、縁部が下方、中央部が上方になるような力が加わる。しかしガラスGの下面は支持部22によって円形に保持され、その円形の中央部の上面はロードセル10の検知部10aによって押圧されている。その結果検知部10aによって押圧されたガラスGの下面およびガラスG中央部には引張応力が生じ、この熱応力によりガラスGは破壊される。
このような熱応力を発生させるためには、ガラスの熱伝導に対し、十分に速い速度で加熱する必要があり、ガラス表面を、加熱開始から1〜3秒の間に、常温から600度以上、望ましくは800度まで加熱することが必要である。
7)そのときの反力がロードセル10の検知部10aによって測定される。
このとき、ガラスGの表面がヒータHによる加熱で熱膨張し、縁部が下方、中央部が上方になるような力が加わる。しかしガラスGの下面は支持部22によって円形に保持され、その円形の中央部の上面はロードセル10の検知部10aによって押圧されている。その結果検知部10aによって押圧されたガラスGの下面およびガラスG中央部には引張応力が生じ、この熱応力によりガラスGは破壊される。
このような熱応力を発生させるためには、ガラスの熱伝導に対し、十分に速い速度で加熱する必要があり、ガラス表面を、加熱開始から1〜3秒の間に、常温から600度以上、望ましくは800度まで加熱することが必要である。
7)そのときの反力がロードセル10の検知部10aによって測定される。
本実施形態によると、以下の効果がある。
(1)本実施形態によると、ガラスGに熱が加わって破壊されるときの反力を測定することができる。そしてこのとき、ガラスGに対する負荷が試料の端面にかからないため、端面状態の影響を受けない。すなわち、端面がクリーンカットでも、#100でシーミング処理しても#500でシーミング処理しても得られる強度はほぼ同様の値を示すことになる。
すなわち、円形板状ガラスの端面の状態の影響を受けにくく、かつ熱衝撃法を利用した、精度の高い強度測定装置1を提供することができる。
(1)本実施形態によると、ガラスGに熱が加わって破壊されるときの反力を測定することができる。そしてこのとき、ガラスGに対する負荷が試料の端面にかからないため、端面状態の影響を受けない。すなわち、端面がクリーンカットでも、#100でシーミング処理しても#500でシーミング処理しても得られる強度はほぼ同様の値を示すことになる。
すなわち、円形板状ガラスの端面の状態の影響を受けにくく、かつ熱衝撃法を利用した、精度の高い強度測定装置1を提供することができる。
(2)本実施形態によると、第1ステージ20及び第2ステージ30のシリンダ21による上下動、第2ステージ30の第1ステージ20に対する第2垂直駆動部31による上下動の操作は、制御部2に接続された操作部5により可能となっている。
操作部5は、例えば複数のダイヤル等を備え、そのうちの一つのダイヤルを回転させることにより第1ステージ20及び第2ステージ30を一体となって上下動させるシリンダ21を動作させることができる。
また、他のダイヤルを回転させることにより、第2ステージ30に対して第1ステージ20を相対移動させる第2垂直駆動部31を動作させることができる。
このため、ガラスG上面と接触するロードセル10に40Nの力がかかるまで一体的にシリンダ21で上昇させ、その後第1ステージ20を第2ステージに対してわずかに下げて、予備負荷を約30Nにする操作を、操作部5を介して容易に行うことができる。
操作部5は、例えば複数のダイヤル等を備え、そのうちの一つのダイヤルを回転させることにより第1ステージ20及び第2ステージ30を一体となって上下動させるシリンダ21を動作させることができる。
また、他のダイヤルを回転させることにより、第2ステージ30に対して第1ステージ20を相対移動させる第2垂直駆動部31を動作させることができる。
このため、ガラスG上面と接触するロードセル10に40Nの力がかかるまで一体的にシリンダ21で上昇させ、その後第1ステージ20を第2ステージに対してわずかに下げて、予備負荷を約30Nにする操作を、操作部5を介して容易に行うことができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態の強度測定装置100を示す。第2実施形態の強度測定装置100が第1実施形態と異なる点は、ヒータHAが円柱状で、その円柱状ヒータを中心にして、その周囲に、ロードセル10Aに連結された反力受け部110が設けられている点である。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態の強度測定装置100を示す。第2実施形態の強度測定装置100が第1実施形態と異なる点は、ヒータHAが円柱状で、その円柱状ヒータを中心にして、その周囲に、ロードセル10Aに連結された反力受け部110が設けられている点である。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ヒータHAは、2〜5mm程度の径の円柱状であり、第1実施形態と同様に第2ステージ30から水平に、第1実施形態と同様の支持部22の中心と同軸且つ支持部22の上方に配置されるように延びている。
反力受け部110は、径が4〜8mm程度の円環部111と、円環部の周囲の3箇所から外側に延びる連結バー112とを備える。この反力受け部110は、ロードセル10Aの先端に取り付けられている。
