JP2001173756A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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Abstract
動させようとする力を相殺して歯面間で発生する衝撃音
を抑制し、作動性及び耐久性の優れた電動パワーステア
リング装置を供する。 【解決手段】 ステアリング側に連結された操舵ピニオ
ン12と噛み合うラック軸3の摺動により操舵輪を転舵さ
せるとともに、ステアリングの操舵トルクに応じて制御
される電動機出力を操舵ピニオン12と離間してラック軸
3と噛み合う補助ピニオン22に伝達し操舵を補助する電
動パワーステアリング装置において、操舵ピニオン12と
補助ピニオン22が互いに逆向きの傾斜角のはす歯を有
し、斯かる操舵ピニオン12と補助ピニオン22にそれぞれ
噛み合う互いに逆向きに傾斜したラック歯3a,3bが
ラック軸3に形成されている電動パワーステアリング装
置。
Description
連結された操舵ピニオンと電動機出力側の補助ピニオン
がラック軸と噛み合う所謂ダブルピニオンラックアシス
トタイプの電動パワーステアリング装置に関する。
ニオン機構は、噛み合いを歯の傾斜面に沿って連続して
行い滑らかな動力伝達とともに、所定の噛合い強度を維
持するために、ピニオンははす歯でこれと噛み合うラッ
ク軸のラック歯は軸方向に対して垂直ではなくある傾斜
角を有している。
る補助ピニオンがラック軸に噛み合うダブルピニオンタ
イプの電動パワーステアリング装置では、従来操舵ピニ
オンと補助ピニオンのはす歯の傾斜角は同じ向きをして
いた。
ラック軸01のラック歯01aに操舵ピニオン02のはす歯02
aが噛み合い、同ラック軸01のラック歯01bに補助ピニ
オン03のはす歯03aが噛み合っている。
とは、軸方向に対して傾斜しており、傾斜の向きは同じ
向きであり、ラック歯01a,01bにそれぞれ噛合する操
舵ピニオン02と補助ピニオン03のはす歯02a,03aは、
同じ向きの傾斜角を有する。
ック軸01に掛かる荷重Aと補助ピニオン03の回転により
ラック軸01に掛かる荷重Bとは同じベクトル方向の荷重
である。この荷重A,Bを軸方向の分力Ah,Bhと垂
直な分力Av,Bvとに分解すると、軸方向の分力A
h,Bhが合わさってラック軸01を左右方向に移動す
る。
分力Av,Bvは、同じ上向き又は下向きであってラッ
ク軸01を軸中心に同じ方向に回動させるように働く(図
10,図11参照)。したがって操舵を左から右あるい
は右から左へ切り返すときに、軸方向と垂直な分力A
v,Bvがともに上下逆転してラック軸01を一斉に軸心
に対して反対方向に回動する力が働くことになり、ラッ
ク歯01a,01bと操舵ピニオン02及び補助ピニオン03の
はす歯02a,03aとの歯面間で歯当りが生じて衝撃音が
発生することがある。また適正な噛合いを保持できな
い。
その目的とする処は、操舵ピニオンと補助ピニオンがラ
ック軸を回動させようとする力を相殺して歯面間で発生
する歯当りや衝撃音を抑制し、作動性及び耐久性の優れ
た電動パワーステアリング装置を供する点にある。
達成するために、本発明は、ステアリング側に連結され
た操舵ピニオンと噛み合うラック軸の摺動により操舵輪
を転舵させるとともに、ステアリングの操舵トルクに応
じて制御される電動機出力を前記操舵ピニオンと離間し
て前記ラック軸と噛み合う補助ピニオンに伝達し操舵を
補助する電動パワーステアリング装置において、前記操
舵ピニオンと前記補助ピニオンが互いに逆向きの傾斜角
のはす歯を有し、斯かる操舵ピニオンと補助ピニオンに
それぞれ噛み合う互いに逆向きに傾斜したラック歯が前
記ラック軸に形成されている電動パワーステアリング装
置とした。
きの傾斜角のはす歯を有し、ラック軸の互いに逆向きに
傾斜したラック歯にそれぞれ噛合するので、操舵ピニオ
ンと補助ピニオンがそれぞれラック軸に与える荷重のう
ち軸中心に回動させようとする分力が、互いに逆方向と
なりラック軸を回動させる力が相殺されて、特に操舵切
り返し時に歯面間で発生する衝撃音を抑制でき、ギヤ噛
合を適正に保持することができる。
動パワーステアリング装置において、前記ラック軸の互
いに逆向きに傾斜したラック歯の傾斜角が互いに異なる
ことを特徴とする。
きいので、操舵ピニオンと補助ピニオンがそれぞれ噛み
合うラック軸のラック歯の各傾斜角を互いに異ならしめ
ることで、操舵ピニオンと補助ピニオンがそれぞれラッ
ク軸に与える荷重のうち軸中心に回動させようとする分
