JP3963111B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイールなどの操作部材の操作に対する舵取り用車輪の転舵の関係を変更可能な車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ステアリングホイールと舵取り用の車輪を転舵するための舵取り機構とを機械的に切り離し、ステアリングホイールの操作角を検出するとともに、その検出結果に基づいて、舵取り機構に操舵アクチュエータからのトルクを与えることにより、舵取り用の車輪の転舵を達成するようにしたシステム(いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システム)が提案されている。
【0003】
操舵アクチュエータは、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置によって制御されるようになっている。すなわち、ステアリングホイールの操作角を検出する操作角センサおよび舵取り用の車輪の転舵角を検出する転舵角センサの各検出信号が制御装置に入力されていて、制御装置は、それらの入力信号に基づいて、舵取り用の車輪の転舵角がステアリングホイールの操作角に合うように操舵アクチュエータを制御する。これにより、ステアリングホイールの操作に応じた舵取り用車輪の転舵が実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この構成は、セルフアライニングトルクによる舵取り用の車輪の中立位置(車両直進時における位置)への戻りが遅いという問題を有していた。
すなわち、ステアリングホイールを一方に切り込んだ後、そのステアリングホイールから手を放すと、舵取り用の車輪にセルフアライニングトルクが作用し、このセルフアライニングトルクにより、舵取り用の車輪が中立位置へと戻されていく。このとき、舵取り用の車輪の動きがステアリングホイールの動きよりも先行し、操舵アクチュエータは、舵取り用の車輪の転舵角をステアリングホイールの操作角に合わせるべく、セルフアライニングトルクと逆方向のトルク(車輪の戻りを妨げる方向のトルク)を発生するように制御される。そのため、上述の構成では、舵取り用の車輪の中立位置への戻りが遅かった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、セルフアライニングトルクによる舵取り用の車輪の中立位置への速やかな戻りを実現できる車両用操舵装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車両の操向のための操作部材(1)の操作と舵取り用の車輪(5)の転舵との対応関係を変更可能に構成されており、上記操作部材の操作に応じて上記車輪を転舵させるための舵取り機構(4,6,7)を動作させる車両用操舵装置であって、上記舵取り機構の動作駆動源としての操舵アクチュエータ(2)と、セルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態を検出する復帰状態検出手段(14,S1,S2)と、この復帰状態検出手段によって復帰状態が検出されている間、上記操舵アクチュエータの駆動を停止する駆動停止手段(S4)とを含むことを特徴とする車両用操舵装置である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、舵取り用の車輪がセルフアライニングトルクによって中立位置へ復帰しつつある状態のときには、操舵アクチュエータの駆動が停止されて、操舵アクチュエータの発生トルクが零にされる。これにより、従来の装置とは異なり、操舵アクチュエータからの発生トルクによって車輪の中立位置への戻りが妨げられるといったことがなく、車輪の中立位置への速やかな戻りを実現することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、車両の操向のための操作部材(1)の操作と舵取り用の車輪(5)の転舵との対応関係を変更可能に構成されており、上記操作部材の操作に応じて上記車輪を転舵させるための舵取り機構(4,6,7)を動作させる車両用操舵装置であって、上記舵取り機構の動作駆動源としての電動式の操舵アクチュエータ(2)と、セルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態を検出する復帰状態検出手段(14,S1,S2)と、この復帰状態検出手段によって復帰状態が検出されている間、その復帰状態によって上記操舵アクチュエータに発生する逆起電圧を相殺するような駆動電圧を上記操舵アクチュエータに印加する手段(14)とを含むことを特徴とする車両用操舵装置である。
【0009】
たとえば、舵取り機構に駆動力を与える操舵アクチュエータが電動モータで構成される場合、舵取り用の車輪がセルフアライニングトルクによって中立位置へ復帰しつつある状態のときには、車輪の動き(戻り)によって操舵アクチュエータに逆起電圧が発生し、セルフアライニングトルクによる車輪の戻りを妨げる方向のトルクが操舵アクチュエータから舵取り機構に与えられる。そのため、車輪の戻りが遅くなってしまう。
【0010】
請求項2の発明によれば、復帰状態が検出されている間、このとき操舵アクチュエータに発生する逆起電圧を相殺するような駆動電圧が操舵アクチュエータに印加される。これにより、操舵アクチュエータに発生する逆起電圧による影響を排除でき、セルフアライニングトルクによる舵取り用の車輪の中立位置への速やかな戻りを実現することができる。
