JP3945316B2 - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体素子や電気素子(コンデンサ素子、抵抗素子等)を高密度に実装するために、それら素子間の接続や外部回路との接続を内層に形成した配線パターンを介して行う多層配線基板が知られている。このような多層配線基板は、例えば、銅箔等をパターニングして形成された配線パターンを有する熱可塑性樹脂フィルム(絶縁層)を積層した後に、加熱及び加圧を行うことにより一体化して形成することができる。
【0003】
上述した多層配線基板において、積層方向に隣接する配線パターン間は、熱可塑性樹脂フィルムに形成したビアホール内に金属めっきや導電ペースト等の層間接続材料を充填することによって電気的に接続される。
【0004】
ここで、多層配線基板の内層における配線パターンも高密度に形成しようとした場合、積層方向においてビアホールを同軸上に形成することが有効である。このようにすると、ビアホール内に充填された層間接続材料と接続される配線パターンの接続ランドを、その両側に位置する層間接続材料との接続ランドとして共用しつつ、その面積を小さくすることができるので、接続ランドを除く配線パターンの形成領域を拡大することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、積層方向においてビアホールを同軸上に形成する場合に、変形性の乏しい層間接続材料が、複数層の熱可塑性樹脂フィルムに渡って連結されると、熱可塑性樹脂フィルムの積層体を加圧する時に、その連結される層間接続材料に過大な圧力が印加される場合がある。この場合、層間接続材料に割れ等が生じることもあり、万一割れが生じると、接続信頼性が大幅に低下してしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、配線パターンの高密度化を達成しつつ、層間接続の信頼性も確保することが可能な多層配線基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の多層配線基板は、熱可塑性樹脂からなる絶縁層とパターン形成された導電材料からなる導体層が交互に積層された多層配線基板において、
積層方向に隣接して配置される導体層の導電材料間を電気的に接続するために、絶縁層に形成されたビアホール内に充填される導電性組成物を有し、
絶縁層と導体層との積層方向において、導電性組成物が複数の絶縁層に渡って導電材料を介して連結される場合には、同軸上に形成する導電性組成物の数に制限を加え、その制限数を超えた導電性組成物は、同軸上に形成した導電性組成物と重ならない位置に形成したことを特徴とする。
【0008】
上述のように、層間接続材料としての導電性組成物は、基本的には複数の絶縁層に渡って同軸的に導電材料を介して連結されるように形成される。このため、導体層をなす導電材料を高密度にパターン形成することができる。ただし、同軸上に形成する導電性組成物の数が所定の制限数を超える場合には、その制限数を超える導電性組成物が、同軸上に形成した導電性組成物と重ならない位置に形成される。このため、積層された絶縁層及び導体層に圧力が加えられた場合でも、同軸上に配置された導電性組成物に過大な圧力が印加されることを防止することができるので、導電性組成物による層間接続の信頼性を確保することができる。
【0009】
請求項2に記載の多層配線基板は、絶縁層と導体層とを積層した状態で、その積層体に対して熱及び圧力を加えることにより、絶縁層同士が軟化して接着されるものであり、導電性組成物は、熱及び圧力により金属微粒子が焼結して構成されるものであって、絶縁層の軟化する温度は、金属微粒子が焼結される温度よりも高いことを特徴とする。
【0010】
絶縁層は熱可塑性樹脂によって構成されるので、その絶縁層は熱を加えることによって軟化する。そして、絶縁層が軟化した状態で、その絶縁層の積層体に圧力を加えると、絶縁層同士が接着する。このようにすれば、接着材等を用いることなく多層配線基板を形成することができる。
【0011】
また、上述したように導電性組成物として、金属微粒子からなる導電ペーストをビアホールに充填し、加熱及び加圧により、その金属微粒子を焼結すると、その焼結時に、導電材料との接合界面に金属拡散層が形成される。従って、層間接続材料としての導電性組成物と、導電層を構成する導電材料とが金属接合され、その接続信頼性を向上できる。
【0012】
ここで、上述した特性を備える絶縁層及び導電性組成物を用いる場合に、加熱温度の上昇に伴って金属微粒子の焼結が先に始まり、その後、絶縁層が軟化するものであると、同軸上に配置された導電性組成物に過大な圧力が印加されやすい。すなわち、金属微粒子が焼結されると、導電性組成物の硬度が増加する。さらに、導電性組成物は、絶縁層上に形成される導電材料を介して連結されるので、他の部位よりも厚さが厚くなる傾向にある。一方で、金属微粒子が焼結されたときに
