JP2004156950A - 表面弾性波素子モジュール及びその製造方法 - Google Patents

表面弾性波素子モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面弾性波素子モジュールの小型化、低コスト化、及び高性能化を図る。
【解決手段】圧電性材料からなる基板1上に、電波を送受信するアンテナ部2と、アンテナ部2に励振電極3が接続された表面弾性波素子部4と、アンテナ部2と励振電極3との間に介された整合回路部5とを設ける。基板1をランガサイト単結晶によって構成する。アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5のそれぞれを、同一の金属パターンによって形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ機能を有する表面弾性波素子モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面弾性波素子は、入力された電気エネルギー(電気信号)を表面弾性波(以下SAWとも略称する)に変換し、また入力された表面弾性波を電気エネルギー(電気信号)に変換する素子であって、この表面弾性波素子にアンテナ機能を設けたモジュールは、例えば下記特許文献1、2、3に記載されているようなワイヤレスセンサシステム等に用いられる。なお、下記特許文献1、2、3では、表面弾性波素子として水晶基板が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4,620,191号明細書
【特許文献2】
特開平7−12654号公報
【特許文献3】
特表平7−502513公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、以下の課題が残されていた。すなわち、上記従来のワイヤレスセンサでは、アンテナ部と表面弾性波素子とを別々に作製してこれらをPCB基板あるいはセラミックス基板に実装しているため、小型化が困難であった。
また、このようにアンテナ部と表面弾性波素子とが別部品であるために、これらの間での信号の伝達効率を高めるためには、これらに対してさらに別部品である整合回路を設けて個別にインピーダンスマッチングをとる必要がある。このようなマッチング作業には時間がかかる上、ワイヤレスセンサの部品点数が多くなるために製造コストが高くなってしまう。
さらに、このようにアンテナ部、表面弾性波素子、整合回路がそれぞれ別部品であるために、これらの接続部の抵抗損失によって大きな信号の伝搬損失が生じてしまう。
【0005】
また、このようなワイヤレスセンサでは、外部整合回路の受動部品の温度特性変化や耐熱性によって、使用可能な温度範囲の上限が決定されてしまう。さらに、各部品をはんだ付けによって接続している場合には、はんだの融点(数百度)以下の温度範囲でしか用いることができない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、小型化及び低コスト化が可能な表面弾性波素子モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明に係る表面弾性波素子モジュールは、電波を送受信するアンテナ部と、該アンテナ部に接続される励振電極を有する表面弾性波素子部とを備えた表面弾性波素子モジュールであって、圧電性材料からなる基板を有し、前記アンテナ部及び前記表面弾性波素子部が、同一の前記基板上に形成された導体パターンによって構成されていることを特徴とする。
【0008】
この表面弾性波素子モジュールでは、同一の基板にアンテナ部と表面弾性波素子部とが設けられており、さらに、圧電性材料からなる基板上に形成された導体パターンによってアンテナ部の回路が構成されていてアンテナ部が基板の誘電性を利用したいわゆるチップアンテナタイプとなるとともに、アンテナ部と表面弾性波素子部との一体形成により、全体として大幅な小型化を図ることができる。
このように表面弾性波素子モジュールが小型になると、その熱容量が小さくなり、周囲の温度変化に追従して表面弾性波素子モジュール自身の温度も迅速に変化する。
このため、表面弾性波素子モジュールがワイヤレス温度計測モジュールである場合には、測定対象の急激な温度変化に対する応答性が高い。
ここで、アンテナ部を構成する導体パターンと表面弾性波素子部を構成する導体パターンとをワイヤボンディングによって接続した構成とすることで、従来のようにこれらをはんだ付けによって接続した場合に比べて接続部での信号の伝搬損失が少なくなって信号の伝達効率が向上するとともに、はんだの融点以上の高温環境においても使用することができる。
