JP5081123B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両が横に傾斜する傾斜路を直進走行するときの運転者の負担を軽減できる電動パワーステアリング装置に関する。
車両が横に傾斜する傾斜路を走行する場合、車両は傾斜の低い側に流されることから、車両を直進させるためには、操向ハンドルを中立位置から傾斜の高い方向に転舵した状態に保舵しなければならない。すなわち、車両の直進走行でありながら、運転者は、相当の操舵力で操向ハンドルを転舵した状態を維持しなければならず、傾斜路が連続するような場合は、運転者の負担が大きくなるという問題がある。
この問題を解決するため、例えば特許文献1には、車両が傾斜路を走行するときの運転者の負担を、電動パワーステアリング装置によって軽減する技術が開示されている。
特許文献1に開示される技術によると、車両の車速、操舵トルク、及びヨーレートによって車両が傾斜路を走行していることを検出した場合、車両を直進させるために運転者が操向ハンドルを転舵するときの操舵力を軽減するような補助操舵トルクを電動パワーステアリング装置で発生して、運転者の負担を軽減できる。
特開2006−044505号公報(段落0018〜0022、図3参照)
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、例えばタイヤ空気圧が減圧して車両が横方向に流されるときに車両の走行を安定させるべく、運転者が操向ハンドルを転舵している場合であっても、車両が傾斜路を走行していると判定する。そして、運転者が操向ハンドルを転舵するときの操舵力を軽減する補助操舵トルクを電動パワーステアリング装置で発生する。
運転者は、操向ハンドルから受ける操舵反力に対抗する操舵力で操向ハンドルを転舵することから、操舵力が軽減することによって、運転者が操向ハンドルから受ける操舵反力が小さくなる。
このように操舵反力が小さくなると、運転者が操向ハンドルから受ける操舵反力によって、タイヤ空気圧の減圧を察知することが困難になる。
一般的に、車両にはタイヤ空気圧検知システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)が備わり、タイヤ空気圧の異常(主に減圧)を検知する構成になっている。しかしながら、例えばタイヤ空気圧検知システムが故障したときに、運転者が、操舵反力によってタイヤ空気圧の減圧を察知することは、タイヤ空気圧の減圧を早期発見する方法として非常に効果的である。
そこで本発明は、車両のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知システムが故障した場合は、傾斜路を直進させるための操舵力を軽減しない電動パワーステアリング装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、横に傾斜する傾斜路で車両を直進させるための操舵力を軽減する傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与する機能を有するとともに、前記車両のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知システムが故障したときには、前記車両が前記傾斜路を直進する場合であっても、前記傾斜路用補助トルクを前記転舵機構に付与しないことを特徴とする電動パワーステアリング装置とした。
本発明によれば、横に傾斜する傾斜路で車両を直進させる操舵力を電動パワーステアリング装置で軽減することで、運転者の負担を軽減できる。さらに、車両のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知システムが故障した場合は、傾斜路で車両を直進させる操舵力を軽減しないことから、運転者は、電動パワーステアリング装置に備わる操向ハンドルから操舵反力を受けることができる。そして、運転者は、操舵反力によって、車両が横方向に流されていることを察知することができる。
本発明によれば、車両のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知システムが故障した場合は、傾斜路を直進させるための操舵力を軽減しない電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1は、車両に備わる電動パワーステアリング装置及びタイヤ空気圧検知システムの構成図、図2は、EPSECUの機能ブロック図である。
図1に示すように、車両Vの転舵機構は、ラックアンドピニオン機構25のラック軸25aに噛合するピニオンギア(図示せず)と一体に回転動作するステアリング軸22に、操向ハンドル21が取り付けられて構成されている。
そして運転者が操向ハンドル21を転舵すると、図示しないピニオンギアがステアリング軸22と一体に回転してラック軸25aを左右方向に移動し、ラック軸25aに連結される左右の転舵輪2R,2Lが転舵する。
