JP2007315998A - 寸法測定ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサロッドとセンサヘッドを備えるリニアセンサ型のセンサを用いる際に、簡単な構成であっても、センサロッドを直動型として、センサ径およびストロークを大きくすることができ、高精度の測定が可能な寸法測定ヘッドを提供することである。
【解決手段】 可動アーム10が備える接触子1をワークWに当接して寸法を測定する際に、前記可動アーム10が、その先端部に前記接触子を備えるフィンガアーム2と、該フィンガアームの基部を支持する支持アーム4とを備えており、センサロッド5を前記支持アームの先端部に装着し、センサヘッド6をユニット基部8に固着して、前記フィンガアームの変位をセンサロッドの直動移動変位に変換する平行板バネ3を備えた平行移動機構部を介して前記支持アーム4と前記センサヘッド6とを連結した構成の寸法測定ヘッドHとした。
【選択図】 図1
【解決手段】 可動アーム10が備える接触子1をワークWに当接して寸法を測定する際に、前記可動アーム10が、その先端部に前記接触子を備えるフィンガアーム2と、該フィンガアームの基部を支持する支持アーム4とを備えており、センサロッド5を前記支持アームの先端部に装着し、センサヘッド6をユニット基部8に固着して、前記フィンガアームの変位をセンサロッドの直動移動変位に変換する平行板バネ3を備えた平行移動機構部を介して前記支持アーム4と前記センサヘッド6とを連結した構成の寸法測定ヘッドHとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、寸法測定ヘッドに関するもので、特に旋盤等の工作機械で切削されるワークの外径寸法等を測定する寸法測定ヘッドに関するものである。
従来、旋盤等の工作機械で切削されるワークの外径寸法を測定する測定ヘッドにおいては、接触子の変位を検出するセンサにLVDT(Linear Voltage Differential Transducer)と呼ばれる線形電圧差動変圧器(通称差動トランス)が用いられている。
また、従来の差動トランス方式では、一次コイルと二次コイルを備える外筒のコイル部と中心部に挿入されるコア(磁性体)を備え、一次コイルに交流電圧をかけて励磁状態とし、コアが移動することで変化するリアクタンスにより変化する二次側電圧を検知して測定ヘッドの位置を定める構成である。
上述の差動トランスを用いた測定ヘッドでは、外筒のコイル部とコアとが非接触で変位する構成とされている。また、ワークに当接する接触子の配設位置と、差動トランスを形成する測定位置とは離れていることが多いので、前記接触子を備えるアーム部材(フィンガアーム)が、ワークの寸法により変位する回動移動を前記コアの直進移動として捉えることが望ましい。
そのために、薄板をクロス状に組んだ変形自在要素(十字板バネ)を支点として変位するアーム部材を有し、コアが実質的に並進運動を成すとする機械部品の線形寸法検定用ヘッドが既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2001−503523号公報(第1−16頁、第2図)
差動トランス型検出器は比較的応答速度が遅く高速応答が要求される測定には適さないという問題がある。また、接触子を備えるフィンガアームが回動変位をすると、センサ部となるコア部材が完全に直進移動せず、緩やかな円弧運動をすることになる。
そのために、コア部材と外筒のコイル部との隙間を大きくしておく必要があり、コア部材の軸径を大きくすることができず測定誤差が大きくなって、測定精度を上げることができないという問題がある。
測定精度を上げるには、センサ部のコイル部とコア部材との隙間を小さくすると共に、センサ径を大きくする、つまりコア部材を大きくしたり磁性性能を上げる必要がある。しかし、隙間が小さいと、円弧運動のためにストロークが限定されることになり、測定範囲が制限されることになる。
また、工作機械等に直接組み付け可能とするためにも、小型であることが望ましい。さらに、繰り返し操作しても測定精度が劣化しない高精度化であることが望ましい。
そのために、コア部材の直進性を実現し装置の小型化を図ると共に、繰り返し誤差を小さくし高精度化を図り、軽量化を可能とする構成の寸法測定ヘッドが求められている。
