JP3956087B2 - プリント基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板の製造方法に関し、特に、両面プリント基板あるいは多層プリント基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、例えば特開2000−38464号公報に開示された技術がある。この技術は、まず、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの表面に形成された銅箔をエッチング処理することにより導体パターンを形成するとともに、この樹脂フィルムに形成されたビアホール内に導電ペーストを充填する。そしてその後、この樹脂フィルムを積層して両面から加圧しつつ加熱することによって、複数の導体パターン層を層間接続した多層プリント基板を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、樹脂フィルムの表面に導体パターンを形成するときには、エッチング処理前に、銅箔上にエッチングレジストをパターン形成したり、エッチング処理後に、エッチングレジストを除去する工程が必要である。このように導体パターンの形成工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、複数の導体パターン層を層間接続するプリント基板であっても、導体パターンの形成工程をシンプルにすることが可能なプリント基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、熱可塑性樹脂のみからなる樹脂フィルム(23)の片面のみの表面に、金属粒子(61,62)を含有する導電ペースト(50)を所望の導体パターン(51a)状に印刷する印刷工程と、前記樹脂フィルム(23)の所望の位置に形成されたビアホール(24)内に、前記金属粒子(61、62)と同一組成のものを含有する導電ペースト(50)を充填する充填工程とを同時に行い、
前記印刷工程および前記充填工程後に、前記樹脂フィルム(23)を積層するとともに、積層された複数層の前記樹脂フィルム(23)の外側に前記樹脂フィルム(23)の表面に印刷した導電ペースト(50)を覆うように前記樹脂フィルム(23)と同一の熱可塑性樹脂材料のみからなるカバーレイヤー(36a)を積層する積層工程と、
前記積層工程後に、基板両面から加圧しつつ加熱することにより、前記樹脂フィルム(23)の表面に印刷した導電ペースト(50)の層間を前記ビアホール(24)内に充填した導電ペースト(50)で接続しつつ、各樹脂フィルム(23)相互の接着を行なう接着工程とを備え、
前記パターン印刷される導電ペースト(50)、および前記ビアホール(24)内に充填される導電ペースト(50)は、それぞれ錫からなる第1金属粒子(61)と、前記接着工程における加熱温度より高い融点を有するとともに錫と合金を形成し得る銀からなる第2の金属粒子(62)とを含み、
前記接着工程において加圧しつつ加熱することにより、前記第1の金属粒子(61)を形成する錫と前記第2の金属粒子(62)を形成する銀とを合金化し、焼結により一体化した均一な合金からなる導電性組成物(51)を、前記樹脂フィルム(23)の表面および前記ビアホール(24)内に形成し、
前記接着工程では前記導体パターン(51a)となる前記導電性組成物(51)の焼結が進行しているときに前記導体パターン(51a)の収縮にあわせて前記カバーレイヤー(36a)および前記樹脂フィルム(23)の表面が常に前記導体パターン(51a)に圧接するように、加圧しつつ加熱するとともに、前記ビアホール(24)内においてビア(51b)となる前記導電性組成物(51)の焼結が進行していくときに、前記ビア(51b)の収縮にあわせて前記樹脂フィルム(23)の前記ビアホール(24)の壁面が前記樹脂フィルム(23)の延在方向に変形して常に前記ビア(51b)に圧接するように、加圧しつつ加熱し、かつ、前記樹脂フィルム(23)相互の接着と同時に、前記樹脂フィルム(23)と前記カバーレイヤー(36a)とを接着することを特徴としている。
【0006】
これによると、導電ペースト(50)をパターン印刷して得られる導体パターン(51a)の複数の層をビアホール(24)内に充填した導電ペースト(50)で層間接続したプリント基板を製造することができる。従って、導体パターン(51a)の形成にエッチング処理を行なう必要がない。このようにして、導体パターンの形成工程をシンプルにすることが可能となる。
