JP2019029417A - 基板液処理方法、基板液処理装置及び記憶媒体 - Google Patents

基板液処理方法、基板液処理装置及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板を処理していない待機時に、処理槽の周囲の汚染を防止するとともに無駄なエネルギー消費を低減する。【解決手段】基板液処理方法は、処理槽内に貯留した沸騰状態にあるリン酸水溶液中に基板を浸漬して、基板に液処理を施す処理工程と、前記処理工程の後、前記基板を前記リン酸水溶液中から取り出した状態で待機する待機工程と、前記待機工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度を前記処理工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度よりも低くすることにより、前記待機工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態を前記処理工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態よりも低くする。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板を処理槽に貯留されたリン酸水溶液に浸漬することにより当該基板に液処理を施す技術に関する。
半導体装置の製造において、半導体ウエハ等の基板の表面に形成された窒化ケイ素膜をウエットエッチングするため、複数枚の基板を処理槽に貯留された加熱されたリン酸水溶液中に浸漬することが行われている(例えば特許文献1を参照)。このウエットエッチング処理を効率良くかつ適正に行うためには、基板が浸漬されている間にリン酸水溶液を適切な沸騰状態に維持することが重要である。
一方で、処理槽から基板が取り出されて処理槽内で基板の処理が行われていないとき(処理待機期間)に、リン酸水溶液を基板の処理に適した沸騰状態に維持していると、処理槽からの処理液の吹きこぼれが生じてしまう。吹きこぼれが生じると処理液の消費量が増大したり処理槽内の液面管理が困難となったりする。
特開平9−181041号公報
本発明は、処理待機期間に、吹きこぼれが生じない技術を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態によれば、処理槽内に貯留した沸騰状態にあるリン酸水溶液中に基板を浸漬して、基板に液処理を施す処理工程と、前記処理工程の後、前記基板を前記リン酸水溶液中から取り出した状態で待機する待機工程と、を備え、前記待機工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度を前記処理工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度よりも低くすることにより、前記待機工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態を前記処理工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態よりも低くする、基板液処理方法が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、基板液処理装置の動作を制御するためのコンピュータにより実行されたときに、前記コンピュータが前記基板液処理装置を制御して上記基板液処理方法を実行させるプログラムが記録された記憶媒体が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、基板液処理装置において、リン酸水溶液を貯留する処理槽と、前記処理槽にリン酸水溶液を供給するリン酸水溶液供給部と、前記処理槽に純水を供給する純水供給部と、前記リン酸水溶液中のリン酸濃度を測定するリン酸濃度計と、前記リン酸水溶液を加熱する加熱部と、前記リン酸水溶液の温度を測定する温度計と、前記リン酸水溶液供給部及び前記純水供給部のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記基板液処理装置に上記基板液処理方法を実行させる制御部と、を備えた基板液処理装置が提供される。
上記本発明の実施形態によれば、待機期間中の沸騰状態を基板処理中よりも低下させているため、処理槽からの処理液の吹きこぼれが防止または抑制され、処理槽内の液面管理を容易に行うことができる。また、エネルギー消費を抑制することができる。また、制御目標値の一つであるリン酸の設定濃度を上昇させることにより沸騰状態の低下を実現しているため、迅速且つ確実に沸騰状態を低下させることができる。
基板液処理システムの全体構成を示す概略平面図である。 基板液処理システムに組み込まれたエッチング装置の構成を示す配管系統図である。 処理待機状態から処理状態に移行するための制御を説明するグラフである。 エッチング装置を運転したときの、リン酸水溶液の設定沸騰状態、実際沸騰状態、設定濃度及び実際濃度の経時変化の一例を示すグラフである。 エッチング装置にシリコン濃度を調整する機構を設けた実施形態を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず本発明の一実施形態に係る基板液処理装置(エッチング処理装置)1が組込まれた基板液処理システム1A全体について述べる。
