JP2004132764A - 表面形状測定装置用アーム退避機構 - Google Patents

表面形状測定装置用アーム退避機構 Download PDF

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Kazuhiro Kubota
久保田 和浩
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Abstract

【課題】電動モータの制御回路が不用であり、回転位置検出手段等のセンサが不用であり、構成が簡易であり、省スペース化が図られ、低消費電力で、動作速度の速いアーム退避機構を提供する。
【解決手段】所定の平面内で回転可能に支持されたアーム13を備え、アームの一端に被測定物の表面に接触する接触子14を有し、アームの他端の位置変化を検出する表面形状測定装置において、非測定時に、アームを退避させる表面形状測定装置用アーム退避機構。アーム13の一部に接触してアームの回転範囲を規制する規制部分54を有する回動部材52と、回動部材に所定の回動力を与える形状記憶合金からなるばね部材56と、ばね部材に通電する通電手段と、を備え、ばね部材への通電状態を変化させることにより、回動部材の回動位置を変化させる。
【選択図】     図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面粗さ形状測定装置又は輪郭形状測定装置等で代表される表面形状測定装置に使用されるアーム退避機構に係り、これらの測定装置において、非測定時や測定のための準備操作時等に接触子を有するアームを退避させる表面形状測定装置用アーム退避機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
被測定物の表面の凹凸形状を測定するため、微小な先端を有する接触子(触針)を微小な接触圧で接触させ、被測定物に対して接触子を移動させた時の上下位置の変化を記録する表面粗さ形状測定装置や輪郭形状測定装置が多用されている。このような測定装置の基本構造を図5に示す。
【0003】
図5において、アーム410は、支点411を中心として図の平面内を回転できるように支持されている。アーム410の一方の端に設けられた接触子420は、被測定物400の表面に微小な圧力で接触する。実際には所定の接触圧が得られるように調整するバランス調整機構が設けられているがここでは省略してある。
【0004】
アーム410の他方の端には、この他方の端の上下位置を検出する検出部490が設けられている。アーム410と検出部490とは筐体412内に収容されている。この筐体412は台414上を移動する移動台413に連結されており、被測定物400に対してアーム410を精密に移動させることができる。アーム410を被測定物400に対して移動させることにより、接触子420の上下方向の接触位置が被測定物400の表面形状に応じて変化するので、その変化を検出部490で検出して記録する。
【0005】
接触子420の可動部分は、図5に示されるようにアーム410を用いるてこ式と呼ばれるものの他に、接触子の上下方向の位置変化をそのまま検出するプランジャ式と呼ばれるものもあるが、本発明では主にアームを有するてこ式を対象とする。
【0006】
てこ式の表面形状測定装置においては、測定時に接触子420が被測定物400の表面に所定の圧力で接触するようにバランス調整されている。したがって非測定時や被測定物の交換時には、アーム410が下方に回転して接触子420は基体401に接触することになる。接触子420の先端は精密な測定を可能にするため直径数μm程度の半球状に加工されており、この部分に衝撃等が加えられないようにすることが必要である。そのため接触子420が基体401に衝突して破損することのないようにアーム410の回転範囲を規制するリミッタと称される規制部材を設けるのが一般的である。
【0007】
しかし、測定時にリミッタがアーム410の動きを規制することは避ける必要があり、通常は、アーム410がある程度の範囲で回転可能なように余裕をもってリミッタの位置が設定されている。したがって、被測定物400のない状態では、アーム410はリミッタで停止する位置まで回転しており、接触子420は測定する表面より下がった状態にある。そのため被測定物400を設置してその表面に接触子420を接触させるには、接触子420が測定面より上になるようにアーム410を回転して退避させる必要がある。この様子を示したのが図6(a)である。