また、導体パターン(51a)とビア(51b)は第1の金属粒子(61)を形成する錫と第2の金属粒子(62)を形成する銀との合金が焼結して一体化した導電性組成物(51)により形成される。従って、導体パターン(51a)、ビア(51b)およびこれらの接続部において電気的導通が一体化した均一な合金により行なわれ接触導通により行なわれることはないので、導体パターン抵抗値や層間接続抵抗値は変化し難い。このようにして、信頼性の高いプリント基板を製造することができる。
【0007】
また、接着工程では、導体パターンとなる導電組成物の焼結が進行していくときに、導体パターンの収縮にあわせて樹脂フィルム及びカバーレイヤーの表面が常に導体パターンに圧接するように、加圧しつつ加熱することが好ましいが、樹脂フィルム及びカバーレイヤー共に熱可塑性樹脂のみから成るため追随性がよく、焼結が良好に行われ、隙間を発生しない。
また、ビアホール内においてビアの収縮に合わせて樹脂フィルムのビアホール内壁が樹脂フィルムの延在方向に変形して常にビアに圧接するように、加圧しつつ加熱することがのぞましいが、樹脂フィルムが熱可塑性樹脂のみから成るため追随性がよく、焼結が良好に行われ、隙間を発生しない。
更に、樹脂フィルムと同一の熱可塑性材料からカバーレイヤーが形成されているため、樹脂フィルムとカバーレイヤー間の接着も良好なものとすることができる。
【0008】
一般的に、樹脂フィルムの両面に導電ペーストを印刷する場合には、一方の面に導電ペーストを印刷した後、この導電ペーストを乾燥してから他方の面に導電ペーストを印刷する必要がある。ところが、本発明によると、印刷工程において、樹脂フィルム(23)の両面に導電ペースト(50)を印刷する必要がない。従って、導体パターン(51a)の形成工程を一層シンプルにすることができる。
【0021】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本実施形態におけるプリント基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0024】
図1(a)において、23は絶縁基材である樹脂フィルムである。本例では、樹脂フィルム23としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜75μmの熱可塑性樹脂フィルムを用いている。
【0025】
樹脂フィルム23には、炭酸ガスレーザを照射して、直径が約100μmのビアホール24が形成されている。ビアホール24の形成には、炭酸ガスレーザ以外にエキシマレーザ等が使用可能である。また、レーザ加工以外のプレス抜き加工等のビアホール形成方法も可能である。
【0026】
図1(a)に示すように、樹脂フィルム23にビアホール24の形成が完了すると、次に、図1(b)に示すように、樹脂フィルム23に導電ペースト50を印刷する。樹脂フィルム23の片面(図中上面)に導電ペースト50aを後述する導体パターン51a状に印刷するのと同時に、ビアホール24内に導電ペースト50bを印刷充填する。導電ペースト50aおよび導電ペースト50bは、導電ペースト50からなり同一組成のペーストである。
【0027】
なおこのとき、樹脂フィルム23の下方には、ビアホール24の底部を印刷充填時のみ形成するように、補助シート(本例では紙製シート)25が配置されている。
【0028】
導電ペースト50は、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子(本実施形態の第1の金属粒子)300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子(本実施形態の第2の金属粒子)300gとに、有機溶剤であるテルピネオール60gにエチルセルロース樹脂6gを溶解したものを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。ここで、エチルセルロース樹脂は、印刷された導電ペースト50に保形性を付与するために添加されており、保形性付与剤としては、アクリル樹脂等を採用することもできる。
【0029】
導電ペースト50のパターン状印刷および導電ペースト50のビアホール24内への印刷充填は、スクリーン印刷機によるスクリーン印刷法により行なっている。ビアホール24の径は、本例では約100μmであったが、導電ペースト50をビアホール24内へスクリーン印刷法により印刷充填する場合には、ビアホールの径は20〜200μmであることが好ましい。
【0030】
スクリーン印刷法で導電ペースト50を印刷するときには、図2に示すように、メッシュ状の膜状部材に乳剤層がパターン形成され、乳剤パターン形成部81と乳剤層が形成されていないペースト透過部82とからなる印刷用のスクリーン80を用いる。
【0031】
