JP2004162419A - 収納式連動引吊戸装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】引戸10に備える外扉Aと内扉Bの上框部12・21および下框部13・22に、それぞれスライドレールR1・R2を取り付け、スライドレールR1・R2で外扉Aおよび内扉Bを相互に摺動可能に連結して一体化する。そして、引戸10の開閉時、外扉Aと内扉BとがスライドレールR1・R2を介して相互に連結状態で一体に摺動し、スライドレールR1・R2よって横振れの発生を規制しながら直線的にスライドさせる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、外扉と外扉内に収納する内扉からなる収納式引戸を摺動可能に吊持し、開閉時、引戸の一方の扉をスライドさせると、遅れて連動する他方の扉を摺動させて開口部を開閉する収納式の連動引吊戸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の収納式連動引吊戸装置では、たとえば図9〜図11に示すように、引戸1を後扉(外扉)2と前扉(内扉)3の2体で構成する一方、引戸1全体の薄形化を目的として、後扉2内に前扉3を出し入れ自在に収納する構造にしている。他方、引戸1の上方にガイドレール4を横設し、そのガイドレール4に前後一対の吊車5a・5bを係合して後扉2をスライド可能に吊持している。前扉3は、前吊車6aをガイドレール4に係合する一方、後吊車6bを、後扉2内で上部に横設したガイドレール7に係合してスライド可能に吊持している。
【0003】
そして、引戸1は、基端を戸袋8の奥壁下部に回動可能に取り付けた連動杆9で前後の扉2・3を連結し、開閉時、取っ手1aを持って前扉3をスライドさせると、続いて後扉2が連動して摺動することにより開口部を開閉する構造にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の収納式連動引吊戸装置では、前後の扉2・3をスライドするとき、とりわけ扉の下部側が横振れを起しやすく、そのために後扉2の内壁面と前扉3の外壁面がぶつかり、その度に衝突音がしたり、擦れて前扉3の外壁面の塗装が剥がれたりするおそれがある。そこで、従来の収納式連動引吊戸装置では、収納状態において後扉2と前扉3間に、ぶつからない程度の大きな間隔があくように、収納する側の後扉2を比較的厚くした構造にしている。しかし、これでは、後扉2と前扉3間の隙間を大きくする分だけ、却って引戸1全体が厚くなって大型化し、薄形化を実現する収納式引戸本来の利点が失われるという課題があった。
【0005】
また、従来の収納式連動引吊戸装置では、収納される側の前扉3が、収納式引戸の構造上、比較的薄形に形成されるため、正面又は背面側の板面が押されると凹みやすく、前扉3が強度的に脆弱になるという課題があった。
【0006】
さらに、従来の収納式連動引吊戸装置では、引戸1の後扉2と前扉3を上部側で各々案内するガイドレール4・7や吊車5a…などからなるガイドレール機構を、引戸1の上方に上下2段にわたって組み付ける構造であるため、それだけ余分に引戸1の上方にガイドレール機構を設置するための広いスペースが必要になるという課題もあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、収納式引戸の剛性を弱めることなく、より一層の薄形化を実現し、且つ引戸上方に必要なガイドレール機構の設置スペースを小さくする収納式連動引吊戸装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】したがって、請求項1に記載の発明は、上述した目的を達成すべく、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、共に薄箱状をなす一方の外扉Aと、該外扉A内に収納する他方の内扉Bとからなる引戸10を摺動可能に吊持し、開閉時、前記外扉Aをスライドさせると、遅れて連動する前記内扉Bを摺動させて開口部Sを開閉する収納式連動引吊戸装置であって、前記内扉Bと前記外扉Aの上框部21・12および下框部22・13に、対向するレール体の係合部を係合させて互いにスライド自在に連結してなるスライドレールR2・R1を取り付け、該スライドレールR1・R2で前記内扉Bおよび前記外扉Aを相互に摺動可能に連結して一体化してなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納式連動引吊戸装置において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記スライドレールR1・R2は、両側縁に内向きに湾曲した係合部30aを有するアウターレール30と、両側縁に外向きに湾曲した係合部31aを有するインナーレール31とを、前記係合部30a・31aにおいて、ボールリテナー32で保持した多数のボール33を介して係合してスライド自在に連結したスライドレール単体rを使用してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一例である収納式連動引吊戸装置を引戸の開状態において示す縦断面図、図2は斜視図、図3は正面図である。