JP2004141094A - 光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全で大量生産に適した光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製造方法を提案する。
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
[上記一般式(1)中、環Aは置換基を有することもあるシクロヘキシル基、Rはエステル残基を表す。]
で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、エステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素を作用させることにより、立体選択的に加水分解し、分離・精製する。
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
[上記一般式(1)中、環Aは置換基を有することもあるシクロヘキシル基、Rはエステル残基を表す。]
で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、エステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素を作用させることにより、立体選択的に加水分解し、分離・精製する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の製造方法としては、3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オールを光学活性な酒石酸ジエチル及びチタンテトライソプロポキシド存在下、tert−ブチルヒドロパーオキシドにより不斉酸化し(例えば、非特許文献1参照)、光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロパン−1−オールを得た後、四酸化ルテニウムにより酸化、目的の光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を得る方法等が知られている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。
【0003】
しかしながら、有機合成による方法は、工業的な製法としては満足できるものではなかった。例えば、従来のtrans−アリルアルコールの不斉酸化反応においては、反応時に大量の酸化剤が反応系内に存在するため、少量の製造時には問題とならないが、大量の製造においては爆発等の危険を伴う方法であり、工業的な製法とは言えなかった。一方、β位の置換基が芳香族(例えば、特許文献1参照)や、直鎖アルキル基(例えば、特許文献2参照)であるα,β−エポキシカルボン酸エステルのリパーゼを用いた不斉加水分解による、光学活性α,β−エポキシカルボン酸エステルの製法が報告されているが、β位の置換基がシクロヘキシル基のような環状アルキル基への適用例はなかった。さらには、立体配置が(2S,3R)であるエポキシカルボン酸エステルを単離している例はなく、(2S,3R)−α,β−エポキシカルボン酸エステルを得ようとした場合、(2S,3R)−α,β−エポキシカルボン酸を単離した後、再エステル化を行う必要があった。
【0004】
【非特許文献1】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Am.Chem.Soc.109,5765(1987)
【非特許文献2】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Org.Chem.,50,1560(1985)
【非特許文献3】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Org.Chem.,46,3936(1981)
【特許文献1】
特開平3−15398号公報
【特許文献2】
特開平5−276966号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の工業的に安全な製法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物から、目的とする光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類を一段階で分離・採取することができる製法を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化2】
[上記一般式(1)中、環Aは置換基を有することもあるシクロヘキシル基、Rはエステル残基を表す。]
で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、エステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素を作用させることにより、立体選択的に加水分解し、分離・精製することを特徴とする光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法である。
【0008】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0009】
本発明の方法において、不斉加水分解反応に用いる原料化合物である、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類とは、上記一般式(1)で示される化合物である。
【0010】
上記一般式(1)において、環Aは置換基を有していても良い。そのような置換基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素が結合したメチレン基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基等が挙げられる。
【0011】
また、上記一般式(1)において、エステル残基Rとしては、例えば、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素が結合したメチレン基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基等が挙げられる。
【0012】
