JP3095539B2 - 光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法 - Google Patents

光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法

Info

Publication number
JP3095539B2
JP3095539B2 JP04212881A JP21288192A JP3095539B2 JP 3095539 B2 JP3095539 B2 JP 3095539B2 JP 04212881 A JP04212881 A JP 04212881A JP 21288192 A JP21288192 A JP 21288192A JP 3095539 B2 JP3095539 B2 JP 3095539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
group
optically active
epoxycarboxylic
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04212881A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05276966A (ja
Inventor
惇吉 大野
薫 中村
良一 赤石
大佳夫 北川
貞人 井土
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd.
Original Assignee
Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd. filed Critical Osaka Organic Chemicals Ind.,Ltd.
Publication of JPH05276966A publication Critical patent/JPH05276966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3095539B2 publication Critical patent/JP3095539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性なα,β−エポ
キシカルボン酸およびそのエステルの製造法に関する。
【0002】光学活性なα,β−エポキシカルボン酸お
よびそのエステルは医農薬品および合成樹脂をはじめと
する種々の有機化学製品の中間体もしくは製造原料とし
て重要な化合物である。そのような医農薬品および合成
樹脂の例としては、たとえば、抗生物質であるオーデマ
ンシンB[テトラヘドロン レターズ(TetrahedronLet
t.)、2744)5397(1986)参照]や害虫、イボタムシ
の性フェロモン[ブレタン ドラ ソシエ シミク ド
フランス(Bull.Soc.Chim.Fr.)、130(1989)参照]お
よび光学活性なトランス-2,3- エポキシコハク酸誘導体
である循環器用薬、たとえばNCO-700 (日本ケミファ
(株)製、フェーズI)、アロキシスタチン(エステー
ト製、申請中)などがあげられる。
【0003】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】従来、
光学活性なα,β−エポキシカルボン酸を製造する方法
としては、 化学的に合成されたα,β−エポキシカルボン酸のラ
セミ体を光学活性アミンを用いて光学分割する方法(特
開昭60-13775号公報参照)、 光学活性なβ−ヒドロキシα−アミノ酸であるトレオ
ニンあるいはアロトレオニンに、ハロゲン化ニトロシル
あるいは亜硝酸ナトリウムを反応させ、苛性アルカリで
エポキシ化する方法(特公昭40-21766号公報参照)、 シャープレス酸化によりえた光学活性ヒドロキシメチ
ルエチレンオキシドのルテニウム酸化[テトラヘドロン
レターズ(Tetrahedron Lett. )、31(35)、5023
(1990)参照]および 微生物を用い、エナンチオ選択的還元によりえた光学
活性β−ヒドロキシα−クロルカルボン酸エステルを苛
性カリまたはナトリウムエチラートでエポキシ化する方
法[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイ
エティー(J. Am.Chem.Soc. )、104 、4458(1982)お
よびテトラヘドロン レターズ、27(44)、5397(198
6)参照]が知られている。
【0004】しかしながら、〜の方法は、光学活性
な原料あるいは光学分割剤を必要とするため、それら光
学活性体を入手し、さらに反応条件や光学分割条件を選
択することになり簡便な方法ではなく、経済的な方法で
もなかった。
【0005】さらに、 β−不飽和カルボン酸エステルの微生物による酸化が
報告されているが、光学活性体に関する記載はない(特
開昭61-25492号公報参照)。
【0006】シス体のコハク酸ジメチルエステルにつ
いてリパーゼによる不斉加水分解が報告されているが、
用いられた酵素はブタ肝臓エステラーゼのみであり、立
体選択性が低く、光学活性体として単離されているモノ
エステルの光学純度が低い(収率69%で31%e.e.)[ジ
ャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.
