JP2004017929A - 舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】舵角の中立位置の誤検出を防止し得る舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る中立位置誤検出防止装置によると、車輪速センサ27a、27bにより、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFLを検出し、車輪速信号異常判定処理30bにより操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから左右輪速差VFDを求め、操舵角センサ26によりステアリングホイール21による操舵角情報θhを検出する。そして、左右輪速差VFDが所定速度V1以下である状態、操舵角情報θhによる切れ角が所定値θk以上である状態、および、操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上である状態を、所定時間Tの間すべて満たすとき、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL(VFR、VFL)に異常があると車輪速信号異常判定処理30bにより判断する。
【選択図】 図2
【解決手段】本実施形態に係る中立位置誤検出防止装置によると、車輪速センサ27a、27bにより、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFLを検出し、車輪速信号異常判定処理30bにより操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから左右輪速差VFDを求め、操舵角センサ26によりステアリングホイール21による操舵角情報θhを検出する。そして、左右輪速差VFDが所定速度V1以下である状態、操舵角情報θhによる切れ角が所定値θk以上である状態、および、操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上である状態を、所定時間Tの間すべて満たすとき、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL(VFR、VFL)に異常があると車輪速信号異常判定処理30bにより判断する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する方法に対する舵角中立位置の誤検出防止方法および当該中立位置を検出する装置に対する誤検出防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の操舵装置においては、ステアリングホイールによる操舵角や舵角の中立位置を知るために、操舵角センサの出力信号を処理する車載用電子制御装置(ECU;Electronic Control Unit)から送られてくる操舵角情報や車速等に基づいて、操舵装置のECUが必要な舵角等を演算処理している。
【0003】
ところが、操舵角情報等を送出しているECUの停止や起動直後等にあっては、当該ECUが操舵角情報等を送出できないタイミングが生じることがあるため、そのようなタイミングにおいては、舵角の中立位置を知ることができない。このため、別途、操舵輪の車輪速を検出し、それに基づいて舵角の中立位置を検出している。即ち、舵角が中立位置にない場合には、左右の操舵輪による内外輪速差が発生することから、当該内外輪速差の有無を検出することによって舵角の中立位置を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような舵角の中立位置を検出する方法によると、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速センサの出力信号に基づいて、その差である内外輪速差の有無を判定することにより舵角の中立位置を検出しているものの、左右の車輪速センサの信号出力が、例えば信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって、双方とも同じ出力値になる場合が考えられる。このような場合には、内外輪速差が有るにもかかわらず、あたかも舵角が中立位置にあるように検出されてしまうので、そのようなセンサ信号を用いて操舵制御を行う操舵装置や車両の運動制御装置においては、適切な制御を妨げ得るという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、舵角の中立位置の誤検出を防止し得る舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、不適切な車両の運動制御を防止し得る車両の運動制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の舵角中立位置の誤検出防止方法では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する方法に対する舵角中立位置の誤検出防止方法であって、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出ステップと、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出ステップと、ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出ステップと、前記左右輪速差算出ステップにより求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出ステップにより検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間中すべて満たすとき、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断ステップと、を含むことを技術的特徴とする。
【0007】
また、請求項2の舵角中立位置の誤検出防止装置では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する装置に対する舵角中立位置の誤検出防止装置であって、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出手段と、ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記左右輪速差算出手段により求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出手段により検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間すべて満たすとき、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0008】
請求項1および請求項2の発明によると、左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、操舵角が所定値以上である状態および操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間すべて満たすとき、操舵輪の車輪速に異常があると判断する。即ち、(1) 左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、つまり操舵輪の内外輪速差が所定値以下である状態、にあるにもかかわらず、(2) 操舵角が所定値以上である状態、つまりステアリングホイールが所定角以上に切られている状態にあれば、車両が駐停車あるいは低速走行状態にない限り((3) 操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態)、操舵輪の車輪速に異常があると判断する。これにより、例えば車輪速検出手段として左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する2つのセンサの出力値が、信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって同じなる場合があっても、当該操舵輪の車輪速に異常があると判断することができる。したがって、当該異常のある操舵輪の車輪速を検出できるため、舵角の中立位置の誤検出を防止することができる。
【0009】
さらに、請求項3の車両の運動制御装置では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて検出した舵角の中立位置を基準に操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、該操舵角に基づいて所定の車両の運動制御を行う車両の運動制御装置において、請求項2記載の舵角中立位置の誤検出防止装置を備えており、前記誤検出判断手段により前記操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、前記所定の車両の運動制御を中止することを技術的特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、当該操舵輪の車輪速に基づく所定の車両の運動制御を中止する。これにより、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断した場合には、当該操舵輪の車輪速に基づいて所定の車両の運動制御を行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【0011】
