JP2004146129A - 固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法 - Google Patents

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桜井 輝浩
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Abstract

【課題】低温作動のSOFCにおけるステンレス鋼製セパレータと単電池間でのシールの問題を解決し、長期間にわたり起動→運転→停止→起動というように繰返し作動して使用しても十分にシールしガス漏れを防止する。
【解決手段】金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材、またはセラミックス粉を含む金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体、および、シール方法。
【選択図】図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動温度が650〜800℃の範囲である低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池〔SOFC(=Solid Oxide Fuel Cells):以下適宜SOFCと略称する〕は、作動温度が800〜1000℃程度、通常1000℃程度と高い。SOFCの単電池すなわちセルは固体酸化物電解質を挟んで燃料極及び空気極(酸化剤として酸素が用いられる場合は酸素極)が配置され、燃料極/電解質(固体酸化物電解質)/空気極の3層ユニットで構成される。図1はその構成を原理的に示す図である。
【0003】
空気極に導入される空気中の酸素は空気極で酸化物イオン(O2−)となり、固体酸化物電解質を通って燃料極に至る。ここで、燃料極に導入される燃料と反応して電子を放出し、電気と水等の反応生成物を生成する。空気極での利用済み空気は空気極オフガスとして排出され、燃料極での利用済み燃料は燃料極オフガスとして排出される。単電池1個の電圧は低いため、通常、単電池を複数層積層して構成される。
【0004】
電解質材料としては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては、例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体(Ni/YSZサーメット)等の多孔質体が用いられ、空気極としては、例えばSrドープのLaMnO等の多孔質体が用いられる。これらは、通常、電解質材料の両面に燃料極と空気極を焼き付けることにより単電池が構成される。
【0005】
SOFCには平板方式や円筒方式や一体積層方式などがあるが、これらは原理的には同じである。平板方式SOFCは、固体酸化物電解質膜自体でその構造を保持するようになっており、この意味で自立膜式と称される。このため固体酸化物電解質膜の厚さは通常100μm程度と厚く構成される。隣接する単電池(セル)を電気的に接続すると同時に燃料極と空気極のそれぞれに燃料と空気を適正に分配、供給し排出する目的で、セパレータ(=インターコネクタ=スペーサ)と単電池とが交互に積層される。
【0006】
ところで、このようなSOFCでは、流通する燃料、空気、燃料極オフガス、空気極オフガスはすべて気体であり、しかも作動温度が1000℃程度と高いことから、セパレータ相互間やセパレータと電池間でのシールが不十分であるとガス漏れが生じて電池として致命的となる。このため、そのためのシール材やシール箇所の構造上の改良について幾つかの提案がなされている(特開平8−134434号、特開平9−120828号、特開平10−168590号)。
【0007】
特開平8−134434号では、ガラス粉とマグネシア粉を所定の比率で混合してなる高温シール材、あるいはこの混合粉末に対し酸化物セラミックス粉を混合してなる高温シール材が提案され、また、特開平9−120828号では、ガラスをマトリックスとし、平均粒径10μm以下のガラスと反応しないか、あるいはガラスとの反応性が低い微粒子を分散させてなる燃料電池用封止材料が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−134434号公報
【特許文献2】特開平9−120828号公報
【特許文献3】特開平10−168590号公報
【0009】
しかし、これらに記載の高温シール材あるいは封止材料は、その記載、特に実施例の記載からみても、作動温度が800〜1000℃程度、特に1000℃程度という高温作動のSOFCに対するものであり、650〜800℃程度の範囲、例えば700℃程度というような低温作動のSOFC用のシール材や封止材料についてのものではない。
【0010】
以上のように、従来のSOFCはその作動温度が800〜1000℃程度と高いが、最近では800℃程度以下、例えば750℃程度の温度で作動するSOFCも開発されつつある。本発明者らは、このような低温作動のSOFCに特に注目して開発を進めており、これまで幾つかの成果を得ている(特願2001−144034、特願2001−176739、特願2002−28847等)。
【0011】
図2〜4はそのSOFCの態様例を説明する図である。図2は単電池の構成例、図3は単電池を組み込んだSOFCスタックの構成例、図4は図3中X−X線断面図である。図2のとおり、単電池は、燃料極の上に電解質膜(固体酸化物電解質膜)が配置され、固体酸化物電解質膜の上に空気極が配置されて構成され、この単電池が、図3〜4のように組み込まれてSOFCスタックが構成される。
【0012】