Chem.)52、4565(1987)参照]。
【0007】本発明はかかる実情に鑑み、医農薬品およ
び合成樹脂をはじめとする種々の有機化学製品の中間体
もしくは製造原料として重要な化合物である、光学活性
なα,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの、
簡便でかつ経済性にすぐれた製造法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(I):
【0009】
【化2】
【0010】[式中、R1は水素原子、直鎖もしくは分
岐鎖状の炭素数1〜18のアルキル基、直鎖もしくは分岐
鎖状の炭素数1〜18のアルケニル基、またはRO-CO-(式
中、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
〜18のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていて
もよい炭素数1〜18のアルケニル基を表わす)で示され
るエステル基を表わし、R2はハロゲン原子で置換され
ていてもよい直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1〜18のア
ルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい直
鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1〜18のアルケニル基を表
わす]で示されるα,β−エポキシカルボン酸エステル
のエナンチオマー混合物(ただし、α,β−エポキシカ
ルボン酸エステルが幾何異性体を有するばあいはトラン
ス体またはシス体のいずれか一方のエナンチオマー混合
物)に、水溶液もしくは緩衝水溶液中、またはそれらの
うちいずれか一方と極性有機溶媒との混合液中で、加水
分解酵素を作用させることにより立体選択的にエステル
の加水分解を行ない、分離・精製することを特徴とする
光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステ
ルの製造法に関する。
【0011】
【実施例】本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討
を重ねた結果、β−不飽和カルボン酸エステルの酸化に
より容易にえられるα,β−エポキシカルボン酸エステ
ルのラセミ体を原料として、これに加水分解酵素を作用
させることにより立体選択的にエステルの加水分解を行
ない、分離・精製を行なうことによって、容易に効率よ
く光学活性なα,β−エポキシカルボン酸およびそのエ
ステルをえることができることを見出し、本発明を完成
するにいたった。
【0012】つぎに、本発明の製造法について説明す
る。
【0013】本発明において光学活性なα,β−エポキ
シカルボン酸およびそのエステルは、一般式(I):
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 およびR2 は前記と同じ)で
示されるα,β−エポキシカルボン酸エステルのエナン
チオマー混合物(ただし、α,β−エポキシカルボン酸
エステルが幾何異性体を有するばあいはトランス体また
はシス体のいずれか一方のエナンチオマー混合物)を基
質として、加水分解酵素を作用させることにより立体選
択的にエステルの加水分解を行ない、これを分離・精製
することによりえられる。
【0016】本発明において、R1表わされる置換基の
例としては、水素原子のほか、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、ブチル
基、イソブチル基、トリクロルエチル基、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロペノキシカ
ルボニル基、トリクロルエトキシカルボニル基などをあ
げることができる。また、R2で表わされる置換基の例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ペニル基、ブチル基、イソブチル基、トリクロルエチル
基などをあげることができる。
【0017】一般式(I)で示されるα,β−エポキシ
カルボン酸エステルは、R1 が水素原子であるばあいは
エナンチオマーを有し、R1 が水素原子以外のばあいは
シス体、トランス体それぞれについてエナンチオマーを
有する。本発明において用いられる基質は、R1 が水素
原子であるばあいは一般式(I)で示される化合物のエ
ナンチオマー混合物であり、R1 が水素原子以外のばあ
いは一般式(I)で示される化合物のシス体またはトラ
ンス体のいずれか一方であるエナンチオマー混合物であ
る。すなわち、シス体、トランス体のいずれも用いう
る。本発明においてエナンチオマーの混合比率は、1対
1すなわち、ラセミ体がその実用的価値の面で好ましい
が、とくに限定されず、いかなる混合比率のエナンチオ
マー混合物をも用いうる。
【0018】本発明で用いることのできる酵素として
は、キャンディダ(Candida )属、シュードモナス(Ps
eudomonas )属、ペニシリューム(Penicillium )属、
アスペルギルス(Aspergillus )属、クロモバクテリウ
ム(Chromobacterium )属、ムコール(Mucor )属、リ
ゾープス(Rhizopus)属、バチルス(Bacillus)属、ア
ルカリゲネス(Alcaligenes )属、ミクロコッカス(Mi
crococcus )属、ジオトリクム(Geotrichum)属、フミ
コーラ(Humicola)属、エンテロバクター(Enterobact
er)属、アルスロバクター(Arthrobactor)属、ブレビ
