JP2004127970A - 多層基板用素板の製造方法およびその素板を用いた多層基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護フィルムを剥離するときに導電ペーストがビアホールから脱離することを防止することが可能な多層基板用素板および多層基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】片面導体パターンフィルム21に保護フィルム81を貼着した((b)に図示)後、ビアホール24を形成し((c)に図示)する。そして、このビアホール24内に導電ペースト50aを充填した((d)に図示)後、高沸点溶剤を含有する導電ペースト50bを充填する((e)に図示)。そして、高沸点溶剤が乾燥する前に、保護フィルム81を剥離する((f)に図示)。その後片面導体パターンフィルム21を積層、真空加熱プレスして多層基板を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】片面導体パターンフィルム21に保護フィルム81を貼着した((b)に図示)後、ビアホール24を形成し((c)に図示)する。そして、このビアホール24内に導電ペースト50aを充填した((d)に図示)後、高沸点溶剤を含有する導電ペースト50bを充填する((e)に図示)。そして、高沸点溶剤が乾燥する前に、保護フィルム81を剥離する((f)に図示)。その後片面導体パターンフィルム21を積層、真空加熱プレスして多層基板を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基材に形成されたビアホール内に導電ペーストが充填された多層基板用素板の製造方法、およびその素板を用いた多層基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、まず、絶縁基材に形成された導体パターンを底面とする有底ビアホール内に金属粒子と有機溶剤とを有する導電ペーストを充填した素板を形成し、次に、この素板を用いて、ビアホール内に充填された導電ペーストにより、複数の導体パターン層の層間接続を行なう多層基板の製造方法が知られている。
【0003】
このような多層基板用素板を製造する場合には、導電ペーストをビアホールに充填するときに、導電ペーストがビアホール以外の絶縁基材表面に付着しないように、ビアホールの導電ペースト充填入口側となる絶縁基材の表面に粘着剤付きの保護フィルムを形成し、ビアホール内に導電ペーストを充填する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、多層基板を製造するために、素板に形成された保護フィルムを剥離するときに、ビアホール内に充填された導電ペーストが、保護フィルムとともにビアホールから脱離し、多層基板の導体パターンの層間接続不良が発生する場合があるという問題がある。
【0005】
本発明者らは、上記問題解決のために鋭意検討を行なったところ、以下のことが明らかになった。ビアホールへの充填時の流動性を確保するために導電ペーストに添加している有機溶剤が乾燥すると、金属粒子が凝集して若干体積を収縮し塊状となり充填時形状から変形し難くなる。そして、金属粒子が凝集した塊状の導電ペーストは、端部が保護フィルムに接していると、保護フィルム剥離時にビアホールから保護フィルムとともに脱離する場合がある。
【0006】
特に、有底状のビアホールをレーザ光の照射により形成したときには、ビアホールは底面の径よりも保護フィルム形成面の径の方が大きくなり、導電ペーストは、端部が保護フィルムにより持ち上げられ易い形状となる。
【0007】
したがって、本発明者らは、保護フィルムに接する部位の導電ペーストの金属粒子の凝集を抑制すれば、導電ペーストのビアホールからの脱離を防止することが可能であることを見出した。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、保護フィルムを剥離するときに導電ペーストがビアホールから脱離することを防止することが可能な多層基板用素板の製造方法およびその素板の製造方法により製造された素板を用いた多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
多層基板(100)を構成する素板(21)の製造方法であって、
粘着剤層(83)を有する保護フィルム(81)を、絶縁基材(23)の表面に形成する保護フィルム形成工程と、
保護フィルム(81)および絶縁基材(23)を穴あけして導体パターン(22)を底面とする有底状のビアホール(24)を形成するビアホール形成工程と、
第1の金属粒子と第1の有機溶剤とを有する第1の導電ペースト(50a)を、絶縁基材(23)に形成されたビアホール(24)内に充填する第1充填工程と、
第1充填工程の後で、第2の金属粒子と第2の有機溶剤とを有する第2の導電ペースト(50b)を、絶縁基材(23)に形成されたビアホール(24)内に追加充填する第2充填工程とを備えることを特徴としている。
【0010】
これによると、第1充填工程においてビアホール(24)内に充填された第1の導電ペースト(50a)から第1の有機溶剤が乾燥してしまったとしても、第2充填工程において追加充填された第2の導電ペースト(50b)に含まれる第2の有機溶剤により、保護フィルム(81)に接する部位の金属粒子の凝集を抑制することが可能である。したがって、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを防止することが可能である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明の素板の製造方法では、ビアホール形成工程では、レーザ光を照射してビアホール(24)を形成することを特徴としている。
【0012】
有底状のビアホール(24)をレーザ光の照射により形成したときには、ビアホール(24)は底面の径よりも保護フィルム(81)形成面の径の方が大きくなり、導電ペースト(50a、50b)は、端部が保護フィルム(81)により持ち上げられ易い形状となる。したがって、本発明によれば、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを防止することができる効果は非常に大きい。
【0013】
また、請求項3に記載の発明の素板の製造方法では、第2の有機溶剤は、第1の有機溶剤より沸点が高いことを特徴としている。
【0014】
これによると、第2充填工程において追加充填された第2の導電ペースト(50b)に含まれる第2の有機溶剤により、保護フィルム(81)に接する部位の金属粒子の凝集を確実に抑制することが可能である。したがって、第2充填工程後、保護フィルム(81)の剥離までに時間を要したとしても、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを確実に防止することが可能である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明の素板の製造方法では、第1の有機溶剤と第2の有機溶剤とは、相溶性を有することを特徴としている。
【0016】
これによると、第2の導電ペースト(50b)中の第2の有機溶剤が第1の導電ペースト(50a)中に拡散し易い。したがって、保護フィルム(81)に接する部位に第1の導電ペースト(50a)が存在したとしても、第1の導電ペースト(50a)の第1の金属粒子の凝集を抑制することが可能である。このようにして、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを一層確実に防止することが可能である。
【0017】
また、請求項5に記載の発明の素板の製造方法では、第2の金属粒子は、第1の金属粒子と同一構成であることを特徴としている。
【0018】
これによると、多層基板(100)を製造するときに、第1の有機溶剤および第2の有機溶剤を乾燥すれば、ビアホール(24)内の導電ペースト(50a、50b)の組成を均一にすることが可能である。
【0019】
また、請求項6に記載の発明の素板の製造方法では、保護フィルム(81)の粘着剤層(83)は、紫外線の照射により粘着力が低下する粘着剤からなることを特徴としている。
【0020】
これによると、保護フィルム(81)の剥離前に粘着力を低下させるために紫外線が照射されるが、加熱され難いので、第2の有機溶剤の乾燥を抑制することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明の多層基板の製造方法では、
請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法により製造された素板(21)の絶縁基材(23)より、第2の有機溶剤が乾燥する前に、保護フィルム(81)を剥離する剥離工程と、
保護フィルム(81)が剥離された素板(21)を複数枚積層する積層工程と、
積層工程の後で、導体パターン(22)の層間を第1の導電ペースト(50a)および第2の導電ペースト(50b)により層間接続するとともに、素板(21)相互を接着する接着工程とを備えることを特徴としている。
