JP2014060028A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質層とアノード電極との間の中間層による電解質層へのニッケル拡散防止の実効性を高める。
【解決手段】膜電極接合体110は、ランタンガレード系の固体酸化物(LSGM)の電解質層112を、アノード電極116とカソード電極114とで挟持し、アノード電極116と電解質層112との間に中間層118を備える。アノード電極116は、ニッケル(Ni)を、酸化ニッケル(NiO)の形態で電解質層形成材(ガドリウム(Gd)をドープしたセリア(CeO2):GDC)に含有して形成される。中間層118は、ランタン(La)をドープしたセリア(CeO2)と、ニッケル酸化物との固溶性が高い酸化マグネシウム(MgO)の複合体から形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ランタンガレード系の固体酸化物の電解質層をアノード電極とカソード電極とで挟持して備える固体酸化物型燃料電池に関する。
固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCとも称する)では、その有する電解質層の酸素イオン伝導性を利用した電気化学反応を起こして発電する。こうした固体酸化物型燃料電池では、一般に、酸素イオン伝導性を有する電解質層をアノード電極とカソード電極で挟持した電解質層電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)が用いられる。この場合、電解質層を単純に上記の両電極で挟持するだけでなく、電極と電解質層との間にセリア系酸化物の中間層を介装することが提案されている(特許文献1)。
特開2009−152112号公報
ところで、上記の特許文献では、中間層をセリア系酸化物とすることで、中間層におけるクラックの発生を防止しているものの、電解質層への電極構成元素の拡散防止は、中間層を構成するセリア系酸化物によりなされているに過ぎない。SOFCにおけるアノード電極は、安価で活性の高いニッケル酸化物を含んだセラミックの燒結を経て形成され、アノード電極に含まれるニッケルは、酸化物の形態で電解質層の側に拡散することがあり得る。電解質層にニッケルが拡散すると、拡散したニッケルにより電子導電性が発現するので、電解質層両側の電極の短絡を招きかねない。電解質層が薄くなるほど、こうした短絡が起きる危惧が高まる。
電解質層へのニッケル拡散は、中間層に含まれるセラミック成分にてニッケル酸化物を固溶する、或いはセラミック成分とニッケル酸化物との反応を経て他成分組成物を形成するといったニッケル捕捉による抑制される。こうしたニッケル捕捉は、MEAの燒結過程で起きる。セリア系酸化物の中間層では、セリア系酸化物によるニッケル捕捉が十分とは言えず、電解質層へのニッケル拡散防止の実効性を高めることが要請されるに到った。また、こうした実効性を高めるに当たっては、既存のMEA製造工程における工数増加や特異な組成物を用いることによるコストアップを招かないことが求められている。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
(1)本発明の一形態によれば、ランタンガレード系の固体酸化物の電解質層をアノード電極とカソード電極とで挟持して備える固体酸化物型燃料電池が提供される。この固体酸化物型燃料電池は、前記アノード電極をニッケル(Ni)含有の電極とした上で、ランタン(La)をドープしたセリア(CeO2)と酸化マグネシウム(MgO)の複合体である中間層を、前記電解質層と前記アノード電極との間に備える。中間層に含まれるMgOは、ニッケル酸化物との固溶性が高い。よって、上記形態の固体酸化物型燃料電池によれば、中間層にニッケル酸化物との固溶性が高いMgOを含む故に、中間層でのニッケル捕捉を高めることができるので、電解質層へのニッケル拡散を高い実効性で防止できる。換言すれば、上記形態の固体酸化物型燃料電池によれば、電解質層両側の電極の短絡を防止した上で、電解質層の薄膜化を進めることができる。また、MgOというごく一般的な酸化物を用いるに過ぎないので、MEA製造工程における工数増加やコストアップを招かないようにもできる。
(2)上記形態の固体酸化物型燃料電池において、前記中間層は、燒結前の前記複合体のスラリーの状態で、酸化マグネシウム(MgO)を1〜5wt%含有する。こうすれば、MgOを1wt%という僅かな重量割合で含むようにすることで、中間層でのニッケル捕捉を図ることができる。また、MgOを5wt%以下の重量割合で含むようにすることで、MgOの含有量を抑制した上で、中間層でのニッケル捕捉を図ることができる。