本発明の目的は、上記問題を解決するために、センサロッドとセンサヘッドを備えるリニアセンサ型のセンサを用いる際に、簡単な構成であっても、センサロッドを直動型として、センサ径およびストロークを大きくすることができ、高精度の測定が可能な寸法測定ヘッドを提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、アーム部材が備える接触子をワークに当接して寸法を測定する寸法測定ヘッドにおいて、前記アーム部材が、前記接触子と共に変位するフィンガアームを備える可動アームであって、前記可動アームの変位量を検知するセンサ部を、ユニット基部に固着するセンサヘッドと移動自在なセンサロッドとを備えるリニアセンサとし、前記可動アームが、その先端部に前記接触子を備える前記フィンガアームと、該フィンガアームの基部を支持する支持アームとを備えており、その下端側に前記フィンガアームを支持する前記支持アームの上端側に前記センサロッドを装着し、下端側と上端側との中間部に、前記フィンガアームの変位をセンサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、ワークの寸法に誤差が生じてフィンガアームが変位しても、センサロッドが直動移動する構成としているので、センサロッドの径を大きくしても、センサヘッドの内面と接触しない。そのために、分解能および測定精度を向上することができる。さらに、センサロッドのストロークが制限されず、測定範囲を大きくすることができる。
請求項2に係る発明は、前記平行移動機構部を、二枚の板バネの上端と下端とを所定間隔離して組み付けた平行板バネから構成し、前記上端を前記センサヘッド側に固着し、前記下端に前記支持アームを接続して、前記フィンガアームの変位を前記平行板バネを介して前記センサロッドの直動変位に変換することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、平行板バネを有する簡単な構成であっても、ワークの寸法に誤差が生じてフィンガアームが変位する時に、センサロッドが略直動する平行移動機構部を構成することができる。
請求項3に係る発明は、アーム部材が備える接触子をワークに当接して寸法を測定する寸法測定ヘッドにおいて、前記アーム部材が、前記接触子と共に変位するフィンガアームを備える可動アームであって、前記可動アームの変位量を検知するセンサ部を、ユニット基部に固着するセンサヘッドと移動自在なセンサロッドとを備えるリニアセンサとし、
前記可動アームが、その先端部に前記接触子を備える前記フィンガアームと、該フィンガアームを回動自在に支持する軸支部と、前記フィンガアームの変位に連動する支持アームとを備えており、その下端側が前記フィンガアームに当接する前記支持アームの上端側に前記センサロッドを装着し、下端側と上端側との中間部に、前記フィンガアームの回動変位を前記センサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けたことを特徴としている。
前記可動アームが、その先端部に前記接触子を備える前記フィンガアームと、該フィンガアームを回動自在に支持する軸支部と、前記フィンガアームの変位に連動する支持アームとを備えており、その下端側が前記フィンガアームに当接する前記支持アームの上端側に前記センサロッドを装着し、下端側と上端側との中間部に、前記フィンガアームの回動変位を前記センサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、ワークの寸法に誤差が生じてフィンガアームが回動して変位しても、センサロッドが直動移動する構成としているので、センサロッドの径を大きくしても、センサヘッドの内面と接触しない。そのために、測定精度を向上することが可能であり、センサロッドのストロークが制限されず、測定範囲を大きくすることができる。
請求項4に係る発明は、前記平行移動機構部を、二枚の板バネの上端と下端とを所定間隔離して組み付けた平行板バネから構成し、前記上端を前記センサヘッド側に固着し、前記下端を前記支持アームと接続すると共に、前記フィンガアームの延設部を前記下端に圧接させる構成として、前記フィンガアームの回動変位を前記センサロッドの直動変位に変換することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、平行板バネを有する簡単な構成であっても、ワークの寸法に誤差が生じてフィンガアームが回動して変位する時に、センサロッドが略直動する平行移動機構部を構成することができる。
請求項5に係る発明は、前記可動アームをワークの両側に配設すると共に、それぞれの可動アームをワークに接近・離反する方向に移動自在として、チャック部材を介して所定位置に固定したワークの両側に、それぞれの可動アームが備える接触子を当接して寸法を測定することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、両方の可動アームの変位量から、ワークの寸法を正確に測定することができる。