【0008】
図6(a)に示されるように、被測定物500を測定する場合、アーム510は実線で示した位置であることが必要である。しかし、被測定物500に接触していない時には破線で示した位置まで下がっているために、一点鎖線で示した位置まで上げた後、被測定物500を設置し、その後アームを下げて接触子520を被測定物500の測定する表面に接触させることが必要である。
【0009】
アーム510を持ち上げて退避させる方法には、操作者が直接アーム510に触れて持ち上げることが考えられる。しかし、操作者が一方の手でアーム510を持ち上げ、もう一方の手で被測定物500を設置するのは作業性の面から問題がある。その上、不注意でアーム510に余分な力をかけた場合には、アーム510自体を破損する恐れがある。アーム510は微小な凹凸形状に追随して動くように軽量であることが必要であり、薄いアルミニウム製パイプ等で作るのが一般的である。そのため、少しでも無理な力が加えられると、容易に破損又は変型してしまうため、被測定物500の設置動作時には特に注意が必要である。
【0010】
測定する表面は、被測定物500の外側表面だけとは限らず、図6(b)に示されるような孔の内側表面を測定することもある。このような時には、アーム610を充分に持ち上げるだけでなく、アーム610を孔の高さに合せて保持した後、アーム610が孔の中に入るように被測定物600を設置する必要がある。孔とアーム610との間の余裕が小さい時に、手でアーム610を保持してこのような設定動作を行なうのは非常に難しく、アーム610や接触子620を破損しやすい。
【0011】
そのためアーム610を退避位置まで移動した後保持するアーム退避機構が必要になる。このような機構としては、例えば匡体512及び612内に設けられたリミッタ又はリミッタに相当する部材を所定位置まで移動して固定する機構で実現できる。ここで測定時にはアームが所定の回転範囲を有することが必要であり、そのため測定時にはリミッタ又はリミッタに相当する部材が所定位置に戻ることが必要である。
【0012】
既述のようにアームは軽量である上に、測定時に接触子が測定する表面に所定圧力で接触するようにバランス調整されているため、微小な力を加えるだけで急激に回転してしまう。もし急激に回転してリミッタ等に衝突した時には、アーム自体が変型したり破損する等の事故が起きる。
【0013】
手動操作によるアーム退避機構の場合、使用者の不注意等のためにリミッタを急激に移動させてアームを損傷させることがある。また、測定時にはアームが所定の回転範囲を有するようにリミッタを元の位置に戻す必要があるが、手動操作では、正規の位置まで戻っていない状態で測定を行ない、途中で不都合が生じることもある。そのため、アームの退避機構は、不確実な手動操作によらないものであることが求められている。
【0014】
上記問題点に鑑みて、本願発明者による考案がなされており、表面粗さ形状測定装置又は輪郭形状測定装置におけるアーム退避機構を、アームを損傷させることなしにスイッチ操作のみで確実に動作させることができ、しかも孔等の測定のため任意の位置に退避できるアーム退避機構の実現が図られている(特許文献1。)。
【0015】
すなわち、図7に示されるような、一方の端に被測定物の表面に接触する接触子2を有し、所定の平面内で回転可能に支持されたアーム1を備え、アーム1のもう一方の端の位置変化を検出する表面粗さ形状測定装置又は輪郭形状測定装置において、非測定時にアーム1を退避させるアーム退避機構であって、アーム1の一部3が接触して回転範囲が規制される規制部分4を有する回転部材5と、可逆回転電動モータ6と、電動モータ6の回転を表面接触による摩擦力で回転部材5に伝導し、所定以上の負荷に対しては回転部材5との間で滑りを生じる伝導部材7と、回転部材5の回転位置を検出する回転位置検出手段8と、を備えることを特徴とする表面粗さ形状測定装置及び輪郭形状測定装置用アーム退避機構である。
【0016】
なお、図7においても、図5における検出部490と同様の検出部9が設けられている。
【0017】
【特許文献1】