また、請求項4の車両の運動制御装置では、請求項3記載において、前記所定の車両の運動制御は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変制御であることを技術的特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、所定の車両の運動制御は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変制御であることから、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、当該操舵輪の車輪速に基づく当該伝達比可変制御を中止する。これにより、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断した場合には、当該操舵輪の車輪速に基づいて当該伝達比可変制御を行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、当該伝達比可変制御による不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、本実施形態では、舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置を、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変機構(VGRS;Vriable Gear Ratio System、以下「VGRS」という)を制御するVGRS制御装置に適用した例を説明する。
【0014】
まず、本実施形態に係るVGRS制御装置20の構成を図1に基づいて説明する。図1に示すように、VGRS制御装置20は、主に、ステアリングホイール21、第1ステアリングシャフト22、第2ステアリングシャフト23、ステアリングギアボックス24、ロッド25、操舵角センサ26、車輪速センサ27a、27b、車速センサ27c、ギヤ比可変機構29、VGRS_ECU30等から構成されている。
【0015】
ステアリングホイール21は、運転者が車両の進行方向を決定するために操作するハンドルのことで、これには第1ステアリングシャフト22の一端が接続されている。そして、この第1ステアリングシャフト22の他端側には、ギヤ比可変機構29の入力側が接続されている。
【0016】
ギヤ比可変機構29は、図略の減速機、モータM、回転角センサ等から構成されており、車速に対応したステアリングギヤ比を構成することにより、出力側に接続される第2ステアリングシャフト23の一端側への出力伝達比を可変する機能の有するものである。なおこのギヤ比可変機構29は、後述するように、VGRS_ECU30によって制御されている。
【0017】
第2ステアリングシャフト23の他端側に接続されるステアリングギアボックス24は、図略のラック・ピニオンギヤ等から構成されており、第2ステアリングシャフト23によって入力された回転運動をロッド25の軸方向運動に変換して出力し得る機能を有するものである。なお、このロッド25には、操舵輪FR、FLが装着されている。
【0018】
VGRS_ECU30は、CPUを中心にROM、RAM等の半導体記憶装置、入出力インタフェイス回路やA/D変換回路等から構成される車載用電子制御装置(ECU)のことで、本実施形態ではVGRSを制御するほか、後述する車輪速信号異常判定処理等を実行する機能を有するものである。
【0019】
VGRS_ECU30には、VGRSを制御する必要上、第1ステアリングシャフト22の回転角である操舵角を検出する操舵角センサ26、車両の走行速度である車速を検出する車速センサ27c、および、ギヤ比可変機構29のモータ回転角を検出する回転角センサ28(図2参照)が、それぞれ電気的にあるいは他のECUを介して接続されている。これにより、VGRS_ECU30には、操舵角情報θh、車速信号V、回転角信号θvmが適宜入力される。
【0020】
また、VGRS_ECU30は、他のECUを介して取得している操舵角センサ26からの操舵角情報θhが得られなくなった場合に備えて、左右の操舵輪FR、FLの内外輪速差の有無を判定することにより舵角の中立位置を検出している。そのため、VGRS_ECU30には、車輪速センサ27a、27bが電気的に接続され、車輪速に応じてパルス数が増減するパルス状の車輪速信号SFR、SFLが適宜入力されている。
【0021】
なお、操舵角センサ26による操舵角情報θh、車輪速センサ27a、27bによるパルス状の車輪速信号SFR、SFLは、後述するように、中立位置誤検出防止装置においても用いられる。
【0022】
このようにVGRS制御装置20を構成することにより、VGRS_ECU30によるVGRS制御処理30cでは、以下に示すような処理を行っている。
即ち、図2に示すように、VGRS制御処理30cでは、操舵角センサ26による操舵角情報θhと車速センサ27cによる車速信号Vとが入力されることにより、車速に対応して一義的に定められるギヤ比可変機構29のモータMの回転角を図略のモータ回転角マップから決定する処理を行う。そして決定された回転角指令値に応じたモータ電圧を所定のモータ駆動回路によって、モータMに供給するとともに、回転角センサ28により検出したモータMの回転角信号を入力することによりフィードバックループを形成している。これにより、ギヤ比可変機構29およびVGRS_ECU30では、モータMと減速機によって、入力ギヤに対する出力ギヤの比を車速に応じてリアルタイムに変更するので、第1ステアリングシャフト22の操舵角に対する第2ステアリングシャフト23の出力角の比Gvを可変することができる。
【0023】
これにより、車速に対応したステアリングギヤ比、例えば停車時や低速走行時にはステアリングホイール21の操舵角に対してギヤ比可変機構29の出力角が大きくなるように設定し、また高速走行時にはステアリングホイール21の操舵角に対してギヤ比可変機構29の出力角が小さくなるように設定することが可能となる。
【0024】
例えば、車両が停車や低速走行している場合には、ギヤ比可変機構29によるステアリングギヤ比を小さく設定することにより、運転者はステアリングホイール21を大きく切り回すことなく、操舵輪FR、FLを大きく切ることができるので操舵を楽にする。一方、車両が高速走行している場合には、ギヤ比可変機構29によるステアリングギヤ比を大きく設定することにより、運転者がたとえステアリングホイール21を大きく切るようなステアリング操作をしても、操舵輪FR、FLは小さく切れるにとどまる。これにより車両制御の安定性のさらなる向上を期待することができる。
【0025】
上述のようにVGRS制御装置20では、操舵角センサ26から送られてくる操舵角情報θhに基づいて、VGRS制御処理30cを行っているのであるが、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、操舵角情報等を送出している他のECUの停止や起動直後等にあっては、当該他のECUが操舵角情報等を送出できないタイミングが生じることがある。そのため、このようなタイミングにおいては、舵角の中立位置を知ることができないので、別途、車輪速センサ27a、27bにより、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を検出し、内外輪速差の有無を検出することによって舵角の中立位置を検出している。なお、この舵角の中立位置を検出するアルゴリズムについては、公知のものを利用しているので、その詳細は、例えば、特公平6−133101号公報に開示される「車両の操舵角検出装置」を参照されたい。
【0026】
ところで、車輪速センサ27a、27bから出力される車輪速信号SFR、SFLは、例えば信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって、双方とも同じ出力値になる場合が考えられる。そのため、VGRS制御装置20では、VGRS_ECU30による車輪速信号異常判定処理30b(中立位置誤検出防止装置)によって、車輪速信号SFR、SFLの異常の有無を検出している。以下、図2および図3を参照して中立位置誤検出防止装置および車輪速信号異常判定処理30bを説明する。
【0027】
