JP3758556B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪を転舵するための操作部の操作が車輪に機械的に伝達されないようにするとともに、車輪に転舵力伝達機構を介して機械的に連結された転舵アクチュエータを設けておき、操作部の操作に応じて転舵アクチュエータを駆動制御して車輪を転舵する、いわゆるステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、例えば特開2000−108914号公報に示されているように、車輪の転舵に応じた反力を操作部に付与するために、操作部に反力伝達機構を介して機械的に連結された反力アクチュエータ(反力モータ)を設け、操作部の操作量、車両の旋回状態量(ヨーレート、横加速度など)などに応じて反力アクチュエータの作動を制御するようにしている。
【0003】
一方、この種のステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、車輪を転舵するための操作部の操作が車輪に機械的に伝達されないようにしたうえで、転舵アクチュエータ、反力アクチュエータまたはそれらの電気制御装置に異常が発生した場合には、操作部の操作を車輪に機械的に伝達することにより、操作部の操作に応じて車輪を転舵することを可能にするために、転舵力伝達機構と反力伝達機構とを機械的に連結させておく連結部を有する機構も考えられている。この機構として、例えば、トヨタ技術公開集発行番号11240号「動力舵取り装置」(2000年8月31日発行)に示す車両の操舵装置が知られている。
【0004】
この操舵装置は、プラネタリギヤ機構を用いて、プラネットキャリアの回転軸を車輪転舵用の出力軸とし、同出力軸に減速ギヤ機構を介して転舵アクチュエータ(転舵モータ)の回転力が伝達されるようにしている。また、サンギヤの回転軸を操舵ハンドルの回転軸に一体回転するように接続し、同回転軸に減速ギヤ機構を介して反力アクチュエータ(反力モータ)の回転力が伝達されるように、またはリングギヤおよびプラネットギヤを介して反力アクチュエータの回転力が伝達されるようにしている。
【0005】
そして、転舵アクチュエータ、反力アクチュエータおよびそれらの電気制御装置の正常時には、リングギヤの回転をフリー状態にしておいて、車輪の転舵アクチュエータによる転舵と操舵ハンドルへの反力アクチュエータによる反力付与が独立して行なわれるようにしている。転舵アクチュエータ、反力アクチュエータまたはそれらの電気制御装置の異常時には、リングギヤの回転をロック状態にして、操舵ハンドルの回転がサンギヤおよびプラネットギヤを介してプラネットキャリアの回転軸すなわち出力軸に伝達されるようにし、前記異常時にも操舵ハンドルの回転により車輪の転舵が確保されるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記後者の従来装置すなわち転舵力伝達機構と反力伝達機構とを機械的に連結させておく連結部を有する車両の操舵装置に、上記前者の従来装置に示された操作部に対する操舵反力の付与技術を適用しても、適切な操舵反力が付与されないという事実を本発明者らは発見した。これは、転舵アクチュエータによる車輪の転舵動作と、反力アクチュエータによる操作部への反力付与動作が独立していたとしても、転舵力伝達機構と反力伝達機構とが連結部を介して機械的に連結されているので、車輪の転舵動作時には、転舵力伝達機構の作動に関係した摩擦力などの機械的な力が連結部および反力伝達機構を介して操作部に伝達されるためであると考えられる。
【0007】
【発明の概略】
本発明は、前記問題に対処するためになされたもので、その目的は、転舵力伝達機構と反力伝達機構とを機械的に連結した連結部を有するステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、車輪の転舵に応じた適正な操舵反力が操作部に付与されるようにした車両の操舵装置を提供することにある。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、車輪を転舵するために操作される操作部と、車輪を転舵するための転舵力を発生する転舵アクチュエータと、転舵アクチュエータによる転舵力を車輪に伝達する転舵力伝達機構と、操作部の操作に対して反力を付与するための反力を発生する反力アクチュエータと、反力アクチュエータによる反力を操作部に伝達する反力伝達機構と、操作部の操作に応じて車輪を転舵するように転舵アクチュエータの作動を制御する転舵制御手段と、車輪の転舵に応じた反力を操作部に付与するように反力アクチュエータの作動を制御する反力制御手段とを備えてなり、転舵力伝達機構と反力伝達機構が機械的な連結部を有する車両の操舵装置において、反力制御手段に、車輪の転舵に伴う連結部の作動による操作部への影響を低減するように反力アクチュエータの作動制御を補正する補正手段を設けたことにある。
