JP6634271B2 - 流体管の離脱防止装置及び管継手 - Google Patents

流体管の離脱防止装置及び管継手 Download PDF

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Description

本発明は、流体管の管軸方向の離脱を防止する離脱防止装置に関する。より詳しくは、本発明は、複数の流体管が接続して構成される流体管網に対し、地震等の不測の外力が生じた場合でも、この外力に応じて流体管の接続部が管軸方向に所定の許容長さ伸縮する伸縮性を有するとともに、許容長さを超えて流体管が離脱することを防止する耐震性を有する離脱防止装置、該離脱防止装置を備えた管継手に関する。
従来の離脱防止装置200を図12に示す。従来の離脱防止装置200は、水道管P(流体管)の外周面202aに外嵌され、前記外周面に対向する収容溝209(凹部)を有する環状のハウジング207(本体部材)と、前記収容溝209に傾動可能に収容され、水道管Pの外周面202aに食込み可能な抜止め部材206(係止部材)と、ハウジング207に設けられ、抜止め部材206を押圧する押ボルト210(押圧部材)と、を備え、抜止め部材206は、その外周部に、水道管Pの管軸方向に外径が変化する平坦な傾斜面263(傾斜部)を有するとともに、傾斜面263の外径が大きくなる前方側に形成された前方爪208A(前側楔部)及び傾斜面263の外径が小さくなる後方側に形成された後方爪208B(後側楔部)を有し、押ボルト210の押圧面213が傾斜面263に対して傾斜し、押圧面213の前方側に傾斜面263から離間した状態で、押圧面213の後方側と傾斜面263とが当接する当接部213bが形成されている(例えば、特許文献1参照)。
このように構成された離脱防止装置200は、図12(a)、(b)に示されるように、地震等による外力が水道管Pを離脱させる向きに働き、すなわち水道管Pを後方側へ移動させる外力が作用したときには、押ボルト210の先端の当接部213bと傾斜面263とが強く接触して、当接部213bの周りに抜止め部材206が傾動する力が働き、爪208A、208Bが水道管Pの外周面202aに強固に食込み、抜止め部材6による抜止め作用により水道管Pの管軸方向の離脱を防止している。
特開2012−215266号公報(第7頁、図4−図6)
しかしながら、特許文献1にあっては、水道管Pが後方側へ移動すると押ボルト210の先端の当接部213bの1箇所のみが傾斜面263の上を滑り移動するため、当接部213bの当該接触箇所に押圧力が過度に集中して抜止め部材206と押ボルト210と間のすべり抵抗は急速に大きくなり、押ボルト210の抜止め部材206に対する押圧力の急激な増大により抜止め部材206が水道管に衝撃的に食込み、流体管を損傷させたり、押ボルト210の当接部213bが大きく変形して、該押ボルト210の抜止め部材206に対する押圧力を維持できず、経年的に押ボルト210が緩んだり、離脱防止装置の耐震性の機能が低下してしまう虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、流体管が離脱方向に移動したときの流体管の損傷を防止するとともに、押圧部材と係止部材の接触部の変形を防止して押圧力を維持でき、長期に亘り耐震性の機能を発揮できる流体管の離脱防止装置、及び該流体管の離脱防止装置を備えた管継手を提供することを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の流体管の離脱防止装置は、
流体管の外周面に外嵌され、前記外周面に対向する凹部を有する本体部材と、前記凹部内に傾動可能に収容され、前記流体管の外周面に食込み可能な係止部材と、前記本体部材に設けられ、前記係止部材を押圧する押圧部材と、を備える前記流体管の管軸方向の離脱を防止する離脱防止装置であって、
前記係止部材は、その外周部に、前記流体管の管軸方向の前側が大径で、後側が小径に傾斜する傾斜部を有し、かつその内周部に、少なくとも前記前側に設けられる前側楔部及び前記後側に設けられる後側楔部を有し、
前記押圧部材は、前記傾斜部を押圧する押圧端部を有し、
前記傾斜部、前記押圧端部のいずれか一方は平坦面、他方は略球面に形成され、
前記押圧部材の中心軸の延長線は、前記係止部材の後側楔部近傍を通り、前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜することを特徴としている。
この特徴によれば、押圧部材の中心軸の延長線は、係止部材の後側楔部近傍を通り、流体管の内径方向かつ前側に向かって傾斜するので、押圧部材の押圧力の大部分は後側楔部に集中し、前側楔部にはほとんど作用せず、この状態から流体管が離脱する方向に移動して係止部材が傾動を開始すると、楔効果による前側楔部の流体管の外周面への食込みが遅れて始まる食込み遅延作用により、前側楔部の流体管への食込み過ぎを防止でき、また傾斜部、押圧端部のいずれか一方は平坦面、他方は略球面に形成されるので、係止部材の傾斜部と押圧端部とは回動しながら滑らかに移動する回動作用により、押圧端部と傾斜部とは同じ箇所での接触を防いで接触部の大きな変形を防止でき、さらに回動作用により流体管に対し係止部材が緩やかに食込んでいく緩食込み作用を発揮できるので、流体管に対する食込み遅延作用と緩食込み作用とが相俟って、流体管の損傷を確実に防止できるとともに、回動作用により押圧端部と傾斜面との接触部の大きな変形を防いで、押圧部材の係止部材に対する押圧力を維持できるので、長期に亘り離脱防止装置の耐震性を発揮できる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記傾斜部は、平坦面からなり、前記押圧端部は略球面に形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、平坦面と略球面を有する部材を容易に製作することができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記押圧端部と前記傾斜部との接触位置は、前記係止部材の前記後側楔部よりも前記後側に位置することを特徴としている。
この特徴によれば、押圧部材の押圧力だけで係止部材を流体管の外周面に係止させる状態において、押圧端部と傾斜部との接触位置は、係止部材の後側楔部よりも後側に位置するので、係止部材は前側に押されて凹部の前側にセットされ、流体管が離脱する方向へ移動したときに、係止部材は凹部内で傾動しながら移動するためのスペースを確保でき、係止部材の前側楔部は流体管に確実に食い込むことができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記本体部材の前記凹部は、前記係止部材を前記流体管の内径方向に案内し、前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜する前側傾斜壁を有することを特徴としている。
この特徴によれば、本体部材の凹部は、係止部材を内径方向に案内し、流体管の管軸方向前側に向かって傾斜する前側傾斜壁を有するので、係止部材を本体部材の凹部の初期位置に確実に位置決めすることができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記係止部材は、前記前側楔部と前記後側楔部との間に突出部をさらに有し、該突出部は、前記流体管が管軸方向の離脱側に移動するとき、前記複数の楔部のうち前記前側楔部が前記流体管に食い込むことを規制することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管が離脱する方向へ移動して前側楔部は流体管の外周面への食込みが始まり、該食込みが徐々に大きくなると、係止部材に設けられる突出部の食込みも始まるので、前側楔部の食込みは、係止部材に設けられる突出部により規制され、前側楔部の流体管に対する過度の食込みが抑制され、流体管の損傷を防止することができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記突出部の先端は、前記前側楔部の先端と前記後側楔部の先端を結んだ線より突出しないことを特徴としている。
この特徴によれば、突出部の先端は前側楔部の先端と後側楔部の先端を結んだ線より突出しないので、前側楔部が傾動による流体管への食込みを開始したあとに、突出部は流体管への食込みを開始するので、前側楔部が流体管に過度に食い込むことを防止できるとともに、突出部の先端の突出量を調整して前側楔部の食込み量を調整することができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記係止部材は、前記傾斜部の側方に延びる周側部をさらに有し、前記傾斜部と前記凹部とが離間した状態で、前記周側部と前記凹部とが当接する当接部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、流体管が離脱方向に移動すると、係止部材の周側部は当接部によって支持され、係止部材の周側部の変形が抑えられた状態で、周側部の楔部は、挿口管に確実に食い込むことができる。一方、係止部材の傾斜部と凹部とは離間した状態で、傾斜部近傍の楔部は、挿口管に適度に食い込むことができ、流体管のライニングの損傷を防止することができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記係止部材の前記周側部は、前記当接部から前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜する周側部傾斜面を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、係止部材の周側部は、当接部から流体管の内径方向かつ前側に向かって傾斜する周側部傾斜面を備えるので、係止部材は、周側部が凹部に当接した後であっても、さらに傾動して、挿口管にさらに食い込むことができるので、流体管の管軸方向の離脱を強力に防止することができる。
本発明の流体管の離脱防止装置は、
