JP2004134780A - エッチング液の再生方法、エッチング方法およびエッチング装置 - Google Patents

エッチング液の再生方法、エッチング方法およびエッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 燐酸水溶液を使用する窒化珪素膜のエッチング液を対象とし、該エッチング液中において生成する珪素化合物の除去が極めて容易で、工業的プロセスに一層適し、エッチング液の再生処理経費を低減すること。
【解決手段】 エッチング槽において、窒化珪素膜をエッチングするために用いた、燐酸水溶液からなるエッチング液を再生する方法において、該エッチングにより生じる珪素化合物を含むエッチング液をエッチング槽から取り出し、前記取り出したエッチング液に水を加えて、該エッチング液の燐酸濃度を80〜50質量%に下げる工程と、該燐酸濃度の低下によってエッチング液中に析出した珪素化合物をエッチング液から除去する工程とを有することを特徴とするエッチング液の再生方法。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、窒化珪素膜のエッチングに使用された燐酸水溶液からなるエッチング液の再生方法、エッチング方法およびエッチング装置に関し、特に、エッチング処理中および/または後にエッチング液から珪素化合物(窒化珪素と燐酸との反応生成物)を効率よく除去する技術に関する。
 各種基板などの量産ラインにおけるエッチング処理では、槽内のエッチング液を清浄に保つため、エッチング液を濾過循環して、エッチング液中のゴミなどの異物を除去しながら、エッチングを連続的に行う。これは、加熱された燐酸水溶液からなるエッチング液による窒化珪素膜のエッチングにおいても同様であり、エッチング液を濾過循環し、エッチング液中に析出した珪素化合物を他の異物とともに濾過して浄化して連続的にエッチングを行なっている(例えば、特許文献1参照)。
 ところが、上記の方法では、珪素化合物を含む燐酸水溶液を高温では勿論、常温まで冷却して濾過(例えば、フィルター孔径が0.1μmのもので濾過)しても、燐酸水溶液中の珪素化合物は殆ど捕捉されない。このため窒化珪素膜のエッチング操作では、例えば、エッチング槽およびエッチング液の循環経路において、珪素化合物の析出や固着が生じたり、エッチング液中の珪素化合物濃度によって、窒化珪素膜/酸化珪素膜などの窒化珪素を含む膜のエッチング選択比が変動することから、エッチング液を定期的に交換しなければならない。このような背景から、本出願人は、珪素化合物を含むエッチング液を再生する方法として、エッチング液をフッ化水素(HF)により処理する方法(特許文献2)を完成させ、また、それを工業プロセスに適用するうえで好適なエッチング液の再生処理装置(特許文献3)を提案している。
特公平3−20895号公報 特許第3072876号公報(第2−3頁、図1) 特開平11−293479号公報(第2−5頁、図1)
 上記したエッチング液の再生方法や装置は、エッチング液中の珪素化合物を、添加したHFと反応させ、反応生成物である珪素フッ化物を水蒸気とともに除去するものであるが、使用するHFも珪素化合物と同様に窒化珪素膜のエッチング選択比に影響を及ぼす物質であるため、エッチング液中に残留するHF濃度を高精度に測定し、エッチング液の再生処理の終了時点(エッチングに影響を与えないHF濃度など)を確認し管理しなくてはならない。この終点管理は、例えば、エッチング液の一部をサンプリングして行うが、該終点管理は、連続エッチングを維持する上で煩雑であり、かつ経費増の要因となる。
 従って本発明の目的は、燐酸水溶液を使用する窒化珪素膜のエッチング液を対象とし、該エッチング液中において生成する珪素化合物の除去が極めて容易で、工業的プロセスに一層適し、エッチング液の再生処理経費を低減することが可能なエッチング液の再生方法を提供することである。本発明の別の目的は、上記再生方法を用いるエッチング方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、上記再生方法およびエッチング方法を実施するのに好適なエッチング装置を提供することである。
 上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、エッチング槽において、窒化珪素膜を燐酸水溶液からなるエッチング液を用いてエッチングし、該エッチングにより生じる珪素化合物を含むエッチング液をエッチング槽から取り出し、前記取り出したエッチング液に水を加えて、該エッチング液の燐酸濃度を80〜50質量%(以下「質量%」を単に「%」で表示する)に下げる工程と、該希釈によってエッチング液中に析出した珪素化合物をエッチング液から除去する工程とを有することを特徴とするエッチング液の再生方法を提供する。
