JP2004131625A - 二液型硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)とアクリルオリゴマー(B)とを含有する第1液と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン(C)を含有する第2液と
を有する二液型硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可使時間を確保でき、低温硬化性を有する、塗料、土木、建築分野における接着剤等として有用な二液型硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソシアネート化合物は、アミンなどの硬化剤との反応により三次元架橋構造を形成し、高強度、高伸度、耐摩耗性、耐脂性などに優れたポリウレタン硬化物となり、従来より、目地材、シーラント、接着剤として広く利用されている。
主剤と硬化剤とを作業時に混合する二液型の場合、イソシアネート化合物(主剤)のアミン(硬化剤)による硬化は、反応性の低いアミンを用いることが一般的であり、反応性の高いアミンを使用する場合は、硬化時に発熱が生じるためスプレー等の機械を用いた塗布(機械塗布)をしなければならない問題があった。また、主剤としてイソシアネート化合物とエポキシ樹脂とを併用した場合は、反応性の低いアミン(硬化剤)を用いても、エポキシ樹脂の硬化が遅いため、硬化後の組成物表面にタックが残りやすい問題があり、また、反応性の高いアミン(硬化剤)を用いると、エポキシ樹脂の硬化は進行するが、上述したイソシアネート化合物の硬化時における発熱の影響が大きく、機械塗布は避けられない問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、イソシアネート化合物を含有する主剤と、硬化剤とを作業時に混合する二液型硬化性組成物において、上述した種々の問題を解決し、さらに可使時間を確保でき、低温硬化性を有する二液型硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のイソシアネート化合物およびアクリルオリゴマーを含有する主剤(第1液)と、ケチミンを含有する硬化剤(第2液)を有する二液型硬化性組成物が、硬化時の発熱および硬化後の残存タックがなく、さらに可使時間を確保でき、低温硬化性を有していることを見出し、本発明の二液型硬化性組成物を完成した。すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)に記載の二液型硬化性組成物を提供する。
【0005】
(1)分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)とアクリルオリゴマー(B)とを含有する第1液と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン(C)を含有する第2液と
を有する二液型硬化性組成物。
【0006】
(2)上記第1液が、さらにエポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とする上記(1)に記載の二液型硬化性組成物。
【0007】
(3)上記第1液が、上記イソシアネート化合物(A)および上記エポキシ樹脂(D)の総重量に対して、上記イソシアネート化合物(A)を5〜100重量%、上記エポキシ樹脂(D)を0〜95重量%含有し、
さらに、上記イソシアネート化合物(A)および上記エポキシ樹脂(D)の合計100重量部に対して、上記アクリルオリゴマー(B)を0. 1〜150重量部含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。
【0008】
(4)上記第2液が、上記ケチミン(C)を、(上記第1液中の上記イソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基と上記アクリルオリゴマー(B)中のビニル基と上記エポキシ樹脂(D)中のエポキシ基との合計)/(上記ケチミン(C)中のケチミン結合C=N)で表される当量比が0. 1〜4.0となるように含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二液型硬化性組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の二液型硬化性組成物は、分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)とアクリルオリゴマー(B)とを含有する第1液と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン(C)を含有する第2液と
を有する二液型硬化性組成物であって、上記第1液に、さらに、エポキシ樹脂(D)を含有していてもよい。
【0010】
<イソシアネート化合物(A)>
上記イソシアネート化合物(A)は、分子内の全てのNCO基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有するイソシアネート化合物である。また、該第二級または第三級炭素に結合するNCO基以外の基は特に限定されず、O、S、Nなどのヘテロ原子を含んでいてもよい。さらに、NCO基に第三級炭素が結合した場合、該第三級炭素に結合する3つの基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
このようなイソシアネート化合物(A)としては、具体的には、下記式(1)で表される化合物を挙げることができ、2種以上の混合物であってもよい。
【0011】
【化1】
【0012】
式中、pは1以上の整数を表し、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立にO、S、Nを含んでいてもよい有機基であり、R2 は水素原子であってもよい。また、pが2以上の整数であるとき、複数のR1 およびR2 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0013】