図2に示すように、中立位置誤検出防止装置は、主に、操舵角センサ26、車輪速センサ27a、27b、VGRS_ECU30による車輪速演算処理30a、車輪速信号異常判定処理30bから構成されている。この中立位置誤検出防止装置では、操舵角センサ26による操舵角情報θhおよび車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLに基づいて、当該車輪速信号SFR、SFLに異常があればそれを検出する処理を行う。なお、車輪速演算処理30aおよび車輪速信号異常判定処理30bは、それぞれVGRS_ECU30により演算処理されるもので、タイマ割込み等により定期的(例えば5ミリ秒ごと)に繰り返し実行されるものである。
【0028】
既に説明したとおり、操舵角センサ26はステアリングホイール21の操舵角を操舵角情報θhとして検出するもので、また車輪速センサ27a、27bは左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を車輪速信号SFR、SFLとして検出するものである。
【0029】
車輪速センサ27a、27bにより検出された車輪速信号SFR、SFLは、それぞれパルス信号としてVGRS_ECU30に入力されるので、車輪速演算処理30aでは、入力された車輪速信号SFR、SFLのパルス数をカウントすることにより、車輪速データVFR、VFLに変換する処理が行われる。この変換された車輪速データVFR、VFLは、車輪速信号異常判定処理30bに出力される。
【0030】
車輪速信号異常判定処理30bは、車輪速信号異常判定処理30bにより変換された車輪速データVFR、VFLおよび操舵角センサ26から入力される操舵角情報θhに基づいて、車輪速センサ27a、27bからの車輪速信号SFR、SFLに異常があるか否かを判定する処理を行うものである。当該処理の一例として、図3に示すフローチャートによるものが挙げられるので、以下、図3を参照しながら車輪速信号異常判定処理30bを説明する。
【0031】
図3に示すように車輪速信号異常判定処理30bでは、まずステップS101により、左右の車輪速データVFR、VFLと操舵角情報θhとを読み込む処理が行われる。なお、この処理は、特許請求の範囲に記載の「車輪速検出ステップ」、「車輪速検出手段」、「操舵角検出ステップ」および「操舵角検出手段」に相当する。
【0032】
次にステップS103により、左右の車輪速差VFDを算出する処理が行われる。即ち、ステップS103では、ステップS101により読み込んだ、右の車輪速データVFRと左の車輪速データVFLとの差VFD(例えばVFD=|VFR−VFL|)を求める処理を行う。なおこの処理は、特許請求の範囲に記載の「左右輪速差算出ステップ」および「左右輪速差算出手段」に相当する。
【0033】
続くステップS105では、ステップS103により算出した左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS105では、操舵輪FR、FLによる舵角が中立位置にない場合には、内外輪速差が発生することから、左右の車輪速差VFDをみることによって、ステアリングホイール21が切られていない中立状態にあることを車輪速センサ27a、27bから出力された車輪速信号SFR、SFLが示しているか否かを判断する。なおこのステップS105による処理は、特許請求の範囲に記載の「左右輪速差が第1の所定速度以下である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0034】
本実施形態では、左右の車輪速差VFDは、例えば0.2km/hに設定されているが、左右の車輪速あるいは車速に基づいて、車輪速(車速)が速いときには車輪速差VFDを例えば1km/hに設定し、車輪速(車速)が遅いときには車輪速差VFDを例えば0.1km/hに設定するように、0.1km/h〜1km/hの範囲で車輪速差VFDの設定値を可変するように構成しても良い。
【0035】
これにより、左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断できない場合には(S105でNo)、舵角による操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していることになるので、当該車輪速信号SFR、SFLは正常である可能性が高い。したがって、後述する異常時処理(S115)を行うことなく、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0036】
一方、左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断できる場合には(S105でYes)、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性があるので、続くステップS107に処理を移行する。
【0037】
ステップS107では、ステップS101により読み込んだ操舵角情報θhから、ステアリングホイール21の操舵角情報による切れ角の絶対値が所定角θk以上であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS107では、操舵角情報による切れ角が所定角θkであるか否かをみることにより、ステアリングホイール21が所定角θk以上切り回されているか否かを判断する。なおこの処理は、特許請求の範囲に記載の「操舵角が所定値以上である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0038】
本実施形態では、当該所定角θkは、例えば1rad に設定されているが、ステップS103により算出した内外輪速差に基づいて、当該内外輪速差が小さいときには所定角θkを例えば1rad に設定し、当該内外輪速差が大きいときには所定角θkを例えば2rad に設定するように、1rad 〜2rad の範囲で所定角θkの設定値を可変するように構成しても良い。
【0039】
これにより、操舵角の切れ角の絶対値が所定角θk以上であると判断できない場合には(S107でNo)、ステアリングホイール21が所定角θk以上に切り回されている状態にない、つまり中立状態にあることになるから、車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していることになる。したがって、当該車輪速信号SFR、SFLは正常である可能性が高いため、後述する異常時処理(S115)を行うことなく、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0040】
一方、操舵角の切れ角の絶対値が所定角θk以上であると判断できる場合には(S107でYes)、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性が高いので、続くステップS109に処理を移行する。
【0041】
続くステップS109では、ステップS101により読み込んだ左右の車輪速データVFR、VFLから、当該車輪速が所定速度V2以上であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS109では、当該車輪速が所定速度V2以上であるか否かをみることにより、車両状態が所定速度V2以上で走行している状態にあるか否かを判断する。なお、この処理は、特許請求の範囲に記載の「操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0042】
本実施形態では、当該所定速度V2は、例えば10km/hに設定されている。これは、走行速度がこれよりも低速である場合には、操舵によって発生し得る内外輪速差が極めて小さな値になるため、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、内外輪速差が発生していないとして、車輪速信号SFR、SFLの異常を誤って判定する可能性があるからである。
【0043】
これにより、左右の車輪速データVFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上であると判断できない場合には(S109でNo)、走行速度が例えば10km/h未満であるためにステアリングホイール21が切り回されていても内外輪速差が極めて小さな値になっている可能性がある。このような場合には、当該車輪速信号SFR、SFLが正常であるか否かを判定することが困難であるため、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0044】
一方、左右の車輪速データVFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上であると判断できる場合には(S109でYes)、走行速度が例えば10km/h以上であるにもかかわらず、ステップS105により内外輪速差である左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断されていることから、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性が極めて高いと判断される。したがって、このような状態が、所定時間継続して発生しているか否かを続くステップS111により判断する。
【0045】