さらに、アンテナ部の導体パターンと表面弾性波素子部の導体パターンとを一体の導体パターンによって構成することで、これらを別々の導体パターンとした場合に生じる接続部での信号の伝搬損失がなくなり、耐熱性もさらに向上する。
【0009】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールにおいては、前記アンテナ部と前記表面弾性波素子部とが整合回路部を介して接続され、該整合回路部が、前記基板上に形成された導体パターンによって構成されている技術が採用される。
この構成では、整合回路部によってアンテナ部と表面弾性波素子部とのインピーダンスマッチングが行われるので、これらの間で効率的に信号伝達を行うことができる。そして、この整合回路部も基板上に形成される導体パターンによって構成されているので、外部整合回路を設けた場合に比べて表面弾性波素子モジュールの大幅な小型化を図ることができ、また耐熱性も向上させることができる。
ここで、整合回路部を構成する導体パターンをアンテナ部の導体パターン及び表面弾性波素子部の導体パターンにワイヤボンディングによって接続する構成とすることで、従来のようにこれらをはんだ付けによって接続した場合に比べて接続部での信号の伝搬損失が少なくなって信号の伝達効率が向上するとともに、はんだの融点以上の高温環境においても使用することができる。
さらに、アンテナ部、表面弾性波素子部、整合回路部のそれぞれを構成する導体パターンを一体の導体パターンによって構成することで、これらを別々の導体パターンとした場合に生じる接続部での信号の伝搬損失をなくすことができ、耐熱性もさらに向上する。
【0010】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールにおいては、前記基板を単結晶圧電材料によって構成することが望ましい。このような基板は、その全域で結晶軸の向きが同一であって、この基板上に設けられるアンテナ部及び表面弾性波素子部の性能が安定するので、この構成を採用した表面弾性波素子モジュールは、より高い信頼性を有する。
【0011】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールにおいては、前記基板を常誘電体圧電材料によって構成することが望ましい。このような基板は、その融点以下の温度であれば相転移が生じずに誘電体としての性能が維持されるので、このような構成を採用した表面弾性波素子モジュールは、より高い耐熱性を有する。
【0012】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールは、前記基板がLaGaSiO14(Langasite:ランガサイト)単結晶で形成されていることが好ましい。ランガサイト単結晶は常誘電体であってその融点以下の温度であれば相転移が生じずに誘電体としての性能が維持される。そして、ランガサイト単結晶の融点は1480°Cと、水晶の相転移温度573°Cよりも高いので、このような構成を採用した表面弾性波素子モジュールは、より高い耐熱性を有する。
また、ランガサイト単結晶は水晶よりも誘電率が高いので、アンテナ部をより小型化することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールの製造方法は、電波を送受信するアンテナ部と、該アンテナ部に励振電極が接続された表面弾性波素子部とを備えた表面弾性波素子モジュールの製造方法であって、圧電性材料からなる基板上に導体膜を形成する導体膜形成工程と、該導体膜上に前記アンテナ部及び前記表面弾性波素子部と同一形状のマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記導体膜にエッチングを施して該導体膜において前記マスクパターンから露出される領域を除去して前記アンテナ部及び前記表面弾性波素子部を構成する導体パターンを形成するエッチング工程とを有していることを特徴とする。
この表面弾性波素子モジュールの製造方法では、アンテナ部及び表面弾性波素子部が、基板上の導体膜にマスキング、エッチングを施すことで同時に形成されるので、製造工程が簡略化されるとともに高精度に形成を行うことができる。