なお、上記操舵アクチュエータが電動モータで構成される場合、セルフアライニングトルクによる車輪の戻りに伴って発生する逆起電圧が、その車輪の戻りによって回転される電動モータの回転速度にほぼ比例することから、上記車両用操舵装置は、電動モータの回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と、このモータ回転速度検出手段によって検出される回転速度に基づいて、上記電動モータに印加すべき電圧を決定する手段とをさらに含んでもよい。
【0011】
また、請求項3記載のように、請求項1または2記載の車両用操舵装置は、上記操作部材の位置を検出する操作位置検出手段(11)と、上記車輪の位置を検出する車輪位置検出手段(13)とをさらに含んでいてもよく、この場合、上記復帰状態検出手段は、上記操作位置検出手段および車輪位置検出手段の検出結果に基づいて、上記操作部材の操作方向に関して、上記操作部材の動きが上記車輪の動きよりも遅れているか否かを判断し(S2)、この判断が肯定されている状態をセルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態と検出するものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。この車両用操舵装置は、ステアリングホイール1と舵取り機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイール1の回転操作に応じて駆動される操舵アクチュエータ2の動作を、ハウジング3に支持された操舵軸4の車幅方向の直線運動に変換し、この操舵軸4の直線運動を舵取り用の前部左右車輪5の転舵運動に変換することにより操舵を達成するようにした、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムである。
【0013】
操舵アクチュエータ2は、たとえば、ブラシレスモータ等の電動モータを含む構成である。この電動モータの駆動力(出力軸の回転力)は、操舵軸4に関連して設けられた運動変換機構(たとえば、ボールねじ機構)により、操舵軸4の軸方向(車幅方向)の直線運動に変換される。この操舵軸4の直線運動は、操舵軸4の両端から突出して設けられたタイロッド6に伝達され、さらにタイロッド6を介してキングピンPに連結されたナックルアーム7の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム7に支持された車輪5の転舵が達成される。操舵軸4、タイロッド6およびナックルアーム7などにより、舵取り用の車輪5を転舵するための舵取り機構が構成されている。
【0014】
ステアリングホイール1は、車体に対して回転可能に支持された回転シャフト8に連結されている。この回転シャフト8には、ステアリングホイール1に操作反力を与えるための反力アクチュエータ9が付設されている。反力アクチュエータ9は、回転シャフト8と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータを含む。
回転シャフト8のステアリングホイール1とは反対側の端部には、渦巻きばね等からなる弾性部材10が車体との間に結合されている。この弾性部材10は、反力アクチュエータ9がステアリングホイール1にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる。
【0015】
ステアリングホイール1の操作入力値を検出するために、回転シャフト8に関連して、ステアリングホイール1の操作角を検出するための操作角センサ11が設けられている。また、回転シャフト8には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクを検出するためのトルクセンサ12が設けられている。一方、操舵軸4に関連して、舵取り用の車輪5の転舵角を検出するための転舵角センサ13が設けられている。
【0016】
操作角センサ11、トルクセンサ12および転舵角センサ13は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置14に接続されている。この制御装置14には、さらに、車速を検出するための車速センサ15が接続されている。制御装置14は、たとえば、転舵角センサ13によって検出される転舵角に所定のギヤ比Rを乗じた値(以下、「仮想ピニオン角」という。)が、操作角センサ11によって検出されるステアリングホイール1の操作角に近づくように、駆動回路16を介して、操舵アクチュエータ2を制御する。また、制御装置14は、たとえば、操作角センサ11、トルクセンサ12および車速センサ15などの検出信号に基づいて、ステアリングホイール1の操作方向と逆方向の適当な反力を発生するように、駆動回路17を介して、反力アクチュエータ9を制御する。
【0017】
なお、この実施形態において、ステアリングホイール1の操作角は、ステアリングホイール1が中立位置(車両直進時の位置)の時に零をとり、その中立位置からステアリングホイール1が右左に切り込まれている状態でそれぞれ正負の値をとるものとする。また、車輪5の転舵角は、車輪5が中立位置の時に零をとり、その中立位置から右左に転舵されている状態(操舵軸4が中立位置から左右に片寄っている状態)でそれぞれ正負の値をとるものとする。
【0018】
図2は、操舵アクチュエータ2の制御のためのルーチン(アクチュエータ制御ルーチン)の流れを示す図である。制御装置14は、車両のイグニッションキースイッチがオンにされている間、この図2に示すアクチュエータ制御ルーチンを所定の制御周期で繰り返し実行する。