力を、互いに逆方向で略同じ大きさとして略完全に相殺
するよう調整することができ、歯面間で発生する音を抑
制し、作動性をさらに改善し良好とすることができる。
ついて図1ないし図7に基づき説明する。本実施の形態
に係る電動パワーステアリング装置1の概略全体の後面
図を図1に示す。
左右方向(図1における左右方向に一致)に指向した略
円筒状のラックハウジング2を有し、そのラックハウジ
ング2内にラック軸3が左右軸方向に摺動自在に収容さ
れている。
たラック軸3の両端部にそれぞれジョイントを介してタ
イロッド4,4が連結され、ジョイント部を覆うブーツ
5,5からタイロッド4,4が側方に突出しており、ラ
ック軸3の移動によりタイロッド4,4が動かされ、さ
らに転舵機構を介して車両の転舵輪が転舵される。
グギヤボックス10が設けられている。ステアリングギヤ
ボックス10には、ステアリングホイールが一体的に取り
付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結さ
れる入力軸11が軸受を介して回動自在に軸支されてお
り、入力軸11はステアリングギヤボックス10内でトーシ
ョンバーを介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン12
と連結されている。
軸3のラック歯3aと噛合している。したがってステア
リングホイールの回動操作により入力軸11に伝達された
操舵力は、トーションバーを介して操舵ピニオン12を回
動して操舵ピニオン12のはす歯12aとラック歯3aの噛
合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
すように操舵ピニオン12とラック歯3aとの噛合い部の
ラック3の背後にラック3及び操舵ピニオン12と直交す
る方向にラックガイド円筒部10aが突出形成されてい
る。
クガイド13が嵌挿され、ラックガイド円筒部10aの開口
に螺着されロックナット15で固定されたラックガイドス
クリュー14との間に介装されたラックガイドスプリング
16によりラックガイド13が付勢されて操舵ピニオン12に
噛合するラック軸3の背後を押圧している。
び図4を参照して補助ギヤボックス20が形成されてお
り、補助ギヤボックス20は、ラックハウジング2に若干
傾いて上下方向にピニオン円筒部20aが形成されるとと
もに上下方向に直行するようにラックガイド円筒部20b
が形成されている。
ラック歯3bに噛合して補助ピニオン22が収容され、ラ
ックガイド円筒部20bに摺動自在にラックガイド23が嵌
挿され、ラックガイド円筒部20bの開口に螺着されロッ
クナット25で固定されたラックガイドスクリュー24との
間に介装されたラックガイドスプリング26によりラック
ガイド23が付勢されて補助ピニオン22のはす歯22aにラ
ック歯3bが噛合するラック軸3の背後を押圧してい
る。
オン22は、下端がピニオン円筒部20aの下端開口部にベ
アリング27を介して軸支され、その下方を栓部材28によ
り閉塞されており、補助ピニオン22の上端はピニオン円
筒部20aの上端開口部から突出している。
出する上側には、径方向に延出して矩形に展開した側壁
20cが形成されており、対向した側壁21aを有する扁平
なウオームギヤケース21が側壁20cに取り付けられてギ
ヤボックスが形成されている。
オン22の上端部は、ウオームギヤケース21の側壁21aの
中央の凹部に嵌入されたベアリング29により回転自在に
軸支され、補助ピニオン22の突出部にはウオームギヤケ
ース21内でウオームホイール30が一体に嵌着されてい
る。
壁21bが形成されて、内部にウオーム31が回転自在に軸
支され、ウオームホイール30と噛み合ってウオーム減速
機構がウオームギヤケース21内に構成されている。
ータ取付部21cを形成しており、同モータ取付部21cに
モータ32が取り付けられ、モータ32の駆動軸32aがウオ
ーム31に同軸に連結されている。
ると、ウオーム31に噛み合ったウオームホイール30を回
転させ、ウオームホイール30の回転は、補助ピニオン22
を一体に回動し、補助ピニオン22のはす歯22aがラック
歯3bと噛み合うラック軸3を左右軸方向に摺動するよ
うに作用する。
出したステアリングホイールの操舵トルクに応じて制御
され、人力による操舵力が操舵ピニオンを介してラック
軸3に伝達される一方で、その操舵トルクに応じて制御
されるモータ32による駆動力がウオーム減速機構,補助
ピニオン22を介して同じラック軸3に作用し、人力を補
助して転舵が行われる。
ック歯3aとラック歯3bは、軸方向に対して傾斜して