ステップS111では、ステップS105、S107、S109による3条件を所定期間中すべて満たすか否かを判断する処理が行われる。即ち、当該3条件をすべて満たした時点から所定時間Tを経過したか否かをタイマ値tにより判断し、所定時間Tを経過していなければ(S111でNo)、ステップS113に処理を移行する。そして、タイマ値tをインクリメントし(t=t+1)、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0046】
そして、再度の本車輪速信号異常判定処理30bにより、当該3条件をすべて満たした時点から所定時間Tを経過したとタイマ値tより判断できた場合には(S111でYes)、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが正常に伝達していないものと判定することができるので、続くステップS115による異常時処理を行う。なお、このステップS111による処理は、特許請求の範囲に記載の「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0047】
本実施形態では、当該所定時間Tは、例えば3秒に設定されている。これは、走路のコーナーを1つ通過するのに要する時間に相当するものである。そのため、当該所定時間Tは、左右の車輪速あるいは車速に基づいて、車輪速(車速)が速いときには所定時間Tを例えば2秒に設定し、車輪速(車速)が遅いときには所定時間Tを例えば5秒に設定するように、2秒〜5秒の範囲で所定時間Tの設定値を可変するように構成しても良い。
【0048】
ステップS115では、ステップS111により車輪速センサ27a、27bの車輪速信号SFR、SFLは正常でない、つまり異常であると判定されたため、そのような車輪速信号SFR、SFLに基づく制御等を中止させたり、その旨を運転者に告知したりする処理が行われる。本実施形態では、例えば、VGRS_ECU30によるVGRS制御処理30cを中止する処理を行うとか、また車室内のインスツルメントパネルに故障発生の警告表示をする処理を行い、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。なお、このステップS115あるいはステップS115の前段または後段において、ステップS111に用いるタイマ値tをクリアする処理が行われる。
【0049】
なお、上述したように、テップS105による所定速度V1、ステップS107による所定角θkおよびステップS109による所定速度V2の三者は、相互に影響を受ける依存関係にあるため、所定速度V1および所定角θkの関係、所定速度V1および所定速度V2の関係、所定角θkおよび所定速度V2の関係をそれぞれ2次元状にマッピング、あるいは、所定速度V1、所定速度V2および所定角θkの関係を3次元状にマッピングし半導体記憶装置(マップ記憶手段)に格納し、当該マップに基づいて、所定速度V1、所定速度V2または所定角θkの設定値を変更する手段(設定手段)を設けるように構成しても良い。
【0050】
これにより、左右の車輪速あるいは車速である所定速度V2に基づいて、内外輪速差である所定速度V1を設定することができるので、車両の運動状態に適合した適切な値を所定速度V1、所定速度V2および所定角θkに設定することができる。したがって、異常のある操舵輪FR、FLの車輪速信号SFR、SFL(車輪速)をより高精度に検出することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る中立位置誤検出防止装置によると、車輪速センサ27a、27b、車輪速演算処理30a、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS101により、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLを検出し、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS103により操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから左右輪速差VFDを求め、操舵角センサ26、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS101によりステアリングホイール21による操舵角情報θhを検出する。そして左右輪速差VFDが所定速度V1以下である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS105)、操舵角情報θhによる切れ角が所定値θk以上である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS107)、および、操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS109)を、所定時間Tの間すべて満たすとき、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL(VFR、VFL)に異常があると車輪速信号異常判定処理30bによるステップS111により判断する。
【0052】
これにより、例えば左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を検出する2つの車輪速センサ27a、27bの出力信号SFR、SFLが、当該信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって同じなる場合があっても、当該操舵輪FR、FLの車輪速に異常があると判断することができる。したがって、当該異常のある操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLを検出できるため、舵角の中立位置の誤検出を防止することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るVGRS制御装置20によると、中立位置誤検出防止装置を備え、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS111により、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに異常があると判断すると、当該車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに基づくVGRS制御処理30cを中止する。これにより、当該車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに基づいてVGRS制御処理30cを行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、VGRS制御装置20による不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舵角中立位置の誤検出防止装置を適用したVGRS制御装置の構成概要を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るVGRS制御装置のVGRS_ECUによる制御処理の概要を表した機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るVGRS制御装置のVGRS_ECUによる車輪速信号異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 VGRS制御装置 (車両の運動制御装置)
21 ステアリングホイール
22 第1ステアリングシャフト(操舵伝達系)
23 第2ステアリングシャフト(操舵伝達系)
24 ステアリングギアボックス(操舵伝達系)
25 ロッド (操舵伝達系)
26 操舵角センサ (操舵角検出手段)
27a、27b 車輪速センサ (車輪速検出手段)
29 ギヤ比可変機構
30 VGRS_ECU(左右輪速差算出手段、誤検出判定手段)
30a 車輪速演算処理
30b 車輪速信号異常判定処理
30c VGRS制御処理 (伝達比可変制御)
FR、FL 操舵輪
M モータ (電動モータ)
V1 所定速度 (第1の所定速度)
V2 所定速度 (第2の所定速度)
θk 所定角 (所定値)
S101(車輪速検出ステップ、操舵角検出ステップ、車輪速検出手段、操舵角検出手段)
S103(左右輪速差算出ステップ、左右輪速差算出手段)
S105(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S107(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S109(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S111(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する方法に対する舵角中立位置の誤検出防止方法および当該中立位置を検出する装置に対する誤検出防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の操舵装置においては、ステアリングホイールによる操舵角や舵角の中立位置を知るために、操舵角センサの出力信号を処理する車載用電子制御装置(ECU;Electronic Control Unit)から送られてくる操舵角情報や車速等に基づいて、操舵装置のECUが必要な舵角等を演算処理している。