【0022】
これによると、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の製造方法により製造された素板(21)を用いて、導体パターン(22)の層間を確実に接続した多層基板(100)を製造することが可能である。
【0023】
また、請求項8に記載の発明の多層基板の製造方法では、絶縁基材(23)は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(23)であり、接着工程では、各樹脂フィルム(23)相互の接着を行なうことを特徴としている。
【0024】
これによると、絶縁基材(23)である樹脂フィルム(23)は熱可塑性樹脂により形成されているので、複数枚の樹脂フィルム(23)を相互に容易に接着できる。したがって、容易に多層基板(100)を得ることが可能である。
【0025】
また、請求項9に記載の発明の多層基板の製造方法では、接着工程では、素板積層体の両面から加圧しつつ加熱することにより、樹脂フィルム(23)相互の接着および導体パターン(22)の層間接続を行なうことを特徴としている。
【0026】
これによると、絶縁基材(23)である複数枚の樹脂フィルム(23)を一括して接着し、同時に導体パターン(22)の層間を接続することができる。したがって、少ない加工工数で多層基板(100)を得ることが可能である。
【0027】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0029】
図1および図2は、本実施形態における多層基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0030】
図1(a)において、21は絶縁基材である樹脂フィルム23の片面に貼着された導体箔(本例では厚さ18μmの銅箔)をエッチングによりパターン形成した導体パターン22を有する片面導体パターンフィルムである。本例では、樹脂フィルム23としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜75μmの熱可塑性樹脂フィルムを用いている。
【0031】
図1(a)に示すように、導体パターン22の形成が完了すると、次に、図1(b)に示すように、片面導体パターンフィルム21の導体パターン22が形成された面と対向する面に保護フィルム81をラミネータ等を用いて貼着する。
【0032】
図1(b)には図示していないが、保護フィルム81は、図3(a)に示すように、樹脂フィルム82と、この樹脂フィルム82の樹脂フィルム23への貼着面側にコーティングされた粘着剤層83とからなる。粘着剤層83を形成する粘着剤は、アクリレート樹脂を主成分とする所謂紫外線硬化型の粘着剤であり、紫外線が照射されると架橋反応が進行し、粘着力が低下する特性を有するものである。
【0033】
本例では、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂フィルム82に厚さ5μmの粘着剤層をコーティングした保護フィルム81を採用している。樹脂フィルムの厚さが8μm未満であると、保護フィルムのハンドリング性が悪化する。また、樹脂フィルムの厚さが50μmを超えると、後述する保護フィルム剥離時に保護フィルム81と導電ペースト50a、50bとの接触面積が増大し好ましくない。上記両要因を考慮すると、樹脂フィルム82の厚さは12μm前後が特に好ましい。
【0034】
図1(b)に示すように、保護フィルム81の貼着が完了すると、次に、図1(c)に示すように、保護フィルム81側から炭酸ガスレーザを照射して、樹脂フィルム23に導体パターン22を底面とする有底状ビアホールであるビアホール24を形成する。導体パターン22のビアホール24の底面となる部位は、後述する導体パターン22の層間接続時に電極となる部位である。なお、ビアホール24の形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、導体パターン22に穴を開けないようにしている。
【0035】
このとき、当然ではあるが、保護フィルム81にも開口81aが形成される。開口81aを含むビアホール24の形状は、レーザ光照射の影響により、図示するように、略逆円錐台形状となる。すなわち、ビアホール24の底面の径よりも開口81aの径の方が大きい形状となる。
【0036】
ビアホール24の形成には、炭酸ガスレーザ以外にYAGレーザ等の紫外線レーザが使用可能である。レーザビームで穴あけ加工すると、微細な径で穴あけでき、導体パターン22にダメージを与えることが少ないため好ましい。
【0037】
図1(c)に示すように、ビアホール24の形成が完了すると、次に、図1(d)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料として第1の導電ペーストである導電ペースト50aを充填する。導電ペースト50aは、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子300gとに、有機溶剤であるテレピネオール30gを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。この錫粒子および銀粒子が本実施形態における第1の金属粒子であり、テレピネオールが本実施形態における第1の有機溶剤である。
【0038】
導電ペースト50aは、スクリーン印刷機により、保護フィルム81の開口81a側から片面導体パターンフィルム21のビアホール24内に印刷充填される。ビアホール24内への導電ペースト50aの充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法も可能である。なお、本例では、ビアホール24は有底ビアホールであるため、導電ペースト50aを確実に充填することが容易である。
【0039】
なお、図1(d)では、導電ペースト50aの有機溶剤が乾燥して若干体積を収縮した状態を図示している。
【0040】
ビアホール24内への導電ペースト50aの充填が完了すると、次に、図1(e)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料として第2の導電ペーストである導電ペースト50bを追加充填する。導電ペースト50bは、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子(導電ペースト50aの錫粒子に同じ)300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子(導電ペースト50bの銀粒子に同じ)300gとに、有機溶剤であるテトラエチレングリコール120gを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。この錫粒子および銀粒子が本実施形態における第2の金属粒子であり、テトラエチレングリコールが本実施形態における第2の有機溶剤である。
【0041】
導電ペースト50bは、スクリーン印刷機により、保護フィルム81の開口81a側から片面導体パターンフィルム21のビアホール24内に導電ペースト50aを押し込むように印刷充填される。ビアホール24内への導電ペースト50bの充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、導電ペースト50aと同様に、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法も可能である。
【0042】
ここで、ペースト化のために添加する有機溶剤として、導電ペースト50aではテレピネオール(沸点219℃)を、導電ペースト50bではテトラエチレングリコール(沸点323℃)を用いており、この両有機溶剤は相溶性がある。したがって、ビアホール24内に導電ペースト50bを追加充填するときに、導電ペースト50aに乾燥していないテレピネオールが残留していたとしても、導電ペースト50bのテトラエチレングリコールが導電ペースト50aの金属粒子間に進入し易い。
【0043】
また、ペースト化のために添加する有機溶剤として、導電ペースト50aではテレピネオール以外を用いることも可能であるが、沸点が150〜300℃の有機溶剤を用いることが好ましい。沸点が150℃未満の有機溶剤は乾燥し易く好ましくない。また、ビアホール24内への印刷充填前において導電ペースト50aの粘度の経時変化が大きくなるという不具合を発生し易い。一方、沸点が300℃を超える有機溶剤では、乾燥に要する時間が長くなり、後述する層間接続時の真空加熱プレス工程において、ビアホール24内の底部等に有機溶剤が残留する場合があり好ましくない。
【0044】
導電ペースト50bではテトラエチレングリコール以外を用いることも可能であるが、導電ペースト50aの有機溶剤と相溶性を有するとともに、導電ペースト50aの有機溶剤より沸点が高い有機溶剤が好ましく、沸点が300℃を超える有機溶剤を用いることがより好ましい。これにより、乾燥に要する時間が長くなり、後述する保護フィルム81を剥離するまでの許容時間が長くなるという利点がある。
