JP4019758B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイールなどの操作部材の操作に対する舵取り用車輪の転舵の関係を変更可能な車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ステアリングホイールと舵取り用の車輪を転舵するための舵取り機構とを機械的に切り離し、ステアリングホイールの操作角を検出するとともに、その検出結果に基づいて、舵取り機構に操舵アクチュエータからのトルクを与えることにより、舵取り用の車輪の転舵を達成するようにしたシステム(いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システム)が提案されている。
【0003】
操舵アクチュエータは、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置によって制御されるようになっている。すなわち、ステアリングホイールの操作角を検出する操作角センサおよび舵取り用の車輪の転舵角を検出する転舵角センサの各検出信号が制御装置に入力されていて、制御装置は、それらの入力信号に基づいて、舵取り用の車輪の転舵角がステアリングホイールの操作角に合うように操舵アクチュエータを制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これにより、ステアリングホイールを中立位置にすると、舵取り用の車輪は車両の直進方向に沿った状態となり、走行中の路面が平坦であれば、車両は直進する。ところが、車両の直進方向に関して左右に傾斜している路面を走行している場合、車両はその傾斜に沿って下方に流されてしまう。したがって、そのような傾斜路面で車両を直進させるためには、ステアリングホイールを傾斜度合い(勾配)に応じて切り込んだ状態で保持しなければならず、運転者にとって、そのステアリング操作は煩わしいものである。
【0005】
そこで、この発明の目的は、車両の直進方向に関して左右に傾斜した路面を直進走行する際のステアリング操作の煩わしさを軽減できる車両用操舵装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車両の操向のための操作部材(1)の操作と舵取り用の車輪(5)の転舵との関係を変更可能な車両用操舵装置であって、車両直進方向に関して左右方向の路面の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段(16)と、この傾斜状態検出手段によって検出される傾斜状態および上記操作部材の操作に基づいて、上記車輪を転舵させるための舵取り機構を制御する制御手段(14)と、上記操作部材の操作位置を検出する操作位置検出手段(11)と、上記車輪の転舵位置を検出する車輪位置検出手段(13)と、車速を検出するための車速検出手段(15)とを含み、上記傾斜状態検出手段は、路面の左右勾配を検出するものであり、上記制御手段は、車両の重量、上記車速検出手段によって検出される車速、上記傾斜状態検出手段によって検出される左右勾配、路面摩擦係数および予め定めるゲインを掛け合わせることにより、その傾斜路面において車両が直進する際の上記車輪の転舵位置に相当する勾配オフセット量を演算し(S3)、この演算した勾配オフセット量分だけ上記車輪位置検出手段によって検出される転舵位置を傾斜路面の下方向にオフセットし、このオフセット後の位置に所定のギヤ比を乗じた値が、上記操作位置検出手段によって検出される操作位置と等しくなるように、上記舵取り機構を制御(S4)することを特徴とする車両用操舵装置である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、車両直進方向に関して左右方向の路面傾斜状態に応じた舵取り機構の制御を実現できる。
【0008】
記制御装置は、車両が傾斜路面において直進する際の上記車輪の転舵位置に相当する勾配オフセット量を演算して、この演算した勾配オフセット量分だけ上記車輪位置検出手段による検出転舵位置を傾斜路面の下方向にオフセットし、このオフセット後の位置に所定のギヤ比を乗じた値が、上記操作位置検出手段による検出操作位置と等しくなるように、上記舵取り機構を制御する
【0010】
この制御により、検出操作位置が零のとき(操作部材が中立位置に保持されているとき)には、検出転舵位置が勾配オフセット量に応じた転舵位置に等しくなるように舵取り機構が動作する。よって、走行中の路面が右上がりに傾斜している場合には、検出操作位置が零の状態で、その路面勾配に応じた勾配オフセット量分だけ右方向(車両が斜面を上がっていく方向)に車輪が転舵される。また、走行中の路面が左上がりに傾斜している場合には、検出操作位置が零の状態で、その路面勾配に応じた勾配オフセット量分だけ左方向(車両が斜面を上がっていく方向)に車輪が転舵される。よって、路面が左右に傾斜している場合でも、運転者は路面勾配に応じた煩わしいステアリング操作を行う必要がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。この車両用操舵装置は、ステアリングホイール1と舵取り機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイール1の回転操作に応じて駆動される操舵アクチュエータ2の動作を、ハウジング3に支持された操舵軸4の車幅方向の直線運動に変換し、この操舵軸4の直線運動を舵取り用の前部左右車輪5の転舵運動に変換することにより操舵を達成するようにした、いわゆるステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムである。