ここで、上記有機基としては、具体的には、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基などの炭化水素基;O、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する基(例えば、エーテル、カルボニル、アミド、尿素基(カルバミド基)、ウレタン結合など)を含む有機基等が挙げられる。これらのうち、R1 およびR2 で表される有機基は、アルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基であることが好ましい。
【0014】
上記イソシアネート化合物(A)は、上記式(1)中のpが2以上の整数で表される化合物であること、すなわち、第二級炭素または第三級炭素に結合したNCO基を、分子内に2個以上有するポリイソシアネート化合物であることが好ましく、具体的には、上記式(1)中、p=2で表されるジイソシアネート化合物、p=3で表されるトリイソシアネート化合物、およびこれらの混合物が好適に例示される。
また、上記式(1)中、p=1で表されるモノイソシアネート化合物は、通常、pが2以上の整数で表されるポリイソシアネート化合物と混合して用いられる。
【0015】
本発明で用いられるイソシアネート化合物(A)は、上述したように、分子内の全てのNCO基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有するイソシアネート化合物であればよく、いわゆるイソシアネート単量体であっても、ポリイソシアネート単量体とポリオールとから合成されるウレタンプレポリマーであってもよい。
【0016】
イソシアネート単量体としては、具体的には、例えば、m−またはp−イソプロペニル−α,αジメチルベンゾルイソシアネート(三井サイテック社製TMI)などのモノイソシアネート化合物(上記式(1)中、p=1)、m−またはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物(上記式(1)中、p=2)等が挙げられる。
【0017】
ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリイソシアネート単量体としては、具体的には、例えば、上記イソシアネート単量体として例示したもののうち、ジイソシアネート化合物が挙げられる。
また、ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオールは、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格などは特に限定されず、具体的には、例えば、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、炭素−炭素結合よりなる主鎖を有するポリマーポリオールなどの一般的にポリオールとして用いられるものを広く用いることができる。
【0018】
ウレタンプレポリマーとしては、具体的には、例えば、上記イソシアネート単量体として例示したジイソシアネート化合物と低分子多価アルコール類との付加体、該ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールとから合成されるウレタンプレポリマー等が挙げられる。
【0019】
上記低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖類等が挙げられる。
【0020】
このような低分子多価アルコール類と、上記ジイソシアネート化合物との付加体のうち、低分子多価アルコールとしてトリメチロールプロパン(TMP)を用いた付加体(上記式(1)中、p=3)が好ましく挙げられ、具体的には、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)とから合成されるTMXDI・TMP付加体が好適に例示される。
【0021】
上記付加体としては、サイセン3160(三井サイテック社)等の商品名で市販されているものを用いることもできる。また、上記付加体は、必ずしもOH:NCO完全付加体でなくても、未反応原料を含んでいてもよい。
【0022】
上記ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールは、通常、上記低分子多価アルコール類から導かれるが、本発明では、さらに芳香族ジオール類から導かれるものも好ましく用いられる。この芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA構造(例えば、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(例えば、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの等が挙げられる。
【0023】
上記低分子多価アルコール類および/または芳香族ジオール類から導かれるポリエーテルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類および上記芳香族ジオール類として例示した化合物から選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド(テトラメチレンオキサイド)などのアルキレンオキサイド、およびスチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0024】
また、ポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類および/または芳香族ジオール類と、多塩基性カルボン酸との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール)、ラクトン系ポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が挙げられる。
ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。上記縮合系ポリエステルポリオールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0025】
ウレタンプレポリマーを合成する際には、さらにアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオールも用いることができる。