本発明は、例えば、SOFCにおける中間層の形成用スラリーとしての形態、MEAおよびその製造方法としての形態の他、固体酸化物型燃料電池の製造方法の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての燃料電池100の概略構成を斜視にて示す説明図である。 図1における2−2線に沿った膜電極接合体110の概略断面を各層の組成の様子と合わせて示す説明図である。 燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。 熱処理に伴う燒結により中間層118の組成変遷の様子を概略的に説明する説明図である。 異なる組成の中間層118を有する膜電極接合体110の特性を示す説明図である。 NiOとの反応を経て他成分組成物を形成することでニッケル捕捉を図る実施形態を示す説明図である。 中間層118をLDCからなる第1中間層118aとNiOとの固溶性に基づきニッケル捕捉を図るMgOからなる第2中間層118bとした実施形態を示す説明図である。 第2中間層118bをNiOとの反応を経た複合酸化物への変遷に基づきニッケル捕捉を図るようにした実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は本発明の実施形態としての燃料電池100の概略構成を斜視にて示す説明図、図2は図1における2−2線に沿った膜電極接合体110の概略断面を各層の組成の様子と合わせて示す説明図である。
図1に示すように、燃料電池100は、膜電極接合体110を図示しない集電体層を介在させてセパレータ120で挟持した上で、膜電極接合体110とセパレータ120とを複数積層したスタック構造を有する。膜電極接合体110は、電解質層112をカソード電極114とアノード電極116で挟持して備え、アノード電極116の側において、電解質層112とアノード電極116との間に中間層118を備える。図1における膜電極接合体110の上下の図示しない集電体層は、カソード電極114とアノード電極116に、酸化ガス或いは燃料ガスを拡散供給する機能と、集電機能を備える。なお、アノード電極116を図示しない補強板材で保持することもでき、この場合の補強板材はガス透過性を有する。
膜電極接合体110を構成する電解質層112は、酸素イオン伝導性を有するランタンガレード系の固体酸化物の電解質層である。本実施形態では、ペロブスカイト型固体酸化物、具体的には、例えば、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23(以下、LSGMと称する)によって電解質層112を形成した。この電解質層112は、LSGMを細粒化して適宜な溶媒に分散したスラリーの塗工・乾燥およびその燒結を経て、0.01mm程度の薄膜状に成膜される。こうした電解質層112の薄膜化に伴う膜抵抗の低減と、その組成に基づく酸素イオン伝導性発揮の温度域とによって、本実施形態の膜電極接合体110は、800℃以下の比較的低温度域での発電が可能になる。
膜電極接合体110を電解質層112と共に構成するカソード電極114は、例えばランタン(La)系のペロブスカイト、例えば、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83(以下、LSCFと称する)を用いて形成した電極である。このカソード電極114は、LSCFを細粒化して適宜な溶媒に分散したスラリーの塗工・乾燥およびその燒結を経て、0.01mm程度の薄膜状に製膜される。そして、カソード電極114は、後述のセパレータ120の酸化ガス流路121から供給された酸化ガス(例えば、空気)に含まれる酸素を、電解質層112に拡散させる。
膜電極接合体110を電解質層112と共に構成するアノード電極116は、ニッケル(Ni)を、酸化ニッケル(NiO)の形態で、例えば60wt%の電解質層形成材に配合して形成された電極である。この場合の電解質形成材料は、ガドリウム(Gd)をドープしたセリア(CeO2)とでき(以下、GDCと称する)、このGDCにNiOを配合してアノード電極116が形成される(以下、NiO−GDCと称する)。このアノード電極116は、NiO−GDCを細粒化して適宜な溶媒に分散したスラリーの塗工・乾燥およびその燒結を経て、0.3mm程度の薄膜状に製膜される。そして、アノード電極116は、後述のセパレータ120の燃料ガス流路122から供給された燃料ガス(例えば、水素ガス)に含まれる水素を、電解質層112に拡散させる。アノード側およびカソード側の上記のガス供給とアノード電極116での燃料成分の反応により、膜電極接合体110は、電解質層112の酸素イオン伝導性を利用した水素と酸素の電気化学反応を起こして発電する。なお、電解質層112の側のアノード電極界面には、白金等の触媒を担持した担体を含む触媒層を形成するようにしても良く、触媒を担持した担体を電解質層112に配合するようにしても良い。カソード電極114についても同様である。