バクテリウム(Brevibacterium)属、ミクロバクテリウ
ム(Microbacterium)属、コリネバクテリウム(Coryne
bacterium )属、ラクトバシルス(Lactobacillus )
属、トリコデルマ(Trichoderma )属、サッカロミセス
(Saccharomyces )属、ロドトルラ(Rhodotorula )
属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、トルロプシ
ス(Tolulopusis )属、オーレオバシディウム(Aureob
asidium )属、アクチノムコール(Actinomucor )属、
ノカルディア(Nocardia)属、ストレプトミセス(Stre
ptomyces)属、ハンゼヌラ(Hunsenura )属、アクロモ
バクター(Achromobactor )属に属する微生物の生産す
るリパーゼあるいは動物のすい臓において生産されるリ
パーゼでα,β−エポキシカルボン酸エステルのエナン
チオマー混合物のエステル基を立体選択的に加水分解し
うるものであればどのようなものでもよいが、立体選択
性がすぐれたリパーゼという点で好適な例としては、シ
ュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)、キャンデ
ィダ・ルゴサ(Candida rugosa)、キャンディダ・シリ
ンドラセア(Candida cylindracea )、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger )、クロモバクテリウム
・ビスコサム(Chromobacterium viscosum)、リゾープ
ス・エスピー(Rhizopus sp.)由来のリパーゼおよびブ
タ肝臓エステラーゼなどがあげられる。これら酵素の市
販品としては、たとえば、シュードモナス・エスピー由
来のリパーゼ「アマノ」PSおよびリパーゼ「アマノ」
CES(天野製薬(株)製、商品名)、シュードモナス
属由来のリパーゼ「アマノ」AK(天野製薬(株)製、
商品名)、キャンディダ・ルゴサ由来のリパーゼ「アマ
ノ」AY(天野製薬(株)製、商品名)、キャンディダ
・シリンドラセア由来のリパーゼ タイプVII (シグマ
社製、商品名)、ポルシン・パンクレアス由来のリパー
ゼ タイプII(シグマ社製、商品名)アスペルギルス・
ニガー由来のリパーゼ「アマノ」A(天野製薬(株)
製、商品名)、クロモバクテリウム・ビスコサム由来の
「リパーゼ」(東洋醸造(株)製、商品名)、リゾープ
ス・エスピー由来のリパーゼ「アマノ」D(天野製薬
(株)製、商品名)、ブタ肝臓エステラーゼであるPL
E(アルドリッチ社製、商品名)などがあげられる。
【0019】これらの酵素は、それぞれ単独でも、ある
いは、必要に応じて混合して用いることもできる。これ
らの酵素は、それらを生産する微生物を培養することに
よってえられるが、その使用形態は菌体培養液そのま
ま、粗酵素、精製酵素としてまたは常法によりこれを固
定化して用いるなど、いかなる形態でもよく、限定され
るものではない。
【0020】立体選択的な加水分解反応は、基質となる
エステルのエナンチオマー混合物および前記酵素を水も
しくは緩衝水溶液またはそれらのいずれか一方と極性有
機溶媒との混合液中で攪拌することによって行なわれる
が、緩衝水溶液を用いることにより酵素の至適pH内で、
酵素活性が保持されたまま反応が進行するため、前記酵
素の使用量を減らすことができる。用いられる緩衝水溶
としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、リン酸
カリウムのごとき無機酸塩の緩衝水溶液、酢酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウムのごとき有機酸塩の緩衝水溶液
などであり、これを用いて、反応液のpHを使用する酵素
の最適pHに合わせることが好ましい。また、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの水溶液を用い、pHスタッ
トを用いて反応液のpHをコントロールしても緩衝水溶液
を用いたばあいと同様の効果をえることができる。ま
た、用いられる極性有機溶媒は、一般式(I)で示され
る基質となるエステルを溶解し、エステラーゼ活性を有
する酵素の酵素活性を阻害しないという要件を満たす限
り、とくに限定されない。このような極性有機溶媒とし
ては具体的には、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テ
トラヒドロフランなどがあげられる。
【0021】反応温度は通常0〜50℃であり、反応時間
は一般的には1〜20時間であるが、これに限定されるこ
とはない。
【0022】反応の経時および終点は、HPLCにより
確認することができる。反応終了後、反応液に適当な有
機溶媒、たとえば、ジクロルメタン、酢酸エチルなどを
加え、抽出を行ない、蒸留あるいはカラムクロマトグラ
フィーなどの常法を適用することにより、光学活性α,
β−エポキシカルボン酸エステルを精製、取得すること
ができる。分液後、水層中の酵素はエステラーゼ活性を
有し、そのまま連続反応が可能であり、また水層を濃縮
し、有機溶媒たとえばテトラヒドロフランで抽出すれば
加水分解されたα,β−エポキシカルボン酸を回収でき
る。
【0023】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はもとよりこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0024】実施例1 トランス-2,3-エポキシ-ブタン酸n-ブチルのラセミ体2.