前記係止部材は、その周方向端部に流体管の外径方向に向けて幅狭に形成され、該係止部材の前記凹部からの脱落防止用の弾性体を嵌合する嵌合溝を有することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管の外径方向に幅狭に形成されている嵌合溝内に嵌合した弾性体の弾性復元力が外径側ほど強力に作用するため、係止部材が凹部内から脱落せずに確実に収容できるばかりか、凹部内に収容された係止部材が移動若しくは傾動したとき、嵌合溝に嵌合した弾性体が係止部材の動きに追随するため、弾性体が凹部内で脱嵌せずに係止部材の移動や傾動に影響を及ぼすことがなく、係止部材が設計通りに移動若しくは傾動できる。
本発明の管継手は、
前記流体管と、前記流体管の前側端部が挿入された受口管と、前記流体管の前記受口管からの離脱を防止する流体管の離脱防止装置と、からなることを特徴としている。
この特徴によれば、流体管の離脱防止装置を用いて、流体管の受口管からの離脱を強固に防止できるため、耐震性と伸縮性の優れた管継手を提供することができる。
実施例における離脱防止装置が設けられた管継手を示す側断面図である。 (a)は離脱防止装置の一部正面断面図であり、(b)は(a)のC矢視図である。 (a)は図2のA−A断面図であり、(b)は図2のB−B断面図である。 (a)は係止部材の正面図であり、(b)は係止部材の底面図、(c)は係止部材の側面図である。 (a)は図4(a)のD−D断面図、(b)は図4(a)のE−E断面図である。 (a)は押圧部材を示す図、(b)は押圧部材の変形例を示す図である。 (a)は係止部材を収容部凹部内の初期位置にセットするときの離脱防止装置の側断面図(図2のA−A断面図)であり、(b)は同じく係止部材を収容部凹部内の初期位置にセットするときの離脱防止装置の側断面図(図2のB−B断面図)である。 (a)は押圧部材の初期締付後の離脱防止装置の側断面図(図2のA−A断面図)であり、(b)は同じく押圧部材の初期締付後の離脱防止装置の側断面図(図2のB−B断面図)である。 (a)は、挿口管が流体管の管軸方向離脱側へ移動したときの離脱防止装置の挙動を示す側断面図(図2のA−A断面図)であり、(b)は同じく挿口管が流体管の管軸方向離脱側へ移動したときの離脱防止装置の挙動を示す側断面図(図2のB−B断面図)である。 (a)は、挿口管がさらに流体管の管軸方向離脱側へ移動したときの離脱防止装置の挙動を示す側断面図(図2のA−A断面図)であり、(b)は同じく挿口管がさらに流体管の管軸方向離脱側へ移動したときの離脱防止装置の挙動を示す側断面図(図2のB−B断面図)である。 押圧部材の押圧端部と係止部材の傾斜部との接触の態様を示す側断面図(図2のA−A断面図)である。 (a)は従来の離脱防止装置で、押圧ボルトを初期締付した状態の側断面図、(b)は水道管が管軸方向離脱側へ移動した後の離脱防止装置の状態を示す側断面図である。
本発明に係る離脱防止装置及び管継手を実施するための形態を実施例に基づいて、図1から図11を参照して説明する。以下、図1の挿口管2の受口管3への挿入側を管軸方向の前側(前方)とし、挿口管2の受口管3からの離脱側を管軸方向の後側(後方)として説明する。
図1に示されるように、受口部3aが端部に形成された受口管3と、この受口部3aに挿入された本発明の流体管である挿口管2と、挿口管2の外周面2bに設けられた離脱防止装置10と、受口部3aの内周面と挿口管2の挿口部2aの外周面2bとの間に周方向に沿って配置されたシール材5と、離脱防止装置10及び受口管3を締結する締結部材4と、を主に備えている。
なお、本発明における管継手1は、管網を構成する配管の一部であって、これら受口管3及び挿口管2は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、管の内周面がモルタル層で被覆されている。また、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらに、流体管の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管内の流体は、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
また、図1に示されるように、係る離脱防止装置10は、挿口管2の外周面2bに外嵌され、外周面2bに対向する凹部12を有する本体部材11と、凹部12内に傾動可能に収容され、挿口管2の外周面2bに食込み可能な係止部材15と、本体部材11に設けられ、係止部材15を押圧する押圧部材13と、から主に構成される。
離脱防止装置10は、本体部材11の外周に向かって延設される本体フランジ部11fと受口管3の外周に向かって延設される受口フランジ部3fとが締結部材4により接続固定されるとともに、本体部材11の凹部12内に収容された係止部材15が後述するように挿口管2の外周面2bに係止することで、受口部3aから挿口部2aが離脱することを阻止できるようになっている。以下、離脱防止装置10を構成する部材について説明する。