、絶縁層の軟化の程度が小さいと、印加された圧力の大部分が同軸上に配置される導電性組成物に印加されることになる。このため、絶縁層の軟化する温度が、金属微粒子が焼結される温度よりも高い場合に、同軸上に配置する導電性組成物の数に制限を加えることがより効果的なのである。
【0013】
上述のような導電性組成物の例としては、請求項3に記載のように、少なくとも錫微粒子と錫よりも融点の高い金属微粒子とを含む導電ペーストを焼結することによって構成される導電性組成物を挙げることができる。錫微粒子の融点は232℃と比較的低温であるため、多層配線基板を形成するための加熱温度(例えば300〜350℃)で、錫微粒子は融解する。ここで、例えば、錫よりも融点の高い金属微粒子を含んでいると、錫の融解により両者の合金からなる導電性組成物が形成される。この導電性組成物は合金であるため、融点が錫よりも高くなり、その後、熱処理が行なわれても再溶融しにくくなるとの利点がある。
【0014】
上記した導電ペーストを用い、かつ錫の融点よりも高い温度で軟化する熱可塑性樹脂によって絶縁層を構成した場合、特に本発明が有効となる。すなわち、加熱温度が錫の融点に達すると、導電ペーストは、錫と錫よりも融点の高い金属微粒子との合金となる。このような錫合金の形成が絶縁層を構成する熱可塑性樹脂の軟化よりも先行して生じると、錫合金(導電性組成物)に過大な圧力が印加されてしまうのである。
【0015】
請求項5に記載したように、同軸上に連続して形成する導電性組成物の数を5以下に制限することが好ましい。上述のような絶縁層及び導電性組成物を用いた場合であっても、同軸上において連結される導電性組成物の数が5以下であれば、導電性組成物に割れ等が生じないことを確認したためである。
【0016】
請求項6から請求項10に記載の多層配線基板の製造方法は、請求項1から請求項5に記載した多層配線基板を製造するための方法に係わるものであり、その作用・効果については、上述した請求項1〜請求項5の作用・効果と類似するため、説明を省略する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜(e)は、第1の実施形態における多層配線基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0018】
図1(a)において、21は、絶縁層である樹脂フィルム23の片面に貼着された導体材料(本例では厚さ18μmの銅箔)をエッチングによりパターン形成した、ランド22a,22bを含む配線パターン22を有する片面パターンフィルムである。なお、導体材料としては、銅箔以外の金属箔を用いても良いし、さらに導体ペースト等を用いて、その導体ペーストを所定のパターン形状に印刷しても良い。導体材料は、エッチング精度等を考慮し、5〜30μmの厚さに形成されることが好ましい。
【0019】
本実施形態においては、樹脂フィルム23として、いわゆる液晶ポリマーからなる厚さ75μmの熱可塑性樹脂フィルムを用いている。この液晶ポリマーからなる樹脂フィルム23は、280〜300℃程度の温度で軟化する特性を有しており、複数枚の樹脂フィルム23を積層した積層体に対して、この軟化温度以上まで加熱した状態で圧縮方向の圧力を加えることにより、相互に接着することができる。なお、樹脂フィルム23の厚さは、フィルムのハンドリング性やビアホールの形成効率を考慮すると、10〜100μm程度が好ましい。
【0020】
図1(a)に示すように、配線パターン22の形成が完了すると、次に、図1(b)に示すように、樹脂フィルム23側から炭酸ガスレーザを照射して、配線パターン22のランド22a,22bを底面とする有底ビアホールであるビアホール24を形成する。ビアホール24の形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、配線パターン22のランド22a,22bに穴を開けないようにしている。ビアホール24の径は、50〜100μmである。
【0021】
図1(b)に示すように、ビアホール24の形成が完了すると、次に、図1(c)に示すように、ビアホール24内に層間接続材料である導電ペースト50を充填する。導電ペースト50は、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子300gとに、有機溶剤であるテルピネオール60gにエチルセルロース樹脂6gを溶解したものを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。
【0022】
ここで、エチルセルロース樹脂は、導電ペースト50に保形性を付与するために添加されており、この保形性付与材としては、例えばアクリル樹脂を採用することもできる。
【0023】
導電ペースト50は、メタルマスクを用いたスクリーン印刷機により、片面導体パターンフィルム21のビアホール24内に印刷充填され、その後、140〜160℃で約30分間テルピネオールを乾燥させる。ビアホール24内への導電ペースト50の充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法を採用しても良い。
