JP2004127457A - 薄膜磁気ヘッド及び磁気テープ装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及び磁気テープ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録媒体に対してアジマス記録を行う際のサイドイレースの発生を抑制する。
【解決手段】インダクティブ型の薄膜磁気ヘッド20の媒体対向面20aにおいて、磁気ギャップGが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めに配置されると共に、当該ヘッドの走査方向において上部磁気コア層25が下部磁気コア層24よりも先行するリーディング側に位置しており、下部磁気コア層24側の突部24aは、そのトラック幅方向の少なくとも一側面がアジマス角以上となる角度θ,θで傾けられた傾斜面30a,30bとされ、この傾斜面30a,30bの延長線S,S上に上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端31a,31bが位置している。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成技術によって基板上に磁気コアやコイル等の各構成要素が積層されてなる薄膜磁気ヘッド、並びにそのような薄膜磁気ヘッドを磁気テープに対して信号の記録を行う記録ヘッドとして用いた磁気テープ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁気記録媒体に対して信号の記録を行う記録ヘッドとしては、磁性材料からなる一対の磁気コアを突き合わすことで磁路が形成されると共に、一対の磁気コアの突合せ面に微小隙間である磁気ギャップが形成され、この磁気コアに磁界発生のためのコイルが巻線されてなる、いわゆるバルク型磁気ヘッドが用いられている。
【0003】
また、近年の記録密度の高密度化に伴って、フェライト等からなる一対の磁気コアの突合せ面に高飽和磁束密度を有する金属磁性薄膜を成膜し、これら金属磁性薄膜を磁気ギャップとなる非磁性膜を介して突き合わせてなる、いわゆるメタル・イン・ギャップ(MIG:Metal In Gap)型磁気ヘッドが実用化されている。
【0004】
一般に、記録ヘッドは、コイルに対して記録信号に応じた電流を供給し、このコイルから発生する磁界によって、一対の磁気コアに磁束が流れると共に、磁気ギャップに記録磁界が発生し、この記録磁界を磁気記録媒体に対して印加することで信号の記録を行う。
【0005】
ところで、このような記録ヘッドでは、高記録密度化の要求に応えるために、トラック幅を狭くすると共に、このトラック幅精度の向上が益々重要となってきている。しかしながら、上述した磁気ヘッドでは、微細な加工を施して作製することに限界があり、高記録密度化に対応してトラック幅を狭くすることが非常に困難となってきている。
【0006】
そこで、高記録密度化に対応した記録ヘッドとして、薄膜形成技術によって基板上に各構成要素が積層されてなる、いわゆる薄膜磁気ヘッドが提案されている。この薄膜磁気ヘッドは、磁気コアやコイル等の各構成要素がメッキ法やスパッタ法、イオンミリング法等の薄膜形成技術により形成されるために、狭トラック化や狭ギャップ化等の微細寸法化が容易であり、小型化して磁気記録媒体に対する記録密度を高めること可能である等の利点を有している。
【0007】
ここで、薄膜磁気ヘッドの一構成例を図19、図20及び図21に示す。
【0008】
この薄膜磁気ヘッド100は、基板101上に、磁路を形成する下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とが積層されてなる。そして、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とは、それぞれ磁気記録媒体と対向する媒体対向面100a側の端部に、所定のトラック幅Tw’,Tw’で突出された突部102a,103aを有し、これら突部102a,103aが非磁性層104を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップG’が形成されている。また、媒体対向面100aからデプス方向に離間した他端部において、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とが接合されることでバックギャップが形成されている。そして、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103との間には、このバックギャップを中心に巻回された薄膜コイル105が非磁性層104に埋め込まれた状態で設けられている。そして、この薄膜コイル105の内周側の端部及び外周側の端部は、それぞれ媒体対向面100aとは反対側に向かって引き延ばされており、ここに、外部回路と接続される外部接続用端子105a,105bが設けられている。また、この基板101の最上層には、薄膜コイル105の外部接続用端子105a,105bが外部に臨む部分を除いて全面を被覆するように保護層106が設けられている。
【0009】
また、薄膜磁気ヘッド100の中には、図22に示すように、更なる高記録密度化に対応するために、トラック幅を狭くすると共に、下部磁気コア層102上に、上部磁気コア層103側の突部103aと対向する突部102bを突出させたものがある。この薄膜磁気ヘッド100では、下部磁気コア層102側の突部102bと上部磁気コア層103側の突部103aとが非磁性層104を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップG’が形成されると共に、これらの幅がトラック幅Tw’,Tw’となっている。このように、図22に示す薄膜磁気ヘッド100では、下部磁気コア層102側に上部磁気コア層103側の突部103aに対応した幅で突出された突部102bを設けることで、トラック幅方向の側面からの漏洩磁界、すなわちサイドフリンジング磁界を少なくすることができ、このサイドフリンジング磁界による影響を低減することによって、実効トラック幅の安定化が図られている。
【0010】
以上のような薄膜磁気ヘッド100では、薄膜形成技術によって基板上に各構成要素が形成されるため、狭トラック化が可能であり、更なる磁気記録媒体の高記録密度化に対応することが可能となっている。このため、薄膜磁気ヘッド100は、高密度磁気記録再生装置の記録ヘッドとして、当初はハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置に利用され、近年はビデオテープレコーダ(VTR:Video Tape Recorder)等の磁気テープ装置でも利用されつつある。