【0012】
操舵アクチュエータ2は、たとえば、ブラシレスモータ等の電動モータを含む構成である。この電動モータの駆動力(出力軸の回転力)は、操舵軸4に関連して設けられた運動変換機構(たとえば、ボールねじ機構)により、操舵軸4の軸方向(車幅方向)の直線運動に変換される。この操舵軸4の直線運動は、操舵軸4の両端から突出して設けられたタイロッド6に伝達され、さらにタイロッド6を介してキングピンPに連結されたナックルアーム7の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム7に支持された車輪5の転舵が達成される。操舵軸4、タイロッド6およびナックルアーム7などにより、舵取り用の車輪5を転舵するための舵取り機構が構成されている。
【0013】
ステアリングホイール1は、車体に対して回転可能に支持された回転シャフト8に連結されている。この回転シャフト8には、ステアリングホイール1に操作反力を与えるための反力アクチュエータ9が付設されている。反力アクチュエータ9は、回転シャフト8と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータを含む。
回転シャフト8のステアリングホイール1とは反対側の端部には、渦巻きばね等からなる弾性部材10が車体との間に結合されている。この弾性部材10は、反力アクチュエータ9がステアリングホイール1にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる。
【0014】
ステアリングホイール1の操作入力値を検出するために、回転シャフト8に関連して、ステアリングホイール1の操作角を検出するための操作角センサ11が設けられている。また、回転シャフト8には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクを検出するためのトルクセンサ12が設けられている。一方、操舵軸4に関連して、舵取り用の車輪5の転舵角を検出するための転舵角センサ13が設けられている。
【0015】
操作角センサ11、トルクセンサ12および転舵角センサ13は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置14に接続されている。この制御装置14には、さらに、車速を検出するための車速センサ15と、車両が走行している路面の左右勾配(車両直進方向に関して左右方向の傾斜度合い)を検出する勾配検出器16とが接続されている。
勾配検出器16は、たとえば、CCDカメラによって撮像した車両前方の路面の画像に基づいて路面勾配を検出するものであってもよいし、重力加速度を検出するGセンサを備え、このGセンサの検出結果に基づいて路面勾配を算出するものであってもよい。また、左右車輪5にそれぞれ結合されたサスペンションの変位量を検出する変位センサを備え、この変位センサの検出結果に基づいて路面勾配を算出するものであってもよい。
【0016】
制御装置14は、操作角センサ11によって検出される操作角(以下「検出操作角」という。)、転舵角センサ13によって検出される転舵角(以下「検出転舵角」という。)、車速センサ15によって検出される車速および勾配検出器16によって検出される路面勾配などに応じたアクチュエータ制御量を設定し、このアクチュエータ制御量に基づいて、駆動回路17を介して操舵アクチュエータ2を制御する。また、制御装置14は、検出操作角、トルクセンサ12によって検出される操作トルクおよび車速センサ15によって検出される車速に基づいて、ステアリングホイール1の操作方向と逆方向の適当な反力が発生されるように、駆動回路18を介して反力アクチュエータ9を制御する。
【0017】
なお、以下の説明において、転舵角センサ13による検出転舵角は、車輪5が中立位置の時に零であり、その中立位置から右左に転舵されている状態(操舵軸4が中立位置から左右に片寄っている状態)でそれぞれ正負の値をとるものとする。また、勾配検出器16によって検出される勾配は、路面が平坦で傾斜していない時に零であり、路面が車両直進方向に関して右上がりに傾斜している場合に正の値をとり、路面が左上がりに傾斜している場合に負の値をとるものとする。
【0018】
図2は、操舵アクチュエータ2の制御のためのルーチン(アクチュエータ制御ルーチン)の流れを示す図である。制御装置14は、車両のイグニッションキースイッチがオンにされている間、この図2に示すアクチュエータ制御ルーチンを所定の制御周期で繰り返し実行する。