本実施形態においても、操作部5を介して電源3をONにしてヒータHBを急激に加熱すると、ガラスGの表面の中央が熱膨張し、縁部が下方、中央部が上方になるような力が加わる。しかしガラスGの下面は支持部22によって円形に保持され、その円形の中央部上面のヒータHBの周囲は反力受け部110の円環部111によって押圧されている。したがって、ガラスGは破壊され、そのときの反力がロードセル10の検知部10Aによって測定される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果がある。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果がある。
(実施例)
本実施形態の強度測定装置を用いて、実際に反力を測定した実験結果について説明する。
実施例1は第1実施形態、実施例2は第2実施形態、実施例3は第3実施形態の実験結果である。全て端面処理は#100の荒目である。
比較例1は4点曲げ法、比較例2は3点曲げ法、比較例3は同心円負荷曲げ法での実験結果である。全て端面処理は#100の荒目である。
本実施形態の強度測定装置を用いて、実際に反力を測定した実験結果について説明する。
実施例1は第1実施形態、実施例2は第2実施形態、実施例3は第3実施形態の実験結果である。全て端面処理は#100の荒目である。
比較例1は4点曲げ法、比較例2は3点曲げ法、比較例3は同心円負荷曲げ法での実験結果である。全て端面処理は#100の荒目である。
ガラス強度の測定では、端面から破壊する場合がほとんどである。従って、端面処理は極めて重要となる。端面処理の#100は荒目の処理を意味し、端面部分に大き目のクラックが存在する。そのため、低い負荷で破壊することになる(ガラスの破壊強度が低いのとほぼ同じ意味である)。#500で処理した場合には、大きなクラックはほとんどない状態なので、ガラス本来の強度が測定可能である。
以上のように、端面処理を#100で行ったガラス試料の場合、4点曲げ法や3点曲げ法ではその強度が低くでる傾向にあり、その信頼性は低い。
これは、結果として端面にキズが入っている試料を用いるのと同様となるため、ガラスのもつ本来の強度よりも端面強度が影響し、小さな端面強度の値を示すことになるからである。
これは、結果として端面にキズが入っている試料を用いるのと同様となるため、ガラスのもつ本来の強度よりも端面強度が影響し、小さな端面強度の値を示すことになるからである。
また、同心円負荷曲げ法では、ほぼ同様の強度の値を示すが、ワイブル係数の値は低くなり、本発明のレベルとは大きく異なっている。このように、本発明の方法では従来からある4点曲げ法、3点曲げ法および同心円負荷曲げ法よりも信頼できる値を得ることができる。
1:強度測定装置、2:制御部、3:電源、5:操作部、10:ロードセル、10A:ロードセル、10a:検知部、11:ベース部、13:支持柱、14:上板、16:円柱部材、20:第1ステージ、21:シリンダ、22:支持部、30:第2ステージ、30B:第2ステージ、31:第2垂直駆動部、33:ヒータ保持部、34:腕部、35:ローラ、41:伝熱線、41a:伝熱線取付部、100:強度測定装置、110:反力受け部、111:円環部、112:連結バー、200:強度測定装置、G:ガラス、H:加熱部
Claims (5)
- 無機材料製の板状部材が載置される支持部と、
前記支持部の上方に配置され、前記支持部に前記板状部材が載置された状態で、前記板状部材の上面に配置される加熱部と、
前記板状部材の表面を前記加熱部で加熱することで前記板状部材に熱的負荷を与え、該熱的負荷により前記板状部材が破壊する際に生じた反力を測定する反力測定部と、
を備え、
前記加熱部と前記反力測定部とは、物理的に独立していること、
を特徴とする前記板状部材の強度測定装置。 - 請求項1に記載の強度測定装置であって、
前記加熱部は円環状で、前記加熱部の内側には、前記反力測定部が配置されていること、
を特徴とする強度測定装置。 - 請求項1に記載の強度測定装置であって、
前記反力測定部は円環状で、前記反力測定部の内側には、前記加熱部が配置されていること、
を特徴とする強度測定装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の強度測定装置であって、
前記加熱部は熱伝導率が50kcal/mh°C以上の金属で製造されていること、
を特徴とする強度測定装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の強度測定装置であって、
前記加熱部は、加熱源に接続されていること、
を特徴とする強度測定装置。
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JP2014204325A JP2016075497A (ja) | 2014-10-02 | 2014-10-02 | 強度測定装置 |
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CN112362464A (zh) * | 2021-01-14 | 2021-02-12 | 潍坊凯速建筑科技有限公司 | 一种钢化玻璃强度检测装置 |
-
2014
- 2014-10-02 JP JP2014204325A patent/JP2016075497A/ja active Pending
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