 上記再生方法においては、前記珪素化合物のエッチング液からの除去を、濾過によって行なうこと、および前記エッチング液の燐酸濃度を、水を加えて75〜50%に下げることが好ましく、このように希釈することにより、エッチング液中の珪素化合物の析出を大幅に促進して、珪素化合物の除去効率を向上させ、エッチング液中に析出した珪素化合物を効率よく濾過分離することができる。
 上記再生方法においては、前記エッチング液の燐酸濃度を、水を加えて下げる際、前記エッチング液の温度を100℃〜常温(20℃)、好ましくは60℃〜常温(20℃)まで冷却することにより、エッチング液中の珪素化合物の析出をさらに大幅に促進して、珪素化合物の除去効率を向上させ、エッチング液中に析出した珪素化合物をさらに効率よく濾過分離することができる。
 また、上記再生方法においては、前記濾過後のエッチング液を140〜180℃に加熱することが好ましく、この温度に前記濾過後のエッチング液を加熱することにより、例えば、希釈されたエッチング液の温度を、エッチングに適した温度である160℃前後に近づけて連続エッチングを可能にすることができる。
 さらに、前記濾過後のエッチング液を濃縮して、その燐酸濃度を80〜90%にすることが好ましく、例えば、前記希釈されたエッチング液の燐酸濃度を、エッチングに適した濃度である87%前後に近づけて連続エッチングを効率的にすることができる。
 また、本発明は、エッチング槽において燐酸水溶液からなるエッチング液を使用して窒化珪素膜をエッチングするエッチング方法において、前記エッチング中または後に、前記エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出す工程と、前記本発明の再生方法によりエッチング液を再生する工程と、該再生したエッチング液を前記エッチング槽内へ戻す工程とを有することを特徴とするエッチング方法を提供する。
 また、本発明は、エッチング槽において燐酸水溶液からなるエッチング液を使用して窒化珪素膜をエッチングするエッチング方法において、前記エッチング中または後に、前記エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出す工程と、該取り出したエッチング液を2分流する工程と、該2分流した一方のエッチング液(A)を濾過して前記エッチング槽へ戻す工程と、前記2分流した他方のエッチング液(B)を前記本発明の再生方法により再生する工程と、該再生されたエッチング液(B)を前記一方のエッチング液(A)と合流させて前記エッチング槽へ戻す工程とを有することを特徴とするエッチング方法を提供する。
 上記本発明のエッチング方法によれば、例えば、窒化珪素膜の連続エッチングを実現して、被エッチング物のエッチング品質およびエッチングの稼働率向上を実現可能にする。
 また、本発明は、上記のエッチング方法のいずれか一方を実施するエッチング装置であって、エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出し、該取り出したエッチング液を水で希釈して前記珪素化合物を析出させる希釈・析出部と、珪素化合物の濾過部と、エッチング液の濃縮部および加熱部の少なくとも一方とを順に配置してなることを特徴とするエッチング装置を提供する。さらに、該装置は加熱部に代えて、または加えて濃縮部を有することができる。
 上記本発明のエッチング装置によれば、上記希釈・析出部と、濾過部と、濃縮部および加熱部の少なくとも一方とを順に配置することにより、例えば、前記従来の再生用HFを添加するエッチング装置よりも装置を簡略化でき、設備費を抑えたり、エッチング液の循環制御を簡単に行えるようになる。
 さらに、上記本発明のエッチング装置によれば、上記濃縮部において、水蒸気を蒸発させれば、加熱と同時に濃縮を行うことができ、また、上記加熱部の前工程または後工程において濃縮部を配置することにより、前記エッチング液の燐酸濃度を80〜90%に濃縮し、例えば、エッチングに適した燐酸濃度である87%前後に近づけて、連続エッチングを効率的にすることができる。
 本発明にあっては、燐酸水溶液による窒化珪素膜のエッチングにおいて、エッチング液中に蓄積してくる珪素化合物を容易に取り除くことができ、前記したHFを添加する方法に比較してエッチング液の再生処理の終点管理に煩わされることがなく、かつ設備を簡略化したり維持経費を低減することができる。
 次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。従来、半導体シリコンウエハなどの表面に素子分離膜として該ウエハを酸化して酸化珪素膜を形成する。この酸化珪素膜の形成工程においてウエハ表面に耐酸化マスクとしての窒化珪素膜と酸化珪素膜とが存在し、該窒化珪素膜のみを選択的にエッチングするために、エッチング液として濃度約85〜90%の燐酸水溶液からなるエッチング液が使用されている。上記エッチング液により窒化珪素膜をエッチングすると、窒化珪素膜の珪素成分が燐酸中に溶け出し、珪素化合物が生成し、該珪素化合物がエッチング液中に徐々に蓄積される。本発明では、該珪素化合物を含む燐酸水溶液から珪素化合物を効率的に除去して、エッチング液を再生し、再生されたエッチング液を循環再使用できるようにする。