先ず、本体部材11について説明する。図1、図2及び図3に示されるように、本体部材11は、挿口管2の外周面2bに外嵌可能な環状の一体部材の押輪であり、ダクタイル鋳鉄、ステンレス鋼、鋼、鋳鋼等から形成される。なお、本発明の本体部材は、周方向に所定数に分割可能な構造であってもよい。挿口管2の外周面2bに対向する本体部材11の内周部には、凹部12が周方向に沿って複数箇所(図2の例では4箇所)形成されている。それぞれの凹部12内は、挿口管2の管軸方向に所定の間隔を離して形成される前側傾斜壁12c、後側壁12d、12dと、挿口管2の周方向に形成される周側壁12e、12e、及び底部壁12bに囲まれた空間となっている。該凹部12内には、後述する係止部材15が収容される。
また、本体部材11には、本体フランジ部11fと、該本体フランジ部11fから後側に膨出した収容部11bと、が周方向に交互に形成される(図2(a)参照)。本体フランジ部11fは、受口フランジ部3fと締結部材4によって締付けられ(図1参照)、本体部材11と受口管3とは一体に固定される。収容部11bは、その内周部に前述の凹部12が開口、形成され、収容部11bの外周部には径方向に雌ネジ部11cが設けられている。該雌ネジ部11cには、押圧部材13が螺合され、該押圧部材13を締付けることによって、係止部材15を挿口管2の外周面2bに対し押圧できるようになっている。
さらに、図1及び図3に示されるように、受口フランジ部3fの内周部から管軸方向前側に向かって徐々に縮径する受口部3aと挿口部2aの外周面2bとの間には環状隙間3eが形成される。該環状隙間にシール材5が配設され、該シール材5の後側端部5dには本体部材11のシール押圧面11dが当接する。締結部材4を締付けることによって、環状隙間3eに収容されたシール材5は、シール押圧面11dにより管軸方向に押圧され、受口部3aと挿口部2aとは、密封状に接続される。
なお、受口部3aと挿口部2aとの間の環状隙間3eに配設されるシール材5は、例えばSBR、CR、NBR等の天然ゴム、合成ゴム若しくは樹脂等の弾性材料からなる。また、シール材の断面形状は、その外周部の管軸前側が低く、管軸後側が高い傾斜を有し、内周部が管軸方向に平坦に形成された略台形形状を有し、周方向に無端状一体に形成されている。
つぎに、係止部材15について説明する。図4及び図5に示されるように、係止部材15は、正面視で略弧状に形成され、係止部材15の外周部の略中央には、傾斜面15bを有する傾斜部15aが突状に膨出形成されている。傾斜面15bは、挿口管2の管軸方向の前側が高く、後側が低く傾斜し、周方向及び管軸方向に平坦な単一の矩形面に形成されている。また、傾斜部15aの後側端部に連なり、径方向内側に延設される中央部15fが設けられている。係止部材15の内周部には、その前側に前側楔部17及び後側に後側楔部16が形成され、前側楔部17と後側楔部16の間に突出部としての補助楔部18が形成されている。さらに、傾斜部15aから周方向両側に延設される周側部15k、15kを有する。また係止部材15の周方向端部には、該係止部材15が凹部12からの脱落を防止するための弾性体19を嵌合する嵌合溝15eが形成される。なお、係止部材15は、ダクタイル鋳鉄、鋼、ステンレス鋼等から形成される。以下、係止部材15の各部の構成について説明する。
図4及び図5に示されるように、係止部材15の各楔部16、17、18の断面形状は、挿口管2の管軸方向の前側に向かって傾斜する面と挿口管2の外周面2bに略垂直に挿口管2の径方向内側(内径方向)に延びる面からなる三角形となっており、各楔部16、17、18は、その基端から挿口管2の外周面2bに向けて管軸方向の前側に傾斜した先細り形状となっている。
また、図2及び図4に示されるように、係止部材15の各楔部16、17、18は、管軸方向視で略弓型に形成され、その先端の内径寸法(管軸方向視の半径寸法)及び周方向寸法は、係止部材15を押圧部材13により押圧したとき、あるいは係止部材15が後述するように傾動したとき、各楔部16、17、18の周方向のほぼ全長にわたって挿口管2の外周面2bに食い込む寸法に設定されている。前側楔部17及び後側楔部16の周方向長さs1は、略同一に形成され、突出部としての補助楔部18の周方向長さs2よりも大きく設定されている。さらに、補助楔部18の内径方向の突出量は、前側楔部17及び後側楔部16の内径方向の突出量よりも小さく設定され、より詳しくは、図4に示されるように、弧状の補助楔部18の内径方向の先端は、前側楔部17の先端と後側楔部16の先端を結んだ線から所定寸法δだけ径方向外側(外径方向)の位置に設定されている。
なお、設計上想定される離脱力に対して十分余裕を持って、楔部の形状、大きさは設定されている。したがって、設計上想定される離脱力が離脱防止装置に加わって、楔部が挿口管2に食い込んでも、楔部16、17、18の間の底部15gは挿口管2の外周面2bに接触せずに離間するよう設定されている。具体的には、図5に示されるように、設計上想定される離脱力が離脱防止装置に加わって、楔部が挿口管2に食い込んでも、楔部16、17、18の間の底部15gは挿口管2の外周面2bに接触せずに離間するよう設定されている。もし、このように設定していないと、設計上想定される離脱力が離脱防止装置に作用したとき、楔部16、17、18の間の底部15gが挿口管2の外周面2bに接する状態になり、楔部16、17、18は、これ以上挿口管2に食い込むことができず、さらに大きな離脱力を保持できなくなったり、挿口管2が、楔部16、17、18及び楔部の間の底部15gの両者から大きな押圧力を受けて、挿口管2が大きく縮径し、外周面や内周面のライニングを損傷させたりする、という問題が生じる。しかし、設計上想定される離脱力が離脱防止装置に加わって、楔部が挿口管2に食い込んでも、楔部16、17、18の間の底部15gは挿口管2の外周面2bに接触せずに離間するよう設定することで、このような問題の発生を防止することができる。