【0045】
また、本例では、導電ペースト50a、50bを構成する金属粒子として、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子と、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子とを用いたが、これらの金属粒子は、平均粒径が0.5〜20μmであるとともに、比表面積が0.1〜1.5m2/gであることが好ましい。
【0046】
金属粒子の平均粒径が0.5μm未満であったり、比表面積が1.5m2/gを超える場合には、ビアホール充填に適した粘度にペースト化するために多量の有機溶剤を必要とする。多量の有機溶剤を含んだ導電ペーストは層間接続時の真空加熱プレス工程において有機溶剤が残留すると、ビアホール24内にボイドが発生し易く、層間接続信頼性を低下させる。
【0047】
一方、金属粒子の平均粒径が20μmを超えたり、比表面積が0.1m2/g未満の場合には、ビアホール24内に充填し難くなるとともに、金属粒子が偏在し易くなり、加熱しても均一な合金からなる後述する導電性組成物51を形成し難く、層間接続信頼性を確保し難いという問題があり好ましくない。
【0048】
また、ビアホール24内へ導電ペースト50aを充填する前に、導体パターン22のビアホール24に面する部位を薄くエッチング処理したり還元処理してもよい。これによると、後述するビア接続が一層良好に行なわれる。
【0049】
以上の工程により、後述する多層基板100を構成する素板であるビアホール24内に導電ペースト50a、50bが充填された片面導体パターンフィルム21が得られる。
【0050】
ビアホール24内への導電ペースト50bの充填が完了すると、紫外線ランプを用い保護フィルム81側から紫外線を照射する。これにより、図3(a)に図示した保護フィルム81の粘着剤層83が硬化され粘着剤層83の粘着力が低下する。本例では、紫外線照射前の樹脂フィルム23からの剥離強度が3N/25mmであるものが、紫外線照射後には0.2N/25mmに低下する保護フィルム81を採用した。
【0051】
保護フィルム81への紫外線照射が完了すると、片面導体パターンフィルム21から保護フィルム81を剥離除去し、図1(f)に示すようなビアホール24内に導電ペースト50a、50bを充填配置した片面導体パターンフィルム21を得る。保護フィルム81を剥離除去するとき、図3(b)に示す粘着剤層83は粘着力が低下しているので、樹脂フィルム23に大きなストレスを加えることなく容易に保護フィルム81を剥離することができる。
【0052】
粘着剤層83を形成する粘着剤は熱硬化型ではないので、粘着剤層83の粘着力低下のために加熱する必要もない。また、導電ペースト50bを乾燥する工程も設けていない。したがって、保護フィルム81を片面導体パターンフィルム21から剥離するときには、保護フィルム81近傍の導電ペースト50a、50bには有機溶剤(テトラエチレングリコール)が残っており、金属粒子は凝集していない(金属粒子が移動し易い状態にある)。
【0053】
このように、導電ペースト50a、50bの保護フィルム81近傍に有機溶剤が残っている状態(乾燥する前の状態)で片面導体パターンフィルム21から保護フィルム81を剥離するので、図3(b)に示すように、導電ペースト50a、50bが保護フィルム81により持ち上げられビアホール24から脱離するという不具合は発生しない。
【0054】
図1(f)に示すようなビアホール24内に導電ペースト50a、50bを充填した片面導体パターンフィルム21が得られると、図2(g)に示すように、片面導体パターンフィルム21を複数枚(本例では4枚)積層する。このとき、下方側の3枚の片面導体パターンフィルム21は導体パターン22が設けられた側を下側として、上方側の1枚の片面導体パターンフィルム21は導体パターン22が設けられた側を上側として積層する。
【0055】
すなわち、上側の2枚の片面導体パターンフィルム21を導体パターン22が形成されていない面同士を向かい合わせて積層し、残りの2枚の片面導体パターンフィルム21は、導体パターン22が形成された面と導体パターン22が形成されていない面とが向かい合うように積層する。
【0056】
そしてさらに、積層された複数層の片面導体パターンフィルム21の上方側には、最上層の導体パターン22を覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36aを積層し、積層された複数層の片面導体パターンフィルム21の下方側には、最下層の導体パターン22を覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36bを積層する。
【0057】
カバーレイヤー36aには、最上層の導体パターン22の電極となるべき位置に対応して、開口39aが穴あけ加工されている。また、カバーレイヤー36bには、最下層の導体パターン22の電極となるべき位置に対応して、開口39bが穴あけ加工されている。本例では、カバーレイヤー36a、36bには、樹脂フィルム23と同じ熱可塑性樹脂材料であるポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いている。
【0058】
図2(g)に示すように片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36bを積層したら、これらの上下両面から真空加熱プレス機により加熱しながら加圧する。本例では、250〜350℃の温度に加熱し1〜10MPaの圧力で10〜20分間加圧した。
【0059】
これにより、図2(h)に示すように、各片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36b相互が接着される。樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bが熱融着して一体化するとともに、ビアホール24内の導電ペースト50a、50bが焼結して一体化した導電性組成物51となり、隣接する導体パターン22間を層間接続した多層基板100が得られる。導電ペースト50aと導電ペースト50bとは、金属粒子の組成が同一であるので、ビアホール24内において均一な導電性組成物51が形成される。
【0060】
ここで、導体パターン22の層間接続のメカニズムを簡単に説明する。ビアホール24内に充填された導電ペースト50a、50bは、まず、真空加熱プレス機により加熱されるとともに減圧されることにより有機溶剤であるテトラエチレングリコールが(テレピネオールが若干残留している場合はテレピネオールも)蒸発乾燥し、錫粒子と銀粒子とが混合された状態にある。そして、次に、このペースト50a、50bが加圧されつつ250〜350℃に加熱されると、錫粒子の融点は232℃であり、銀粒子の融点は961℃であるため、錫粒子は融解し、銀粒子の外周を覆うように付着する。
【0061】
この状態で加熱が継続すると、融解した錫は、銀粒子の表面から拡散を始め、錫と銀との合金(融点480℃)を形成する。このとき、導電ペースト50a、50bには1〜10MPaの圧力が加えられているため、錫と銀との合金形成に伴い、ビアホール24内には、焼結により一体化した合金からなる導電性組成物51が形成される。
【0062】
ビアホール24内で導電性組成物51が形成されているときには、この導電性組成物51は加圧されているため、導体パターン22のビアホール24の底部を構成している面に圧接される。これにより、導電性組成物51中の錫成分と、導体パターン22を構成する銅箔の銅成分とが相互に固相拡散し、導電性組成物51と導体パターン22との界面に固相拡散層を形成して電気的に接続する。
【0063】
すなわち、導体パターン22の層間では、焼結一体化した導電性組成物51と固相拡散層とにより、接触導通によらない確実な層間接続が行なわれる。
【0064】
樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bとは同じ熱可塑性樹脂材料によって形成されており、真空加熱プレス機により加圧しつつ加熱されているとき、樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bの弾性率は約5〜40MPaに低下している。また、導体パターン22および導電性組成物51は、250℃以上に加熱されることで表面の活性度が向上している。従って、各樹脂フィルム23相互を確実に接着できるとともに、導体パターン22および導電性組成物51と樹脂フィルム23とを確実に接着することができる。
【0065】
なお、加熱プレス時の樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bの弾性率は1〜1000MPaであることが好ましい。弾性率が1000MPaより大きいと樹脂フィルム23間等が熱融着し難く、加圧により導体パターン22に大きな応力が加わり断線等の不具合が発生し易い。また、弾性率が1MPaより小さいと加圧により樹脂フィルム等が流れ易く、導体パターン22が移動したりして多層基板100を形成し難い。