請求項6に係る発明は、前記可動アームの初期位置を設定する初期位置設定調整部を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、測定サイズを変更可能となり、一種類の寸法測定ヘッドを用いて、複数サイズのワークを測定することができる。
請求項7に係る発明は、前記アーム部材を一体的に移動して、ワークから離れた待機位置とワークを測定する測定位置とに変位自在とするスライド駆動部を有することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項7に係る発明によれば、測定する時だけ、測定位置に移動して測定するので、接触子やセンサロッド等を消耗せず、高寿命化を図ることができる。
請求項8に係る発明は、前記センサロッドが、非磁性化された軸本体の中心軸部を中空とし、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着しており、前記センサヘッドがコイルを備えており、前記センサロッドと前記センサヘッドとで磁気センサを構成したことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項8に係る発明によれば、スライド軸自体がセンサロッドを構成し、軸本体が非磁性化されているので、軸径を大きくすることができる。また、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材はどこにも接触しないので、磨耗したり損傷せず、高寿命化が可能となる。
請求項9に係る発明は、前記アーム部材を支持する部材が、ワークと同部材もしくはワークと同等の熱膨張係数を有する部材からなることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項9に係る発明によれば、温度変化が生じても、熱膨張の影響を受けずに精度のよい測定を行うことができる。
本発明によれば、アーム部材が備える接触子をワークに当接して寸法を測定する寸法測定ヘッドにおいて、前記アーム部材を、接触子と共に変位するフィンガアームを備える可動アームとし、該可動アームの変位をセンサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けた構成としているので、センサロッドの径を大きくしても、センサヘッドの内面と接触せず、測定精度を向上することが可能であり、センサロッドのストロークが制限されず、測定範囲を大きくすることができる。さらに、非磁性化され、中心軸部を中空とし、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着したセンサロッドをスライド軸とする寸法測定ヘッドとしたので、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材が磨耗したり損傷せず、高寿命化が可能な寸法測定ヘッドを得ることができる。
以下、本発明に係る寸法測定ヘッドの実施の形態について、図1から図4に基づいて説明する。
図1は本発明に係る寸法測定ヘッドが備える可動アームの第一の実施形態を示す概略説明図であり、(a)は可動アームの全体断面図を示し、(b)は要部断面図である。図2は本発明に係る寸法測定ヘッドが備える可動アームの第二の実施形態を示す概略説明図であり、(a)は可動アームの全体断面図を示し、(b)は要部断面図である。図3はセンサ部の拡大断面図である。図4は本発明に係る寸法測定ヘッドの構成を示す全体概略図であり、(a)はワークの両側を共に可動アームが挟持する例を示し、(b)はワークの片側に可動アームを当接して寸法測定する例を示している。
本発明に係る寸法測定ヘッドHは、旋盤等で研削されるワークWの寸法、例えば外径や板厚を測定する装置であって、加工精度の合否を判定することに用いられている。また、外径寸法を測定する際には、図4(a)に示すように、チャック部材16を介して、ベース15上の所定位置に固定したワークWの両側をアーム部材が備える接触子1をワークWに当接して測定する。この際に、前記アーム部材を、接触子1と共に変位するフィンガアーム2を備える可動アーム10とし、両側の可動アーム10が、それぞれワークWに接近・離反する方向に移動自在とされている。そのために、両方の可動アーム10をそれぞれ独立してワークWに接近する方向に移動して、それぞれの可動アーム10が備える接触子1をワークWに当接し、変位する両側の可動アーム10の変位量を合算することで、ワークWの外径寸法を測定することができる。
