JP2008201161A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングの操作性を低下させることなく、反力モータを小型化できる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】車両用操舵装置1は、ステアリング21と、このステアリング21の操舵操作に応じて転舵輪31,31を転舵させる転舵動力を発生する転舵アクチュエータ33と、ステアリング21の操舵操作に応じた操舵反力を発生する反力モータ71と、備える。また、車両用操舵装置1は、反力モータ71が発生する操舵反力に合成される補助動力を発生する補助モータ81と、反力モータ71の出力軸と補助モータ81の出力軸とを接続可能であり、補助動力を操舵反力に合成する断続機構82と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両用操舵装置1は、ステアリング21と、このステアリング21の操舵操作に応じて転舵輪31,31を転舵させる転舵動力を発生する転舵アクチュエータ33と、ステアリング21の操舵操作に応じた操舵反力を発生する反力モータ71と、備える。また、車両用操舵装置1は、反力モータ71が発生する操舵反力に合成される補助動力を発生する補助モータ81と、反力モータ71の出力軸と補助モータ81の出力軸とを接続可能であり、補助動力を操舵反力に合成する断続機構82と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用の操舵装置に関する。より具体的には、運転者が操舵操作を行うステアリングと、転舵輪を転舵させる転舵機構とが機械的に連結されていない所謂ステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置に関する。
従来より、ステアリングに結合した操舵軸と転舵輪を転舵させる転舵機構とが機械的に分離され、操舵装置に設けられたステアリングモータを、ステアリングの操舵操作に基づいて電気的に制御する所謂ステア・バイ・ワイヤ方式(以下、SBW方式)が提案されている。
このようなステアリング装置では、ステアリングと、転舵輪及びこれを転舵する転舵機構とが機械的に連結されていないため、路面反力がステアリングに伝達することがない。このため、路面反力を擬似的に再現するために、操舵反力としての反力トルクを発生する反力モータと、この反力モータの出力をステアリングと同軸に連結された操舵軸に伝達し操舵反力を付与する反力伝達機構と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
ここで反力モータは、運転者によるステアリングの操舵操作、及び、車両の走行状態等に応じて、所定の反力トルクを発生するように制御されており、これにより、ステアリングの操舵操作に応じた適切な操舵反力がステアリングに付与される。
特開2005−29016号公報
ところで、転舵輪が連結されるラック軸がストロークエンドにある場合や、転舵輪が縁石に突き当たっている場合などは、転舵輪を転舵させることができない。そこで、このように転舵輪を追加転舵できない状態になった場合は、運転者によるステアリングの追加操舵を妨げるように、反力モータの出力を急激に立ち上げている。
このため、反力モータは、運転者によるステアリング操作に抗した出力が可能である程度のトルクの出力を有するものを用いる必要がある。ここで、反力モータの出力によらず、例えば、ストッパを設けてステアリングの回転を規制することにより、運転者のステアリングの追加操舵を妨げることが考えられる。しかしながら、SBW方式のステアリング装置は、舵角比、すなわち、ステアリングの操舵角度と転舵輪の実舵角との比を可変できることが特徴であるため、上述のようなストッパの位置も舵角比に応じて変更されなければならず、複雑な機構を必要とする。
以上のような理由から、反力モータとしては、運転者の操舵操作に抗した出力が可能な程度に高出力のものが用いられることが好ましい。しかしながら、一方では、反力モータを高出力のものにしたり、あるいは、モータの減速比を大きくしたりすると、これに伴い、ステアリングを操舵操作した場合に運転者が感じる反力モータや減速ギヤの慣性モーメントも大きくなることとなる。つまり、反力モータを大型化すると、運転者によるステアリングの操作性を低下させてしまう虞があった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、ステアリングの操作性を低下させることなく、反力モータを小型化できる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