図示例の連動式吊戸装置で開閉する引戸10は、一方の外扉Aと、外扉A内に収納する他方の内扉Bの2体からなる。
【0012】
外扉Aは、取っ手gを取り付けた正面と背面側の板面部11・11と、横細長な上下の框部12・13と、縦細長な前側面部14とを有する一方、後側面部を開放して扉出入部を形成した全体に薄箱状に組み立ててなる。特に下框部13は、両板面部11・11の下縁に取り付けた金属製のガイドフレームにより形成する。ガイドフレーム13は、全体に略チャネル状に曲げ成形し、断面コ形状のレール固定部13aと、レール固定部13aの両側縁から断面L形に外向きに曲げ延びる取付縁13bと、長さ方向両端部を対向する向きに屈曲させたストッパ折曲片13c・13dとを設けてなる。
【0013】
そして、ガイドフレーム13は、レール固定部13aを両板面部11・11間に入り込ませて、取付縁13bを両板面部11・11の下縁11aに固着して外扉Aの下框部を形成すると共に、後述のガイドローラ45を嵌め込むガイド長溝19を下向きに形成してなる。斯かる外扉Aには、上框部12の戸先側に、吊車体15を搭載している。吊車体15には、上框部12上に立ててボルト止めしたアングルプレート16に、戸車17を縦向きに組み付けている。
【0014】
一方、内扉Bは、正面側と背面側の板面部20・20と、横長な上下の框部21・22と、縦長な前後の側面部23・24とで、外扉Aに対し扉出入部から出し入れ可能な厚さの薄箱状に組み立ててなる。上下の框部21・22は、それぞれ金属製の取付フレームにより形成する。取付フレーム21・22は、共に断面コ形に曲げ成形し、レール固定板部21a・22aと、レール固定板部の両側縁から断面L形に曲げ延びる取付片部21b・22bを有してなる。そして、両板面部20・20間の一段奥側で、互いの取付片部21b・22bが対向する向きで両板面部20に固着して上下の框部21・22を形成してなる。斯かる内扉Bには、上框部21の戸尻側に吊車体25を搭載している。吊車体25には、取付ブラケット26を介して上框部21の戸尻側にボルト止めしたアングルプレート27に、戸車28を縦向きに組み付けている。
【0015】
さて、本発明では、特に、上述した外扉Aと内扉Bの上框部12・21および下框部13・22にそれぞれ、スライドレールR1・R2を取り付け、それらスライドレールR1・R2で両扉A・Bを相互に摺動可能に連結して一体化してなる。
【0016】
スライドレールR1・R2は、図4に示すような長尺な金属製スライドレール単体rを2本使用し、それぞれダブルスライドレール構造になっている。スライドレール単体rは、両側縁に内向きに湾曲した長手な係合部30aを有するアウターレール30と、両側縁に外向きに湾曲した同じく長手な係合部31aを有するインナーレール31とを、互いの係合部30a・31aにおいて、ボールリテナー32で転動可能に保持した多数の金属製ボール33を介して係合し、両レール30・31を互いにスライド自在に連結した構造になっている。なお、アウターレール30には、長さ方向両端に、スライド範囲を規制するストッパ折曲片30bを有する。一方、インナーレール31には、長さ方向片側に、同じくストッパ折曲片を有してなる。
【0017】
そこで、スライドレールR1・R2は、それぞれ図1に示すように、互いのインナーレール31・31′を背中合せに重ねて、溶接により2本のスライドレール単体rを一体化して組み立ててなる。そして、上框部12・21に取り付けるスライドレールR1は、外扉Aの上框部12の内面に、上側のスライドレール単体rのアウターレール30をねじで固着する。下側のスライドレール単体rのアウターレール30′は、内扉Bの上框部21の外面にねじで固着する。
【0018】
