JPWO2006104111A1 - 改質された水性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性ポリウレタン樹脂組成物のようなポリイソシアネート硬化水分散性コーティング剤において、樹脂主剤の水媒体への分散性を高め、また、水との反応性の非常に高いイソシアネート基の水との反応性を抑制して可使時間を延長し、併せて、水性のコーティング被膜において、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜外観及び耐水性などをも得る。【解決手段】(A)成分として、水系アクリル樹脂あるいはジイソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させた水性ポリウレタン樹脂、(B)成分として(A)成分に分散可能なポリイソシアネート化合物を含有する樹脂組成物であり、(C)成分として炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物が添加されたことを特徴とする、水性樹脂組成物。

Description

本発明は、水性樹脂組成物に関し、詳しくは、特定の添加化合物により改質され、組成物の可使時間が延長され水媒体分散性も改良された、改質水性樹脂組成物、特にポリウレタン樹脂組成物、及びその製造方法並びに当組成物による塗料などのコーティング剤としての使用に係わるものである。
ポリウレタン樹脂組成物は、その優れた物性や経済性などにより、建材や車両用を主として非常に多くの分野にて、塗料などのコーティング剤として汎用されかつ重用されているが、最近では環境問題への対応や作業性からして、あるいは低価格化のために、有機溶剤系特に揮発性の有機溶剤系のコーティング剤の使用を避け有機溶剤を水性化してあるいは水媒体に変更して、水分散媒体を使用する水系のポリウレタン樹脂組成物のコーティング剤への移行が要請され普遍的に行われている。
また、ポリウレタン樹脂組成物に限らず、ポリイソシアネートで硬化するアクリル樹脂などの他の樹脂組成物においても同様な問題があり、水性の樹脂組成物への移行が行われている。
水系(水性)の樹脂組成物においては、基本的な問題として、樹脂主剤の水媒体への分散性又溶解性を高め、水との反応性の非常に高いイソシアネート基における水との反応性を抑制することが不可欠である。
このような問題に対処するために、従来から非常に多くの種々の手法が開発され、特許公報に開示されている。
水性樹脂組成物のうち、水性ポリウレタン樹脂組成物においては、以前には、水分散性を高めるためにイソシアネート基をポリオキシアルキレングリコールなどで封鎖する組成物が提案されたが、イソシアネート基の水との反応性は抑制されず、イソシアネート基が水により早々に消費されてしまい、塗料などとしての組成物の可使時間が短く、また、その被膜は硬度や耐水性に劣るものであった。
その後に、イソシアネート基を親水性界面活性剤あるいは活性水素を有す脂肪族化合物で変性して水分散性を向上させる手法が開示されたが(特許文献1)、イソシアネート基の水に対する安定性は向上するとしても、水への分散性は充分とはいえず、また、ノニオン性親水基含有化合物が導入された親水性ポリイソシアネートにイオン性界面活性剤を混合した組成物なども開示されているが(特許文献2)、イソシアネート基の水に対する安定性及び水への分散性は充分とはいえず、イオン性乳化剤の混合は塗膜に良くない影響を与えている。
さらに、イソシアネート基をアルコールで部分ウレタン化して、塗料としての可使時間を長くし室温硬化性も得る組成物(特許文献3)、カルボキシレートやスルホネート基を含むヒドロキシル基含有ポリエステルの使用により、長い可使時間と速乾性をもたらす組成物(特許文献4)、分散液中に微細に分散した非ブロックジイソシアネート硬化剤の使用により、可使時間を改善し加工時の二酸化炭素の発生がない塗料(特許文献5)、水酸価を特定したポリオール及び塩基で中和されたホスフィン系化合物が結合したポリイソシアネートの使用により、水分散性に優れイソシアネート基の水との反応性が抑制された組成物(特許文献6)、側鎖にノニオン性基を有すポリウレタン樹脂を使用して、水への分散性と可使時間を改良する組成物(特許文献7)などに見られるように、各種の手段により、ポリウレタン樹脂の水媒体への分散性を高め、イソシアネート基における水との反応性を抑制して可使時間を改善する提案が多々なされている。
しかし、これらのいずれの提案においても、水性ポリウレタン樹脂組成物における水への分散性と可使時間を共に充分に改良しているとまではいえず、水性ポリウレタン樹脂組成物における主たる課題である水への分散性と可使時間を共に充分に向上させ、さらに、被覆時の炭酸ガス発生などによる被膜外観の低下もなく、コーティング被膜の硬度や外観及び耐水性などにおいても優れている、水性ポリウレタン樹脂組成物は未だ得られるに至っていない。水性アクリル樹脂組成物においても従来の特許文献からして同様の状況であるといえる。