【0024】
次に、図1(d)に示すように、片面パターンフィルム21を複数枚(本例では8枚)積層する。このとき、積層されるすべての片面パターンフィルム21は配線パターン22が設けられた側を上側として積層する。すなわち、片面パターンフィルム21は、配線パターン22が形成された面とそれらが形成されていない面とが向かい合うように積層される。
【0025】
図1(d)に示すように片面パターンフィルム21を積層したら、これらの上下両面から図示しない真空加熱プレス機により加熱しながら加圧する。本例では、片面パターンフィルム21の積層体を300〜350℃の温度に加熱しつつ、1〜10MPaの圧力で40〜60分間加圧した。
【0026】
これにより、図1(e)に示すように、各片面パターンフィルム21の樹脂フィルム23が軟化して塑性変形し、相互に接着される。樹脂フィルム23は全て同じ熱可塑性樹脂材料によって形成されているので、容易に一体化される。
【0027】
さらに、ビアホール24内の導電ペースト50が焼結して一体化した導電性組成物51となるとともに、さらに隣接する配線パターン22のランド22a、22bと拡散接合する。これにより、隣接する配線パターン22同士の層間接続が行なわれる。このような工程を経て、内層に配線パターン22を有する多層配線基板100が得られる。
【0028】
ここで、配線パターン22の層間接続のメカニズムを簡単に説明する。ビアホール24内に充填され、乾燥された導電ペースト50は、錫粒子と銀粒子とが混合された状態にある。そして、この導電ペースト50において、片面パターンフィルム21の積層体が室温から300〜350℃まで加熱されたとき、錫粒子の融点は232℃であり、銀粒子の融点は961℃であるため、加熱温度が230℃程度まで上昇したときから錫粒子が融解し始め、銀粒子の外周を覆うように付着する。
【0029】
そして、加熱が継続して行なわれると、融解した錫は、銀粒子の表面から拡散を始め、錫と銀の合金(融点480℃)を形成する。このとき、導電ペースト50には、1〜10MPaの圧力が加えられているため、錫と銀との合金形成に伴い、ビアホール24内には、焼結により一体化した合金からなる導電性組成物51が形成される。
【0030】
ビアホール24内で導電性組成物51が形成されているときには、この導電性組成物51は加圧されているため、配線パターン22のビアホール24の底部を構成しているランド22a,22bに圧接される。これにより、導電性組成物51の錫成分と、配線パターン22のランド22a,22bを構成する銅箔の銅成分とが相互に固相拡散し、導電性組成物51と配線パターン22のランド22a,22bとの界面に固相拡散層を形成して電気的に接続する。
【0031】
次に、本実施形態の特徴である、上述の製造工程によって製造される多層配線基板100における、導電性組成物51の形成位置について説明する。
【0032】
図1(e)に示すように、積層方向において隣接する配線パターン22を接続する導電性組成物51は、基本的には、複数の樹脂フィルム23に渡って同軸的に配線パターン22のランド22a,22bを介して連結されるように形成される(スタックドビア構造)。このため、配線パターン22を樹脂フィルム23上に高密度にパターン形成することができる。すなわち、スタックドビア構造を採用することにより、導電性組成物51に接続される導体パターン22のランド22aの面積を小さくすることができるので、ランド22aを除く導体パターン22の形成領域を拡大することができる。
【0033】
なお、ランド22aは、ビアホール24の形成位置に多少のずれが生じた場合であっても、導電性組成物51との接続が確保できるように、ビアホール24の径の3倍程度の径を有するように形成されている(例えば150〜300μm)。
【0034】
また、その形状は円形に形成されることが一般的であるが、楕円形、多角形等の形状であっても良い。
【0035】
しかしながら、スタックドビア構造によって連結される導電性組成物51の数が多くなると、片面導体パターンフィルム21の積層体に印加される圧力によって、導電性組成物51が大きな応力を受け、時には、導電性組成物51に割れ等が生じる。
【0036】
そのため、本実施形態においては、連結される導電性組成物51の数を制限し、その制限数を越える導電性組成物51に関しては、積層方向において、連結形成された導電性組成物51と重ならない位置に形成した。図1(e)に示す例では、連結形成される導電性組成物の制限数を5とし、その制限数を超える導電性組成物51に関しては、連結形成された導電性組成物51から積層方向においてずれた位置に形成されている。そして、これらの積層方向においてずれた位置に形成した導電性組成物51同士を接続するために、通常のランド22aよりも大きな面積を有するランド22bが、それらの間に配置されている。このランド22bは、円形、楕円形の形状を有するように、もしくは層間接続すべき導電性組成物51に対応する位置にそれぞれ円形部を有し、かつその2つの円形部を接続する接続部を有するように形成することができる。