膜電極接合体110とアノード電極116と間に形成された中間層118は、ランタン(La)をドープしたセリア(CeO2)と酸化マグネシウム(MgO)の複合体(以下、LDC+MgOと称する)から形成された中間層である。この中間層118は複合体(LDC+MgO)を細粒化して適宜な溶媒に分散したスラリーの塗工・乾燥およびその燒結を経て、0.005mm程度の薄膜状に製膜される。中間層118におけるMgOの配合量は、上記のスラリーの状態で規定され、本実施形態では、1〜5wt%の範囲とした。この中間層118を始め、電解質層112、カソード電極114およびアノード電極116の形成、延いては膜電極接合体110の形成については、燃料電池100の製造工程と合わせて後述する。中間層118は、ニッケル酸化物との固溶性が高いMgOを有することから、後述の燒結処理において、アノード電極116の構成元素であるNiを固溶して捕捉する。このため、中間層118は、図2において、Niの固溶捕捉後の状態として、LDC+(Ni,Mg)Oと示されている。そして、Niは、LDC+MgOの複合体の燒結後における粒界において、(Ni,Mg)Oとして捕捉される。この推移については、燃料電池100の製造工程と合わせて後述する。
セパレータ120は、一方の面が一の膜電極接合体110のカソード電極114と接し、他方の面が他の膜電極接合体110のアノード電極116と接合する。セパレータ120は、カソード電極114の側に酸化ガス流路121を、アノード電極116の側に燃料ガス流路122を備え、図1に示すように、この両流路を交差させている。セパレータ120は、膜電極接合体110を電気的に直列に接続する機能と、燃料ガスと酸化ガスを物理的に隔離する機能を要求されるため、電気伝導性を有する緻密な材料で構成される。具体的には、LaCrO3等のセラミックスやSUS等の金属材料が用いられるが、接触抵抗の低減のため、セパレータ120と接する集電体と同種の材料により形成することが望ましい。また、セパレータ120内に冷媒流路を設けることとしても良い。燃料電池100は、図1における上下のセパレータ120を含めて、発電単位となる単セルを構成する。
なお、図1では記載を省略しているが、燃料電池スタック内には、燃料電池スタックを積層方向に貫通する燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドが設けられている。燃料電池スタックに対して燃料ガスが供給されると、燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールドを介して燃料ガス流路に分配されて電気化学反応に供され、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。また、燃料電池スタックに対して酸化ガスが供給されると、酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールドを介して酸化ガス流路に分配されて電気化学反応に供され、その後酸化ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。燃料ガスとしては、例えば、純度の高い水素ガスを用いることができ、酸化ガスとしては、例えば、空気を用いることができる。
図3は燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。燃料電池100の製造に当たっては、図示するように、補強板材の一方の面に、膜電極接合体110を形成する(ステップS100)。このようにするのは、それ以降の処理ステップにおける取扱性を高めるためである。補強板材への膜電極接合体110の形成手順は、種々のプロセルが可能であり、例えば、補強板材に、アノード電極116、中間層118、電解質層112、カソード電極114の順に、それぞれの上記形成材料のスラリーの塗工と、水分や溶媒の蒸発のための乾燥を図る。或いは、アノード電極116と中間層118および電解質層112が接合して形成済みの半製品膜電極接合体を準備しておき、これを、アノード電極116が補強板材に重なるようにして、接合する。その後、補強板材に接合済みの半製品膜電極接合体における電解質層112の膜面に、カソード電極114の形成材料のスラリーの塗工とその乾燥を図る。アノード電極116、中間層118、電解質層112およびカソード電極114の各層形成のためのスラリー塗工は、後述の燒結後の各層層厚を考慮してなされる。具体的には、燒結後に、電解質層112は0.01mm、カソード電極114は0.01mm、アノード電極116は0.3mm、中間層118は0.005mmとなるよう、各層のスラリーが塗工される。なお、補強板材を用いる当たり、その用いた補強板材自体を単セルの構成材とでき、この場合には、補強板材をガス透過性を有するようにすればよい。補強板材を単セルの構成材としない場合は、補強板材を表面が剥離性に富む材料として、スラリーの塗工・乾燥後に、取り除けばよい。
次いで、アノード電極116、中間層118、電解質層112およびカソード電極114の各層が積層した膜電極接合体110を、補強板材と共に、或いは単独で、図示しない焼結装置の処置室にて、1350℃で2時間に亘って熱処理し、その後、冷却養生を図る(ステップS110)。図4は熱処理に伴う燒結により中間層118の組成変遷の様子を概略的に説明する説明図である。このステップS110での熱処理により、アノード電極116、中間層118、電解質層112およびカソード電極114の各層の塗工済みスラリーは、各層ごとに焼結が進むよう共燒結して、固形の膜電極接合体110を形成する。この熱処理を受ける共燒結の過程において、中間層118は、図4に示すように、その形成スラリーがニッケル酸化物との固溶性が高いMgOを有することから、アノード電極116の構成元素であるNiを、LDC+MgOの複合体の燒結に伴い生じる粒界において、(Ni,Mg)Oとして固溶して捕捉する。
