JP3484784B2 - ポリ尿素樹脂 - Google Patents

ポリ尿素樹脂

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屋外の床材、天井のシー
リング材等の利用を目的とする噴霧混合により硬化して
得られる、好適な耐候性ポリ尿素樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】噴霧混合により塗装して得られる樹脂
は、一般的には塗料に属するものであり、この用途には
噴霧塗装ポリ尿素樹脂系が用いられている。その中に芳
香族性イソシアネートを、芳香族性鎖長延長剤の存在
下、活性水素成分と反応させて製造する噴霧塗装芳香族
性ポリ尿素樹脂が知られているが、この樹脂は、紫外線
暴露により安定性が低下するという欠点を有する。この
欠点は、被塗装基材、例えば屋根、外壁等継続的に紫外
線暴露を受ける場合、顕著に支障をきたす。
【0003】このような紫外線暴露による安定性の低下
は、樹脂系の通常変色(色差ΔE>10、及び黄変度Δ
YI>10)、被塗装基材との接着性の損失例えば亀
裂、各種物性の低下例えば引張強度、伸び、引裂強度の
低下等の評価により判断することができる。上記の芳香
族性イソシアネート、芳香族性鎖長延長剤とは、イソシ
アネート基やアミノ基のような官能基が芳香環の炭素原
子に直接結合している化合物を意味するものであり、ま
た脂肪族性化合物とは本来の脂肪族及び脂環族化合物を
意味するほか、上述の官能基が芳香環以外の炭素原子に
のみ結合している芳香環含有イソシアネート及びアミン
を包含するものを意味する。
【0004】現在、最も広範に用いられている芳香族性
鎖長延長剤の一つに、ジエチルトルエンジアミン(DE
TDA)がある。この物質より製造された噴霧塗装ポリ
尿素樹脂系は、一般に良好な加工性を示す一方、芳香族
性化合物の欠点である紫外線によって不安定となる系を
もたらすだけでなく、樹脂が硬すぎるために被塗装基材
の伸縮と柔軟性に追随できない。従って、良好な加工性
を有し、対紫外線に安定でありかつ強度、可撓性の高い
噴霧塗装ポリ尿素樹脂系の開発が急務となっている。こ
のことは芳香族性以外の、すなわち脂肪族性化合物を用
いることを示唆している。
【0005】従来の技術として鎖長延長剤に脂肪族性1
級ジアミンの鎖長延長剤を用いたものが特開平5−18
6560号公報に記載されている。しかし1級ジアミン
ではイソシアネートと急速に反応し、重合が急速に起こ
るため、衝突混合タイプのような高価な装置を用いなけ
れば塗装が不可能である。上記の改良技術として、1級
ジアミンのアミノ基を2級化し、反応性をコントロール
できるように改良したものが特開平1−311116号
公報、特開平2−41310号公報等に開示されてい
る。
【0006】前者は芳香族性1級ジアミンの、後者は脂
肪族性1級ジアミンのアミノ基を炭素数1〜10のアル
キル基、または炭素数7〜15のアラルキル基を持った
ハロゲン化物によって2級化された芳香族性、または脂
肪族性ジアミンを鎖長延長剤に用いたものである。しか
しアルキル化剤が比較的高価であり、反応によって生成
するハロゲン化水素を回収するための中和剤の使用及び
その除去など2級アミンの合成に手間及び費用がかかる
うえ、2級アミンへの転換率も低い。
【0007】上記の改良として、1級ジアミン化合物と
(メタ)アクリル単量体とのマイケル付加反応によって
得られた鎖長延長剤を用いたものが特開平2−2515
15号公報、特開平4−330044号公報、特開平5
−155974号公報に開示されている。しかし前者は
各種プラスチックフィルム等を被覆するために用いられ
る印刷インキ又はコーティング剤用途に利用されるもの
であり、後者の2つは反応射出成形用途に用いられるも
のである。また前記の3つの公報で脂肪族性1級アミン
にキシリレンジアミンを用いているが、芳香環を持つこ
とにより本来の脂肪族及び脂環族化合物に比べ、耐候性
が劣っていることは容易に想像がつくことである。さら
にキシリレンジアミンと(メタ)アクリル単量体とのマ
イケル付加反応によって得られた鎖長延長剤は、本発明
に用いるポリアミン成分(B)との相溶性がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的安価で入手しやすい原料を用い、合成が容易でかつ9
0%以上の高純度に2級化された、ポリアミン成分
(B)との相溶性を有する鎖長延長剤を使用し、簡便な
スタテックミキサー混合タイプの噴霧装置を用い、紫外
線に安定で優れた強度、可撓性、および−20℃におけ
る伸びを示し、更に適度の硬化速度を示し、加工性の優
れた屋外の床材、天井のシーリング材を目的とした噴霧
混合で硬化して得られるポリ尿素樹脂を提供することに
