JP2014038732A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】カソード電極と電力集電を図る集電体との接着性の向上を図る。
【解決手段】固体酸化物型燃料電池としての単セル200は、電解質層30をアノード電極31とカソード電極32とで挟持した上で、カソード電極32に、導電性を有する金属製の集電体43を接着層44にて接着する。この接着層44は、焼結促進剤としての酸化硼素(B23)等をカソード電極形成材料に配合した接着層形成スラリーの塗布・焼結を経て、カソード電極32に集電体43を接着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸素イオン伝導性を有する固体酸化物の電解質層を備えた固体酸化物型燃料電池に関する。
固体酸化物型燃料電池では、その有する電解質層の酸素イオン伝導性を利用した電気化学反応を起こして発電し、その発電電力はカソード電極にて集電される。そして、集電には、通常、導電性を有する金属性の集電体が用いられ、この集電体はカソード電極に接着される。こうした集電体の接着良否は、集電効率、延いては燃料電池の発電性能に影響を及ぼすことから、集電体の接着手法が種々提案されている(特許文献1)。
特開平6−223846号公報 上記の特許文献は、Niサーメット等の多孔質セラミックをカソード電極と集電体たるインターコネクターとの間に介在させて、この多孔質セラミックを含む電池セルをプレス下にて高温処理している。
上記の手法では、多孔質セラミックを焼結させているものの、セラミック組成の観点から、焼結による接着の信頼性が十分とは言えないのが実情である。このため、発電運転期間が長くなったり、発電運転に伴う振動が繰り返し掛かると、接着箇所での剥離が起きえ、こうした剥離による集電効率低下並びに発電性能の低下が起き得るほか、耐振動性や耐久性の低下も危惧される。また、近年では、固体酸化物型燃料電池の各構成材料についての改良が進み、700〜800℃程度での温度での発電運転が可能になりつつあるが、こうした温度での上記の多孔質セラミックの熱処理では焼結が進まない。このため、高い剥離強度を得ることができずに耐振動性や耐久性の向上が進まず、その改善が要請されるに到った。なお、隣り合う燃料電池セルを仕切るセパレータ自体にカソード電極側で集電体としての機能を担うようにした構成でも、上記の多孔質セラミックを用いる以上、同様である。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の適用例として実施することができる。
(1)本発明の一形態によれば、酸素イオン伝導性を有する固体酸化物の電解質層を備えた固体酸化物型燃料電池が提供される。この固体酸化物型燃料電池は、前記電解質層をアノード電極とカソード電極とで挟持した上で、前記カソード電極に、導電性を有する金属製の集電体を接着層にて接着して備え、前記接着層は、焼結促進剤としての酸化硼素(B23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)から選ばれた少なくとも一つの焼結促進剤が前記カソード電極の形成材料に配合された接着層形成スラリーの塗布・焼結を経て、前記カソード電極に前記集電体を接着する。上記形態の固体酸化物型燃料電池によれば、上記の特定の焼結促進剤を接着層に含ませていることから、接着層の焼結を経たカソード電極と集電体との接着の信頼性を高めることができるので、カソード電極と集電体との接着不良による発電性能の低下を抑制できるほか、高い接着性により剥離強度が高まって、耐振動性や耐久性の向上も可能となる。
(2)上記形態の固体酸化物型燃料電池において、前記接着層における前記焼結促進剤の配合割合を、前記接着層形成スラリーの状態において、前記焼結促進剤のmol濃度を焼結促進剤の被酸化元素たる硼素(B)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)で単体換算して、3〜10mol%とできる。こうすれば、配合した焼結促進剤による接着層の高い焼結を確実に担保できるので、接着層の焼結を経たカソード電極と集電体との接着の信頼性が高まる。そして、焼結促進剤の配合割合が単体換算で3mol%より少なければ、接着層焼結の担保が困難となり得るが、焼結促進剤の配合割合を単体換算で3mol%とすることで、接着層の焼結を高い実効性で担保できる。その一方、焼結促進剤の配合割合が単体換算で10mol%を超えると、その配合が高まることによる弊害が起き得るが、焼結促進剤の配合割合を単体換算で10mol%とすることで、上記した弊害を抑制しつつ接着層の焼結を高い実効性で担保できる。
