JP2004146130A - 固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から該金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させ、燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けしてなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体、および、シール方法。
【選択図】図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動温度が650〜800℃の範囲である低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池〔SOFC(=Solid Oxide Fuel Cells):以下適宜SOFCと略称する〕は、作動温度が800〜1000℃程度、通常1000℃程度と高い。SOFCの単電池すなわちセルは固体酸化物電解質を挟んで燃料極及び空気極(酸化剤として酸素が用いられる場合は酸素極)が配置され、燃料極/電解質(固体酸化物電解質)/空気極の3層ユニットで構成される。図1はその構成を原理的に示す図である。
【0003】
空気極に導入される空気中の酸素は空気極で酸化物イオン(O2−)となり、固体酸化物電解質を通って燃料極に至る。ここで、燃料極に導入される燃料と反応して電子を放出し、電気と水等の反応生成物を生成する。空気極での利用済み空気は空気極オフガスとして排出され、燃料極での利用済み燃料は燃料極オフガスとして排出される。単電池1個の電圧は低いため、通常、単電池を複数層積層してSOFCが構成される。
【0004】
電解質材料としては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては、例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体(Ni/YSZサーメット)等の多孔質体が用いられ、空気極としては、例えばSrドープのLaMnO3等の多孔質体が用いられる。これらは、通常、電解質材料の両面に燃料極と空気極を焼き付けることにより単電池が構成される。
【0005】
SOFCには平板方式や円筒方式や一体積層方式などがあるが、これらは原理的には同じである。平板方式SOFCは、固体酸化物電解質膜自体でその構造を保持するようになっており、この意味で自立膜式と称される。このため固体酸化物電解質膜の厚さは通常100μm程度と厚く構成される。隣接する単電池(セル)を電気的に接続すると同時に燃料極と空気極のそれぞれに燃料と空気を適正に分配、供給し排出する目的で、セパレータ(=インターコネクタ=スペーサ)と単電池とが交互に積層される。
【0006】
ところで、このようなSOFCでは、流通する燃料、空気、燃料極オフガス、空気極オフガスはすべて気体であり、しかも作動温度が1000℃程度と高いことから、セパレータ相互間やセパレータと電池間でのシールが不十分であるとガス漏れが生じて電池として致命的となる。このため、そのためのシール材やシール箇所の構造上の改良について幾つかの提案がなされている(特開平8−134434号、特開平9−120828号、特開平10−168590号)。
【0007】
特開平8−134434号では、ガラス粉とマグネシア粉を所定の比率で混合してなる高温シール材、あるいはこの混合粉末に対し酸化物セラミックス粉を混合してなる高温シール材が提案され、また、特開平9−120828号では、ガラスをマトリックスとし、平均粒径10μm以下のガラスと反応しないか、あるいはガラスとの反応性が低い微粒子を分散させてなる燃料電池用封止材料が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−134434号公報
【特許文献2】特開平9−120828号公報
【特許文献3】特開平10−168590号公報
【0009】
しかし、これらに記載の高温シール材あるいは封止材料は、その記載、特に実施例の記載からみても、作動温度が800〜1000℃程度、特に1000℃程度という高温作動のSOFCに対するものであり、650〜800℃程度の範囲、例えば700℃程度というような低温作動のSOFC用のシール材や封止材料についてのものではない。
【0010】
以上のように、従来のSOFCはその作動温度が800〜1000℃程度と高いが、最近では800℃程度以下、例えば750℃程度の温度で作動するSOFCも開発されつつある。本発明者らは、このような低温作動のSOFCに特に注目して開発を進めており、これまで幾つかの成果を得ている(特願2001−144034、特願2001−176739、特願2002−28847等)。
【0011】
図2〜4はそのSOFCの態様例を説明する図である。図2は単電池の構成例、図3は単電池を組み込んだSOFCスタックの構成例、図4は図3中X−X線断面図である。図2(a)は側面図、図2(b)は斜視図である。図2のとおり、単電池は、燃料極の上に電解質膜(固体酸化物電解質膜)が配置され、固体酸化物電解質膜の上に空気極が配置されて構成され、この単電池が図3〜4のように組み込まれてSOFCスタックが構成される。
【0012】
電解質膜として例えばLaGaO3系やイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系などの材料を用いて、その膜厚を例えば10μm程度というように薄くし、これを膜厚の厚い燃料極で支持するように構成されており、この意味で支持膜式と称される。支持膜式においては固体酸化物電解質膜の膜厚を薄く構成できることなどから、前記自立膜式の場合に比べてより低温で運転できる。このため、そのセパレータ等の構成材料として例えばフェライト系ステンレス鋼などの安価な材料の使用を可能とし、また小型化が可能であるなど各種利点を有する。
