JP3571634B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー工程においては,半導体ウエハ(以下,「ウエハ」)の表面にレジスト液を塗布した後の加熱処理(プリベーキング)や,パターンの露光を行った後の加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング),各加熱処理後の冷却処理等,種々の熱処理が行われている。
【0003】
例えば上述した加熱処理は,通常加熱処理装置によって行われ,この加熱処理装置には,ウェハを載置して加熱するための円盤状の熱板が設けられており,この熱板には,熱源となるヒータが内蔵されている。そして,このヒータの発熱量を調節することによって,熱板温度を調節し,その熱板上に載置されるウェハを所定の温度で加熱できるようになっている。このようにヒータを調節するためには,熱板温度を測定する必要があるが,この測定は,通常温度センサを熱板に設けることによって実現されている。
【0004】
温度センサの設置は,例えば熱板の裏面から表面に向けて有底孔を設け,その底部に温度センサを設けることによって行われる。この場合,温度センサが熱板に密着し,落下しないように,温度センサを下方から押さえ板や押さえ棒等で押さえる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,温度センサを,単純に押さえ棒等で押さえるようにすると,その押さえ部材を介して,外部からの熱が伝導し,温度センサ近辺の熱板温度が変化し,熱板の正確な温度を測定することができなくなる。そして,このように熱板温度が正確に測定できなくなると,ヒータの調節が適切に行われず,ウェハが所定の温度で加熱されなくなるため,歩留まりが低下することが懸念される。
【0006】
また,近年は,熱板温度の応答性を向上させるため,熱板を薄型にする傾向があるが,熱板を薄型にした場合は,外部の熱が上記押さえ棒と熱板を介して直接ウェハに影響を与える恐れもある。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,熱板等の熱処理板の有底孔内に設けられた温度センサを,外部からの熱の影響がないように押さえ,熱処理板温度を正確に測定できる基板処理装置を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために,請求項1によれば,基板を表面に載置して熱処理する熱処理板を有する基板処理装置において,前記熱処理板の裏面側から表面側に向けて設けられた有底孔と,前記有底孔内に設けられ,前記熱処理板の温度を測定する温度センサと,前記温度センサを前記有底孔の底部に固定するための固定部材と,前記固定部材を押さえるための押さえ部材と,前記固定部材と前記押さえ部材との間に挟まれる中間部材とを有し,前記中間部材には,断熱材が使用されていることを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0009】
このように,熱処理板の前記有底孔の底部に設けられた温度センサを固定部材で固定し,その固定部材と固定部材を押さえるための押さえ部材との間に,断熱材が使用された中間部材を挟むことによって,押さえ部材からの外部の熱が前記中間部材によって遮断され,外部の熱が温度センサやその周辺の熱処理板に伝導することが抑制される。したがって,温度センサが,外部の熱によって影響されず熱処理板の正確な温度を測定できる。
【0010】
かかる請求項1の発明において,請求項2のように前記固定部材には,前記熱処理板と同一若しくはそれより高い熱伝導率を有する材質が使用されるようにしてもよい。このように,固定部材の材質に熱伝導性の優れたものを使用することによって,熱処理板の温度が固定部材に迅速に伝わり,固定部材の熱処理板に対する熱の応答性が向上する。そのため,熱処理板温度が変更され,熱処理板温度が変動している場合においても,前記固定部材と熱処理板との温度がほぼ一致し,温度センサが固定部材に接していても,熱処理板の正確な温度を測定することができる。なお,前記熱処理板と同一の熱伝導率を有する材質とは,当然全くの同一である必要はなく,温度センサの測定に支障がないものなら前記熱処理板よりも多少熱伝導率の低いものであってもよい。
【0011】
以上で記載した請求項1と請求項2の各基板処理装置において,前記中間部材は,その内部が中空になっていてもよい。このように,中間部材を中空にすることによって,熱の伝わり易い固体部分が減少し,中間部材の断熱性が向上する。したがって,中間部材が外部からの熱をより一層遮断するため,温度センサが,外部の熱によって影響されず熱処理板の正確な温度を測定できる。
【0012】
また,請求項4のように前記固定部材の周面が,前記有底孔の内壁に適合する形状になるようにしてもよい。このように,前記固定部材の周面を前記有底孔の内壁に適合する形状にすることにより,熱処理板の熱が固定部材に伝導しやすくなり,より一層迅速かつ完全に熱処理板の温度と固定部材の温度とを一致させることができる。したがって,熱処理板と固定部材に接触する温度センサの温度測定が適切に行われ,熱処理板の温度を正確に測定することができる。
【0013】