55g(0.0161モル)および0.2Mリン酸二水素カリウム−
0.2N水酸化ナトリウム緩衝水溶液(pH 7.0)50mlを表1
に示すそれぞれのリパーゼ0.250gとともに直径35mmのね
じ口サンプル管に取り、25℃で2時間攪拌した。反応終
了後、反応液を50mlのジクロルメタンで3回抽出し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させたのち、ジクロル
メタンを減圧留去させ、えられた油状物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開液:n-ヘキサン/酢酸エ
チル=4:1)で精製し、(2R,3S)-(-)-トランス-2,3-
エポキシ-ブタン酸n-ブチルをえた。
【0025】光学分割カラムを用いた高速液体クロマト
グラフィー(カラム:ダイセル化学工業、キラルセルO
D、溶媒:n-ヘキサン/2-プロパノール=20:1)によ
り光学純度を求めた。えられた化合物の収率、比旋光
度、光学純度(%e.e.)は表1に示すとおりであった。
【0026】
【表1】
【0027】また、えられた化合物の沸点、 1H-NMR ス
ペクトルおよびIRスペクトルデータを以下に示す。
【0028】沸点:86〜87℃(2.7 Torr)1 H-NMR (200MHz、CDCl3 中、δ値(ppm)):0.93(t,3
H)、1.39(m,2H)、1.62(m,2H)、3.17(d,1H)、3.21(qd,2
H)、4.16(td,2H) IR(neat, cm-1):2955、2720、1744、1460、1426、13
32、1284、1249、1195、1146、1059、1032、862、780、
725 実施例2 2,3-エポキシ-プロパン酸n-ブチルのラセミ体2.32g(0.
0161モル)、0.2Mリン酸二水素カリウム−0.2N水酸化ナ
トリウム緩衝水溶液(pH 7.0)50mlおよびアセトニトリ
ル10mlを表2に示すそれぞれのリパーゼ0.250gとともに
直径35mmのねじ口サンプル管に取り、25℃で15時間攪拌
した。反応終了後の処理を実施例1と同様に行ない、
(R)-(+)-2,3-エポキシ-プロパン酸n-ブチルをえた。え
られた化合物の収率、比旋光度、光学純度(%e.e.)は
表2に示すとおりであった。
【0029】
【表2】
【0030】また、えられた化合物の沸点、 1H-NMR ス
ペクトルおよびIRスペクトルデータを以下に示す。
【0031】沸点:58℃(5 Torr)1 H-NMR (200MHz、CDCl3 中、δ値(ppm)):0.93(t,3
H)、1.38(td,2H)、1.63(m,2H)、2.94(dd,2H)、3.42(dd,
1H)、4.18(td,2H) IR(neat, cm-1):2955、2720、1743、1458、1405、13
75、1287、1251、1199、1144、1076、1058、1027、749 実施例3 2,3-エポキシ-プロパン酸メチルのラセミ体1.64g(0.01
61モル)、0.2Mリン酸二水素カリウム−0.2N水酸化ナト
リウム緩衝水溶液(pH 7.0)50mlおよびアセトニトリル
10mlを表3に示すそれぞれのリパーゼ0.250gとともに直
径35mmのねじ口サンプル管に取り、25℃で13時間攪拌し
た。反応終了後の処理を実施例1と同様に行ない、(R)-
(+)-2,3-エポキシ-プロパン酸メチルをえた。えられた
化合物の収率、比旋光度、光学純度(%e.e.)は表3に
示すとおりであった。
【0032】
【表3】
【0033】実施例4 2,3-エポキシ-プロパン酸エチルのラセミ体1.87g(0.01
61モル)、0.2Mリン酸二水素カリウム−0.2N水酸化ナト
リウム緩衝水溶液(pH 7.0)50mlおよびアセトニトリル
10mlを表4に示すそれぞれのリパーゼ0.250gとともに直
径35mmのねじ口サンプル管に取り、25℃で13間攪拌し
た。反応終了後の処理を実施例1と同様に行ない、(R)-
(+)-2,3-エポキシ-プロパン酸エチルをえた。えられた
化合物の収率、比旋光度、光学純度(%e.e.)は表4に
示すとおりであった。
【0034】
【表4】
【0035】実施例5 トランス-2,3- エポキシ- ヘキサン酸ブチル3.00g(0.
0161モル)を用いて実施例1と同様の操作を行ない(2R,
3S)-(-)-2,3-エポキシ- ヘキサン酸ブチルをえた。えら
れた化合物の収率、比旋光度、光学純度(%e.e.)は表
5に示すとおりであった。
【0036】
【表5】
【0037】実施例6 トランス-2,3- エポキシ- コハク酸ジエチル3.03g(0.