おり、傾斜の向きは互いに逆向きであり、ラック歯3
a,3bにそれぞれ噛合する操舵ピニオン12と補助ピニ
オン22のはす歯12a,22aは、互いに逆向きの傾斜角を
有する。
ク軸3に伝達される力の作用を図5ないし図7に模式図
で示し説明する。操舵ピニオン12の回転によりラック軸
3に掛かる荷重Aと補助ピニオン22の回転によりラック
軸3に掛かる荷重Bとは異なるベクトル方向の荷重であ
る。
と垂直な分力Av,Bvとに分解すると、軸方向の分力
Ah,Bhは同じ方向で合わさってラック軸3を左右い
ずれかの方向に移動する。そして軸方向に垂直な分力A
v,Bvは、互いに逆方向に作用することになる。
きは、操舵ピニオン12による荷重Aの軸方向に垂直な分
力Avは、ラック軸3に下方向への力として作用し、図
6に示すようにラック軸3を時計回りに回動するように
働き、補助ピニオン22による荷重Bの軸方向に垂直な分
力Bvは、ラック軸3に上方向への力として作用し、図
7に示すようにラック軸3を反時計回りに回動するよう
に働く。
は、ラック軸3を互いに軸心に対し逆方向に回動しよう
として相殺される。完全に相殺されなくともラック軸3
を回動しようとする力は大幅に削減される。
ら左へ切り返すときにも、ラック軸3を逆回動しようと
する力は小さく、ラック歯3a,3bと操舵ピニオン12
及び補助ピニオン22のはす歯12a,22aとの歯面間での
歯当り音の発生を抑制することができる。
力は大きく、ラック軸3への操舵ピニオン12の荷重Aよ
り補助ピニオン22の荷重Bの方が大きい。そこで図8に
示す第2の実施の形態では、ラック軸50における操舵ピ
ニオン51のはす歯51aが噛み合うラック歯50aと補助ピ
ニオン52のはす歯52aが噛み合うラック歯50bの互いの
傾斜を逆向きとするとともに、ラック歯50aよりラック
歯50bの傾斜を急傾斜とし傾斜角度を大きくしている。
で、補助ピニオン52からラック軸50に作用する荷重Bの
軸方向に垂直な分力Bvを小さくすることができ、この
分力Bvを操舵ピニオン51からラック軸50に作用する荷
重Aの軸方向に垂直な分力Avと逆方向でかつ大きさを
等しくすることができる。
とBvを略完全に相殺してラック歯50a,50bと操舵ピ
ニオン51及び補助ピニオン52のはす歯51a,52aとの歯
面間での衝撃音の発生を防止できるとともに、作動性を
向上させることができる。
ク軸のラック歯の傾斜角を調整して加工形成することに
より、所要の出力のモータが使用可能となる。
リング装置の概略全体の後面図である。
である。
転視した断面図である。
図である。
用する力を示す模式図である。
図である。
面図である。
ピニオンのラック軸に作用する力を示す模式図である。
ラック軸に作用する力を示す模式図である。
図である。
面図である。
グ、3…ラック軸、4…タイロッド、5…ブーツ、10…
ステアリングギヤボックス、11…入力軸、12…操舵ピニ
オン、13…ラックガイド、14…ラックガイドスクリュ
ー、15…ロックナット、16…ラックガイドスプリング、
20…補助ギヤボックス、21…ウオームギヤケース、22…
補助ピニオン、23…ラックガイド、24…ラックガイドス
クリュー、25…ロックナット、26…ラックガイドスプリ
ング、27…ベアリング、28…栓部材、29…ベアリング、
30…ウオームホイール、31…ウオーム、32…モータ、50
…ラック軸、51…操舵ピニオン、52…補助ピニオン。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステアリング側に連結された操舵ピニオ
ンと噛み合うラック軸の摺動により操舵輪を転舵させる
とともに、ステアリングの操舵トルクに応じて制御され
る電動機出力を前記操舵ピニオンと離間して前記ラック
軸と噛み合う補助ピニオンに伝達し操舵を補助する電動
パワーステアリング装置において、 前記操舵ピニオンと前記補助ピニオンが互いに逆向きの
傾斜角のはす歯を有し、斯かる操舵ピニオンと補助ピニ
オンにそれぞれ噛み合う互いに逆向きに傾斜したラック
歯が前記ラック軸に形成されていることを特徴とする電
動パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 前記ラック軸の互いに逆向きに傾斜した
ラック歯の傾斜角が互いに異なることを特徴とする請求
項1記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
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