さらに,請求項5のように前記押さえ部材には,断熱材が使用されるようにしてもよい。このように,押さえ部材に断熱材を使用することによって,外部の熱が押さえ部材を介して伝導することを抑制できる。
【0014】
以上で記載した請求項1〜5の各基板処理装置において,請求項6のように前記温度センサは,前記熱処理板の温度を検出する検出部と,その検出部に接続された金属線とを有し,前記検出部は,前記有底孔の底部に設けられ,前記金属線は,前記検出部から前記有底孔の底部に沿って延伸する延伸部を有するようにしてもよい。
【0015】
温度センサが,検出部と金属線によって構成されている場合,検出部に近い金属線は,その周りの熱を拾いその熱が検出部に伝達される。そのため,検出部での測定温度は,実際には,検出部に近い金属線の温度の影響を大きく受けている。そこで,請求項6のように,金属線が検出部から前記有底孔の底部に沿って延伸する延伸部を有するようにして,金属線の前記延伸部と前記検出部とを同じ条件の位置,すなわち有底孔の底部に配置し,前記延伸部の温度が前記検出部の温度と同じなるようにした。こうすることによって,検出部が金属線によって,測定温度を変えられることはなく,正確な温度測定が行われる。
【0016】
かかる請求項6の発明において,請求項7のように前記有底孔の底部には,凹部が形成されており,前記温度センサの検出部は,前記凹部に設けられるようにしてもよい。このように,温度センサの検出部を,前記有底孔の底部に形成された凹部に設けることにより,前記検出部が熱処理板の温度を検出しやすくなるため,熱処理板の温度をより正確に測定することができる。また,請求項8のように前記凹部は,前記検出部の外形に適合するように形成されるようにしてもよい。こうすることにより,前記検出部と前記熱処理板との接触面積が増大し,更に正確に熱処理板の温度を測定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本発明にかかる基板処理装置を有する塗布現像処理システム1の平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0018】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0019】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0020】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0021】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。該塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G3,G4,G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,処理装置群の数は,1以上であれば4つで無くてもよい。
【0022】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,ウェハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置17と,露光後のウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。処理装置群G2の場合も同様に,レジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に積み重ねられている。
【0023】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWを待機させるエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を乾燥させるプリベーキング装置33,34及び現像処理後の加熱処理を施すポストベーキング装置35,36等が下から順に例えば7段に重ねられている。
【0024】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,本実施の形態にかかる基板処理装置としてのポストエクスポージャーベーキング装置(以下「PEB装置」とする)44,45,ポストベーキング装置46,47等が下から順に例えば8段に積み重ねられている。
【0025】
インターフェイス部4の中央部にはウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0026】
次に上述したPEB装置44の構成について説明する。図4に示すように,このPEB装置44は,上側に位置して上下動自在な蓋体60と,下側に位置して蓋体60と一体となって処理室Sを形成する熱板収容部61とを有している。
【0027】
蓋体60は,中心部に向かって次第に高くなる略円錐状の形態を有し,頂上部には排気部60aが設けられている。そして,処理室S内の雰囲気は排気部60aから均一に排気されるようになっている。
【0028】
一方,熱板収容部61には,ウェハWを載置して加熱する熱処理板としての熱板63が設けられている。この熱板63は,厚みが例えば2〜10mm程度の薄い円盤状に形成されており,その材質には,熱伝導性の優れたセラミックである例えば炭化ケイ素や窒化アルミニウムが用いられている。
【0029】