本発明は、例えば、固体酸化物型燃料電池の他、固体酸化物型燃料電池の製造方法や、固体酸化物型燃料電池におけるカソード電極と集電体との接着剤、或いは固体酸化物型燃料電池におけるカソード電極と集電体との接着方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての燃料電池100の外観斜視をその構成単位である単セル200と共に示す説明図である。 図1における2−2線に沿って単セル200を断面視して示す説明図である。 燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。 焼結促進剤を配合した接着層形成スラリーの塗布焼結を経て形成される接着層44の相対密度を焼結促進剤ごとに示すグラフである。 焼結促進剤として酸化硼素(B23)を配合した接着層形成スラリーの焼結を経て得た接着層44の密着強度を焼結促進剤の配合量ごとに示すグラフである。 発電性能の評価のためのセル形成の様子を模式的に示す説明図である。 焼結促進剤として酸化硼素(B23)を配合した接着層形成スラリーの焼結を経て得た接着層44とセル発電性能との関係を示すグラフである。 焼結促進剤として酸化硼素(B23)に代えてガラスフリットを添加した接着層にて得られる剥離強度との対比を示すグラフである。
図1は本発明の第1実施形態としての燃料電池100の外観斜視をその構成単位である単セル200と共に示す説明図、図2は図1における2−2線に沿って単セル200を断面視して示す説明図である。
図1に示すように、燃料電池100は、単セル200を複数積層したスタック構造を有する。単セル200を積層したセルスタック201は、その積層方向に第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート211によって挟持される。この両エンドプレートは、締結具215によって締結され、セルスタック201に押圧力を加えてセルスタック201を保持している。なお、上記の両エンドプレートは、締結荷重を支持するために剛性(曲げ強度)の高い部材で構成されることが好ましい。特に、第1のエンドプレート210は、各配管と接続するため、腐食に強い部材で構成されることが好ましく、例えばステンレス鋼やチタン等で構成されるものとしても良い。
燃料電池100には、流体流路となる複数のマニホールド孔Mnが積層方向に貫通するように形成されている。従って単セル200にもマニホールド孔Mnが形成されている。マニホールド孔Mnは、イン側とアウト側に用意され、それぞれ、水素と酸素及び冷却媒体(例えば空気や冷却水)の供排に関与する。つまり、図示しない改質器から供給される燃料ガスとしての水素ガスと、図示しないポンプ等から供給される酸化ガスとしての空気と、図示しない冷却機器から供給される冷却媒体は、それぞれ、イン側のマニホールド孔Mnを経て燃料電池100の単セル200に至り、余剰の水素、余剰の空気および冷却媒体は、アウト側のマニホールド孔Mnを経て燃料電池100の外部に排出される。
図2に示すように、単セル200は、電解質層30をアノード電極31とカソード電極32で挟持した膜電極接合体300を有し、この膜電極接合体300を複数の流入孔33Hを有する補強板材33で保持する。その上で、単セル200は、膜電極接合体300をガラスシール36で気密に包囲し、当該シールにてカソード側のセパレータ37を気密に固定し、カソード電極32の膜面側に空気流入室40を形成する。また、単セル200は、補強板材33の側、即ちアノード電極31の側に金属製の枠体41を気密に配設し、当該枠体にてアノード側のセパレータ37を気密に固定し、アノード電極31の膜面側に補強板材33を経て水素流入室42を形成する。この他、単セル200は、空気流入室40に、集電体43を配設して備え、この集電体43を接着層44にてカソード電極32の表面に接着させている。上記のセパレータ37は、冷媒流路37Aを備え、イン側のマニホールド孔Mnを流れる冷却冷媒を冷媒流路37Aを通過させてアウト側のマニホールド孔Mnに流す。この冷媒の流れにより、単セル200は、アノード側およびカソード側で冷却される。また、セパレータ37は、図示しないセル内水素流路を備え、イン側のマニホールド孔Mnを流れる水素をセル内水素流路を経て水素流入室42に流入させ、余剰の水素をアウト側のマニホールド孔Mnに流す。更に、セパレータ37は、図示しないセル内空気流路を備え、イン側のマニホールド孔Mnを流れる空気をセル内空気流路を経て空気流入室40に流入させ、余剰の空気、および生成した生成水をアウト側のマニホールド孔Mnに流す。なお、水素流入室42に、ガス拡散透過を果たすアノードガス流路層を配設するようにすることもできる。