電解質膜として例えばLaGaO系やイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系などの材料を用いて、その膜厚を例えば10μm程度というように薄くし、これを膜厚の厚い燃料極で支持するように構成されており、この意味で支持膜式と称される。支持膜式においては固体酸化物電解質膜の膜厚を薄く構成できることなどから、前記自立膜式の場合に比べてより低温で運転できる。このため、そのセパレータ等の構成材料として例えばフェライト系ステンレス鋼などの安価な材料の使用を可能とし、また小型化が可能であるなど各種利点を有する。
【0013】
図3〜4のとおり、支持膜式SOFCスタックは、上部から下部へ順次セパレータA、セパレータB、セパレータC、接合材、単電池、セパレータDが配置される。セパレータAの上部、セパレータDの下部には集電板等が配置され、図4にその1部を示しているが、図3では省略している。また、セパレータA〜Dはステンレス鋼、例えばフェライト系ステンレス鋼で構成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような低温作動のSOFCにおいても、流通する燃料、空気、燃料極オフガス、空気極オフガスはすべて気体であり、しかも作動温度が650〜800℃程度と、なお高いことから、セパレータ相互間やセパレータと電池間でのシールが不十分であるとガス漏れが生じて電池として致命的となる。また、SOFCは繰り返し使用されることから、低温作動のSOFCについてもシールの問題が解決されないとSOFCとして体をなさず、実用化は困難である。
【0015】
それらシール部分のうち、特に電池とセパレータ間でのシールは、電解質膜とセパレータとの間でのシールとなる。図5はその状態を示す図である。図5のとおり、電解質膜の周縁上面とセパレータとの間をシール材で接合させることでシールされる。しかし、セパレータはステンレス鋼すなわち金属であるが、電解質膜はセラミックスであるので、金属ろうで結合しシールすることはなかなか難しい。
【0016】
本発明は、低温作動のSOFCにおける電解質膜とステンレス鋼製セレータとの間における上記のようなシールの問題を解決するためになされたものであり、起動→運転→停止→起動というように繰り返し使用してもガス漏れを防止し、長期間にわたり安定して作動できる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びそのシール方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材、またはセラミックスを含む金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体を提供する。
【0018】
また、本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材、またはセラミックス粉を含む金属ろう材でろう付けすることを特徴とする低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の周上面にステンレス鋼製セパレータを配置してなる、作動温度が650〜800℃の範囲である低温作動の固体酸化物形燃料電池を対象とし、その電解質膜とステンレス鋼製セパレータとの間のシールの問題を解決してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体及びシール方法である。
【0020】
本発明においては、電解質膜の縁周上面とステンレス鋼製セパレータとの間を接合してシールするに際して、その接合に先立ち、電解質膜の縁周上面に予め金属をコーティングする。次いで、電解質膜の縁周上面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材、またはセラミックス粉を含む金属ろう材でろう付けすることを特徴とする。図6は本発明の構成態様を説明する図である。
【0021】
図6(a)は電池本体を示す図で、図2に示す構成に相当している。単電池は順次燃料極、電解質膜及び空気極を配置し、通常空気雰囲気で焼成して構成される。図6(b)のとおり、電解質膜の縁周上面に金属をコーティングする。電解質膜は例えばLaGaO系やイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系などのセラミック材料であるので、コーティング金属としては当該電解質膜に対して強固にコーティングできる金属またはその合金が用いられる。好ましい金属の例としてはMn、Mo、その合金などが挙げられる。Mn−Mo合金の場合にはその上にNi等の金属をコーティングしてもよい。
【0022】
次いで、図6(c)のとおり、電解質膜の縁周表面上のコーティング金属膜面に金属ろう材、またはセラミックス粉を含む金属ろう材を配置し、その上にステンレス鋼製セパレータを当接させて焼成する。すなわち、電解質膜の縁周表面上に、順次、コーティング金属膜−金属ろう材(またはセラミックス粉を含む金属ろう材)−ステンレス鋼製セパレータと配置して積層させる。
【0023】
このように、本発明によれば、電解質膜の縁周表面上に予めコーティングによる金属膜を形成し、そして金属ろう材(またはセラミックス粉を含む金属ろう材)を介してステンレス鋼製セパレータを接合するので、その接合は金属同士の接合となり、強固で良好な接合が得られ、良好なシールを達成することができる。
【0024】
この点、従来では、セラミックス製である電解質膜と金属製であるセパレータとの接合であるため接合が困難であり、たとえ接合し得たとしても不十分であった。これに対して、本発明においては、上記のように金属膜を介在さて接合することにより、電解質膜とステンレス鋼製セパレータとの間で強固で良好な接合が得られ、良好なシールを達成することができる。
【0025】