図1に示すように、基板液処理システム1Aは、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部7とを有する。
キャリア搬入出部2は、複数枚(たとえば、25枚)の基板(シリコンウエハ)8を水平姿勢で上下に並べて収容したキャリア9の搬入及び搬出を行う。
キャリア搬入出部2には、複数個のキャリア9を載置するキャリアステージ10と、キャリア9の搬送を行うキャリア搬送機構11と、キャリア9を一時的に保管するキャリアストック12,13と、キャリア9を載置するキャリア載置台14とが設けられている。キャリアストック12は、製品となる基板8をロット処理部6で処理する前に一時的に保管する。キャリアストック13は、製品となる基板8をロット処理部6で処理した後に一時的に保管する。
キャリア搬入出部2は、外部からキャリアステージ10に搬入されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック12やキャリア載置台14に搬送する。また、キャリア搬入出部2は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック13やキャリアステージ10に搬送する。キャリアステージ10に搬送されたキャリア9は、外部へ搬出される。
ロット形成部3は、1又は複数のキャリア9に収容された基板8を組合せて同時に処理される複数枚(たとえば、50枚)の基板8からなるロットを形成する。なお、ロットを形成するときは、基板8の表面にパターンが形成されている面を互いに対向するようにロットを形成してもよく、また、基板8の表面にパターンが形成されている面がすべて一方を向くようにロットを形成してもよい。
このロット形成部3には、複数枚の基板8を搬送する基板搬送機構15が設けられている。なお、基板搬送機構15は、基板8の搬送途中で基板8の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢及び垂直姿勢から水平姿勢に変更させることができる。
ロット形成部3は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9から基板搬送機構15を用いて基板8をロット載置部4に搬送し、ロットを形成する基板8をロット載置部4に載置する。また、ロット形成部3は、ロット載置部4に載置されたロットを基板搬送機構15でキャリア載置台14に載置されたキャリア9へ搬送する。なお、基板搬送機構15は、複数枚の基板8を支持するための基板支持部として、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)の基板8を支持する処理前基板支持部と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)の基板8を支持する処理後基板支持部の2種類を有している。これにより、処理前の基板8等に付着したパーティクル等が処理後の基板8等に転着するのを防止する。
ロット載置部4は、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットをロット載置台16で一時的に載置(待機)する。
このロット載置部4には、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)のロットを載置する搬入側ロット載置台17と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)のロットを載置する搬出側ロット載置台18とが設けられている。搬入側ロット載置台17及び搬出側ロット載置台18には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて載置される。
ロット載置部4では、ロット形成部3で形成したロットが搬入側ロット載置台17に載置され、そのロットがロット搬送部5を介してロット処理部6に搬入される。また、ロット載置部4では、ロット処理部6からロット搬送部5を介して搬出されたロットが搬出側ロット載置台18に載置され、そのロットがロット形成部3に搬送される。
ロット搬送部5は、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部間でロットの搬送を行う。
このロット搬送部5には、ロットの搬送を行うロット搬送機構19が設けられている。ロット搬送機構19は、ロット載置部4とロット処理部6に沿わせて配置したレール20と、複数枚の基板8を保持しながらレール20に沿って移動する移動体21とで構成する。移動体21には、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を保持する基板保持体22が進退自在に設けられている。
ロット搬送部5は、搬入側ロット載置台17に載置されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットをロット処理部6に受け渡す。また、ロット搬送部5は、ロット処理部6で処理されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットを搬出側ロット載置台18に受け渡す。さらに、ロット搬送部5は、ロット搬送機構19を用いてロット処理部6の内部においてロットの搬送を行う。
ロット処理部6は、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を1ロットとしてエッチングや洗浄や乾燥などの処理を行う。