【0003】
ところが、操舵角情報等を送出しているECUの停止や起動直後等にあっては、当該ECUが操舵角情報等を送出できないタイミングが生じることがあるため、そのようなタイミングにおいては、舵角の中立位置を知ることができない。このため、別途、操舵輪の車輪速を検出し、それに基づいて舵角の中立位置を検出している。即ち、舵角が中立位置にない場合には、左右の操舵輪による内外輪速差が発生することから、当該内外輪速差の有無を検出することによって舵角の中立位置を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような舵角の中立位置を検出する方法によると、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速センサの出力信号に基づいて、その差である内外輪速差の有無を判定することにより舵角の中立位置を検出しているものの、左右の車輪速センサの信号出力が、例えば信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって、双方とも同じ出力値になる場合が考えられる。このような場合には、内外輪速差が有るにもかかわらず、あたかも舵角が中立位置にあるように検出されてしまうので、そのようなセンサ信号を用いて操舵制御を行う操舵装置や車両の運動制御装置においては、適切な制御を妨げ得るという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、舵角の中立位置の誤検出を防止し得る舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、不適切な車両の運動制御を防止し得る車両の運動制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の舵角中立位置の誤検出防止方法では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する方法に対する舵角中立位置の誤検出防止方法であって、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出ステップと、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出ステップと、ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出ステップと、前記左右輪速差算出ステップにより求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出ステップにより検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間中すべて満たすとき、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断ステップと、を含むことを技術的特徴とする。
【0007】
また、請求項2の舵角中立位置の誤検出防止装置では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する装置に対する舵角中立位置の誤検出防止装置であって、左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出手段と、ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記左右輪速差算出手段により求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出手段により検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間すべて満たすとき、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0008】
請求項1および請求項2の発明によると、左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、操舵角が所定値以上である状態および操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間すべて満たすとき、操舵輪の車輪速に異常があると判断する。即ち、(1) 左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、つまり操舵輪の内外輪速差が所定値以下である状態、にあるにもかかわらず、(2) 操舵角が所定値以上である状態、つまりステアリングホイールが所定角以上に切られている状態にあれば、車両が駐停車あるいは低速走行状態にない限り((3) 操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態)、操舵輪の車輪速に異常があると判断する。これにより、例えば車輪速検出手段として左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する2つのセンサの出力値が、信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって同じなる場合があっても、当該操舵輪の車輪速に異常があると判断することができる。したがって、当該異常のある操舵輪の車輪速を検出できるため、舵角の中立位置の誤検出を防止することができる。
【0009】
さらに、請求項3の車両の運動制御装置では、車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて検出した舵角の中立位置を基準に操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、該操舵角に基づいて所定の車両の運動制御を行う車両の運動制御装置において、請求項2記載の舵角中立位置の誤検出防止装置を備えており、前記誤検出判断手段により前記操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、前記所定の車両の運動制御を中止することを技術的特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、当該操舵輪の車輪速に基づく所定の車両の運動制御を中止する。これにより、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断した場合には、当該操舵輪の車輪速に基づいて所定の車両の運動制御を行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【0011】
また、請求項4の車両の運動制御装置では、請求項3記載において、前記所定の車両の運動制御は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変制御であることを技術的特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、所定の車両の運動制御は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変制御であることから、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、当該操舵輪の車輪速に基づく当該伝達比可変制御を中止する。これにより、誤検出判断手段により操舵輪の車輪速に異常があると判断した場合には、当該操舵輪の車輪速に基づいて当該伝達比可変制御を行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、当該伝達比可変制御による不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、本実施形態では、舵角中立位置の誤検出防止方法および誤検出防止装置を、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変機構(VGRS;Vriable Gear Ratio System、以下「VGRS」という)を制御するVGRS制御装置に適用した例を説明する。
【0014】
まず、本実施形態に係るVGRS制御装置20の構成を図1に基づいて説明する。図1に示すように、VGRS制御装置20は、主に、ステアリングホイール21、第1ステアリングシャフト22、第2ステアリングシャフト23、ステアリングギアボックス24、ロッド25、操舵角センサ26、車輪速センサ27a、27b、車速センサ27c、ギヤ比可変機構29、VGRS_ECU30等から構成されている。
【0015】