【0013】
図3〜4のとおり、支持膜式SOFCスタックは、上部から下部へ順次セパレータA、セパレータB、セパレータC、接合材、単電池(セル)、セパレータDが配置される。セパレータAの上部、セパレータDの下部には集電板等が配置される。図4にその1部を示しているが、図3では省略している。またセパレータA〜Dはステンレス鋼、例えばフェライト系ステンレス鋼で構成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような低温作動のSOFCにおいても、流通する燃料、空気、燃料極オフガス、空気極オフガスはすべて気体であり、しかも作動温度が650〜800℃程度と、なお高いことから、セパレータ相互間やセパレータと電池間でのシールが不十分であるとガス漏れが生じて電池として致命的となる。また、SOFCは繰り返し使用されることから、低温作動のSOFCについてもシールの問題が解決されないとSOFCとして体をなさず、実用化は困難である。
【0015】
それらシールのうち、特に単電池とセパレータ間でのシールは電解質膜とセパレータ間でのシールとなる。図5はそのシール状態を示す図である。図5中接合箇所として示すとおり、電解質膜の縁周上面とステンレス鋼製セパレータとの間をシール材で接合させることでシールされる。しかし、セパレータはステンレス鋼製すなわち金属であり、電解質膜はセラミックスであるので、金属ろうで結合しシールすることはなかなか難しい。
【0016】
本発明は、低温作動のSOFCにおける燃料極、電解質膜及びセパレータ間における上記のようなシールの問題を解決するためになされたものであり、起動→運転→停止→起動というように繰り返し使用してもガス漏れを防止し、長期間にわたり安定して作動できる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びそのシール方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から該金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させ、燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体を提供する。
【0018】
また、本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法であって、燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から該金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させ、燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けすることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に、順次、電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる、作動温度が650〜800℃の範囲である低温作動の固体酸化物形燃料電池を対象とし、その燃料極、電解質膜及びセパレータ間のシールの問題を解決してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法である。
【0020】
本発明においては、Ni、Cu、Fe、Ru等の金属を含むセラミック材料で構成された燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料である該金属を可及的に緻密且つ均一に露出、延伸させる。そして、該燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けすることを特徴とする。図6は本発明の構成態様を説明する図である。燃料極がNiとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体(Ni/YSZサーメット)で構成された燃料極を例に説明するが、他の金属を含むセラミック材料で構成された燃料極の場合についても同様である。
【0021】
図6(a)は単電池本体を示す図で、図2に示す構成に相当している。単電池は順次燃料極、電解質膜及び空気極を配置し、通常空気雰囲気で焼成して構成される。このため、燃料極の表面が酸化されるので、次のNiの延伸、露出工程に移る前に還元雰囲気で還元しておくのが好ましい。次いで、図6(b)のとおり、燃料極(Ni/YSZサーメット)の側周面から燃料極の成分であるNiを延伸、露出させる。当該Niの露出、延伸は、その側周面を例えば研磨することでNiを露出させ、延ばすと該側周面はNiで覆われる。
【0022】
上記Niの延伸、露出工程に続き、図6(c)のとおり、電解質膜の縁周表面にステンレス鋼製セパレータを当接させ、燃料極の側周面(Niで覆われている)及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けしてシールする。本発明によれば、Niで覆われた燃料極の側周面とステンレス鋼製セパレータとの接合となり、金属同士の接合となるので強固で良好な接合が得られ、良好なシールを達成することができる。
【0023】
この点、上記のようなNiの露出、延伸を経ずに、セラミックス製である燃料極(例えばNi/YSZサーメット)とステンレス鋼製セパレータとを直接接合すると、機械的強度が小さく、例えば手により容易に剥離してしまう。これに対して、上記のようにNiの露出、延伸を経て接合すると、手で剥離させることは困難であり、例えば空気極を押すとセルが先に損傷する。このように、本発明によれば、燃料極の側周面とステンレス鋼製セパレータの下面との間で強固で良好な接合が得られ、良好なシールを達成することができる。