このロット処理部6には、基板8の乾燥処理を行う乾燥処理装置23と、基板保持体22の洗浄処理を行う基板保持体洗浄処理装置24と、基板8の洗浄処理を行う洗浄処理装置25と、基板8のエッチング処理を行う2台の本発明によるエッチング処理装置(基板液処理装置)1とが並べて設けられている。
乾燥処理装置23は、処理槽27と、処理槽27に昇降自在に設けられた基板昇降機構28とを有する。処理槽27には、乾燥用の処理ガス(IPA(イソプロピルアルコール)等)が供給される。基板昇降機構28には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。乾燥処理装置23は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構28で受取り、基板昇降機構28でそのロットを昇降させることで、処理槽27に供給した乾燥用の処理ガスで基板8の乾燥処理を行う。また、乾燥処理装置23は、基板昇降機構28からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
基板保持体洗浄処理装置24は、処理槽29を有し、この処理槽29に洗浄用の処理液及び乾燥ガスを供給できるようになっており、ロット搬送機構19の基板保持体22に洗浄用の処理液を供給した後、乾燥ガスを供給することで基板保持体22の洗浄処理を行う。
洗浄処理装置25は、洗浄用の処理槽30とリンス用の処理槽31とを有し、各処理槽30,31に基板昇降機構32,33を昇降自在に設けている。洗浄用の処理槽30には、洗浄用の処理液(SC−1等)が貯留される。リンス用の処理槽31には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。
エッチング処理装置1は、エッチング用の処理槽34とリンス用の処理槽35とを有し、各処理槽34,35に基板昇降機構36,37が昇降自在に設けられている。エッチング用の処理槽34には、エッチング用の処理液(リン酸水溶液)が貯留される。リンス用の処理槽35には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。
これら洗浄処理装置25とエッチング処理装置1は、同様の構成となっている。エッチング処理装置(基板液処理装置)1について説明すると、基板昇降機構36には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。エッチング処理装置1において、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構36で受取り、基板昇降機構36でそのロットを昇降させることでロットを処理槽34のエッチング用の処理液に浸漬させて基板8のエッチング処理を行う。その後、エッチング処理装置1は、基板昇降機構36からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。また、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構37で受取り、基板昇降機構37でそのロットを昇降させることでロットを処理槽35のリンス用の処理液に浸漬させて基板8のリンス処理を行う。その後、基板昇降機構37からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
制御部7は、基板液処理システム1Aの各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6、エッチング処理装置1)の動作を制御する。
この制御部7は、たとえばコンピュータからなり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体38を備える。記憶媒体38には、基板液処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部7は、記憶媒体38に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板液処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部7の記憶媒体38にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上述のようにエッチング処理装置1の処理槽34では、所定濃度の薬剤(リン酸)の水溶液(リン酸水溶液)を処理液(エッチング液)として用いて基板8を液処理(エッチング処理)する。
次に、エッチング処理装置(基板液処理装置)1、特にそのエッチング用の処理槽34に関連する構成について、図2を参照して説明する。
エッチング処理装置1は、処理液としてリン酸水溶液を貯留する前述した処理槽34を有している。処理槽34は、上部を開放させた内槽34Aと、内槽34Aの周囲に設けられるとともに上部を開放させた外槽34Bとを有する。外槽34Bには、内槽34Aからオーバーフローしたリン酸水溶液が流入する。外槽34Bは、図2に示すように内槽34Aの上部を包囲している。外槽34Bは、その内部に内槽34Aを収容するように構成されていてもよい。
処理槽34に、リン酸水溶液の保温及びリン酸水溶液飛沫の飛散抑制のために、少なくとも内槽34Aの上部開口を覆う開閉可能な蓋70を設けてもよい。