可動アーム10のワークWに接近・離反する方向の移動は、それぞれの可動アーム10がそれぞれ独立して移動可能であることが望ましい。そうであれば、それぞれの可動アーム10を、ワークWから離反した離反位置から、ワークWに当接する当接位置まで移動する時に、先に当接する一方の可動アーム10を先に停止し、他方の可動アーム10のみを独立して駆動させてワークWに当接させることができる。この構成であれば、チャック部材によるチャッキング誤差やワークWの偏芯誤差を補うことができる。
また、可動アーム10を支持する支持アーム12と、該支持アーム12を昇降手段13を介して一体的に昇降自在に保持するフレーム14とを備えている。
上記のように、ワークWの両側を、それぞれ可動アーム10で挟持して外径寸法を測定する構成であれば、チャッキングの誤差などで生じる測定誤差を補うことができ、好適である。
また、板厚等を測定する際には、図4(b)に示すように、ベース15Aに載置したワークW1の上面側に可動アーム10を配設し、前記ワークW1に接近・離反する方向に移動自在とし、可動アーム10が備える接触子1をワークW1に当接して板厚寸法を測定することができる。
この構成とするには、ベース15Aに支持アーム12Aを立設し、該支持アーム12Aに前記可動アーム10を装着して、スライドベアリングやシリンダ装置等の公知のスライド機構を介して図中の矢印D5方向に移動自在な構成とすればよい。
さらに、ワークWの両側に可動アーム10を配設する構成でも、ワークWの片側の一方に可動アーム10を配設する構成のいずれの場合でも、接触子1を変位させるリトラクト機構を設けることで、可動アーム10を測定位置から開放して逃がすことも、測定する仕上がり寸法に応じてその基準位置を微調整することも可能となる。
前記のリトラクト機構としては、バネ部材を介して付勢される接触子1を、シリンダ部材を用いて変位させる方法や、接触子1に当接する偏芯円板をモータで回転移動してその偏芯量を変える方法が適用可能である。いずれにしても、接触子1を数ミリ変位するだけのリトラクト機構であればよく、これらのリトラクト機構とその他のスライド移動機構を用いることで、可動アーム10の測定位置と待機位置間との移動と、接触子1を変位させて測定寸法を微調整することが容易となる。
可動アーム10は、接触子1とフィンガアーム2と平行移動機構部3、およびセンサ部を構成するセンサヘッド6を内蔵するユニット基部8を備えている。接触子1をその先端に備えるフィンガアーム2(2A、2B)は、例えば図中の矢印D1方向に変位自在とされており、測定するワークWの寸法によって変位する。その変位量は後述するように、前記平行移動機構部3にて直動変位するセンサロッド(図1参照)と前記センサヘッド6とで構成されるセンサ部にて検知することができる。
また、ベース15にチャック部材16を介して装着されたワークWの寸法を測定する際には、予め定められた基準寸法となるように、また、予め定めた寸法許容範囲まで、両方のユニット基部8を図中の矢印D3方向に移動する構成としている。そのために、基準寸法丁度のワークWであれば、予め定められた位置まで、前記ユニット基部8が移動した時に、前記可動アーム10が±0の寸法を示すことになる。
しかし、仕上がり寸法が少し大きなワークWであれば、可動アーム10が基準寸法位置まで移動した時に、接触子1がワークWに既に当接して押されており、基準位置より少し大きく変位することになる。そのために、この変位量を(+)変位量として、センサ部で正確に検出することができる。
また、仕上がり寸法が少し小さい場合は、予め定められた基準寸法位置まで、前記ユニット基部8が移動しても、前記接触子1は未だ基準位置まで変位しておらず、変位量は小さい状態となる。そのために、その不足している変位量を(−)変位量としてセンサ部で正確に検出することができる。また、そのためには、予め許容されるマイナス寸法が測定可能となる位置に、可動アーム10を配置しておく必要がある。
上記したように、ワークWの両側を、接触子1と共に変位するフィンガアーム2を備える可動アーム10で挟持する構成としているので、予め所定の寸法精度(±寸法)が測定可能となる範囲を、前記可動アーム10の変位範囲に設定しておくことが可能である。さらには、チャッキングの誤差などで生じる測定誤差を補うことができ、両側の可動アームのセンサ部からの検出信号から、ワークWの絶対寸法を測定することができる。