ある。
【0009】本発明で述べる色差ΔE>10、及び黄変
度ΔYI>10とは、目視により変色が進行していると
判断される境界の値であり、この値を越えると変色の度
合いが著しくなるため、耐候性が低下する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、噴霧塗装ポリ
尿素樹脂の原料として、プレポリマーを得る際に特定の
イソシアネートを用い、かつ特定のアミン成分を用いる
ことにより上記課題を解決できることを見いだし、本発
明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、噴霧混合で硬化して
得られるポリ尿素樹脂であって、ビスイソシアネートメ
チルシクロヘキサンと分子量が900〜50000のポ
リアミンとから得られるプレポリマー成分(A)に、分
子量が900〜50000のポリアミン成分(B)とビ
スアミノメチルシクロヘキサンとアクリロニトリルを用
いたマイケル付加反応により、2級アミノ基を少なくと
も90%含む変性アミン成分(C)との混合物(D)を
噴霧混合で硬化して得られるポリ尿素樹脂に関する発明
である。
【0012】本発明のプレポリマー成分(A)の原料と
して使用するビスイソシアネートメチルシクロヘキサン
としては、1、2−ビスイソシアネートメチルシクロヘ
キサン、1、3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキ
サン、及び1、4−ビスイソシアネートメチルシクロヘ
キサンが例示できる。
【0013】上記ビスイソシアネートメチルシクロヘキ
サンを用いることにより、これまで一般的に用いられて
きた脂肪族性ポリイソシアネート等の下記の欠点を解消
することができる。 イソホロンジイソシアネート(IPDI)を使用した
場合 ショアーA硬度が97程度の硬質の樹脂組成物を生成
し、低温における伸び性能が極端に低下するばかりでな
く、コンクリート等の被塗装基材の伸縮に追従できず、
ついには破壊してしまう。
【0014】ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)を使用した場合 ショアーA硬度が70程度の非常に軟質の樹脂組成物を
生成するため、引張強度、引裂強度などの強度が著しく
低下する。 キシリレンジイソシアネート(XDI)を使用した場
合 硬化速度が非常に速く、スタテックミキサー混合タイプ
の噴霧装置を用いた本システムにおいては、噴霧塗装は
不可能であった。しかし芳香環を持つことにより、本来
の脂肪族及び脂環族化合物に比べ、耐候性が劣ることは
容易に想像がつくことである。上記から、本発明におい
て用いられる脂肪族性ポリイソシアネートとしては、ビ
スイソシアネートメチルシクロヘキサンを用いたものが
最も好ましい。
【0015】本発明のプレポリマー成分(A)の原料ポ
リアミン成分、およびポリアミン成分(B)として、ポ
リエステルポリアミン、ポリオキシアルキレンポリアミ
ンからなる少なくとも一種以上を使用することができる
が、耐水性、貯蔵安定性の面から考慮するとポリオキシ
アルキレンポリアミンが特に好ましい。ポリオキシアル
キレンポリアミンとして、下記の一般式の式(1)、式
(2)、および式(3)で示されるポリオキシアルキレ
ンポリアミンが例示できる。使用するポリアミンの分子
量は、900〜50000のポリアミンを使用する。使
用するポリアミンの分子量が上記分子量の範囲未満であ
ると伸び性能が極端に低下する。一方、ポリアミンの分
子量が上記分子量の範囲を越えると、ポリアミンの粘度
が高くなり、塗装作業性の悪化とポリ尿素樹脂の強度の
低下を招く。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】具体的にポリアミン成分の例を挙げると、 式(1)に示す平均重合度nが33で分子量が20
00のポリオキシプロピレンジアミン(サンテクノケミ
カル製、商品名:ジェファミンD2000) 式(1)に示す平均重合度nが68で分子量が40
00のポリオキシプロピレンジアミン(サンテクノケミ
カル製、商品名:ジェファミンD4000) 式(2)に示す平均重合度a+c=2.5およびb
=40.5の平均分子量2000のポリオキシプロピレ
ンオキシエチレンジアミン(サンテクノケミカル製、商
品名:ジェファミンED2000) 式(3)に示すポリオキシプロピレングリセリント
リアミンで平均分子量3000のもの(サンテクノケミ
カル製、商品名:ジェファミンT3000) 式(3)に示すポリオキシプロピレングリセリント
リアミンで平均分子量5000のもの(サンテクノケミ
カル製、商品名:ジェファミンT5000)等が上げら
れる。
【0020】本発明における、ビスイソシアネートメチ