【0009】
この場合、転舵力伝達伝達機構および反力伝達機構をギヤを含む機構でそれぞれ構成し、前記連結部をギヤ機構で構成するようにするとよい。このギヤ機構としては、例えばプラネタリギヤ機構を利用できる。また、前記補正手段は、例えば、前輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、転舵量検出手段によって検出された前輪の転舵量を用いて反力アクチュエータの作動を補正制御する制御量を計算する制御量計算手段とで構成される。
【0010】
前記のように構成した本発明においては、車輪の転舵動作時に、転舵力伝達機構の作動に関係した摩擦力などの機械的な力が連結部および反力伝達機構を介して操作部に伝達されても、補正手段が、連結部の作動による操作部への影響を低減するように、反力制御手段による反力アクチュエータの作動制御を補正する。したがって、本発明によれば、転舵力伝達機構と反力伝達機構とを機械的に連結した連結部を有するステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、車輪の転舵に応じた適正な操舵反力が操作部に常に付与されるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
【0012】
この操舵装置は、左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回転操作される操作部としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12はその下端にて反力伝達機構13に接続されている。反力伝達機構13には、反力アクチュエータとしての反力モータ14が接続されている。この構成により、反力モータ14にて発生された反力が、反力伝達機構13および操舵入力軸12を介して、操舵ハンドル11に伝達されるようになっている。
【0013】
また、この操舵装置は、転舵アクチュエータとしての転舵モータ15を備えている。この転舵モータ15の転舵力は、転舵力伝達機構16、転舵出力軸17、ピニオンギヤ18およびラックバー19を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。転舵力伝達機構16は、転舵モータ15の回転力を転舵出力軸17に伝達して、転舵モータ15の回転に応じて転舵出力軸17を回転させる。ピニオンギヤ18は、転舵出力軸17の下端部に固定されていて、その回転によりラックバー19を軸線方向に変位させる。ラックバー19は、その軸線方向の変位に応じて左右前輪FW1,FW2を左右に転舵する。
【0014】
また、この操舵装置においては、反力モータ14、転舵モータ15またはそれらの電気制御装置に異常が発生した場合に、操舵ハンドル11の回転操作を左右前輪FW1,FW2に機械的に伝達することにより、操舵ハンドル11の回転操作に応じて左右前輪FW1,FW2を転舵することを可能にするために、反力伝達機構13と転舵力伝達機構16とを機械的に連結させておく連結部21を有する。
【0015】
このような操舵装置における反力伝達機構13、転舵力伝達機構16および連結部21の具体的機構について、一例を上げて説明しておく。この具体的機構は、例えば図2に示すように、サンギヤ31、リングギヤ32、複数のプラネットギヤ33およびプラネットキャリア34からなるプラネタリギヤ機構を備えている。サンギヤ31およびリングギヤ32は、ハウジング35内に同軸かつ独立して回転可能に支持されている。複数のプラネットギヤ33は、プラネットキャリア34にそれぞれ回転可能に支持され、サンギヤ31およびリングギヤ32にそれぞれ噛み合っている。
【0016】
サンギヤ31には、トーションバー36がその一端にて同軸かつ一体回転するように接続されている。このトーションバー36はハウジング35内に軸線回りに回転可能に支持されていて、その他端は操舵入力軸12に一体回転するように接続されている。リングギヤ32の外周面上には、大ギヤ32aが設けられている。この大ギヤ32aは、反力モータ14の回転軸の先端部に設けた小ギヤ14aと噛み合っている。これにより、反力モータ14の回転は、小ギヤ14a、大ギヤ32a、リングギヤ32、プラネットギヤ33、サンギヤ31およびトーションバー36を介して操舵入力軸12に伝達される。したがって、これらの小ギヤ14a、大ギヤ32a、リングギヤ32、プラネットギヤ33、サンギヤ31およびトーションバー36が、図1の反力伝達機構13を構成する。
【0017】