 上記エッチング液中の珪素化合物の濃度は、エッチング槽内で処理する窒化珪素膜を有する半導体ウエハの枚数とともに増加するが、エッチング液の沸点である160℃程度で窒化珪素膜のエッチングを行った場合、生成する珪素化合物のエッチング液における飽和濃度は、Si換算で約85mg/kgである。この飽和濃度を超えて上記エッチングを継続すると珪素化合物がエッチング液中において析出し、配管閉塞などの前記の問題が発生する。
 また、上記エッチングは、選択的に窒化珪素膜をエッチングすることを目的としているが、窒化珪素膜のエッチングと同時に酸化珪素膜も僅かにエッチングされる。上記エッチングによる酸化珪素膜のエッチング速度は、例えば、新鮮なエッチング液において約2Å(深さ)/min.であり、エッチング液中の珪素化合物の濃度の増大とともに上記エッチング速度は低下する。エッチング液中において珪素化合物の存在量が、珪素化合物の飽和濃度(Si換算で約85mg/kg)に達すると、酸化珪素膜のエッチング速度は0Å/min.付近まで低下する。このようにエッチング液中の珪素化合物の濃度によって酸化珪素膜のエッチング速度が変化すると、ウエハ表面の酸化珪素膜の厚さも変化し、得られるデバイスの特性に影響を与える。本発明のエッチング液の再生方法によれば、エッチング液中の珪素化合物の濃度変化が少なくなるので、酸化珪素膜の厚み変動が抑えられ、得られるデバイスの特性を安定化させることができるという利点がある。
 従って、窒化珪素膜を有する半導体ウエハのエッチング操作では、エッチング装置の安定化、エッチング処理品の品質を安定かつ均一化するためには、エッチング液中の珪素化合物の濃度を、前記した飽和濃度より低い値、例えば、Si換算で80mg/kgより低い値に維持しなければならない。
 本発明者らは、上記の課題認識から工業的プロセスにより適したエッチング液の再生方法を追求している過程で、次のような現象を知見した。まず、珪素化合物を含むエッチング液を水で希釈すると、珪素化合物が析出し易くなる。しかも、このような珪素化合物の析出度合はエッチング液の水による希釈率によって大きく異なることである。これは、1例として珪素化合物を含むエッチング液を1.7質量倍に水で希釈した場合、元のエッチング液中に含まれている珪素化合物の約80%が析出することを見出し、この水によるエッチング液の希釈方法が、前記従来のHFを添加する方法に代わるものとして、エッチング液の再生に充分に応用できるとの確証に至った。
 すなわち、本発明の第一発明であるエッチング液の再生方法は、エッチング槽において、窒化珪素膜を燐酸水溶液からなるエッチング液を用いてエッチングし、該エッチングにより生じる珪素化合物を含むエッチング液をエッチング槽から取り出し、前記取り出したエッチング液に水を加えて、該エッチング液の燐酸濃度を80〜50%に下げる工程と、該燐酸濃度の低下によってエッチング液中に析出した珪素化合物を濾過してエッチング液から除去する工程とを有することを特徴とする。
 本発明で再生処理されるエッチング液は、エッチング槽における窒化珪素膜のエッチング継続によって、通常、珪素化合物がSi換算で80mg/kg程度以上含まれるエッチング液であり、燐酸濃度が85〜90%である。この液に水(純水)を添加して希釈する。水を添加する形態は特に制約されないが、好ましくはエッチング液と水とが均一に混ざるように混合撹拌(例えば、両液を混合し易いように合流する態様、ラインミキサを用いる態様、専用の撹拌部を付設する態様など)する。
 エッチング液と水とを混合撹拌すると、エッチング液に含まれていた珪素化合物が析出する。水の添加量は、エッチング液の燐酸濃度が80〜50%、好ましくは75〜50%となるように添加する。これは、後述の表1に示す如く、希釈したエッチング液の燐酸濃度が80%を超えると、エッチング液からの珪素化合物の析出が不充分となり、後の工程での濾過による珪素化合物の捕捉除去効果が発揮されない。希釈されたエッチング液の燐酸濃度が50%未満になると、希釈のために多量の水が必要となる反面、前記珪素化合物の析出の促進効果は希釈に比例して向上せず、また、エッチング液の再使用時において、エッチング液を濃縮させるために多量の水を蒸発させる必要があり、経済性に欠けるからである。