ルシクロヘキサンと高分子量ポリアミンとから得られる
プレポリマー成分(A)は、以下の方法により製造する
ことができる。ビスイソシアネートメチルシクロヘキサ
ンと高分子量ポリアミンとのモル比は2:1〜20:
1、好ましくは5:1〜15:1である。上記範囲にお
いて、噴霧塗装に好ましいプレポリマーの粘度となり、
生成された樹脂組成物の可撓性、低温における伸び性能
も特に良好なものとなる。
【0021】反応方法はビスイソシアネートメチルシク
ロヘキサンに高分子量ポリアミンを滴下する方法をと
る。一括仕込み、及び高分子量ポリアミンにビスイソシ
アネートメチルシクロヘキサンを滴下する方法は、本発
明に使用されるプレポリマーとして機能しない。
【0022】本発明でもちいる変性アミン(C)は、9
0%以上の2級アミノ基含有率を含む変性ポリアミンで
ある。変性アミン(C)が上記90%未満の場合、1級
アミノ基の含有率が高くなり、前者のとき硬化が速くな
り、後者のとき重合度が低下する。変性アミン(C)
は、一般的には触媒を用いて反応させることができる
が、本発明においては触媒の不存在下ビスアミノメチル
シクロヘキサンとアクリロニトリルを用いたマイケル付
加反応によって、90%以上の2級アミノ基含有率を含
みポリアミンを容易に合成することができ、かつ反応生
成物を精製することなくそのまま使用することができ
る。
【0023】具体的には、以下の方法により、2級アミ
ノ基を90%以上含有する変性アミンを製造することが
できる。アクリロニトリルとビスアミノメチルシクロヘ
キサンとのモル比は、アクリロニトリル/ビスアミノメ
チルシクロヘキサン=1.9/1〜3/1、好ましくは
2/1〜2.5/1である。上記範囲で1級アミノ基の
割合が増加する。
【0024】反応温度は30〜200℃、好ましくは8
0〜150℃である。反応温度が30℃を下回る場合、
ビスアミノメチルシクロヘキサンとアクリロニトリルは
容易には反応しない。反応温度が200℃を越えると、
反応生成物の着色度合いはきつくなり、褐色を呈する。
【0025】反応方法はビスアミノメチルシクロヘキサ
ンにアクリロニトリルを滴下する方法をとる。ここで、
ビスアミノメチルシクロヘキサンにアクリロニトリルを
滴下する方法がきわめて重要である。一括仕込み、及び
アクリロニトリルにビスアミノメチルシクロヘキサンを
滴下する方法では、反応が良好に進行せず、90%以上
の2級アミノ基を含有させることは不可能である。
【0026】上記滴下は3時間以上かけて行う。滴下時
間が3時間を下回る場合、反応生成物の着色度合いはき
つくなり、褐色を呈する他、1級及び3級アミノ基含有
率が増加し、2級アミノ基の純度が低下する。滴下後の
反応時間は滴下温度と同一温度にて2時間以上反応させ
る。後反応時間が2時間を下回る場合、ビスアミノメチ
ルシクロヘキサンとアクリロニトリルとの反応が完全に
終了しないため、1級アミノ基の残存率が高くなり、2
級アミノ基の純度を低下させる。その後エバポレーター
により未反応アクリロニトリルを除去し最終生成物を得
る。
【0027】上記反応の際、アクリロニトリル以外のニ
トリルは触媒の不存在下ではほとんど反応しない。また
メチルメタアクリレートのようなエステル基を持った物
質を用いると、得られる反応生成物は、濁りを呈した後
沈殿を生成し保存安定性がなかった。
【0028】本発明に用いる鎖長延長剤の屋外の床材、
天井のシーリング材を目的とする噴霧塗装用ポリ尿素樹
脂組成物への使用はこれまで知られていない。混合物成
分(D)中の、高分子量ポリアミン(B)と変性アミン
(C)との混合重量比は、10:90〜90:10、好
ましくは30:70〜70:30である。上記範囲にお
いて、特に強度および可撓性が優れ、−20℃における
伸び性能も保持できる。
【0029】成分(A)におけるイソシアネート基と成
分(B)及び成分(C)の混合物のアミノ基とのモル比
は0.5:1〜3:1、好ましくは0.9:1〜2:1
である。上記範囲において、特に引張強度、および引裂
強度が優れたものとなる。上記反応には触媒を添加して
もよいが、好都合にも、成分(A)と成分(D)は、触
媒を用いることなく反応し、本発明の樹脂系を形成す
る。
【0030】本発明における噴霧塗装用ポリ尿素樹脂系
は、衝突混合タイプである大型の高圧噴霧装置を用いた
大掛かりでかつ高価な装置は不要であり、より安価で簡
便なスタテックミキサー混合タイプの噴霧装置が有効で
ある。この系における噴霧塗装用ポリ尿素樹脂系の成分
(A)と成分(D)は、小型のコンプレッサーによりス
タテックミキサー中にて2成分を緊密に混合させ、直接
所望の基材に塗布することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するため