下框部13・22に取り付けるスライドレールR2は、内扉Bの下框部22の外面に、上側のスライドレール単体rのアウターレール30をねじで固着する。下側のスライドレール単体のアウターレール30′は、外扉Aの下框部13の外面にねじで固着する。したがって、スライドレールR1・R2は、図5に示すように、下側で固定のアウターレール30′に対し一体のインナーレール31・31′をスライド自在とし、さらにインナーレール31・31′と上側のアウターレール30とを互いにスライド自在とする2段スライド構成にし、それだけスライドストロークを長くしたダブルスライドレール構造になっている。
【0019】
加えて、本発明において、スライドレールR1・R2は、図1〜図3に示すように、外扉Aと内扉Bの上框部12・21および下框部13・22にそれぞれ取り付けて、それら上下框部を補強する支持フレームとしても機能し、それだけ外扉Aおよび内扉Bの剛性が高められる構造になっている。
【0020】
上述の如くスライドレールR1・R2で一体的に連結した外扉Aおよび内扉Bは、各々の戸車17・28を、戸枠Eの上部に固定した走行用ガイドレール35に転動可能に係合してガイドレール35でスライド自在に吊持する。そして、外扉Aおよび内扉Bは、開口部Sの開時、壁Wに沿って形成した引戸収容位置Dにおいて、外扉Aの中に内扉Bを収納した状態で、引戸10としてガイドレール35に懸架している。
【0021】
なお、引戸10において、一方の内扉Bに搭載した吊車体25には、図6に示すとおり、戸車28にそれと同軸に大歯車部28aを設ける一方、同じアングルプレート27に、戸車28の回転を制動する制動手段40を組み付けている。制動手段40は、支持板41で支持し、該支持板を介してアングルプレート27に取り付けている。制動手段40は、円筒ケース40a内に、図示省略するが、円筒ケース40aの内周面と僅かに間隙をあけてロータを回転自在に収納し、この間隙にシリコンオイルを充填して密封し、ロータが回転するとシリコンオイルの粘性抵抗により制動トルクが発生する構造になっている。
【0022】
そこで、制動手段40は、上記ロータに有するロータ軸40bの先端を、円筒ケース40aから戸車28側に突出させて小歯車40cに嵌挿し、小歯車40cを、戸車28の大歯車部28aに噛み合せている。そして、内扉Bが開閉方向にスライドし、戸車28の回転力が前記ロータに伝達されると制動トルクを発生し、内扉Bの摺動を減速させる構造になっている。
【0023】
一方、図示例の連動引吊戸装置には、下部側に、図1〜図3に示すように、開閉操作時に引戸10の下部側が横振れしないように案内するガイド機構Gを備える。ガイド機構Gは、たとえば上記スライドレール単体rを1本使用して構成する。スライドレール単体rは、アウターレール30に対しインナーレール31を下側にして引戸開閉方向に配置し、床面Fの引戸収容位置Dにねじで固着する。上側のアウターレール31上には、その前端部、即ち戸先側に短軸44を立設し、短軸44上に、ガイドローラ45を横向きにして回転自在に取り付けている。ガイドローラ45は、外扉Aの下框部13に有するガイド長溝19に転動自在に嵌め込ませてなる。
【0024】
さて、上述した構成の収納式連動引吊戸装置を作動し、引戸収容位置Dに収容状態の引戸10をスライドさせて開口部Sを閉止する場合は、まず外扉Aを、取っ手gを持って引き出す。すると、外扉Aは、上部側において、戸車17が走行用ガイドレール35上を転動し、そのガイドレール35の案内で直線的にスライドすると同時に、下部側において、ガイド長溝19内のガイドローラ45で横振れを規制しながら、ガイド機構Gで案内して直線的にスライドする。
【0025】
このとき、外扉Aは、特に内扉Bとの関係では、上下のスライドレールR1・R2を介して内扉Bと相互に連結状態で一体に摺動し、スライドレールR1・R2によっても横振れを起すことなく、直線的に案内されて引き出される。即ち、上框部12において、スライドレールR1の一体インナーレール33・33′に対し上側のアウターレール30が摺動し、次いで内扉Bに固定した下側のアウターレール30′に対し一体のインナーレール31・31′が順次前方へ摺動して伸長する。下框部13においては、スライドレールR2の一体インナーレール33・33′に対し下側のアウターレール30′が摺動し、次いで内扉Bに固定した上側のアウターレール30に対し一体インナーレール31・31′が順次前方へ摺動して伸長する。
【0026】
このように外扉Aが引き出される一方、内扉Bは、上下の框部21・22において、スライドレールR1・R2が最大に伸長し、ボールリテナー32の前端がアウターレール30とインナーレール31のストッパ折曲片に順次突き当たると、外扉Aのスライドに対し連動し、少し遅れたタイミングで引き出される。このとき、内扉Bは、上部側において、戸車28が走行用ガイドレール35上を転動し、そのガイドレール35の案内で直線的にスライドする。それと同時に、特に外扉Bとの関係では、上下のスライドレールR1・R2を介して外扉Aと一体な連結状態で摺動し、スライドレールR1・R2によっても、横振れを起すことなく直線的に案内されて引き出される。