特開平7−113005号公報(要約) 特開平9−71720号公報(要約) 特開平7−109327号公報(要約) 特開平9−157585号公報(要約、特許請求の範囲の請求項1) 特開平10−140084号公報(要約) 特開平10−306255号公報(要約) 特開2003−64149号公報(要約)
段落0002〜0005において記述したように、一般に水系のポリウレタン樹脂コーティング剤として主に使用される水性ポリウレタン樹脂組成物などの、イソシアネート硬化性水性樹脂組成物においては、樹脂主剤の水媒体への分散性を高め、また、水との反応性の非常に高いイソシアネート基の水との反応性を抑制して可使時間を延長することが、以前からの重要な問題であるので、本発明は、この問題をでき得る限り解決し、併せて、水性のコーティング被膜において、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜外観や硬度及び耐水性などをも得ることを、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決することを目指して、水性ポリウレタン樹脂組成物や水性アクリル樹脂組成物などにおいて、樹脂主剤の水媒体への分散性を高めるために、従来の手法とは異なる観点から、組成物の主剤と硬化剤の分散方法あるいは分散助剤の使用などについて、また、イソシアネート基の水との反応性を抑制するために、イソシアネート基の変性方法あるいは改質のための添加剤の使用などについて、新たな手法を求めて多面的に考察し試行的な実験を続けて、その過程のなかで、イソシアネート基の水との反応性を抑制して水性樹脂組成物の可使時間を延長することができる、添加剤としての改質剤を見い出すことができ、加えて、その改質剤の作用により、水性樹脂組成物の水性媒体への分散性をも向上し得ることを認知することができ、この二面性の特徴に基いて本発明を新たに創出することができた。
本発明においては、特定の改質添加剤の化学的な作用により、イソシアネート基の水との反応性を抑制して水性樹脂組成物の可使時間を充分に延長することができ、また、併せて、その改質剤の作用により、水性樹脂組成物の水性媒体への分散性をも充分に向上し得て、それにより樹脂組成物の粘度が低減されコーティング剤としての作業性も高められ、さらに、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜外観や硬度及び耐水性なども有する被膜を得ることができる。
水性ポリウレタン樹脂組成物などにおける、その改質のための添加剤は、特定の水性樹脂組成物において使用される、炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物である。
特定の水性ポリウレタン樹脂組成物とは、(A)成分として、ジイソシアネート化合物とジオール化合物(ポリオール化合物)を反応させた水性ポリウレタン樹脂、(B)成分として(A)成分に分散可能なポリイソシアネート化合物を含有する樹脂組成物であり、具体的には、(A)成分として、脂肪族ジイソシアネート化合物にポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを反応させた水性ポリウレタンプレポリマー主剤、(B)成分として(A)成分に分散可能なジイソシアネート化合物のトリマー体又はアダクト体である硬化剤を含有するコーティング組成物であり、炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物は、当コーティング組成物に(C)成分として添加される不飽和ジカルボン酸ジエステルなどである。
また、本発明における(B)成分のポリイソシアネートと(C)成分の炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物の組み合わせは、水性ポリウレタン樹脂組成物に限らず、水性アクリル樹脂のような水性樹脂組成物の硬化剤として使用することもできるものであり、水性ポリウレタン樹脂組成物における場合と同様な作用効果が得られる。
以下においては、水性樹脂組成物において水性ポリウレタン樹脂組成物について主として記載する。
より具体的には、好ましい態様として、(B)成分の硬化剤は官能基数4以上のヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート硬化剤であり、(C)成分の改質添加剤はマレイン酸ジアルキルエステルであり、当コーティング組成物は主として塗料組成物であり、専ら二液型塗料組成物であって、(A)成分の水性ポリウレタン樹脂及び(B)成分の硬化剤としてのポリイソシアネートの二成分組み物材料であり、塗料として使用される際に二成分が混合され、(C)成分の添加剤が予め(A)成分又は(B)成分に添加され、あるいは(A)成分と(B)成分の混合時に添加される。