プラネットキャリア34は、ハウジング35内に軸線回りに回転可能に支持されたシャフト37の一端に一体的に接続されている。シャフト37の他端は、転舵出力軸17に一体回転するように接続されている。プラネットキャリア34の外周上には出力ギヤ38が固定されており、同出力ギヤ38はシャフト39の外周上に固定された中間ギヤ41に噛み合っている。シャフト39はハウジング35内に軸線回りに回転可能に支持されており、その外周上には入力ホイール42も固定されている。この入力ホイール42には、転舵モータ15の回転軸の先端に設けたウォームギヤ15aが噛み合っている。
【0018】
これにより、転舵モータ15の回転は、ウォームギヤ15a、入力ホイール42、シャフト39、中間ギヤ41、出力ギヤ38、プラネットキャリア34およびシャフト37を介して転舵出力軸17に伝達される。したがって、これらウォームギヤ15a、入力ホイール42、シャフト39、中間ギヤ41、出力ギヤ38、プラネットキャリア34およびシャフト37が、図1の転舵力伝達機構16を構成する。なお、中間ギヤ41および出力ギヤ38は偏心しており、左右前輪FW1,FW2が中立位置近くにあるときのステアリングギヤ比が大きくなるとともに、左右前輪FW1,FW2が左右に大きく転舵されるときのステアリングギヤ比が小さくなるようになっている。
【0019】
また、ハウジング35には、ロック機構43が組み付けられている。ロック機構43は、電磁ソレノイドを内蔵しており、同ソレノイドへの非通電時にスプリングなどの付勢力によってロックピン43aを突出させてリングギヤ32をハウジング35に対してロックする。このリングギヤ32のロック状態では、サンギヤ31とプラネットキャリア34は独立して回転することは不能であり、サンギヤ31が回転されると所定の予め定められたギヤ比でプラネットキャリア34も連動して回転するので、操舵入力軸12の回転は所定のギヤ比で転舵出力軸17に必ず伝達される。なお、電磁ソレノイドの通電時には、ロックピン43aは図示しないスプリングなどの付勢力に抗してロック機構43内に収納されて、前述のようにリングギヤ32の自由な回転を許容する。
【0020】
前記のような、リングギヤ32の自由な回転状態にあって、操舵入力軸12(トーションバー36およびサンギヤ31)と転舵出力軸17(シャフト37およびプラネットキャリア34)との独立した回転が可能な状態であっても、複数のプラネットギヤ33は、サンギヤ31の回転およびプラネットキャリア34の回転にそれぞれ連動して回転する。したがって、複数のプラネットギヤ33が、図1の反力伝達機構13と転舵力伝達機構16とを機械的に連結させておく連結部21に相当する。
【0021】
次に、これらの反力モータ14および転舵モータ15の回転を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、ハンドル回転角センサ51、転舵回転角センサ52、車速センサ53およびヨーレートセンサ54を備えている。
【0022】
ハンドル回転角センサ51は、操舵入力軸12に組み付けられて、操舵ハンドル11の基準位置からの回転角を検出してハンドル回転角θhとして出力する。転舵回転角センサ52は、転舵出力軸17に組み付けられて、同出力軸17の基準位置からの回転角を検出して転舵回転角θw(左右前輪FW1,FW2の転舵量に対応)として出力する。なお、ハンドル回転角θhおよび転舵回転角θwは、中立位置を「0」とし、左方向の回転角を正の値で表すとともに、右方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。車速センサ53は、車速Vを検出して出力する。ヨーレートセンサ54は、車両のヨーレートγを検出して出力する。なお、ヨーレートγは、左方向の回転を正で表すとともに、右方向の回転を負で表す。
【0023】
これらのセンサ51〜54は、電子制御装置55に接続されている。電子制御装置55は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、図3および図5のプログラムを所定の短時間ごとにそれぞれ繰返し実行して、反力モータ14および転舵モータ15の作動をそれぞれ制御する。電子制御装置55の出力側には、反力モータ14および転舵モータ15を駆動するための駆動回路56,57がそれぞれ接続されている。また、電子制御装置55には、ロック機構43の電磁ソレノイドに通電するための駆動回路58も接続されている。
【0024】