ここで、アンテナ部と表面弾性波素子部との間に整合回路を設けた構成の表面弾性波素子を製造する場合には、整合回路部も、アンテナ部及び表面弾性波素子部と同様にして形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表面弾性波素子モジュールの一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る表面弾性波素子モジュールの構成を示す平面図、図2は図1の一部拡大図、図3は本実施の形態に係る表面弾性波素子モジュールの製造方法を示す図である。
【0015】
本実施形態では、表面弾性波素子モジュールをワイヤレス温度計測モジュールに適用した例を示す。このワイヤレス温度計測モジュールは、図1に示すように、圧電性材料からなる基板1を有しており、この基板1上には、電波を送受信するアンテナ部2と、アンテナ部2に励振電極3が接続された表面弾性波素子部4と、アンテナ部2と励振電極3との間に介された整合回路部5とが設けられている。
【0016】
上記基板1は、圧電性材料からなるものであって、好ましくは単結晶圧電材料や常誘電体圧電材料によって構成される。本実施の形態では、基板1は、LaGaSiO14(ランガサイト)単結晶で形成されている。ここで、ランガサイト単結晶は常誘電体であって、その誘電率は、ε11=19.06、ε33=51.6と、水晶(誘電率ε11=4.34、ε33=4.27)よりも高い。また、このように基板1が単結晶圧電材料によって構成されており、基板1の全域で結晶軸の向きが同一であるので、基板1上に形成されるアンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5の性能が安定する。
【0017】
上記アンテナ部2は、基板1上に形成された導体パターンで構成されるものである。この導体パターンは、例えば、Al(アルミニウム)、Pt(白金)、Au(金)、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)のいずれかの導体単体と不可避不純物とによって構成されるほか、これら導体のうちの二種以上と不可避不純物とを含む混合体や合金によって構成される。
アンテナ部2の構成は任意とすることができるが、本実施の形態では、アンテナ部2をより小型としながら送受信を効率よく行うことができるように、アンテナ部2を構成する導体パターンを、実際の長さがλ/4(λは送受信電波の波長)となる蛇行形状(ジグザグ形状)に形成している。ここで、本実施の形態では、基板1が水晶よりも誘電率の高いランガサイト単結晶によって構成されているので、基板1を水晶によって構成した場合に比べてアンテナ部2を小型化することができる。
【0018】
上記励振電極3は、圧電体材料からなる基板1上に対向して配された一対の櫛形電極であって、例えばアンテナ部2を構成する導体パターンと同じ材質からなる導体パターンによって構成されている。
各櫛形電極には、それぞれ別のアンテナ部2が整合回路部5を介して接続されている。すなわち、このワイヤレス温度計測モジュールは、2つのアンテナ部で構成されたダイポール構造を有している。
励振電極3は、アンテナ部2から入力された電気エネルギーを基板1に伝達して基板1に表面弾性波を生じさせる役割と、表面弾性波が生じることによって基板1が発する電気エネルギーを受けてアンテナ部2に伝達する役割とを有している。
【0019】
上記整合回路部5は、両アンテナ部2の間に介装されるコンデンサCと、各アンテナ部2とこのアンテナ部2に対応する励振電極3との間に介装されるインダクタIとを有している。コンデンサCの容量、インダクタIのインダクタンスは、整合回路部5に要求される性能に応じて適宜設定される。
コンデンサCは、図2に示すように、それぞれのアンテナ部2から延びる先端が分岐した導体パターンによって構成されるものであって、これら導体パターンのうちの一方の導体パターンの分岐部同士の間に、それぞれ他方の導体パターンの分岐部を位置させて設けたものである。このコンデンサCの容量は、これら分岐部の形状や配置によって決定されるものであって、分岐部の数または分岐部同士の重ね合わせ量が多いほど容量が大きくなり、分岐部の数または分岐部同士の重ね合わせ量が少ないほど容量が小さくなる。
インダクタIは、インダクタンスを持つ形状に形成された導体パターンによって構成されるものであって、本実施の形態では、図2に示すように、インダクタIを蛇行形状(ジグザグ形状)に形成している。このインダクタのインダクタンスの大きさは、その形状によって決定されるものであって、蛇行幅や蛇行回数が多くなるほどインダクタンスが大きくなり、蛇行幅や蛇行回数が少なくなるほどインダクタンスが小さくなる。
これらコンデンサC、インダクタIは、アンテナ部2、励振電極3と同様、基板1上に形成された導体パターンで構成されている。この導体パターンは、例えばアンテナ部2、励振電極3を構成する導体パターンと同じ材質によって構成されている。