その後は、上下のセパレータ120を、図示しない集電体層と共に膜電極接合体110を挟持するようにセットし(ステップS120)、次いで、セル積層を図る(ステップS130)。これにより、膜電極接合体110とセパレータ120とがスタック構造をなすので、その上下に図示しないエンドプレートを配置して、積層方向に締結具にて締結し(ステップS140)、燃料電池100を得る。
次に、こうして得られた燃料電池100、詳しくは膜電極接合体110の特性について説明する。図5は異なる組成の中間層118を有する膜電極接合体110の特性を示す説明図である。この図5は、電解質層112に拡散浸透したNiの濃度(Ni濃度)と、無負荷状態でのカソード電極114とアノード電極116の開回路電圧(OCV)とを、セルサンプルごとに示している。Ni濃度は、次のように測定した。まず、膜電極接合体110を上下のセパレータ120で挟持した測定セルとし、この測定セルを600℃の運転温度下においた上で、カソード電極114とアノード電極116に燃料ガスおよび酸化ガスを供給し、3時間に亘って継続運転した。そして、運転終了後に電解質層112を分解して取り出し、元素分析器にてNi濃度を求めた。このNi濃度は、電解質層112に含まれるNiの原子数を、電解質層112の構成元素であるLa、Sr、GaおよびMgの原子数総和で除算して求めた。OCVについては、上記の測定セルを600℃の運転温度下においた上で、カソード電極114とアノード電極116に、40℃の飽和水蒸気にて加湿した燃料ガスおよび酸化ガスを供給して、測定セルの開回路電圧を測定した。これらの測定に処した測定セルS1〜S3は、その膜電極接合体110が有する中間層118の組成が以下のものである。測定セルS1は、図5に示すように、LDCだけの中間層118を備え、既存の電池セル(単セル)に相当する。測定セルS2は、LDCに1wt%のMgOを含む複合体の中間層118を備え、測定セルS3は、LDCに5wt%のMgOを含む複合体の中間層118を備える。
電解質層112は、その形成スラリーが細粒のLSGMを分散しているに過ぎず、Niを含有しない。よって、上記したNi濃度は、カソード電極114に含まれるNiが中間層118を浸透して電解質層112に拡散した結果として表れる。図5では、MgOを含まない中間層118を有する膜電極接合体110の測定セルS1では、高いNi濃度となり、MgOを1wt%或いは5wt%含有する中間層118を有する膜電極接合体110の測定セルS2と測定セルS3では、Ni濃度が測定セルS1より低くなる。そうすると、MgOを1〜5wt%の範囲で含有する中間層118をカソード電極114と電解質層112との間に介装することで、図4に示すように、中間層118でのニッケル捕捉を高めて電解質層112へのニッケル拡散を高い実効性で防止した上で、電解質層112の両側のカソード電極114とアノード電極116との短絡を防止できる。このように電極短絡を防止できることから、MgOを1〜5wt%の範囲で含有する中間層118をカソード電極114と電解質層112との間に介装することで、電解質層112の薄膜化を進めることができる。
また、図5では、MgOを含まない中間層118を有する膜電極接合体110の測定セルS1では、OCVは低く、MgOを1wt%或いは5wt%含有する中間層118を有する膜電極接合体110の測定セルS2と測定セルS3では、高いOCVを得ることができた。このことから、MgOを1〜5wt%の範囲で含有する中間層118をカソード電極114と電解質層112との間に介装することで、電解質層112へのニッケル拡散防止と電極短絡の防止と相まって、発電性能を高まることができる。また、MgOというごく一般的な酸化物をLDCと共に用いるに過ぎないので、膜電極接合体110の製造工程における工数増加やコストアップを招かないようにもできる。
また、MgOを含まない中間層118を有する膜電極接合体110に比して、MgOを1wt%という僅かな重量割合で中間層118に含有することで、中間層118でのニッケル捕捉の実効性を高めることができる。しかも、MgOを5wt%以下の重量割合で中間層118に含有することで、MgOの含有量を抑制した上で、中間層118でのニッケル捕捉の実効性を高めることができる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
また、上記の実施形態では、中間層118は、LDCとMgOの複合体としたが、MgOと同様にNiOとの固溶性が高い他の酸化物、例えば、酸化コバルト(CoO)や、酸化マンガン(MnO)をLDCに配合してなる複合体から中間層118を形成するようにすることもできる。