本発明の方法において、上記一般式(1)で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類としては、具体的には、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−プロピルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸イソプロピルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ブチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸t−ブチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ペンチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ヘキシルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸シクロヘキシルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸フェニルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(o−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(m−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(p−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(o−メトキシフェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(m−メトキシフェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(p−メトキシフェニル)エステル等が挙げられる。本発明の方法において、不斉加水分解反応には、これらの化合物の(2S,3R)体と(2R,3S)体の等量混合物(ラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類)ばかりでなく、低光学収率の不斉合成物のような、これら光学活性体を共に含むものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
【0013】
(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物は、数ステップで誘導可能である。
【0014】
例えば、下記一般式(2)
【0015】
【化3】
に示されるラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルは、シクロヘキシルアルデヒドとクロロ酢酸メチルを原料とするダルツェン反応や、シクロヘキシルアルデヒドとメトキシカルボニルメチレン(トリフェニル)フォスホランの反応により、3−シクロヘキシルプロペン酸メチルを得た後、m−クロロ過安息香酸等により、エポキシ化して得る方法等により調製可能である。
【0016】
本発明の方法において不斉加水分解反応は、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、適当な溶媒中で、酵素を接触させることにより実施される。
【0017】
本発明の方法において、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類のエステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素としては、例えば、リパーゼ又はエステラーゼと呼ばれる一群の酵素が使用できる。これらの酵素は微生物由来のものであっても、動物細胞由来のものであっても、更には植物細胞由来のものであってもよい。また、これらの加水分解酵素を含有する微生物菌体、動物細胞あるいは植物細胞から公知の方法により抽出したものであってもよく、市販のものであってもよい。
【0018】
本発明の方法で用いることのできる加水分解酵素としては、具体的には、ブタ肝臓エステラーゼの他、アブシディア(Absidia)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、フサリウム(Fusarium)属、ギベレラ(Gibberella)属、ムコール(Mucor)属、ノイロスポラ(Neurospora)属、リゾプス(Rhizopus)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクロモバクター(Achromobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、バシルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、プロピデンシヤ(Providencia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、キャンディダ(Candida)属、サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属、ノルカディア(Nocardia)属等に属する微生物の生産するリパーゼ、又は動物の膵臓で生産されるリパーゼで、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物のエステル基を立体選択的に加水分解し得るもの等が挙げられる。
【0019】
これら酵素の市販品としては、例えば、リパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)、リパーゼタイプII(ブタ肝臓由来、米国、シグマ社製)、リパーゼタイプVII(キャンディダ ルゴサ由来、米国、シグマ社製)、リパーゼOF−360(キャンディダ シリンドラシア由来、名糖産業)、リパーゼM(ムコール ジャバニカス由来、天野製薬製)、リパーゼP(シュードモナス SP由来、天野製薬製)、リパーゼSAIKEN100(リゾプス ジャポニカス由来、長瀬産業製)、エステラーゼ(ブタ肝臓由来、米国、シグマ社製)、コレステロールエステラーゼ(キャンディダルゴサ由来、長瀬産業製)等が挙げられる。
【0020】
また、本発明の方法において、これらの加水分解酵素は、各々単独で又は必要に応じて混合して使用することができる。これらの酵素は微生物菌体又は細胞からの抽出により得られるが、その使用形態は菌体培養液、菌体処理液、粗酵素、精製酵素等いかなる形態でも良く、特に限定されない。
【0021】
本発明の方法において、立体選択的な加水分解反応に際し、基質となる上記一般式(1)で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物の濃度は、通常0.05〜20%、好ましくは0.5〜5%の範囲であり、反応は、常温〜加温下、好ましくは10〜50℃、特に好ましくは25〜40℃の範囲で良好に進行する。
【0022】
本発明の方法において、基質は水難溶性のものが多いため、加水分解反応は、水又は水性溶媒と有機溶媒との二相溶媒系で実施するのが好ましい。水−有機溶媒二相系で実施した場合には、反応溶液中のpHを、5〜10、好ましくは6〜9の範囲となるよう調製するのが特に好ましい。その際、緩衝溶液として、例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム−リン酸二水素カリウム、コリジン−塩酸、トリスアミノメタン−塩酸、アミノメチルプロパンジオール−塩酸、酢酸アンモニウム等を使用することができる。
【0023】
本発明の方法において、加水分解反応に用いる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち、酢酸エチル、四塩化炭素、トルエンが特に好ましい。
【0024】
本発明の方法において、酵素源として微生物菌体又はその培養液を用いる場合、上記反応を界面活性剤の存在下に実施すれば、反応時間の短縮や光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の収量増加をはかることができる。界面活性剤としては、例えば、臭化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオクテルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができ、その添加量は反応液に対し0.0001〜0.1%の範囲であることが好ましい。