【0037】
このように、同軸上に連結形成される導電性組成物51の数に制限を加えることにより、片面パターンフィルム21の積層体に圧力が加えられた場合でも、連結形成された導電性組成物51に過大な圧力が印加されることを防止することができる。従って、導電性組成物51の割れ等を防止することができ、層間接続の信頼性を確保することができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、樹脂フィルム23は液晶ポリマーから構成し、導電ペースト50は錫粒子と銀粒子とを混合して構成した。この場合、上述したように、加熱温度の上昇に伴って導電ペースト50の焼結が先に始まり(約230℃)、その後、樹脂フィルム23が軟化する(280〜300℃)。この結果、導電ペースト50の錫粒子と銀粒子とが焼結され、合金が形成されると、その硬度が増加する一方で、その際に樹脂フィルム23の軟化の程度が小さいと、印加された圧力の大部分が同軸上に連結形成された導電性組成物51に印加されることになる。これは、導電性組成物51が、樹脂フィルム23上に形成されたランド22a,22bを介して接続されるため、連結形成される導電性組成物51の厚さが他の部位よりも厚くなりやすいこと、及びその連結形成された導電性組成物51への印加圧力を緩和するように樹脂フィルム23が大きく変形することができないためである。
【0039】
このように、樹脂フィルム23の軟化する温度が、導電ペースト50が焼結される温度よりも高い場合には、連結形成される導電性組成物51に過大な圧力が印加されやすいので、連結形成する導電性組成物51の数に制限を加えることがより効果的である。
【0040】
本実施形態においては、連結形成する導電性組成物51の数を6以上とした場合、導電性組成物51に損傷を受けるものがあった。従って、本実施形態の構成においては、同軸上に連結形成する導電性組成物51の数を5以下に制限することが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図2(a),(b)に基づいて説明する。なお、本実施形態による多層配線基板101は、前述の第1の実施形態による多層配線基板100と共通する構成が多いため、同様の構成要素については同様の参照番号を付すことにより、その説明を省略する。
【0041】
本実施形態では、以下の2つの点において前述の第1の実施形態と異なる。すなわち、第1の相違点は、第1の実施形態では、片面パターンフィルム21が全て同じ向きに積層されていたのに対し、本実施形態においては、上方4枚の片面パターンフィルム21と下方4枚の片面パターンフィルム21とで、その積層方向における向きを異ならせている点である。これにより、多層配線基板101の両表面に配線パターン22を設けることができ、その両表面の配線パターン22を各種の素子の実装や他の基板との接続に利用でき、実装密度を向上することができる。
【0042】
この場合、多層配線基板101の中央部において、導電性組成物51同士が配線パターン22のランド22cを介することなく接続される。ここで、ビアホール24の径よりも大きな径を有するランド22cを介して導電性組成物51を連結することにより、片面パターンフィルム21の積層体に圧力が印加された場合に、連結形成される導電性組成物51が坐屈しにくいとの利点はある。しかしながら、図2(a),(b)に示すように、全ての導電性組成物51がランド22cを介して連結される必要はなく、ランド22cは複数の導電性組成物51に対して選択的に挿入されるものであっても良い。
【0043】
また、第2の相違点は、第1の実施形態においては、大小2種類のランド22a,22bを用いていたが、本実施形態においては、1種類の大きさのランド22cを用い、そのランド22cの範囲内で、導電性組成物51の形成位置をずらせた点である。
【0044】
このようにすると、ランド22cの形成領域を小さくすることができるため、配線パターン22の高密度化に効果がある。
【0045】
なお、製造方法に関しては、第1の実施形態による多層配線基板と同様である。
【0046】
(他の実施形態)
上記実施形態では、片面パターンフィルムを用いて多層配線基板を形成したが、片面パターンフィルム以外に、両面パターンフィルム、片面パターンフィルムおよび配線パターンを形成していない樹脂フィルムを適宜組み合わせて多層配線基板を形成しても良い。
【0047】
また、上記実施形態において、樹脂フィルムとして液晶ポリマーからなる樹脂フィルムを用いたが、これに限らず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムや、その樹脂フィルムに非導電性フィラを添加したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)のみからなる樹脂フィルムを使用することも可能である。
【0048】