そして、車両Vには、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering)1が備わる。
電動パワーステアリング装置1は、運転者が操向ハンドル21を転舵するときの操舵力を軽減する補助操舵力(補助操舵トルク)を電動力として発生し、転舵機構に付与する電動機23を備えている。
この電動機23の出力軸は、図示しないギアを介してステアリング軸22と噛合し、運転者が操向ハンドル21を転舵したときに、電動機23の出力軸の回転によってステアリング軸22に対する補助操舵トルクを発生して操舵力を軽減する。
また、電動パワーステアリング装置1には、電動機23を駆動制御するためのEPSECU20が備わる。
EPSECU20の詳細は後記するが、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムを実行して電動機23を駆動制御する。
ステアリング軸22にはトルクセンサ16が取り付けられ、操向ハンドル21が転舵されるときの操舵トルクを検出してトルク信号Tsを出力する。トルク信号Tsは、EPSECU20に入力され、EPSECU20はステアリング軸22に発生している操舵トルクを算出できる。そしてEPSECU20は、算出した操舵トルクに基づいて、電動機23の駆動を制御し、運転者が操向ハンドル21を転舵するときの操舵力を軽減する補助操舵トルクを電動機23に発生させる。
また、EPSECU20には、車速センサ17とヨーレートセンサ18が接続される。車速センサ17は、車速を単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速信号Vsを出力する。
ヨーレートセンサ18は、車両Vに発生しているヨーレートを検出するセンサであり、ヨーレート信号Ysを出力する。ヨーレートセンサ18は、例えば、ヨーレートが発生していないときを「0」として、左方向のヨーレートが発生しているときに正の値、右方向のヨーレートが発生しているときに負の値を出力する構成であればよい。
そして、EPSECU20には、車速センサ17が出力する車速信号Vsとヨーレートセンサ18が出力するヨーレート信号Ysが入力され、EPSECU20は車速とヨーレートを算出できる。
次に、タイヤ空気圧検知システム3の構成について説明する。タイヤ空気圧検知システム3は、左右の前輪である転舵輪2R,2L、及び図示しない左右の後輪に備わってタイヤ空気圧を検出する空気圧センサ31と、タイヤ空気圧検知システム3を制御するTPMSECU30を含んで構成される。
空気圧センサ31は、検出したタイヤ空気圧を空気圧信号Psとし、空気圧信号Psを例えば電波を用いて、アンテナを介して無線送信する機能を有する。
TPMSECU30には、空気圧センサ31が送信する電波を受信するため、例えば空気圧センサ31の数に対応した台数の受信機30aが接続される。受信機30aは、各車輪に備わる空気圧センサ31が送信する空気圧信号Psを受信し、TPMSECU30に入力する。
そして、TPMSECU30は、入力された空気圧信号Psに基づいて、左右の転舵輪2R,2L、及び図示しない左右の後輪のタイヤ空気圧を算出できる。
受信機30aの台数は限定するものではなく、例えば、1台の受信機30aがTPMSECU30に接続されるタイヤ空気圧検知システム3であってもよい。
1台の受信機30aが備わる場合、各車輪に備わる空気圧センサ31は、例えば、車輪ごとに異なるIDを含んで空気圧信号Psを送信する構成とすれば、1台の受信機30aで、各車輪の空気圧信号Psを識別できる。
TPMSECU30は、図示しないCPU、ROM、RAMなどを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路などから構成され、例えばROMに格納されるプログラムを実行してタイヤ空気圧検知システム3を制御する。
TPMSECU30は、例えば所定のサンプリングタイミングで、空気圧センサ31から受信機30aを介して入力される空気圧信号Psに基づいて、各車輪のタイヤ空気圧を算出する。そして、算出したタイヤ空気圧が所定の基準値より低い場合、例えば警告灯などによって、タイヤ空気圧が減圧していることを、運転者に報知する構成とすればよい。そのため、タイヤ空気圧検知システム3は、図示しない警告灯などの報知手段を備える構成であってもよい。
また、車両Vには、例えば、CAN(Controller Area Network)プロトコルのネットワーク(以下、CANネットワーク)が車載LAN(Local Area Network)として構築され、TPMSECU30とEPSECU20が、共にCANネットワークに接続する構成が好適である。この構成によって、TPMSECU30とEPSECU20は、CANネットワークを介して互いに通信可能になる。