また、本発明の水性樹脂組成物の、代表的な製造方法としては、(B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物、及び必要により分散助剤を水媒体に分散させ水分散体として、(A)成分の樹脂主剤と組み合わせて、それらの組成物となすことである。
ところで、段落0003〜0005において記載した先行技術(各特許文献)あるいはイソシアネート系水性アクリル樹脂組成物の先行技術を精査しても、段落0009〜0010に要約して記述した本発明の構成と特徴を些かも見い出すことはできず、本発明の特定の水性ポリウレタン樹脂組成物あるいは水性アクリル樹脂組成物において添加して使用される改質剤の構成、及びそれにより、水性樹脂組成物の可使時間を充分に延長することができ、水性媒体への分散性をも充分に向上し得て、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜を得ることができる作用効果は、水性樹脂組成物として新規であり、かつ顕著なものといえる。
以上のとおりに創作され、かつ顕著な特徴を有する本発明について、その全体を俯瞰して明確に記載すると、本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、[1]の発明を基本発明として、それ以下の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化するものである。(なお、発明群全体をまとめて「本発明」という。)
[1](A)成分として、水分散性樹脂主剤、(B)成分として(A)成分に分散可能なポリイソシアネート化合物を含有する樹脂組成物であり、(C)成分として炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物が添加されたことを特徴とする水性樹脂組成物。
[2](A)成分として、水性アクリル樹脂主剤、あるいはジイソシアネート化合物にポリオールを反応させた水性ポリウレタンプレポリマー主剤、(B)成分として(A)成分に分散可能なジイソシアネート化合物のトリマー体又はアダクト体である硬化剤を含有し、(C)成分が数平均分子量500未満の低分子量化合物であり、(B)/(A)の成分質量比が0.01〜0.50であり、(C)成分が(B)成分100質量部に対して0.01〜30質量部添加され、樹脂組成物がコーティング組成物であることを特徴とする、[1]における水性樹脂組成物。
[3](B)成分の硬化剤が官能基数4以上のヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート硬化剤であり、(C)成分が不飽和ジカルボン酸ジエステルであることを特徴とする、[2]における水性ポリウレタン樹脂組成物。
[4]不飽和ジカルボン酸ジエステルがマレイン酸ジアルキルエステルであることを特徴とする、[3]における水性ポリウレタン樹脂組成物。
[5]コーティング組成物が塗料組成物であることを特徴とする、[2]〜[4]のいずれかにおける水性ポリウレタン樹脂組成物。
[6]水性ポリウレタン樹脂組成物が二液型塗料組成物であり、(A)成分の水性ポリウレタン樹脂及び(B)成分の硬化剤としてのポリイソシアネートの二成分組み物材料であって、塗料として使用される際に二成分が混合され、(C)成分の添加剤が予め(A)成分又は(B)成分に添加され、あるいは(A)成分と(B)成分の混合時に添加されることを特徴とする、[5]における水性ポリウレタン樹脂組成物。
[7](B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物、及び必要により分散助剤を水媒体に分散させ水分散体として、(A)成分の水分散性樹脂主剤との組成物となすことを特徴とする、[1]又は[2]における水性樹脂組成物の製造方法。
本発明では、イソシアネート硬化性水性樹脂組成物の可使時間を充分に延長することができ、また、水性樹脂組成物の水性媒体への分散性をも充分に向上し得て、それにより樹脂組成物が均一となり、また、樹脂組成物の粘度が低減されコーティング剤としての作業性も高められ、さらに、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜外観や硬度及び耐水性などを有する被膜を得ることができる。
本発明については、課題を解決するための手段として、本発明の基本的な構成に沿って前述したが、以下においては、前述した本発明群の発明の実施の形態を、主として水性ポリウレタン樹脂組成物について、具体的に詳しく説明する。
1.水性樹脂組成物
(1)組成物の基本的な構成
