JP2004136821A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
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Abstract

【課題】搭載性や周辺装置のレイアウト自由度を向上させるべく、コンパクト化等を図ったデュアルピニオン式の電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】第2ピニオン41がラックシャフト29に対して略垂直に配置されており、第2ピニオン41に固着されたウォームホイール37は水平面内で回転する。また、ウォームホイール37に噛み合うウォーム35はステアリングギヤケース21(すなわち、ラックシャフト29)と略平行に配置されており、ウォーム35がシャフト33に固着された電動モータ31もラックシャフト29に対して略平行(斜め上部)に配置されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デュアルピニオン式ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に係り、詳しくはそのコンパクト化等を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用操舵系では、電動モータを動力源とする電動パワーステアリング装置(以下、EPS:Electric Power Steering system と記す)の開発が進められている。EPSでは、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直接的なエンジンの駆動損失(油圧ポンプに係るエンジンの駆動損失)が無く、かつ、電動モータが操舵アシスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下も抑えられる。
【0003】
乗用車用のステアリングギヤとしては、高剛性かつ軽量であること等から、現在ではラックピニオン式が主流となっている。そして、ラック&ピニオン式ステアリングギヤ用のEPSとしては、ステアリングシャフトを駆動するコラムアシスト型の他、ラックシャフトに噛み合うピニオンを駆動するピニオンアシスト型やラックシャフト自体を駆動するラックアシスト型等が採用されている。ピニオンアシスト型EPSでは、通常、電動モータがステアリングシャフト下端に設置されたステアリングギヤボックスに内装あるいは外装されており、操舵トルクに応じて電動モータがピニオンを駆動する構成となっている。
【0004】
ところが、上述した従来のピニオンアシスト型EPSでは、電動モータの設置によりステアリングギヤボックス部が大型化し、EPSの搭載やエンジンルーム内におけるエンジンや補機類等のレイアウトが難しくなる等の問題があった。そこで、電動アシスト機構に駆動されるピニオンをステアリングシャフトに接続されるピニオンとは別に設け、電動アシスト機構(すなわち、電動モータ)をラックシャフト上の所望の位置に配置できるようにしたデュアルピニオン式EPSが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実公平02−021346号公報 (第2頁、図1,図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のデュアルピニオン式EPSにおいて、電動モータは、ピニオンと略同軸に配置されており、その軸芯がラックシャフトに対して比較的大きな角度をもつかたちとなっている。そのため、電動アシスト機構上部の空間が突き出した電動モータにより占領されることになり、EPSの搭載やエンジンルーム内におけるエンジンや補機類等のレイアウトが難しくなる等の問題が依然として存在していた。また、特許文献1のような構成を採った場合、大きな減速比を有するウォーム減速機構を採用することができず、電動モータの選定が困難になったり、構成部材点数が増大する等の問題もあった。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、搭載性や周辺装置のレイアウト自由度を向上させるべく、コンパクト化等を図ったデュアルピニオン式の電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく、請求項1の発明では、ステアリングシャフトに連結された第1のピニオンに噛み合う第1のラックと、電動アシスト機構に駆動される第2のピニオンに噛み合う第2のラックとがラックシャフトに形成された電動パワーステアリング装置であって、前記電動アシスト機構が、電動モータと、当該電動モータの駆動力を前記第2のピニオンに伝達する動力伝達手段とを有し、前記電動モータが前記ラックシャフトと略平行に配置されたものを提案する。
【0009】
請求項1の発明によれば、ラックシャフトを収納するラックハウジングから電動モータが大きく突出しなくなるため、電動パワーステアリング装置の車両への搭載性が向上すると同時に、エンジンや補機類等のレイアウトが容易になる。
【0010】
また、請求項2の発明では、請求項1の電動パワーステアリング装置において、前記動力伝達手段がウォーム減速機構であるものを提案する。
【0011】
請求項1の発明によれば、大きな減速比が容易に得られ、電動モータの選定が容易になる他、他の減速機構を用いた場合に較べて構成部材点数が少なくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る電動パワーステアリング装置の車室側部分を示した斜視図である。同図中に符号1で示した部材はステアリングコラムであり、アッパステアリングシャフト3を回動自在に支持している。アッパステアリングシャフト3には、その上端にステアリングホイール5が装着される一方、下端にユニバーサルジョイント7を介してロアステアリングシャフト9が連結されている。
【0013】
ロアステアリングシャフト9には、その下端に更にラック&ピニオン機構やパワーアシスト機構等からなるステアリングギヤ11が連結されている。図1中、符号13はステアリングコラム1を覆うコラムカバーを示し、符号15はステアリングギヤ11の左右端に連結されたタイロッドを示している。