図2に示すように、EPSECU20は、横断勾配検出部20a、オフセット量設定部20b、減算器20c、補正制御量設定部20d、ゲイン設定部20e、乗算器20f、加算器20g、制御量設定部20h、制御部20i、及びネットワーク制御部20jを含んで構成される。
ネットワーク制御部20jは、車載LANであるCANネットワークにEPSECU20を接続する機能を備え、CANネットワークに接続する他の機器(例えば、TPMSECU30)との通信を制御する。
トルクセンサ16、及び車速センサ17が接続される制御量設定部20hは、電動パワーステアリング装置1(図1参照)の基本動作として、操舵トルク、車速に応じた補助操舵トルクを設定するため、トルク信号Tsに基づいて算出する操舵トルク及び車速信号Vsに基づいて算出する車速に対応した電動機23の制御量Imを算出する。
そして、制御量設定部20hが算出した、電動機23の制御量Imは加算器20gに入力される。
操舵トルク及び車速に基づいて電動機23の制御量Imを算出する方法は公知の技術であり、その詳細な説明は省略する。
横断勾配検出部20aは、トルクセンサ16から入力されるトルク信号Ts、ヨーレートセンサ18から入力されるヨーレート信号Ys、車速センサ17から入力される車速信号Vs等に基づいて傾斜路の勾配(横断勾配)SLTを検出する。
オフセット量設定部20bは、車速に応じて、横断勾配SLTの不感領域であるオフセット量SLToを設定する。そして、減算器20cで、横断勾配検出部20aが検出する横断勾配SLTからオフセット量SLToを減算し、その減算値が補正制御量設定部20dに入力される。
補正制御量設定部20dは、横断勾配SLTとオフセット量SLToの減算値に基づいて補正制御量Isを設定し、乗算器20fに入力する。
また、ゲイン設定部20eは、車速センサ17から入力される車速信号Vsに基づいて車速を算出し、車速に対応した、補正制御量IsのゲインSLTrを設定する。ゲインSLTrは、電動機23が発生する補助操舵トルクを、車速及び横断勾配に応じて調整するための感度である。
ゲイン設定部20eで設定されたゲインSLTrは乗算器20fに入力され、補正制御量設定部20dから入力される補正制御量Isに乗算される。そして、ゲインSLTrが乗算されることでゲイン調整された補正制御量Is’が加算器20gに入力される。
なお、横断勾配検出部20aが横断勾配SLTを検出する方法の詳細、オフセット量設定部20bがオフセット量SLToを設定する方法の詳細、補正制御量設定部20dが補正制御量Isを設定する方法の詳細、及びゲイン設定部20eがゲインSLTrを設定する方法の詳細は、例えば、本出願人が出願した、前記の特許文献1(特開2006−044505号公報)に記載されており、ここでの詳細な記載は省略する。
加算器20gでは、制御量設定部20hから入力される電動機23の制御量Imに、ゲイン調整された補正制御量Is’を加算して制御量Im’が算出され、制御量Im’が制御部20iに入力される。
そして、制御部20iでは、制御量Im’に基づいて、電動機23を駆動するための駆動電流Icが算出され、電動機23に出力される。
このように、本実施形態に係るEPSECU20は、検出した横断勾配SLTに応じて算出される補正制御量Is’が加算された制御量Im’に基づいて、電動機23の駆動電流Icを算出する。この構成によって、横方向に傾斜する傾斜路で車両V(図1参照)を直進させる場合に、運転者が操向ハンドル21(図1参照)を転舵した状態に維持する操舵力を軽減するための補助操舵トルク(傾斜路用補助トルク)を、電動機23に発生させることができる。
そして、傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与することで、車両Vが傾斜路を直進する際の運転者の負担を軽減できる。
しかしながら、例えば転舵輪2R,2L(図1参照)や図示しない後輪のタイヤ空気圧に異常(主に減圧)が発生すると、車両V(図1参照)が横方向に流されることから、運転者は、車両Vが横方向に流れることを防ぐために操向ハンドル21(図1参照)を転舵した状態を維持することになり、ステアリング軸22には操舵トルクが発生する。そして、EPSECU20(図2参照)は、運転者が操向ハンドル21を転舵した状態に維持する操舵力を軽減する補助操舵トルク(傾斜路用補助トルク)を発生するように電動機23(図1参照)の駆動電流Icを算出する。
すなわち、EPSECU20(図1参照)は、車両V(図1参照)が傾斜路を走行していない場合であっても、車両Vが横方向に流されると横断勾配SLTを検出して傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与し、運転者が操向ハンドル21(図1参照)を転舵した状態に維持するための操舵力を軽減する。
その結果、タイヤ空気圧の減圧によって車両Vが横方向に流される際に、運転者が操向ハンドル21から受ける操舵反力が小さくなり、運転者は操舵反力を感じることができない。したがって、運転者は、操舵反力によってタイヤ空気圧の減圧を察知できない。