 上記のように珪素化合物を含むエッチング液に水を添加して珪素化合物の析出を促進した後、該エッチング液を濾過することにより析出された珪素化合物(および他の異物)を除去する。析出物などの濾過形態としては特に制約はなく、この種のエッチング方法に用いられているフィルターなどにより析出物を濾別したり、濾過槽などに静置して析出物を沈殿させて、上澄み液を流出させるようにしてもよい。エッチング液の濾過に使用するフィルター構成としては、濾過面に溜まる沈殿物を除去可能なクロスフロー濾過方式や逆洗方式を採用してフィルターの再生操作を少なくしてもよい。このようにして、珪素化合物を除去した濾液(エッチング液)は、そのまま、または加熱し、および/または必要に応じて濃縮した後、エッチング槽へ供給されて再使用される。
 以上の本発明の第一発明であるエッチング液の再生方法は、エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を所定量づつ取り出しながら再生する態様、エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を一旦専用の貯槽に移した後、該貯槽から所定量づつ取り出して再生する態様の何れでもよい。また、エッチング装置としては、図1や図2に示す装置形態の如くエッチング槽から取り出されたエッチング液、またはエッチング槽から一旦貯槽に取り出されたエッチング液を全て再生してもよいが、経費面だけではなく槽内のエッチング液の急激な液組成変動を防ぐことなどの理由から、図3に示す装置形態の如く当該槽内から取り出されるエッチング液の一部だけを再生処理した方が好ましい。
 本発明の第二〜第四発明であるエッチング方法およびエッチング装置は、上記本発明の第一発明であるエッチング液の再生方法を利用したものであり、上記第一発明による再生方法とともに、図面に示す実施形態を参照してさらに具体的に説明する。図1と図3は本発明の2つの実施形態のエッチング方法および装置を示し、図2は図1の実施態様の変形例を示している。各図は、本発明のエッチング液の再生方法を主体にして、本発明のエッチング方法およびエッチング装置の模式化したものである。以下の説明では、作動的に同じ部材には同一符号を付して重複記載を省く。勿論、本発明はこれらの形態に何ら制約されるものではない。
<第1形態>
 図1に示す本発明のエッチング方法および装置は、エッチング槽1が、該槽1内から珪素化合物を含むエッチング液(以下「対象エッチング液」という)の一部を取り出し、これを再生処理した後、再生処理した対象エッチング液を再び槽1に戻す希釈・析出再生部2を備えている。希釈・析出再生部2は、対象エッチング液の循環用配管経路中にあって、対象エッチング液をエッチング槽1から取り出す側より、水供給部3と、希釈・析出部4と、ポンプ5と、濾過部6と、濃縮部7と、ポンプ8とを順に配置している。ここで、エッチング槽1は、少なくとも窒化珪素膜を有する半導体ウエハなどを槽内に出し入れしてエッチング処理する槽であるが、エッチング槽から使用後の対象エッチング液を移し換えた貯槽でもよい。
 エッチング槽1には、図示を省略しているが、従来と同じく加熱手段および温度コントローラ、新たなエッチング液を導入する供給手段、液温度を検出する温度センサなど付設されている。希釈・析出部4は、対象エッチング液の配管経路中において、濾過部6の手前に設けられ、対象エッチング液が槽1内から流量制御弁10aなどを介し所定の流量で希釈・析出部4に導入され、同時に、純水が水供給部3から流量制御弁10bなどを介し所定の流量で希釈・析出部4に導入されることにより、対象エッチング液を純水で希釈して、対象エッチング液中の珪素化合物の一部を析出させる。さらに、希釈・析出部4には、析出する珪素化合物の析出を効率的に行わせるため、不図示の冷却器を設け、対象エッチング液を100℃〜常温(20℃)、好ましくは60℃〜常温(20℃)まで冷却することが好ましい。
 上記希釈・析出部4における混合撹拌手段としては、例えば、スタテックミキサなどのラインミキサで構成したり、液同士が合流する希釈・析出部4の入口側を工夫して対象エッチング液と純水とが均一に混合されるようにしたり、希釈・析出部4に撹拌器を設けた構成であってもよい。
 希釈・析出部4に続く濾過部6は、例えば、従来と同じ孔径が0.1μmのフィルターである。そして、濾過部6では、希釈・析出部4からポンプ5を介して供給される、水で希釈された対象エッチング液を通過する過程で、当該対象エッチング液中に含まれている析出物(珪素化合物およびその他の異物)を濾過(捕捉除去)し、濾液(珪素化合物の少なくとも一部を除去した対象エッチング液)だけを濃縮部7へ供給する。
 濃縮部7は、濾過部6から供給される前記濾液を加熱濃縮して、濾液の燐酸濃度をエッチングに適した燐酸濃度に近づける。なお、エッチング槽1において、対象エッチング液が常に沸騰し、水分が蒸発して、対象エッチング液の燐酸濃度が濃くなる。このため、濃縮部7では、例えば、前記濾液の濃縮率として、槽1内から蒸発する水蒸気13分を見込んで、エッチングに適した燐酸濃度より少し薄くなるように燐酸濃度が制御される。このようにして、所定濃度まで濃縮された対象エッチング液は、ポンプ8を介してエッチング槽1内へ供給される。また、本発明は、例えば、図1に示す装置において、エッチング槽と組み合わせて貯槽をさらに用い、エッチング槽内から取り出されるエッチング液を全てバッチ式に再生処理して貯槽に移しておき、必要時に該貯槽からエッチング槽へ送るようにしてもよい。