膜電極接合体300を構成する電解質層30は、酸素イオン伝導性を有する固体酸化物の電解質層であり、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのジルコニア系酸化物イオン伝導体や、ペロブスカイト型構造を有する酸化物イオン伝導体など、種々のセラミックス酸化物イオン伝導体を用いることができる。本実施形態では、ペロブスカイト型固体酸化物、具体的には、例えば、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23や10%Gd23CeO2によって電解質層30を形成することができる。この場合、電解質層30は、アノード電極31に0.02mm程度の薄膜状に成膜される。こうした電解質層30の薄膜化に伴う膜抵抗の低減と、その組成に基づく酸素イオン伝導性発揮の温度域とによって、本実施形態の単セル200は、800℃以下の比較的低温度域での発電運転が可能になる。
膜電極接合体300を電解質層30と共に構成するアノード電極31は、例えばニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)を用いて、例えば60wt%の電解質層形成材(GDC)に酸化ニッケル(NiO)を配合して1.0mm程度の薄膜状に製膜される。なお、電解質層30の側のアノード電極界面には、白金等の触媒を担持した担体を含む触媒層を形成するようにしても良い。
膜電極接合体300を電解質層30と共に構成するカソード電極32は、例えばランタン(La)系のペロブスカイト、例えば、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83で0.03mm程度の薄膜状に製膜される。そして、カソード電極32は、空気流入室40にセパレータ37から供給された空気に含まれる酸素を、電解質層30にさせる。なお、電解質層30の側のカソード電極界面には、白金等の触媒を担持した担体を含む触媒層を形成するようにしても良い。アノード側およびカソード側の上記のガス供給とアノード電極31でのガス成分の反応により、単セル200は、電解質層30の酸素イオン伝導性を利用した水素と酸素の電気化学反応を起こして発電する。
補強板材33は、アノード電極31、延いては膜電極接合体300を補強するためのものであり、例えばステンレス鋼で構成され、枠体41を例えば溶接等の手法にて気密に固定する。
集電体43は、導電性を有するほかに耐水性や防錆性を有するステンレス等の金属の極細の線条材からなるメッシュ構造を備え、上記のガス供給を経て起きた水素と酸素の電気化学反応により得られた電力を集電する。この場合、集電体43は、メッシュ構造である故に、空気流入室40におけるガス拡散機能も果たす。
セパレータ37は複数の薄い金属板によって構成されており、金属板同士の接触面に設けた溝を冷却冷媒の冷媒流路37Aとし、空気流入室40の側に既述したセル内空気流路を、水素流入室42の側にセル内水素流路を備える。これにより、セパレータ37は、既述したように空気流入室40には空気を、水素流入室42には水素(改質水素)を供給する。
接着層44は、カソード電極32の上記の形成材料、具体的にはLa系のペロブスカイト化合物成分のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83に後述の焼結促進剤を配合した接着層形成スラリーの塗布・焼結を経て形成される。配合する焼結促進剤は、酸化硼素(B23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)から選ばれた少なくとも一つであり、その配合割合は、接着層形成スラリーの状態において、焼結促進剤のmol濃度を焼結促進剤の被酸化元素たる硼素(B)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)で単体換算して、3〜10mol%とされている。接着層44の形成については後述する。