さらに、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン熱可塑性ポリイミド等、他の熱可塑性樹脂を用いてもよい。加熱プレス時の加熱温度において弾性率が1〜1000MPaであり、後工程である半田付け工程等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いることができる。
【0049】
また、上記実施形態において、多層配線基板は8層基板であったが、層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は本発明の第1の実施形態による多層配線基板の概略の製造工程を示す工程別断面図である。
【図2】(a)、(b)は第2の実施形態による多層配線基板を説明するための、図1(d)、(e)に相当する工程別断面図である。
【符号の説明】
21 片面パターンフィルム
22 配線パターン
22a,22b,22c ランド
23 樹脂フィルム
24 ビアホール
50 導電ペースト
51 導電性組成物
100,101 多層配線基板
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂からなる絶縁層とパターン形成された導電材料からなる導体層が交互に積層された多層配線基板において、
積層方向に隣接して配置される導体層の導電材料間を電気的に接続するために、前記絶縁層に形成されたビアホール内に充填される導電性組成物を有し、
前記絶縁層と導体層との積層方向において、前記導電性組成物が複数の絶縁層に渡って前記導電材料を介して連結される場合には、同軸上に形成する導電性組成物の数に制限を加え、その制限数を超えた導電性組成物は、同軸上に形成した導電性組成物と重ならない位置に形成したことを特徴とする多層配線基板。 - 前記多層配線基板は、前記絶縁層と導体層とを積層した状態で、その積層体に対して熱及び圧力を加えることにより、前記絶縁層同士が軟化して接着されるものであり、
前記導電性組成物は、前記熱及び圧力により金属微粒子が焼結して構成されるものであって、
前記絶縁層の軟化する温度は、前記金属微粒子が焼結される温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。 - 前記導電性組成物は、少なくとも錫微粒子と錫よりも融点の高い金属微粒子とを含む導電ペーストを焼結することによって構成されることを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板。
- 前記絶縁層は、前記錫の融点よりも高い温度で軟化する熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の多層配線基板。
- 同軸上に連続して形成する導電性組成物の数を5以下に制限したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多層配線基板。
- 熱可塑性樹脂からなる複数枚の絶縁層と配線パターンとが交互に積層されるように、当該複数枚の絶縁層の所望の面に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
積層方向に隣接する配線パターン間を電気的に接続するために、前記絶縁層にビアホールを形成するとともに、そのビアホールに導電ペーストを充填する充填工程と、
前記配線パターンが形成され、かつ前記ビアホール内に導電ペーストが充填された複数枚の絶縁層を積層する積層工程と
前記絶縁層の積層体に対して熱及び圧力を加えることにより、絶縁層を軟化させて相互に接着し、多層構造の配線基板を形成する加熱・加圧工程とを備え、
前記充填工程において、前記絶縁層と導体層との積層方向に、複数の絶縁層に渡って連続的に前記ビアホールを形成する場合には、同軸上に形成するビアホールの数に制限を加え、その制限数を超えたビアホールは、同軸上に形成したビアホールと重ならない位置に形成することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記導電ペーストは金属微粒子を含み、前記熱及び圧力により当該金属微粒子が焼結されて導電性組成物となるものであって、
前記絶縁層の軟化する温度は、前記金属微粒子が焼結される温度よりも高いことを特徴とする請求項6に記載の多層配線基板の製造方法。 - 前記導電ペーストは、少なくとも錫微粒子と錫よりも融点の高い金属微粒子とを含むことを特徴とする請求項7に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記絶縁層は、前記錫の融点よりも高い温度で軟化する熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の多層配線基板の製造方法。
- 同軸上に連続して形成するビアホールの数を5以下に制限したことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
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