<第1形態の変形例>
 図2に示すエッチング方法および装置は、図1に示す例に対し次の点で変更されている。すなわち、エッチング槽1は、少なくとも窒化珪素膜を有する半導体ウエハなどを槽内に出し入れしてエッチング処理する槽であり、槽壁の上部に設けられた溢流堰1aを有し、対象エッチング液の一部が溢流堰1aに流入し、該溢流堰1aの底部から対象エッチング液が取り出され、希釈・析出再生部2で対象エッチング液が再生処理された後、再生処理された対象エッチング液が、エッチング槽1の下部から再び導入される。
 希釈・析出再生部2は、前記濃縮部7に代えて加熱部9を付設した構成となっている。この構成では、希釈・析出部4において、析出する珪素化合物の析出を効率的に行わせるため、好ましくは不図示の冷却器により対象エッチング液が100℃〜常温(20℃)、好ましくは60℃〜常温(20℃)まで冷却されているため、上記加熱部9においては、上記希釈および冷却された対象エッチング液の温度を、エッチングに適した温度である160℃前後(140〜180℃)に近づけて連続エッチングを可能にすることができる。
<第2形態>
 図3に示すエッチング方法および装置は、後述する実施例3で使用したエッチング装置構成を模式化したものであり、上記した2例に対し、対象エッチング液の希釈・析出再生部2と組み合わせて濾過循環経路部12を備えた例である。
 濾過循環経路部12自体は従来技術と基本的に同じであるが、前記した槽1内から蒸発する水蒸気13分を補う純水供給部が省略されている。すなわち、この濾過循環経路部12は、循環用配管経路にあって、対象エッチング液をエッチング槽1の溢流堰1aから取り出す側より、ポンプ11と、濾過部6と、加熱部9とを有しており、ここに分流される対象エッチング液について、濾過部6で異物などの不溶物を除去した後、加熱してエッチング槽1へ循環する箇所である。
 これに対し、希釈・析出再生部2は、対象エッチング液の配管経路中にあって、前記濾過循環経路部12へ通じる配管から分流された側より、水供給部3と、希釈・析出部4と、ポンプ5と、濾過部6と、濃縮部7と、ポンプ8とを順に配置している。そして、エッチング槽1から取り出されたエッチング液のうち、濾過循環経路部12側から分流される対象エッチング液の一部を、図1や図2に示したと同じく再生処理した後、再び濾過循環経路部12に導入して濾過循環経路部12を流れる対象エッチング液と一緒にエッチング槽1へ戻す構成となっている。
 上記における対象エッチング液の分流方式は、溢流堰1aと希釈・析出部4とを接続している配管に対し、該配管の途中に濾過循環経路部12側の配管部を接続した構成であり、溢流堰1aと希釈・析出部4とを接続している配管に付設された流量弁10aと、前記分枝された濾過循環経路部12側の配管に付設された流量弁10cとを介し、エッチング液が所定の分配率に分けられるようになっている。但し、対象エッチング液を希釈・析出再生部2と濾過循環経路部12に分流する方式はこれ以外でもよい。
 また、上記例では、濃縮部7で所定濃度まで濃縮された対象エッチング液がポンプ8を介して、濾過循環経路部12のうち、ポンプ11の上流側に導入するようにしているが、循環用配管経路中であれば加熱部9または濾過部6よりも上流側でもよい。また、本発明は、例えば、図3に示す装置を変更して、エッチング槽1と組み合わせてさらに貯槽を用い、エッチング槽内から取り出されるエッチング液を全てバッチ式に再生処理して貯槽に移しておき、必要時に該貯槽から直接または濾過循環経路部12を通じてエッチング槽1へ送るようにしてもよい。
<作動>
 以上の各方法および装置は、エッチング槽1内から取り出した対象エッチング液を希釈・析出再生部2において、水(純水)を、希釈後のエッチング液の燐酸濃度が80〜50%(好ましくは75〜50%)となるように添加して混合した後、該混合液を濾過し、該濾液を必要に応じて濃縮してから槽1内へ戻す点で共通している。そして、図1や図2に示す例では、槽1内から取り出される対象エッチング液の全てが希釈・析出部4で所要量の水(純水)を添加混合して希釈され、前記対象エッチング液中の珪素化合物の析出を促進させ、その後、濾過部6を通過して析出した珪素化合物(および他の異物)を捕捉除去する。従って、この希釈・析出再生部2は、従来の濾過循環経路部に代わるものとなる。