外槽34Bの底部には、循環ライン50の一端が接続されている。循環ライン50の他端は、内槽34A内に設置された処理液供給ノズル49に接続されている。循環ライン50には、上流側から順に、ポンプ51、ヒータ52及びフィルタ53が介設されている。ポンプ51を駆動することにより、外槽34Bから循環ライン50及び処理液供給ノズル49を経て内槽34A内に送られて再び外槽34Bへと流出する、リン酸水溶液の循環流が形成される。
循環ライン50を構成する配管は、内槽34Aの上部開口から内槽34A内に入って内槽34A内を下方に延び、内槽34Aの底部に設けられた処理液供給ノズル49に接続されてもよい。このような配管構成は、例えば、内槽34Aの保温等を目的として内槽34Aを大きな外槽の中に収容するときに採用することができる。
内槽34A内の処理液供給ノズル49の下方にガスノズル(図示せず)を設け、リン酸水溶液の沸騰状態を安定化させるために不活性ガス例えば窒素ガスのバブリングを行ってもよい。
処理槽34、循環ライン50及び循環ライン50内の機器(51,52,53等)により液処理部39が形成される。また、処理槽34及び循環ライン50により処理液の循環系が構成される。
エッチング処理装置1は、液処理部39にリン酸水溶液を供給するリン酸水溶液供給部40と、液処理部39に純水を供給する純水供給部41と、液処理部39からリン酸水溶液を排出するリン酸水溶液排出部43とを有する。
リン酸水溶液供給部40は、処理槽34及び循環ライン50からなる循環系内、すなわち液処理部39内のいずれかの部位、好ましくは図2に示したように外槽34Bに、所定濃度(例えば85wt%)かつ所定温度(例えば常温)のリン酸水溶液を供給することができる。リン酸水溶液供給部40は、リン酸水溶液を貯留するタンクからなるリン酸水溶液供給源40Aと、リン酸水溶液供給源40Aと外槽34Bとを接続するリン酸水溶液供給ライン40Bと、リン酸水溶液供給ライン40Bに介設された流量制御機器40Cとを有している。
純水供給部41は、リン酸水溶液が沸騰により蒸発で失われた水分を補給するために、処理槽34及び循環ライン50からなる循環系内、すなわち液処理部39内のいずれかの部位、好ましくは図2に示したように外槽34Bに、純水を供給する。この純水供給部41は、所定温度(例えば常温、または純水の沸点以下の温度)の純水を供給する純水供給源41Aと、純水供給源41Aと外槽34Bとを接続する純水供給ライン41Bと、リン酸水溶液供給ライン40Bに介設された流量制御機器40Cとを有している。
前述した流量制御機器40C,41Cは、例えば、ON/OFF制御される開閉弁により構成することができる。この場合、開閉弁が開状態にある時間により、液の供給量が決定される。流量制御機器40C,41Cは、開閉弁、流量計及び開度調節可能な流量制御弁などの複数のデバイスの組み合わせにより構成してもよい。
リン酸水溶液中のシリコン濃度を調整するために、液処理部39例えば外槽34Bにシリコン溶液を供給するシリコン供給部を設けてもよい。
リン酸水溶液排出部43は、液処理部39及び循環ライン50からなる循環系内、すなわち液処理部39内にあるリン酸水溶液を排出するために設けられる。図示例では、リン酸水溶液排出部43は、内槽34Aの底部に接続されたドレンライン43Aと、ドレンライン43Aに介設された開閉弁43Bにより構成されている。
ドレンライン43Aは、循環ライン50内の適当な位置、例えば、フィルタ53のドレンポートに接続してもよい。ドレンライン43Aには、排出されるリン酸水溶液を冷却する冷却器、リン酸水溶液中のシリコン濃度を測定するためのシリコン濃度計などの補機類(図示せず)を設けることもできる。
循環ライン50から分岐して外槽34Bに接続された分岐ライン55A(この分岐ライン55Aも循環系の一部と見なすことができる)に、循環系内にあるリン酸水溶液中のリン酸濃度を測定するリン酸濃度計55Bが介設されている。
内槽34A内には、内槽34A内のリン酸水溶液の温度を検出する温度センサ60が設けられている。応答性の良い温度制御を実現するため、循環ライン50のヒータ52の出口近傍に追加の温度センサを設けてもよい。
内槽34Aには、気泡式液位計80が付設されている。気泡式液位計80は、内槽34A内に貯留されたリン酸水溶液中に気泡管81(パイプ)の先端から一定流量のガスを放出することにより、気泡管先端に印加されている水頭圧に相当するガスの背圧を測定することにより、液位を検出するものである。ガス放出機能及びガス背圧測定機能を有する機器が、符号82で示されている。
本明細書において、リン酸水溶液の沸騰状態(「沸騰レベル」ともいう)とは、沸騰によってリン酸水溶液中に生じている気泡の量(総体積)で表すことができるパラメータであり、沸騰状態が高い/低い(高沸騰状態/低沸騰状態)とは、リン酸水溶液中の気泡の量が多い/少ないということを意味する。リン酸水溶液中の気泡の量が多くなると、内槽34A内に存在するリン酸水溶液の体積がその分だけ減少するので、水頭圧が減少することになる。つまり、沸騰状態は、水頭圧の関数として表すことができるパラメータであると言える。このことを利用して、内槽34A内のリン酸水溶液の沸騰状態を気泡式液位計80を用いて検出することができる。つまり、通常運転中には内槽34Aから外槽34Bにリン酸水溶液が常時オーバーフローしているため、内槽34Aの液位は常時一定(最大)である。この条件下では、水頭圧の変動要因は、実質的にリン酸水溶液の沸騰状態の変化のみである。