そして、図2(a)に示すように、傾斜するとともに下方向に応力を付勢されたスキージ90を水平方向に(図中右方より左方に)移動させるさせることにより、スクリーン80上に配置された導電ペースト50をペースト透過部82から下方に押し出す。
【0032】
ペースト透過部82から押し出された導電ペースト50は、ペースト透過部82のパターンに応じて、後述する導体パターン状に樹脂フィルム23の上面に印刷されるとともに、ビアホール24内に充填される。なお、樹脂フィルム23の上面に印刷された導電ペースト50が前述の導電ペースト50aであり、ビアホール24内に充填された導電ペースト50が前述の導電ペースト50bである。
【0033】
このとき、スルーホール24の径が200μmより大きいと、図2(b)に示すように、スキージ90により一度ビアホール24内に充填された導電ペースト50は、下方向への付勢力によりビアホール24内に押し込まれたスキージ90の先端部により一部が持ち出されてしまう。従って、図2(c)に示すように、ビアホール24内への導電ペースト50の充填量が不充分になるという不具合が発生する。スルーホール24の径が200μm以下であれば、上記不具合は発生し難い。
【0034】
また、スルーホール24の径が20μmより小さいと、ビアホール内に導電ペースト50を確実に充填することができないという不具合が発生し易い。ビアホール24の径が20〜200μmであれば、スクリーン印刷法によって確実にビアホール24内に導電ペースト50を充填することができる。
【0035】
導電ペースト50の印刷が完了したら、図1(c)に示すように、補助シート25を剥離した後、100〜150℃で約10分間テルピネオールを乾燥させ、片面導体印刷フィルム33を得る。
【0036】
ここで、ペースト化のために添加する有機溶剤として、テルピネオール以外を用いることも可能であるが、沸点が150〜300℃の有機溶剤を用いることが好ましい。沸点が150℃未満の有機溶剤では、導電ペースト50の粘度の経時変化が大きくなるという不具合を発生し易い。一方、沸点が300℃を超える有機溶剤では、乾燥に要する時間が長くなり好ましくない。
【0037】
また、本例では、導電ペースト50を構成する金属粒子として、平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gの錫粒子と、平均粒径1μm、比表面積1.2m2/gの銀粒子とを用いたが、これらの金属粒子は、平均粒径が0.5〜20μmであるとともに、比表面積が0.1〜1.5m2/gであることが好ましい。
【0038】
金属粒子の平均粒径が0.5μm未満であったり、比表面積が1.5m2/gを超える場合には、パターン印刷やビアホール充填に適した粘度にペースト化するために多量の有機溶剤を必要とする。多量の有機溶剤を含んだ導電ペーストは乾燥に時間を要し、乾燥が不充分であると、後述する接着工程の加熱により多量のガスを発生するため、ビアホール24内にボイドが発生する等の不具合が発生し易い。
【0039】
一方、金属粒子の平均粒径が20μmを超えたり、比表面積が0.1m2/g未満の場合には、ビアホール24内に充填し難くなるとともに、金属粒子が偏在し易くなり、加熱しても均一な合金からなる後述する導電性組成物51を形成し難く、安定した導体抵抗値を確保し難いという問題があり好ましくない。
【0040】
導電ペースト50の乾燥が完了すると、図1(d)に示すように、片面導体印刷フィルム33を複数枚(本例では4枚)積層する。このとき、下方側の2枚の片面導体印刷フィルム33は導電ペースト50aが設けられた側を下側として、上方側の2枚の片面導体印刷フィルム33は導電ペースト50aが設けられた側を上側として積層する。
【0041】
すなわち、中央の2枚の片面導体印刷フィルム33を導電ペースト50aが形成されていない面同士を向かい合わせて積層し、残りの2枚の片面導体印刷フィルム33は、導電ペースト50aが形成された面と導電ペースト50aが形成されていない面とが向かい合うように積層する。
【0042】
そしてさらに、積層された複数層の片面導体印刷フィルム33の上方側には、最上層の導電ペースト50aを覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36aを積層し、積層された複数層の片面導体印刷フィルム33の下方側には、最下層の導電ペースト50aを覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36bを積層する。
【0043】