【0027】
こうして後方の内扉Bが閉止方向に引き出されるときは、戸車28の回転が歯車28a・40cの噛み合いを介して伝達されて、制動手段40が作動する。そして、制動手段40のロータが回転すると、それに応じシリコンオイルの粘性抵抗により制動トルクが発生して戸車28の回転を減速し、内扉Bを外扉Aより遅い速度でスライドさせる。
【0028】
一方、前方の外扉Aは、スライド途中において、ガイドローラ45が下框部13の後端側に有する上記ストッパ折曲片13dに突き当たると、ガイド機構Gのアウターレール30がスライドして引き出され、床面F上に固定のインナーレール31に対して閉止方向へ伸長すると同時に、アウターレール30が伸長するに従い、戸先側のガイドローラ45が閉止方向前方へ移動する。そして、ガイドローラ45は、アウターレール30のストッパ折曲片30bがボールリテナー32の端部に突き当たるまで前方へと移動する。したがって、外扉Aは、引続きスライドするとき、下部側において、閉止方向前方へ移動したガイドローラ45により横振れを規制しながら案内されて、直線的に引き出されていく。こうして外扉Aと内扉Bとが順次連動し、図7および図8に示すように直線的に引き出され、開口部Sを閉止する。
【0029】
さて反対に、開口部Sの開時は、外扉Aを、取っ手gを持って引き戻すと、上述した閉時と同様に、外扉Aは、上部側において、戸車17が走行用ガイドレール35上で転動し、そのガイドレール35の案内で直線的にスライドすると同時に、下部側において、ガイド溝19内のガイドローラ45で横振れを規制しながら、ガイド機構Gで案内して直線的にスライドする。
【0030】
このときも、外扉Aは、特に内扉Bとの関係では、上下のスライドレールR1・R2を介して内扉Bと相互に連結状態で一体に摺動し、スライドレールR1・R2によっても横振れを起すことなく、直線的に案内されて引き戻される。即ち、上框部12において、スライドレールR1の一体インナーレール33・33′に対し上側のアウターレール30が摺動し、次いで内扉Bに固定した下側のアウターレール30′に対し一体のインナーレール31・31′が摺動する。下框部13においては、スライドレールR2の一体インナーレール33・33′に対し下側のアウターレール30′が摺動し、次いで内扉Bに固定した上側のアウターレール30に対し一体インナーレール31・31′が摺動する。
【0031】
こうして外扉Aが引き戻される一方、内扉Bは、上下の框部21・22において、スライドレールR1・R2の上下アウターレール30・30′と一体インナーレール31・31′とが完全に重なり相互のストッパ折曲片が突き当り状態なると、外扉Aのスライドに対し連動し、少し遅れたタイミングで摺動し始める。そして、上述した閉時の場合と同様に、上記制動手段40で減速されて外扉Aより遅い速度でスライドしながら引き戻される。このとき、内扉Bは、上部側において、戸車28が走行用ガイドレール35上を転動し、そのガイドレール35の案内で直線的にスライドする、それと同時に、特に外扉Aとの関係では、上下のスライドレールR1・R2を介して外扉Aと一体な連結状態で摺動し、スライドレールR1・R2によっても横振れを起すことなく、直線的に案内されて引き戻される。
【0032】
一方、引き戻される外扉Aは、そのスライド途中において、ガイドローラ45が、下框部13の前端側に有する上記ストッパ折曲片13cに突き当たると、ガイド機構Gのアウターレール30が床面F上に固定のインナーレール31と重なる方向へスライドして引き戻される。したがって、外扉Aは、その後、引続きスライドするときも、下部側において、ガイド長溝19内のガイドローラ45で横振れを規制されながら案内され、直線的に引き戻される。こうして外扉Aと内扉Bとが順次連動し、図2および図3に示すように引戸収容位置Dへと引き戻され、開口部Sを開放する。
【0033】
ところで、上述した図示実施の形態には、外扉Aと内扉Bを連結するスライドレールR1・R2は、図4に示すスライドレール単体rを2本使用して構成したが、スライドレール単体rを1本用い、同様に外扉Aと内扉Bをスライド自在に連結して一体化する構成にすることもできる。また、以上の実施の形態では、スライドレールR1・R2として、アウターレール30とインナーレール31とを、ボールリテナー32で保持した多数のボール33を介し係合して連結した構造のものを使用したが、本発明では、対向する長尺なレール体の係合部を互いに係合させてスライド自在に連結した構成のスライドレールであれば、上記した図示例以外のものを除外するものではない。