 これに対し、図3に示す例は、濾過循環経路部12における対象エッチング液の濾過を常に継続して対象エッチング液を循環させる方式でもあり、例えば、単位時間当たりのエッチング量(エッチング体積)が大きくなるエッチング処理に好適となる。1例としては、300mm径の少なくとも窒化珪素膜を有する半導体ウエハのエッチングを想定すると、エッチング槽1から溢れた対象エッチング液が溢流堰1aより、1.5kg/min.の流量で希釈・析出部4へ導出され、12.05kg/min.の流量で濾過循環経路部12へ導出される。
 純水が水供給部3から250ml/min.の流量で供給されて前記対象エッチング液に希釈・析出部4で添加混合されると、対象エッチング液中の珪素化合物の飽和濃度が下がり、珪素化合物が対象エッチング液中で析出する。また、好ましくは希釈・析出部4に不図示の冷却部を設け、対象エッチング液を100℃〜常温(20℃)、好ましくは60℃〜常温(20℃)まで冷却すると、珪素化合物の析出の効率をさらに向上させることができる。当該対象エッチング液は、その析出物とともに濾過部6へ送られ、濾過部6のフィルターが前記析出物を捕捉する。
 フィルターを通過した濾液は、多量の純水で希釈されているため、そのまま濾過循環経路部12やエッチング槽1に供給されると、槽1内の温度・濃度制御に悪影響を与えることになる。第2形態では、そのような不具合を防ぐため、前記フィルターを通過した濾液(対象エッチング液)を槽1内から取り出したときの燐酸濃度付近まで濃縮する。この場合、濃縮率によっては、濃縮後の対象エッチング液に純水を注入して対象エッチング液の温度・濃度制御を行うか、若しくは前記温度・濃度制御に必要な水分を残した濃度まで濾液を濃縮することで純水の注入を省くようにする。対象エッチング液の濃縮方法としては、対象エッチング液の沸点または比重により対象エッチング液の濃度が求められるので、これらの沸点または比重を管理することで適切な濃度に濃縮する方法が挙げられる。例えば、一定温度で対象エッチング液を沸騰を維持させた状態に維持してエッチング液を濃縮するか、または、窒素パージの背圧が、目的の値になるまで水分を蒸発させるために加熱し、対象エッチング液の燐酸濃度を所望の濃度に制御する方法である。これらは図1に示す装置の濃縮部7でも同じである。
 以上の連続エッチング操作およびエッチング液の連続再生操作において、各濾過部6には捕捉される析出物が次第に増える。このため、連続的に対象エッチング液を再生するには、例えば、ポンプ5と濃縮部7、またはポンプ5と加熱部9の間に複数の濾過部を並列に設けておき、限界に達した濾過部から、次の濾過部に切り換えて濾過を連続に稼動できるようにすることが好ましい。
 また、対象エッチング液は、槽1内に出し入れされるウエハに付着するなどして、ウエハ処理枚数の増大に伴って減少するため、新鮮なエッチング液を補充する必要がある。この新鮮なエッチング液の供給箇所としては、エッチング槽1や溢流堰1a、希釈・析出再生部2、濾過循環経路部12の何れであってもよい。好ましくは、図1の例では槽1または濃縮部7が適し、図2の例では槽1や溢流堰1aが適し、図3の例では槽1や溢流堰1a、または濃縮部7が適している。これらは、何れも大気圧下における供給となるため、新鮮なエッチング液の供給部側への逆流の虞がない。これに加え、濃縮部7に供給する場合は槽1内の急激な温度低下を防ぐことも可能となる。さらに、量産ラインでは、細部構成として、例えば、対象のエッチング液を冷却してから希釈・析出部4に送ったり、希釈・析出部4からエッチング液を静置用貯槽に入れた後、該貯槽から濾過部6へ送ることも考えられる。本発明はそのような細部構成を追加することもある。
 以下、エッチング液(燐酸水溶液)の燐酸濃度(70〜85%)に対する珪素化合物の飽和濃度を調べたときの試験(実施例1)、燐酸水溶液の冷却温度による珪素化合物の除去効率の試験(実施例2)を挙げる。また、エッチング槽内の全エッチング液を一括して再生したときの試験(実施例3)、および図3に示した装置と類似した装置を使用してエッチング液を再生したときの試験(実施例4)について説明する。なお、珪素化合物の濃度はSi換算で表す。珪素化合物の濃度測定は原子吸光フレーム分光光度計(原子吸光)により行った。
実施例1
 この試験は、燐酸水溶液を水により所定の各濃度に希釈し、濾過前後における希釈された燐酸水溶液中の珪素化合物の濃度の変化を調べたときの1例である。用意した燐酸水溶液は、窒化珪素膜のエッチングに使用されて、珪素化合物が63mg/kg溶解されている燐酸濃度89%のもの(以下「燐酸原液」という)である。該燐酸原液を各フラスコに所要量入れて、燐酸濃度が85%(比較例)、80%、75%、および70%となるように蒸留水にて希釈するとともに、20℃に冷却した(各濃度の燐酸水溶液はそれぞれ100g以上に設定)。各濃度の燐酸水溶液は、同じ条件で当該フラスコ内で撹拌した後、各50gを孔径0.1μmのフィルターにて濾過し、この濾液を濾過後の燐酸水溶液とした。また、濾過せずに残った燐酸水溶液を濾過前燐酸水溶液とした。そして、前記各濾過前燐酸水溶液と濾過後の燐酸水溶液について、燐酸水溶液中の珪素化合物の濃度を原子吸光にて計測した。表1には、それら濾過前後における珪素化合物の濃度の計測値を一覧した。