(1) ステアリング(例えば、後述のステアリング21)と、該ステアリングの操舵操作に応じて転舵輪(例えば、後述の転舵輪31,31)を転舵させる転舵動力を発生する転舵アクチュエータ(例えば、後述の転舵アクチュエータ33)と、前記ステアリングの操舵操作に応じて該ステアリングに付与させる操舵反力を発生する反力アクチュエータ(例えば、後述の反力モータ71,71B)とを備える車両用操舵装置において、前記反力アクチュエータが発生する操舵反力に合成される補助動力を発生する補助アクチュエータ(例えば、後述の補助モータ81,81A、及び補助アクチュエータ81B)と、前記反力アクチュエータの出力軸と前記補助アクチュエータの出力軸とを機械的に接続可能であり、前記補助動力を前記操舵反力に合成する断続機構(例えば、後述の断続機構82、双方向クラッチ82A、及び軸継手82B)と、を備えることを特徴とする車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1,1A,1B)。
(1)の発明によれば、補助動力を発生する補助アクチュエータと、反力アクチュエータの出力軸と補助アクチュエータの出力軸とを機械的に接続可能であり補助動力を操舵反力に合成する断続機構と、を設けた。これにより、必要に応じて断続機構で反力アクチュエータの出力軸と補助アクチュエータの出力軸とを機械的に接続し、補助動力を操舵反力に合成して、ステアリングに付与する操舵反力を一時的に増加できる。
すなわち、上述のように転舵輪を追加転舵できなくなった場合等、操舵反力を急激に立ち上げる必要がある場合には補助動力を操舵反力に合成し、一方、操舵反力を急激に立ち上げる必要の無い通常の走行時には、反力アクチュエータの出力軸と補助アクチュエータの出力軸との機械的な接続を切断することができる。
このような構成にすることにより、反力アクチュエータを、通常の走行時に必要な出力に合わせて設計できる。したがって、(1)の発明によれば、必要な最大出力に合わせて設計された反力アクチュエータを用いた従来の車両用操舵装置と比較して、ステアリングの操作性を低下させることなく、反力アクチュエータを小型化できる。
(2) 前記断続機構は、前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを機械的に接続し、前記補助動力を前記操舵反力に合成する第1クラッチ部(例えば、後述の第1クラッチ部83)と、前記補助アクチュエータの出力軸と前記転舵アクチュエータの出力軸とを機械的に接続し、前記補助動力を前記転舵動力に合成する第2クラッチ部(例えば、後述の第2クラッチ部84)と、を備えることを特徴とする(1)に記載の車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1)。
(2)の発明によれば、第1クラッチ部で補助動力を操舵反力に合成したり、第2クラッチ部で補助動力を転舵動力に合成したりできる。したがって、操舵反力や転舵動力として必要な動力を補助動力で補うことにより、これら操舵反力及び転舵動力を発生する反力アクチュエータ及び転舵アクチュエータを適宜小型化できる。
(3) 前記第1クラッチ部により前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とが機械的に接続された状態と、前記第2クラッチ部により前記補助アクチュエータの出力軸と前記転舵アクチュエータの出力軸とが機械的に接続された状態とを、車両の状態に応じて切り替える制御を行う制御手段(例えば、後述の制御装置50)をさらに備えることを特徴とする(2)に記載の車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1)。
(3)の発明によれば、車両の状態に応じて補助動力を操舵反力に合成した状態と、補助動力を転舵動力に合成した状態とを切り替えることができる。これにより、転舵輪を追加転舵できない状態では、補助動力を操舵反力に合成し、操舵反力を急激に立ち上げさせることができる。また、通常の走行状態では、補助動力を転舵動力に合成し、転舵動力を補い、転舵追従性を向上させることができる。
(4) 前記断続機構は、前記補助アクチュエータで発生された補助動力のみを前記反力アクチュエータが発生する操舵反力に合成可能な双方向クラッチ(例えば、後述の双方向クラッチ82A)であることを特徴とする(1)に記載の車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1A)。