制御装置14は、まず、ステアリングホイール1の操作速度VELを演算する(ステップS1)。操作速度VELは、たとえば、予め定めるT秒間の時間間隔を空けて、ステアリングホイール1の操作角ST,STaを検出し、後に検出した操作角STから先に検出した操作角STa(T秒前に検出した操作角STa)を減算して得られる値を時間Tで除算することにより求めることができる。すなわち、制御装置14は、下記第(1)式に従って、単位時間当たりのステアリングホイール1の操作角変化量である操作速度VELを演算する。
【0019】
VEL=(ST−STa)/T ・・・・・・(1)
また、制御装置14は、操作角STの検出と同時に車輪5の転舵角WHを検出して、その転舵角WHに所定のギヤ比Rを乗じることにより仮想ピニオン角PIを演算し、この演算した仮想ピニオン角PIと操作角STとの偏差DEV=ST−PIを求める(ステップS1)。
操作速度VELが正の値をとるのは、操作角センサ11によって検出されるステアリングホイール1の操作角が正の方向に増加しているときであるから、このとき、ステアリングホイール1は右方向に回転していると判断できる。これとは逆に、操作速度VELが負の値をとるのは、操作角センサ11によって検出されるステアリングホイール1の操作角が負の方向に増加しているときであるから、このとき、ステアリングホイール1は左方向に回転していると判断できる。
【0020】
また、偏差DEVが正の値をとるのは、ステアリングホイール1の動きが舵取り用の車輪5の動きに対して右方向に先行しているとき(ステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して左方向に遅れているとき)であり、偏差DEVが負の値をとるのは、ステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して左方向に先行しているとき(ステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して右方向に遅れているとき)である。
【0021】
したがって、上述のステップS1で求めた操作速度VELおよび偏差DEVがともに正の値であるときには、ステアリングホイール1は右方向に回転していて、かつ、そのステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して右方向に先行していると判断でき、このとき、運転者によってステアリングホイール1が右方向に積極的に回転操作されていると判断できる。また、操作速度VELおよび偏差DEVがともに負の値であるときには、ステアリングホイール1は左方向に回転していて、かつ、そのステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して左方向に先行していると判断でき、このとき、運転者によってステアリングホイール1が左方向に積極的に回転操作されていると判断できる。
【0022】
一方、操作速度VELが負の値であり、かつ、偏差DEVが正の値であるときには、ステアリングホイール1は左方向に回転していて、かつ、そのステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して左方向に遅れていると判断できる。言い換えれば、左方向に回転しているステアリングホイール1に対して車輪5の動きが先行していると判断でき、このとき、中立位置から右に切り込まれたステアリングホイール1から手が放されて、車輪5にセルフアライニングトルク(中立位置へ戻ろうとするトルク)が作用していると判断することができる。また、操作速度VELが正の値であり、かつ、偏差DEVが負の値であるときには、ステアリングホイール1は右方向に回転していて、かつ、そのステアリングホイール1の動きが車輪5の動きに対して右方向に遅れていると判断できる。言い換えれば、右方向に回転しているステアリングホイール1に対して車輪5の動きが先行していると判断でき、このとき、中立位置から左に切り込まれたステアリングホイール1から手が放されて、車輪5にセルフアライニングトルク(中立位置へ戻ろうとするトルク)が作用していると判断することができる。
【0023】
そこで、制御装置14は、上述のステップS1で求めた操作速度VELと偏差DEVとを乗算し、その乗算値が正の値であれば(ステップS2でNO)、運転者によってステアリングホイール1が積極的に回転操作されていると判断する。そして、偏差DEVに所定の制御ゲインGを乗算することにより、アクチュエータ制御量JNを設定し、その設定したアクチュエータ制御量JNに基づいて、駆動回路16を介して操舵アクチュエータ2を制御する(ステップS3)。これにより、偏差DEVが零に近づくように操舵アクチュエータ2が制御され、ステアリングホイール1の操作に応じた車輪5の転舵が達成される。
【0024】
一方、操作速度VELと偏差DEVとの乗算値が負の値であれば(ステップS2でYES)、制御装置14は、ステアリングホイール1の積極的な操作は行われておらず、車輪5はセルフアライニングトルクによって中立位置に向かって戻りつつあると判断して、アクチュエータ制御量JNを零に設定し、駆動回路16から操舵アクチュエータ2への給電を停止する(ステップS4)。すなわち、車輪5がセルフアライニングトルクによって中立位置へ向けて復帰しつつある状態では、操舵アクチュエータ2の発生トルクが零にされる。これにより、従来の装置とは異なり、操舵アクチュエータ2からの発生トルクによって車輪5の中立位置への戻りが妨げられるといったことがなく、車輪5は中立位置へ速やかに戻される。