次に、上記のように構成した実施形態の動作を説明する。まず、リングギヤ32の回転がフリー状態にある通常動作について説明する。この場合、電子制御装置55は駆動回路58を図示しないプログラムの実行により制御して、ロック機構43の電磁ソレノイドを通電制御する。これにより、ロック機構43はリングギヤ32の回転をフリー状態に維持する。この状態で、電子制御装置55は、図3の転舵制御プログラムおよび図5の反力制御プログラムを所定の短時間ごとにそれぞれ繰返し実行する。
【0025】
転舵制御プログラムの実行はステップ100にて開始され、電子制御装置55は、ステップ102にて、ハンドル回転角センサ51、転舵回転角センサ52および車速センサ53から、ハンドル回転角θh、転舵回転角θwおよび車速Vをそれぞれ入力する。次に、ステップ104にて、ギヤ比テーブルを参照して、前記入力したハンドル回転角θhの絶対値|θh|および車速Vに対応したステアリングギヤ比Gを決定する。ギヤ比テーブルは、電子制御装置55内に予め用意されたもので、ウォームギヤ15a、入力ホイール42、中間ギヤ41および出力ギヤ38の各ギヤ比を考慮して決められており、図4に示すようにハンドル回転角θhの絶対値|θh|および車速Vに対するステアリングギヤ比Gの変化特性を表している。
【0026】
前記ステップ104の処理後、電子制御装置55は、ステップ106にて、前記決定したステアリングギヤ比Gおよび前記入力したハンドル回転角θhを用いた下記数1の演算を実行することにより、目標転舵回転角θw*(左右前輪FW1,FW2の目標転舵量に対応)を計算する。
【0027】
【数1】
Figure 0003758556
【0028】
次に、ステップ108にて、前記計算した目標転舵回転角θw*および前記入力した転舵回転角θwを用いた下記数2の演算の実行により、転舵モータ15の転舵制御量Twを計算する。なお、下記数2中、Cp,Cd,Ciは、各項の制御量のゲインを示す係数で、予め電子制御装置55内に記憶されている定数である。
【0029】
【数2】
Figure 0003758556
【0030】
前記ステップ108の処理後、電子制御装置55は、ステップ110にて前記計算した転舵制御量Twを駆動回路57に出力して、ステップ112にてこの転舵制御プログラムの実行を終了する。そして、所定時間の経過ごとに、電子制御装置55は、前述した転舵制御プログラムを繰返し実行して、前記転舵制御量Twを駆動回路57に繰返し出力する。
【0031】
駆動回路57は、前記計算した転舵制御量Twに対応した制御電流を転舵モータ15に流すことにより、転舵出力軸17の転舵回転角θwが目標転舵回転角θw*に等しくなるように転舵モータ15の回転を制御する。この転舵モータ15の回転は、転舵力伝達機構16(ウォームギヤ15a、入力ホイール42、シャフト39、中間ギヤ41、出力ギヤ38、プラネットキャリア34およびシャフト37)を介して転舵出力軸17に伝達されるので、転舵出力軸17の回転角は目標転舵回転角θw*に設定される。そして、この転舵出力軸17の回転は、ピニオンギヤ18を介してラックバー19に伝達され、ラックバー19が、軸方向に変位して左右前輪FW1,FW2を前記目標転舵回転角θw*に対応した転舵量に転舵する。
【0032】
次に、左右前輪FW1,FW2の転舵に応じた操舵反力を操舵ハンドル11に付与する動作について、図5の反力制御プログラムに沿って説明する。
【0033】
反力制御プログラムの実行はステップ200にて開始され、電子制御装置55は、ステップ202にて、ハンドル回転角センサ51、転舵回転角センサ52、車速センサ53およびヨーレートセンサ54から、ハンドル回転角θh、転舵回転角θw、車速Vおよびヨーレートγをそれぞれ入力する。次に、ステップ204にて、係数テーブルを参照して、前記入力した車速Vに対応したヨーレート係数Kyを決定する。係数テーブルは、電子制御装置55内に予め用意されたもので、図6に示すように、車速Vの増加に応じて増加するヨーレート係数Kyの変化特性を表している。
【0034】
前記ステップ204の処理後、電子制御装置55は、ステップ206にて、前記決定したヨーレート係数Ky、前記入力したハンドル回転角θhおよびヨーレートγを用いた下記数3の演算を実行することにより、第1反力制御量Th1を計算する。なお、下記数3中、K11,K12,K13は、各項の制御量のゲインを示す係数で、予め電子制御装置55内に記憶されている定数である。
【0035】
【数3】
Figure 0003758556
【0036】
この第1反力制御量Th1は、左右前輪FW1,FW2の転舵に応じた反力を操舵ハンドル11に付与するものである。そして、前記数3において、第1項は、ハンドル回転角θhに応じた操舵反力を付与する項として作用する。第2項は、操舵ハンドル11の振動を抑制する項として作用する。第3項は、反力モータ14の慣性モーメントの影響を抑制して、操舵ハンドル11の切り始めの操舵感を調節する慣性項として作用する。また、第4項は、車両の挙動状態に応じた操舵反力を付与する項として作用する。