さらに、寸法測定ヘッドHは、両側の可動アーム10を一体的に昇降移動するスライド機構部としての昇降手段13を備えている。そのために、前記昇降手段13を介して、ワークWから離れた待機位置とワークWを測定する測定位置とに変位自在となって、測定する時だけ、測定位置に移動して測定する構成となり、接触子やセンサロッド等を消耗せず、高寿命化を図ることができる。
次に図3よりセンサ部について説明する。
センサ部はセンサロッド5とセンサヘッド6とで構成されている。前記センサロッド5は非磁性化された軸本体の中心軸部を中空とし、この中空軸心部50にそれぞれ所定幅の磁性コア部材51a、51b、51cと非磁性部材52a、52bとを交互に装着しており、前記センサヘッド6が備えるコイル部61とで磁気センサを構成している。
上記のように、スライド軸自体がセンサロッドを構成していると共に、センサロッド5が直動する構成としているので、センサロッド5の軸径B1が大きくても、センサヘッド6の内径B2と接触する虞が小さいので、前記軸径B1を大きくすることができる。また、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材はどこにも接触しないので、磨耗したり損傷せず、高寿命化が可能となる。
さらに、非磁性化され、中心軸部を中空とし、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着したセンサロッドをスライド軸とする寸法測定ヘッドとしたので、磁気結合の変化を敏感に検知可能なセンサ部となり、高精度な測定が可能となる。例えば、0.1μm単位の分解能を得ることが可能となる。
次に可動アーム10の具体的な構成例として、図1に示す第一の実施形態と、図2に示す第二の実施形態を説明する。
図1に示す第一の実施形態は、可動アーム10Aが、その先端部に前記接触子1を備えるフィンガアーム2Aと、該フィンガアーム2Aの基部を支持する支持アーム4とを備えており、前記フィンガアーム2Aが、板バネ31、32を平行に対向して設けた構成の平行板バネ3の一方の端部3A(図中の下側の端部)に固着される支持アーム4に接続された例である。
そのために、図1(a)に示すように、接触子1の先丸当接部1aがワークWに当接して図中の矢印D1方向に変位すると、前記平行板バネ3を介して前記支持アーム4の上端部に装着されたセンサロッド5が図中の矢印D2方向に直線状に移動する。
つまり、板バネ31、32からなる平行板バネ3が、前記フィンガアーム2Aの変位をセンサロッド5の直動移動変位に変換する平行移動機構部30を構成している。
これは、前記平行板バネ3の上側の端部3Bを、ユニット基部8に固着するセンサヘッド6に固定し、平行板バネ3の下側の端部3Aを変位自在とし、この変位自在な端部3Aに支持アーム4を固着することで、二枚の板バネがその間隔を保ったまま、また、その両端部を固定接続したまま平行変位するからである。そのために、板バネが波型に変位して支持アーム4を図中の矢印D2方向に直動変位可能とする。つまり、図示する平行板バネ3と支持アーム4との接続構成が平行移動機構部30を構成していることになる。
そのために、図1(b)に示すように、板バネ31、32が平行状態を維持したまま波型に変形して、支持アーム4およびセンサロッド5を平行移動(直動移動)させることができる。
もちろん、僅かな上下方向のずれは生じるが、所定の長さを有するセンサロッド5が円弧移動する際のずれの大きさと比較すると、はるかに小さなずれであり、その分、センサヘッド6とセンサロッド5との隙間を小さくすることができる。
つまり、センサロッド5の軸径を大きくすることが可能であり、変位を測定する際の出力を上げることができ分解能が向上し、高精度な測定が可能な構成となる。
また、測定するワークサイズに応じて可動アームの初期位置を設定する初期位置設定調整部を設ける構成としている。例えば、駆動シリンダ7等を用いて、ユニット基部8全体を移動する構成とすればよい。または、フィンガアーム2Aを直接移動する駆動シリンダ7Aを設ける構成とすることも可能である。さらには、これらを組み合わせた構成としてもよく、特に限定するものではない。
図2に示す第二の実施形態は、軸支部21を介して回動するフィンガアーム2Bを備えた可動アーム10Bを示している。
前記フィンガアーム2Bは、接触子1の先丸当接部1aがワークWに当接して図2(a)中の矢印D1方向に変位すると、軸支部21を回転中心として回動する。この時に、軸支部21の上方に延設さえている延設部22を前述した端部3Aに圧接させておくことで、前述した平行移動機構部30を介してセンサロッド5を平行移動(直動移動)させることができる。