また、上記ポリオールは2種以上併用することもできる。
【0026】
上記ウレタンプレポリマーとしては、具体的には、ポリオールとして、2官能あるいは3官能さらにはこれらを混合した多官能(OH)ポリプロピレングリコールなどを用いて得られる多官能ウレタンプレポリマーが好適に例示される。
【0027】
また、ビスフェノール骨格を有するウレタンプレポリマー、特に、ビスフェノールA骨格を有するウレタンプレポリマーが好ましく用いられる。具体的には、ポリオールとして、ビスフェノールAとヒマシ油とから合成されるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとから合成されるポリエーテルポリオールなどを用いて得られるウレタンプレポリマーが好適に例示される。
【0028】
このウレタンプレポリマーは、2種以上のポリオール成分を含有していてもよく、2種以上のビスフェノール骨格だけでなく、ビスフェノール骨格とともに他の構造のポリオール成分とを含有していてもよい。
【0029】
また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、分子内の全てのNCO基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有するイソシアネート化合物(A)以外の一般的なイソシアネート化合物を少量併用することもできる。
イソシアネート化合物(A)以外の一般的なイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等が挙げられる。このような一般的なイソシアネート化合物は、硬化時に組成物のゲル化や発熱を生起させる場合があるため、その使用量は、上記イソシアネート化合物(A)に対して10モル%未満とすることが望ましい。
【0030】
<アクリルオリゴマー(B)>
本発明において使用することのできるアクリルオリゴマー(B)は、2官能以上のアクリルオリゴマーであれば、特に限定されないが、3官能以上のアクリルオリゴマーであることが好ましい。
アクリルオリゴマー(B)としては、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジ(メタ)アクリレート等の2官能のアクリルオリゴマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ (メタ)アクリレート、イソシアヌ−ル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ (メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等の3官能のアクリルオリゴマー;ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等の4官能のアクリルオリゴマー;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の5官能以上のアクリルオリゴマー;およびこれらの多官能アクリルオリゴマーの各種誘導体から得られるオリゴマーが挙げられる。
【0031】
これらのうち、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが、低粘度、低毒性、高硬化性であることから好ましい。
また、アクリルオリゴマー(B)の数平均分子量(Mn)は、170〜10000であることが好ましく、より好ましくは500〜5000である。
【0032】
このようなアクリルオリゴマー(B)としては、市販品を利用することができ、東亞合成社製のM−305、M−309、M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−400、M−408およびM−450等が好適に例示される。
【0033】
<ケチミン(C)>
本発明では、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるC=N結合を有する化合物をケチミンと称す。したがって本明細書において、ケチミンとは
−HC=N結合を有するアルジミンも含む意味で用いられる。
【0034】
上記ケチミン(C)は、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから合成されるケチミン(C=N)結合を有する化合物であれば特に限定されず、具体的には、例えば、後述する例示以外に、メチルイソブチルケトン(MIBK)とプロピレンジアミンとから得られるもの、メチルエチルケトン(MEK)とブチレンジアミンとから得られるもの等が挙げられ、市販品としては旭電化工業社製のEH−235R−2等が挙げられる。
また、上記ケチミン(C)は、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから合成されるケチミン(C=N)結合を有し、さらに、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素または環員炭素が結合した構造、すなわち、ケチミンC=N結合のα位に嵩高い基を有する化合物であることが、上記イソシアネート化合物(A)と、該ケチミンの加水分解により生成される反応性の高いアミン化合物との硬化時における反応において、発熱を抑制することができ、さらに、反応性の高い上記アクリルオリゴマー(B)を用いても、高反応性で可使時間を長時間確保することができる二液型硬化性組成物を得ることができる理由から好ましい。ここで、環員炭素は、芳香環を構成する炭素であっても、脂環を構成する炭素であってもよい。
上記ケチミンC=N結合のα位に嵩高い基を有しているケチミン(C)としては、具体的には、例えば、上記嵩高い基が結合したケチミン(C=N)結合を分子内に2個以上有するケチミン等が挙げられる。
【0035】