【0037】
次に、ステップ208にて、前記入力した転舵回転角θwを用いた下記数4の演算を実行することにより、第2反力制御量Th2を計算する。なお、下記数4中、K21,K22,K23は、各項の制御量のゲインを示す係数で、予め電子制御装置55内に記憶されている定数である。
【0038】
【数4】
Figure 0003758556
【0039】
この第2反力制御量Th2は、左右前輪FW1,FW2を転舵するための転舵力伝達機構16の作動による影響が、連結部21を介して反力伝達機構13に入力され、その影響が操舵ハンドル11にも現れて運転者の操舵フィーリングが悪化することを回避するための補正量である。すなわち、転舵モータ15の回転は、ウォームギヤ15a、入力ホイール42、シャフト39、中間ギヤ41、出力ギヤ38、プラネットキャリア34およびシャフト37を介して転舵出力軸17に伝達される。このとき、プラネットキャリア34の回転により、プラネットギヤ33もサンギヤ31およびリングギヤ32と噛み合いながら回転する。一方、サンギヤ31、リングギヤ32およびプラネットギヤ33には互いに摩擦力が作用しており、この左右前輪FW1,FW2の転舵に伴うプラネットギヤ33の回転による反力が、サンギヤ31、トーションバー36および操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11にも伝達される。
【0040】
そして、前記数4の第1項は、前記ギヤの摩擦力を補正するように作用する。第2項は、前記ギヤの摩擦力による同ギヤの回転、振動などの影響を補正するように作用する。前記第3項は、前記ギヤの慣性モーメントの影響を補正するように作用する。
【0041】
前記ステップ208の処理後、ステップ210にて、前記計算した第1および第2反力制御量Th1,Th2を下記数5に示すように加算合成して、合成反力制御量Thを計算する。
【0042】
【数5】
Th=Th1+Th2
【0043】
そして、電子制御装置55は、ステップ212にて前記計算した合成反力制御量Thを駆動回路56に出力して、ステップ214にてこの反力制御プログラムの実行を終了する。そして、所定時間の経過ごとに、電子制御装置55は、前述した反力制御プログラムを繰返し実行して、合成反力制御量Thを駆動回路56に繰返し出力する。
【0044】
駆動回路56は、前記計算した合成反力制御量Thに対応した制御電流を反力モータ14に流すことにより、合成反力制御量Thに対応した反力が操舵ハンドル11に付与されるように反力モータ14の回転を制御する。この反力モータ14の回転は、反力伝達機構13(小ギヤ14a、大ギヤ32a、リングギヤ32、プラネットギヤ33、サンギヤ31およびトーションバー36)を介して操舵入力軸12に伝達されるので、操舵ハンドル11には合成反力制御量Thに対応した反力が付与される。
【0045】
この場合の合成反力制御量Thは、第1および第2反力制御量Th1,Th2を加算合成したものである。そして、第1反力制御量Th1は、左右前輪FW1,FW2の操舵に応じた反力を操舵ハンドル11に付与するものである。一方、第2反力制御量Th2は、連結部21および反力伝達機構13を介して操舵ハンドル11に伝達される転舵力伝達機構16の作動に関係した摩擦力などの機械的な力を除去するための補正量である。したがって、この実施形態によれば、転舵力伝達機構16と反力伝達機構13とを機械的に連結した連結部21を有するステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置においても、前記連結部21が操舵フィーリングに与える影響が除去され、操舵ハンドル11には左右前輪FW1,FWの転舵に応じた適正な操舵反力が常に付与されるようになり、運転者は良好な操舵フィーリングで車両を操舵操作することができる。
【0046】
次に、リングギヤ32の回転がロック状態にある異常時の動作について説明する。反力モータ14、転舵モータ15、各種センサ51〜54などに異常が発生すると、電子制御装置55は、図示しないプログラムの実行により、前記異常を検出して、駆動回路58を制御してロック機構43の電磁ソレノイドの通電を解除する。なお、電気系統全般の異常(例えば、バッテリから電力の供給停止)などの場合も、ロック機構43の電磁ソレノイドの通電は解除される。このとき、反力モータ14および転舵モータ15も回転制御されない。
【0047】