【0020】
以下、このように構成されるワイヤレス温度計測モジュールの製造方法について図3を用いて説明する。
【0021】
〔導体膜形成工程〕
まず、所望形状の基板1の一面に、スパッタリング等によって、例えばAl、Pt、Au、Rh、Ir、Tiのいずれかの導体単体と不可避不純物とを含む導体、もしくはこれら導体のうちの二種以上と不可避不純物とを含む混合体や合金からなる導体膜21を形成する(図3(a)参照)。ここで、Alの融点は660°Cであり、ワイヤレス温度計測モジュールの耐熱性をより高めたい場合には、導体パターンはより融点の高い導体からなる導体膜によって構成することが望ましい。ここで、Ptの融点は1769°C、Auの融点は1063°C、Rhの融点は1955°C、Irの融点は2550°C、Tiの融点は1820°Cであり、これらの混合体や合金の融点もこれに準ずる。
【0022】
〔マスクパターン形成工程〕
続いて、図3(b)に示すように、導体膜21上に、紫外線反応型レジスト等のフォトレジスト(ネガ型、ポジ型のいずれでもよい)を塗布してレジスト層22を形成し、このレジスト層22上に、非遮光部23aと遮光部23bとを有するフォトマスク23を設置した状態で、紫外光等の光源を用いてフォトレジスト層22を露光する。
ここで、レジスト層22として用いるフォトレジストがネガ型である場合には、形成したい導体パターンと同形状、同配置にして非遮光部23aが設けられて非遮光部23a以外の領域が遮光部23bとされたフォトマスク23が用いられる。また、フォトレジストがポジ型である場合には、形成したい導体パターンと同形状、同配置にして遮光部23bが設けられ、遮光部23b以外の領域が非遮光部23aとされたフォトマスク23が用いられる。
そして、上記露光作業後にフォトマスク23の除去とレジスト層22において溶剤に可溶な領域の除去を行うことで、図3(c)に示すように、導体膜21上に、形成したい導体パターンと同形状のマスクパターン24を形成する。
【0023】
〔エッチング工程〕
さらに、このようにマスクパターン24が形成された導体膜21にエッチングを施して、導体膜21においてマスクパターン24から露出されている領域を除去し、さらにマスクパターン24も除去することで、図3(d)に示すように、基板1上に所望の形状の導体パターン25を形成して、ワイヤレス温度計測モジュールを得る。
このワイヤレス温度計測モジュールの製造方法では、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5を同時に形成することができ、従来のワイヤレス温度計測モジュールに比べて製造工程が簡略化されるので、ワイヤレス温度計測モジュールの製造が容易となるとともに、製造コストも低減することができる。
また、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5の導体パターンがフォトリソグラフィを用いて形成されるので、これらを高精度に形成を行うことができる。
【0024】
次に、本実施形態のワイヤレス温度計測モジュールを用いた温度計測方法について説明する。
まず、測定対象のワークに直接又はその近傍に本実施形態のワイヤレス温度計測モジュールを取り付ける。
また、遠隔計測するための基地局(図示略)を設置し、該基地局から表面弾性波素子部4の周波数と一致したバースト信号を出力する。
ワイヤレス温度計測モジュールは、アンテナ部2によりバースト信号を受信すると共に、励振電極3の一方の櫛形電極により電気エネルギーをSAWに変換し、このSAWが基板1の表面に伝搬して他方の櫛形電極を通り再び電磁波に変換して放射する。
【0025】
したがって、バースト信号が放射されてしばらく後に返信波が基地局に返ってくることになる。基板1上のSAWは温度によって伝搬速度が変化するため、上記返信波が返ってくる時間を測定することにより、基地局の演算回路においてSAWの温度遅延から温度を算出する。
【0026】
本実施形態のワイヤレス温度計測モジュールでは、誘電体材料の基板1を備え、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路5のそれぞれが、基板1に形成された導体パターンで構成されており、またアンテナ部2が誘電体材料の誘電性を利用したいわゆるチップアンテナタイプとなるとともに、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5との一体形成により、全体として大幅な小型化を図ることができる。特に、本実施の形態では、整合回路部5も基板1上に形成される導体パターンによって構成しているので、外部整合回路を設けた場合に比べて大幅な小型化を図ることができる。また、この導体パターンの形状精度も高いので、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5の性能も高い。