熱板63の裏面には,熱板63の熱源となる発熱部であるヒータ64が印刷技術を用いて設けられており,ヒータ64は,温度制御装置65によってその発熱量が制御されるようになっている。また,熱板63には,熱板63の裏面から表面に向けて所定深さの有底孔66が設けられており,その有底孔66内には,熱板63の温度を測定するための測定手段である温度センサとしての熱電対67が後述する設置機構Kによって設置されている。この熱電対67による測定値は,温度制御装置65に入力される。したがって,熱板63の測定温度を受け取った温度制御装置65は,その測定値に基づいてヒータ64の発熱量を制御し,熱板63を所定の温度に調節して,熱板63上に載置されるウェハWを所定の温度で加熱できるようになっている。
【0030】
ここで,熱電対67を有底孔66に設置する設置機構Kについて詳しく説明すると,図5に示すように,前記有底孔66の底部66aに前記熱電対67が設けられている。この熱電対67の下方には,熱電対67を下方から固定するための固定部材としての固定板68が設けられている。また,その固定板68の下方には,断熱材,例えば樹脂,多孔質セラミック等を材質とする中間部材としての断熱部材69が設けられている。さらに,この断熱部材69の下方には,これらの熱電対67や固定板68及び断熱部材69を下方から押さえるための押さえ部材70が設けられている。なお,この押さえ部材70の下端は,後述する支持台79に固定され,支持されている。
【0031】
上述した熱電対67は,熱板温度を検出する検出部67aと,その検出部67aから前記温度制御装置65まで伸びる金属線67bとを有している。金属線67bは,検出部67aから前記有底孔66の底部66aに沿って延伸し,その後有底孔66の内壁に沿って有底孔66外に延伸するように設けられている。
【0032】
前記固定板68は,有底孔66とほぼ同じ直径を有する円盤状に形成されており,その外周面が有底孔66の内壁と適合するようになっている。また,固定板68の材質には,熱板63と同じ,熱伝導性の良いセラミックが使用されている。前記断熱部材69は,外形が円柱状であり,その内部には,図6に示すように中空部69aが形成されている。押さえ部材70の材質は,断熱材,例えば多孔質セラミックが使用されており,後述する支持台79からの熱が押さえ部材70に伝導し難くくなっている。
【0033】
一方,熱板63の下方には,図4に示すようにウェハWを搬入出する際にウェハWを支持し,昇降させるための昇降ピン75が設けられており,この昇降ピン75は,昇降駆動機構76により上下に移動自在に構成されている。また,熱板63の中央部付近には,熱板63を鉛直方向に貫通する孔77が設けられており,昇降ピン75がこの孔77を貫通し,熱板63上に突出できるように構成されている。
【0034】
また,熱板収容部61は,熱板63の外縁部を支持する支持部材78と,その支持部材78を支持する支持台79を有している。支持部材78には,熱板63の熱を外部に逃がさないように断熱材が使用されている。また,支持台79は,上面が開口した略筒状に形成されており,その上部に支持部材78を支持している。
【0035】
さらに,熱板収容部61は,支持部材78とその支持台79とを囲む略筒状のサポートリング80を有している。このサポートリング80には,処理室S内に向けて例えば,不活性ガスを噴出する吹き出し口80aが設けられており,処理室S内をパージすることができる。また,サポートリング80の外方には,熱板収容部61の外周となる円筒状のケース81が設けられている。
【0036】
次に,以上のように構成されているPEB装置44の作用について,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0037】
先ず,ウェハ搬送体7がカセットCから未処理のウェハWを1枚取りだし,第3の処理装置群G3に属するアドヒージョン装置31に搬入する。このアドヒージョン装置31において,レジスト液との密着性を向上させるHMDSなどの密着強化剤を塗布されたウェハWは,主搬送装置13によって,クーリング装置30搬送され,所定の温度に冷却される。その後,ウェハWは,レジスト塗布装置17又19,プリベーキング装置33又は34に順次搬送され,所定の処理が施される。その後,ウェハWは,エクステンション・クーリング装置41に搬送される。
【0038】
次いで,ウェハWはエクステンション・クーリング装置41からウェハ搬送体50によって取り出され,その後,周辺露光装置51を経て露光装置(図示せず)に搬送される。露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体50によりエクステンション装置42に搬送された後,主搬送装置13に保持される。次いで,このウェハWは,加熱処理が行われるPEB装置44又は45に搬送される。
【0039】
そして,加熱処理の終了したウェハWは,主搬送装置13によりクーリング装置43,現像処理装置18又は20,ポストベーキング装置35,36,46又は47,クーリング装置30と順次搬送され,各装置において所定の処理が施される。その後,ウェハWは,エクステンション装置32を介して,ウェハ搬送体7によってカセットCに戻され,一連の所定の塗布現像処理が終了する。
【0040】