図1に示すように、タイヤ空気圧の異常(主に減圧)を検知するため、車両Vにはタイヤ空気圧検知システム3が備わっている。しかしながら、仮にタイヤ空気圧検知システム3が故障した場合、タイヤ空気圧検知システム3はタイヤ空気圧の異常を正確に検知することができない。
したがって、前記したように、運転者が、操舵反力によってタイヤ空気圧の減圧を察知することは、タイヤ空気圧の異常を早期発見する方法として非常に効果的である。
そこで、本実施形態に係るEPSECU20は、タイヤ空気圧検知システム3が故障した場合には、横断勾配SLTに基づいて算出される補正制御量Is’を加算しないで電動機23の駆動電流Icを算出し、傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与しない構成とした(適宜図2参照)。
一般的に、タイヤ空気圧検知システム3には、自己を診断して故障を検出する自己診断機能が備わる。
タイヤ空気圧検知システム3の自己診断機能の構成は限定するものではないが、例えば、空気圧センサ31が送信する電波を受信機30aが所定の期間受信しないときに、TPMSECU30が、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出する自己診断機能がある。
そして、自己診断機能によって、タイヤ空気圧検知システム3の故障をTPMSECU30が検出したとき、タイヤ空気圧検知システム3の故障を、例えばCANネットワークを介して、EPSECU20に通知する構成が好適である。
本実施形態に係るEPSECU20は、タイヤ空気圧検知システム3が故障している場合は、車両V(図1参照)が傾斜路を走行中であっても、運転者が操向ハンドル21を転舵した状態に維持する操舵力を軽減する傾斜路用補助トルクを発生しないように、電動パワーステアリング装置1を制御する。
この構成によって、タイヤ空気圧検知システム3が故障している場合に、運転者は、操向ハンドル21から受ける操舵反力によって、車両V(図1参照)が横方向に流されていることを察知できる。そして、転舵輪2R,2L(図1参照)や図示しない後輪のタイヤ空気圧の減圧を早期発見できる。
図3は、電動機の駆動電流を設定するEPS駆動電流設定処理を示すフローチャート、図4は、TPMSECUがタイヤ空気圧検知システムを診断するTPMS診断処理を示すフローチャート、図5は、EPSECUが電動機の駆動電流を算出する駆動電流算出処理を示すフローチャートである(以下、適宜図1、図2参照)。
図3に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1において、電動機23の駆動電流Icを算出するEPS駆動電流設定処理は、TPMSECU30がタイヤ空気圧検知システム3を診断するTPMS診断処理(ステップS1)と、EPSECU20が電動機23の駆動電流Icを算出する駆動電流算出処理(ステップS2)を含んでなる。
図3に示す、EPS駆動電流設定処理は、EPSECU20が実行するプログラム、及びTPMSECU30が実行するプログラムにそれぞれ組み込まれ、例えばEPSECU20が所定のサイクルで定期的に開始する構成が好適である。そして、EPSECU20がTPMSECU30に対して、TPMS診断処理を実行(ステップS1)するように、CANネットワークを介して指令を与える構成とすればよい。
なお、EPSECU20が、EPS駆動電流設定処理を開始する所定のサイクルは、限定される値ではなく、好適に電動パワーステアリング装置1を制御できる間隔であればよい。
TPMSECU30は、TPMS診断処理を実行した後、タイヤ空気圧検知システム3が故障しているか否か判定した結果を、CANネットワークを介してEPSECU20に通知する。EPSECU20は、TPMSECU30から通知された結果に基づいて駆動電流算出処理を実行し(ステップS2)、電動機23の駆動電力Icを算出する。
このように、EPSECU20及びTPMSECU30がEPS駆動電流設定処理を実行することで、電動パワーステアリング装置1の電動機23の駆動電流Icを算出できる。
図4を参照して、TPMS診断処理を説明する(適宜図1、図2参照)。
TPMS診断処理は、例えばEPSECU20からの指令によってTPMSECU30が実行し、タイヤ空気圧検知システム3に異常が発生しているか否かを判定する処理である。
TPMSECU30は、EPSECU20からの指令によって、TPMS診断処理を開始すると、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出したことを示す変数「F_TPMSNG」を読み込む(ステップS10)。変数「F_TPMSNG」は、例えばTPMSECU30がタイヤ空気圧検知システム3の故障を検出していないとき「0」が設定され、故障を検出したとき「1」が設定される。