本発明の水性樹脂組成物は、基本的に、(A)成分として、水性アクリル樹脂あるいはジイソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させた水性ポリウレタン樹脂(プレポリマー)、(B)成分として(A)成分(その水分散体)に分散可能なポリイソシアネート化合物を含有する、水を媒体とする樹脂組成物であり、それに段落0027〜0030に詳述する(C)成分が添加されたものである。
当組成物においては、(B)/(A)の成分質量比が、好ましくは0.01〜0.50である。この範囲より少ない場合には架橋点が少な過ぎて、良好な物性が得られない。多過ぎる場合は当組成物が著しく増粘し、塗膜外観が悪くなる。また、可使時間が短くなり好ましくない。
(2)ジイソシアネート化合物
本発明において使用されるジイソシアネート成分としては、有機ジイソシアネート化合物が使用され、それにはポリウレタン樹脂の原材料としての通常のものが用いられて、特に規定はされない。コーティング被膜の紫外線による黄変を避けるために、芳香族ジイソシアネートよりも脂肪族又は脂環族ジイソシアネートが好ましい。(なお、以下における、発明の本質に関わらない化合物の具体的例示は、簡潔な記載に留めている。)
具体的には、脂肪族ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサン−1,6−ジイソシアネートなどが例示される。また、脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリメチルキシリレンジイソシアネートなどが例示される。
これらのジイソシアネートは、1種単独又は必要により2種以上の混合で使用される。
(3)ポリオール化合物
本発明において使用されるポリオール成分(ジオール及びトリオールなど)としては、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールが主として使用され、ポリカーボネートポリオールやアクリルポリオールさらにはポリオレフィンポリオールなども使用し得る。それらにはポリウレタン樹脂の原材料としての通常のものが用いられて、特に規定はされない。
代表的に、ポリプロピレンエチレンポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが例示される。
より具体的には、ポリエステルポリオールとしては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、その他の二塩基酸などと、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチールグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、その他のジオール、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオール類とからの重縮合反応により得られるポリエステルポリオールが使用される。
さらに、ε−カプロラクトンなどの環状エステル、ジオールの一部をヘキサメチレンジアミンやイソホロンジアミンなどのアミン類に変更したポリエステルアミドポリオールなども使用し得る。
ポリエーテルポリオールとしては、上記のジオール類、ポリオール類と、あるいはこれらとエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなどのアミン類と共に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド、メチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのアルキルあるいはアリールグリシジルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテルなどを付加重合することにより得られるポリエーテルポリオールが使用される。
ポリカーボネートポリオールとしては、段落0022に前記したジオール類、ポリオール類と、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどとの反応により得られるポリカーボネートポリオールが使用される。
(4)水性アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂
本発明における水性アクリル樹脂は、ポリイソシアネート硬化剤と反応し得る活性水素基を有し、また、ポリマー鎖がイオン化され又は親水性基を有して水性化されたものである。
本発明のポリウレタン樹脂は、段落0020に記載した各種のジイソシアネート化合物と段落0021〜0024に記載した各種のジオール化合物(又はポリオール化合物)とのウレタン反応により製造され、ポリエチレングリコールのような親水性の主鎖を有するか、ポリマー鎖がイオン化され又は親水性基を有して水性化されたものである。例えば、ウレタン反応の際に、2,2−ジメチロールプロピオン酸などの末端に水酸基を二個有す脂肪酸を分子の主鎖に組み込み、水分散性を高めることもできる。
