JP2004150579A - 抜止押輪 - Google Patents
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Abstract
【課題】抜止爪が脱落し難い抜止装置を一体的に有すると共に、抜止作業がし易く、比較的小型軽量にして強靭な構造の抜止押輪の提供。
【解決手段】押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪において、
前記爪穴に、抜止爪を遊嵌すると共に、断面楔状に形成された弾力性を有する素材からなる爪保持部材を爪穴の先端側から差し込んで楔止めしたことを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪において、
前記爪穴に、抜止爪を遊嵌すると共に、断面楔状に形成された弾力性を有する素材からなる爪保持部材を爪穴の先端側から差し込んで楔止めしたことを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下に埋設される管路、例えば、所要長さの管が挿入により逐次接続されて形成される水道用管路を構成するダクタイル管等の管と管とを接続する押輪に関し、詳しくは、押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の抜止押輪の抜止装置では、抜止爪を爪穴に遊嵌して留め置く(以下、仮留ともいう)手段として、平板状のスポンジの両面に接着材が施された仮留部材が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような両面接着の仮留部材では、抜止爪が重いため十分ではなく、搬送途中或いは作業現場で管を押輪に挿入する際等での振動や衝撃等によって、脱落することが少なくなかった。
このため、作業現場では、抜止爪が脱落しているかどうかを確認した上で作業を行わねばならず、脱落していれば改めて当該仮留部材を用いて仮留作業を行わねばならなかった。
【0004】
本発明は、抜止爪が脱落し難い抜止装置を一体的に有すると共に、抜止作業がし易く、比較的小型軽量にして強靭な構造の抜止押輪の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の抜止押輪の発明は、押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪において、
前記爪穴に、抜止爪を遊嵌すると共に、断面楔状に形成された弾力性を有する素材からなる爪保持部材を爪穴の先端側から差し込んで楔止めしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の抜止押輪において、爪保持部材の先端側に、当該爪保持部材を爪穴に抜止爪と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の抜止押輪において、抜止爪は、爪先端側より爪後端側の厚さが厚くなる断面楔状であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1に記載の抜止押輪において、抜止爪の爪後端側の爪保持部材が当てがわれる面と反対側に、当該抜止爪を爪穴に保持部材と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の抜止押輪において、抜止爪用ボルトの先端部で押圧される抜止爪の後端側外面及び当該抜止爪の係止凸部の外面とを、断面において一連の円状の弧を描く形状としたことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の抜止押輪において、爪穴の内周面に、爪保持部材の差し込みを案内する案内溝を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の抜止押輪において、ボルト穴は、抜止爪用ボルトのねじ込み角度が押輪に挿入される管の管軸方向に対して傾斜する角度に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の抜止押輪において、押輪の外周縁を円形にしたことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載の抜止押輪において、押輪の外周縁の適所に、当該押輪を複数個重ねて梱包する際に梱包用索条が引っ掛かる索条用凹部を設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1の抜止押輪を図1乃至図に基いて説明する。図1は抜止押輪の正面図、図2はその背面図、図3はその右側面図、図4は図1のA−A断面図、図5は抜止押輪の要部断面拡大図、図6は接続方法を示す説明図である。
【0015】
図1及び図4において、この抜止押輪(以下、押輪ともいう)1は、図に示すように、中央に管2が相対的に挿入される管用穴11を有するフランジ形状の環体であり、この環状体即ち押輪1の外周縁を円形にしている。
このように環体の外周縁を円形にすることによって、環体における張力は放射状に360度均等に作用するため、外周縁に凹凸のある従来の押輪(図示せず)に比べて、押輪1の耐圧性を向上させることができる。
【0016】