Figure 2004134780
 以上の試験より、燐酸水溶液中に含有されていた珪素化合物は、該燐酸濃度を水で下げて低くするほど、珪素化合物の析出が進んで、珪素化合物の濃度が濾過前後で大きく異なることが分かる。特に、燐酸水溶液が75%以下まで希釈されると、珪素化合物の析出が大きく促進され、濾過により、珪素化合物の濃度が75%希釈度において53.0ppmから12.4ppmまで下がり、70%希釈度において49.5ppmから2.9ppmまで下がり、燐酸水溶液から珪素化合物を有効に取り除くことができる。本発明は、このような燐酸濃度の違いによる珪素化合物の飽和濃度の変化に着目し完成されたものである。
実施例2
 次に、燐酸原液の冷却温度の変化による珪素化合物の除去効率について試験した。燐酸原液676.3gの4サンプルを表2に記載した温度まで冷却した後、それぞれに純水164.38gを加えて、それぞれの全量を840.68gとし、それぞれの燐酸原液の燐酸濃度を70%として、それぞれ攪拌し、それぞれ直ちに濾過を行った。その結果、表2に示す通り、燐酸原液の冷却温度を下げるほど珪素化合物の除去効率は向上した。なお、表2に記載の水で希釈した燐酸原液サンプルの濾過後の珪素化合物の濃度の値は、水で希釈後所定の時間放置した後の希釈燐酸原液サンプルを濾過することにより、実施例1(燐酸濃度70%)と同程度の値にまで低下した。
Figure 2004134780
実施例3
 この試験は、例えば、量産ライン用のエッチング槽で珪素化合物を含む燐酸水溶液を一括して再生、つまりバッチ式に再生するようなエッチング処理を想定し行ったときの1例である。試験では、珪素化合物71mg/kgを含有する87%燐酸水溶液30kgを第1の試験槽に入れ、該第1の試験槽に純水21kgを添加し均一となるように撹拌するとともに、25℃まで冷却し、燐酸濃度が51%になるように調整した。調整後の燐酸水溶液は、第1の試験槽から第2の試験槽に濾過器を付設した配管およびポンプを介して入れ換え、該入れ換え時に濾過器で珪素化合物の析出物を濾別した。また、第2の試験槽の濾液は、濃縮器で濃縮して、当初の燐酸濃度87%にした。そして、濃縮された燐酸水溶液中に含まれている珪素化合物含有量を測定した結果、14mg/kgであった。この値は、珪素除去率として約80%に相当し、本発明の再生方法が珪素化合物を除去する再生方法として実用上も充分有効であることを示している。
実施例4
 この試験は、図3に類似する装置によりエッチング液を再生したときの1例であり、同図の濾過循環経路部12および希釈・析出再生部2を稼動したときと(発明実施例)、濾過循環経路部12だけを稼動したとき(比較例)とを比較した。試験では、エッチング槽1内のエッチング液(燐酸濃度87%、珪素化合物濃度85mg/kg)を13.55kg/min.の流量で槽1内から流出させた。そして、発明実施例では、濾過循環経路部12に12.05kg/min.の流量、希釈・析出再生部2に1.5kg/min.の流量で分流した。希釈・析出再生部2へ導入されたエッチング液は希釈・析出部4へ送られ、純水を0.25kg/min.の流量で均一混合されるようにして添加し、同時に60℃まで冷却し珪素化合物を析出させた。
 続いて、濾過部6のフィルターで珪素化合物の析出物を除去し、濾液(燐酸濃度74.6%、珪素化合物濃度38mg/kg)を濃縮部7の槽へ送った。濃縮部7では、沸点制御を行って水を0.2kg/min.留去し、燐酸濃度を84%にした。その後、濾過循環経路部12へ送り、濾過循環経路部12に流れている燐酸水溶液と合流させ、当該経路部12の濾過部6のフィルターおよび加熱部9を通して160℃に加熱した後、エッチング槽1へ循環供給した。
 これに対し、比較例では、前記のエッチング槽1から流出されたエッチング液を全て濾過循環経路部12へ送り、当該経路部12の濾過部6のフィルターで不溶物を除去し、加熱部9で加熱してエッチング槽1へ循環供給した。そして、この試験では、所定時間後におけるエッチング槽1内のエッチング液をサンプリングして珪素化合物濃度を測定した。この結果は、発明実施例の方が約70mg/kgであり、比較例の方が当初と同じ85mg/kgであった。両者の比較からも、本発明の再生およびエッチング方法ならびにエッチング装置は、濾過循環経路部12を付設した従来の再生およびエッチング方法ならびにエッチング装置に比べて、エッチング液の寿命を長くでき、また、装置的に簡易でかつ管理も容易な構成であるにもかかわらず、使用エッチング液に含まれる珪素化合物濃度を充分低い値に保つことができることがわかる。