(4)の発明によれば、補助アクチュエータで発生された補助動力のみを反力アクチュエータが発生する操舵反力に合成可能な双方向クラッチを設けた。これにより、補助アクチュエータを適宜駆動して、操舵反力を急激に立ち上げることができる。また、反力アクチュエータの出力軸と補助アクチュエータの出力軸とを双方向クラッチで接続したので、補助アクチュエータを駆動していない状態では、運転者がステアリングを操舵しても、この補助アクチュエータの慣性モーメントを感じることはない。
(5) 前記断続機構は、前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを略同軸にし、かつ揺動可能に接続する軸継手(例えば、後述の軸継手82B)であり、前記反力アクチュエータ及び前記補助アクチュエータを回転制御する制御手段(例えば、後述の制御装置50B)を備え、前記制御手段は、前記補助アクチュエータを、その出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを略同位相にして回転制御可能であることを特徴とする(1)に記載の車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1B)。
(5)の発明によれば、制御手段により、反力アクチュエータと共に補助アクチュエータを回転制御することにより、軸継手を介して、補助動力を操舵反力に合成させることができる。これにより、操舵反力を急激に立ち上げることができる。
また、補助アクチュエータを、その出力軸と反力アクチュエータの出力軸とを略同位相にして回転制御することにより、軸継手を揺動させた状態を保つことができる。すなわち、この状態では、反力アクチュエータの出力軸と補助アクチュエータの出力軸とは機械的に連結されていないので、ステアリングを操舵した場合に、運転者が補助アクチュエータの慣性モーメントを感じてしまうのを防止できる。
本発明によれば、必要な最大出力に合わせて設計された反力アクチュエータを用いた従来の車両用操舵装置と比較して、ステアリングの操作性を低下させることなく、反力アクチュエータを小型化できる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用操舵装置1の構成を示す模式図である。
車両用操舵装置1は、運転者による操舵操作が入力される操舵機構20と、この操舵機構20の操舵操作に応じて一対の転舵輪31,31を転舵させる転舵機構30と、これら操舵機構20及び転舵機構30に補助動力を伝達する補助機構80と、これら操舵機構20、転舵機構30、及び補助機構80を制御する制御手段としての制御装置50と、を含んで構成される。本発明の車両用操舵装置1は、これら操舵機構20と転舵機構30とを機械的に分離した、所謂ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用操舵装置1の構成を示す模式図である。
車両用操舵装置1は、運転者による操舵操作が入力される操舵機構20と、この操舵機構20の操舵操作に応じて一対の転舵輪31,31を転舵させる転舵機構30と、これら操舵機構20及び転舵機構30に補助動力を伝達する補助機構80と、これら操舵機構20、転舵機構30、及び補助機構80を制御する制御手段としての制御装置50と、を含んで構成される。本発明の車両用操舵装置1は、これら操舵機構20と転舵機構30とを機械的に分離した、所謂ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置である。
操舵機構20は、運転者が操舵可能なステアリング21と、このステアリング21を回転可能に支持する略棒状のステアリングシャフト22と、ステアリング21の操舵操作に応じて、このステアリング21に操舵反力を付与する反力機構70と、を備える。ステアリングシャフト22は、後述の第1クラッチ部83と連結されている。
反力機構70は、ステアリング21に付与される操舵反力を発生する反力アクチュエータとしての反力モータ71と、この反力モータ71の出力軸に設けられたウォームギヤ72と、ステアリングシャフト22に同軸にして設けられ、ウォームギヤ72と噛合するウォームホイール73と、を含んで構成される。
すなわち、この反力機構70は、反力モータ71で発生された操舵反力を、所謂ウォームギヤ機構によりステアリングシャフト22に伝達し、運転者による回転操舵操作に対する操作抵抗をステアリング21に付与する。
また、ステアリングシャフト22には、このステアリングシャフト22に連結されたステアリング21の中立位置からの操舵角度(回転角度)を検出する操舵角度センサ24が設けられている。ここで、ステアリング21の中立位置とは、転舵輪31,31が直進状態になるように制御装置50によって制御されるステアリング21の位置に対応する。