又、この円形の押輪1の外周縁の適所には、当該押輪1を複数個重ねて梱包する際に梱包用索条(図示せず)が引っ掛かる索条用凹部13を設けている。
これにより、当該押輪1を複数枚重ねて梱包する際、梱包用テープ等の索条を掛けまわし易くなり、索条のズレが生ぜず、荷崩れを防ぐことができる。
【0017】
図5において、この押輪1は、当該押輪1に挿入された管2の外周面に食い込み可能に、爪穴31の先端側である前記管2側から遊嵌された抜止爪3と、爪穴31の後端側と連通するように形成されたボルト穴41にねじ込まれて、前記の抜止爪3を管2の外表面に食い込ませる抜止爪用ボルト4とを備えた抜止装置5、5、5が環体に均等間隔に配置され、各々押輪1と一体的に設けられている。
【0018】
図6において、押輪1を用いての管2と管21との接続は、先行する管2の端から、先に押輪1、次にゴム輪6の順に予め嵌めた後、接続のために後行させる管21の接続口22を先行管2の端部に嵌め、当該後行管21のフランジ23のフランジ穴に通した締結ボルト24を押輪1の締結穴に通して、後行管21のフランジ22と押輪1のフランジ12とを締め付け、この締付によって、押輪1で断面楔状のゴム輪6を先行管2の外周面と後行管21の接続口22の内周面との間に押し込んで楔止めした上で、図6においては図示されていない抜止装置5(図5)の抜止爪3を先行管2の外周面に食い込ませて、接続する。
【0019】
抜止装置5の爪穴31は、図5に示すように、抜止爪3が管(先行管)2の外周面に対して略垂直状態に遊嵌されるように形成されており、ボルト穴41は、当該爪穴31の後端側即ち抜止爪3の後端側に連通するように、当該抜止爪用ボルト4が押輪1の軸線即ち管2の管軸方向に対して、ねじ込み易いように傾斜する角度に設けてある。その角度15度程度が好適であるが、勿論、管軸と平行な方向であってもよい。
【0020】
図5において、押輪1の接続部に管2が挿入されて、抜止爪用ボルト4がボルト穴41にねじ込まれていくと、当該抜止爪用ボルト4の先端部に形成された略円錐形状のテーパ面によって、後端部が押された抜止爪3が爪穴31にガイドされながら、その爪先が、図の破線に示すように、管2の外表面に食い込んでいく。この食い込みによって、管2と管21とは、押輪1及びゴム輪6を介して接続される。
【0021】
図1乃至図4において、上記の抜止装置5と同様に構成された他の2つの抜止装置5、5においても、上記説明と同様に、抜止爪用ボルト4(図5)をねじ込んでいくことによって、この例では、挿入された管2の外周面の3箇所に抜止爪3、3、3が食い込んで、押輪1からの管2の抜けが阻止される。これら抜止装置5、5、5は管径に応じて適数個配置すればよい。
【0022】
図5において、押輪1の抜止装置5の爪穴31に、遊嵌される抜止爪3は、そのままでは抜け落ちてしまうため、断面楔状に形成された弾力性を有する素材、例えば、ゴム製の爪保持部材6を、当該爪穴31の先端側から、抜止爪3と共に差し込んで、抜止爪3を楔止めすることによって仮留してある。
【0023】
この爪保持部材6は、先に説明したように、管2と管21とを接続するに当たって抜止爪用ボルト4をねじ込んでいくに従って、抜止爪3の後端側が抜止爪用ボルト4の先端のテーパ面に押されて、図5において、当該抜止爪3が実線から破線で示すよう反時計回りに刃先が回動されながら管2に食い込んでいく際に、抜止爪3の圧力を受けて容易に圧縮されるような弾力性を備えた素材でなければならない。
【0024】
抜止爪3は、その形態を爪先端側から爪後端側に向けて当該抜止爪3自体の厚さが厚くなるように、断面楔状に形成しておくことによって、抜止爪3の脱落をより確実に防止することができる。
又、爪穴31の内周面には、爪保持部材6の差し込みを案内する案内溝33が差しこみ方向に延在するよう設けられているため、爪保持部材6は横ズレを生ずることなく、所定位置にセットすることができる。
【0025】
爪保持部材6の先端側には、爪保持部材6を爪穴31に抜止爪3と共に差しこんだ際、ボルト穴41側に開口する当該爪穴31の縁に係止する係止凸部61を設けると共に、抜止爪3には、その爪後端側の爪保持部材6が当てがわれる面と反対側に、当該抜止爪3を爪穴31に保持部材6と共に差しこんだ際、ボルト穴41の奥側に開口する当該爪穴31の縁、即ちボルト穴41の内周面の少なくとも一部に係止する係止凸部32を設けている。
このような係止凸部32や係止凸部61を設けることによって、爪穴31に差しこまれた抜止爪3は、当該爪穴31に爪保持部材6と在る限り、脱落不能とすることができる。
【0026】
抜止爪3の係止凸部32の外面は、抜止爪用ボルト4の先端部で押圧される当該抜止爪3の後端側外面と、断面において一連の円状の弧を描く形状としている。このように、板状の抜止爪3の後端側を当該板圧より厚い径をもつ円柱形とすることによって、抜止爪3の剛性を高めることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項9の発明によれば、何れも、抜止爪は爪保持手段によって確実に仮留されるので、押輪の製造、或いは出荷の段階や作業現場での振動や衝撃による脱落をより確実に阻止することができる。
従って、接続作業に当たって、抜止爪の有無を一々確認する手間が省け、円滑に作業を行うことができる。
【0028】