【0024】
本発明における金属ろう材としては、Ag、Cu、Ti、Ni、Au及びAlのうち少なくとも1種の金属を含むものであればいずれも使用できる。その例としてはAg−Cu系合金、Ag−Cu−Ti系合金、Ag−Cu−Ti−In系合金、Ag−Cu−Zn系合金、Ag−Cu−Zn−Sn系合金、Ag−Cu−Zn−Cd系合金、Ag−Cu−Zn−Cd−Ni系合金、Ag−Cu−Ni系合金、Ag−Cu−Pd系合金、Ni−Cr−Si系合金、Ag−Cu−Au系合金、Cu−Sn系合金、Cu−Au系合金、Au−Ni系合金、Al−Si系合金、Al−Si−Cu系合金、Ti−Zr−Cu系合金などが挙げられる。
【0025】
本金属ろうの使用形態については、特に制限はなく、粉体、スラリー、ゾル、ペースト、シート、あるいはワイヤー等の形で使用することができる。スラリーやゾルやペーストは、例えば金属ろうの粉をPVA等のバインダーとともに水や有機溶媒等の溶媒に分散させることで作製される。シートやワイヤーは、例えば金属ろうの粉を成形することで作製される。本発明では燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間をろう付けすることから、本金属ろうをスラリー、ゾルまたはペーストの形で使用すればその作業上も有利である。
【0026】
固体酸化物電解質膜としては、例えばイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系やLaGaO3系などのシート状焼結体が用いられる。これら電解質膜はセラミックスであるが、これは10μm程度というように薄い。本発明によれば、燃料極の側周面に露出、延伸したNiと金属であるセパレータとを金属ろうで接合するので、その間の電解質膜を挟んで燃料極の側周面とステンレス鋼製セパレータ間で強固で良好な接合が得られ、良好なシールを達成することができる。
【0027】
また、本発明による接合は燃料極の側周面とステンレス鋼製セパレータの下面との間の接合となるので、金属ろう材が空気極に流通する空気に触れないため、その接合が長期にわたり安定して維持される。こうして、SOFCにおける、燃料極と電解質膜の間、電解質膜とステンレス鋼製セパレータの間が十分に接合され、シールされるので、起動→運転→停止→起動というように長期間にわたり繰り返し使用しても破損することなく、またガス漏れを防止することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。
【0029】
固体酸化物電解質膜としてY2O3をドープしたZrO2を主成分とするシート状焼結体を用い、燃料極としてニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体(=Ni/YSZサーメット。NiとYSZとの重量比=6:4。気孔率=60%)を用い、空気極としてSr及びFeをドープしたLaCoO3の多孔質焼結体を用いた。これらを図2のように配置して空気中で焼成し、単電池を構成した。本単電池(燃料極/電解質/空気極)の4点曲げ強度は121MPaである。
【0030】
上記単電池を4vol%の水素を含む窒素雰囲気で、800℃、3時間還元した。還元処理後の単電池の燃料極(Ni/YSZサーメット)の側周面をグラインダーで研磨した。この結果、Ni/YSZサーメット中のNiが露出し、延びて、該側周面を覆った。次いで、電解質膜の周表面にフェライト系ステンレス鋼(SUS430鋼)製のセパレータを当接させ、燃料極側周面(Niで覆われている)と電解質膜とセパレータ間を金属ろう材でろう付けした。
【0031】
金属ろう材として▲1▼Ni−Cr−Si系合金からなるペースト状の金属ろうと▲2▼Ag−Cu−Ti系合金からなるペースト状の金属ろうを用いた。このうち、▲1▼Ni−Cr−Si系金属ろうは、組成Cr=19.0wt%、Si=10.0wt%、Ni=バランス(すなわち71.0wt%)からなる合金をペースト状にしたものであり、▲2▼Ag−Cu−Ti系金属ろうは、組成Ag=69.2wt%、Cu=28.5wt%、Ti=2.3wt%からなる合金をペースト状にしたものである。これらペースト状金属ろうは上記合金粉をそれぞれPVA(バインダー)とともに水に分散させることにより作製したものである。
【0032】
これらペースト状金属ろうを、それぞれ、図6(c)中の金属ろう材として示す箇所に塗り付け、電気炉中で加熱して接合し、SOFC単電池を作製した。ここで、その加熱条件は、▲1▼の金属ろうの場合、真空中(2.4×10−5Torr)、1150℃、10分、▲2▼の金属ろうの場合、真空中(1.3×10−4Torr)、870℃、10分とした。
【0033】
〈ガスリーク試験〉
こうして作製した各SOFC単電池についてガスリーク試験を行った。図7は本試験用に組み立てた試験装置である。図7のとおり、該単電池を収容できる凹部を有する1対のフェライト系ステンレス鋼(SUS430)製枠体を用意し、その間に該単電池を配置した。なお、該枠体にはガスを導入、排出させる導通孔が設けられている。ステンレス鋼製枠体間にSOFC単電池のセパレータ(ステンレス鋼製)を挟み、その間に図7中シール材として示すようにシール材を配置し、電気炉中で800℃の温度に加熱して接合した。シール材としては前記電解質膜とセパレータ間をろう付けするのに用いた金属ろう材と同じ金属ろう材を用いた。こうして試験装置を各SOFC単電池毎に作製した。
【0034】