ステアリングホイール21は、運転者が車両の進行方向を決定するために操作するハンドルのことで、これには第1ステアリングシャフト22の一端が接続されている。そして、この第1ステアリングシャフト22の他端側には、ギヤ比可変機構29の入力側が接続されている。
【0016】
ギヤ比可変機構29は、図略の減速機、モータM、回転角センサ等から構成されており、車速に対応したステアリングギヤ比を構成することにより、出力側に接続される第2ステアリングシャフト23の一端側への出力伝達比を可変する機能の有するものである。なおこのギヤ比可変機構29は、後述するように、VGRS_ECU30によって制御されている。
【0017】
第2ステアリングシャフト23の他端側に接続されるステアリングギアボックス24は、図略のラック・ピニオンギヤ等から構成されており、第2ステアリングシャフト23によって入力された回転運動をロッド25の軸方向運動に変換して出力し得る機能を有するものである。なお、このロッド25には、操舵輪FR、FLが装着されている。
【0018】
VGRS_ECU30は、CPUを中心にROM、RAM等の半導体記憶装置、入出力インタフェイス回路やA/D変換回路等から構成される車載用電子制御装置(ECU)のことで、本実施形態ではVGRSを制御するほか、後述する車輪速信号異常判定処理等を実行する機能を有するものである。
【0019】
VGRS_ECU30には、VGRSを制御する必要上、第1ステアリングシャフト22の回転角である操舵角を検出する操舵角センサ26、車両の走行速度である車速を検出する車速センサ27c、および、ギヤ比可変機構29のモータ回転角を検出する回転角センサ28(図2参照)が、それぞれ電気的にあるいは他のECUを介して接続されている。これにより、VGRS_ECU30には、操舵角情報θh、車速信号V、回転角信号θvmが適宜入力される。
【0020】
また、VGRS_ECU30は、他のECUを介して取得している操舵角センサ26からの操舵角情報θhが得られなくなった場合に備えて、左右の操舵輪FR、FLの内外輪速差の有無を判定することにより舵角の中立位置を検出している。そのため、VGRS_ECU30には、車輪速センサ27a、27bが電気的に接続され、車輪速に応じてパルス数が増減するパルス状の車輪速信号SFR、SFLが適宜入力されている。
【0021】
なお、操舵角センサ26による操舵角情報θh、車輪速センサ27a、27bによるパルス状の車輪速信号SFR、SFLは、後述するように、中立位置誤検出防止装置においても用いられる。
【0022】
このようにVGRS制御装置20を構成することにより、VGRS_ECU30によるVGRS制御処理30cでは、以下に示すような処理を行っている。
即ち、図2に示すように、VGRS制御処理30cでは、操舵角センサ26による操舵角情報θhと車速センサ27cによる車速信号Vとが入力されることにより、車速に対応して一義的に定められるギヤ比可変機構29のモータMの回転角を図略のモータ回転角マップから決定する処理を行う。そして決定された回転角指令値に応じたモータ電圧を所定のモータ駆動回路によって、モータMに供給するとともに、回転角センサ28により検出したモータMの回転角信号を入力することによりフィードバックループを形成している。これにより、ギヤ比可変機構29およびVGRS_ECU30では、モータMと減速機によって、入力ギヤに対する出力ギヤの比を車速に応じてリアルタイムに変更するので、第1ステアリングシャフト22の操舵角に対する第2ステアリングシャフト23の出力角の比Gvを可変することができる。
【0023】
これにより、車速に対応したステアリングギヤ比、例えば停車時や低速走行時にはステアリングホイール21の操舵角に対してギヤ比可変機構29の出力角が大きくなるように設定し、また高速走行時にはステアリングホイール21の操舵角に対してギヤ比可変機構29の出力角が小さくなるように設定することが可能となる。
【0024】
例えば、車両が停車や低速走行している場合には、ギヤ比可変機構29によるステアリングギヤ比を小さく設定することにより、運転者はステアリングホイール21を大きく切り回すことなく、操舵輪FR、FLを大きく切ることができるので操舵を楽にする。一方、車両が高速走行している場合には、ギヤ比可変機構29によるステアリングギヤ比を大きく設定することにより、運転者がたとえステアリングホイール21を大きく切るようなステアリング操作をしても、操舵輪FR、FLは小さく切れるにとどまる。これにより車両制御の安定性のさらなる向上を期待することができる。
【0025】
上述のようにVGRS制御装置20では、操舵角センサ26から送られてくる操舵角情報θhに基づいて、VGRS制御処理30cを行っているのであるが、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、操舵角情報等を送出している他のECUの停止や起動直後等にあっては、当該他のECUが操舵角情報等を送出できないタイミングが生じることがある。そのため、このようなタイミングにおいては、舵角の中立位置を知ることができないので、別途、車輪速センサ27a、27bにより、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を検出し、内外輪速差の有無を検出することによって舵角の中立位置を検出している。なお、この舵角の中立位置を検出するアルゴリズムについては、公知のものを利用しているので、その詳細は、例えば、特公平6−133101号公報に開示される「車両の操舵角検出装置」を参照されたい。
【0026】
ところで、車輪速センサ27a、27bから出力される車輪速信号SFR、SFLは、例えば信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって、双方とも同じ出力値になる場合が考えられる。そのため、VGRS制御装置20では、VGRS_ECU30による車輪速信号異常判定処理30b(中立位置誤検出防止装置)によって、車輪速信号SFR、SFLの異常の有無を検出している。以下、図2および図3を参照して中立位置誤検出防止装置および車輪速信号異常判定処理30bを説明する。
【0027】
図2に示すように、中立位置誤検出防止装置は、主に、操舵角センサ26、車輪速センサ27a、27b、VGRS_ECU30による車輪速演算処理30a、車輪速信号異常判定処理30bから構成されている。この中立位置誤検出防止装置では、操舵角センサ26による操舵角情報θhおよび車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLに基づいて、当該車輪速信号SFR、SFLに異常があればそれを検出する処理を行う。なお、車輪速演算処理30aおよび車輪速信号異常判定処理30bは、それぞれVGRS_ECU30により演算処理されるもので、タイマ割込み等により定期的(例えば5ミリ秒ごと)に繰り返し実行されるものである。
【0028】
既に説明したとおり、操舵角センサ26はステアリングホイール21の操舵角を操舵角情報θhとして検出するもので、また車輪速センサ27a、27bは左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を車輪速信号SFR、SFLとして検出するものである。
【0029】
車輪速センサ27a、27bにより検出された車輪速信号SFR、SFLは、それぞれパルス信号としてVGRS_ECU30に入力されるので、車輪速演算処理30aでは、入力された車輪速信号SFR、SFLのパルス数をカウントすることにより、車輪速データVFR、VFLに変換する処理が行われる。この変換された車輪速データVFR、VFLは、車輪速信号異常判定処理30bに出力される。
【0030】
車輪速信号異常判定処理30bは、車輪速信号異常判定処理30bにより変換された車輪速データVFR、VFLおよび操舵角センサ26から入力される操舵角情報θhに基づいて、車輪速センサ27a、27bからの車輪速信号SFR、SFLに異常があるか否かを判定する処理を行うものである。当該処理の一例として、図3に示すフローチャートによるものが挙げられるので、以下、図3を参照しながら車輪速信号異常判定処理30bを説明する。
【0031】
図3に示すように車輪速信号異常判定処理30bでは、まずステップS101により、左右の車輪速データVFR、VFLと操舵角情報θhとを読み込む処理が行われる。なお、この処理は、特許請求の範囲に記載の「車輪速検出ステップ」、「車輪速検出手段」、「操舵角検出ステップ」および「操舵角検出手段」に相当する。
【0032】
次にステップS103により、左右の車輪速差VFDを算出する処理が行われる。即ち、ステップS103では、ステップS101により読み込んだ、右の車輪速データVFRと左の車輪速データVFLとの差VFD(例えばVFD=|VFR−VFL|)を求める処理を行う。なおこの処理は、特許請求の範囲に記載の「左右輪速差算出ステップ」および「左右輪速差算出手段」に相当する。
【0033】