請求項3及び請求項4の発明によれば、爪保持部材と相俟って抜止爪の脱落を阻止することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、抜止爪の剛性を高めることができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、爪保持部材を円滑に爪穴に挿入することができる。
【0031】
請求項7の各発明によれば、抜止爪用ボルトのねじ込み作業において、管に工具が接触し難くなると共に、楽な姿勢で作業を行うことができ、作業効率を高めることができる。
【0032】
請求項8の各発明によれば、押輪に生ずる張力を均等に分散させることができるので、耐圧性を高めることができる。
【0033】
請求項9の各発明によれば、複数枚の押輪を重ねて梱包する際に、梱包用の索条にズレが生じないので、梱包作業が容易にできると共に、荷崩れの生じ難い梱包を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抜止押輪の正面図である。
【図2】その背面図である。
【図3】その右側面図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】抜止装置の要部断面拡大図である。
【図6】接続方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 押輪、2 管(先行管)3 抜止装置、4 抜止爪用ボルト、31 爪穴、41 ボルト穴、5 抜止装置、6 爪保持部材、11,12、13 索条用凹部、32 係止凸部、案内溝、62 係止凸部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下に埋設される管路、例えば、所要長さの管が挿入により逐次接続されて形成される水道用管路を構成するダクタイル管等の管と管とを接続する押輪に関し、詳しくは、押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の抜止押輪の抜止装置では、抜止爪を爪穴に遊嵌して留め置く(以下、仮留ともいう)手段として、平板状のスポンジの両面に接着材が施された仮留部材が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような両面接着の仮留部材では、抜止爪が重いため十分ではなく、搬送途中或いは作業現場で管を押輪に挿入する際等での振動や衝撃等によって、脱落することが少なくなかった。
このため、作業現場では、抜止爪が脱落しているかどうかを確認した上で作業を行わねばならず、脱落していれば改めて当該仮留部材を用いて仮留作業を行わねばならなかった。
【0004】
本発明は、抜止爪が脱落し難い抜止装置を一体的に有すると共に、抜止作業がし易く、比較的小型軽量にして強靭な構造の抜止押輪の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の抜止押輪の発明は、押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪において、
前記爪穴に、抜止爪を遊嵌すると共に、断面楔状に形成された弾力性を有する素材からなる爪保持部材を爪穴の先端側から差し込んで楔止めしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の抜止押輪において、爪保持部材の先端側に、当該爪保持部材を爪穴に抜止爪と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の抜止押輪において、抜止爪は、爪先端側より爪後端側の厚さが厚くなる断面楔状であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1に記載の抜止押輪において、抜止爪の爪後端側の爪保持部材が当てがわれる面と反対側に、当該抜止爪を爪穴に保持部材と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の抜止押輪において、抜止爪用ボルトの先端部で押圧される抜止爪の後端側外面及び当該抜止爪の係止凸部の外面とを、断面において一連の円状の弧を描く形状としたことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の抜止押輪において、爪穴の内周面に、爪保持部材の差し込みを案内する案内溝を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の抜止押輪において、ボルト穴は、抜止爪用ボルトのねじ込み角度が押輪に挿入される管の管軸方向に対して傾斜する角度に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の抜止押輪において、押輪の外周縁を円形にしたことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載の抜止押輪において、押輪の外周縁の適所に、当該押輪を複数個重ねて梱包する際に梱包用索条が引っ掛かる索条用凹部を設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1の抜止押輪を図1乃至図に基いて説明する。図1は抜止押輪の正面図、図2はその背面図、図3はその右側面図、図4は図1のA−A断面図、図5は抜止押輪の要部断面拡大図、図6は接続方法を示す説明図である。