この他、NiOとの固溶性に基づくニッケル捕捉に代わり、NiOとの反応を経て他成分組成物を形成することでニッケル捕捉を図るようにすることもできる。図6はNiOとの反応を経て他成分組成物を形成することでニッケル捕捉を図る実施形態を示す説明図である。図示するように、この実施形態では、ステップS100の膜電極接合体110の形成、詳しくは中間層118の形成において、LDCに酸化鉄(Fe23)を配合した複合体とし、この複合体(LDC+Fe23)を細粒化して適宜な溶媒に分散したスラリーの塗工・乾燥を図る。この実施形態では、その後のステップS110での共燒結の過程で、中間層118は、図6に示すように、その形成スラリーに含まれるFe23がNiOと反応して、アノード電極116の構成元素であるNiを、鉄ニッケル酸化物(複合酸化物)としてのFe2NiO4に反応変遷させて捕捉する。この実施形態によっても、既述した実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、この実施形態におけるFe23を、NiOとの反応を経て他の複合酸化物を形成する酸化ランタン(La23)や、酸化チタン(TiO2)とすることもできる。
また、中間層118を複層構成とすることもできる。図7は中間層118をLDCからなる第1中間層118aとNiOとの固溶性に基づきニッケル捕捉を図るMgOからなる第2中間層118bとした実施形態を示す説明図である。図示するように、この実施形態では、ステップS100の膜電極接合体110の形成、詳しくは中間層118の形成において、LDCを細粒化して適宜な溶媒に分散したLDCスラリーと、MgOを細粒化して適宜な溶媒に分散したMgOスラリーとを用い、アノード電極116に重ねて、MgOスラリーとLDCスラリーを順次塗工し、乾燥させる。この実施形態では、その後のステップS110での共燒結の過程で、中間層118の第2中間層118bは、図7に示すように、MgOスラリーに含まれるMgOがNiOを固溶して、アノード電極116の構成元素であるNiを捕捉する。この実施形態によっても、既述した実施形態と同様の効果を奏することができる。この場合、第2中間層118bは、MgOにて固溶したNiOを、膜電極接合体110の発電状態においては還元し、Ni−MgOの形態でニッケル捕捉を図る。なお、この実施形態における第2中間層118bを、MgOと同様にNiOとの固溶性が高いCoOやMnOを用いて形成するようにすることもできる。
中間層118の複層構成は、次のようにすることもできる。図8は第2中間層118bをNiOとの反応を経た複合酸化物への変遷に基づきニッケル捕捉を図るようにした実施形態を示す説明図である。図示するように、この実施形態では、ステップS100の膜電極接合体110の形成、詳しくは中間層118の形成において、LDCを細粒化して適宜な溶媒に分散したLDCスラリーと、Fe23を細粒化して適宜な溶媒に分散したFeOスラリーとを用い、アノード電極116に重ねて、FeOスラリーとLDCスラリーを順次塗工し、乾燥させる。この実施形態では、その後のステップS110での共燒結の過程で、中間層118の第2中間層118bは、図8に示すように、FeOスラリーに含まれるFe23がNiOと反応してFe2NiO4などの鉄ニッケル酸化物(複合酸化物)に反応変遷することで、アノード電極116の構成元素であるNiを捕捉する。この実施形態によっても、既述した実施形態と同様の効果を奏することができる。この場合、第2中間層118bは、鉄ニッケル酸化物(Fe2NiO4など)におけるNiOを、膜電極接合体110の発電状態においては還元し、Ni−Fe合金の形態でニッケル捕捉を図る。なお、この実施形態における第2中間層118bを、Fe23と同様にNiOと反応してニッケル複合酸化物に変遷するLa23やTiO2を用いて形成するようにすることもできる。
100…燃料電池
110…膜電極接合体
112…電解質層
114…カソード電極
116…アノード電極
118…中間層
118a…第1中間層
118b…第2中間層
120…セパレータ
121…酸化ガス流路
122…燃料ガス流路

Claims (2)

  1. ランタンガレード系の固体酸化物の電解質層をアノード電極とカソード電極とで挟持して備える固体酸化物型燃料電池であって、
    前記アノード電極をニッケル(Ni)含有の電極とした上で、ランタン(La)をドープしたセリア(CeO2)と酸化マグネシウム(MgO)の複合体である中間層を、前記電解質層と前記アノード電極との間に備える
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記中間層は、燒結前の前記複合体のスラリーの状態で、酸化マグネシウム(MgO)を1〜5wt%含有する請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
JP2012204001A 2012-09-18 2012-09-18 固体酸化物型燃料電池 Pending JP2014060028A (ja)

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