実開平5−75606号公報(実願平4−14662号のマイクロフィルム)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアーム退避機構は、回転位置検出手段等のセンサ、電動モータの制御回路等を要し、構成が複雑となる上に、省スペース化が困難であり、改善が要求されていた。本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、電動モータの制御回路が不用であり、回転位置検出手段等のセンサが不用であり、構成が簡易であり、省スペース化が図られ、低消費電力で、動作速度の速いアーム退避機構を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、所定の平面内で回転可能に支持されたアームを備え、該アームの一端に被測定物の表面に接触する接触子を有し、該アームの他端の位置変化を検出する表面形状測定装置において、非測定時に、前記アームを退避させる表面形状測定装置用アーム退避機構であって、前記アームの一部に接触して該アームの回転範囲を規制する規制部分を有する回動部材と、前記回動部材に所定の回動力を与える形状記憶合金からなるばね部材と、前記ばね部材に通電する通電手段と、を備え、前記ばね部材への通電状態を変化させることにより、前記回動部材の回動位置を変化できるようになっていることを特徴とする表面形状測定装置用アーム退避機構を提供する。
【0020】
本発明によれば、回動部材に所定の回動力を与える形状記憶合金からなるばね部材と、ばね部材に通電する通電手段とを備え、ばね部材への通電状態を変化させることにより、回動部材の回動位置を変化できるようになっている。これにより、従来のアーム退避機構と同様の機能が得られ、かつ、電動モータの制御回路が不用であり、回転位置検出手段等のセンサが不用であり、構成が簡易であり、省スペース化が図られ、低消費電力で、動作速度の速いアーム退避機構が得られる。
【0021】
ここで、表面形状測定装置としては、表面粗さ測定装置(たとえば、東京精密社製、商品名:サーフコム)、輪郭形状測定装置(たとえば、東京精密社製、商品名:コンターレコード)、真円度測定装置(たとえば、東京精密社製、商品名:ロンコム)、三次元座標測定装置等が知られている。
【0022】
これらの表面形状測定装置の多くは、接触式の接触子(触針、又は、プローブ)を被測定物の表面に接触させながら、接触子と被測定物とを相対移動させ、これにより被測定物の表面形状を測定しているので、本発明のアーム退避機構の有利な効果が適用できる。
【0023】
本発明において、前記回動部材に一方向への回動力を与える第一のばね部材と、前記回動部材に他方向への回動力を与える第二のばね部材とを有することが好ましい。このように、二方向への回動力をばね部材により制御できれば、本発明の効果がより有効に発揮できるからである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構が適用される測定ヘッドの構成を示す側断面図である。なお、同図には、本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構の図示が省略されている。
【0025】
測定ヘッド10は、図1に示されるように、ベース21、支点部材11、アームを構成する元アーム12とアーム13、接触子14、スケール15、図示しない読取りヘッド、加圧部材17、ダンパ18、ブーツ19、及びケース22等から構成されている。ベース21は、ケース22内の紙面奥側の全面に形成されている。
【0026】
支点部材11は、ホルダ20に支持されてベース21に取付けられている。元アーム12は、支点部材11に保持され、支点部材11を中心にシーソー回動自在になっている。元アーム12の一端にはアーム13がネジ止めされ、アーム13の先端には被測定物Wに当接する接触子14が取付けられている。
【0027】
一方、元アーム12の他端には、センサとしてのスケール15が取付けられている。また、スケール15の目盛りを読取る読取りヘッド(図示略)がベース21に固定されている。同様に、アーム位置の原点を検出するリミットスイッチ(図示略)がベース21に固定されている。
【0028】