転舵機構30は、略棒状のラック軸32と、このラック軸32に付与される転舵動力を発生する転舵アクチュエータ33と、ラック軸32の両端側に連結された転舵輪31,31と、を含んで構成される。転舵アクチュエータ33は、ステアリング21の回転に応じて制御装置50により駆動される。また、この転舵アクチュエータ33の出力軸は、ラック軸32と図示しないラックアンドピニオン機構で連結されており、これにより、ラック軸32を軸方向に駆動することが可能となっている。
また、ラック軸32には、サブステアリングシャフト34がピニオンギヤ39を介して連結されている。すなわち、このサブステアリングシャフト34を回転させることにより、ラック軸32を軸方向に駆動することが可能となっている。このサブステアリングシャフト34は、後述の第2クラッチ部84と連結されている。
ラック軸32の両端部には、それぞれ、ステアリングロッド35,35、タイロッド36,36、及びナックルアーム37,37を介して、転舵輪31,31が連結されている。これにより、転舵アクチュエータ33により発生された転舵動力は、ラック軸32及びステアリングロッド35,35の直線運動に変換され、タイロッド36,36及びナックルアーム37,37を介して、転舵輪31,31に伝達し、これら転舵輪31,31を転舵させる。
補助機構80は、補助動力を発生する補助アクチュエータとしての補助モータ81と、この補助モータ81により発生された補助動力を操舵反力及び転舵動力に合成する断続機構82と、を含んで構成される。断続機構82は、補助機構80と操舵機構20とを機械的に連結する第1クラッチ部83と、補助機構80と転舵機構30とを機械的に連結する第2クラッチ部84と、これら第1クラッチ部83及び第2クラッチ部84を連結する連結シャフト85と、を備える。
第1クラッチ部83は、一対の第1クラッチプレート831,832と、これら第1クラッチプレート831,832を互いに断続する図示しない電磁アクチュエータと、を備える。ここで、一方の第1クラッチプレート831は、操舵機構20のステアリングシャフト22に連結され、他方の第1クラッチプレート832は、連結シャフト85に連結されている。また、電磁アクチュエータは、制御装置50からの制御信号に応じて駆動され、これにより、第1クラッチプレート831,832が互いに離間した状態と、互いに摩擦係合した状態と、を切り替えることが可能となっている。
第2クラッチ部84は、一対の第2クラッチプレート841,842と、これら第2クラッチプレート841,842を互いに断続する図示しない電磁アクチュエータと、を備える。ここで、一方の第2クラッチプレート841は、転舵機構30のサブステアリングシャフト34に連結され、他方の第2クラッチプレート842は、連結シャフト85に連結されている。また、電磁アクチュエータは、制御装置50からの制御信号に応じて駆動され、これにより、第2クラッチプレート841,842が互いに離間した状態と、互いに摩擦係合した状態と、を切り替えることが可能となっている。
連結シャフト85には、補助モータ81の出力軸に設けられたウォームギヤ811と噛合するウォームホイール851が設けられている。これにより、補助モータ81により発生された補助動力を第1クラッチ部83及び第2クラッチ部84に伝達できる。
図2は、補助機構80の構成を示す模式図であり、第1クラッチプレート831,832が互いに摩擦係合し、第2クラッチプレート841,842が互いに離間した状態を示す図である。図2に示すように、第1クラッチプレート831,832が互いに摩擦係合した状態では、連結シャフト85とステアリングシャフト22とは機械的に連結された状態となる。また、これにより、補助モータ81の出力軸と反力モータ71(図1参照)の出力軸とも機械的に連結された状態となる。これにより、補助モータ81により発生された補助動力を、反力モータ71により発生された操舵反力に合成させることができる。
図3は、補助機構80の構成を示す模式図であり、第2クラッチプレート841,842が互いに摩擦係合し、第1クラッチプレート831,832が互いに離間した状態を示す図である。図3に示すように、第2クラッチプレート841,842が互いに摩擦係合した状態では、連結シャフト85とサブステアリングシャフト34とは機械的に連結された状態となる。また、これにより、補助モータ81の出力軸と転舵アクチュエータ33(図1参照)の出力軸とは機械的に連結された状態となる。これにより、補助モータ81により発生された補助動力を、転舵アクチュエータにより発生された転舵動力に合成させることができる。