もちろんこのためには、前記端部3Aに前記延設部22を常時当接させておく必要があり、本実施の形態では、支持アーム4に所定の押圧力を付与する駆動シリンダ7Bを用いると共に、接触子1の先丸当接部1aと同様な先丸接触構成としている。また、これに加えて前記延設部22を前記端部3A方向に付勢する付勢部材(例えば、軸支部21に設けるコイルバネ)を配設することも可能である。
この構成であれば、図2(b)に示すように、例えばフィンガアーム2Bが、図中の矢印D5の実線方向に回動した場合では、板バネ31、32が図中の破線に示す状態から実線に示す状態に変位し、センサロッド5が矢印D2の実線方向に平行移動(直動移動)する。また、逆方向矢印D5の破線方向に回動すると、平行板バネ3も逆方向に変位し、センサロッド5が矢印D2の破線方向に平行移動(直動移動)する。
いずれにしても、平行板バネ3を介して前記フィンガアーム2Bの回動変位をセンサロッド5の直動移動変位に変換する構成となり、前記センサロッド5の移動変位量を検知するセンサヘッド6により、ワークWの寸法を高精度に測定可能となる。
上記したように、本発明によれば、ワークの寸法を測定する際に、ワークに当接する接触子1を備えるフィンガアーム2(2A、2B)の変位を、センサロッド5の直動変位に変換する平行移動機構部30を用いているので、センサロッド5とセンサヘッド6とを備えるセンサ部(リニアセンサ)において、センサロッド5が直線状に移動する構成となり、センサロッド5とセンサヘッド6との干渉が問題とならない。
このように、センサロッド5が直動する構成としているので、センサロッド5の軸径B1が大きくても、センサヘッド6の内径B2と接触する虞が小さいので、前記軸径B1を大きくすることができる。また、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材はどこにも接触しないので、磨耗したり損傷せず、高寿命化が可能となる。
さらに、前述した通り、本発明に係るセンサ部は0.1μm単位の分解能を有しているので、高精度な測定が可能となり、例えば、工作機械で製造されるワークの仕上がり寸法をミクロン単位で測定することが可能となる。
旋盤等で切削あるいは研削されるワークの寸法は、刃物工具の磨耗により随時変化する虞があるので、常時チェックしておく必要がある。また、ワークの仕上がり精度も0.1mm以下の数十ミクロン単位でチェックする必要があるので、±数十ミクロンの測定が可能な寸法測定ヘッドが必要である。
上記の平行移動機構部30を備える本発明に係る寸法測定ヘッドHによれば、接触子間に挟持する被測定物(例えばワーク)をミクロン単位で測定可能となり、要求されるワークの仕上がり精度である±40μmにも容易に対応可能である。
また、センサ部のセンサロッドが非接触型であり、磁性コア部材を内蔵した構成としているので、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材が磨耗したり損傷せず、高寿命化が可能な寸法測定ヘッドを得ることができる。さらに潤滑剤等も不要であり部品が消耗せず、高温化の作業条件でも操作可能な小型のリニアセンサを構成することができる。
また、前記可動アーム10(10A、10B)を支持する部材である支持アーム12は、ワークWと同部材もしくはワークWと同等の熱膨張係数を有する部材であることが好ましい。この構成であれば、温度変化が生じても、測定部材とワークWとの熱変化が同等となるので、熱膨張の影響を受けずに精度のよい測定を行うことができる。
この構成であれば、使用可能な温度範囲が広くなり、旋盤などの工作機械に直接装着してワークの寸法をその場で確認しながら切削加工や研削加工を行うことも可能である。
1 接触子
2 フィンガアーム
3 平行板バネ
4 支持アーム
5 センサロッド
6 センサヘッド
8 ユニット基部
10 可動アーム
30 平行移動機構部
31 板バネ
32 板バネ
H 寸法測定ヘッド
W ワーク
2 フィンガアーム
3 平行板バネ
4 支持アーム
5 センサロッド
6 センサヘッド
8 ユニット基部
10 可動アーム
30 平行移動機構部
31 板バネ
32 板バネ
H 寸法測定ヘッド
W ワーク
Claims (9)
- アーム部材が備える接触子をワークに当接して寸法を測定する寸法測定ヘッドにおいて、
前記アーム部材が、前記接触子と共に変位するフィンガアームを備える可動アームであって、
前記可動アームの変位量を検知するセンサ部を、ユニット基部に固着するセンサヘッドと移動自在なセンサロッドとを備えるリニアセンサとし、
前記可動アームが、その先端部に前記接触子を備える前記フィンガアームと、該フィンガアームの基部を支持する支持アームとを備えており、