上記ケチミン(C)において、ケチミン炭素のα位に、分岐炭素または環員炭素を導入する際は、カルボニル基のα位に分岐状炭化水素基または環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒドが用いられる。該ケトンまたはアルデヒドとしては、具体的には、例えば、ジイソプロピルケトン、および下記式(2)で示される分岐状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド;プロピオフェノン、ベンゾフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサンカルボクスアルデヒドなどの環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド等が挙げられ、これらを併用することもできる。
【0036】
【化2】
【0037】
式中、R4 は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R5 はメチル基またはエチル基を表し、R6 は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R7 は水素原子またはメチル基を表す。
【0038】
上記式(2)で示されるケトンまたはアルデヒドとしては、具体的には、例えば、メチルtert−ブチルケトン(MTBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、ピバルアルデヒド(トリメチルアセトアルデヒド)、カルボニル基に分岐炭素が結合したイソブチルアルデヒド((CH3)2 CHCHO)等が挙げられる。
【0039】
上記ケチミン(C)は、上記ケトンまたはアルデヒドと、アミンとを反応させて得ることができ、該アミンとしては、分子内にアミノ基を2個以上有するポリアミンが好適に用いられる。該ポリアミンとしては、具体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(PPG)(例えば、サンテクノケミカル社製ジェファーミンD230、ジェファーミンD400など)のポリアミン等を用いることができる。
【0040】
また、ケチミン(C)は、ケチミン炭素に嵩高い基が結合し、さらにケチミン窒素にメチレンが結合している化合物を用いることが、反応調整が容易という理由から好ましい。上記ケチミン窒素にメチレン基を導入する際は、下記式(3)で示されるポリアミンを用いることができる。
【0041】
【化3】
【0042】
上記式(3)で示されるポリアミンとしては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ポリエーテル骨格のジメチレンアミンであるH2 N(CH2 CH2 O)2 (CH2 )2 NH2 (商品名:ジェファーミンEDR148、サンテクノケミカル社製)等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(商品名:MPMD、デュポン・ジャパン社製)、メタキシレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(商品名:X2000、三和化学社製等)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(商品名:1,3BAC、三菱ガス化学社製)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジアミンであるノルボルナンジアミン(商品名:NBDA、三井化学社製)等が挙げられる。
これらのうち、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ジェファーミンEDR148、ポリアミドアミンを用いることが好ましい。
【0043】
上記ケトンまたはアルデヒドと、上記ポリアミンとを反応させて得られるケチミン(C)としては、具体的には、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ノルボルナンジアミン(NBDA)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、メタキシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの、
メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルtert−ブチルケトン(MTBK)と、ポリアミドアミン(X2000)とから得られるもの等が好適に例示される。
これらのうち、MIPKまたはMTBKと、NBDAとから得られるもの、MIPKと1,3BACとから得られるものが、優れた硬化性を発現する理由から好ましく、MIPKまたはMTBKと、X2000とから得られるものが、湿潤面に対し優れた接着性を発現するため好ましく用いられる。
【0044】
また、アルジミンとポリアミンとの組み合わせから得られるケチミン(C)としては、具体的には、ピバルアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組み合わせ;イソブチルアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組み合わせ;シクロヘキサンカルボクスアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組み合わせなどから得られるものが好適に例示される。
【0045】
上記ケチミン(C)は、上記ケトンまたはアルデヒドと上記ポリアミンとを無溶媒下、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させることにより得ることができる。
【0046】
<エポキシ樹脂(D)>
本発明の二液型硬化性組成物は、上記第1液として、上記イソシアネート化合物(A)およびアクリルオリゴマー(B)に、さらにエポキシ樹脂(D)を含有することができる。エポキシ樹脂(D)を含有することにより、本発明の二液型硬化性組成物は、モルタル、金属等に対しても優れた接着性を発現することができるため好ましい。
本発明において使用することのできるエポキシ樹脂(D)は、エポキシ基を1分子中に2個以上有するポリエポキシ化合物であれば、特に限定されない。
エポキシ樹脂(D)としては、具体的には、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、汎用のエポキシ樹脂であることから好適に用いられる。
【0047】