【0025】
加水分解反応液から得られる、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の分離・精製は、定法に従って容易に実施することができる。例えば、加水分解反応を水−有機溶媒二相系で実施した場合には、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸は選択的に加水分解されて水相に移行し、反応を受けない他方の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類は有機溶媒中に残存する。したがって、水相を分取し、水相のpHを1〜2へ調整した後、有機溶媒で抽出、減圧濃縮することにより、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を結晶として採取することができる。また、有機溶媒相を分取し、減圧濃縮することにより高純度の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。
【0026】
例えば、本発明の方法において、(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を基質に作用させれば、水相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。このような加水分解酵素としては、例えば、市販の酵素であるリパーゼタイプVII(キャンディダルゴサ由来、米国、シグマ社製)が挙げられる。
【0027】
一方、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を基質に作用させれば、水相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。このような加水分解酵素としては、例えば、リパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)等が挙げられる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の方法は、医農薬の合成中間体として有用な光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類を一段階で、しかも光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸においては高純度の結晶として取得できる簡便かつ安全な製造方法であり、工業的に極めて有用である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
(旋光度の測定)
HORIBA製SEPA−200を使用。
【0031】
(融点の測定)
YANAGIMOTO(株)製ミクロ融点測定装置を使用。
【0032】
(1H−NMR及び13C−NMRの測定)
VARIAN製GEMINI200を使用。
(質量分析)
日立製M−80Bを使用。
(IRの測定)
JASCO製FT/IR−300又はJASCO製A−202を使用。
【0033】
参考例1 2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルの調製
シクロヘキシルアルデヒド(70.6g、0.625mol)及び、クロロ酢酸メチル(70.2g、0.65mol)をテトラヒドロフラン(1000mL)に溶解し、NaOMe(37.8g、0.7mol)を加え、−10℃で12時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えこれを酢酸エチルで希釈、抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1(v/v))で精製したところ、無色油状物(82.3g、71.5%)が得られた。
【0034】
1H−NMR(200MHz,CDCl3);1.01−1.43(6H,m),1.60−1.96(5H,m),2.99(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.29(1H,d,J=1.0Hz),3.78(3H,s)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.3,25.4,26.0,28.6,29.2,39.3,51.4,52.2,63.2,169.4。
【0035】
実施例1
5g/lの濃度のリパーゼタイプVII(キャンディダ ルゴサ由来、米国、シグマ社製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)にラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し、30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、反応液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相のpHを10とし、水相を分取した。続いて水相を1Nの塩酸溶液でpH2とした後、t−ブチルメチルエーテル300mlで2回抽出を行い、有機相を減圧濃縮し(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸 38.5gを租結晶として得た。この租結晶をトルエン/n−ヘプタン=1:2(v/v)の溶液200mlに溶かし60℃にて攪拌しながら20分間加熱溶解した。60℃から20℃まで徐冷した後、30分氷冷し析出した結晶をろ取することにより(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の結晶34.2g[99.1%ee、[α]D 20;+20.8(c 1.04,CHCl3)]を得た。
【0036】
Mp;64〜65℃
1H−NMR(200MHz,CDCl3);0.98−1.48(6H,m),1.56−1.94(5H,m),3.03(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.32(1H,d,J=1.0Hz),1.085−11.23(1H,br)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.4,25.5,26.0,28.7,29.2,39.4,51.4,63.1,175.2
IR(KBr);3009,2929,2851,1715,1638,1448,1252,902,882,678 cm−1
HPLC;Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),8.1min(2R,3S),9.0min(2S,3R)。
【0037】
実施例2