そして、このようにワイヤレス温度計測モジュールが小型であると、その熱容量が小さくなり、周囲の温度変化に追従してワイヤレス温度計測モジュール自身の温度も迅速に変化するので、測定対象の急激な温度変化に対する応答性が高い。
【0027】
また、このワイヤレス温度計測モジュールでは、アンテナ部2、表面弾性波素子部4、整合回路部5が、一体の導体パターンによって構成されているので、これらを別部品によって構成した場合には避けきれなかった接続部における信号の伝搬損失がなくなり、信号の伝達効率が向上して高い通信性能を発揮することができるとともに、はんだによる接合部や外部整合回路を実装するための基板がなくなるため、これらの耐熱温度以上の高温環境においても使用することが可能となる。
さらに、アンテナ部2と表面弾性波素子部4とが、整合回路部5を介して接続されているので、整合回路部5によりインピーダンスマッチングを行うことができ、効率的に信号伝達を行うことができる。
【0028】
そして、このワイヤレス温度計測モジュールでは、基板1として、ランガサイト単結晶を用いている。ランガサイト単結晶は常誘電体圧電材料であるので、その融点以下の温度であれば相転移が生じずに誘電体としての性能が維持され、またランガサイト単結晶の融点は1480°Cと、水晶の相転移温度573°Cよりも高いので、基板1として水晶を用いた場合より高い耐熱性を有する。このため、本実施の形態に係るワイヤレス温度計測モジュールでは、基板として水晶を用いた場合よりもより高温の環境で使用することができる。
【0029】
ここで、上記実施の形態では、整合回路部5のインダクタとして、蛇行形状の導体パターンからなるインダクタIを用いた例を示したが、これに限られることなく、インダクタとしては、図4に示すような渦巻き状の導体パターンからなるインダクタIaを用いてもよい。この場合には、インダクタIaを構成する導体パターンのうち渦巻きの外周側の端部はアンテナ部2または表面弾性波素子部4のうちの一方の導体パターンと一体に形成し、渦巻きの内周側の端部と他方の導体パターンとの間にはワイヤボンディングによって渦巻きの上方をまたぐ金線Auを設けて、これらを電気的に接続する。このようにワイヤボンディングによる接続構造を採用した場合には、ワイヤボンディングによる接続部で若干の信号の伝搬損失が生じ、またワイヤボンディングに用いた金線の融点以下の温度範囲でしか使用することができないが、金線ははんだよりも電気抵抗が小さく、またはんだよりも融点が高いので、従来のようにはんだ付けによる接続構造に比べて信号の伝搬損失が少なく、また耐熱性も高い。
【0030】
また、上記実施の形態では、アンテナ部2と表面弾性波素子部4との間に整合回路部5を設けた例を示したが、これに限られることなく、アンテナ部2の導体パターンと表面弾性波素子部4の導体パターンとを一体の導体パターンによって構成してもよい。この構成では、アンテナ部2と表面弾性波素子部4との間でのインピーダンスマッチングを行わなくとも十分な性能を得られるので、整合回路部5を省いてワイヤレス温度計測モジュールをより小型化することができる。
【0031】
また、上記実施の形態では、表面弾性波素子モジュールにグラウンドを設けない例を示したが、グラウンドを設ける場合には、例えば基板1においてアンテナ部2等が設けられる面とは異なる面(例えば裏面)に設けることができる。グラウンドは、例えば基板1においてアンテナ部2等と電気的に接続される導体膜を設けてこれをグラウンドとしてもよい。アンテナ部2等とグラウンドとの電気的接続は、例えば基板1に設けたスルーホールを通じて行ったり、基板側面に設けた導体パターンを通じて行うことができる。
また、表面弾性波素子モジュールの測定対象または設置対象が導体によって構成されている場合には、基板1にグラウンドを設けずに、測定対象や設置対象をグラウンドとして用いてもよい。この場合、基板1においてアンテナ部2等が設けられる面を測定対象または設置対象との接触面とし、この接触面に端子電極を設け、この端子電極とアンテナ部2等とを、基板に設けたスルーホールや基板側面に形成した導体パターン等を用いて電気的に接続する。そして、表面弾性波素子モジュールの使用にあたっては、測定対象または設置対象に前記端子電極を接触させた状態で使用することで、測定対象または設置対象をグラウンドとして利用する。