また、図2から図5に示されるように、係止部材15の周側部15kは、傾斜部15aから周方向、両側に所定幅を有する略弓型に形成される。本体部材11の凹部12内に収容された係止部材15は、その前側壁15cが凹部12の前側傾斜壁12cと対向し、係止部材の周側部15kの周側部傾斜面15dが凹部12の後側壁12dと対向し、後述するように係止部材15は、凹部12の前側傾斜壁12cと後側壁12dとの間で傾動、移動できるようになっている。
なお、図5(b)に示されるように、係止部材15の周側部傾斜面15dは、当接部15nから径方向内側(内径方向)に向かうにつれて管軸方向前側に所定の角度で傾斜している。
さらに、図2及び図4に示されるように、係止部材15は、その周方向の両端部に、嵌合溝15e,15eを備えている。係止部材15は、それぞれの嵌合溝15eに弾性を有する弾性体19を嵌合して、本体部材11の凹部12に収容されている。したがって係止部材15は、嵌合溝15eと凹部12の周側壁12eとで挟圧され弾性収縮した弾性体19の弾性復元力によって、凹部12内に保持され、凹部12からの脱落が防止されている。なお、本実施例では周側壁12eにも弾性体19嵌合用の溝が形成されているが、なくてもよい。
係止部材15の嵌合溝15eに収容される弾性体19は、例えばSBR、CR、NBR等の天然ゴム、合成ゴム若しくは樹脂等の弾性材料からなり、その自然状態では、先端が半球面であって後端に向け漸次大径となる略銃弾形状である。
つぎに、押圧部材13について説明する。図6に示されるように、押圧部材13は、6角形状の頭部13aと該頭部13aに一体に形成されるネジ部13cを有する6角ボルトである。押圧部材13のネジ部13cは、その頭部13aを本体部材11の外部から操作して係止部材15の前側楔部17及び後側楔部16が挿口部2aの外周面2bを確実に押圧できるような長さを有する。また、押圧部材13が、係止部材15の傾斜面15bを押圧する押圧端部13bは、略球面に形成されている。ただし、本発明において、略球面とは、球に限らず、複数の曲率半径を有する曲面から形成されていてもよいし、角R面取り、略円錐、略円錐台などの曲面から構成されていてもよい。図6(a)、(b)に示されるように、押圧端部13bの球面の半径は、押圧端部13bが傾斜面15bを押圧する際に発生する接触応力、凹部12内での係止部材15の管軸方向の移動量を考慮して決定される。なお、図6(a)に示されるように、ネジ部13cの端部に面取り部を設け、該面取り部の端部から押圧端部13bを形成してもよいし、図6(b)に示されるように、ネジ部13cの端部から直接、押圧端部13b’を形成してもよい。
続いて、締結部材4について説明する。締結部材4は、T頭ボルト4aとナット4bからなり、該締結部材4を締付けることによって、本体フランジ部11fと受口フランジ部3fとが接続固定されるとともに、受口部3aと挿口部2aとは、シール材5によって密封状に接続される。
上述の離脱防止装置10の組立手順について、以下説明する。
図1から図3に示されるように、係止部材15を本体部材11の凹部12に挿入し、係止部材15の周方向端部の嵌合溝15eに弾性体19を嵌合させ、係止部材15を凹部12内に保持する。さらに、係止部材15が収容された本体部材11を挿口管2の挿口部2aに遊嵌状態で外嵌して、その挿口部2aの外周面2bにシール材5を所定位置に外嵌する。
つぎに、本体部材11及びシール材5を外嵌した挿口部2aを受口部3aに挿入し、締結部材4を本体フランジ部11fの当接面11ffと、受口フランジ部3fの当接面3ffとが当接するまで締結することによって(図1参照)、挿口部2aと受口部3aとの間の環状隙間3eに収容されたシール材5は、本体部材11のシール押圧面11dにより管軸方向に押圧され、受口部3aと挿口部2aとは密封状に接続される。この状態が本体部材11の初期組付位置となる。
つぎに、押圧部材13を螺入して係止部材15を凹部12内の初期位置にセットする。図7に示されるように、挿口管2の内径に向かって管軸方向前側に傾斜する押圧部材13は、係止部材15の傾斜面15bを管軸方向前側に向かって押圧しながら螺入されるので、係止部材15の前側壁15cは、本体部材11の凹部12の前側傾斜壁12cに案内されながら、挿口管2の外周面2bに向けて移動し、係止部材15は凹部12内の初期位置にセットされる。このように係止部材15は、前側傾斜壁12cに案内されながら、凹部12内の初期位置にセットされるので、挿口管2が離脱する後側方向へ外力が作用したときに、係止部材15が凹部12内で楔効果により傾動しながら後側へ移動するためのスペースを確保でき、係止部材15の前側楔部17は挿口管2に確実に食い込むことができる。逆に、係止部材15の凹部12の後側壁12dに接近した状態でセットされてしまうと、挿口管2が離脱する後側方向へ外力が作用したときに、係止部材15は凹部12内で十分に傾動しながら後側へ移動できず、係止部材15の前側楔部17が挿口管2に十分食い込むことができない。