【0014】
図2は実施形態に係るステアリングギヤ11の背面図である。図中で符号21で示した部材はステアリングギヤケース(ラック&ピニオンハウジング)であり、ラック&ピニオン機構22と電動アシスト機構23とを保持している。ラック&ピニオン機構22は、ロアステアリングシャフト9に連結された第1ピニオン25と、第1ピニオン25に噛み合う第1ラック27が図中右側に形成されたラックシャフト29とからなっている。
【0015】
電動アシスト機構23は、図3(図2中のA部拡大図)と図4(図3中のB−B断面図)に示したように、図示しない制御装置に駆動制御される電動モータ31と、電動モータ31のシャフト33に連結されたウォーム35とウォームホイール37とからなるウォーム減速機構39と、ウォームホイール37に固着された第2ピニオン41とからなっている。第2ピニオン41は、ラックシャフト29に形成された第2ラック43に噛み合っている。
【0016】
本実施形態の場合、第2ピニオン41がラックシャフト29に対して略垂直に配置されており、第2ピニオン41に固着されたウォームホイール37は水平面内で回転する。また、ウォームホイール37に噛み合うウォーム35はステアリングギヤケース21(すなわち、ラックシャフト29)と略平行に配置されており、ウォーム35がシャフト33に固着された電動モータ31もラックシャフト29に対して略平行に配置されている。
【0017】
以下、本実施形態の作用を述べる。
運転者がステアリングホイール5を回転させると、アッパステアリングシャフト3およびロアステアリングシャフト9を介して、その回転力がステアリングギヤ11に伝達される。ステアリングギヤ11内には回転入力を直線運動に変換する第1ピニオン25と第1ラック27からなるラックアンドピニオン機構が内蔵されているため、ラックシャフト23が左右いずれかの方向に移動し、左右のタイロッド15を介して車輪の舵角が変動して操舵が行われる。
【0018】
同時に、電動アシスト機構23内では、図示しない操舵トルクセンサの出力に基づき、電動モータ35が正逆いずれかの方向に所定の回転トルクをもって回転する。すると、その回転力がウォーム減速機構39および第2ピニオン41を介してラックシャフト29に伝達され、ラックシャフト29が図2中で左右いずれかの方向に付勢されて、操舵アシストが実現される。
【0019】
一方、本実施形態のステアリングギヤ11では、電動モータ31がラックシャフト29に略平行に配置される構成を採ったことにより、電動モータ31のステアリングギヤケース21からの上方への突出量が特許文献1のもの等に較べて遙かに小さくなり、車両への搭載性や周辺装置のレイアウト自由度が大幅に向上した。また、電動モータ31と第2ピニオン41とをウォーム減速機構39を介して連結するようにしたため、比較的簡易な構成で大きな減速比を得ることが可能になると共に、構成部材点数の削減も実現することができた。
【0020】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では電動モータと第2ピニオンとをウォーム減速機構を介して連結するようにしたが、ねじ歯車対等を介して連結するようにしてもよい。また、上記実施形態では電動モータをラックシャフトの斜め上部に配置するようにしたが、例えば真横に配置するようにしてもよい。その他、デュアルピニオン式EPSの全体構成等についても、上記実施形態での例示に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、設計上あるいは仕様上の要求等により適宜変更可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、ステアリングシャフトに連結された第1のピニオンに噛み合う第1のラックと、電動アシスト機構に駆動される第2のピニオンに噛み合う第2のラックとがラックシャフトに形成された電動パワーステアリング装置であって、前記電動アシスト機構が、電動モータと、当該電動モータの駆動力を前記第2のピニオンに伝達する動力伝達手段とを有し、前記電動モータが前記ラックシャフトと略平行に配置されたものとしたため、ラックシャフトを収納するラックハウジングから電動モータが大きく突出しなくなるため、電動パワーステアリング装置の車両への搭載性が向上すると同時に、エンジンや補機類等のレイアウトが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の車室側部分を示した斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るデュアルピニオン式EPSの背面図である。
【図3】図2中のA部拡大図である。
【図4】図3中のB−B断面図である。
【符号の説明】
11‥‥ステアリングギヤ
21‥‥ステアリングギヤケース
22‥‥ラック&ピニオン機構
23‥‥電動アシスト機構
25‥‥第1ピニオン
27‥‥第1ラック
29‥‥ラックシャフト
31‥‥電動モータ
35‥‥ウォーム
37‥‥ウォームホイール
39‥‥ウォーム減速機構
41‥‥第2ピニオン
43‥‥第2ラック

Claims (2)

  1. ステアリングシャフトに連結された第1のピニオンに噛み合う第1のラックと、電動アシスト機構に駆動される第2のピニオンに噛み合う第2のラックとがラックシャフトに形成された電動パワーステアリング装置であって、
    前記電動アシスト機構が、電動モータと、当該電動モータの駆動力を前記第2のピニオンに伝達する動力伝達手段とを有し、
    前記電動モータが前記ラックシャフトと略平行に配置されたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記動力伝達手段がウォーム減速機構であることを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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