 なお、本発明のエッチング方法およびエッチング装置を適用することによって製造可能な被エッチング物としては、以下のような態様のものが挙げられ、何れも本発明のエッチング方法およびエッチング装置により、安価で均一かつ優れた効率でエッチングすることができる。また、該エッチングに際しては、本発明のエッチング液の再生方法を利用することにより、長期間にわたって同一のエッチング液を繰り返し利用できる。
 すなわち、半導体装置の製造などにおけるウエハ処理には、ウエハに窒化珪素膜パターンを形成し、この窒化珪素膜を耐酸化マスクとして選択的にシリコンウエハを酸化して酸化珪素膜、いわゆるLOCOS(Local Oxidation of Silicon)を形成する工程が広く用いられている。このLOCOS工程において、不要となった上記窒化珪素膜からなるマスクの除去には、窒化珪素膜と酸化珪素膜のエッチング選択比が大きい燐酸水溶液を用いてエッチング処理される。最近では、LOCOS分離の微細化に対する限界を打ち破る素子分離技術として、トレンチ分離が登場し、素子分離技術の主流となっている。一般に0.2μm以下のデザインルールで製作されるLSIでは、200〜400nmと溝の深さが比較的浅いため、シャロートレンチ分離(Shallow Trench Isolation:STI)といわれている。この技術においても、不要となった窒化珪素膜の除去にエッチング液として燐酸水溶液が用いられる。
本発明のエッチング方法を実施する本発明の第1の実施態様によるエッチング装置の模式図。 図1の装置を変形した模式図。 本発明のエッチング方法を実施する本発明の第2の実施態様によるエッチング装置の模式図。
符号の説明
1:エッチング槽
2:希釈・析出再生部
3:水供給部
4:希釈・析出部
5、8、11:ポンプ
6:濾過部
7:濃縮部
9:加熱部
12:濾過循環経路部
13:水蒸気

Claims (9)

  1. エッチング槽において、窒化珪素膜をエッチングするために用いた、燐酸水溶液からなるエッチング液を再生する方法において、該エッチングにより生じる珪素化合物を含むエッチング液をエッチング槽から取り出し、前記取り出したエッチング液に水を加えて、該エッチング液の燐酸濃度を80〜50質量%に下げる工程と、該燐酸濃度の低下によってエッチング液中に析出した珪素化合物をエッチング液から除去する工程とを有することを特徴とするエッチング液の再生方法。
  2. 前記珪素化合物のエッチング液からの除去を、濾過によって行なう請求項1に記載のエッチング液の再生方法。
  3. 前記エッチング液の燐酸濃度を、75〜50質量%に下げる請求項1に記載のエッチング液の再生方法。
  4. 前記エッチング液を希釈する際、前記エッチング液を、100℃〜常温まで冷却する請求項1に記載のエッチング液の再生方法。
  5. 前記珪素化合物をエッチング液から除去した後のエッチング液を140〜180℃に加熱する請求項1に記載のエッチング液の再生方法。
  6. 前記珪素化合物をエッチング液から除去した後のエッチング液の燐酸濃度を80〜90質量%に上げる請求項1に記載のエッチング液の再生方法。
  7. エッチング槽において燐酸水溶液からなるエッチング液を使用して窒化珪素膜をエッチングするエッチング方法において、
     前記エッチング中または後に、前記エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出す工程と、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法によりエッチング液を再生する工程と、該再生したエッチング液を前記エッチング槽内へ戻す工程とを有することを特徴とするエッチング方法。
  8. エッチング槽において燐酸水溶液からなるエッチング液を使用して窒化珪素膜をエッチングするエッチング方法において、
     前記エッチング中または後に、前記エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出す工程と、該取り出したエッチング液を2分流する工程と、該2分流した一方のエッチング液(A)を濾過する工程と、前記2分流した他方のエッチング液(B)を請求項1〜6の何れか1項に記載の方法により再生する工程と、該再生されたエッチング液(B)を前記一方のエッチング液(A)と合流させて合流したエッチング液を前記エッチング槽へ戻す工程とを有することを特徴とするエッチング方法。
  9. 請求項7または8に記載のエッチング方法を実施するエッチング装置であって、
     エッチング槽から珪素化合物を含むエッチング液を取り出し、該取り出したエッチング液を水で希釈して前記珪素化合物を析出させる希釈・析出部と、珪素化合物の濾過部と、エッチング液の濃縮部および加熱部の少なくとも一方とを順に配置してなることを特徴とするエッチング装置。
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