【0032】
また、上記実施の形態では、本発明に係る表面弾性波素子モジュールをワイヤレス温度計測モジュールとした例を示したが、これに限られることなく、表面弾性波素子モジュールは、表面弾性波素子部4として適宜構成のものを用いて、ワイヤレス圧力計測モジュールやその他の表面弾性波素子の機能を利用したワイヤレスモジュールとすることができる。
【0033】
また、上記実施の形態では、基板1を露出状態にした構成を示した。この場合には、基板1をパッケージに固定する必要がないため、基板1に歪みが生じにくくなり、表面弾性波素子の性能に悪影響が生じず、正確な測定が可能となるが、表面弾性波素子モジュールを、基板1において導体パターンが設けられる側が導体に接触する可能性のある用途に用いたり、腐食性ガス中や水中、油中など、導体パターンに悪影響が生じるような環境下で使用する場合には、基板1を保護するためにセラミックス製のパッケージに封入してもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る表面弾性波素子モジュールによれば、従来の表面弾性波素子モジュールに比べて大幅な小型化を図ることが可能であり、またより高温の環境で使用することが可能である。
【0035】
また、本発明に係る表面弾性波素子モジュールの製造方法によれば、従来の表面弾性波素子モジュールに比べて製造工程を簡略化することができ、表面弾性波素子モジュールの製造が容易となるとともに、製造コストも低減することができる。また、アンテナ部、表面弾性波素子部を構成する導体パターンを高精度に形成して、これらの性能を向上させることができる、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における表面弾性波素子モジュールの構成を示す平面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】本実施の形態に係る表面弾性波素子モジュールの製造方法を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る表面弾性波素子モジュールの他の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 アンテナ部
3 励振電極 4 表面弾性波素子部
5 整合回路部 21 導体膜
24 マスクパターン 25 導体パターン

Claims (6)

  1. 電波を送受信するアンテナ部と、該アンテナ部に接続される励振電極を有する表面弾性波素子部とを備えた表面弾性波素子モジュールであって、
    圧電性材料からなる基板を有し、
    前記アンテナ部及び前記励振電極が、同一の前記基板上に形成された導体パターンによって構成されていることを特徴とする表面弾性波素子モジュール。
  2. 前記アンテナ部と前記表面弾性波素子部とが整合回路部を介して接続され、
    該整合回路部が、前記基板上に形成された導体パターンによって構成されていることを特徴とする表面弾性波素子モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の表面弾性波素子モジュールにおいて、
    前記基板が単結晶圧電材料によって構成されていることを特徴とする表面弾性波素子モジュール。
  4. 請求項1または2に記載の表面弾性波素子モジュールにおいて、
    前記基板が常誘電体圧電材料によって構成されていることを特徴とする表面弾性波素子モジュール。
  5. 請求項1または2に記載の表面弾性波素子モジュールにおいて、
    前記基板がLaGaSiO14単結晶によって構成されていることを特徴とする表面弾性波素子モジュール。
  6. 電波を送受信するアンテナ部と、該アンテナ部に励振電極が接続された表面弾性波素子部とを備えた表面弾性波素子モジュールの製造方法であって、
    圧電性材料からなる基板上に導体膜を形成する導体膜形成工程と、
    該導体膜上に前記アンテナ部及び前記表面弾性波素子部と同一形状のマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
    前記導体膜にエッチングを施して該導体膜において前記マスクパターンから露出される領域を除去して前記アンテナ部及び前記表面弾性波素子部を構成する導体パターンを形成するエッチング工程とを有していることを特徴とする表面弾性波素子モジュールの製造方法。
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