このようなリングギヤ32がロックされた状態で、操舵ハンドル11が回転されると、同ハンドル11の回転は操舵入力軸12およびトーションバー36を介してサンギヤ31に伝達されて、サンギヤ31は回転する。このサンギヤ31の回転により、プラネットギヤ33は、サンギヤ31およびリングギヤ32と噛み合いながら、自転するとともに公転する。したがって、プラネットキャリア34もサンギヤ31の回転に応じて回転して、プラネットキャリア34の回転はシャフト37、転舵出力軸17を介してピニオンギヤ18にも伝達される。そして、ピニオンギヤ18の回転によりラックバー19が軸線方向に変位し、左右前輪FW1,FW2が転舵される。
【0048】
その結果、このような異常時にも、操舵ハンドル11の回転に応じて左右前輪FW1,FW2が転舵されるので、車両の走行安全性が確保される。
【0049】
なお、上記実施形態においては、車両の旋回状態量としてヨーレートγを採用するようにしたが、このヨーレートγに代えて、横加速度Gyを採用するようにしてもよい。この場合、図1に破線で示すように、横加速度Gyを検出する横加速度センサ59を設ける。そして、上記ステップ206にて実行される上記数3の演算に代えて、下記数6の演算を実行して第1反力制御量Th1を計算するようにするとよい。なお、この場合の係数Kgも、図6に示す車速Vに応じて増加する傾向の係数を用いるようにするとよい。
【0050】
【数6】
Figure 0003758556
【0051】
これによっても、上記実施形態の場合と同様に、左右前輪FW1,FW2の転舵に応じた操舵ハンドル11に対する反力が適切に計算される。
【0052】
また、上記実施形態においては、左右前輪FW1,FW2を転舵するための操作部として回転操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、このような回転式の操舵ハンドル11に代えて、ジョイスティックのような操作部材を左右前輪FW1,FW2を転舵するために利用するようにしてもよい。この場合、操作部材の中立位置からの左右方向の操作量に応じて転舵モータ15を制御して、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにするとよい。そして、このような操作部材の左右への変位に対する左右方向の反力を反力モータ14によって発生するとともに、同反力を操作部材に作用させるようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置の概略図である。
【図2】 図1の一点鎖線で囲んだ機構部分の一例を示す断面図である。
【図3】 図1の電子制御装置によって実行される転舵制御プログラムのフローチャートである。
【図4】 車速およびハンドル回転角とステアリングギヤ比との関係を示すグラフである。
【図5】 図1の電子制御装置によって実行される反力制御プログラムのフローチャートである。
【図6】 車速とヨーレート係数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力伝達機構、14…反力モータ、15…転舵モータ、16…転舵力伝達機構、17…転舵出力軸、18…ピニオンギヤ、19…ラックバー、21…連結部、31…サンギヤ、32…リングギヤ、33…プラネットギヤ、34…プラネットキャリア、43…ロック機構、51…ハンドル回転角センサ、52…転舵回転角センサ、53…車速センサ、54…ヨーレートセンサ、55…電子制御装置、59…横加速度センサ。

Claims (2)

  1. 車輪を転舵するために操作される操作部と、車輪を転舵するための転舵力を発生する転舵アクチュエータと、前記転舵アクチュエータによる転舵力を車輪に伝達する転舵力伝達機構と、前記操作部の操作に対して反力を付与するための反力を発生する反力アクチュエータと、前記反力アクチュエータによる反力を前記操作部に伝達する反力伝達機構と、前記操作部の操作に応じて車輪を転舵するように前記転舵アクチュエータの作動を制御する転舵制御手段と、前記車輪の転舵に応じた反力を前記操作部に付与するように前記反力アクチュエータの作動を制御する反力制御手段とを備えてなり、前記転舵力伝達機構と前記反力伝達機構が機械的な連結部を有する車両の操舵装置において、前記反力制御手段に、前記車輪の転舵に伴う前記連結部の作動による前記操作部への影響を低減するように前記反力アクチュエータの作動制御を補正する補正手段を設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記補正手段を、前輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、前記転舵量検出手段によって検出された前輪の転舵量を用いて前記反力アクチュエータの作動を補正制御する制御量を計算する制御量計算手段とで構成した車両の操舵装置。
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