実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。これらにおいて
(部)及び(%)は重量基準による。実施例に用いられ
た高分子量ポリアミンは、次のようなものであった。 ジェファミンD−2000は、分子量約2000の
ポリオキシプロピレンジアミンである。 試験片及び物性試験方法は、JIS−K6301に
準拠した。 耐候性試験はJIS−K5400に準拠した。 色差の測定はJIS−Z8730及びJIS−Z8
722に準拠した。
【0032】製造例1 鎖長延長剤は1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
(1、3−BAC)と、アクリロニトリル(AN)とを
モル比1:2、滴下温度110℃でANを10時間かけ
て滴下し、滴下後の反応温度は110℃、反応時間は9
h反応させることにより得た。2級アミノ基含有率は9
4%であった。この鎖長延長剤のジェファミンD−20
00との相溶性は良好であった。
【0033】製造比較例1 鎖長延長剤は1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
(1、3−BAC)と、アクリロニトリル(AN)とを
モル比1:2、滴下温度90℃でANを1時間かけて滴
下し、滴下後の反応温度は90℃、反応時間は4時間反
応させることにより得た。2級アミノ基含有率は85%
であった。この鎖長延長剤のジェファミンD−2000
との相溶性は良好であった。
【0034】製造比較例2 製造例1と同様にアミンをメタキシリレンジアミン(M
XDA)に変更し、アクリロニトリル(AN)とをモル
比1:2、滴下温度120℃でANを7時間かけて滴下
し、滴下後の反応温度は120℃、反応時間は5時間反
応させることにより得た。この鎖長延長剤のジェファミ
ンD−2000との相溶性はなかった。
【0035】製造比較例3 製造例1と同様にアミンをエチレンジアミンに変更し、
アクリロニトリル(AN)とをモル比1:2、滴下温度
120℃でANを7時間かけて滴下し、滴下後の反応温
度は120℃、反応時間は5h反応させることにより得
た。この鎖長延長剤のジェファミンD−2000との相
溶性はなかった。
【0036】製造比較例4 製造例1と同様にアミンをヘキサメチレンジアミンに変
更し、アクリロニトリル(AN)とをモル比1:2、滴
下温度120℃でANを9時間かけて滴下し、滴下後の
反応温度は120℃、反応時間は7時間反応させること
により得た。この鎖長延長剤のジェファミンD−200
0との相溶性はなかった。
【0037】実施例1 1、3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン
(1、3−BIC)とジェファミンD−2000とを当
量比11:1、滴下温度を25℃にしジェファミンD−
2000を7時間かけて滴下した。滴下後の反応温度は
滴下温度と同温、反応時間は1時間かけることによっ
て、脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)を調製した。脂
肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成分(C)は、
製造例1により得られた物質を用いた。脂肪族性ポリ尿
素樹脂の成分(B)と(C)は、ジェファミンD−20
00と鎖長延長剤との重量比55:45の組み合わせに
よって調製した。以上より調製された成分(A)と成分
(D)のモル比を1:1にし、スタテックミキサーによ
って噴霧塗装し、硬化した樹脂を得た。得られた樹脂に
関する物理的性質を表2に示す。
【0038】比較例1 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造比較例1により得られた物質を用い
た。脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジ
ェファミンD−2000と鎖長延長剤との重量比55:
45の組み合わせによって調製した。以上より調製され
た成分(A)と成分(D)のモル比を1:1、スタテッ
クミキサーによって噴霧塗装し、得られた樹脂に関する
物理的性質を表2に示す。
【0039】実施例2 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造例1により得られた物質を用いた。脂
肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジェファ
ミンD−2000と鎖長延長剤との重量比70:30の
組み合わせによって調製した。以上より調製された成分
(A)と成分(D)のモル比を1:1、実施例1で使用