基板液処理装置1は、記憶媒体38に記憶されたプロセスレシピに従い制御部7で各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6、エッチング処理装置1)の動作を制御することで、基板8を処理する。エッチング処理装置1の動作部品(流量制御機器、ポンプ、ヒータ等)は制御部7から送信される動作指令信号に基づき動作する。また、センサ類(55B、80、80等)から検出結果を示す信号が制御部7に送られ、制御部7は検出結果を動作部品の制御に利用する。
次に上記エッチング処理装置1の作用について説明する。まず、リン酸水溶液供給部40がリン酸水溶液を液処理部39の外槽34Bに供給する。リン酸水溶液の供給開始後に所定時間が経過すると、循環ライン50のポンプ51が作動し、上述した循環系内を循環する循環流が形成される。
さらに、循環ライン50のヒータ52が作動して、内槽34A内のリン酸水溶液が所定温度(例えば165℃)となるようにリン酸水溶液を加熱する。好ましくはヒータ52による加熱が開始される時に蓋70が閉じられる。165℃のリン酸水溶液は沸騰状態となる。
1つのロットの基板8を内槽34A内のリン酸水溶液中に投入する前に、循環系(内槽34A、外槽34B及び循環ライン50を含む)内に存在するリン酸水溶液中のシリコン濃度(これはシリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチング選択比に影響を及ぼす)の調整が行われる。シリコン濃度の調節は、ダミー基板を内槽34A内のリン酸水溶液中に浸漬すること、あるいは外槽34Bにシリコン溶液を供給することにより行うことができる。
シリコン濃度調整の終了後、蓋70が開かれ、内槽34A内にリン酸水溶液中に、基板昇降機構36に保持された複数枚、すなわち1つのロット(処理ロットまたはバッチとも呼ばれる)を形成する複数例えば50枚の基板8を浸漬させる。その後直ちに、蓋70が閉じられる。基板8を所定時間リン酸水溶液に浸漬することにより、基板8にウエットエッチング処理(液処理)が施される。
基板8にウエットエッチング処理が施されている間、制御部7により、以下の制御が行われる。
[温度制御]
制御部7は、温度センサ60により検出される内槽34A内のリン酸水溶液の温度が設定温度となるように、ヒータ52の出力をフィードバック制御する。このフィードバック制御において、設定温度が設定値SV、温度センサ60の検出温度が測定値(PV)、ヒータ52の出力が操作量MVである。制御部7及びヒータ52により温度調整部が構成される。なお、フィードバック制御を行うにあたり、ヒータ52の出口に設けられた追加のセンサ(このセンサ出力にはヒータ52の出力の変化によるリン酸水溶液の温度変化が直ちに現れる)の値も利用してもよい。
なお、本実施形態においては、リン酸水溶液の設定温度は、リン酸水溶液の実際濃度あるいは設定濃度の変化に応じて変更されることはなく、プロセスレシピにおいて予め定められた通りの値に維持される。
[濃度制御]
制御部7は、リン酸濃度計55B(濃度センサ)により検出される循環系内のリン酸水溶液(処理液)中のリン酸(薬液成分)の濃度が設定濃度となるように、必要に応じて、純水供給部41から循環系(図示例では外槽34B)への純水(希釈液)の供給量、あるいはリン酸水溶液供給部40から循環系(図示例では外槽34B)へのリン酸供給量をフィードバック制御する。このフィードバック制御において、設定濃度が設定値SV、リン酸濃度計55Bの検出濃度が測定値(PV)、純水供給部41から循環系(図示例では外槽34B)への純水(希釈液)の供給量、あるいはリン酸水溶液供給部40から循環系(図示例では外槽34B)へのリン酸供給量が操作量MVである。制御部7、純水供給部41及びリン酸水溶液供給部40により濃度調整部が構成される。基板8の処理を行うときには、設定濃度は、プロセスレシピにおいて予め定められた値が用いられ、リン酸水溶液の温度変化に応じて変更されることはない。
設定濃度を、気泡式液位計80の検出値に基づき把握された内槽34A内のリン酸水溶液の沸騰状態の変化に応じて、変更してもよい。つまり、沸騰状態が最適レベルより低く(高く)なったとき、あるいは低く(高く)なりそうになったら、設定濃度を低下(上昇)させてもよい。しかしながら、通常は、内槽34A内のリン酸水溶液の実際濃度及び実際温度が目標範囲内に維持されていれば沸騰状態は適正範囲内に維持されるため、上述したように、設定濃度としてプロセスレシピにおいて予め定められた値だけを用いる(つまり設定濃度の補正はしない)ようにしても構わない。この場合、気泡式液位計80の検出値は、沸騰状態の監視のために用いられる。
本実施形態においては、処理液としてリン酸水溶液が用いられ、かつ、基板8の処理中にはリン酸水溶液は常時沸騰しているので、リン酸水溶液中の純水含有量は常時減少傾向にあり、リン酸濃度は常時増加傾向にある。このため、通常運転中に濃度制御を目的として循環系内に供給されるものは専ら純水である。
上記のような温度制御及び濃度制御を行いながら一つのロットの基板8の処理が終了したら、蓋70を開き、基板8を内槽34Aから搬出する。搬出された基板8は、隣の処理槽35に搬入され、そこでリンス処理が行われる。
その後、蓋70を閉じ、循環系内にあるリン酸水溶液の温度、リン酸濃度、シリコン濃度の調節を行った後に、上記と同様にして別のロットの基板8の処理を行う。
一つのロットの基板8が内槽34Aから搬出された後、次のロットの基板8が内槽34Aに搬入されるまでの期間(以下「処理待機期間」と呼ぶ)において、設定温度を基板8が処理されているときと同じに維持して温度のフィードバック制御を継続する一方で、リン酸濃度の目標値つまり設定濃度を、基板8が処理されているときよりも高い値に変更して濃度のフィードバック制御を継続する。