ウレタン反応の硬化触媒(重合触媒)としての樹脂化触媒(ウレタン化触媒)は、必要により使用され、ジブチルチンジラウレートやナフテン酸亜鉛のような金属系触媒、あるいはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモリホリン、N−エチルモリホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミンのようなアミン系触媒などの通常の硬化触媒が用いられ、反応速度を速くし反応温度を低くすることができる。
(5)ポリイソシアネート化合物
本発明の水性樹脂組成物において、(B)成分として、(A)成分に分散可能なポリイソシアネート化合物が使用され、主剤としての(A)成分を硬化させる硬化剤成分として機能する。
水性樹脂を硬化させる硬化剤としては、本発明においては二液システム(二液型の組成物)の一液として使用され、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)やイソホロンジイソシアネート(IPDI)から由来する、1分子中のNCO基が3個以上のトリマー体やアダクト体が使用される。好ましい例としては、官能基数4以上のヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート硬化剤である。
これらのジイソシアネートのトリマー体やアダクト体としては、ウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体など各種の変性体を利用し得る。
2.炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物
(1)組成物の成分として
本発明の水性樹脂組成物における(C)成分として、炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物が使用される。
水性ポリウレタン樹脂組成物などの改質のための添加剤としての成分であり、当改質添加剤の化学的な作用により、イソシアネート基の水との反応性を抑制して水性ポリウレタン樹脂組成物の可使時間を充分に延長させ、また、併せて、その改質剤の作用により、水性ポリウレタン樹脂組成物などの水性媒体への分散性をも充分に向上させる、本発明における中心的な構成要素である。
(C)成分は、(B)成分100質量部に対して0.01〜30質量部添加される。下限未満では改質効果が不足し、上限を超えると得られた塗膜の光沢や物性が低下し、乾燥性も悪くなるので好ましくない。
(2)化合物について
炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物は、数平均分子量500未満の低分子量化合物が好ましく、α,β−不飽和カルボニル化合物やα,β−不飽和カルボン酸系化合物が主たるものであり、不飽和アルデヒドや不飽和ケトン、あるいは不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸におけるエステルや無水物あるいはアミドやハロゲン化物、及びこれらの種々の置換誘導体などである。
具体的な化合物を例示すれば、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、イタコン酸、イタコン酸エステル、さらには、アクロレイン、メタアクロレイン、クロトン酸、ベンゾキノン、イソホロンなど多種のものが使用できる。なお、ここでのエステルは主としてジエステルとして使用される。
これらのうち、不飽和ジカルボン酸ジエステルであるマレイン酸ジアルキルエステルが代表的な化合物であって、最適の化合物は後記の実施例により実証される、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート及びジオクチルマレエートである。
(3)化合物の作用
炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子化合物が、イソシアネート基の水との反応性を抑制して水性ポリウレタン樹脂組成物などの可使時間を充分に延長させ、また、併せて、その改質剤の作用により、水性ポリウレタン樹脂組成物の水性媒体への分散性をも充分に向上させる作用効果をもたらす理由は、未だ明確にはされていないが、いわゆるマイケル付加反応が関与していると推定される。