【0025】
この発明の一実施形態の説明は以上の通りであるが、この発明は、他の形態で実施することも可能である。たとえば、上述の実施形態において、車輪5がセルフアライニングトルクによって中立位置に向かって戻りつつある状態では、アクチュエータ制御量JNを零に設定し、駆動回路16から操舵アクチュエータ2への給電を停止するとしたが、操舵アクチュエータ2への給電を停止するのではなく、そのとき操舵アクチュエータ2に発生する逆起電圧を相殺する駆動電圧を操舵アクチュエータ2に印加するようにしてもよい。
【0026】
すなわち、舵取り用の車輪5がセルフアライニングトルクによって中立位置へ復帰しつつある状態のときには、車輪5の動き(戻り)に伴って操舵アクチュエータ2が回転し、この回転によって、操舵アクチュエータ2に逆起電圧が発生する。その結果、セルフアライニングトルクによる車輪5の戻りを妨げる方向のトルクが操舵アクチュエータから舵取り機構に与えられ、車輪5の戻りが遅くなってしまう。そこで、車輪5が中立位置へ戻りつつある状態のときには、このとき発生する逆起電圧を相殺するような駆動電圧を操舵アクチュエータ2に印加して、逆起電圧による影響を排除することにより、セルフアライニングトルクによる舵取り用の車輪5の中立位置への一層速やかな戻りを実現することができる。
【0027】
なお、セルフアライニングトルクによる車輪5の戻りに伴って操舵アクチュエータ2に発生する逆起電圧は、図3に示すように、その車輪5の戻りによって回転する操舵アクチュエータ2の回転速度にほぼ比例するから、逆起電圧を相殺するために操舵アクチュエータ2に印加すべき駆動電圧は、操舵アクチュエータ2の回転速度に応じて設定されるとよい。
また、上述の実施形態では、操作部材としてステアリングホイール1が採用された構成を例にとって説明したが、この他にも、直線的に操作されるレバーや足で操作されるペダルなどが操作部材として用いられてもよい。
【0028】
さらにまた、この発明は、上述のようなステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムに限らず、操作部材の操作角と舵取り機構の転舵角との対応関係を変更することができる車両用操舵装置に対して広く適用することができる。たとえば、操作部材の操作角に対する舵取り機構の転舵角の比(ギヤ比)を変更可能な操舵装置(いわゆるバリアブル・ギヤレシオ・ステアリング(VGS)システム)に適用することも可能である。
【0029】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。
【図2】操舵アクチュエータの制御のためのルーチン(アクチュエータ制御ルーチン)の流れを示す図である。
【図3】操舵アクチュエータ(電動モータ)の回転速度と操舵アクチュエータに生じる逆起電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 操舵アクチュエータ
3 ハウジング
4 操舵軸
5 車輪
6 タイロッド
7 ナックルアーム
11 操作角センサ
12 トルクセンサ
13 転舵角センサ
14 制御装置

Claims (3)

  1. 車両の操向のための操作部材の操作と舵取り用の車輪の転舵との対応関係を変更可能に構成されており、上記操作部材の操作に応じて上記車輪を転舵させるための舵取り機構を動作させる車両用操舵装置であって、
    上記舵取り機構の動作駆動源としての操舵アクチュエータと、セルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態を検出する復帰状態検出手段と、
    この復帰状態検出手段によって復帰状態が検出されている間、上記操舵アクチュエータの駆動を停止する駆動停止手段と
    を含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 車両の操向のための操作部材の操作と舵取り用の車輪の転舵との対応関係を変更可能に構成されており、上記操作部材の操作に応じて上記車輪を転舵させるための舵取り機構を動作させる車両用操舵装置であって、
    上記舵取り機構の動作駆動源としての電動式の操舵アクチュエータと、セルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態を検出する復帰状態検出手段と、
    この復帰状態検出手段によって復帰状態が検出されている間、その復帰状態によって上記操舵アクチュエータに発生する逆起電圧を相殺するような駆動電圧を上記操舵アクチュエータに印加する手段と
    を含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 上記車両用操舵装置は、
    上記操作部材の位置を検出する操作位置検出手段と、
    上記車輪の位置を検出する車輪位置検出手段と
    をさらに含み、
    上記復帰状態検出手段は、上記操作位置検出手段および車輪位置検出手段の検出結果に基づいて、上記操作部材の操作方向に関して、上記操作部材の動きが上記車輪の動きよりも遅れているか否かを判断し、この判断が肯定されている状態をセルフアライニングトルクによる上記車輪の中立位置への復帰状態と検出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の車両用操舵装置。
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