図1に戻って、制御装置50は、操舵角度センサ24や車両の状態を監視するその他のセンサ等からの入力に基づいて、ステアリング21の操舵操作に応じて、反力モータ71及び転舵アクチュエータ33を制御する。また、この制御装置50は、反力モータ71及び転舵アクチュエータ33に加えて、補助モータ81、第1クラッチ部83、及び第2クラッチ部84をも同時に制御可能となっている。具体的には、制御装置50は、補助モータ81を駆動して補助動力を発生させると共に、第1クラッチ部83を駆動することにより補助動力を操舵反力に合成したり、第2クラッチ部84を駆動することにより補助動力を転舵動力に合成したりできる。
制御装置50は、例えば、転舵輪31,31を転舵させることができない状態、つまり、転舵輪31,31が縁石に突き当たった状態や、ラック軸32がストロークエンドに達した状態になると、上述のように第1クラッチ部83を駆動して、補助動力を操舵反力に合成させる。これにより、ステアリング21に加えられる操舵抵抗は、急激に立ち上がることとなり、したがって、運転者がステアリング21を追転するのを防止できる。
また、制御装置50は、操舵抵抗を特に大きくする必要のない通常の走行状態においては、上述のように第2クラッチ部84を駆動して、補助動力を転舵動力に合成させる。これにより、転舵追従性を向上させることができる。またここで、第1クラッチプレート831,832が互いに離間した状態では、操舵機構20と補助機構80とは機械的に連結されていないので、運転者は、ステアリング21を操舵操作しても、この補助モータ81の慣性モーメントを感じることは無い。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る車両用操舵装置1Aの構成を示す模式図である。本実施形態の車両用操舵装置1Aは、第1実施形態の車両用操舵装置1と、補助機構80A及び制御装置50Aの構成が異なる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る車両用操舵装置1Aの構成を示す模式図である。本実施形態の車両用操舵装置1Aは、第1実施形態の車両用操舵装置1と、補助機構80A及び制御装置50Aの構成が異なる。
補助機構80Aは、補助動力を発生する補助アクチュエータとしての補助モータ81Aと、この補助モータ81Aにより発生された補助動力を、反力モータ71により発生された操舵反力に合成する断続機構としての双方向クラッチ82Aと、この双方向クラッチ82Aとステアリングシャフト22とを連結するウォームギヤ85A及びウォームホイール86Aと、を備える。
双方向クラッチ82Aは、略円筒状のアウタ部材821Aと、このアウタ部材821Aに収容されるインナ部材822Aと、これらアウタ部材821A及びインナ部材822Aを連結する図示しないロール部材と、を含んで構成される所謂ツーウェイクラッチである。
これらアウタ部材821A及びインナ部材822Aは、同一の中心軸周りで相対的に回転可能となっていると共に、ロール部材により一方向へのみトルクの伝達が可能となっている。具体的には、インナ部材822Aに加えられたトルクはアウタ部材821Aへ伝達可能である一方、アウタ部材821Aに加えられたトルクはインナ部材822Aに伝達不能に構成されている。
以上のような双方向クラッチ82Aには、補助モータ81Aの出力軸及びウォームギヤ85Aが連結されている。より具体的には、補助モータ81Aの出力軸はインナ部材822Aに同軸に固着され、ウォームギヤ85Aはアウタ部材821Aに同軸に固着される。また、このウォームギヤ85Aと噛合するウォームホイール86Aは、ステアリングシャフト22に同軸に連結されている。
このように連結することにより、双方向クラッチ82Aは、補助モータ81Aにより発生された補助動力のみを反力モータ71に合成することとなる。また、反力モータ71により発生された操舵反力が、補助モータ81側へ伝達することは殆ど無い。
すなわち、制御装置50Aにより、補助モータ81Aを駆動して、補助動力を発生させると、この補助動力は、双方向クラッチ82Aを介して、ステアリングシャフト22に伝達し、反力モータ71により発生された操舵反力に合成されることとなる。これにより、第1実施形態の車両用操舵装置1と同様に、ステアリング21に加える操舵抵抗を、急激に立ち上げることができる。
一方、補助モータ81Aが制御装置50Aにより駆動されていない状態では、運転者がステアリング21を操舵操作してウォームホイール86Aを回転させても、双方向クラッチ82Aのアウタ部材821Aを空転させるのみとなる。すなわち、運転者は、補助モータ81Aを駆動していない状態では、この補助モータ81Aの慣性モーメントを感じることはない。