0161モル)を用いて実施例1と同様の操作を行ない(2R,
3R)-(-)-または(2S,3S)-(+)-エポキシ- コハク酸ジエチ
ルをえた。えられた化合物の絶対配置は、反応に用いる
酵素で異なり、その収率、比旋光度、光学純度(%e.
e.)は表6に示すとおりであった。
【0038】
【表6】
【0039】
【発明の効果】本発明の光学活性α,β−エポキシカル
ボン酸エステルは医農薬品、合成樹脂をはじめとする種
々の有機化学製品の中間体もしくは製造原料として重要
な化合物であり、また本発明の製法によれば、該光学活
性化合物を容易にかつ経済的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 大佳夫 大阪府富田林市富美ケ丘14丁目18番地 101号 (72)発明者 井土 貞人 大阪市城東区永田4丁目1番地31号 (56)参考文献 特開 平2−109995(JP,A) 特開 平2−207799(JP,A) 特開 平3−15398(JP,A) 国際公開90/4643(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 17/00 - 17/18 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1は水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状の炭素
    数1〜18のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1
    〜18のアルケニル基、またはRO-CO-(式中、Rはハロゲ
    ン原子で置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル
    基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
    〜18のアルケニル基を表わす)で示されるエステル基を
    表わし、R2はハロゲン原子で置換されていてもよい直
    鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1〜18のアルキル基または
    ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖もしくは分岐
    鎖状の炭素数1〜18のアルケニル基を表わす]で示され
    るα,β−エポキシカルボン酸エステルのエナンチオマ
    ー混合物(ただし、α,β−エポキシカルボン酸エステ
    ルが幾何異性体を有するばあいはトランス体またはシス
    体のいずれか一方のエナンチオマー混合物)に、水溶液
    もしくは緩衝水溶液中、またはそれらのうちいずれか一
    方と極性有機溶媒との混合液中で、加水分解酵素を作用
    させることにより立体選択的にエステルの加水分解を行
    ない、分離・精製することを特徴とする光学活性α,β
    −エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法。
JP04212881A 1991-09-10 1992-08-10 光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法 Expired - Lifetime JP3095539B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23005091 1991-09-10
JP3-230050 1991-09-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05276966A JPH05276966A (ja) 1993-10-26
JP3095539B2 true JP3095539B2 (ja) 2000-10-03

Family

ID=16901779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04212881A Expired - Lifetime JP3095539B2 (ja) 1991-09-10 1992-08-10 光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3095539B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7169944B2 (en) 2002-09-25 2007-01-30 Tosoh Corporation Optically active epoxy compounds and processes for their production

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05276966A (ja) 1993-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5223432A (en) Process for preparing optically pure (S)-α-((tert-butylsulfonyl)methyl)hydrocinnamic acid using protease
US5084392A (en) Process for producing optically active hydroxy lactones
EP0149674B1 (en) Process for biochemical optical resulution of cyclopentenolone derivative
KR100657212B1 (ko) 라세믹 에스테르로부터 광학활성 에스테르 유도체와 이의 산의 제조 방법
JP3126056B2 (ja) (−)−(2r,3s)−2,3−エポキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルの製造方法
US5061629A (en) Production of 2-hydroxy substituted arylalkanoic acids and esters by enzymatic hydrolysis
US5457052A (en) Process for the preparation of optically active 3-chloro-1-phenyl-propanol by a lipase catalyzed hydrolysis
JPH01225496A (ja) 光学的に純粋なベンゾピラン誘導体の製造方法
JP3095539B2 (ja) 光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法
EP0148272B1 (en) Process for producing optically active benzyl alcohol compounds
JP3493043B2 (ja) 光学活性δ−ラクトンの製造法
JP4834208B2 (ja) (2s,3r)−2,3−エポキシ酪酸エステルの製造法
US5605833A (en) Process for preparation of D-lactic acid from D,L lactic acid ester using wheat germ or pancreatic lipase
JP2579766B2 (ja) 光学活性なビフェニル誘導体およびその製造法
JP3007461B2 (ja) 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法
JPH0691838B2 (ja) 光学活性なシクロペンテノン類の製法
JP3935992B2 (ja) 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法
JP4746019B2 (ja) 光学活性β−シアノイソ酪酸類及びその製造方法
JPH0763391B2 (ja) 光学活性4―ヒドロキシシクロペンテノン類の製造方法
JP2006050990A (ja) 光学活性2−置換−3−(4−置換オキシフェニル)プロピオン酸およびその対掌体エステルの製造方法
JP4565672B2 (ja) 光学活性β−シアノイソ酪酸類及びその製造方法
JPH0811076B2 (ja) 光学活性なシクロペンテノン類の製造法
JPH0646960B2 (ja) 光学活性なシクロペンテノン類の製法
JPH0615487B2 (ja) 光学活性4―ヒドロキシシクロペンテノン類の製造法
EP2046967A1 (en) Process for the production of fluorine containing alpha-hydroxy carboxylic acids

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804

Year of fee payment: 13