次に上述したPEB装置44の作用について詳しく説明する。先ず,ウェハWの加熱処理を開始する前に,熱板63の温度を所定の温度に加熱し,維持する。この際に,熱電対67は,逐次熱板63の温度を測定しそのデータは温度制御装置65に入力される。そのデータを受け取った温度制御装置65は,そのデータに基づいてヒータ64を調節するようにして,熱板63の温度が所定の温度に加熱,維持される。このとき,押さえ部材70と固定板68との間に断熱部材69を設けているため,熱電対67は,外部からの熱の影響を受けず正確な熱板温度を測定することができる。
【0041】
そして,加熱処理が開始されると,蓋体60が図示しない駆動機構により上昇され,前工程,すなわちパターンの露光処理が終了したウェハWが主搬送装置13によってPEB装置44内に搬入される。そして,PEB装置44内に搬入されたウェハWは,予め熱板63上方の所定の位置で待機していた昇降ピン75上に支持される。
【0042】
次いで,蓋体60が下降され,熱板収容部61と一体となって処理室Sが形成される。このとき,サポートリング80の吹き出し口80aから不活性ガスの供給が開始される。この不活性ガスが処理室Sを通って排気部60aから排気されることにより気流が発生し,以後加熱処理が終了するまで,処理室S内の雰囲気がパージされる。
【0043】
その後,ウェハWは,昇降駆動機構76により昇降ピン75と共に下降され,熱板63上に載置される。そして,ウェハWが載置されると同時に加熱が開始される。その後,ウェハWは,所定時間加熱される。この加熱中においても,熱板63の温度を所定温度に維持するために,熱電対67による正確な温度測定が逐次行われ,その測定結果に基づいて,温度制御装置65によるヒータ68の調節が行われている。
【0044】
そして,所定時間経過後,ウェハWは昇降ピン75により再び上昇されて,熱板63による加熱が終了する。次いで,蓋体60が上昇され,処理室Sが開放される。そして,ウェハWが昇降ピン75から主搬送装置13に受け渡され,ウェハWがPEB装置44内から搬出されて一連の加熱処理が終了する。
【0045】
また,ウェハ処理のレシピが変更され,加熱温度が変更された場合には,熱板63の設定温度が変更される。この際にも熱電対67の温度測定に基づいて,ヒータ68の発熱量の調節が行われ,熱板63を変更された所定温度に加熱する。このとき,熱電対67に接触し,熱電対67を下方から固定している固定板68は,熱伝導性の優れた熱板63と同じ材質でできており,さらに上述したように有底孔66の内壁に適合するような形状に形成されているため,熱板63に対する熱の応答性が良く,常に熱板63の温度とほぼ同じ温度を維持している。したがって,熱板温度が変動している時でも,熱電対67がリアルタイムで熱板63の正確な温度を測定できる。
【0046】
以上の実施の形態によれば,押さえ部材70と固定板68との間に断熱部材69を設けたため,外部,すなわち支持台79側からの熱の伝導を遮断し,熱板温度に熱的な影響を与えないため,熱板温度を維持・調節する際の熱電対67の温度測定が適切に行われる。また,断熱部材69の内部を中空にしたため,断熱部材69の断熱性がさらに向上し,外部の熱をより効果的に遮断している。
【0047】
また,熱電対67を固定する固定板68に熱板63と同じ熱伝導性の良い材質を使用し,さらに,固定板68を有底孔66の内壁に適合する形状にしたため,固定板68が,熱板温度の変化に迅速に応答し,常に熱板温度とほぼ同じ温度を保つことができる。そのため,熱板温度が急激に変動している際にも,固定板68と接触している熱電対67が熱板温度を正確に測定することができる。
【0048】
さらに,押さえ部材70に断熱材を使用しため,支持台79の熱が押さえ部材70に伝導することを抑制できる。
【0049】
また,熱電対67の検出部67aに近い,延伸部としての金属線67bを,有底孔66の底部66aに沿って延伸させて設けたため,検出温度に影響を与える,検出部67aに近い金属線67bを,検出部67aと同じ有底孔66の底部66aに配置することができるので,検出部67aによる熱板温度の検出がより正確に行われる。
【0050】
以上の実施の形態では,熱電対67の検出部67aを有底孔66の底部66aと固定板68との間に挟むようにして設けたが,図7に示すように有底孔66の底部66aに凹部66bを設け,その凹部66bに検出部67aを嵌合させるようにして設けてもよい。前記凹部66bは,検出部67aの外形に適合するように形成され,本実施の形態のように検出部67aが球形の場合には,半球状に形成される。このように,検出部67aを前記凹部66bに嵌合させて設けることによって,検出部67aと熱板63との接触面積が増大し,熱板63の温度をより正確に検出することができる。
【0051】
また,上記の実施の形態では,固定部材68に熱板63と同じ材質を使用していたが,熱板63より熱伝導率の高い材質,例えばアルミニウム,銅等を使用するようにしてもよい。このようにすれば,固定部材68の熱伝導性が向上するため,熱板63の熱をより早く吸収し,熱板63に対する熱の応答性が向上する。したがって,熱板温度を急激に変更させた場合でも,熱板63と固定部材68との温度差をより小さくすることができ,熱電対67がより正確な熱板温度を測定することができる。
【0052】