続くステップS105では、ステップS103により算出した左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS105では、操舵輪FR、FLによる舵角が中立位置にない場合には、内外輪速差が発生することから、左右の車輪速差VFDをみることによって、ステアリングホイール21が切られていない中立状態にあることを車輪速センサ27a、27bから出力された車輪速信号SFR、SFLが示しているか否かを判断する。なおこのステップS105による処理は、特許請求の範囲に記載の「左右輪速差が第1の所定速度以下である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0034】
本実施形態では、左右の車輪速差VFDは、例えば0.2km/hに設定されているが、左右の車輪速あるいは車速に基づいて、車輪速(車速)が速いときには車輪速差VFDを例えば1km/hに設定し、車輪速(車速)が遅いときには車輪速差VFDを例えば0.1km/hに設定するように、0.1km/h〜1km/hの範囲で車輪速差VFDの設定値を可変するように構成しても良い。
【0035】
これにより、左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断できない場合には(S105でNo)、舵角による操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していることになるので、当該車輪速信号SFR、SFLは正常である可能性が高い。したがって、後述する異常時処理(S115)を行うことなく、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0036】
一方、左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断できる場合には(S105でYes)、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性があるので、続くステップS107に処理を移行する。
【0037】
ステップS107では、ステップS101により読み込んだ操舵角情報θhから、ステアリングホイール21の操舵角情報による切れ角の絶対値が所定角θk以上であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS107では、操舵角情報による切れ角が所定角θkであるか否かをみることにより、ステアリングホイール21が所定角θk以上切り回されているか否かを判断する。なおこの処理は、特許請求の範囲に記載の「操舵角が所定値以上である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0038】
本実施形態では、当該所定角θkは、例えば1rad に設定されているが、ステップS103により算出した内外輪速差に基づいて、当該内外輪速差が小さいときには所定角θkを例えば1rad に設定し、当該内外輪速差が大きいときには所定角θkを例えば2rad に設定するように、1rad 〜2rad の範囲で所定角θkの設定値を可変するように構成しても良い。
【0039】
これにより、操舵角の切れ角の絶対値が所定角θk以上であると判断できない場合には(S107でNo)、ステアリングホイール21が所定角θk以上に切り回されている状態にない、つまり中立状態にあることになるから、車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していることになる。したがって、当該車輪速信号SFR、SFLは正常である可能性が高いため、後述する異常時処理(S115)を行うことなく、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0040】
一方、操舵角の切れ角の絶対値が所定角θk以上であると判断できる場合には(S107でYes)、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性が高いので、続くステップS109に処理を移行する。
【0041】
続くステップS109では、ステップS101により読み込んだ左右の車輪速データVFR、VFLから、当該車輪速が所定速度V2以上であるか否かを判断する処理が行われる。即ち、ステップS109では、当該車輪速が所定速度V2以上であるか否かをみることにより、車両状態が所定速度V2以上で走行している状態にあるか否かを判断する。なお、この処理は、特許請求の範囲に記載の「操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態」を判断するものに相当し、「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0042】
本実施形態では、当該所定速度V2は、例えば10km/hに設定されている。これは、走行速度がこれよりも低速である場合には、操舵によって発生し得る内外輪速差が極めて小さな値になるため、ステアリングホイール21が切り回されているにもかかわらず、内外輪速差が発生していないとして、車輪速信号SFR、SFLの異常を誤って判定する可能性があるからである。
【0043】
これにより、左右の車輪速データVFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上であると判断できない場合には(S109でNo)、走行速度が例えば10km/h未満であるためにステアリングホイール21が切り回されていても内外輪速差が極めて小さな値になっている可能性がある。このような場合には、当該車輪速信号SFR、SFLが正常であるか否かを判定することが困難であるため、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0044】
一方、左右の車輪速データVFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上であると判断できる場合には(S109でYes)、走行速度が例えば10km/h以上であるにもかかわらず、ステップS105により内外輪速差である左右の車輪速差VFDが所定速度V1以下であると判断されていることから、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが伝達していない可能性が極めて高いと判断される。したがって、このような状態が、所定時間継続して発生しているか否かを続くステップS111により判断する。
【0045】
ステップS111では、ステップS105、S107、S109による3条件を所定期間中すべて満たすか否かを判断する処理が行われる。即ち、当該3条件をすべて満たした時点から所定時間Tを経過したか否かをタイマ値tにより判断し、所定時間Tを経過していなければ(S111でNo)、ステップS113に処理を移行する。そして、タイマ値tをインクリメントし(t=t+1)、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。
【0046】
そして、再度の本車輪速信号異常判定処理30bにより、当該3条件をすべて満たした時点から所定時間Tを経過したとタイマ値tより判断できた場合には(S111でYes)、操舵輪FR、FLの内外輪速差の発生を車輪速センサ27a、27bによる車輪速信号SFR、SFLが正常に伝達していないものと判定することができるので、続くステップS115による異常時処理を行う。なお、このステップS111による処理は、特許請求の範囲に記載の「誤検出判断ステップ」および「誤検出判断手段」に相当する。
【0047】
本実施形態では、当該所定時間Tは、例えば3秒に設定されている。これは、走路のコーナーを1つ通過するのに要する時間に相当するものである。そのため、当該所定時間Tは、左右の車輪速あるいは車速に基づいて、車輪速(車速)が速いときには所定時間Tを例えば2秒に設定し、車輪速(車速)が遅いときには所定時間Tを例えば5秒に設定するように、2秒〜5秒の範囲で所定時間Tの設定値を可変するように構成しても良い。
【0048】
ステップS115では、ステップS111により車輪速センサ27a、27bの車輪速信号SFR、SFLは正常でない、つまり異常であると判定されたため、そのような車輪速信号SFR、SFLに基づく制御等を中止させたり、その旨を運転者に告知したりする処理が行われる。本実施形態では、例えば、VGRS_ECU30によるVGRS制御処理30cを中止する処理を行うとか、また車室内のインスツルメントパネルに故障発生の警告表示をする処理を行い、一連の車輪速信号異常判定処理30bを終了する。なお、このステップS115あるいはステップS115の前段または後段において、ステップS111に用いるタイマ値tをクリアする処理が行われる。
【0049】
なお、上述したように、テップS105による所定速度V1、ステップS107による所定角θkおよびステップS109による所定速度V2の三者は、相互に影響を受ける依存関係にあるため、所定速度V1および所定角θkの関係、所定速度V1および所定速度V2の関係、所定角θkおよび所定速度V2の関係をそれぞれ2次元状にマッピング、あるいは、所定速度V1、所定速度V2および所定角θkの関係を3次元状にマッピングし半導体記憶装置(マップ記憶手段)に格納し、当該マップに基づいて、所定速度V1、所定速度V2または所定角θkの設定値を変更する手段(設定手段)を設けるように構成しても良い。