図3は燃料電池100の製造手順を示すフローチャートである。燃料電池100の製造に当たっては、図示するように、流入孔33Hが形成済みの補強板材33の一方の面に(図2参照)、膜電極接合体300を形成する(ステップS100)。このようにするのは、それ以降の処理ステップにおける取扱性を高めるためである。補強板材33への膜電極接合体300の形成手順は、種々のプロセルが可能であり、例えば、補強板材33に、アノード電極31、電解質層30、カソード電極32の順に、それぞれの上記形成材料のスラリーの塗布とその乾燥を図る。或いは、アノード電極31と電解質層30とが接合して形成済みの半製品膜電極接合体を準備しておき、これを、アノード電極31が補強板材33に重なるようにして、接合する。その後、補強板材33に接合済みの半製品膜電極接合体における電解質層30の膜面に、カソード電極32の形成材料のスラリーの塗布とその乾燥を図る。
次いで、既述した焼結促進剤の配合済み接着層形成スラリーを、カソード電極32の電極面に、0.01〜0.02mm程度の厚みで塗布し、塗布済みスラリーに集電体43を重ねて配置する(ステップS110)。この状態で、図示しない焼結装置の処置室にて、800℃で1時間に亘って熱処理し、これにより、塗布済みスラリー(焼結促進剤の配合済み接着層形成スラリー)を焼結させて接着層44を形成し、その後、冷却養生を図る(ステップS120)。この処理にて、接着層44は、集電体43をカソード電極32に接着させる。接着層形成スラリーは、カソード電極32の形成材料であるLa系ペロブスカイト化合物(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83)を微細粒状物と、酸化硼素(B23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)の各焼結促進剤の微細粒状物とを適宜な溶媒に加えて分散させ、焼結促進剤の配合割合は、焼結促進剤のmol濃度が焼結促進剤の被酸化元素たる硼素(B)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)で単体換算して、3〜10mol%とされている。本実施形態では、この範囲のいずれかの配合割合とした。
その後は、ガラスシール36と枠体41とが補強板材33の周縁を上下に取り囲むようにした上で、上下のセパレータ37を、集電体43が接着層44にて接着済みの膜電極接合体300にセットし(ステップS130)、次いで、セル積層を図る(ステップS140)。これにより、図1に示すセルスタック201が完成するので、その上下に第1のエンドプレート210と第2のエンドプレート211とを配置して、締結具215にて締結し(ステップS150)、燃料電池100を得る。
次に、こうして得られた燃料電池100、詳しくは単セル200の特性について説明する。図4は焼結促進剤を配合した接着層バルク燒結体の相対密度を焼結促進剤ごとに示すグラフである。図の縦軸は、相対密度であり、焼結形成後の接着層バルクの密度の測定値を、接着層に含まれるカソード電極形成材料のLa系ペロブスカイト化合物(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83)および焼結促進剤として配合した酸化硼素(B23)の理論密度と焼結促進剤配合量とから求めた理論密度で除算して、求めた。酸化亜鉛(ZnO)、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)についても同様である。なお、図におけるLSCFは、カソード電極形成材料を表している。
焼結促進剤を配合しないカソード電極形成材料だけを焼結しただけでは、相対密度は、33%程度となる。これに対し、上記のいずれかの焼結促進剤を配合した接着層を焼結した場合には、図4に示すように、大きな相対密度となり、焼結促進剤の配合量を10mol%とすることで、より大きな相対密度が得られた。相対密度の増大は、焼結物、即ち接着層44を構成する各原子や酸化物の密着の向上と、これに伴う接着層44自体の強度向上とをもたらす。こうした相対密度の増大は、焼結促進剤の配合により得られたものであり、焼結の促進による集電体43の接着強度の向上が可能となる。つまり、本実施形態のように、集電体43を接着層44にてカソード電極32に接着するに当たり、上記のいずれかの焼結促進剤を配合した接着層形成スラリーの焼結を経て接着層44を形成すれば、接着層44の焼結形成を経たカソード電極32と集電体43との接着の信頼性を、図4の相対密度の向上を持ってして、高めることができるので、耐振動性や耐久性の向上を図ることができると言える。