続いて図8に示されるように、係止部材15を凹部12内の初期位置にセットした状態で、押圧部材13を所定の締付トルクによって初期締付けを行う。図8に示されるように押圧部材13の中心軸13Lの延長線は、係止部材15の後側楔部16の近傍を通り押圧部材13は傾斜面15bの垂線に対して押圧部材13の頭部が後側に傾いている(実施例では2°)ため、押圧部材13の初期締付け力の大部分は後側楔部16に集中し、該後側楔部16が挿口管2の外周面2bに食込み、前側楔部17は挿口管2の外周面2bにほとんど食込まない。ここで、押圧部材13の傾斜面の垂線に対する後方側への傾きは2°に限らないが、0°以上であることが望ましい。この状態から挿口管2が後方に移動して係止部材15が楔効果により後方及び挿口管2の内径方向に移動し、傾動が始まると、前側楔部17は、挿口管2の外周面2bへ食込みを開始する。このように係止部材15の前側楔部17は、係止部材15の傾動が始まってから挿口管2の外周面2bへの本格的な食込みを開始するので、前側楔部の流体管へ食込み過ぎを防ぐことができ、流体管の損傷を防止することができる。また、押圧部材13の中心軸13Lは挿口管2の内径に向かって管軸方向前側に傾斜するので、係止部材15は、凹部12の前側傾斜壁12cに押圧されながら案内され、係止部材15の前側壁15cは凹部12の前側傾斜壁12cに接触した状態で係止部材15の後側楔部16は挿口管2の外周面2bに食込む。このように、挿口管2が離脱する後側方向へ外力が作用したときに、係止部材15は、凹部12内で傾動しながら後側へ移動するためのスペースを確保した初期締付状態にセットされる。ここで、後側楔部16の近傍とは、係止部材15の管軸方向の中心より後側、好ましくは後側楔部16の突出された範囲を少なくとも含む領域である。
以下、本体部材11に螺合された押圧部材13を係止部材15に対し初期締付した初期締付状態から、挿口管2の管軸後方の離脱方向に力が作用した時の離脱防止装置10の挙動について説明する。
初期締付状態から挿口管2の管軸方向に離脱力が働くと、図9に示されるように、係止部材15の後側楔部16の挿口管2の食込み部O点は、挿口管2とともに管軸方向後側へ移動し、係止部材15の傾斜面15bは、押圧部材13の押圧端部13bより管軸方向前側へ押圧される。すると、係止部材15は後側楔部16のO点の周り、時計方向に傾動を開始し、後側楔部16及び前側楔部17が挿口管2の外周面2bに食込み、補助楔部18は、挿口管2の外周面2bに非接触あるいは軽く接触した状態となる。
なお、この状態で挿口管2の管軸方向の離脱力は、係止部材15の前側楔部17及び後側楔部16の二つの楔部によって保持される状態となる。そして挿口管2が、さらに管軸方向後側へ移動すると、後側楔部16及び前側楔部17の挿口管2の外周面2bへの食込み量がさらに増加する。すると今度は、突出部としての補助楔部18が挿口管2への食込みを開始する。補助楔部18が挿口管2への食込みを開始すると、押圧部材13から係止部材15への押圧力は、補助楔部18によっても保持されるようになるので、前側楔部17の外周面2bへの食込みは規制される。その後、図9(b)の拡大部に示されるように、係止部材15の周側部15kの当接部15nの近傍が、凹部12の後側壁12dに接触し、挿口管2の移動はほぼ停止する。ここで、係止部材15の周側部15kの当接部15nの近傍が、凹部12の後側壁12dに接触を開始した時点で、係止部材15の周側部傾斜面15dと凹部12の後側壁12dとの間は、挿口管2の径方向内側に向かって広くなる空隙L2を有する。
そして、更なる離脱力に対して、図10(b)に示されるように、最終的に、押圧部材13からの押圧力によって、係止部材15は、当接部15n近傍の周りに傾動して、周側部傾斜面15dは後側壁12dに接触して、挿口管2の移動は停止するとともに、係止部材15は、当接部15n近傍周りの傾動によって、楔部16、17、18の三つの楔部が挿口管2に対して食込み、挿口管2の管軸方向の離脱力は、各楔部16、17、18に生じる係止力と釣合って、挿口管2の管軸方向の離脱力を防ぐことができる。この際、強い離脱力により、係止部材15に対して後方に強い力が生じるが、押圧部材13は、その中心軸13Lが挿口管2の内径に向かって管軸方向前側に傾斜して設けられているので、押圧部材13にかかる曲げやせん断の力を分散させて強固に保持し、離脱防止をはかることが出来る。
ここで凹部12は、係止部材15の周側部15kの周側部傾斜面15dに当接する後側壁12dと、係止部材15の中央部15fに対向する凹部壁12fと、を備えるので、挿口管が離脱方向に移動したとき、係止部材15の周側部傾斜面15dは凹部12の後側壁12dに当接して支持されるので、片持ち梁となる周側部15kの変形を低減できる。また、係止部材15の中央部15fは、凹部12の凹部壁12fと離間して対向するので、後述する押圧部材13の押圧端部13bと係止部材15の傾斜面15bとの接触移動は阻害されることなく、係止部材15は凹部12内で傾動して、係止部材15の楔部16、17、18は挿口管2の外周面2bに確実に食い込むことができる。