【0050】
これにより、左右の車輪速あるいは車速である所定速度V2に基づいて、内外輪速差である所定速度V1を設定することができるので、車両の運動状態に適合した適切な値を所定速度V1、所定速度V2および所定角θkに設定することができる。したがって、異常のある操舵輪FR、FLの車輪速信号SFR、SFL(車輪速)をより高精度に検出することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る中立位置誤検出防止装置によると、車輪速センサ27a、27b、車輪速演算処理30a、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS101により、左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLを検出し、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS103により操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから左右輪速差VFDを求め、操舵角センサ26、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS101によりステアリングホイール21による操舵角情報θhを検出する。そして左右輪速差VFDが所定速度V1以下である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS105)、操舵角情報θhによる切れ角が所定値θk以上である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS107)、および、操舵輪FR、FLの車輪速VFR、VFLから当該車輪速が所定速度V2以上である状態(車輪速信号異常判定処理30bによるステップS109)を、所定時間Tの間すべて満たすとき、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL(VFR、VFL)に異常があると車輪速信号異常判定処理30bによるステップS111により判断する。
【0052】
これにより、例えば左右それぞれの操舵輪FR、FLの車輪速を検出する2つの車輪速センサ27a、27bの出力信号SFR、SFLが、当該信号出力回路の短絡や信号線の短絡等によって同じなる場合があっても、当該操舵輪FR、FLの車輪速に異常があると判断することができる。したがって、当該異常のある操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLを検出できるため、舵角の中立位置の誤検出を防止することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るVGRS制御装置20によると、中立位置誤検出防止装置を備え、車輪速信号異常判定処理30bによるステップS111により、操舵輪FR、FLの車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに異常があると判断すると、当該車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに基づくVGRS制御処理30cを中止する。これにより、当該車輪速SFR、SFL、VFR、VFLに基づいてVGRS制御処理30cを行うことがない。したがって、舵角の中立位置の誤検出を防止することにより、VGRS制御装置20による不適切な車両の運動制御を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舵角中立位置の誤検出防止装置を適用したVGRS制御装置の構成概要を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るVGRS制御装置のVGRS_ECUによる制御処理の概要を表した機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るVGRS制御装置のVGRS_ECUによる車輪速信号異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 VGRS制御装置 (車両の運動制御装置)
21 ステアリングホイール
22 第1ステアリングシャフト(操舵伝達系)
23 第2ステアリングシャフト(操舵伝達系)
24 ステアリングギアボックス(操舵伝達系)
25 ロッド (操舵伝達系)
26 操舵角センサ (操舵角検出手段)
27a、27b 車輪速センサ (車輪速検出手段)
29 ギヤ比可変機構
30 VGRS_ECU(左右輪速差算出手段、誤検出判定手段)
30a 車輪速演算処理
30b 車輪速信号異常判定処理
30c VGRS制御処理 (伝達比可変制御)
FR、FL 操舵輪
M モータ (電動モータ)
V1 所定速度 (第1の所定速度)
V2 所定速度 (第2の所定速度)
θk 所定角 (所定値)
S101(車輪速検出ステップ、操舵角検出ステップ、車輪速検出手段、操舵角検出手段)
S103(左右輪速差算出ステップ、左右輪速差算出手段)
S105(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S107(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S109(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
S111(誤検出判定ステップ、誤検出判定手段)
Claims (4)
- 車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する方法に対する舵角中立位置の誤検出防止方法であって、
左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出ステップと、
前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出ステップと、
ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出ステップと、
前記左右輪速差算出ステップにより求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出ステップにより検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間中すべて満たすとき、前記車輪速検出ステップにより検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断ステップと、
を含むことを特徴とする舵角中立位置の誤検出防止方法。 - 車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて舵角の中立位置を検出する装置に対する舵角中立位置の誤検出防止装置であって、
左右それぞれの操舵輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、
前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速から左右輪速差を求める左右輪速差算出手段と、
ステアリングホイールによる操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記左右輪速差算出手段により求められた前記左右輪速差が第1の所定速度以下である状態、前記操舵角検出手段により検出された前記操舵角が所定値以上である状態、および、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速が第2の所定速度以上である状態を、所定期間すべて満たすとき、前記車輪速検出手段により検出された前記操舵輪の車輪速に異常があると判断する誤検出判断手段と、を備えることを特徴とする舵角中立位置の誤検出防止装置。 - 車両の操舵輪の左右輪速差に基づいて検出した舵角の中立位置を基準に操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、該操舵角に基づいて所定の車両の運動制御を行う車両の運動制御装置において、
請求項2記載の舵角中立位置の誤検出防止装置を備えており、前記誤検出判断手段により前記操舵輪の車輪速に異常があると判断すると、前記所定の車両の運動制御を中止することを特徴とする車両の運動制御装置。 - 前記所定の車両の運動制御は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に電動モータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変制御であることを特徴とする請求項3記載の車両の運動制御装置。
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