5g/lの濃度のリパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)にラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、反応液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相のpHを10とし、水相を分取した。続いて水相を1Nの塩酸溶液でpH2とした後、t−ブチルメチルエーテル300mlで2回抽出を行い、有機相を減圧濃縮し(2R,3S)2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸 42.5gを租結晶として得た。この租結晶をトルエン/n−ヘプタン=1:2(v/v)の溶液200mlに溶かし60℃にて攪拌しながら20分間加熱溶解した。60℃から20℃まで徐冷した後、30分氷冷し析出した結晶をろ取する事により(2S,3R)2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の結晶40.2g(98.6%ee、[α]D 20;−20.8(c 1.04,CHCl3)を得た。
【0038】
Mp;64〜65℃
1H−NMR(200MHz,CDCl3);0.98−1.48(6H,m),1.56−1.94(5H,m),3.03(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.32(1H,d,J=1.0Hz),1.085−11.23(1H,br)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.4,25.5,26.0,28.7,29.2,39.4,51.4,63.1,175.2
IR(KBr);3009,2929,2851,1715,1638,1448,1252,902,882,678cm−1
HPLC;Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),6.5min(2R,3S),7.2min(2S,3R)
実施例3
5g/lの濃度のリパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)に2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、トルエン相を分取し、減圧濃縮することにより(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルのクルード品25.2gを無色油状物として得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1(v/v))で精製する事により(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル23.0g(98.6%ee、[α]D 20;+32.6(c 1.18,CHCl3)を得た。
【0039】
1H−NMR(200MHz,CDCl3);1.01−1.43(6H,m),1.60−1.96(5H,m),2.99(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.29(1H,d,J=1.0Hz),3.78(3H,s)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.3,25.4,26.0,28.6,29.2,39.3,51.4,52.2,63.2,169.4
HPLC; Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),6.5min(2R,3S),7.2min(2S,3R)
【発明の属する技術分野】
本発明は光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の製造方法としては、3−シクロヘキシル−2−プロペン−1−オールを光学活性な酒石酸ジエチル及びチタンテトライソプロポキシド存在下、tert−ブチルヒドロパーオキシドにより不斉酸化し(例えば、非特許文献1参照)、光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロパン−1−オールを得た後、四酸化ルテニウムにより酸化、目的の光学活性(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を得る方法等が知られている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。
【0003】
しかしながら、有機合成による方法は、工業的な製法としては満足できるものではなかった。例えば、従来のtrans−アリルアルコールの不斉酸化反応においては、反応時に大量の酸化剤が反応系内に存在するため、少量の製造時には問題とならないが、大量の製造においては爆発等の危険を伴う方法であり、工業的な製法とは言えなかった。一方、β位の置換基が芳香族(例えば、特許文献1参照)や、直鎖アルキル基(例えば、特許文献2参照)であるα,β−エポキシカルボン酸エステルのリパーゼを用いた不斉加水分解による、光学活性α,β−エポキシカルボン酸エステルの製法が報告されているが、β位の置換基がシクロヘキシル基のような環状アルキル基への適用例はなかった。さらには、立体配置が(2S,3R)であるエポキシカルボン酸エステルを単離している例はなく、(2S,3R)−α,β−エポキシカルボン酸エステルを得ようとした場合、(2S,3R)−α,β−エポキシカルボン酸を単離した後、再エステル化を行う必要があった。
【0004】
【非特許文献1】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Am.Chem.Soc.109,5765(1987)
【非特許文献2】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Org.Chem.,50,1560(1985)
【非特許文献3】
K.B.Sharpless,et.al.,J.Org.Chem.,46,3936(1981)
【特許文献1】
特開平3−15398号公報
【特許文献2】
特開平5−276966号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の工業的に安全な製法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物から、目的とする光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類を一段階で分離・採取することができる製法を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化2】
[上記一般式(1)中、環Aは置換基を有することもあるシクロヘキシル基、Rはエステル残基を表す。]
で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、エステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素を作用させることにより、立体選択的に加水分解し、分離・精製することを特徴とする光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法である。
【0008】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0009】
本発明の方法において、不斉加水分解反応に用いる原料化合物である、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類とは、上記一般式(1)で示される化合物である。
【0010】