カバーレイヤー36aには、最上層の導電ペースト50aの電極となるべき位置に対応して、開口39aが穴あけ加工されている。また、カバーレイヤー36bには、最下層の導電ペースト50aの電極となるべき位置に対応して、開口39bが穴あけ加工されている。本例では、カバーレイヤー36a、36bには、樹脂フィルム23と同じ熱可塑性樹脂材料であるポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いている。
【0044】
図1(d)に示すように片面導体印刷フィルム33およびカバーレイヤー36a、36bを積層したら、これらの上下両面から真空加熱プレス機により加熱しながら加圧する。本例では、250〜350℃の温度に加熱し1〜10MPaの圧力で10〜20分間加圧した。
【0045】
これにより、図1(e)に示すように、各片面導体印刷フィルム33およびカバーレイヤー36a、36b相互が接着される。樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bが熱融着して一体化するとともに、樹脂フィルム23の表面の導電ペースト50aおよびビアホール24内の導電ペースト50bが焼結して一体化した導電性組成物51となり、導体パターン51aと、隣接する導体パターン51a間を層間接続するビア51bを備える多層のプリント基板100が得られる。
【0046】
樹脂フィルム23とカバーレイヤー36a、36bとは同じ熱可塑性樹脂材料によって形成されているので、加熱により軟化し、加圧されることで確実に一体化することができる。
【0047】
なお、上述の製造工程において、図1(b)に示す工程が本実施形態における印刷工程および充填工程であり、図1(d)に示す工程が本実施形態における積層工程、図1(d)に示す積層体を加熱プレスする工程が本実施形態における接着工程である。
【0048】
ここで、接着工程において樹脂フィルム23の表面の導電ペースト50aおよびビアホール24内の導電ペースト50bが焼結して一体化し、導電性組成物51となるメカニズムを図3に基づいて説明する。図3は樹脂フィルム23のビアホール24近傍の状態を模式的に示す部分拡大図である。
【0049】
樹脂フィルム23の表面に印刷された導電ペースト50aとビアホール24内に充填され導電ペースト50bからなる導電ペースト50は、乾燥され真空加熱プレス機により加熱される前には、図3(a)に示す状態にある。すなわち、第1の金属粒子である錫粒子61と第2の金属粒子である銀粒子62とが混合された状態にある。
【0050】
そして、このペースト50が250〜350℃に加熱されると、錫粒子61の融点は232℃であり、銀粒子62の融点は961℃であるため、錫粒子61は融解し、銀粒子62の外周を覆うように付着する。この状態で加熱が継続すると、融解した錫は、銀粒子62の表面から拡散を始め、錫と銀との合金(融点480℃)を形成する。
【0051】
このとき、導電ペースト50には1〜10MPaの圧力が加えられているため、錫と銀との合金形成に伴い、図3(b)に示すように、樹脂フィルム23の表面とビアホール24内には、焼結により一体化した合金からなる導電性組成物51(導体パターン51aおよびビア51b)が形成される。
【0052】
図3には図示していないが、ビアホール24の下方側には、図示した樹脂フィルム23と隣接して積層された樹脂フィルム23が配置され、この樹脂フィルム23に形成された導電性組成物51は、図示したビアホール24内の導電性組成物51と焼結一体化している。従って、ビアホール24の上下の導体パターン51a間は、導体パターン51aと一体化したビア51bにより電気的に接続される。
【0053】
このように、真空加熱プレス機で加圧されつつ加熱されることにより導電性組成物51の焼結が進行していくとき、導電性組成物51は収縮(焼結の進行に伴い容積が減少)していく。
【0054】
このとき絶縁基材である樹脂フィルム23は、真空加熱プレス機により加圧しつつ加熱されているので、導体パターン51aに圧接される。従って、焼結の進行による導体パターン51aの収縮にあわせて樹脂フィルム23の表面が常に導体パターン51aに当接するように進行していく。
【0055】
また、樹脂フィルム23は加熱プレスによりフィルムの延在方向に変形し、ビアホール24の周囲の樹脂フィルム23はビアホール24内に押し出されるように変形しようとする。樹脂フィルム23のビアホール24内への押し出し方向の変形は、焼結の進行によるビア51bの収縮にあわせてビアホール24の壁面が常にビア51bに当接するように進行していく。
【0056】
さらに、樹脂フィルム23は、250〜350℃に加熱されていることにより、樹脂フィルム23の弾性率は約5〜40MPaの範囲にまで低下している。また、導体パターン51aやビア51bは、250℃以上に加熱されることで表面の活性度が向上している。従って、導体パターン51aやビア51bと、これらに当接している樹脂フィルム23とを確実に接着することができる。