すなわち、炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物の炭素間不飽和結合に対して、組成物中において有機ジイソシアネートと水との反応に由来して存在する塩基性化合物である、アミノイソシアネートが作用し、マイケル付加して、さらに付加反応生成物の二級アミノ基が有機ジイソシアネ−トと反応して、炭素間飽和結合と隣接カルボニル基及び置換ウレア基を有す有機ジイソシアネートが生成することにより、イソシアネート基と水との反応を遅らせあるいは阻止することによると推定される。また、炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物が、長いアルキル基のような疎水性の基を有する場合には、疎水性の基が水分子のイソシアネート基への接近を阻害して、イソシアネート基の水との反応性を抑制すると推察される。
3.その他の助剤
(1)鎖延長剤
本発明の組成物においては、必要に応じて通常の、重付加反応における鎖延長剤を使用してもよい。
鎖延長剤としては、2個以上の活性水素基を有する通常の低分子化合物が使用され、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが用いられる。
(2)添加剤
組成物の各種の添加剤として、より物性を高め、また、各種物性を付加するなどのために、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、充填剤、内部離型剤、補強材、艶消し剤、導電性付与剤、帯電制御剤、帯電防止剤、滑剤、その他の加工助剤を用いることができる。
4.組成物としての態様
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、上記のとおり主剤としての(A)成分と(B)成分の硬化剤から構成される二液システムであり、使用の態様としては、コーティング剤としての二液型塗料組成物又は二液型接着剤組成物などの二成分組み物材料であり、塗料などとして使用される際に二成分が混合され、硬化剤の多官能NCO化合物により三次元的に硬化される。
一般に、塗料用組成物の意味は、必ずしも一義的ではないので、本発明においては、予め全ての成分を混合した組成物ではなく、二成分組み物材料としの組成物としている。
5.水性樹脂組成物の製造方法
本発明の水性樹脂組成物は、(B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物、及び必要により分散助剤を水媒体に分散させ水分散体として、(A)成分の樹脂主剤との組成物となすことにより製造することができる。
具体的には、(1)水分散水性樹脂液、及び(2)水媒体に(B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物を分散させた分散液の二液タイプの組成物とされる。塗料などのコーティング剤として使用される際に二成分が混合される。
なお、(C)成分の添加剤は、好ましくは、予め(A)成分又は(B)成分に添加され、あるいは(A)成分と(B)成分の混合時に添加される。
以下においては、実施例を開示して比較例を対照しながら、本発明をより詳細に具体的に示して、本発明の構成をいっそう明らかにし、本発明の構成の各要件の合理性を実証する。
[水性ポリウレタン樹脂の合成例]
撹拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器を装着した容量3,000mlの反応器に、ポリオールA(ポリテトラメチレングリコール:Mn=2,000 f=2)を161.7g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)を10.5g、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMDPG)を63.8g仕込み、90℃で10分間加熱溶解させた。60℃に冷却後にイソシアネートA(HDIのイソプロパノール変性アロファネート化合物:NCO=19.1%)を102.9g仕込み80℃で2時間反応させて、カルボキシル基含有イソシアンート基末端プレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液のイソシアネート含量は3.40%、プレポリマー中のカルボン酸導入量は0.75mmol/gであった。
次いでトリエチルアミン(TEA)を7.9g仕込んでカルボキシル基を中和した後、撹拌しながら水を497.8g及びジエチルトリアミン(DETA)5.4gを仕込み、乳化・水とアミンによる鎖延長反応を30℃で12時間行った。FT−IRによりイソシアネート基の存在が確認されなくなったところで充填して、水性ポリウレタンエマルジョンPU−1を得た。PU−1の固形分は32.5%、pHは9.5、25℃の粘度は40mPa・sであった。
[水性ポリウレタン樹脂組成物の製造]
上記の合成例にて製造した水性ポリウレタン樹脂に、硬化剤のポリイソシアネートA(HDIの3−メチルペンタンジオール変性アロファネート化合物のメトキシポリエチレングリコール変性体:NCO=16.4%)を配合し、表1,2に記載の改質添加剤を分散させて、水性ポリウレタン樹脂組成物とした。
[水性コーティング剤としての可使時間測定]