上記一般式(1)において、環Aは置換基を有していても良い。そのような置換基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素が結合したメチレン基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基等が挙げられる。
【0011】
また、上記一般式(1)において、エステル残基Rとしては、例えば、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素が結合したメチレン基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基等が挙げられる。
【0012】
本発明の方法において、上記一般式(1)で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類としては、具体的には、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−プロピルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸イソプロピルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ブチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸t−ブチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ペンチルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸n−ヘキシルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸シクロヘキシルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸フェニルエステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(o−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(m−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(p−メチル−フェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(o−メトキシフェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(m−メトキシフェニル)エステル、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸(p−メトキシフェニル)エステル等が挙げられる。本発明の方法において、不斉加水分解反応には、これらの化合物の(2S,3R)体と(2R,3S)体の等量混合物(ラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類)ばかりでなく、低光学収率の不斉合成物のような、これら光学活性体を共に含むものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
【0013】
(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物は、数ステップで誘導可能である。
【0014】
例えば、下記一般式(2)
【0015】
【化3】
に示されるラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルは、シクロヘキシルアルデヒドとクロロ酢酸メチルを原料とするダルツェン反応や、シクロヘキシルアルデヒドとメトキシカルボニルメチレン(トリフェニル)フォスホランの反応により、3−シクロヘキシルプロペン酸メチルを得た後、m−クロロ過安息香酸等により、エポキシ化して得る方法等により調製可能である。
【0016】
本発明の方法において不斉加水分解反応は、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物に、適当な溶媒中で、酵素を接触させることにより実施される。
【0017】
本発明の方法において、2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類のエステル結合を不斉加水分解する能力を有する酵素としては、例えば、リパーゼ又はエステラーゼと呼ばれる一群の酵素が使用できる。これらの酵素は微生物由来のものであっても、動物細胞由来のものであっても、更には植物細胞由来のものであってもよい。また、これらの加水分解酵素を含有する微生物菌体、動物細胞あるいは植物細胞から公知の方法により抽出したものであってもよく、市販のものであってもよい。
【0018】
本発明の方法で用いることのできる加水分解酵素としては、具体的には、ブタ肝臓エステラーゼの他、アブシディア(Absidia)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、フサリウム(Fusarium)属、ギベレラ(Gibberella)属、ムコール(Mucor)属、ノイロスポラ(Neurospora)属、リゾプス(Rhizopus)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクロモバクター(Achromobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、バシルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、プロピデンシヤ(Providencia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、キャンディダ(Candida)属、サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属、ノルカディア(Nocardia)属等に属する微生物の生産するリパーゼ、又は動物の膵臓で生産されるリパーゼで、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物のエステル基を立体選択的に加水分解し得るもの等が挙げられる。
【0019】
これら酵素の市販品としては、例えば、リパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)、リパーゼタイプII(ブタ肝臓由来、米国、シグマ社製)、リパーゼタイプVII(キャンディダ ルゴサ由来、米国、シグマ社製)、リパーゼOF−360(キャンディダ シリンドラシア由来、名糖産業)、リパーゼM(ムコール ジャバニカス由来、天野製薬製)、リパーゼP(シュードモナス SP由来、天野製薬製)、リパーゼSAIKEN100(リゾプス ジャポニカス由来、長瀬産業製)、エステラーゼ(ブタ肝臓由来、米国、シグマ社製)、コレステロールエステラーゼ(キャンディダルゴサ由来、長瀬産業製)等が挙げられる。
【0020】
また、本発明の方法において、これらの加水分解酵素は、各々単独で又は必要に応じて混合して使用することができる。これらの酵素は微生物菌体又は細胞からの抽出により得られるが、その使用形態は菌体培養液、菌体処理液、粗酵素、精製酵素等いかなる形態でも良く、特に限定されない。
【0021】