したスタテックミキサーによって噴霧塗装し、得られた
樹脂に関する物理的性質を表3に示す。
【0040】実施例3 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造例1により得られた物質を用いた。脂
肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、鎖長延長
剤とジェファミンD−2000との重量比30:70の
組み合わせによって調製した。以上より調製された成分
(A)と成分(D)のモル比を1:1、実施例1で使用
したスタテックミキサーによって噴霧塗装し、得られた
樹脂に関する物理的性質を表3に示す。
【0041】実施例4 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造例1により得られた物質を用いた。脂
肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジェファ
ミンD−2000と鎖長延長剤との重量比50:50の
組み合わせによって調製した。以上より調製された成分
(A)と成分(D)のモル比を1:1、実施例1で使用
したスタテックミキサーによって噴霧塗装し、得られた
樹脂に関する物理的性質を表4に示す。
【0042】実施例5 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造例1により得られた物質を用いた。脂
肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジェファ
ミンD−2000との重量比50:50の組み合わせに
よって調製した。以上より調製された成分(A)と成分
(D)のモル比を1.1:1.0、スタテックミキサー
によって噴霧塗装し、得られた樹脂に関する物理的性質
を表4に示す。
【0043】実施例6 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、製造例1により得られた物質を用いた。脂
肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は:ジェファ
ミンD−2000との重量比50:50の組み合わせに
よって調製した。以上より調製された成分(A)と成分
(D)のモル比を1.05:1.00、スタテックミキ
サーによって噴霧塗装し、得られた樹脂に関する物理的
性質、およびサンシャインウェザーメータ120時間の
耐候性試験の評価結果を表6に示す。
【0044】比較例2 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)のうちポリイソシア
ネートをイソホロンジイソシアネートにし、実施例1と
同様に調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長
剤の成分(C)は、製造例1により得られた物質を用い
た。脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジ
ェファミンD−2000と鎖長延長剤との重量比50:
50の組み合わせによって調製した。以上より調製され
た成分(A)と(D)のモル比を1.05:1.00、
スタテックミキサーによって噴霧塗装し、得られた樹脂
に関する物理的性質および実施例6と同様の耐候性試験
の評価結果を表6に示す。
【0045】比較例3 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)のうちポリイソシア
ネートをヘキサメチレンジイソシアネートにし、実施例
1と同様に調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長
延長剤の成分(C)は、製造例1により得られた物質を
用いた。脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)
は:ジェファミンD−2000と鎖長延長剤との重量比
50:50の組み合わせによって調製した。以上より調
製された成分(A)と成分(D)のモル比を1.05:
1.00、スタテックミキサーによって噴霧塗装し、得
られた樹脂に関する物理的性質および実施例6と同様の
耐候性試験の評価結果を表6に示す。
【0046】比較例4 脂肪族性ポリ尿素樹脂の成分(A)は実施例1と同様に
調製した。脂肪族性ポリ尿素樹脂のうち鎖長延長剤の成
分(C)は、ジエチルトルエンジアミンを用いた。脂肪
族性ポリ尿素樹脂の成分(B)と(C)は、ジェファミ
ンD−2000とジエチルトルエンジアミンとの重量比
70:30の組み合わせによって調製した。以上より調
製された成分(A)と(B)のモル比を1.05:1.