【0066】
なお、図1(b)に示す工程が本実施形態における保護フィルム形成工程、図1(c)に示す工程が本実施形態におけるビアホール形成工程、図1(d)に示す工程が本実施形態における第1充填工程、図1(e)に示す工程が本実施形態における第2充填工程である。また、図1(f)(図3(b))に示す工程が本実施形態における剥離工程、図2(g)に示す工程が本実施形態における積層工程、図2(h)に示す工程が本実施形態における接着工程である。
【0067】
上述の製造方法によれば、図3(b)に示す片面導体パターンフィルム21からの保護フィルム81を剥離する時に、保護フィルム81近傍(保護フィルム81に接する部位)の金属粒子の凝集を抑制することができる。したがって、保護フィルム81を剥離するときに、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することを防止することができる。このようにして、多層基板100の層間接続不良の発生を防止することができる。
【0068】
また、導電ペースト50bには有機溶剤として比較的高沸点であるテトラエチレングリコールを採用している。したがって、保護フィルム81に接する部位の金属粒子の凝集を長時間に渡り抑制することができる。これにより、導電ペースト50bを充填した後、保護フィルム81の剥離までに時間を要したとしても、保護フィルム81を片面導体パターンフィルム21から剥離するときに、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することを確実に防止することができる。
【0069】
また、テレピネオールとテトラエチレングリコールとは相溶性があるので、保護フィルム81近傍の導電ペースト50aにテレピネオールが若干残留していたとしても、導電ペースト50bのテトラエチレングリコールが導電ペースト50aの金属粒子間に進入し、導電ペースト50aの金属粒子の凝集を抑制することができる。
【0070】
また、図2(g)に示す積層工程では、導電ペースト50a、50bの樹脂フィルム23から露出した部分が有機溶剤を含有しているので、導電ペースト50a、50bが崩れて落下することを防止できる。
【0071】
また、粘着剤層83が紫外線で硬化する所謂紫外線硬化型の保護フィルム81を採用しているので、所謂熱硬化型の保護フィルムのように加熱する必要がない。したがって、保護フィルム81を剥離する前の導電ペースト50b中のテトラエチレングリコールの蒸発乾燥を抑制することができる。
【0072】
また、1回の真空加熱プレスにより各片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36b相互の接着と、導体パターン22の層間接続とを一括して行なうことができる。従って、多層基板100の製造工程を簡素化することができる。
【0073】
なお、本発明者らは、以下の試験1〜4の4つの評価試験を実施し、いずれにおいても、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することがないことを確認している。試験1では、第1充填工程→10分経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程を実施した。試験2では、第1充填工程→10分経過→第2充填工程→20時間経過→剥離工程を実施した。試験3では、第1充填工程→20時間経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程を実施した。試験4では、第1充填工程→10分経過→剥離工程(紫外線照射のみ)→10分経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程(剥離のみ)を実施した。このように、第2充填工程を採用することで、工程間の自由度が向上することを確認している。
【0074】
(他の実施形態)
上記一実施形態において、第1の有機溶剤(テレピネオール)と第2の有機溶剤(テトラエチレングリコール)とを異なる溶剤としたが、同一の溶剤であってもよい。例えば、両者にテレピネオールを採用し、すなわち、導電ペースト50aと導電ペースト50bとを同一組成の導電ペーストとし、第2充填工程を剥離工程の直前に実施するものであってもよい。第2充填工程と剥離工程との間の時間的な余裕は小さくなるが、第1充填工程と第2充填工程とに同一の導電ペーストを採用するので、製造工程をシンプルにすることが可能である。
【0075】
また、上記一実施形態において、導電ペースト50a、50bは、金属粒子(錫粒子と銀粒子)と有機溶剤(テレピネオールもしくはテトラエチレングリコール)のみからなるものであったが、例えば、導電ペースト50a、50b中にバインダ成分等の樹脂成分を添加したものであってもよい。
【0076】
また、上記一実施形態において、保護フィルム81の樹脂フィルム82には、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いたが、穴あけ加工が容易に行なえるものであれば、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム等の他のフィルムを採用することもできる。
【0077】
また、上記一実施形態において、樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bとしてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いたが、これに限らず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂に非導電性フィラを充填したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)を単独で使用することも可能である。
【0078】
さらに、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドまたは所謂液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。加熱プレス時の加熱温度において弾性率が1〜1000MPaであり、後工程である半田付け工程等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いることができる。
【0079】
また、上記一実施形態において、積層した片面導体パターンフィルム21の外側にカバーレイヤー36a、36bを積層したが、最も外側に配置された片面導体パターンフィルム21の導体パターン22が電極部のみで形成されている場合等には、カバーレイヤーを廃止するものであってもよい。
【0080】
また、上記一実施形態において、多層基板製造時に、図2(g)に示すように片面導体パターンフィルム21を積層したが、層間接続が必要な多層基板を得るための構成であれば、この積層パターンに限定されるものではない。
【0081】
また、上記一実施形態において、多層基板100は4層基板であったが、複数の導体パターン層を有するものであれば、層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の多層基板の概略の製造工程の一部を示す工程別断面図であり、(a)は片面導体パターンフィルム21を示す図、(b)は保護フィルム形成工程を示す図、(c)はビアホール形成工程を示す図、(d)は第1充填工程を示す図、(e)は第2充填工程を示す図、(f)は剥離工程を示す図である。
【図2】本発明における一実施形態の多層基板の概略の製造工程の一部(図1に示した工程に続く工程)を示す工程別断面図であり、(g)は積層工程を示す図、(h)は接着工程を示す図である。
【図3】本発明における一実施形態の多層基板の製造工程において、(a)は保護フィルムの剥離前の状態、(b)は保護フィルムの剥離後の状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
21 片面導体パターンフィルム(素板)
22 導体パターン
23 樹脂フィルム(絶縁基材)
24 ビアホール
50a 導電ペースト(第1の導電ペースト)
50b 導電ペースト(第2の導電ペースト)
51 導電性組成物
81 保護フィルム
82 樹脂フィルム
83 粘着剤層
100 多層基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基材に形成されたビアホール内に導電ペーストが充填された多層基板用素板の製造方法、およびその素板を用いた多層基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、まず、絶縁基材に形成された導体パターンを底面とする有底ビアホール内に金属粒子と有機溶剤とを有する導電ペーストを充填した素板を形成し、次に、この素板を用いて、ビアホール内に充填された導電ペーストにより、複数の導体パターン層の層間接続を行なう多層基板の製造方法が知られている。
【0003】