本発明の方法において、立体選択的な加水分解反応に際し、基質となる上記一般式(1)で示される2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類と(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類の混合物の濃度は、通常0.05〜20%、好ましくは0.5〜5%の範囲であり、反応は、常温〜加温下、好ましくは10〜50℃、特に好ましくは25〜40℃の範囲で良好に進行する。
【0022】
本発明の方法において、基質は水難溶性のものが多いため、加水分解反応は、水又は水性溶媒と有機溶媒との二相溶媒系で実施するのが好ましい。水−有機溶媒二相系で実施した場合には、反応溶液中のpHを、5〜10、好ましくは6〜9の範囲となるよう調製するのが特に好ましい。その際、緩衝溶液として、例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム−リン酸二水素カリウム、コリジン−塩酸、トリスアミノメタン−塩酸、アミノメチルプロパンジオール−塩酸、酢酸アンモニウム等を使用することができる。
【0023】
本発明の方法において、加水分解反応に用いる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち、酢酸エチル、四塩化炭素、トルエンが特に好ましい。
【0024】
本発明の方法において、酵素源として微生物菌体又はその培養液を用いる場合、上記反応を界面活性剤の存在下に実施すれば、反応時間の短縮や光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の収量増加をはかることができる。界面活性剤としては、例えば、臭化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオクテルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができ、その添加量は反応液に対し0.0001〜0.1%の範囲であることが好ましい。
【0025】
加水分解反応液から得られる、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の分離・精製は、定法に従って容易に実施することができる。例えば、加水分解反応を水−有機溶媒二相系で実施した場合には、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸は選択的に加水分解されて水相に移行し、反応を受けない他方の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類は有機溶媒中に残存する。したがって、水相を分取し、水相のpHを1〜2へ調整した後、有機溶媒で抽出、減圧濃縮することにより、光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を結晶として採取することができる。また、有機溶媒相を分取し、減圧濃縮することにより高純度の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。
【0026】
例えば、本発明の方法において、(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を基質に作用させれば、水相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。このような加水分解酵素としては、例えば、市販の酵素であるリパーゼタイプVII(キャンディダルゴサ由来、米国、シグマ社製)が挙げられる。
【0027】
一方、(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を基質に作用させれば、水相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することができる。このような加水分解酵素としては、例えば、リパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)等が挙げられる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の方法は、医農薬の合成中間体として有用な光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類を一段階で、しかも光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸においては高純度の結晶として取得できる簡便かつ安全な製造方法であり、工業的に極めて有用である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
(旋光度の測定)
HORIBA製SEPA−200を使用。
【0031】
(融点の測定)
YANAGIMOTO(株)製ミクロ融点測定装置を使用。
【0032】
(1H−NMR及び13C−NMRの測定)
VARIAN製GEMINI200を使用。
(質量分析)
日立製M−80Bを使用。
(IRの測定)
JASCO製FT/IR−300又はJASCO製A−202を使用。
【0033】
参考例1 2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルの調製
シクロヘキシルアルデヒド(70.6g、0.625mol)及び、クロロ酢酸メチル(70.2g、0.65mol)をテトラヒドロフラン(1000mL)に溶解し、NaOMe(37.8g、0.7mol)を加え、−10℃で12時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えこれを酢酸エチルで希釈、抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1(v/v))で精製したところ、無色油状物(82.3g、71.5%)が得られた。
【0034】
1H−NMR(200MHz,CDCl3);1.01−1.43(6H,m),1.60−1.96(5H,m),2.99(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.29(1H,d,J=1.0Hz),3.78(3H,s)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.3,25.4,26.0,28.6,29.2,39.3,51.4,52.2,63.2,169.4。
【0035】
実施例1
5g/lの濃度のリパーゼタイプVII(キャンディダ ルゴサ由来、米国、シグマ社製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)にラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し、30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、反応液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相のpHを10とし、水相を分取した。続いて水相を1Nの塩酸溶液でpH2とした後、t−ブチルメチルエーテル300mlで2回抽出を行い、有機相を減圧濃縮し(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸 38.5gを租結晶として得た。この租結晶をトルエン/n−ヘプタン=1:2(v/v)の溶液200mlに溶かし60℃にて攪拌しながら20分間加熱溶解した。60℃から20℃まで徐冷した後、30分氷冷し析出した結晶をろ取することにより(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の結晶34.2g[99.1%ee、[α]D 20;+20.8(c 1.04,CHCl3)]を得た。