00、スタテックミキサーによって噴霧塗装し、得られ
た樹脂に関する物理的性質および実施例6と同様の耐候
性試験の評価結果を表6に示す。
【0047】
【発明の効果】本発明における噴霧混合で硬化して得ら
れるポリ尿素樹脂系は、紫外線暴露後も良好な強度、可
撓性、また−20℃における伸びを保持でき、更に適度
の硬化速度を示し良好な加工性を有する。
【0048】 表1 製造例 製造比較例 製造比較例 製造比較例 製造比較例 1 1 2 3 4 ジェファミンD- ○ ○ × × × 2000との相溶性 表中の略号 ○:相溶性あり ×:相溶性なし
【0049】 表2 実施例番号 実施例1 比較例1 成分(A) 1,3-BIC (部) 14.5 15.3 ジェファミンD-2000(部) 14.0 14.7 成分(B) 鎖長延長剤 (部) 14.3 15.8 ジェファミンD-2000(部) 17.5 19.2 2成分当量比 (NCO)/(NH2) 1.00 1.00 引張強度(kg/cm2) 117.6 71.5 伸び (%) 1251.5 515.0 引裂強度(kg/cm ) 80.4 66.3
【0050】 表3 実施例番号 実施例2 実施例3 成分(A) 1,3-BIC (部) 15.3 20.4 ジェファミンD-2000(部) 14.7 19.6 成分(B) 鎖長延長剤 (部) 11.6 22.8 ジェファミンD-2000(部) 27.2 9.8 2成分当量比 (NCO)/(NH2) 1.00 1.00 引張強度(kg/cm2) 101.3 136.5 伸び (%) 1785.0 805.0 引裂強度(kg/cm ) 70.5 93.8
【0051】 表4 実施例番号 実施例4 実施例5 成分(A) 1,3-BIC (部) 7.76 8.53 ジェファミンD-2000(部) 7.48 8.23 成分(B) 鎖長延長剤 (部) 8.00 8.00 ジェファミンD-2000(部) 8.00 8.00 2成分当量比 (NCO)/(NH2) 1.00 1.10 引張強度(kg/cm2) 109.1 135.2 伸び (%) 816.3 857.7 引裂強度(kg/cm ) 85.7 87.0
【0052】 表5 実施例、比較例番号 実施例6 比較例2 比較例3 比較例4 成分(A) − − − − 1,3-BIC (部) 880 − − 650 IPDI (部) − 700 − − HDI (部) − − 540 − ジェファミンD-2000(部) 850 588 602 627 成分(B) 鎖長延長剤(部) 915 915 915 − DETDA (部) − − − 450 ジェファミンD-2000(部) 915 915 915 1050 2成分当量比 (NCO)/(NH2) 1.05 1.05 1.05 1.05 指触乾燥時間(s) 4 8 7 210
【0053】 表6 実施例、比較例番号 実施例6 比較例2 比較例3 比較例4 (1) 5日間の硬化後23℃での測定 引張強度(kg/cm2) 120.3 110.4 79.2 255.3 伸び (%) 970.0 444.0 1366 925.7 引裂強度(kg/cm ) 86.0 84.9 51.3 90.7 ショアーA硬度 90 97 70 97 (2) 5日間の硬化後−20℃での測定 引張強度(kg/cm2) 230.6 228.8 199.1 302.3 伸び (%) 473.3 337.5 456.3 436.4 引裂強度(kg/cm ) 145.5 154.7 131.1 147.5 (3) 5日間の硬化後23℃での測定(暴露120hr ) 引張強度(kg/cm2) 111.6 121.6 68.6 152.6 伸び (%) 930.0 400.5 1305 547.3 引裂強度(kg/cm ) 80.3 114.1 43.7 82.5 ショアーA硬度 90 96 70 97 ΔE 9.68 7.72 7.71 20.03 ΔYI 21.18 15.88 13.46 42.14 (4) 5日間の硬化後−20℃での測定(暴露120hr ) 引張強度(kg/cm2) 186.6 136.2 186.4 175.5 伸び (%) 382.5 41.7 498.3 15.0 引裂強度(kg/cm ) 138.6 137.7 124.9 98.5
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴霧混合で硬化して得られるポリ尿素樹
    脂であって、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン
    と分子量が900〜50000のポリアミンとから得ら
    れるプレポリマー成分(A)に、分子量が900〜50
    000のポリアミン成分(B)とビスアミノメチルシク
    ロヘキサンとアクリロニトリルを用いたマイケル付加反
    応により、2級アミノ基を少なくとも90%含む変性ア
    ミン成分(C)との混合物(D)を噴霧混合で硬化して
    得られるポリ尿素樹脂。
  2. 【請求項2】 混合物(D)中のポリアミン成分(B)
    と変性アミン成分(C)との混合重量比が10:90〜
    90:10である請求項1に記載のポリ尿素樹脂。
  3. 【請求項3】 プレポリマー成分(A)のイソシアネー
    ト基と、混合物(D)中のポリアミン成分(B)および
    変性アミン成分(C)とのモル比が0.5:1〜3:1
    である請求項1記載のポリ尿素樹脂。
  4. 【請求項4】 硬化したポリ尿素樹脂が塗装である請求
    項1記載のポリ尿素樹脂。
  5. 【請求項5】 硬化したポリ尿素樹脂がシーラントであ
    る請求項1記載のポリ尿素樹脂。
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