こうすると、しばらくの間、純水供給部41から外槽34Bに純水が供給されなくなるため、リン酸水溶液の沸騰に伴う水分の蒸発により、内槽34A内のリン酸水溶液の濃度が上昇してゆく。このとき、温度は、実質的に変化しない。このため、沸騰状態は低下してゆく。
なお、本実施形態においては、基板処理中の内槽34A内のリン酸水溶液の濃度は例えば88%であり、リン酸水溶液供給部40から供給されるリン酸水溶液の濃度は例えば85%であり、前者の方が高いため、リン酸水溶液の設定濃度を変更した直後に、リン酸水溶液供給部40からリン酸水溶液が供給されることはない。但し、基板処理中の内槽34A内のリン酸水溶液の濃度よりもリン酸水溶液供給部40から供給されるリン酸水溶液の濃度の方が高ければ、リン酸水溶液の設定濃度を変更した直後に、リン酸水溶液供給部40からリン酸水溶液が供給されることもありうる。
基板処理中におけるリン酸水溶液の沸騰状態は、好適な処理結果を得ることを目的として設定されている。その一方で、リン酸水溶液が処理に適した沸騰状態となっているときは、沸騰による液の吹きこぼれが生じ、ある程度の量のリン酸水溶液が処理槽34の周囲に飛散し、処理槽34の周囲の環境を汚染するという問題がある。なお、内槽34Aに蓋70を設けたとしても、圧抜きのために内槽34Aと蓋70との間に隙間を設ける必要がある。また、内槽34A内に内槽の上部開口から挿入される配管、センサ類、基板保持体22に干渉しないように蓋70を開閉することを可能とするため、蓋70には切り欠きが設けられる。このため、内槽34A内でリン酸水溶液が激しく沸騰しているときに、リン酸水溶液飛沫の飛散を完全に阻止することは困難である。
また、沸騰状態が高いときにはリン酸水溶液中の水分の蒸発が活発となりリン酸濃度の上昇速度が高くなるため、沸騰状態を高く維持しようとするなら、リン酸水溶液に純水(これは常温または比較的低温である)を大量に補充しなければならない。すると、リン酸水溶液の温度を維持するために、ヒータ52の電力消費が大きくなる。
つまり、基板処理中におけるリン酸水溶液の沸騰状態を処理待機期間にも維持しようとすると、処理槽34周囲の汚染拡大及びエネルギー消費の増大という問題がある。
これに対して、上記実施形態によれば、待機期間中の沸騰状態を基板処理中よりも低下させているため、上記の問題は生じない。また、上記実施形態によれば、制御目標値の一つであるリン酸の設定濃度を上昇させることにより沸騰状態の低下を実現しているため、迅速且つ確実に沸騰状態を低下させることができる。
処理待機状態から基板8の処理に移行するときは、設定温度をそれまでと同じに維持したままフィードバック制御を継続する一方で、リン酸濃度の目標値つまり設定濃度を、基板投入用設定濃度に低下させる。つまり、リン酸水溶液の設定濃度を、処理待機期間におけるリン酸水溶液の設定濃度よりも低くする。そうすると、純水供給部41から直ちに外槽34Bに純水が供給される。このときリン酸水溶液の設定温度に変化は無いため、純水供給部41から比較的低温の純水が供給されたことにより低下したリン酸水溶液の温度を回復させるために、ヒータ52への供給電力が増大する。内槽34A内のリン酸水溶液の温度が目標温度で安定し、かつ、リン酸水溶液の沸騰が所望のレベルで安定したら、基板8を内槽34A内に投入し、基板8の処理を開始することができる。
待機状態から基板8の処理に移行するときに、リン酸水溶液の設定濃度を、初期値(待機状態におけるリン酸水溶液の設定濃度)から、基板投入用設定濃度より低い値(第1の値)に低下させた後に、基板投入用設定濃度(最終値)にすることが好ましい。より好ましくは、リン酸水溶液の設定濃度を、上記第1の値に低下させた後に、第2の値に上昇させ、その後、基板投入用設定濃度(最終値)に低下させる。この第2の値とは、待機状態におけるリン酸水溶液の設定濃度よりも低く、上記第1の値より高く、かつ上記最終値より高い。さらに好ましくは、図3に示すように、リン酸水溶液の設定濃度(線CTを参照)を、時点t0において上記第1の値(C1)に低下させた後に、時点t1において上記第2の値(C2)に上昇させ、その後時点t2において上記第2の値より低くかつ上記最終値より高い第3の値(C3)に低下させた後に、時点t3において上記最終値(CF)に低下させる。
上記のように設定濃度を段階的に昇降させながら最終値に収束させてゆくことにより、制御パラメータ(フィードバックゲイン等)を変更することなく、内槽34A内のリン酸水溶液の実際濃度を待機期間中の値から上記最終値に迅速に低下させることができ、かつ、オーバーシュートも生じないようにすることもできる。図3の例では、設定濃度(線CTを参照)を多段階に変化させることにより、実際濃度(線CAを参照)が速やかに基板投入用設定濃度(最終値)に移行し、実際の沸騰状態(線BAを参照)も速やか且つ滑らかに目標レベル(線BTを参照)に移行していることがわかる。
内槽34Aに基板8を投入した後に、リン酸水溶液の設定濃度を基板投入用設定濃度のまま維持してもよい。つまり、基板投入用設定濃度は、基板処理中のリン酸水溶液の設定濃度と等しくてもよい(条件1)。図3の例では、基板8を投入した時点t4より後も、設定濃度が上記最終値(CF)のまま維持されている。これに代えて、内槽34Aに基板8を投入した後に、リン酸水溶液の設定濃度を基板投入用設定濃度よりさらに低い値にしてもよい。つまり、基板投入用設定濃度は、基板処理中のリン酸水溶液の設定濃度より高くてもよい(条件2)。条件1の場合、基板8の投入後直ちに高レベルの沸騰状態で処理が行われるため、条件2の場合と比較して処理時間を短縮することができる。条件2の場合、基板8の投入時の沸騰状態をやや低めに抑制しているため、条件1の場合と比較して基板8投入時のリン酸水溶液の吹きこぼれを抑制することができる。