【0057】
なお、加熱プレス時の樹脂フィルム23の弾性率は1〜1000MPaであることが好ましい。樹脂フィルムの弾性率が1000MPaより大きいと接着し難く、1MPaより小さいと加圧により樹脂フィルムが流れ易くプリント基板100を形成し難い。
【0058】
上述の製造方法によれば、樹脂フィルム23の片面に導電ペースト50を導体パターン状に印刷する工程と、樹脂フィルム23のビアホール24内に導電ペースト50を印刷充填する工程とを同一工程で行ない、導電ペースト50を印刷した樹脂フィルム23である片面導体印刷フィルム33を積層加熱プレスして、導体パターン51aとビア51bとを焼結一体化した導電性組成物51で形成した多層のプリント基板100を得ることができる。
【0059】
従って、導体パターンの形成にエッチング処理を行なう必要がないので、製造工程をシンプルにすることが可能となる。
【0060】
また、導体パターン51aとビア51bとは錫と銀との合金が焼結一体化した導電性組成物51により形成される。従って、導体パターン51a、ビア51bおよびこれらの接続部において電気的導通が接触導通により行なわれることはないので、導体パターン抵抗値や層間接続抵抗値は変化し難く、信頼性の高いプリント基板を製造することができる。
【0061】
また、片面導体印刷フィルム33およびカバーレイヤー36a、36bの積層一体化と、導体パターン51aやビア51bの形成とを、加圧しつつ加熱することにより、同時に行なうことができる。従って、プリント基板100の加工工数が低減でき、製造コストを低減することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、接着工程における加熱温度を250〜350℃としたが、250℃より低い温度では樹脂フィルム23と導電性組成物51との接着強度が低く、信頼性の高いプリント基板100が得られず好ましくない。
【0063】
図4は、本発明者らが行なった樹脂フィルムと導電性組成物との密着性の評価結果であり、加熱プレス時の加熱温度と密着強度との関係を示すグラフである。
【0064】
評価方法を説明すると、本実施形態で用いた樹脂フィルム23と同一材質の樹脂フィルムの表面に、導電ペースト50を2mm角のサイズにスクリーン印刷し、これを前述の乾燥条件で乾燥した後、これを非着性の緩衝材を介して5MPaの圧力で加熱プレスして、樹脂フィルム上に導電性組成物を形成した。そして、2mm角の導電性組成物を樹脂フィルムの表面から鉛直方向に引き離すときの密着強度を測定した。
【0065】
加熱プレス時の加熱温度が250〜350℃であれば、良好な密着強度が得られることがわかる。
【0066】
(他の実施形態)
上記一実施形態では、樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36a、36bとしてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いたが、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂に非導電性フィラを充填したフィルムであってもよいし、熱可塑性ポリイミド、または所謂液晶ポリマー等を用いてもよい。250℃以上の温度で1〜1000MPaの弾性率を有する熱可塑性樹脂であれば好適に用いることができる。
【0067】
また、上記一実施形態では、第2の金属粒子として銀粒子を用いたが、接着工程の加熱温度において溶融せず錫と合金を形成できる金属からなる粒子であればよい。採用できる金属としては、銅(融点1083℃)、金(融点1063℃)、白金(融点1769℃)、パラジウム(融点1552℃)、ニッケル(融点1453℃)等がある。第2の金属粒子として、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよい。
【0068】
また、上記一実施形態において、導電ペースト50中の金属成分は、第1の金属粒子および第2の金属粒子のみであったが、錫と合金を形成しない金属粒子等を含むものであってもよい。例えば、導電性組成物51の熱膨張率を絶縁基材である樹脂フィルム23の熱膨張率近傍に調節することを目的に他の金属粒子や非導電性無機フィラ等を混合してもよい。ただし、導電性組成物51の一体化を阻害するほど多量に混入することは好ましくない。
【0069】
また、上記各実施形態において、プリント基板製造時に、図1(d)に示すように片面導体印刷フィルム33を積層したが、層間接続が必要な多層プリント基板もしくは両面プリント基板を得るための構成であれば、この積層パターンに限定されるものではない。