制御装置14は、まず、勾配検出器16の出力を参照して、走行中の路面が車両直進方向に関して左右に傾斜しているか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、制御装置14は、勾配検出器16によって検出された路面勾配の絶対値が予め定めるしきい値以下であれば、走行中の路面はほぼ平坦であると判断し、勾配検出器16によって検出された路面勾配の絶対値が予め定めるしきい値を超えていれば、走行中の路面は傾斜していると判断する。
【0019】
走行中の路面がほぼ平坦な路面であって傾斜していない場合、制御装置14は、ステアリングホイール1の操作角および車輪5の転舵角に応じたアクチュエータ制御量を演算する(ステップS2)。制御装置14は、たとえば、操作角センサ11による検出操作角と転舵角センサ13による検出転舵角に所定のギヤ比を乗じた値との偏差を求め、この偏差に所定の制御ゲインを乗算することによりアクチュエータ制御量を設定する。そして、その設定したアクチュエータ制御量に基づいて、駆動回路17を介して操舵アクチュエータ2を制御する。
【0020】
一方、走行中の路面が傾斜している場合には、制御装置14は、その傾斜路面において車両を直進させるために必要な車輪5の転舵角(勾配オフセット量)を演算する(ステップS3)。この勾配オフセット量は、たとえば、車両の重量(既知値)、車速センサ15によって検出された車速、勾配検出器16によって検出された勾配(傾斜角)および予め定めるゲインを掛け合わせることにより求めることができる。なお、勾配検出器16によって検出される勾配が、路面が右上がりに傾斜している場合に正の値をとり、路面が左上がりに傾斜している場合に負の値をとるので、上記のようにして求められる勾配オフセット量は、路面が右上がりに傾斜している場合に正の値をとり、路面が左上がりに傾斜している場合に負の値をとる。
【0021】
勾配オフセット量の演算後、制御装置14は、その演算した勾配オフセット量、操作角センサ11による検出操作角および転舵角センサ13による検出転舵角に応じたアクチュエータ制御量を設定し(ステップS4)、その設定したアクチュエータ制御量に基づいて、駆動回路17を介して操舵アクチュエータ2を制御する。
具体的には、まず、検出転舵角からステップS3で演算した勾配オフセット量が減算される。そして、この減算結果(オフセット転舵角)に上記所定のギヤ比を乗じた値と操作角センサ11による検出操作角との偏差が求められ、この偏差に所定の制御ゲインが乗算されることによりアクチュエータ制御量が設定される。こうして設定されたアクチュエータ制御量に基づいて、操舵アクチュエータ2の制御が行われることにより、操舵アクチュエータ2は、オフセット転舵角に所定のギヤ比を乗じた値と検出操作角との偏差が零に近づくように動作する。
【0022】
すなわち、制御装置14は、車両が傾斜路面において直進する際の車輪5の転舵位置に相当する勾配オフセット量を演算して、この演算した勾配オフセット量分だけ転舵角センサ13による検出転舵角を傾斜路面の下方向にオフセットし、このオフセット後の値に上記所定のギヤ比を乗じた値が、操作角センサ11による検出操作角と等しくなるように舵取り機構2を制御する。
したがって、検出操作角が零のとき、つまりステアリングホイール1が中立位置に保持されているときには、オフセット転舵角に所定のギヤ比を乗じた値が零に近づくように操舵アクチュエータ2が動作する。言い換えれば、転舵角センサ13による検出転舵角が勾配オフセット量に近づくように操舵アクチュエータ2が動作する。これにより、走行中の路面が右上がりに傾斜している場合には、ステアリングホイール1を中立位置に保持した状態で、その路面勾配に応じた勾配オフセット量分だけ右方向(車両が斜面を上がっていく方向)に車輪5が転舵される。また、走行中の路面が左上がりに傾斜している場合には、ステアリングホイール1を中立位置に保持した状態で、その路面勾配に応じた勾配オフセット量分だけ左方向(車両が斜面を上がっていく方向)に車輪5が転舵される。よって、路面が左右に傾斜している場合でも、ステアリングホイール1を中立位置に保持すれば車両を直進させることができ、路面勾配に応じた煩わしいステアリング操作を行う必要がない。
【0023】
なお、この実施形態では、車両重量、車速、路面勾配および予め定めるゲインを掛け合わせることにより、勾配オフセット量を求めることができるとしたが、車両重量、車速、路面勾配および予め定めるゲインにさらに路面μ(路面摩擦係数)が掛け合わされることにより、勾配オフセット量が求められてもよい。路面μを考慮することにより、路面状態に応じて勾配オフセット量を設定することができ、左右に傾斜した路面において、ステアリングホイール1を中立位置に保持した状態で、車両をより安定して直進させることができる。
【0024】