金属ろう材としてはAg、Cu、Ti、Ni、Au及びAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含む金属ろう材が用いられる。セラミックス粉を含む金属ろう材としては、それら金属ろう材とセラミックス粉の混合物が用いられる。セラミックス粉の例としては、アルミナ、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、LaGaOなどの粉末が挙げられる。
【0026】
上記金属ろう材の例としては、Ag−Cu系合金、Ag−Cu−Ti系合金、Ag−Cu−Ti−In系合金、Ag−Cu−Zn系合金、Ag−Cu−Zn−Sn系合金、Ag−Cu−Zn−Cd系合金、Ag−Cu−Zn−Cd−Ni系合金、Ag−Cu−Ni系合金、Ag−Cu−Pd系合金、Ni−Cr−Si系合金、Ag−Cu−Au系合金、Cu−Sn系合金、Cu−Au系合金、Au−Ni系合金、Al−Si系合金、Al−Si−Cu系合金、Ti−Zr−Cu系合金などが挙げられる。
【0027】
金属ろう材、セラミックス粉を含む金属ろう材の使用形態については、特に制限はなく、粉体、スラリー、ゾル、ペースト、シート、あるいはワイヤー等の形で使用することができる。スラリーやゾルやペーストは、例えば金属ろうの粉、あるいは金属ろう粉とセラミックス粉の混合粉をPVA等のバインダーとともに水や有機溶媒等の溶媒に分散させることで作製される。シートやワイヤーは、例えば金属ろうの粉、あるいは金属ろう粉とセラミックスの混合粉を成形することで作製される。本シール材を特にシートやワイヤーの形で使用すれば、その配置箇所の形状に合わせて適用できるので作業上も有利である。
【0028】
本発明における燃料極は、Niとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体(Ni/YSZサーメット)等の金属を含むセラミック材料で構成され、セパレータはステンレス鋼、例えばフェライト系ステンレス鋼で構成される。固体酸化物電解質膜としては、例えばイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系やLaGaO系などのシート状焼結体が用いられる。これら電解質膜はセラミックスであるが、本発明によれば、セラミックスである電解質膜と金属製セパレータの間を十分に接合し、シールされ、長期間にわたり起動→運転→停止→起動というように繰り返し作動して使用してもガス漏れを防止することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。
【0030】
固体酸化物電解質膜としてYをドープしたZrOを主成分とするシート状焼結体を用い、燃料極としてニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合焼結体(=Ni/YSZサーメット。NiとYSZとの重量比=6:4。気孔率=60%)を用い、空気極としてSr及びFeをドープしたLaCoOの多孔質焼結体を用いて図2のように単電池を構成した。本単電池(燃料極/電解質/空気極)の4点曲げ強度は121MPaである。
【0031】
上記単電池を4個用意し、各々、(A)電解質膜の縁周上面にMo−Mn(80:20wt%)の合金粉体を含むペーストを塗り付け、20mol%の加湿水素中、1500℃で焼き付けた。そのうち2個の単電池については、(B)上記焼付け面にNiメッキを施した。次いで、(A)の焼き付け処理後の単電池と(B)のNiメッキ処理後の単電池について、金属ろう材を介してステンレス鋼(SUS430)製セパレータを結合させた。
【0032】
金属ろう材として▲1▼Ni−Cr−Si系合金からなるペースト状の金属ろうと▲2▼Ag−Cu−Ti系合金からなるペースト状の金属ろうを用いた。このうち、Ni−Cr−Si系金属ろうは組成Cr(19.0wt%)−Si(10.0wt%)−Ni(バランス、すなわち71.0wt%)からなる合金粉をペースト状にしたものであり、またAg−Cu−Ti系金属ろうは、組成Ag(69.2wt%)−Cu(28.5wt%)−Ti(2.3wt%)からなる合金粉をペースト状にしたものである。これらペースト状金属ろうは合金粉をPVA(バインダー)とともに水に分散させることで作製したものである。
【0033】
これらペースト状の金属ろうを、それぞれ、図6(c)中のろう材として示す箇所に塗り付けて配置し、電気炉中で加熱して接合し、SOFC単電池を作製した。その加熱条件は、▲1▼の金属ろうの場合、真空中(2.4×10−5Torr)、1150℃、10分、▲2▼の金属ろうの場合、真空中(1.3×10−4Torr)、870℃、10分とした。
【0034】
〈ガスリーク試験〉
こうして作製した各SOFC単電池を用いてガスリーク試験を行った。図7は本試験用に組み立てた試験装置である。図7のとおり、該単電池を収容できる凹部を有する1対のステンレス鋼(SUS430)製枠体を用意し、その間に該単電池を配置した。なお、該枠体にはガスを導入、排出させる導通孔が設けられている。各ステンレス鋼製枠体間にセパレータを挟み、その間に図7中シール材として示すようにシール材を配置し、電気炉中で800℃の温度に加熱して接合した。シール材としては前記電解質膜とセパレータ間をろう付けするのに用いた金属ろう材と同じ金属ろう材を用いた。こうして試験装置を各SOFC単電池毎に作製した。
【0035】
以上のように作製した各試験装置を用いてガスリーク試験を行った。各試験装置を電気炉に入れ、温度制御を電気炉で行った。試験開始時に、温度を200℃/hrの速度で上げた。所定の温度:750℃に達した時点から燃料及び空気を導入しながら1時間保持した後、200℃/hrの速度で降温し、200℃より低い温度へは12時間かけて炉冷した。この単位を1熱サイクルとし、繰り返し実施した。燃料として水素を用いた。