(1)(B)+(C)成分の水分散体のNCO残存率%
水性ポリウレタン樹脂組成物におけるコーテイング剤としての可使時間を規定する、イソシアネト基の水との反応性の抑制度合いを、(B)+(C)成分の水媒体中のNCO基の残存率、及び目視による組成物液の外観にて評価した。
硬化剤のポリイソシアネートA(9.6g)及び表1の添加剤(2.4g)の計12gを、水42gと混合し、25℃・2,000rpm/30secで撹拌した後に、100ml瓶容器内で25℃恒温槽内に放置した。表1に記載の経過時間にサンプリングし、NCO基の滴定を行い残存するNCO基の%を測定した。NCO基の滴定は、定量のジブチルアミンを加えて反応させた後、残存するジブチルアミンのアミノ基量を塩酸で滴定して行った。また、表1に記載の経過時間に組成物液の外観を観察した。それらの結果を表1に掲示した。
理論値のNCO残存率(100%)に近い残存率値を長時間保持し得るほど、また、外観が変化せず発泡や不溶分発生が生じないほど、コーティング剤の可使時間が長いことになる。
(2)(A)+(B)+(C)成分の水分散体のNCO残存率%
(A)成分としての水性ポリウレタン樹脂液、及び(B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物を水媒体に分散させた分散液の二液を混合して、水性ポリウレタン樹脂組成物におけるコーテイング剤としての可使時間を規定する、イソシアネト基の水との反応性の抑制度合いを、二液混合組成物中のNCO基の残存率にて評価した。
硬化剤のポリイソシアネートA(9.6g)及び表2に記載の添加剤(2.4g)の計12gを、主剤60gと混合し、25℃・2,000rpm/30secで撹拌した後に、100ml瓶容器内で25℃恒温槽内に放置した。一定の経過時間にサンプリングし、NCO基の滴定を行い残存するNCO基の%を測定した。NCO基の滴定は、定量のジブチルアミンを加えて反応させた後、残存するジブチルアミンのアミノ基量を塩酸で滴定して行った。また、被膜の耐水性も評価した。それらの結果を表2に掲示した。
理論値のNCO残存率(100%)に近い残存率値を長時間保持し得るほど、コーティング剤の可使時間が長いことになる。
[二液混合組成物の粘度]
(A)+(B)+(C)成分の水分散体の、水性ポリウレタン樹脂組成物における水媒体への分散性を、二液混合組成物の25℃の粘度値により評価した。一定の経過時間にサンプリングして粘度測定を行い、その結果を表2に掲示した。
測定粘度値が低いほど減粘効果が大きく分散性が高いことになり、コーティング剤としての作業性や被膜性能が良好となる。
Figure 2006104111
(表1中の記号の説明)
DBM;ジブチルマレエート DOM;ジオクチルマレエート DEDEG;ジエチレングリコールジエチルエーテル DOA;ジオクチルアジペート
Figure 2006104111
(表2中に記載した耐水性試験)
塗装後に、50℃・3時間水中浸漬テストを行い、テスト後に塗膜を目視及び指触により観察して、塗膜の白化とべたつきの有無によって、表2中に、「○:良好 △:ほぼ良好 ×:塗膜に白化とべたつきが生じ耐水性がない」としての評価を記載した。
(表2中の記号の説明)
DEM;ジエチルマレエート DMDPG;ジプロピレングリコールジメチルエーテルPC;プロピレンカーボネート
[実施例と比較例の結果の考察]
以上の各実施例及び各比較例を対比することにより、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物おいては、改質剤の炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物を添加することにより、炭素間不飽和結合や隣接カルボニル基を有さない化合物による従来例である比較例と対照して、可使時間が充分に延長され、水媒体への分散性も良好で、コーティング剤としての作業性や被膜性能が良好となり、また、コーティング剤として、湿潤雰囲気下で塗膜の白化とべたつきが生じず、被膜の耐水性に優れていることが、明らかにされている。
具体的には、表1における実施例1,2では、成分BとCの水性組成物において、撹拌直後から4時間以上も理論値(100%)に近いNCO基残存率を示し、水性組成物が発泡し不溶分を生じて使用不能になるのは5時間後であるが、比較例1では、撹拌直後から2時間までしか理論値に近いNCO基残存率を示さず、水性組成物が発泡し不溶分を生じて使用不能になるのは2.5時間後であり、比較例2においてはDOAが比較例1のDEDEGより疎水性が高くイソシアネートを多少水から保護して比較例1よりNCOの残存率は高いが、その残存率は実施例1,2より劣っており、本発明の水性組成物における、成分Cの可使時間延長作用の卓越性を実証している。