以上のように作製した各試験装置を用いてガスリーク試験を行った。各試験装置を電気炉に入れ、温度制御を電気炉で行った。試験開始時に、温度を200℃/hrの速度で上げた。所定の温度:750℃に達した時点から燃料及び空気を導入しながら1時間保持した後、200℃/hrの速度で降温し200℃より低い温度へは12時間かけて炉冷した。この単位を1熱サイクルとし、繰り返し実施した。燃料として水素を用いた。
【0035】
図7には、合わせて、導入燃料、排気燃料、導入空気、排気空気の流通状況を示している。図7中、本発明による接合箇所として示す箇所で漏れが発生していなければ、導入した燃料及び空気の全量がそれぞれ排気燃料、排気空気として出てくる。表1は本ガスリーク試験の結果である。
【0036】
【表1】
【0037】
表1のとおり、本発明によるシール方法を適用したSOFC単電池の場合、初期段階で、燃料については、導入燃料2NLM(Normal Liter per Minute)に対して、排気燃料は2NLMであり、全くリークしていない。同じく初期段階で、空気については、導入空気2NLMに対して、排気空気は2NLMであり、全くリークしていない。この点、10回の熱サイクル後も1000時間(42日)経過時でも全く同じである。
【0038】
これら効果は、金属ろう材が▲1▼Ni−Cr−Si系金属ろうの場合も、▲2▼Ag−Cu−Ti系金属ろうの場合も同じであり、金属ろう材の種類を問わず十分にシールされている。このように、本発明における、燃料極の構成成分であるNi等の金属の露出、延伸による接合、シール効果は明らかである。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、低温作動の固体酸化物形燃料電池における単電池とセパレータ間でのシールの問題を解決し、長期間にわたり起動→運転→停止→起動というように繰り返し作動して使用しても十分にシールし、ガス漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体酸化物形燃料電池の構成を原理的に示す図
【図2】支持膜式固体酸化物形燃料電池(単電池)の態様例を説明する図
【図3】支持膜式固体酸化物形燃料電池(単電池)を組み込んだSOFCスタックの構成例を示す図
【図4】図3中X−X線断面図
【図5】電解質膜とセパレータ間でのシール状態を示す図
【図6】本発明の構成態様を説明する図
【図7】実施例におけるガスリーク試験用に組み立てた試験装置を示す図
Claims (10)
- 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から該金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させ、燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
- 前記金属を含むセラミック材料で構成された燃料極における該金属が、Ni、Cu、Fe及びRuから選ばれた少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
- 前記金属を含むセラミック材料で構成された燃料極が、Niとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
- 上記金属ろう材が、Ag、Cu、Ti、Ni、Au及びAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含む金属ろう材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
- 前記燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させた当該金属が、燃料極の側周面を研磨することにより延伸、露出された金属であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
- 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法であって、燃料極の側周面に燃料極自体の構成材料から該金属を可及的に緻密且つ均一に延伸、露出させ、燃料極及び電解質膜の側周面とセパレータの下面との間を金属ろう材でろう付けすることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
- 前記金属を含むセラミック材料で構成された燃料極における該金属が、Ni、Cu、Fe及びRuから選ばれた少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項6に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
- 前記金属を含むセラミック材料で構成された燃料極が、Niとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体であることを特徴とする請求項6に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
- 上記金属ろう材が、Ag、Cu、Ti、Ni、Au及びAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含む金属ろう材であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
- 前記請求項6乃至9のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法において、燃料極の側周面を研磨することにより燃料極自体の構成材料から金属を延伸、露出させることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
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