【0070】
また、上記一実施形態において、導電ペースト50は金属粒子61、62および保形性付与剤を溶解した有機溶剤により構成したが、導電ペースト50の固形分100重量%に対し分散剤を0.01〜1.5重量%添加してもよい。これによると、導電ペースト50中に金属粒子を均一に分散させ易くなる。ただし、分散剤の添加量が0.01%未満では分散効果が得られ難く、1.5重量%を超えると焼結により導電性組成物が一体化することを妨げやすい。なお、分散剤としては、例えば、リン酸エステルやステアリン酸エステル等を用いることができる。
【0071】
また、上記一実施形態において、プリント基板100は4層基板であったが、複数の導体パターン層を有するもの(すなわち、両面プリント基板もしくは多層プリント基板等)であれば、層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるプリント基板の概略の製造工程を示す工程別断面図である。
【図2】図1(b)に示す印刷および充填工程において、ビアホール径が200μmより大きい場合の印刷挙動を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるビアホール24近傍の状態を模式的に示す部分拡大図であり、(a)は導電ペースト50印刷後の状態、(b)は加熱プレス後の状態を示す。
【図4】樹脂フィルムと導電性組成物との密着性の評価結果を示すグラフである。
【符号の説明】
23 樹脂フィルム(絶縁基材)
24 ビアホール
33 片面導体印刷フィルム
36a、36b カバーレイヤー
50、50a、50b 導電ペースト
51 導電性組成物
51a 導体パターン
51b ビア
61 錫粒子(第1の金属粒子)
62 銀粒子(第2の金属粒子)
80 スクリーン
90 スキージ
100 プリント基板

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂のみからなる樹脂フィルム(23)の片面のみの表面に、金属粒子(61,62)を含有する導電ペースト(50)を所望の導体パターン(51a)状に印刷する印刷工程と、前記樹脂フィルム(23)の所望の位置に形成されたビアホール(24)内に、前記金属粒子(61、62)と同一組成のものを含有する導電ペースト(50)を充填する充填工程とを同時に行い、
    前記印刷工程および前記充填工程後に、前記樹脂フィルム(23)を積層するとともに、積層された複数層の前記樹脂フィルム(23)の外側に前記樹脂フィルム(23)の表面に印刷した導電ペースト(50)を覆うように前記樹脂フィルム(23)と同一の熱可塑性樹脂材料のみからなるカバーレイヤー(36a)を積層する積層工程と、
    前記積層工程後に、基板両面から加圧しつつ加熱することにより、前記樹脂フィルム(23)の表面に印刷した導電ペースト(50)の層間を前記ビアホール(24)内に充填した導電ペースト(50)で接続しつつ、各樹脂フィルム(23)相互の接着を行なう接着工程とを備え、
    前記パターン印刷される導電ペースト(50)、および前記ビアホール(24)内に充填される導電ペースト(50)は、それぞれ錫からなる第1金属粒子(61)と、前記接着工程における加熱温度より高い融点を有するとともに錫と合金を形成し得る銀からなる第2の金属粒子(62)とを含み、
    前記接着工程において加圧しつつ加熱することにより、前記第1の金属粒子(61)を形成する錫と前記第2の金属粒子(62)を形成する銀とを合金化し、焼結により一体化した均一な合金からなる導電性組成物(51)を、前記樹脂フィルム(23)の表面および前記ビアホール(24)内に形成し、
    前記接着工程では前記導体パターン(51a)となる前記導電性組成物(51)の焼結が進行しているときに前記導体パターン(51a)の収縮にあわせて前記カバーレイヤー(36a)および前記樹脂フィルム(23)の表面が常に前記導体パターン(51a)に圧接するように、加圧しつつ加熱するとともに、前記ビアホール(24)内においてビア(51b)となる前記導電性組成物(51)の焼結が進行していくときに、前記ビア(51b)の収縮にあわせて前記樹脂フィルム(23)の前記ビアホール(24)の壁面が前記樹脂フィルム(23)の延在方向に変形して常に前記ビア(51b)に圧接するように、加圧しつつ加熱し、かつ、前記樹脂フィルム(23)相互の接着と同時に、前記樹脂フィルム(23)と前記カバーレイヤー(36a)とを接着することを特徴とするプリント基板の製造方法。
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