また、表2の水性樹脂組成物における、実施例のいずれの成分Cでも、比較例の各成分に比して、ゲル化時間が大幅に延長され、塗膜の耐水性も良好であることが明らかにされている。粘度のデータからして、成分Cの無添加の従来例に比べて、減粘効果が大きくて分散性が高く、コーティング剤としての作業性や被膜性能が良好となる。
以上のデータ結果と考察からして、本発明の構成要件の合理性と有意性が実証され、本発明が従来技術に比べて顕著な優秀性を有していることが明確であるといえる。
産業上の利用分野
本発明では、イソシアネート硬化性水性樹脂組成物の可使時間を充分に延長することができ、また、水性樹脂組成物の水性媒体への分散性をも充分に向上し得て、それにより樹脂組成物が均一となり、また、樹脂組成物の粘度が低減されコーティング剤としての作業性も高められ、さらに、従来の有機溶剤系ポリウレタン樹脂コーティング剤に劣らない、優れた被膜外観や硬度及び耐水性などを有する被膜を得ることができるので、産業上において、水性樹脂コーティング剤として、特に塗料の分野において有用であり利用可能性の高いものである。
(2)(A)+(B)+(C)成分の水分散体のNCO残存率%
(A)成分としての水性ポリウレタン樹脂液、及び(B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物を水媒体に分散させた分散液の二液を混合して、水性ポリウレタン樹脂組成物におけるコーテイング剤としての可使時間を規定する、イソシアネト基の水との反応性の抑制度合いを、二液混合組成物中のNCO基の残存率にて評価した。
硬化剤のポリイソシアネートA(9.6g)及び表2に記載の添加剤(2.4g)の計12gを、主剤60gと混合し、25℃・2,000rpm/30secで撹拌した後に、100ml瓶容器内で25℃恒温槽内に放置した。一定の経過時間にサンプリングし、NCO基の滴定を行い残存するNCO基の%を測定した。NCO基の滴定は、定量のジブチルアミンを加えて反応させた後、残存するジブチルアミンのアミノ基量を塩酸で滴定して行った。また、被膜の耐水性も評価した。それらの結果を表2に掲示した。
理論値のNCO残存率(100%)に近い残存率値を長時間保持し得るほど、コーティング剤の可使時間が長いことになる。

Claims (7)

  1. (A)成分として、水分散性樹脂主剤、(B)成分として(A)成分に分散可能なポリイソシアネート化合物を含有する樹脂組成物であり、(C)成分として炭素間不飽和結合と隣接カルボニル基を有する低分子量化合物が添加されたことを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. (A)成分として、水性アクリル樹脂主剤、あるいはジイソシアネート化合物にポリオールを反応させた水性ポリウレタンプレポリマー主剤、(B)成分として(A)成分に分散可能なジイソシアネート化合物のトリマー体又はアダクト体である硬化剤を含有し、(C)成分が数平均分子量500未満の低分子量化合物であり、(B)/(A)の成分質量比が0.01〜0.50であり、(C)成分が(B)成分100質量部に対して0.01〜30質量部添加され、樹脂組成物がコーティング組成物であることを特徴とする、請求項1に記載された水性樹脂組成物。
  3. (B)成分の硬化剤が官能基数4以上のヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート硬化剤であり、(C)成分が不飽和ジカルボン酸ジエステルであることを特徴とする、請求項2に記載された水性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 不飽和ジカルボン酸ジエステルがマレイン酸ジアルキルエステルであることを特徴とする、請求項3に記載された水性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. コーティング組成物が塗料組成物であることを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれかに記載された水性ポリウレタン樹脂組成物。
  6. 水性ポリウレタン樹脂組成物が二液型塗料組成物であり、(A)成分の水性ポリウレタン樹脂及び(B)成分の硬化剤としてのポリイソシアネートの二成分組み物材料であって、塗料として使用される際に二成分が混合され、(C)成分の添加剤が予め(A)成分又は(B)成分に添加され、あるいは(A)成分と(B)成分の混合時に添加されることを特徴とする、請求項5に記載された水性ポリウレタン樹脂組成物。
  7. (B)成分の硬化剤と(C)成分の低分子量化合物、及び必要により分散助剤を水媒体に分散させ水分散体として、(A)成分の水分散性樹脂主剤との組成物となすことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された水性樹脂組成物の製造方法。
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