以上の実施の形態にかかる基板処理装置は,PEB装置44又は45についてであったが,他の加熱処理装置,例えばプリベーク装置33又は34,ポストベーク装置35,36,46又は47においても応用できる。また,ウェハWを載置して冷却処理する冷却板を有するクーリング装置30,40又は43においても応用できる。
【0053】
また,以上で説明した実施の形態は,半導体ウェハデバイス製造プロセスのフォトリソグラフィー工程におけるウェハWの処理装置についてであったが,本発明は半導体ウェハ以外の基板例えばLCD基板の処理装置においても応用できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1〜8によれば,外部からの熱が押さえ部材を介して熱板や温度センサに伝導することが抑制できるため,温度センサの測定を正確に行うことができる。したがって,熱処理板温度の維持・調節を正確に行うことができるため,その熱処理板に載置される基板の処理が適切な温度で行われ,歩留まりの向上が図られる。
【0055】
特に,請求項2によれば,固定部材に熱処理板と同一若しくはそれより高い熱伝導率を有する材質を使用するため,固定部材の熱処理板に対する熱の応答性が向上し,固定部材と熱処理板との温度差を小さく保つことができる。そのため,温度センサが固定部材に接触していても,熱処理板の温度を正確に測定することができる。また,熱処理板の温度を変更する場合においても,固定部材の温度が熱処理板の温度変化に迅速に応答するため,温度センサは,熱処理板の温度を迅速かつ正確に測定することができる。したがって,その測定結果に基づいて行われる熱処理板の温度調節も迅速かつ正確に行われ,その熱処理板上で行われる基板処理のスループットと歩留まりの向上が図られる。
【0056】
また,請求項3によれば,中間部材が外部からの熱をより確実に遮断できるため,温度センサの測定がより一層正確に行われる。
【0057】
請求項4によれば,固定部材の温度が安定し,温度センサの測定がより一層正確に行われる。
【0058】
請求項5によれば,押さえ部材を介する外部からの熱の伝達を抑制し,熱処理板の温度を正確に測定することができる。
【0059】
請求項6によれば,温度センサの温度測定が適切に行われ,その熱処理板に載置される基板の処理が適切な温度で行われ,歩留まりの向上が図られる
【0060】
請求項7又は8によれば,温度センサが,熱処理板の温度をより正確かつ迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるPEB装置を有する塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】本実施の形態にかかるPEB装置の縦断面の説明図である。
【図5】PEB装置の熱板における熱電対の設置機構を示す縦断面の説明図である。
【図6】断熱部材の縦断面の説明図である。
【図7】有底孔の底部に凹部を設けた場合の熱板の縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
44 PEB装置
63 熱板
66 有底孔
66a 底部
67 熱電対
68 固定板
69 断熱部材
70 押さえ部材
K 設置機構
S 処理室
W ウェハ
Claims (8)
- 基板を表面に載置して熱処理する熱処理板を有する基板処理装置において,
前記熱処理板の裏面側から表面側に向けて設けられた有底孔と,
前記有底孔内に設けられ,前記熱処理板の温度を測定する温度センサと,
前記温度センサを前記有底孔の底部に固定するための固定部材と,
前記固定部材を押さえるための押さえ部材と,
前記固定部材と前記押さえ部材との間に挟まれる中間部材とを有し,
前記中間部材には,断熱材が使用されていることを特徴とする,基板処理装置。 - 前記固定部材には,前記熱処理板と同一若しくはそれより高い熱伝導率を有する材質が使用されていることを特徴とする,請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記中間部材は,その内部が中空になっていることを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の基板処理装置。
- 前記固定部材の周面は,前記有底孔の内壁に適合する形状であることを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 前記押さえ部材には,断熱材が使用されていることを特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の基板処理装置。
- 前記温度センサは,前記熱処理板の温度を検出する検出部と,その検出部に接続された金属線とを有し,
前記検出部は,前記有底孔の底部に設けられ,
前記金属線は,前記検出部から前記有底孔の底部に沿って延伸する延伸部を有することを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の基板処理装置。 - 前記有底孔の底部には,凹部が形成されており,
前記温度センサの検出部は,前記凹部に設けられていることを特徴とする,請求項6に記載の基板処理装置。 - 前記凹部は,前記検出部の外形に適合するように形成されていることを特徴とする,請求項7に記載の基板処理装置。
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