このような多層基板用素板を製造する場合には、導電ペーストをビアホールに充填するときに、導電ペーストがビアホール以外の絶縁基材表面に付着しないように、ビアホールの導電ペースト充填入口側となる絶縁基材の表面に粘着剤付きの保護フィルムを形成し、ビアホール内に導電ペーストを充填する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、多層基板を製造するために、素板に形成された保護フィルムを剥離するときに、ビアホール内に充填された導電ペーストが、保護フィルムとともにビアホールから脱離し、多層基板の導体パターンの層間接続不良が発生する場合があるという問題がある。
【0005】
本発明者らは、上記問題解決のために鋭意検討を行なったところ、以下のことが明らかになった。ビアホールへの充填時の流動性を確保するために導電ペーストに添加している有機溶剤が乾燥すると、金属粒子が凝集して若干体積を収縮し塊状となり充填時形状から変形し難くなる。そして、金属粒子が凝集した塊状の導電ペーストは、端部が保護フィルムに接していると、保護フィルム剥離時にビアホールから保護フィルムとともに脱離する場合がある。
【0006】
特に、有底状のビアホールをレーザ光の照射により形成したときには、ビアホールは底面の径よりも保護フィルム形成面の径の方が大きくなり、導電ペーストは、端部が保護フィルムにより持ち上げられ易い形状となる。
【0007】
したがって、本発明者らは、保護フィルムに接する部位の導電ペーストの金属粒子の凝集を抑制すれば、導電ペーストのビアホールからの脱離を防止することが可能であることを見出した。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、保護フィルムを剥離するときに導電ペーストがビアホールから脱離することを防止することが可能な多層基板用素板の製造方法およびその素板の製造方法により製造された素板を用いた多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
多層基板(100)を構成する素板(21)の製造方法であって、
粘着剤層(83)を有する保護フィルム(81)を、絶縁基材(23)の表面に形成する保護フィルム形成工程と、
保護フィルム(81)および絶縁基材(23)を穴あけして導体パターン(22)を底面とする有底状のビアホール(24)を形成するビアホール形成工程と、
第1の金属粒子と第1の有機溶剤とを有する第1の導電ペースト(50a)を、絶縁基材(23)に形成されたビアホール(24)内に充填する第1充填工程と、
第1充填工程の後で、第2の金属粒子と第2の有機溶剤とを有する第2の導電ペースト(50b)を、絶縁基材(23)に形成されたビアホール(24)内に追加充填する第2充填工程とを備えることを特徴としている。
【0010】
これによると、第1充填工程においてビアホール(24)内に充填された第1の導電ペースト(50a)から第1の有機溶剤が乾燥してしまったとしても、第2充填工程において追加充填された第2の導電ペースト(50b)に含まれる第2の有機溶剤により、保護フィルム(81)に接する部位の金属粒子の凝集を抑制することが可能である。したがって、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを防止することが可能である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明の素板の製造方法では、ビアホール形成工程では、レーザ光を照射してビアホール(24)を形成することを特徴としている。
【0012】
有底状のビアホール(24)をレーザ光の照射により形成したときには、ビアホール(24)は底面の径よりも保護フィルム(81)形成面の径の方が大きくなり、導電ペースト(50a、50b)は、端部が保護フィルム(81)により持ち上げられ易い形状となる。したがって、本発明によれば、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを防止することができる効果は非常に大きい。
【0013】
また、請求項3に記載の発明の素板の製造方法では、第2の有機溶剤は、第1の有機溶剤より沸点が高いことを特徴としている。
【0014】
これによると、第2充填工程において追加充填された第2の導電ペースト(50b)に含まれる第2の有機溶剤により、保護フィルム(81)に接する部位の金属粒子の凝集を確実に抑制することが可能である。したがって、第2充填工程後、保護フィルム(81)の剥離までに時間を要したとしても、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを確実に防止することが可能である。
【0015】
また、請求項4に記載の発明の素板の製造方法では、第1の有機溶剤と第2の有機溶剤とは、相溶性を有することを特徴としている。
【0016】
これによると、第2の導電ペースト(50b)中の第2の有機溶剤が第1の導電ペースト(50a)中に拡散し易い。したがって、保護フィルム(81)に接する部位に第1の導電ペースト(50a)が存在したとしても、第1の導電ペースト(50a)の第1の金属粒子の凝集を抑制することが可能である。このようにして、保護フィルム(81)を絶縁基材(23)から剥離するときに、導電ペースト(50a、50b)がビアホール(24)から脱離することを一層確実に防止することが可能である。
【0017】
また、請求項5に記載の発明の素板の製造方法では、第2の金属粒子は、第1の金属粒子と同一構成であることを特徴としている。
【0018】
これによると、多層基板(100)を製造するときに、第1の有機溶剤および第2の有機溶剤を乾燥すれば、ビアホール(24)内の導電ペースト(50a、50b)の組成を均一にすることが可能である。
【0019】
また、請求項6に記載の発明の素板の製造方法では、保護フィルム(81)の粘着剤層(83)は、紫外線の照射により粘着力が低下する粘着剤からなることを特徴としている。
【0020】
これによると、保護フィルム(81)の剥離前に粘着力を低下させるために紫外線が照射されるが、加熱され難いので、第2の有機溶剤の乾燥を抑制することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明の多層基板の製造方法では、
請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法により製造された素板(21)の絶縁基材(23)より、第2の有機溶剤が乾燥する前に、保護フィルム(81)を剥離する剥離工程と、
保護フィルム(81)が剥離された素板(21)を複数枚積層する積層工程と、
積層工程の後で、導体パターン(22)の層間を第1の導電ペースト(50a)および第2の導電ペースト(50b)により層間接続するとともに、素板(21)相互を接着する接着工程とを備えることを特徴としている。
【0022】
これによると、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の製造方法により製造された素板(21)を用いて、導体パターン(22)の層間を確実に接続した多層基板(100)を製造することが可能である。
【0023】
また、請求項8に記載の発明の多層基板の製造方法では、絶縁基材(23)は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(23)であり、接着工程では、各樹脂フィルム(23)相互の接着を行なうことを特徴としている。
【0024】
これによると、絶縁基材(23)である樹脂フィルム(23)は熱可塑性樹脂により形成されているので、複数枚の樹脂フィルム(23)を相互に容易に接着できる。したがって、容易に多層基板(100)を得ることが可能である。
【0025】
また、請求項9に記載の発明の多層基板の製造方法では、接着工程では、素板積層体の両面から加圧しつつ加熱することにより、樹脂フィルム(23)相互の接着および導体パターン(22)の層間接続を行なうことを特徴としている。
【0026】
これによると、絶縁基材(23)である複数枚の樹脂フィルム(23)を一括して接着し、同時に導体パターン(22)の層間を接続することができる。したがって、少ない加工工数で多層基板(100)を得ることが可能である。
【0027】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0029】
図1および図2は、本実施形態における多層基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0030】
図1(a)において、21は絶縁基材である樹脂フィルム23の片面に貼着された導体箔(本例では厚さ18μmの銅箔)をエッチングによりパターン形成した導体パターン22を有する片面導体パターンフィルムである。本例では、樹脂フィルム23としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜75μmの熱可塑性樹脂フィルムを用いている。
【0031】