元アーム12には接触子14を被測定物Wに向けて押圧する加圧部材17が設けられている。この加圧部材17には圧縮バネが用いられているが、引張りバネやその他の弾性部材等、元アーム12に回転力を発生させることのできるものなら何でもよい。更に、元アーム12にはダンパ18が設けられ、接触子14の飛び跳ねや振動を抑制できるようになっている。
【0029】
元アーム12の先端部、アーム13、及び接触子14を除くその他の部材はケース22で覆われている。このケース22には開口部があり、この開口部から元アーム12の先端部が飛び出している。また、この開口部にはブーツ19が設けられ、ケース22内部への塵埃やミストの侵入を防止している。
【0030】
次に、このように構成された測定ヘッド10の作用について説明する。先ず測定ヘッド10が被測定物Wに対してセットされる。接触子14は加圧部材17によって被測定物Wに押圧されているので、被測定物Wの寸法に応じて支点部材11を中心に回動変位される。接触子14が回動変位されるとアームに取付けられたスケール15も回動変位される。このスケール15の変位量は読取りヘッドで検出されて検出信号がA/D変換部30で処理され、管制部40に送られて被測定物Wの寸法が求められる。
【0031】
この時元アーム12にはダンパ18が設けられているので、接触子14の飛び跳ねや振動が防止される。また、ケース22の開口部にはブーツ19が取付けられているので、加工液やミスト、及びその他塵埃等がケース22内に浸入する事がない。
【0032】
図1に示した測定ヘッド10は、被測定物Wの厚さや段差、輪郭形状、及び表面状態を測定する測定ヘッド(以下Γ型測定ヘッドと称する)であるが、図2に示される測定ヘッド10は、図1で示される構造を対称に2個組み合わせ、被測定物Wの外径を測定するようにした測定ヘッドである。この測定ヘッドでは、図2に示した外径測定用の他に、接触子14を逆向きに取付け、加圧部材17の加圧方向を逆向きにした内径測定用ヘッドもある。外径測定用ヘッドおよび内径測定用ヘッド(以下Σ型測定ヘッドと称する)の動作作用は、基本的に図1に示したΓ型測定ヘッドと同じであるので、説明は省略する。
【0033】
次に、本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構について説明する。図3及び図4は、アーム退避機構の原理を説明する概念図である。図3は、斜視図であり、図4は左側面図である。ここで、図1と同一、類似の部材については、同様の符合を附し、その説明を省略する。
【0034】
本発明のアーム退避機構50は、非測定時にこのアーム13を退避させる機構であり、ホルダ20(図1参照)より延設された躯対に回動自在に支持された回動部材52、回動部材52に設けられる規制部分54、54である2本のピン状部材、一端が回動部材52に接続され、他端がホルダ20より延設された躯対62(図4参照)に接続された形状記憶合金からなる第一のばね部材56、一端が回動部材52に接続され、他端がホルダ20より延設された躯対62に接続された形状記憶合金からなる第二のばね部材58、アーム13の側面に延設された突起棒60とを備えている。また、アーム退避機構50は、それぞれのばね部材56、58に通電する図示しない通電手段を備えている。
【0035】
そして、アーム退避機構50の各要素同士の関係は、次のようになっている。回動部材52の規制部分54、54は、アーム13の一部である突起棒60を挟むように設けられ、突起棒60に接触してアーム13の回転範囲(すなわち、上下動範囲)を規制する。第一のばね部材56は、回動部材52に一方向(図3及び図4では、時計回り)への回動力を与える。第二のばね部材58は、回動部材52に他方向(図3及び図4では、反時計回り)への回動力を与える。それぞれのばね部材56、58に通電すると、ばね部材は縮む方向に変形する。これにより、回動部材52に回動力を与えることとなる。
【0036】
第一のばね部材56及び第二のばね部材58としては、形状記憶合金からなる公知の材料、たとえば、トキ・コーポレーション社製の形状記憶合金製マイクロ・コイル、商品名:バイメタル・へリックスが使用できる。このような形状記憶合金からなるばね部材は、通電することにより、元の長さの約30〜50%にまで収縮する。したがって、大きなストロークを得ることができる。また、このようなばね部材の動きは、静かで滑らかであり、特別な駆動回路を要せず(たとえば、電池1本で済む)、低電流(200〜300mA)、低電圧で駆動でき、安全である。更に、PMW方式の電力制御回路を使用すれば、細やかな運動の調整ができるという効果もある。