図5は焼結促進剤として酸化硼素(B23)を配合した接着層形成スラリーの焼結を経て得た接着層44の密着強度を焼結促進剤の配合量ごとに示すグラフである。この図5のグラフは、次のように求めた。固体酸化物型燃料電池の構成材として多用されるフェライト系合金の基板の表面に、接着層形成スラリーをスクリーン印刷する。印刷する接着層形成スラリーは、上記のカソード電極形成材料だけで焼結促進剤を配合しないスラリー(以下、対比スラリー)、上記のカソード電極形成材料に酸化硼素(B23)を3mol%配合したスラリー(第1スラリー)、および上記のカソード電極形成材料に酸化硼素(B23)を10mol%配合したスラリー(第2スラリー)である。そして、各スラリー印刷済み基板を、ステップS120に倣って800℃で1時間に亘って熱処理して、スラリーの燒結を図り、得られた燒結物(接着層44)にスタッドピンを立てて、引っ張り試験器にて、引っ張り強度(接着強度)を室温環境下で測定し、これをスラリーごとにプロットして図5を得た。この図5に示すように、本実施形態のように、酸化硼素(B23)を3mol%或いは10mol%配合した接着層形成スラリーの焼結を経て接着層44を形成すれば、接着層44の剥離強度、即ち接着層44による集電体43の接着強度を、焼結促進剤の配合がない場合に比して、少なくとも10倍程度、高めることができ、その分、接着の信頼性が高まるので、耐振動性や耐久性の向上を図ることができると言える。
次に、発電性能について説明する。図6は発電性能の評価のためのセル形成の様子を模式的に示す説明図、図7は焼結促進剤として酸化硼素(B23)を配合した接着層形成スラリーの焼結を経て得た接着層44とセル発電性能との関係を示すグラフである。
図6に示すように、市販の標準セル材、例えば、日本ファインセラミック社製の固体酸化物型燃料電池セル材を準備する。この標準セル材は、60wt%の電解質層形成材(GDC)に酸化ニッケル(NiO)を配合して1.0mm程度で製膜済みのアノード電極に、電解質層をGDCとしての10%Gd23CeO2を用いて0.02mm程度で成膜したセル材である。そして、準備した標準セルの電解質層、即ちGDCの側に、カソード電極形成材料(LSCF)であるLa系のペロブスカイト(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83)のスラリーを、スクリーン印刷手法にて5〜10μmの膜厚で塗布する。塗布された印刷パターンは、図示しない電池評価装置の測定プローブ形状に合わせた直径6mmの円形形状であり、単セル200におけるカソード電極32に対応したカソード電極となる。
次いで、LSCFの塗布済みの一つの標準セル材に、LSCFに酸化硼素(B23)を3mol%配合した第1スラリーを、LSCFの塗布済みのまた別の標準セルに、LSCFに酸化硼素(B23)を10mol%配合した第2スラリーを、それぞれスクリーン印刷手法にて18μmの膜厚で塗布する。塗布された印刷パターンは、上記の塗布済みLSCFを覆うように直径18mmの円形形状であり、単セル200における接着層44に対応した接着層となる。そして、第1、第2スラリー塗布の標準セルと、接着相溶のスラリー塗布のない標準セルとについて、それぞれ、単セル200における集電体43に対応する白金メッシュ材(集電体)を配置して、ステップS120に倣って800℃で1時間に亘って熱処理して、スラリーの燒結を図る。こうして得られた標準セルを測定サンプルとして、その出力電圧を測定した。電圧測定に当たっては、アノード・カソードの両電極に電池評価装置の測定プローブを押し当てた上で、600℃の作動温度の環境下で、アノード電極に100%の水素ガスを、カソード電極に空気を供給して発電させ、電流密度ごとの出力電圧を測定した。その測定結果は、図7に示されており、この図7によれば、接着層44をスラリーの塗布燒結を経て形成しても、電池性能に低下は見られないことが判る。この場合、図7の発電特性は、単セル200の発電運転の初期のものに相当する。そして、図4や図5から得られた本実施形態の接着層44の接着強度の向上を勘案すれば、本実施形態の単セル200によれば、カソード電極32と集電体43との接着不良による発電性能の低下を抑制した上で、高い接着性により剥離強度の向上により、耐振動性や耐久性も向上させることができると言える。これに対し、図7の発電特性のうち、無添加として示されている発電特性は、本実施形態のような接着層44による高い接着強度での集電体43とカソード電極32との接着が期待できないことから、発電運転の継続期間が長くなると、その性能の低下が予想される。