図1(a)に示すように、導体パターン22の形成が完了すると、次に、図1(b)に示すように、片面導体パターンフィルム21の導体パターン22が形成された面と対向する面に保護フィルム81をラミネータ等を用いて貼着する。
【0032】
図1(b)には図示していないが、保護フィルム81は、図3(a)に示すように、樹脂フィルム82と、この樹脂フィルム82の樹脂フィルム23への貼着面側にコーティングされた粘着剤層83とからなる。粘着剤層83を形成する粘着剤は、アクリレート樹脂を主成分とする所謂紫外線硬化型の粘着剤であり、紫外線が照射されると架橋反応が進行し、粘着力が低下する特性を有するものである。
【0033】
本例では、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂フィルム82に厚さ5μmの粘着剤層をコーティングした保護フィルム81を採用している。樹脂フィルムの厚さが8μm未満であると、保護フィルムのハンドリング性が悪化する。また、樹脂フィルムの厚さが50μmを超えると、後述する保護フィルム剥離時に保護フィルム81と導電ペースト50a、50bとの接触面積が増大し好ましくない。上記両要因を考慮すると、樹脂フィルム82の厚さは12μm前後が特に好ましい。
【0034】
図1(b)に示すように、保護フィルム81の貼着が完了すると、次に、図1(c)に示すように、保護フィルム81側から炭酸ガスレーザを照射して、樹脂フィルム23に導体パターン22を底面とする有底状ビアホールであるビアホール24を形成する。導体パターン22のビアホール24の底面となる部位は、後述する導体パターン22の層間接続時に電極となる部位である。なお、ビアホール24の形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、導体パターン22に穴を開けないようにしている。
【0035】
このとき、当然ではあるが、保護フィルム81にも開口81aが形成される。開口81aを含むビアホール24の形状は、レーザ光照射の影響により、図示するように、略逆円錐台形状となる。すなわち、ビアホール24の底面の径よりも開口81aの径の方が大きい形状となる。
【0036】
ビアホール24の形成には、炭酸ガスレーザ以外にYAGレーザ等の紫外線レーザが使用可能である。レーザビームで穴あけ加工すると、微細な径で穴あけでき、導体パターン22にダメージを与えることが少ないため好ましい。
【0037】
図1(c)に示すように、ビアホール24の形成が完了すると、次に、図1(d)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料として第1の導電ペーストである導電ペースト50aを充填する。導電ペースト50aは、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子300gとに、有機溶剤であるテレピネオール30gを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。この錫粒子および銀粒子が本実施形態における第1の金属粒子であり、テレピネオールが本実施形態における第1の有機溶剤である。
【0038】
導電ペースト50aは、スクリーン印刷機により、保護フィルム81の開口81a側から片面導体パターンフィルム21のビアホール24内に印刷充填される。ビアホール24内への導電ペースト50aの充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法も可能である。なお、本例では、ビアホール24は有底ビアホールであるため、導電ペースト50aを確実に充填することが容易である。
【0039】
なお、図1(d)では、導電ペースト50aの有機溶剤が乾燥して若干体積を収縮した状態を図示している。
【0040】
ビアホール24内への導電ペースト50aの充填が完了すると、次に、図1(e)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料として第2の導電ペーストである導電ペースト50bを追加充填する。導電ペースト50bは、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子(導電ペースト50aの錫粒子に同じ)300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子(導電ペースト50bの銀粒子に同じ)300gとに、有機溶剤であるテトラエチレングリコール120gを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。この錫粒子および銀粒子が本実施形態における第2の金属粒子であり、テトラエチレングリコールが本実施形態における第2の有機溶剤である。
【0041】
導電ペースト50bは、スクリーン印刷機により、保護フィルム81の開口81a側から片面導体パターンフィルム21のビアホール24内に導電ペースト50aを押し込むように印刷充填される。ビアホール24内への導電ペースト50bの充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、導電ペースト50aと同様に、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法も可能である。
【0042】
ここで、ペースト化のために添加する有機溶剤として、導電ペースト50aではテレピネオール(沸点219℃)を、導電ペースト50bではテトラエチレングリコール(沸点323℃)を用いており、この両有機溶剤は相溶性がある。したがって、ビアホール24内に導電ペースト50bを追加充填するときに、導電ペースト50aに乾燥していないテレピネオールが残留していたとしても、導電ペースト50bのテトラエチレングリコールが導電ペースト50aの金属粒子間に進入し易い。
【0043】
また、ペースト化のために添加する有機溶剤として、導電ペースト50aではテレピネオール以外を用いることも可能であるが、沸点が150〜300℃の有機溶剤を用いることが好ましい。沸点が150℃未満の有機溶剤は乾燥し易く好ましくない。また、ビアホール24内への印刷充填前において導電ペースト50aの粘度の経時変化が大きくなるという不具合を発生し易い。一方、沸点が300℃を超える有機溶剤では、乾燥に要する時間が長くなり、後述する層間接続時の真空加熱プレス工程において、ビアホール24内の底部等に有機溶剤が残留する場合があり好ましくない。
【0044】
導電ペースト50bではテトラエチレングリコール以外を用いることも可能であるが、導電ペースト50aの有機溶剤と相溶性を有するとともに、導電ペースト50aの有機溶剤より沸点が高い有機溶剤が好ましく、沸点が300℃を超える有機溶剤を用いることがより好ましい。これにより、乾燥に要する時間が長くなり、後述する保護フィルム81を剥離するまでの許容時間が長くなるという利点がある。
【0045】
また、本例では、導電ペースト50a、50bを構成する金属粒子として、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子と、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子とを用いたが、これらの金属粒子は、平均粒径が0.5〜20μmであるとともに、比表面積が0.1〜1.5m2/gであることが好ましい。
【0046】
金属粒子の平均粒径が0.5μm未満であったり、比表面積が1.5m2/gを超える場合には、ビアホール充填に適した粘度にペースト化するために多量の有機溶剤を必要とする。多量の有機溶剤を含んだ導電ペーストは層間接続時の真空加熱プレス工程において有機溶剤が残留すると、ビアホール24内にボイドが発生し易く、層間接続信頼性を低下させる。
【0047】
一方、金属粒子の平均粒径が20μmを超えたり、比表面積が0.1m2/g未満の場合には、ビアホール24内に充填し難くなるとともに、金属粒子が偏在し易くなり、加熱しても均一な合金からなる後述する導電性組成物51を形成し難く、層間接続信頼性を確保し難いという問題があり好ましくない。
【0048】
また、ビアホール24内へ導電ペースト50aを充填する前に、導体パターン22のビアホール24に面する部位を薄くエッチング処理したり還元処理してもよい。これによると、後述するビア接続が一層良好に行なわれる。
【0049】
以上の工程により、後述する多層基板100を構成する素板であるビアホール24内に導電ペースト50a、50bが充填された片面導体パターンフィルム21が得られる。
【0050】
ビアホール24内への導電ペースト50bの充填が完了すると、紫外線ランプを用い保護フィルム81側から紫外線を照射する。これにより、図3(a)に図示した保護フィルム81の粘着剤層83が硬化され粘着剤層83の粘着力が低下する。本例では、紫外線照射前の樹脂フィルム23からの剥離強度が3N/25mmであるものが、紫外線照射後には0.2N/25mmに低下する保護フィルム81を採用した。
【0051】