本発明の二液型硬化性組成物は、上記イソシアネート化合物(A)と上記アクリルオリゴマー(B)と所望により加えられる上記エポキシ樹脂(D)とを含有する第1液と、上記ケチミン(C)を含有する第2液とを有する二液型硬化性組成物であり、
上記第1液が、上記イソシアネート化合物(A)および上記エポキシ樹脂(D)の合計100重量部(第1液にエポキシ樹脂(D)を加えない場合は、イソシアネート化合物(A)100重量部)に対して、上記アクリルオリゴマー(B)を0. 1〜150重量部含有していることが好ましく、1. 0〜10重量部含有していることがより好ましい。
また、上記第2液が、上記ケチミン(C)を、(上記第1液中の上記イソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基と上記アクリルオリゴマー(B)中のビニル基と上記エポキシ樹脂(D)中のエポキシ基との合計)/(上記ケチミン(C)中のケチミン結合C=N)で表される当量比が0. 1〜4. 0、好ましくは0. 5〜2. 0、より好ましくは0. 8〜1. 5となるように含有していることが好ましい。
上記アクリルオリゴマー(B)の含有量が上述の範囲であれば、得られる二液型硬化性組成物の低温時(5〜20℃、例えば5℃)における硬化性(低温硬化性)が優れるため好ましい。
上記ケチミン(C)の含有量が上述の範囲であれば、上記イソシアネート化合物(A)と、上記ケチミン(C)が加水分解して生成される反応性の高いアミン化合物との急激な反応は起こらず、発熱を抑制することができ、さらに、反応性の高い上記アクリルオリゴマー(B)を用いても同様に反応性および発熱を抑制することができるので、高反応性で可使時間を長時間確保することができる二液型硬化性組成物を得ることができるため好ましい。
【0048】
また、本発明の二液型硬化性組成物は、上記イソシアネート化合物(A)およびエポキシ樹脂(D)の総重量に対して、上記イソシアネート化合物(A)の含有量が5〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜95重量%、上記エポキシ樹脂(D)の含有量が0〜95重量%、好ましくは0〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である二液型硬化性組成物であることが以下に示す理由から好ましい。
イソシアネート化合物(A)の含有量が上記範囲であれば、硬化速度が速く、さらに、得られる硬化物の硬度が良好となる理由から好ましく、所望により加えられるエポキシ樹脂(D)の含有量が上記範囲であれば、弾性調整が容易となり、高接着性、高強度の弾性樹脂組成物が得られる理由から好ましい。
【0049】
また、本発明に係る二液型硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに、添加剤、具体的には、例えば、充填剤、可塑剤、シランカップリング剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤等を含有していてもよい。
【0050】
充填剤としては、各種形状の有機または無機のものがあり、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるいはこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等を用いることができる。
【0051】
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等を用いることができる。
さらに、連鎖移動剤を用いず、150〜350℃の重合温度で重合され、数平均分子量が500〜5000のアクリル重合体を用いることができる。
【0052】
シランカップリング剤としては、具体的には、トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、特に湿潤面への接着性を向上させる効果に優れ、さらに汎用化合物であることから好適に例示される。
【0053】
顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれでも両方でもよい。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩の無機顔料、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料等を用いることができる。
【0054】
老化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物やヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。接着性付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
上記各添加剤は適宜に組み合わせて併用してもよい。
【0055】
本発明の二液型硬化性組成物を製造する方法は、特に限定されないが、イソシアネート化合物(A)、アクリルオリゴマー(B)、所望により加えられるエポキシ樹脂(D)および添加剤を減圧下あるいは窒素などの不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等の攪拌装置を用いて充分に混練し、均一に分散させて得られる第1液と、硬化剤であるケチミン(C)を含有する第2液とを、使用時に混練させて得られる。
【0056】
このような本発明の二液型硬化性組成物は、イソシアネート化合物の反応性が、分子内の全てのNCO基に、第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)を用いることで、エポキシ樹脂の反応性と近いものになり、ケチミン(C)の加水分解により生成される反応性の高いアミン化合物(硬化剤)に対するイソシアネート化合物(A)の反応性が抑制されるため、硬化時における発熱が制御され、可使時間を確保でき、硬化後の残存タックがない二液型硬化性組成物となると考えられる。
また、本発明の二液型硬化性組成物は、硬化時において、ケチミン(C)の加水分解により生成するアミン化合物が、アクリルオリゴマー(B)のビニル基に付加するため、反応性の高いアクリルオリゴマーを用いても組成物の混合時のゲル化が制御され、可使時間を確保でき、低温硬化性を有すると考えられる。