【0034】
【発明の効果】上述の如く構成した本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0035】
請求項1に記載の発明によれば、内扉と外扉の上框部および下框部に、対向するレール体の係合部を係合させて互いにスライド自在に連結してなるスライドレールを取り付け、該スライドレールで内扉および外扉を相互に摺動可能に連結して一体化した構成であるため、引戸の開閉時に、外扉と内扉とがスライドレールを介して相互に連結状態で一体に摺動し、該スライドレールよって横振れの発生を規制しながら直線的にスライドさせることができる。その結果、従来の如く内外扉同士がぶつかって衝突音がしたり、塗装が剥がれたりする不具合の発生を憂慮し、内外扉間に必要以上の間隙をあけて引戸を厚い大型な構造にする必要性がなくなり、これによって、収納式連動引吊戸のより一層の薄形化を実現させることができる。
【0036】
また、収納式の連動引吊戸にあっても、外扉と内扉の上框部および下框部にそれぞれスライドレールを取り付けて、これらスライドレールが上下の框部を補強する支持フレームとして機能し、それだけ内外扉の剛性が高められる構造にするため、従来の如く板面を押されるようなことがあっても簡単には凹むことがなく、引戸の強度を著しく向上させることができる。
【0037】
さらに、スライドレールで内扉および外扉を相互に摺動可能に連結して一体化した構成にする結果、引戸上方で内外扉を案内するガイドレール機構を、従来の如く上下2段にわたって設置する必要がなく、即ち、一段余計に必要としない分だけ、引戸上方にガイドレール機構を設置するスペースを小さくし有効利用することができる。
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、アウターレールとインナーレールとを、互いの係合部において、ボールリテナーで保持した多数のボールを介し係合してスライド自在に連結した構造のスライドレールを用いて、上記ガイド機構を構成することにより、それだけ連動引吊戸を、より一層スムーズにスライドさせて開閉方向に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である収納式連動引吊戸装置を引戸開状態において示す縦断面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】その正面図である。
【図4】スライドレール単体の構造を示す斜視図である。
【図5】スライドレールのダブルスライドレール構造を示す斜視図である。
【図6】内扉に搭載した制動手段を備える吊車体の斜視図である。
【図7】収納式連動引吊戸装置を引戸閉状態において示す斜視図である。
【図8】その正面図である。
【図9】従来の収納式連動引吊戸装置を示す正面図である。
【図10】図9中線X−Xに沿って得た縦断面図である。
【図11】図9中線Y−Yに沿って得た横断面図である。
【符号の説明】
A 外扉
B 内扉
D 引戸収容位置
E 戸枠
F 床面
G ガイド機構
R1・R2 スライドレール
S 開口部
W 壁
r スライドレール単体
10 引戸
12・21 上框部
13・22 下框部
30・30′ アウターレール
30a アウターレールの係合部
31 インナーレール
31a インナーレールの係合部
32 ボールリテナー
33 ボール
Claims (2)
- 共に薄箱状をなす一方の外扉と、該外扉内に収納する他方の内扉とからなる引戸を摺動可能に吊持し、開閉時、前記外扉をスライドさせると、遅れて連動する前記内扉を摺動させて開口部を開閉する収納式連動引吊戸装置であって、
前記内扉と前記外扉の上框部および下框部に、対向するレール体の係合部を係合させて互いにスライド自在に連結してなるスライドレールを取り付け、該スライドレールで前記内扉および前記外扉を相互に摺動可能に連結して一体化してなる、収納式連動引吊戸装置。 - 前記スライドレールは、両側縁に内向きに湾曲した係合部を有するアウターレールと、両側縁に外向きに湾曲した係合部を有するインナーレールとを、前記係合部において、ボールリテナーで保持した多数のボールを介して係合してスライド自在に連結したスライドレール単体を使用してなる、請求項1に記載の収納式連動引吊戸装置。
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