【0015】
図1及び図4において、この抜止押輪(以下、押輪ともいう)1は、図に示すように、中央に管2が相対的に挿入される管用穴11を有するフランジ形状の環体であり、この環状体即ち押輪1の外周縁を円形にしている。
このように環体の外周縁を円形にすることによって、環体における張力は放射状に360度均等に作用するため、外周縁に凹凸のある従来の押輪(図示せず)に比べて、押輪1の耐圧性を向上させることができる。
【0016】
又、この円形の押輪1の外周縁の適所には、当該押輪1を複数個重ねて梱包する際に梱包用索条(図示せず)が引っ掛かる索条用凹部13を設けている。
これにより、当該押輪1を複数枚重ねて梱包する際、梱包用テープ等の索条を掛けまわし易くなり、索条のズレが生ぜず、荷崩れを防ぐことができる。
【0017】
図5において、この押輪1は、当該押輪1に挿入された管2の外周面に食い込み可能に、爪穴31の先端側である前記管2側から遊嵌された抜止爪3と、爪穴31の後端側と連通するように形成されたボルト穴41にねじ込まれて、前記の抜止爪3を管2の外表面に食い込ませる抜止爪用ボルト4とを備えた抜止装置5、5、5が環体に均等間隔に配置され、各々押輪1と一体的に設けられている。
【0018】
図6において、押輪1を用いての管2と管21との接続は、先行する管2の端から、先に押輪1、次にゴム輪6の順に予め嵌めた後、接続のために後行させる管21の接続口22を先行管2の端部に嵌め、当該後行管21のフランジ23のフランジ穴に通した締結ボルト24を押輪1の締結穴に通して、後行管21のフランジ22と押輪1のフランジ12とを締め付け、この締付によって、押輪1で断面楔状のゴム輪6を先行管2の外周面と後行管21の接続口22の内周面との間に押し込んで楔止めした上で、図6においては図示されていない抜止装置5(図5)の抜止爪3を先行管2の外周面に食い込ませて、接続する。
【0019】
抜止装置5の爪穴31は、図5に示すように、抜止爪3が管(先行管)2の外周面に対して略垂直状態に遊嵌されるように形成されており、ボルト穴41は、当該爪穴31の後端側即ち抜止爪3の後端側に連通するように、当該抜止爪用ボルト4が押輪1の軸線即ち管2の管軸方向に対して、ねじ込み易いように傾斜する角度に設けてある。その角度15度程度が好適であるが、勿論、管軸と平行な方向であってもよい。
【0020】
図5において、押輪1の接続部に管2が挿入されて、抜止爪用ボルト4がボルト穴41にねじ込まれていくと、当該抜止爪用ボルト4の先端部に形成された略円錐形状のテーパ面によって、後端部が押された抜止爪3が爪穴31にガイドされながら、その爪先が、図の破線に示すように、管2の外表面に食い込んでいく。この食い込みによって、管2と管21とは、押輪1及びゴム輪6を介して接続される。
【0021】
図1乃至図4において、上記の抜止装置5と同様に構成された他の2つの抜止装置5、5においても、上記説明と同様に、抜止爪用ボルト4(図5)をねじ込んでいくことによって、この例では、挿入された管2の外周面の3箇所に抜止爪3、3、3が食い込んで、押輪1からの管2の抜けが阻止される。これら抜止装置5、5、5は管径に応じて適数個配置すればよい。
【0022】
図5において、押輪1の抜止装置5の爪穴31に、遊嵌される抜止爪3は、そのままでは抜け落ちてしまうため、断面楔状に形成された弾力性を有する素材、例えば、ゴム製の爪保持部材6を、当該爪穴31の先端側から、抜止爪3と共に差し込んで、抜止爪3を楔止めすることによって仮留してある。
【0023】
この爪保持部材6は、先に説明したように、管2と管21とを接続するに当たって抜止爪用ボルト4をねじ込んでいくに従って、抜止爪3の後端側が抜止爪用ボルト4の先端のテーパ面に押されて、図5において、当該抜止爪3が実線から破線で示すよう反時計回りに刃先が回動されながら管2に食い込んでいく際に、抜止爪3の圧力を受けて容易に圧縮されるような弾力性を備えた素材でなければならない。
【0024】
抜止爪3は、その形態を爪先端側から爪後端側に向けて当該抜止爪3自体の厚さが厚くなるように、断面楔状に形成しておくことによって、抜止爪3の脱落をより確実に防止することができる。
又、爪穴31の内周面には、爪保持部材6の差し込みを案内する案内溝33が差しこみ方向に延在するよう設けられているため、爪保持部材6は横ズレを生ずることなく、所定位置にセットすることができる。
【0025】
爪保持部材6の先端側には、爪保持部材6を爪穴31に抜止爪3と共に差しこんだ際、ボルト穴41側に開口する当該爪穴31の縁に係止する係止凸部61を設けると共に、抜止爪3には、その爪後端側の爪保持部材6が当てがわれる面と反対側に、当該抜止爪3を爪穴31に保持部材6と共に差しこんだ際、ボルト穴41の奥側に開口する当該爪穴31の縁、即ちボルト穴41の内周面の少なくとも一部に係止する係止凸部32を設けている。
このような係止凸部32や係止凸部61を設けることによって、爪穴31に差しこまれた抜止爪3は、当該爪穴31に爪保持部材6と在る限り、脱落不能とすることができる。
【0026】