つぎに、押圧部材13の押圧端部13bと係止部材15の傾斜部15aとの接触の態様及び作用効果について、図11を参照して説明する。
図11は、図2のA−A断面を示し、図11にて実線で描かれた係止部材15は、押圧部材13による係止部材15の初期締付状態を示し、破線で描かれた係止部材15’は、挿口管2の管軸後方の離脱方向に力が作用して係止部材15が当接部15n近傍の周りに傾動して、周側部傾斜面15dが後側壁12dに接触して、挿口管2の移動が停止した最終状態を示す。なお、初期締付状態の各楔部16、17、18は、最終状態で各楔部16’、17’、18’に移動する。
初期締付状態において、押圧部材13の中心軸の延長線は、係止部材15の後側楔部近傍16を通り、挿口管の内径方向かつ前側に向かって傾斜するので、押圧部材13の押圧力の大部分は後側楔部16に集中し、前側楔部17にはほとんど作用せず、この状態から挿口管2が離脱する後側方向に移動して係止部材15が後側楔部16を中心に傾動を開始すると、楔効果による前側楔部17の挿口管2の外周面2bへの食込みが遅れて始まる食込み遅延作用により、前側楔部16の挿口管2への食込み過ぎを防止でき、また係止部材15の傾斜部15aは、略球状の押圧端部13bに沿って係止部材15全体が回動しながら滑らかに移動する回動作用により、押圧端部13bと傾斜面15bとは同じ箇所での接触を防いで接触部の大きな変形を防止でき、さらに回動作用により挿口管2に対し係止部材15が緩やか食込んでいく緩食込み作用を発揮できるので、挿口管2に対する食込み遅延作用と緩食込み作用とが相俟って、挿口管2の損傷、特に外周面や内周面のライニングなどの損傷を確実に防止できるとともに、回動作用により押圧端部13bと傾斜面15bとの接触部の大きな変形を防いで、押圧部材13の係止部材15に対する押圧力を維持できるので、長期に亘り離脱防止装置の耐震性を発揮できる。
具体的には、初期締付状態において、押圧部材13の略球面に形成された押圧端部13bは係止部材15の傾斜面15b上のt1で点接触し、略球面の押圧端部13bに対し係止部材15の傾斜面15bは接触点を順次後側に移動させ、最終状態にて同じ傾斜面15b上のt2で点接触する。すなわち、挿口管2に対し管軸方向後側に離脱力が働き、後側楔部16の挿口管2への食込み部O点が、挿口管2とともに管軸方向後側のO’点へ移動するときに、係止部材15の傾斜面15bは、押圧端部13bの球面に沿ってt1からt2へ楔効果と相俟って回動しながら管軸方向後側へ移動する。より詳しくは、押圧端部13bが平坦面ではなく略球面に形成されているので、係止部材15の傾斜面15bが押圧端部13bに干渉されることなく、押圧端部13bの球面に沿って接触点を移動しながら滑らかに後側へ移動し、押圧部材の押圧端部の大きな変形を防いで押圧部材の係止部材に対する押圧力を維持でき、さらに係止部材は流体管に対し徐々に食い込んで流体管を損傷させることなく、長期に亘り離脱防止装置の耐震性を発揮できる。
また、押圧部材13の略球面の押圧端部13bと係止部材15の傾斜面15bとは点接触しているため、係止部材15は押圧端部13bとの接触点の周りに周方向にも、軸方向にも回動することができる。したがって、挿口管2の外周面2bを押圧する係止部材15は複数あり、それぞれ独立して挿口管2の外周面2bに倣うようにその姿勢が自動的に調整され、それぞれの係止部材15の円弧状の各楔部16、17、18は挿口管2の周方向に偏りなく食い込むことができる。しかも、楔効果による係止部材15の後方及び挿口管内径方向への移動時に押圧端部13bと傾斜部15bとが点接触となり、摩擦が小さく、押圧部材13、係止部材15に負荷が少なく、楔効果による食込みも十分に発揮することができる。
以上、本発明を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、凹部12を備えた本体部材11が、受口管3に対し締結部材4で固定接続された本体部材11であるとして説明しているが、例えば本体部材は、管継手の接続強度を高める補強金具でもよいし、あるいは本体部材は、流体管としての挿口管が挿入される受口管自体であってもよく、当該受口管の受口部に係止部材を収容する凹部が形成されてもよい。
また例えば、押圧部材13及び係止部材15が、それぞれの面同士を直接に当接若しくは摺接しているが、押圧部材13または係止部材15のうち一方、あるいは両方を樹脂等でライニングしてもよい。このような構成によれば、地震等の外力が管軸方向の前後に繰り返し作用した場合に、押圧部材13の略球面に形成された押圧端部13b及び係止部材15の傾斜面15bとの摩耗を防止することができる。また、係止部材の楔部は3本としたが、2本あるいは4本以上であってもよい。