保護フィルム81への紫外線照射が完了すると、片面導体パターンフィルム21から保護フィルム81を剥離除去し、図1(f)に示すようなビアホール24内に導電ペースト50a、50bを充填配置した片面導体パターンフィルム21を得る。保護フィルム81を剥離除去するとき、図3(b)に示す粘着剤層83は粘着力が低下しているので、樹脂フィルム23に大きなストレスを加えることなく容易に保護フィルム81を剥離することができる。
【0052】
粘着剤層83を形成する粘着剤は熱硬化型ではないので、粘着剤層83の粘着力低下のために加熱する必要もない。また、導電ペースト50bを乾燥する工程も設けていない。したがって、保護フィルム81を片面導体パターンフィルム21から剥離するときには、保護フィルム81近傍の導電ペースト50a、50bには有機溶剤(テトラエチレングリコール)が残っており、金属粒子は凝集していない(金属粒子が移動し易い状態にある)。
【0053】
このように、導電ペースト50a、50bの保護フィルム81近傍に有機溶剤が残っている状態(乾燥する前の状態)で片面導体パターンフィルム21から保護フィルム81を剥離するので、図3(b)に示すように、導電ペースト50a、50bが保護フィルム81により持ち上げられビアホール24から脱離するという不具合は発生しない。
【0054】
図1(f)に示すようなビアホール24内に導電ペースト50a、50bを充填した片面導体パターンフィルム21が得られると、図2(g)に示すように、片面導体パターンフィルム21を複数枚(本例では4枚)積層する。このとき、下方側の3枚の片面導体パターンフィルム21は導体パターン22が設けられた側を下側として、上方側の1枚の片面導体パターンフィルム21は導体パターン22が設けられた側を上側として積層する。
【0055】
すなわち、上側の2枚の片面導体パターンフィルム21を導体パターン22が形成されていない面同士を向かい合わせて積層し、残りの2枚の片面導体パターンフィルム21は、導体パターン22が形成された面と導体パターン22が形成されていない面とが向かい合うように積層する。
【0056】
そしてさらに、積層された複数層の片面導体パターンフィルム21の上方側には、最上層の導体パターン22を覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36aを積層し、積層された複数層の片面導体パターンフィルム21の下方側には、最下層の導体パターン22を覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36bを積層する。
【0057】
カバーレイヤー36aには、最上層の導体パターン22の電極となるべき位置に対応して、開口39aが穴あけ加工されている。また、カバーレイヤー36bには、最下層の導体パターン22の電極となるべき位置に対応して、開口39bが穴あけ加工されている。本例では、カバーレイヤー36a、36bには、樹脂フィルム23と同じ熱可塑性樹脂材料であるポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いている。
【0058】
図2(g)に示すように片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36bを積層したら、これらの上下両面から真空加熱プレス機により加熱しながら加圧する。本例では、250〜350℃の温度に加熱し1〜10MPaの圧力で10〜20分間加圧した。
【0059】
これにより、図2(h)に示すように、各片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36b相互が接着される。樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bが熱融着して一体化するとともに、ビアホール24内の導電ペースト50a、50bが焼結して一体化した導電性組成物51となり、隣接する導体パターン22間を層間接続した多層基板100が得られる。導電ペースト50aと導電ペースト50bとは、金属粒子の組成が同一であるので、ビアホール24内において均一な導電性組成物51が形成される。
【0060】
ここで、導体パターン22の層間接続のメカニズムを簡単に説明する。ビアホール24内に充填された導電ペースト50a、50bは、まず、真空加熱プレス機により加熱されるとともに減圧されることにより有機溶剤であるテトラエチレングリコールが(テレピネオールが若干残留している場合はテレピネオールも)蒸発乾燥し、錫粒子と銀粒子とが混合された状態にある。そして、次に、このペースト50a、50bが加圧されつつ250〜350℃に加熱されると、錫粒子の融点は232℃であり、銀粒子の融点は961℃であるため、錫粒子は融解し、銀粒子の外周を覆うように付着する。
【0061】
この状態で加熱が継続すると、融解した錫は、銀粒子の表面から拡散を始め、錫と銀との合金(融点480℃)を形成する。このとき、導電ペースト50a、50bには1〜10MPaの圧力が加えられているため、錫と銀との合金形成に伴い、ビアホール24内には、焼結により一体化した合金からなる導電性組成物51が形成される。
【0062】
ビアホール24内で導電性組成物51が形成されているときには、この導電性組成物51は加圧されているため、導体パターン22のビアホール24の底部を構成している面に圧接される。これにより、導電性組成物51中の錫成分と、導体パターン22を構成する銅箔の銅成分とが相互に固相拡散し、導電性組成物51と導体パターン22との界面に固相拡散層を形成して電気的に接続する。
【0063】
すなわち、導体パターン22の層間では、焼結一体化した導電性組成物51と固相拡散層とにより、接触導通によらない確実な層間接続が行なわれる。
【0064】
樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bとは同じ熱可塑性樹脂材料によって形成されており、真空加熱プレス機により加圧しつつ加熱されているとき、樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bの弾性率は約5〜40MPaに低下している。また、導体パターン22および導電性組成物51は、250℃以上に加熱されることで表面の活性度が向上している。従って、各樹脂フィルム23相互を確実に接着できるとともに、導体パターン22および導電性組成物51と樹脂フィルム23とを確実に接着することができる。
【0065】
なお、加熱プレス時の樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bの弾性率は1〜1000MPaであることが好ましい。弾性率が1000MPaより大きいと樹脂フィルム23間等が熱融着し難く、加圧により導体パターン22に大きな応力が加わり断線等の不具合が発生し易い。また、弾性率が1MPaより小さいと加圧により樹脂フィルム等が流れ易く、導体パターン22が移動したりして多層基板100を形成し難い。
【0066】
なお、図1(b)に示す工程が本実施形態における保護フィルム形成工程、図1(c)に示す工程が本実施形態におけるビアホール形成工程、図1(d)に示す工程が本実施形態における第1充填工程、図1(e)に示す工程が本実施形態における第2充填工程である。また、図1(f)(図3(b))に示す工程が本実施形態における剥離工程、図2(g)に示す工程が本実施形態における積層工程、図2(h)に示す工程が本実施形態における接着工程である。
【0067】
上述の製造方法によれば、図3(b)に示す片面導体パターンフィルム21からの保護フィルム81を剥離する時に、保護フィルム81近傍(保護フィルム81に接する部位)の金属粒子の凝集を抑制することができる。したがって、保護フィルム81を剥離するときに、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することを防止することができる。このようにして、多層基板100の層間接続不良の発生を防止することができる。
【0068】
また、導電ペースト50bには有機溶剤として比較的高沸点であるテトラエチレングリコールを採用している。したがって、保護フィルム81に接する部位の金属粒子の凝集を長時間に渡り抑制することができる。これにより、導電ペースト50bを充填した後、保護フィルム81の剥離までに時間を要したとしても、保護フィルム81を片面導体パターンフィルム21から剥離するときに、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することを確実に防止することができる。
【0069】
また、テレピネオールとテトラエチレングリコールとは相溶性があるので、保護フィルム81近傍の導電ペースト50aにテレピネオールが若干残留していたとしても、導電ペースト50bのテトラエチレングリコールが導電ペースト50aの金属粒子間に進入し、導電ペースト50aの金属粒子の凝集を抑制することができる。
【0070】
また、図2(g)に示す積層工程では、導電ペースト50a、50bの樹脂フィルム23から露出した部分が有機溶剤を含有しているので、導電ペースト50a、50bが崩れて落下することを防止できる。