図4に、実際の運用における、待機状態から基板8の処理に移行するときの各種パラメータの経時変化の一例を示す。図4において、線Aは沸騰状態指標値の設定値、線Bは沸騰状態指標値の実際値(気泡式液位計80により検出)、線Cはリン酸水溶液の設定濃度、線Dはリン酸水溶液の実際濃度(リン酸濃度計55Bにより検出)、線Eは内槽34A内のリン酸水溶液の設定温度、線Fは内槽34A内のリン酸水溶液の実際温度(温度センサ60により検出)、線Gはヒータ52の出口におけるリン酸水溶液の実際温度(図示しない温度センサにより検出)、線Hは純水供給部41から外槽34Bに供給される純水の流量レベル(0〜100%)をそれぞれ示している。純水の流量レベルは、純水供給部41の開閉弁41Cが継続的に開いている状態を100(%)、継続的に閉じている状態を0(%)とし、ON/OFF(開閉)が繰り返されているときには[開時間/(開時間+閉時間)]×100(%)を流量レベルとしている。なお、沸騰状態指標値は気泡式液位計80の出力(mV)であるので、沸騰状態指標値が低い方が沸騰状態が高いことに注意されたい。
図4において、ゼロ秒(待機状態から処理状態への移行開始の時点)から約200秒までの間リン酸水溶液の設定濃度を低下させ、その後、最終値まで上昇させ、その後その値のまま維持している(線Cを参照)。設定濃度の低下に伴い直ちに純水の供給量が上限まで増大し(線Hを参照)、リン酸水溶液の実際温度が低下してゆく。その後、リン酸水溶液の設定濃度が最終値に上昇すると、リン酸水溶液の実際濃度は、濃度過渡状態(約240秒〜約450秒)を経て、最終値で安定する。リン酸水溶液の沸騰状態は、リン酸水溶液の実際濃度の変動に伴い変動し、約450秒付近で概ね安定する(線Bを参照)。リン酸水溶液の実際温度は、大量の純水の投入に伴い僅かに(1℃程度)低下するが、その後速やかに元の値に復帰する(線Fを参照)。図4の例は、「基板投入用設定濃度より低い値(第1の値)に低下させた後に、基板投入用設定濃度(最終値)にする」パターンに該当し、この場合においても、比較的短時間でリン酸水溶液の沸騰状態が所望のレベルに到達することがわかる。
上記の実施形態においては、制御部7が、濃度調整部、温度調整部及び濃度設置値補正演算部の制御機能を担っているが、これには限定されず、濃度調整部、温度調整部及び濃度設置値補正演算部うちの少なくとも一つの制御機能が別のコンピュータにより実現されていてもよい。
処理対象の基板は半導体ウエハに限定されるものでなく、ガラス基板、セラミック基板等の他の種類の基板であってもよい。
次に、上記実施形態に関連する実施形態について説明する。リン酸水溶液により基板を処理しているときに、リン酸水溶液中に含まれる成分を調整するために、具体的には例えばリン酸水溶液中に含まれる溶存シリコンの量を減少させるために、循環系内での循環を継続しながらリン酸水溶液排出部43を介して循環系内に存在するリン酸水溶液の一部を排出し、リン酸水溶液供給部40により循環系内(例えば外槽34B)に新しいリン酸水溶液を供給する液部分交換操作を行うことがある。
このとき、内槽34A内にあるリン酸水溶液の温度は例えば約165℃であり、濃度は例えば88wt%である。一方、リン酸水溶液供給部40から外槽34Bに供給される新しいリン酸水溶液の濃度は例えば約85wt%であり、温度は常温である。液部分交換操作を行っているときも前述した濃度制御は行われており、蒸発で失われるリン酸水溶液中の水分を補充するために純水供給部41から制御された流量で純水が供給され続けている。上記の液部分交換操作を行うと、濃度の低い新しいリン酸水溶液が供給されることにより、循環系内に存在するリン酸水溶液の濃度がやや低下するので、沸騰状態が所望のレベルより高くなる。この問題を解消するため、このため、液部分交換操作の開始からしばらくの間、純水供給部40からの純水の供給量を抑制している。
現在利用されているリン酸水溶液には溶剤等の特殊成分が含まれているものもある。このような特殊成分を含有するリン酸水溶液が使用されている場合に上記の液部分交換操作を行うと、通常のリン酸水溶液と同じように純水供給部40からの純水の供給量を抑制しただけでは、沸騰状態を所望のレベルに抑えることができないことがある。例えば気泡式液位計80の検出値により過剰な沸騰が検出されると、アラームが発生し、オペレータによる点検が必要となり、場合によっては液処理を中断しなければならいこともある。
上記の問題を解決するため、特殊成分を含有するリン酸水溶液が使用される場合には、上記の液部分交換操作を行うときに特別な制御が行われる。具体的には例えば、上記の液部分交換操作が行われるときにリン酸水溶液の設定濃度が高く補正される。あるいは、上記の液部分交換操作が行われるときに純水供給部40からの純水の供給量の指令値を所定の割合だけ減ずる補正を行ってもよい。このような補正は、予めプロセスレシピで規定しておいてもよいし、オペレータが特殊成分を含有するリン酸水溶液が使用する旨をユーザーインターフェースにより入力すると補正プログラムが作動するようにしておいてもよい。