図3は、この発明の他の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。操作部材としてのステアリングホイール21に加えられた操舵トルクは、ステアリングシャフト22を介して、ステアリング機構23に機械的に伝達される。ステアリング機構23には、電動モータ24(アクチュエータ)から発生する駆動力が操舵補助力として伝達されるようになっている。
【0025】
ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21側に結合された入力軸22Aと、ステアリング機構23側に結合された出力軸22Bとに分割されていて、これらの入力軸22Aおよび出力軸22Bは、トーションバー25によって互いに連結されている。トーションバー25は、ステアリングホイール1に加えられた操舵トルクに応じてねじれを生じるものであり、このねじれの方向および量は、トルクセンサ26よって検出されるようになっている。
【0026】
トルクセンサ26は、たとえば、入力軸22Aと出力軸22Bとの回転方向の位置関係の変化に応じて変化する磁気抵抗を検出する磁気式のもので構成されている。このトルクセンサ26の出力信号は、マイクロコンピュータを含む構成の電子制御ユニット(ECU)27に入力されている。この電子制御ユニット27には、さらに、車速を検出するための車速センサ28と、車両が走行している路面の左右勾配を検出する勾配検出器29とが接続されている。勾配検出器29は、上述した実施形態に係る車両用操舵装置に備えられている勾配検出器16(図1参照)と同様な構成である。
【0027】
電子制御ユニット27は、トルクセンサ26、車速センサ28および勾配検出器29から入力される信号に基づいて、電動モータ24の目標電流値を設定し、その設定した目標電流値に基づいて、電動モータ24をフィードバック制御する。
なお、この実施形態において、トルクセンサ26によって検出される操舵トルクは、ステアリングホイール21が右方向に操作された場合に正の値をとり、ステアリングホイール21が左方向に操作された場合に負の値をとるものとする。また、電動モータ24から右方向操舵を補助するトルクを発生させるための目標電流値には正の符号を付し、電動モータ24から左方向操舵を補助するトルクを発生させるための目標電流値には負の符号を付すこととする。
【0028】
図4は、電子制御ユニット27による目標電流値の設定について説明するためのフローチャートである。電子制御ユニット27は、車両のイグニッションキースイッチがオンにされている間、この図4に示すアクチュエータ制御ルーチンを所定の制御周期で繰り返し実行する。
電子制御ユニット27は、まず、勾配検出器29の出力を参照して、走行中の路面が、平坦であるか、車両直進方向に関して左上がりに傾斜しているか、車両直進方向に関して右上がりに傾斜しているかを判断する(ステップT1,T2)。
【0029】
勾配検出器29によって検出された路面勾配の絶対値が予め定めるしきい値以下であれば、電子制御ユニット27は、走行中の路面はほぼ平坦であると判断して、予め作成された平坦路用アシスト特性マップに従って、トルクセンサ26によって検出される操舵トルクに応じた目標電流値を設定する(ステップT3)。平坦路用アシスト特性マップは、操舵トルクに対する目標電流値の特性を定めたものであり、所定の車速域(高速域、中速域、低速域)ごとに用意されていて、各特性マップは、操舵トルクが大きいほど大きな目標電流値をとり、かつ、原点に関して対称となるように定められている。したがって、平坦路を走行中は、ステアリングホイール21を左方向に操作した場合と右方向に操作した場合とで、操舵トルクの大きさが同じであれば、電動モータ24の目標電流値の絶対値は同じ値に設定され、ほぼ同様な操舵補助が行われる。
【0030】
勾配検出器29によって検出された路面勾配の絶対値が予め定めるしきい値を超えており、かつ、正の値である場合には、電子制御ユニット27は、走行中の路面が右上がりに傾斜していると判断して、予め作成された右上がり傾斜用アシスト特性マップに従って、トルクセンサ26によって検出される操舵トルクに応じた目標電流値を設定する(ステップT4)。右上がり傾斜用アシスト特性マップは、たとえば、平坦路用アシスト特性マップ(各車速域の特性マップ)を操舵トルクの負の方向に所定量シフトさせることにより作成されている。したがって、右上がりに傾斜した路面の走行中は、ステアリングホイール21を左方向に操作した場合と右方向に操作した場合とで、同じ大きさの操舵トルクに対する目標電流値は右方向に操作した場合の方が大きな値に設定され、左方向操舵よりも右方向操舵の方が大きな操舵補助が得られる。これにより、運転者は、右方向への操舵、つまり路面の傾斜を上がる方向の操舵(車両を直進させるための操舵)を楽に行うことができる。
【0031】