また、本実施形態では、接着層44による集電体43とカソード電極32との接着強度の向上を、図4や図5に示すように、3〜10mol%という少量の焼結促進剤配合で実現できる。つまり、図5に示すように、焼結促進剤(B23)の配合割合が単体換算で3mol%より少なければ、接着強度の向上をあまり望めないが、焼結促進剤(B23)の配合割合を単体換算で3mol%とすることで、接着強度の向上を確実に図ることができる。その一方、焼結促進剤(B23)の配合割合が単体換算で10mol%を超えると、その配合が高まることによる弊害が起き得るが、焼結促進剤(B23)の配合割合を単体換算で10mol%とすることで、上記した弊害を抑制しつつ接着強度の向上を確実に図ることができる。
また、本実施形態では、接着層44の燒結を800℃程度の温度で図ることから、700〜800℃程度での温度での発電運転が可能な固体酸化物型燃料電池であっても、接着層44の燒結に悪影響が及ばないので接着強度の低下は抑制される。よって、この点からも、耐久性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の単セル200の優位性を他の観点から説明する。本実施形態では、集電体43とカソード電極32との接着強度の向上を、この両者の接着を図る接着層44の燒結とその促進にて図った。こうした燒結を経た接着は、ガラスフリットを添加することでも達成できることから、例えばガラス成分としてのSiO2、B23、MgO、BaOを、本実施形態における焼結促進剤(B23)に代えて用いた接着層での接着の様子と対比した。図8は焼結促進剤として酸化硼素(B23)に代えてガラスフリットを添加した接着層にて得られる剥離強度との対比を示すグラフである。このグラフにおけるガラス配合の剥離強度は、既述した基板の表面に、上記のカソード電極形成材料に9wt%の配合割合でガラスフリット(SiO2、B23、MgO、BaO)を配合したスラリー(ガラススラリー)を印刷し、ステップS120に倣って燒結して得られた燒結物(接着層)にスタッドピンを立てて、引っ張り試験器にて、引っ張り強度(接着強度)を室温環境下で測定した。この図8から、本実施形態によれば、高い剥離強度を得られ、これにより、ガラスフリット(SiO2、B23、MgO、BaO)配合のものよりも、耐久性に勝ると言える。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
また、上記の実施形態の燃料電池100は、燃料電池システムの搭載車両に適用できるほか、燃料電池100を据え置き型として発電を図る発電システムに適用することもできる。この他、上記の実施形態では、集電体43をセパレータ37とは別部材としたが、セパレータ37を、カソード電極32に直接接合させて、集電機能を発揮するセル構成であれば、接着層44にて、カソード電極32にセパレータ37を接着するようにすればよい。
30…電解質層
31…アノード電極
32…カソード電極
33…補強板材
33H…流入孔
36…ガラスシール
37…セパレータ
37A…冷媒流路
40…空気流入室
41…枠体
42…水素流入室
43…集電体
44…接着層
100…燃料電池
200…単セル
201…セルスタック
210…第1のエンドプレート
211…第2のエンドプレート
215…締結具
300…膜電極接合体
Mn…マニホールド孔

Claims (2)

  1. 酸素イオン伝導性を有する固体酸化物の電解質層を備えた固体酸化物型燃料電池であって、
    前記電解質層をアノード電極とカソード電極とで挟持した上で、前記カソード電極に、導電性を有する金属製の集電体を接着層にて接着して備え、
    前記接着層は、焼結促進剤としての酸化硼素(B23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)から選ばれた少なくとも一つの焼結促進剤が前記カソード電極の形成材料に配合された接着層形成スラリーの塗布・焼結を経て、前記カソード電極に前記集電体を接着する
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記接着層における前記焼結促進剤の配合割合は、前記接着層形成スラリーの状態において、前記焼結促進剤のmol濃度を焼結促進剤の被酸化元素たる硼素(B)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)で単体換算して、3〜10mol%とされている請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017212218A (ja) * 2017-08-03 2017-11-30 日産自動車株式会社 燃料電池ユニット及び燃料電池スタック
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