すなわち、TPMSECU30が、前のサイクルで実行したTPMS診断処理で、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出したとき、変数「F_TPMSNG」に「1」が設定されている。
TPMSECU30は、読み込んだ変数「F_TPMSNG」が「1」のとき(ステップS11→Yes)、タイヤ空気圧検知システム3の故障の検出を確定するためのタイマ「TM1」に「1」を加算する(ステップS12)。タイマ「TM1」は、変数「F_TPMSNG」が「1」の状態、すなわち、TPMSECU30が、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出した状態の継続時間を計測するタイマである。前記したように、EPSECU20は、所定のサイクルで定期的にEPS駆動電流設定処理を実行することから、TPMSECU30は、定期的にTPMS診断処理を実行する。
したがって、TPMSECU30は、タイマ「TM1」の値で、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出した状態の継続時間を算出できる。
そして、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出した状態の継続時間が所定値より長い場合、すなわち、タイマ「TM1」の値が所定値「#TM1」以上の場合(ステップS13→Yes)、TPMSECU30は、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出したことを確定し、変数「F_PULLSTOP」に「1」を設定する(ステップS14)。
一方、タイマ「TM1」の値が所定値「#TM1」より小さい場合(ステップS13→No)、TPMSECU30は処理をステップS17に進める。
変数「F_PULLSTOP」は、EPSECU20に、タイヤ空気圧検知システム3の故障の診断結果を通知するための変数で、「0」が設定されているとき、EPSECU20はタイヤ空気圧検知システム3に故障が発生していないと判定して駆動電流算出処理で傾斜路用補助トルクを発生し、「1」が設定されているときは、タイヤ空気圧検知システム3に故障が発生していると判定して傾斜路用補助トルクを発生しない構成とする。
TPMSECU30がタイヤ空気圧検知システム3の故障を確定する継続時間の所定値「#TM1」は、タイヤ空気圧検知システム3の構成によって決定され、確実にタイヤ空気圧検知システム3の故障を確定できる時間であればよい。
このような所定値「#TM1」は、実験等によって求めることができる。
ステップS11に戻って、変数「F_TPMSNG」が「0」のとき、すなわち変数「F_TPMSNG」が「1」ではないとき(ステップS11→No)、TPMSECU30は、前のサイクルで実行したTPMS診断処理で、タイヤ空気圧検知システム3の故障を検出していないと判定し、変数「F_PULLSTOP」に「0」を設定する(ステップS15)。
さらに、タイマ「TM1」をリセットする。すなわち、タイマ「TM1」に「0」を設定する(ステップS16)。
そして、TPMSECU30は、変数「F_PULLSTOP」を、CANネットワークを介してEPSECU20に送信して(ステップS17)、TPMS診断処理を終了する。
このように、TPMSECU30は、タイヤ空気圧検知システム3の故障を確定したときは、変数「F_PULLSTOP」に「1」を設定し、故障を確定しないときは「0」を設定する。そして、変数「F_PULLSTOP」をEPSECU20に送信する。すなわち、変数「F_PULLSTOP」で、タイヤ空気圧検知システム3が故障しているか否かの診断結果を、EPSECU20に通知する。
そして、EPSECU20は、通知された変数「F_PULLSTOP」に基づいて、電動機23の駆動電流Icを算出する。
次に、図5を参照して、駆動電流算出処理を説明する(適宜図1、図2参照)。
駆動電流算出処理は、EPSECU20が実行し、電動機23を駆動するための駆動電流Icを算出する処理である。
EPSECU20は、TPMSECU30が送信する変数「F_PULLSTOP」を受信したら、駆動電流算出処理を実行する。したがって、EPSECU20はEPS駆動電流設定処理を開始し、TPMSECU30に対して、タイヤ空気圧検知システム3を診断するTPMS診断処理を実行するように指令を与えた後、変数「F_PULLSTOP」を受信するまでは待機することになる。
EPSECU20は、TPMSECU30から送信される変数「F_PULLSTOP」を受信したら、駆動電流算出処理を開始し、制御量設定部20hによって、操舵トルクに対応した、電動機23の制御量Imを設定する(ステップS20)。
そしてEPSECU20は、TPMSECU30から受信した変数「F_PULLSTOP」が「1」のとき(ステップS21→Yes)、タイヤ空気圧検知システム3が故障していると判定し、補正制御量Is’を「0」に設定する(ステップS22)。