【0037】
図3及び図4(a)の状態では、第一のばね部材56、第二のばね部材58のいずれも非通電状態にあり、両者の長さは略同一の状態になっている。この場合、アーム13の側面に延設された突起棒60は、規制部分54、54の中間位置にあり、測定ヘッド10は測定状態位置にある。
【0038】
図4(a)の状態で、第一のばね部材56にのみ通電すると、この第一のばね部材56が収縮し、回動部材52は時計回り(CW)へ回動する。一方、この回動に伴い第二のばね部材58は若干量延伸する。そして、第一のばね部材56と第二のばね部材58との引張り力が釣り合った状態で回動部材52の回動が停止する。図4(b)は、この状態を示し、下側の規制部分54が突起棒60の回転範囲を規制しており、測定ヘッド10は上側退避位置にある。そして、通電を解除すると、第一のばね部材56は元の長さに戻り、回動部材52は図4(a)の状態に復帰する。
【0039】
図4(a)の状態で、第二のばね部材58にのみ通電すると、この第二のばね部材58が収縮し、回動部材52は反時計回り(CCW)へ回動する。一方、この回動に伴い第一のばね部材56は若干量延伸する。そして、第一のばね部材56と第二のばね部材58との引張り力が釣り合った状態で回動部材52の回動が停止する。図4(c)は、この状態を示し、上側の規制部分54が突起棒60の回転範囲を規制しており、測定ヘッド10は下側退避位置にある。そして、通電を解除すると、第二のばね部材58は元の長さに戻り、回動部材52は図4(a)の状態に復帰する。
【0040】
以上の動作は、図3及び図4(a)の状態では、第一のばね部材56、第二のばね部材58のいずれも非通電状態にあり、両者の長さを略同一の状態とし、いずれかのばね部材に通電することにより、回動部材52の回動位置を変化させることとしている。これとは反対に、図3及び図4(a)の状態では、第一のばね部材56、第二のばね部材58のいずれも通電状態に保持し、両者の長さを略同一の状態とし、いずれかのばね部材を非通電とすることにより、回動部材52の回動位置を変化させることもできる。
【0041】
また、図3の構成では、説明の便宜も兼ねて、アーム退避機構50をケース22の外に設け、アーム13を退避させる構成としたが、アーム退避機構50をケース22の中に設け、元アーム14を退避させる構成としてもよい。この構成であれば、装置全体がコンパクトになり、また、アーム退避機構50が加工液やミスト、及びその他塵埃等で汚染されることはない。
【0042】
なお、本実施の態様では、形状記憶合金からなるばね部材の伸縮量の制御を通電により行っているが、形状記憶合金の性質より、加熱による伸縮量の制御も可能である。この制御方法も、本発明と同一の技術的思想に基くものであり、本発明の均等範囲にあると言える。もっとも、加熱手段(たとえば、エアドライアによる)、冷却手段(たとえば、ペルチェ素子による)は、コンパクト性の点で通電手段よりは劣る。
【0043】
以上、本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0044】
たとえば、実施形態の例(図3)では、規制部分54を回動部材52に二つ設け、アーム13の回転範囲(接触子14の上下動範囲)を両方から規制しているが、下方の規制部分54のみで上側の規制部分54がない構成も採用できる。ただし、衝撃吸収効果等を考慮すれば、回転範囲を両方で規制することが望ましい。
【0045】
また、実施形態の例では、形状記憶合金からなるばね部材を2本設けているが、このうち1本のばね部材を通常のばね鋼からなる通常のばね部材に代変えする構成、形状記憶合金からなるばね部材を1本のみ設ける構成も採用できる。
【0046】
また、回動部材52(規制部分54、54も含む)の形状は、実施形態の例(図3)以外にも、各種の形状のものが採用できる。たとえば、図7の従来例で採用されている回転部材5のように、円盤の一部を切り欠いた形状とし、該切り欠き部分を規制部分4、4とするものも採用できる。回動部材52中心軸も実施形態の例(図3)以外に、図7の従来例で採用されている方向に設けてもよい。