次に、別の関連する実施形態について説明する。図5に示すように、この実施形態では、リン酸水溶液中に溶存するシリコンの濃度を調整するために、外槽34Bに挿入することができるシリコンブロック90を設ける。シリコンブロック90は昇降機構91により昇降可能であり、これにより、外槽34B内に貯留されているリン酸水溶液内への浸漬深さ、つまりリン酸水溶液に接触するシリコンブロック90の表面積を変更することができる。これにより循環系内にあるリン酸水溶液中のシリコン濃度をフレキシブルに変更することが可能となる。
7 制御部
8 基板(半導体ウエハ)
34(34B)処理槽
38 記憶媒体
40 リン酸水溶液供給部
41 純水供給部
52 加熱部(ヒータ)
55B リン酸濃度計

Claims (12)

  1. 処理槽内に貯留した沸騰状態にあるリン酸水溶液中に基板を浸漬して、基板に液処理を施す処理工程と、
    前記処理工程の後、前記基板を前記リン酸水溶液中から取り出した状態で待機する待機工程と、
    を備え、
    前記待機工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度を前記処理工程における前記リン酸水溶液中のリン酸濃度よりも低くすることにより、前記待機工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態を前記処理工程における前記リン酸水溶液の沸騰状態よりも低くする、基板液処理方法。
  2. 前記処理工程及び前記待機工程において、前記リン酸水溶液の実際のリン酸濃度が設定濃度と一致するようにリン酸濃度のフィードバック制御が行われ、前記待機工程における設定濃度は、前記処理工程における設定濃度よりも高く設定される、請求項1記載の基板液処理方法。
  3. 前記待機工程における設定濃度が、前記リン酸水溶液に沸騰が生じないような値に設定される、請求項2記載の基板液処理方法。
  4. 前記待機工程から再び前記処理工程に移行するにあたって、前記リン酸水溶液の設定濃度を、前記待機工程における設定濃度より低い基板投入用設定濃度に変更する、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  5. 前記リン酸水溶液の設定濃度を、前記待機工程における設定濃度より低い基板投入用設定濃度に変更するにあたって、前記待機工程における設定濃度である初期値から、前記基板投入用設定濃度である最終値に変更する前に、前記リン酸水溶液の設定濃度を、前記初期値よりも低くかつ前記最終値より低い第1の値に変更する、請求項4に記載の基板液処理方法。
  6. 前記リン酸水溶液の設定濃度を前記第1の値から前記最終値に変更する前に、前記リン酸水溶液の設定濃度を前記初期値より低く、かつ、前記第1の値より高く、かつ前記最終値より第2の値に変更する、請求項5記載の基板液処理方法。
  7. 前記待機工程から再び前記処理工程に移行するにあたって前記基板投入用設定濃度に変更された前記リン酸水溶液の設定濃度を、前記処理槽への基板の投入後にもそのまま維持して基板の処理を行う、請求項4から6のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  8. 前記待機工程から再び前記処理工程に移行するにあたって前記基板投入用設定濃度に変更された前記リン酸水溶液の設定濃度が、前記処理槽への基板の投入後に少なくとも一回変更される、請求項4から6のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  9. 前記処理工程及び前記待機工程において、温度計により測定されたリン酸水溶液の温度が設定値と一致するように前記リン酸水溶液の温度がフィードバック制御され、前記待機工程におけるリン酸水溶液の温度の設定値は、前記処理工程におけるリン酸水溶液の温度の設定値と同じ値に設定される、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  10. 前記処理工程及び前記待機工程のうちの少なくとも一方において、前記処理槽内のリン酸水溶液の水頭圧を監視することにより、前記水頭圧の関数として表すことができる前記リン酸水溶液の沸騰状態を監視することを含む、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  11. 基板液処理装置の動作を制御するためのコンピュータにより実行されたときに、前記コンピュータが前記基板液処理装置を制御して請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法を実行させるプログラムが記録された記憶媒体。
  12. 基板液処理装置において、
    リン酸水溶液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽にリン酸水溶液を供給するリン酸水溶液供給部と、
    前記処理槽に純水を供給する純水供給部と、
    前記リン酸水溶液中のリン酸濃度を測定するリン酸濃度計と、
    前記リン酸水溶液を加熱する加熱部と、
    前記リン酸水溶液の温度を測定する温度計と、
    前記リン酸水溶液供給部及び前記純水供給部のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記基板液処理装置に請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法を実行させる制御部と、
    を備えた基板液処理装置。
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