一方、変数「F_PULLSTOP」が「0」のとき、すなわち、変数「F_PULLSTOP」が「1」ではないとき(ステップS21→No)、EPSECU20は、タイヤ空気圧検知システム3が故障していないと判定して、横断勾配検出部20a、オフセット量設定部20b、減算器20c、補正制御量設定部20d、ゲイン設定部20e、及び乗算器20fによって、前記したように補正制御量Is’を算出する(ステップS23)。
そして、EPSECU20は、制御量設定部20hで設定した、電動機23の制御量Imに補正制御量Is’を加算して制御量Im’を算出し(ステップS24)、さらに、制御量Im’に基づいて制御部20iで駆動電流Icを算出する(ステップS25)。
なお、TPMSECU30がTPMS診断処理を実行している間に、EPSECU20が電動機23の制御量Imを設定する処理(ステップS20)を実行する構成であってもよい。
このように、本実施形態に係るEPSECU20は、タイヤ空気圧検知システム3が故障しているという条件が満たされると、横断勾配SLTに基づいて算出される補正制御量Is’を「0」に設定して、電動機23の駆動電流Icを算出する。換言すると、補正制御量Is’を加算しないで駆動電流Icを算出する。したがって、横方向に流される車両Vの操向ハンドル21に発生する操舵反力に対抗する操舵力を軽減する補助操舵トルク(傾斜路用補助トルク)が電動機23で発生せず、車両Vの転舵機構に傾斜路用補助トルクが付与されない。
この構成により、図1に示すタイヤ空気圧検知システム3が故障しているときは、横方向に流される車両Vの操向ハンドル21に発生する操舵反力を、運転者が感じ取ることができる。すなわち、運転者は、操向ハンドル21から受ける操舵反力によって、車両Vが横方向に流されていることを察知できる。そして、タイヤ空気圧の異常(減圧)を早期発見できる。
以上のように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、タイヤ空気圧検知システム3が故障していないときは、車両Vが横方向に傾斜する傾斜路を走行するときに運転者にかかる負担を好適に軽減できるとともに、タイヤ空気圧検知システム3が故障したときは、運転者が操向ハンドル21から受ける操舵反力によって、タイヤ空気圧の減圧を早期発見できるという優れた効果を奏する(図1参照)。
なお、本実施形態において、図1に示すEPSECU20とTPMSECU30はそれぞれ単独の機器としたが、この構成は限定されるものではなく、EPSECU20とTPMSECU30が一体の構成であってもよい。
この場合、TPMSECU30は、タイヤ空気圧検知システム3の故障を、CANネットワークを介することなく、例えば内部変数の受け渡しでEPSECU20に通知することができる。したがって、CANネットワークを介したデータ通信の必要がなくなり、図3に示すEPS駆動電流設定処理の実行速度を向上できる。
また、本実施形態においては、図1に示すタイヤ空気圧検知システム3が故障したときに傾斜路用補助トルクの発生を停止する構成としたが、タイヤ空気圧検知システム3を備えない車両において、例えば、各車輪のタイヤ空気圧を調整してから所定の時間が経過したときに傾斜路用補助トルクの発生を停止する構成としてもよい。
そのほか、例えばヨーレートセンサ18や車速センサ17が故障したときに、傾斜路用補助トルクの発生を停止する構成としてもよく、傾斜路用補助トルクの発生を停止する条件を、幅広く設定してもよい。
車両に備わる電動パワーステアリング装置及びタイヤ空気圧検知システムの構成図である。 EPSECUの機能ブロック図である。 電動機の駆動電流を設定するEPS駆動電流設定処理を示すフローチャートである。 TPMSECUがタイヤ空気圧検知システムを診断するTPMS診断処理を示すフローチャートである。 EPSECUが電動機の駆動電流を算出する駆動電流算出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
2R,2L 転舵輪
3 タイヤ空気圧検知システム
20 EPSECU
21 操向ハンドル(転舵機構)
22 ステアリング軸(転舵機構)
25 ラックアンドピニオン機構(転舵機構)
25a ラック軸(転舵機構)
30 TPMSECU
31 空気圧センサ
V 車両

Claims (1)

  1. 横に傾斜する傾斜路で車両を直進させるための操舵力を軽減する傾斜路用補助トルクを転舵機構に付与する機能を有するとともに、
    前記車両のタイヤ空気圧を検知するタイヤ空気圧検知システムが故障したときには、前記車両が前記傾斜路を直進する場合であっても、前記傾斜路用補助トルクを前記転舵機構に付与しないことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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