【0071】
また、粘着剤層83が紫外線で硬化する所謂紫外線硬化型の保護フィルム81を採用しているので、所謂熱硬化型の保護フィルムのように加熱する必要がない。したがって、保護フィルム81を剥離する前の導電ペースト50b中のテトラエチレングリコールの蒸発乾燥を抑制することができる。
【0072】
また、1回の真空加熱プレスにより各片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36a、36b相互の接着と、導体パターン22の層間接続とを一括して行なうことができる。従って、多層基板100の製造工程を簡素化することができる。
【0073】
なお、本発明者らは、以下の試験1〜4の4つの評価試験を実施し、いずれにおいても、導電ペースト50a、50bがビアホール24から脱離することがないことを確認している。試験1では、第1充填工程→10分経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程を実施した。試験2では、第1充填工程→10分経過→第2充填工程→20時間経過→剥離工程を実施した。試験3では、第1充填工程→20時間経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程を実施した。試験4では、第1充填工程→10分経過→剥離工程(紫外線照射のみ)→10分経過→第2充填工程→10分経過→剥離工程(剥離のみ)を実施した。このように、第2充填工程を採用することで、工程間の自由度が向上することを確認している。
【0074】
(他の実施形態)
上記一実施形態において、第1の有機溶剤(テレピネオール)と第2の有機溶剤(テトラエチレングリコール)とを異なる溶剤としたが、同一の溶剤であってもよい。例えば、両者にテレピネオールを採用し、すなわち、導電ペースト50aと導電ペースト50bとを同一組成の導電ペーストとし、第2充填工程を剥離工程の直前に実施するものであってもよい。第2充填工程と剥離工程との間の時間的な余裕は小さくなるが、第1充填工程と第2充填工程とに同一の導電ペーストを採用するので、製造工程をシンプルにすることが可能である。
【0075】
また、上記一実施形態において、導電ペースト50a、50bは、金属粒子(錫粒子と銀粒子)と有機溶剤(テレピネオールもしくはテトラエチレングリコール)のみからなるものであったが、例えば、導電ペースト50a、50b中にバインダ成分等の樹脂成分を添加したものであってもよい。
【0076】
また、上記一実施形態において、保護フィルム81の樹脂フィルム82には、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いたが、穴あけ加工が容易に行なえるものであれば、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム等の他のフィルムを採用することもできる。
【0077】
また、上記一実施形態において、樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bとしてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いたが、これに限らず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂に非導電性フィラを充填したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)を単独で使用することも可能である。
【0078】
さらに、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドまたは所謂液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。加熱プレス時の加熱温度において弾性率が1〜1000MPaであり、後工程である半田付け工程等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いることができる。
【0079】
また、上記一実施形態において、積層した片面導体パターンフィルム21の外側にカバーレイヤー36a、36bを積層したが、最も外側に配置された片面導体パターンフィルム21の導体パターン22が電極部のみで形成されている場合等には、カバーレイヤーを廃止するものであってもよい。
【0080】
また、上記一実施形態において、多層基板製造時に、図2(g)に示すように片面導体パターンフィルム21を積層したが、層間接続が必要な多層基板を得るための構成であれば、この積層パターンに限定されるものではない。
【0081】
また、上記一実施形態において、多層基板100は4層基板であったが、複数の導体パターン層を有するものであれば、層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の多層基板の概略の製造工程の一部を示す工程別断面図であり、(a)は片面導体パターンフィルム21を示す図、(b)は保護フィルム形成工程を示す図、(c)はビアホール形成工程を示す図、(d)は第1充填工程を示す図、(e)は第2充填工程を示す図、(f)は剥離工程を示す図である。
【図2】本発明における一実施形態の多層基板の概略の製造工程の一部(図1に示した工程に続く工程)を示す工程別断面図であり、(g)は積層工程を示す図、(h)は接着工程を示す図である。
【図3】本発明における一実施形態の多層基板の製造工程において、(a)は保護フィルムの剥離前の状態、(b)は保護フィルムの剥離後の状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
21 片面導体パターンフィルム(素板)
22 導体パターン
23 樹脂フィルム(絶縁基材)
24 ビアホール
50a 導電ペースト(第1の導電ペースト)
50b 導電ペースト(第2の導電ペースト)
51 導電性組成物
81 保護フィルム
82 樹脂フィルム
83 粘着剤層
100 多層基板
Claims (9)
- 多層基板(100)を構成する素板(21)の製造方法であって、
粘着剤層(83)を有する保護フィルム(81)を、絶縁基材(23)の表面に形成する保護フィルム形成工程と、
前記保護フィルム(81)および前記絶縁基材(23)を穴あけして導体パターン(22)を底面とする有底状のビアホール(24)を形成するビアホール形成工程と、
第1の金属粒子と第1の有機溶剤とを有する第1の導電ペースト(50a)を、前記絶縁基材(23)に形成された前記ビアホール(24)内に充填する第1充填工程と、
前記第1充填工程の後で、第2の金属粒子と第2の有機溶剤とを有する第2の導電ペースト(50b)を、前記絶縁基材(23)に形成された前記ビアホール(24)内に追加充填する第2充填工程とを備えることを特徴とする多層基板用素板の製造方法。 - 前記ビアホール形成工程では、レーザ光を照射して前記ビアホール(24)を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層基板用素板の製造方法。
- 前記第2の有機溶剤は、前記第1の有機溶剤より沸点が高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層基板用素板の製造方法。
- 前記第1の有機溶剤と前記第2の有機溶剤とは、相溶性を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法。
- 前記第2の金属粒子は、前記第1の金属粒子と同一構成であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法。
- 前記粘着剤層(83)は、紫外線の照射により粘着力が低下する粘着剤からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の多層基板用素板の製造方法により製造された素板(21)の前記絶縁基材(23)より、前記第2の有機溶剤が乾燥する前に、前記保護フィルム(81)を剥離する剥離工程と、
前記保護フィルム(81)が剥離された前記素板(21)を複数枚積層する積層工程と、
前記積層工程の後で、前記導体パターン(22)の層間を前記第1の導電ペースト(50a)および前記第2の導電ペースト(50b)により層間接続するとともに、前記素板(21)相互を接着する接着工程とを備えることを特徴とする多層基板の製造方法。 - 前記絶縁基材(23)は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(23)であり、
前記接着工程では、各樹脂フィルム(23)相互の接着を行なうことを特徴とする請求項7に記載の多層基板の製造方法。 - 前記接着工程では、前記素板積層体の両面から加圧しつつ加熱することにより、前記樹脂フィルム(23)相互の接着および前記導体パターン(22)の層間接続を行なうことを特徴とする請求項8に記載のプリント基板の製造方法。
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