抜止爪3の係止凸部32の外面は、抜止爪用ボルト4の先端部で押圧される当該抜止爪3の後端側外面と、断面において一連の円状の弧を描く形状としている。このように、板状の抜止爪3の後端側を当該板圧より厚い径をもつ円柱形とすることによって、抜止爪3の剛性を高めることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項9の発明によれば、何れも、抜止爪は爪保持手段によって確実に仮留されるので、押輪の製造、或いは出荷の段階や作業現場での振動や衝撃による脱落をより確実に阻止することができる。
従って、接続作業に当たって、抜止爪の有無を一々確認する手間が省け、円滑に作業を行うことができる。
【0028】
請求項3及び請求項4の発明によれば、爪保持部材と相俟って抜止爪の脱落を阻止することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、抜止爪の剛性を高めることができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、爪保持部材を円滑に爪穴に挿入することができる。
【0031】
請求項7の各発明によれば、抜止爪用ボルトのねじ込み作業において、管に工具が接触し難くなると共に、楽な姿勢で作業を行うことができ、作業効率を高めることができる。
【0032】
請求項8の各発明によれば、押輪に生ずる張力を均等に分散させることができるので、耐圧性を高めることができる。
【0033】
請求項9の各発明によれば、複数枚の押輪を重ねて梱包する際に、梱包用の索条にズレが生じないので、梱包作業が容易にできると共に、荷崩れの生じ難い梱包を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抜止押輪の正面図である。
【図2】その背面図である。
【図3】その右側面図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】抜止装置の要部断面拡大図である。
【図6】接続方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 押輪、2 管(先行管)3 抜止装置、4 抜止爪用ボルト、31 爪穴、41 ボルト穴、5 抜止装置、6 爪保持部材、11,12、13 索条用凹部、32 係止凸部、案内溝、62 係止凸部。
Claims (9)
- 押輪に挿入された管の外周面に食い込み可能に爪穴の先端側である前記管側から遊嵌される抜止爪と、前記爪穴の後端側と連通するように形成されたボルト穴にねじ込まれて前記抜止爪を前記管に食い込ませる抜止爪用ボルトとを備えた抜止装置を一体的に有する抜止押輪において、
前記爪穴に、抜止爪を遊嵌すると共に、断面楔状に形成された弾力性を有する素材からなる爪保持部材を爪穴の先端側から差し込んで楔止めしたことを特徴とする抜止押輪。 - 爪保持部材の先端側に、当該爪保持部材を爪穴に抜止爪と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の抜止押輪。
- 抜止爪は、爪先端側より爪後端側の厚さが厚くなる断面楔状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の抜止押輪。
- 抜止爪の爪後端側の爪保持部材が当てがわれる面と反対側に、当該抜止爪を爪穴に保持部材と共に差しこんだ際、ボルト穴側に開口する当該爪穴の縁に係止する係止凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の抜止押輪。
- 抜止爪用ボルトの先端部で押圧される抜止爪の後端側外面及び当該抜止爪の係止凸部の外面とを、断面において一連の円状の弧を描く形状としたことを特徴とする請求項4に記載の抜止押輪。
- 爪穴の内周面に、爪保持部材の差し込みを案内する案内溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の抜止押輪。
- ボルト穴は、抜止爪用ボルトのねじ込み角度が押輪に挿入される管の管軸方向に対して傾斜する角度に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の抜止押輪。
- 押輪の外周縁を円形にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の抜止押輪。
- 押輪の外周縁の適所に、当該押輪を複数個重ねて梱包する際に梱包用索条が引っ掛かる索条用凹部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の抜止押輪。
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-
2002
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WO2012026037A1 (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-01 | 株式会社水研 | 管継手 |
WO2012026513A1 (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-01 | 株式会社水研 | 管継手 |
JP4933664B2 (ja) * | 2010-08-27 | 2012-05-16 | 株式会社水研 | 管継手 |
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