【0057】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
イソシアネート化合物(A)とエポキシ樹脂(D)との合計100重量部(エポキシ樹脂(D)を加えない場合は、イソシアネート化合物(A)100重量部)に対して、下記表1に示す組成成分(重量部)で、アクリルオリゴマー(B)および充填剤を添加し、高粘度用混合ミキサーで均一に分散させた第1液と、
ケチミン(C)またはエポキシ樹脂硬化剤を含有する第2液と
を混練し、実施例1〜5、比較例1〜3の二液型硬化性組成物とした。
得られる各組成物の20℃50%RHにおける可使時間、5℃50%RHにおけるタックフリータイム(TFT)、残存タック消失日数および接着性について以下に示す条件で調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0058】
上記各組成成分として、以下に示す化合物を用いた。
イソシアネート化合物(A):三井サイテック社製のテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDIプレポリマー)を用いた。
エポキシ樹脂(D):ナガセ社製のグリセリン誘導体型エポキシ樹脂(商品名:EX614B、エポキシ当量=173)を用いた。
アクリルオリゴマー(B):下記式(4)で示されるジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート(商品名:M400、東亞合成社製)を用いた。
【0059】
【化4】
式中、R8 は、HおよびCOCH=CH2 で表される。
【0060】
可塑剤:丸尾カルシウム社製の炭酸カルシウム(カルファイン200)を用いた。
ケチミン(C):ノルボルナンジアミン(NBDA)とメチルイソプロピルケトン(MIPK)とから合成した下記式(5)で表されるMIPK−NBDAを、(イソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基とアクリルオリゴマー(B)中のビニル基とエポキシ樹脂(D)中のエポキシ基との合計)/(ケチミン(C)中のケチミン結合C=N)で表される当量比が1. 0となるように用いた。
エポキシ樹脂硬化剤:三和化学工業社製のメタキシレンジアミンの変性体(サンマイドX13A)を用いた。
【0061】
【化5】
【0062】
<可使時間>
得られた各組成物の20℃50%RHにおける可使時間(分)を測定した。
<タックフリータイム(TFT)>
得られた各組成物を5℃50%RHの条件で硬化させ、JIS A5758に準拠して、タックフリータイム(分)を測定した。
【0063】
<残存タック消失日数>
得られた各組成物を5℃で50%RHの条件で硬化させた後、残存タックが消失するまでの日数を測定した。
ここで、残存タックの有無は、得られた組成物をモルタルに塗布し、5℃で50%RHの条件で硬化させた後、モルタルの塗布表面に、接触面積辺りの重量が2kg/cm2 となるように木材片を押し当て、該木材片の木粉が付着するかどうかで確認した。上記モルタルの塗布表面に木粉が付着する場合は残存タック有りとし、付着しない場合は残存タック無しとした。
【0064】
<接着性試験>
得られた各組成物をモルタルに3mm厚で塗布し試験体とした。初期の接着性を調べるため、塗布直後の試験体でナイフカットによる手剥離試験を行った。さらに、60℃温水中7日後の接着性を調べるため、60℃温水中に7日間浸漬させた試験体を用いて、上記と同様の方法で手剥離試験を行った。接着性の評価として、塗布した各組成物の擬集破壊をCF、薄層破壊をTCFとした。
なお、下記表1中、「−」は、組成物がゲル化したため接着しなかったことを示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に示す結果より、実施例1〜5に示す本発明の組成物は、5℃におけるタックフリータイムが短く優れており、低温硬化性および接着性を有していることが分かった。また、残存タックについても早く消失することが明らかとなる結果となった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の二液型硬化性組成物は、硬化時の発熱がなく、可使時間を確保することができ、低温硬化性および接着性を有し、さらに硬化後の残存タックも早く消失するため有用である。このような本発明の二液型硬化性組成物は、塗料、土木、建築分野における接着剤、シーリング剤等として有用である。
Claims (4)
- 分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造のイソシアネート化合物(A)とアクリルオリゴマー(B)とを含有する第1液と、
ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン(C)を含有する第2液と
を有する二液型硬化性組成物。 - 前記第1液が、さらにエポキシ樹脂(D)を含有することを特徴とする請求項1に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記第1液が、前記イソシアネート化合物(A)および前記エポキシ樹脂(D)の総重量に対して、前記イソシアネート化合物(A)を5〜100重量%、前記エポキシ樹脂(D)を0〜95重量%含有し、
さらに、前記イソシアネート化合物(A)および前記エポキシ樹脂(D)の合計100重量部に対して、前記アクリルオリゴマー(B)を0. 1〜150重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の一液型湿気硬化性樹脂組成物。 - 前記第2液が、前記ケチミン(C)を、(前記第1液中の前記イソシアネート化合物(A)中のイソシアネート基と前記アクリルオリゴマー(B)中のビニル基と前記エポキシ樹脂(D)中のエポキシ基との合計)/(前記ケチミン(C)中のケチミン結合C=N)で表される当量比が0. 1〜4.0となるように含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二液型硬化性組成物。
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