【0036】
Mp;64〜65℃
1H−NMR(200MHz,CDCl3);0.98−1.48(6H,m),1.56−1.94(5H,m),3.03(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.32(1H,d,J=1.0Hz),1.085−11.23(1H,br)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.4,25.5,26.0,28.7,29.2,39.4,51.4,63.1,175.2
IR(KBr);3009,2929,2851,1715,1638,1448,1252,902,882,678 cm−1
HPLC;Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),8.1min(2R,3S),9.0min(2S,3R)。
【0037】
実施例2
5g/lの濃度のリパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)にラセミ型2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、反応液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相のpHを10とし、水相を分取した。続いて水相を1Nの塩酸溶液でpH2とした後、t−ブチルメチルエーテル300mlで2回抽出を行い、有機相を減圧濃縮し(2R,3S)2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸 42.5gを租結晶として得た。この租結晶をトルエン/n−ヘプタン=1:2(v/v)の溶液200mlに溶かし60℃にて攪拌しながら20分間加熱溶解した。60℃から20℃まで徐冷した後、30分氷冷し析出した結晶をろ取する事により(2S,3R)2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸の結晶40.2g(98.6%ee、[α]D 20;−20.8(c 1.04,CHCl3)を得た。
【0038】
Mp;64〜65℃
1H−NMR(200MHz,CDCl3);0.98−1.48(6H,m),1.56−1.94(5H,m),3.03(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.32(1H,d,J=1.0Hz),1.085−11.23(1H,br)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.4,25.5,26.0,28.7,29.2,39.4,51.4,63.1,175.2
IR(KBr);3009,2929,2851,1715,1638,1448,1252,902,882,678cm−1
HPLC;Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),6.5min(2R,3S),7.2min(2S,3R)
実施例3
5g/lの濃度のリパーゼ(ブタ膵臓由来、和光純薬製)を含む1M tris−HCl緩衝液500ml(pH8.0)に2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル100gを含むトルエン500mlを添加し30℃、600rpmの攪拌速度で48時間不斉加水分解反応を行った。反応後、トルエン相を分取し、減圧濃縮することにより(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステルのクルード品25.2gを無色油状物として得た。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1(v/v))で精製する事により(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸メチルエステル23.0g(98.6%ee、[α]D 20;+32.6(c 1.18,CHCl3)を得た。
【0039】
1H−NMR(200MHz,CDCl3);1.01−1.43(6H,m),1.60−1.96(5H,m),2.99(1H,dd,J=3.1,1.0Hz),3.29(1H,d,J=1.0Hz),3.78(3H,s)
13C−NMR(50MHz,CDCl3);25.3,25.4,26.0,28.6,29.2,39.3,51.4,52.2,63.2,169.4
HPLC; Daicel Chiralcel OD−H(0.46cmφ×25cm,hexane/2−propanol/TFA=95/5/0.5,1.0ml/min,210nm),6.5min(2R,3S),7.2min(2S,3R)
Claims (5)
- 一般式(1)において、エステル残基Rが、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環式の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の芳香族炭化水素が結合したメチレン基、ハロゲンで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、炭素数1〜5のアルキルオキシで核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基、又は炭素数2〜5のアルキルオキシアルキル基で核が1〜5置換された芳香族炭化水素が結合したメチレン基を示すことを特徴とする請求項1記載の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法。
- 酵素がリパーゼ類又はエステラーゼ類であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法。
- (2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を使用し、水相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法。
- (2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を選択的に加水分解する酵素を使用し、水相から(2R,3S)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸を、有機溶媒相から(2S,3R)−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸エステル類を採取することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学活性−2,3−エポキシ−3−シクロヘキシルプロピオン酸及びそのエステル類の製法。
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