【0047】
更に、アーム退避機構50以外の構成部分において、実施形態の例では、円弧パターンのスケール15が使用されているが、これに代えて直線パターンのスケールを使用することもできる。この場合には、円弧誤差の補正手段を設ければ所定の精度が得られる。
【0048】
また、スケール15として、回折干渉を利用した反射型スケールや透過型のモアレスケールが好ましく採用できるが、本発明においてはこれに限らず、回折干渉を利用した透過型スケール、又は反射型のモアレスケール等々種々のスケール、LVDT(Linear Voltage Differential Transducer)と呼ばれる線形電圧差動変圧器(通称差動トランス)等を用いることができる。
【0049】
本発明に係る表面形状測定装置用アーム退避機構が適用される測定項目としては、外径、内径、段差(高さ)、厚さ等の寸法測定、また粗さ、うねり等の表面測定、また形状測定、また位置測定、更に同軸度、同心度、真直度、円筒度、直角度、平行度、テーパ度、線の輪郭度、面の輪郭度、傾斜度、位置度、対称度、円周振れ、全振れ等の幾何公差測定等がある。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回動部材に所定の回動力を与える形状記憶合金からなるばね部材と、ばね部材に通電する通電手段とを備え、ばね部材への通電状態を変化させることにより、回動部材の回動位置を変化できるようになっている。これにより、従来のアーム退避機構と同様の機能が得られ、かつ、電動モータの制御回路が不用であり、回転位置検出手段等のセンサが不用であり、構成が簡易であり、省スペース化が図られ、低消費電力で、動作速度の速いアーム退避機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に使用される測定ヘッドを表わす側断面図
【図2】Σ型の外径測定用測定ヘッドを表わす側断面図
【図3】アーム退避機構の原理を説明する概念図
【図4】アーム退避機構の原理を説明する概念図
【図5】表面粗さ形状測定装置の基本構造を説明する概念図
【図6】アーム退避機構の必要性を説明する概念図
【図7】従来例のアーム退避機構を説明する概念図
【符号の説明】
10…測定ヘッド、11…支点部材、12…元アーム、13…アーム、14…接触子、15…スケール、16…読取りヘッド、17…加圧部材、18…ダンパ、19…ブーツ、20…ホルダ、21…ベース、22…ケース、30…A/D変換部、40…管制部、50…アーム退避機構、52…回動部材、54…規制部分、56…第一のばね部材、58…第二のばね部材、60…突起棒、W…被測定物

Claims (2)

  1. 所定の平面内で回転可能に支持されたアームを備え、該アームの一端に被測定物の表面に接触する接触子を有し、該アームの他端の位置変化を検出する表面形状測定装置において、
    非測定時に、前記アームを退避させる表面形状測定装置用アーム退避機構であって、
    前記アームの一部に接触して該アームの回転範囲を規制する規制部分を有する回動部材と、
    前記回動部材に所定の回動力を与える形状記憶合金からなるばね部材と、
    前記ばね部材に通電する通電手段と、を備え、
    前記ばね部材への通電状態を変化させることにより、前記回動部材の回動位置を変化できるようになっていることを特徴とする表面形状測定装置用アーム退避機構。
  2. 前記回動部材に一方向への回動力を与える第一のばね部材と、前記回動部材に他方向への回動力を与える第二のばね部材とを有する請求項1に記載の表面形状測定装置用アーム退避機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132784A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Tokai Kiyouhan Kk エアマイクロメータの測定ヘッド装置
JP2021081444A (ja) * 2021-02-26 2021-05-27 株式会社東京精密 検出器、輪郭形状測定機及び触針の接触制御方法

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