その下端側に前記フィンガアームを支持する前記支持アームの上端側に前記センサロッドを装着し、下端側と上端側との中間部に、前記フィンガアームの変位をセンサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けたことを特徴とする寸法測定ヘッド。 - 前記平行移動機構部を、二枚の板バネの上端と下端とを所定間隔離して組み付けた平行板バネから構成し、前記上端を前記センサヘッド側に固着し、前記下端に前記支持アームを接続して、前記フィンガアームの変位を前記平行板バネを介して前記センサロッドの直動変位に変換することを特徴とする請求項1に記載の寸法測定ヘッド。
- アーム部材が備える接触子をワークに当接して寸法を測定する寸法測定ヘッドにおいて、
前記アーム部材が、前記接触子と共に変位するフィンガアームを備える可動アームであって、
前記可動アームの変位量を検知するセンサ部を、ユニット基部に固着するセンサヘッドと移動自在なセンサロッドとを備えるリニアセンサとし、
前記可動アームが、その先端部に前記接触子を備える前記フィンガアームと、該フィンガアームを回動自在に支持する軸支部と、前記フィンガアームの変位に連動する支持アームとを備えており、
その下端側が前記フィンガアームに当接する前記支持アームの上端側に前記センサロッドを装着し、下端側と上端側との中間部に、前記フィンガアームの回動変位を前記センサロッドの直動移動変位に変換する平行移動機構部を設けたことを特徴とする寸法測定ヘッド。 - 前記平行移動機構部を、二枚の板バネの上端と下端とを所定間隔離して組み付けた平行板バネから構成し、前記上端を前記センサヘッド側に固着し、前記下端を前記支持アームと接続すると共に、前記フィンガアームの延設部を前記下端に圧接させる構成として、前記フィンガアームの回動変位を前記センサロッドの直動変位に変換することを特徴とする請求項3に記載の寸法測定ヘッド。
- 前記可動アームをワークの両側に配設すると共に、それぞれの可動アームをワークに接近・離反する方向に移動自在として、チャック部材を介して所定位置に固定したワークの両側に、それぞれの可動アームが備える接触子を当接して寸法を測定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の寸法測定ヘッド。
- 前記可動アームの初期位置を設定する初期位置設定調整部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の寸法測定ヘッド。
- 前記アーム部材を一体的に移動して、ワークから離れた待機位置とワークを測定する測定位置とに変位自在とするスライド駆動部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の寸法測定ヘッド。
- 前記センサロッドが、非磁性化された軸本体の中心軸部を中空とし、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着しており、前記センサヘッドがコイルを備えており、前記センサロッドと前記センサヘッドとで磁気センサを構成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の寸法測定ヘッド。
- 前記アーム部材を支持する部材が、ワークと同部材もしくはワークと同等の熱膨張係数を有する部材からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の寸法測定ヘッド。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
US20100278619A1 (en) * | 2009-05-04 | 2010-11-04 | Pietro Cucchi | Feeder of rods with advancement control |
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JP2017167016A (ja) * | 2016-03-17 | 2017-09-21 | 株式会社東京精密 | 光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブ |
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2006
- 2006-05-29 JP JP2006147958A patent/JP2007315998A/ja active Pending
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