また、操舵機構20のステアリングシャフト22は、クラッチ機構90を介して、転舵機構30のサブステアリングシャフト34に連結されている。
クラッチ機構90は、一対のクラッチプレート91,92と、これらクラッチプレート91,92を互いに断続する図示しない電磁アクチュエータと、を備える。この電磁アクチュエータは、制御装置50Aからの制御信号に応じて駆動される。
クラッチ機構90は、一対のクラッチプレート91,92と、これらクラッチプレート91,92を互いに断続する図示しない電磁アクチュエータと、を備える。この電磁アクチュエータは、制御装置50Aからの制御信号に応じて駆動される。
これらクラッチプレート91,92は、通常時には互いに離間した状態となっている。また、例えばシステムの失陥時には、制御装置50Aからの制御信号が出力され、これに応じてクラッチプレート91,92が互いに摩擦係合した状態となり、これにより、ステアリングシャフト22とサブステアリングシャフト34とが機械的に連結される。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る車両用操舵装置1Bの構成を示す模式図である。本実施形態の車両用操舵装置1Bは、第1実施形態の車両用操舵装置1と、反力機構70B、補助機構80B、及び制御装置50Bの構成が異なる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る車両用操舵装置1Bの構成を示す模式図である。本実施形態の車両用操舵装置1Bは、第1実施形態の車両用操舵装置1と、反力機構70B、補助機構80B、及び制御装置50Bの構成が異なる。
反力機構70Bの反力モータ71Bには、第1実施形態の反力モータ71と異なり両側に出力軸を有する所謂両軸モータが用いられる。ここで、反力モータ71Bの出力軸の先端側はウォームギヤ72に連結されており、基端側は補助機構80Bの後述の軸継手82Bに連結されている。また、この反力モータ71Bの出力軸の基端側には、この出力軸の回転角度を検出する反力モータ用角度センサ74Bが設けられている。
補助機構80Bは、断続機構としての軸継手82Bと、この軸継手82Bと連結される出力軸を有する補助アクチュエータ81Bと、を含んで構成される。補助アクチュエータ81Bは、動力源としての補助モータ811Bと、この補助モータ811Bの出力を減速し高トルクの補助動力を出力する高減速機構812Bと、を含んで構成される。ここで、高減速機構812Bには、補助アクチュエータ81Bの出力軸の回転角度を検出する補助モータ用角度センサ813Bが設けられている。
軸継手82Bは、互いに隙間を有した状態で組み合わせられる第1継手部材821Bと第2継手部材822Bとを含んで構成される。これら第1継手部材821B及び第2継手部材822Bには、互いに遊嵌するキーとキー溝が形成されている。また、これら第1継手部材821B及び第2継手部材822Bは、それぞれ、反力モータ71Bの出力軸及び補助アクチュエータ81Bの出力軸が固着されており、これにより、反力モータ71Bの出力軸と補助アクチュエータ81Bの出力軸とは、互いに略同軸にし、かつ揺動可能に接続される。
制御装置50Bは、第1実施形態の制御装置50と同様に、反力モータ71及び転舵アクチュエータ33に加えて、補助機構80Bの補助アクチュエータ81Bをも同時に回転制御可能となっている。また、制御装置50Bは、反力モータ用角度センサ74B及び補助モータ用角度センサ813Bからの入力に基づいて、反力モータ71の出力軸と、補助アクチュエータ81Bの出力軸とを略同位相にして、これら反力モータ71及び補助アクチュエータ81Bを回転制御可能となっている。
ここで、制御装置50Bは、反力モータ71を駆動すると共に、補助アクチュエータ81Bを駆動して反力モータ71の出力軸を追転させることにより、補助アクチュエータ81Bにより発生された補助動力を、反力モータ71により発生される操舵反力に合成させることができる。これにより、第1実施形態の車両用操舵装置1と同様に、ステアリング21に加える操舵抵抗を、急激に立ち上げることができる。