一方、勾配検出器29によって検出された路面勾配の絶対値が予め定めるしきい値を超えており、かつ、負の値である場合には、電子制御ユニット27は、走行中の路面が左上がりに傾斜していると判断して、予め作成された左上がり傾斜用アシスト特性マップに従って、トルクセンサ26によって検出される操舵トルクに応じた目標電流値を設定する(ステップT5)。左上がり傾斜用アシスト特性マップは、たとえば、平坦路用アシスト特性マップ(各車速域の特性マップ)を操舵トルクの正の方向に所定量シフトさせることにより作成されている。したがって、左上がりに傾斜した路面の走行中は、ステアリングホイール21を左方向に操作した場合と右方向に操作した場合とで、同じ大きさの操舵トルクに対する目標電流値は左方向に操作した場合の方が大きな値に設定され、右方向操舵よりも左方向操舵の方が大きな操舵補助が得られる。これにより、運転者は、左方向への操舵、つまり路面の傾斜を上がる方向の操舵(車両を直進させるための操舵)を楽に行うことができる。
【0032】
なお、この実施形態では、平坦路用アシスト特性マップをシフトさせることにより、右上がり傾斜用アシスト特性マップおよび左上がり傾斜用アシスト特性マップが作成されているとしたが、平坦路用アシスト特性マップにおけるゲイン(操舵トルクに対する目標電流値の比)が変更されることにより、右上がり傾斜用アシスト特性マップおよび左上がり傾斜用アシスト特性マップが作成されてもよい。すなわち、操舵トルクが正の範囲における平坦路用アシスト特性マップのゲインを大きくすることにより、右上がり傾斜用アシスト特性マップが作成され、操舵トルクが負の範囲における平坦路用アシスト特性マップのゲインを大きくすることにより、左上がり傾斜用アシスト特性マップが作成されてもよい。さらには、平坦路用アシスト特性マップのシフトおよびゲイン変更により、右上がり傾斜用アシスト特性マップおよび左上がり傾斜用アシスト特性マップが作成されてもよい。また、平坦路用アシスト特性マップをシフトさせる所定量は、路面勾配が大きくなるほど大きくなるように設定してもよい。
【0033】
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、上述の各実施形態では、操作部材としてステアリングホイール1,21が採用された構成を例にとって説明したが、この他にも、直線的に操作されるレバーや足で操作されるペダルなどが操作部材として用いられてもよい。
また、上述の実施形態では、車両用操舵装置の例としてステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムを取り上げたが、この発明は、ステア・バイ・ワイヤシステムに限らず、操作部材の操作角と舵取り機構の転舵角との対応関係を変更することができる車両用操舵装置に対して広く適用することができる。たとえば、操作部材の操作角に対する舵取り機構の転舵角の比(ギヤ比)を変更可能であり、操作部材と舵取り機構とが機械的に連結されている操舵装置(いわゆるバリアブル・ギヤレシオ・ステアリング(VGS)システム)に適用することも可能である。
【0034】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を説明するための概念図である。
【図2】操舵アクチュエータの制御のためのルーチン(アクチュエータ制御ルーチン)の流れを示す図である。
【図3】この発明の他の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】電動モータの目標電流値の設定について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 操舵アクチュエータ
3 ハウジング
4 操舵軸
5 車輪
6 タイロッド
7 ナックルアーム
11 操作角センサ
13 転舵角センサ
14 制御装置
16 勾配検出器

Claims (1)

  1. 車両の操向のための操作部材の操作と舵取り用の車輪の転舵との関係を変更可能な車両用操舵装置であって、
    車両直進方向に関して左右方向の路面の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段と、
    この傾斜状態検出手段によって検出される傾斜状態および上記操作部材の操作に基づいて、上記車輪を転舵させるための舵取り機構を制御する制御手段と、
    上記操作部材の操作位置を検出する操作位置検出手段と、
    上記車輪の転舵位置を検出する車輪位置検出手段と
    車速を検出するための車速検出手段とを含み、
    上記傾斜状態検出手段は、路面の左右勾配を検出するものであり、
    上記制御手段は、車両の重量、上記車速検出手段によって検出される車速、上記傾斜状態検出手段によって検出される左右勾配、路面摩擦係数および予め定めるゲインを掛け合わせることにより、その傾斜路面において車両が直進する際の上記車輪の転舵位置に相当する勾配オフセット量を演算し、この演算した勾配オフセット量分だけ上記車輪位置検出手段によって検出される転舵位置を傾斜路面の下方向にオフセットし、このオフセット後の位置に所定のギヤ比を乗じた値が、上記操作位置検出手段によって検出される操作位置と等しくなるように、上記舵取り機構を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
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