また例えば、押圧部材はボルトではなく、本体部材の凹部底部壁に略球面を設け、本体部材を分割するようにして、分割部の締結により係止部材を流体管外周面に食込ませるような構造としてもよい。
また例えば、押圧部材13の略球面に形成された押圧端部13bは、地震等の外力が管軸方向の後方に作用したときに、係止部材15の傾斜面15bが押し付けられて、傾斜面15bに倣うように変形する構造としてもよい。
また例えば、押圧部材13の押圧端部13bが略球面に、係止部材15の傾斜面15bが平坦面に形成されたが、係止部材15の傾斜面15bが略球面などの曲面に、押圧部材13の押圧端部13bが平坦面に形成されてもよい。
また例えば、押圧部材はボルトに限られず、押圧部材と係止部材の間に介在する介設部材を介設し、係止部材の傾斜面と介在部材との接触する対向面のどちらか一方が、略球面などの曲面に形成され、他方が平坦面に形成されるようにしてもよい。
1 管継手
2 挿口管(流体管)
2b 外周面
3 受口管
4 締結部材
5 シール材
10 離脱防止装置
11 本体部材
12 凹部
12c 前側傾斜壁
12d 後側壁
13 押圧部材
13b 押圧端部
13L 中心軸
15 係止部材
15a 傾斜部
15b 傾斜面
15d 周側部傾斜面
15e 嵌合溝
15k 周側部
15n 当接部
16 後側楔部
17 前側楔部
18 補助楔部(突出部)
19 弾性体

Claims (10)

  1. 流体管の外周面に外嵌され、前記外周面に対向する凹部を有する本体部材と、前記凹部内に傾動可能に収容され、前記流体管の外周面に食込み可能な係止部材と、前記本体部材に設けられ、前記係止部材を押圧する押圧部材と、を備える前記流体管の管軸方向の離脱を防止する離脱防止装置であって、
    前記係止部材は、その外周部に、前記流体管の管軸方向の前側が大径で、後側が小径に傾斜する傾斜部を有し、かつその内周部に、少なくとも前記前側に設けられる前側楔部及び前記後側に設けられる後側楔部を有し、
    前記押圧部材は、前記傾斜部を押圧する押圧端部を有し、
    前記傾斜部、前記押圧端部のいずれか一方は平坦面、他方は略球面に形成されており、前記平坦面と前記略球面とが点接触していることで、前記係止部材は、前記押圧端部との接触点の周りに周方向にも軸方向にも回動可能であり、前記流体管が離脱する方向に移動した際に傾動と楔効果による食込み遅延作用により、前記流体管の外周面に食込み可能となっており、
    前記押圧部材の中心軸の延長線は、前記係止部材の後側楔部近傍を通り、前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜することを特徴とする流体管の離脱防止装置。
  2. 前記傾斜部は、平坦面からなり、前記押圧端部は略球面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の流体管の離脱防止装置。
  3. 前記押圧端部と前記傾斜部との接触位置は、前記係止部材の前記後側楔部よりも前記後側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の流体管の離脱防止装置。
  4. 前記本体部材の前記凹部は、前記係止部材を前記流体管の内径方向に案内し、前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜する前側傾斜壁を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流体管の離脱防止装置。
  5. 前記係止部材は、前記前側楔部と前記後側楔部との間に突出部をさらに有し、該突出部は、前記流体管が管軸方向の離脱側に移動するとき、前記複数の楔部のうち前記前側楔部が前記流体管に食い込むことを規制することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の流体管の離脱防止装置。
  6. 前記突出部の先端は、前記前側楔部の先端と前記後側楔部の先端を結んだ線より突出しないことを特徴とする請求項5に記載の流体管の離脱防止装置。
  7. 前記係止部材は、前記傾斜部の側方に延びる周側部をさらに有し、前記傾斜部と前記凹部とが離間した状態で、前記周側部と前記凹部とが当接する当接部を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の流体管の離脱防止装置。
  8. 前記係止部材の前記周側部は、前記当接部から前記流体管の内径方向かつ前記前側に向かって傾斜する周側部傾斜面を備えることを特徴とする請求項7に記載の流体管の離脱防止装置。
  9. 前記係止部材は、その周方向端部に流体管の外径方向に向けて幅狭に形成され、該係止部材の前記凹部からの脱落防止用の弾性体を嵌合する嵌合溝を有することを特徴とする請求項1ないし8に記載の流体管の離脱防止装置。
  10. 前記流体管と、前記流体管の前側端部が挿入される受口管と、前記流体管の前記受口管からの離脱を防止する請求項1ないし9のいずれかに記載の流体管の離脱防止装置と、からなることを特徴とする管継手。
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