また、制御装置50Bは、反力モータ71を駆動すると共に、上述のように反力モータ71の出力軸と補助アクチュエータ81Bの出力軸とを略同位相にして補助アクチュエータ81Bを回転制御することにより、軸継手82Bの隙間を保った状態にできる。すなわち、この状態では、反力モータ71の出力軸と補助アクチュエータ81Bの出力軸とは、機械的に連結されていないので、ステアリング21を操舵操作した場合に、運転者が補助アクチュエータ81Bの慣性モーメントを感じることはない。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1,1A,1B…車両用操舵装置、20…操舵機構、21…ステアリング(ステアリング)、30…転舵機構、31,31…転舵輪、33…転舵アクチュエータ(転舵アクチュエータ)、50,50A,50B…制御装置、70,70B…反力機構、71,71B…反力モータ(反力アクチュエータ)、80,80A,80B…補助機構、81,81A…補助モータ(補助アクチュエータ)、81B…補助アクチュエータ(補助アクチュエータ)、82…断続機構(断続機構)、82A…双方向クラッチ(断続機構)、82B…軸継手(断続機構)、83…第1クラッチ部(第1クラッチ部)、84…第2クラッチ部(第2クラッチ部)
Claims (5)
- ステアリングと、該ステアリングの操舵操作に応じて転舵輪を転舵させる転舵動力を発生する転舵アクチュエータと、前記ステアリングの操舵操作に応じて該ステアリングに付与させる操舵反力を発生する反力アクチュエータとを備える車両用操舵装置において、
前記反力アクチュエータが発生する操舵反力に合成される補助動力を発生する補助アクチュエータと、
前記反力アクチュエータの出力軸と前記補助アクチュエータの出力軸とを機械的に接続可能であり、前記補助動力を前記操舵反力に合成する断続機構と、を備えることを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記断続機構は、
前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを機械的に接続し、前記補助動力を前記操舵反力に合成する第1クラッチ部と、
前記補助アクチュエータの出力軸と前記転舵アクチュエータの出力軸とを機械的に接続し、前記補助動力を前記転舵動力に合成する第2クラッチ部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。 - 前記第1クラッチ部により前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とが機械的に接続された状態と、
前記第2クラッチ部により前記補助アクチュエータの出力軸と前記転舵アクチュエータの出力軸とが機械的に接続された状態とを、車両の状態に応じて切り替える制御を行う制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。 - 前記断続機構は、前記補助アクチュエータで発生された補助動力のみを前記反力アクチュエータが発生する操舵反力に合成可能な双方向クラッチであることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
- 前記断続機構は、前記補助アクチュエータの出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを略同軸にし、かつ揺動可能に接続する軸継手であり、
前記反力アクチュエータ及び前記補助アクチュエータを回転制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記補助アクチュエータを、その出力軸と前記反力アクチュエータの出力軸とを略同位相にして回転制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007036445A JP2008201161A (ja) | 2007-02-16 | 2007-02-16 | 車両用操舵装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013001183A (ja) * | 2011-06-14 | 2013-01-07 | Jtekt Corp | 車両用操舵装置 |
KR20180039446A (ko) * | 2016-10-10 | 2018-04-18 | 주식회사 만도 | 스티어 바이 와이어 시스템의 이중 구조를 갖는 반력 제어 장치 및 그 방법 |
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2007
- 2007-02-16 JP JP2007036445A patent/JP2008201161A/ja active Pending
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