【0036】
図7には、合わせて、導入燃料、排気燃料、導入空気、排気空気の流通状況を示している。図7中、本発明による接合箇所として示す箇所で漏れが発生していなければ、導入した燃料及び空気の全量がそれぞれ排気燃料、排気空気として出てくる。表1は本ガスリーク試験の結果である。表1中、(A)の焼き付け処理後の単電池の場合をNiメッキなしと表示し、(B)の焼き付け処理後、Niメッキ処理した単電池の場合をNiメッキありと表示している。
【0037】
【表1】
Figure 2004146129
【0038】
表1のとおり、本発明によるシール方法を適用したSOFC単電池の場合、初期段階で、燃料については、導入燃料2NLM(Normal Liter per Minute)に対して、排気燃料は2NLMであり、全くリークしていない。同じく初期段階で、空気については、導入空気2NLMに対して、排気空気は2NLMであり、全くリークしていない。この点、(A)の焼き付け処理後の単電池の場合も(B)の焼き付け処理後、Niメッキ処理した単電池の場合も同じである。
【0039】
これら効果は、10回の熱サイクル後でも1000時間(42日)経過時では全く同じであり、また金属ろう材が▲1▼Ni−Cr−Si系金属ろうの場合も、▲2▼Ag−Cu−Ti系金属ろうの場合も同じであり、金属ろう材の種類を問わず十分にシールされている。このように、本発明における、電解質膜の縁周上面に金属膜を介在させることによる接合、シール効果は明らかである。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、低温作動のSOFCにおけるセパレータと単電池間でのシールの問題を解決し、長期間にわたり起動→運転→停止→起動というように繰り返し作動して使用しても十分にシールしガス漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体酸化物形燃料電池の構成を原理的に示す図
【図2】支持膜式固体酸化物形燃料電池(単電池)の態様例を説明する図
【図3】支持膜式固体酸化物形燃料電池(単電池)を組み込んだSOFCスタックの構成例を示す図
【図4】図3中X−X線断面図
【図5】電解質膜とセパレータ間でのシール状態を示す図
【図6】本発明の構成態様を説明する図
【図7】実施例におけるガスリーク試験用に組み立てた試験装置を示す図

Claims (10)

  1. 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
  2. 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール構造体であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間をセラミックス粉を含む金属ろう材でろう付けしてなることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
  3. 前記セラミックス粉が、アルミナ、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニアまたはLaGaOの粉末であることを特徴とする請求項2に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
  4. 前記コーティング金属膜が、Mn−Mo合金の膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
  5. 前記金属ろう材が、Ag、Cu、Ti、Ni、Au及びAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含む金属ろう材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール構造体。
  6. 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間を金属ろう材でろう付けすることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
  7. 金属を含むセラミック材料で構成された燃料極上に順次電解質膜及び空気極を積層し、且つ、電解質膜の縁周上面にステンレス鋼製セパレータを当接してなる低温作動の固体酸化物形燃料電池のシール方法であって、ステンレス鋼製セパレータを当接する電解質膜の縁周上面に金属膜をコーティングした後、該金属膜面とステンレス鋼製セパレータとの間をセラミックス粉を含む金属ろう材でろう付けすることを特徴とする低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
  8. 前記セラミックス粉が、アルミナ、ジルコニア、イットリア安定化ジルコニアまたはLaGaOの粉末であることを特徴とする請求項7に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
  9. 前記コーティング金属膜が、Mn−Mo合金の膜であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
  10. 前記金属ろう材が、Ag、Cu、Ti、Ni、Au及びAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含む金属ろう材であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の低温作動固体酸化物形燃料電池のシール方法。
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