【0011】
ところで、上述したVTR等に代表される磁気テープ装置では、ヘリカルスキャン方式を採用するものが一般的となっている。このヘリカルスキャン方式を採用する磁気テープ装置では、磁気テープが回転ドラムの外周面に所定の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で走行される。また、この回転ドラムには、外周面から磁気ギャップが臨むように一対の記録ヘッドが取り付けられている。したがって、このヘリカルスキャン方式では、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動することによって、この回転ドラムに搭載された一対の記録ヘッドが磁気テープに対して斜めに走査されることになる。
【0012】
また、この磁気テープ装置では、回転ドラムに搭載された一対の記録ヘッドのうち、一方の記録ヘッドが、磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録ヘッドが、この記録トラックに隣接した位置に、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。そして、これら一対の記録ヘッドが磁気テープに対して繰り返し記録トラックを形成することによって、この磁気テープには、一方の記録ヘッドにより書き込まれた記録トラックと、他方の記録ヘッドにより書き込まれた記録トラックとが交互に形成されることになる。
【0013】
また、この磁気テープ装置では、先に書き込まれた記録トラックと若干重なるように次の記録トラックを書き込むことによって、隣接する記録トラック間の未記録領域、いわゆるガードバンドを無くし、磁気テープに対する記録密度を高めることが行われている。
【0014】
さらに、この磁気テープ装置において、一対の記録ヘッドは、互いの磁気ギャップがヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されており、互いのアジマス角を逆位相とすることによって、隣接する記録トラック間の干渉、いわゆるクロストークを極力抑えるようにしている。以上のような記録方法は、一般にアジマス記録と呼ばれている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−236605号公報(第4頁、第3図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなアジマス記録を行う磁気テープ装置では、記録ヘッドとして上述した薄膜磁気ヘッド100を用いた場合に、隣接する記録トラックの一部を消去してしまう、いわゆるサイドイレースが発生することがある。
【0017】
このサイドイレースは、アジマス角のないノンアジマス記録においては通常、上述したトラック幅方向の側面からの漏洩磁界、すなわちサイドフリンジング磁界によるものが主な原因であり、このようなサイドイレースが発生すると、再生ヘッドによって各記録トラックから十分な信号を読み出すことができず、S/N比(Signal−Noise ratio)が低下するといった問題が発生してしまう。さらに、アジマス記録の場合には、一対の記録ヘッドである薄膜磁気ヘッド100がアジマス角に応じて斜めに配置されるために、ノンアジマス記録の場合に比べて、トラック幅方向の側面に発生する漏洩磁界がサイドフリンジング磁界として、より顕著に影響を及ぼすことになる。
【0018】
また、上述した図22に示す薄膜磁気ヘッド100のように、サイドフリンジングによる影響が無視できる程度にまでサイドフリンジング磁界を小さくした場合でも、アジマス記録によってサイドイレースが発生することがある。
【0019】
詳述すると、この薄膜記録ヘッド100では、通常、ヘッドの走査方向において先行する側、いわゆるリーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、このリーディング側とは反対側、いわゆるトレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界が記録し直すことになる。そして、このアジマス記録の場合には、図23に示すように、薄膜磁気ヘッド100がアジマス角に応じて斜めに配置されるために、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bと、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aとの間で、ヘッドの走査方向と直交する方向、すなわちトラック幅方向のずれが発生してしまう。
【0020】
この場合、薄膜磁気ヘッド100によって磁気テープに形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界と、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界とのトラック幅方向のずれによって、下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Tw’と、上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Tw’との位相差を含んだ記録ビットが記録されてしまい、この記録ビットの実効トラック幅が狭くなるといった問題が発生してしまう。
【0021】
さらに、この薄膜磁気ヘッド100では、狭トラック化に伴って、サイドイレース領域がトラックピッチに対して次第に大きくなり、S/N比が益々悪くなるといった問題が発生してしまう。
【0022】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、磁気記録媒体に対してアジマス記録を行う場合でも、サイドイレースの発生を抑制することを可能とした薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は、そのような薄膜磁気ヘッドを磁気テープに対してアジマス記録を行う記録ヘッドとして用いることで、磁気テープに対する記録密度を高めることを可能とした磁気テープ装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、下部磁気コア層と上部磁気コア層とは、それぞれ磁気記録媒体と対向する媒体対向面側の端部に、磁気記録媒体に形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が非磁性層を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップが形成されると共に、下部磁気コア層と上部磁気コア層とが媒体対向面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドであって、媒体対向面において、磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めに配置されると共に、当該ヘッドの走査方向において上部磁気コア層が下部磁気コア層よりも先行する側に位置しており、下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面がアジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上部磁気コア層側の突部の磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴としている。
【0025】
以上のように、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、下部磁気コア層側の突部のトラック幅方向の少なくとも一側面が、アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされており、この傾斜面の延長線上に上部磁気コア層側の突部の磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることから、当該ヘッドの走査方向において先行する上部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、下部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界が、トラック幅方向に対して十分に記録し直すことによって、磁気記録媒体に形成される記録トラックにおいて、位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。
【0026】
また、本発明に係る磁気テープ装置は、磁気テープを走行させるテープ走行手段と、テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら信号の記録を行う記録ヘッドとを備え、記録ヘッドは、磁気テープに対する信号の記録を行う記録ヘッドとして、少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、下部磁気コア層と上部磁気コア層とは、それぞれ磁気テープと摺接される媒体摺接面側の端部に、磁気記テープに形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が非磁性層を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップが形成されると共に、下部磁気コア層と上部磁気コア層とが媒体摺接面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドである。そして、この薄膜磁気ヘッドは、媒体摺接面において、磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めに配置されると共に、当該ヘッドの走査方向において上部磁気コア層が下部磁気コア層よりも先行する側に位置しており、下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面がアジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上部磁気コア層側の突部の磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴としている。
【0027】
以上のように、本発明に係る磁気テープ装置では、薄膜磁気ヘッドにおいて、下部磁気コア層側の突部のトラック幅方向の少なくとも一側面が、アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上部磁気コア層側の突部の磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることから、当該ヘッドの走査方向において先行する上部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、下部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界が、トラック幅方向に対して十分に記録し直すことによって、この薄膜磁気ヘッドによって磁気記録媒体に形成される記録トラックにおいて、位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した薄膜磁気ヘッド及び磁気テープ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、本発明を適用した磁気テープ装置1は、ヘリカルスキャン方式によってテープカセット2に収納された磁気記録媒体である磁気テープ3に対して情報信号の記録又は再生を行うものであり、テープカセット2には、磁気テープ3を供給するための供給リール4と、この供給リール4から供給された磁気テープ3を巻き取るための巻取リール5とが回転可能に設けられている。
【0030】
なお、磁気テープ3には、強磁性粉末を結合剤中に分散して、非磁性支持体上に塗布した、いわゆる塗布型テープばかりでなく、非磁性支持体上に金属磁性膜を斜方に蒸着させてなる、いわゆる蒸着テープが用いられる。この場合、蒸着テープは、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、塗布型テープに比べて、磁性層の厚みを極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、数々の利点を有している。したがって、このような蒸着テープを上述したテープカセット2の磁気テープ3に用いることで、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることが可能となっている。
【0031】
磁気テープ装置1は、テープカセット2を着脱可能とする装置本体6を備え、この装置本体6には、テープカセット2のローディング時に供給リール4と巻取リール5との間で磁気テープ3の引き回しを行う複数のガイドローラ7a〜7fが設けられている。
【0032】
また、ガイドローラ7eとガイドローラ7fとの間には、テープ走行手段として、磁気テープ3が掛け合わされるピンチローラ8と、このピンチローラ8と共に磁気テープ3を挟み込むキャップスタン9と、このキャップスタン9を回転駆動するキャップスタンモータ9aとが設けられている。そして、磁気テープ3は、ピンチローラ8とキャップスタン9との間に挟み込まれた状態で、キャップスタンモータ9aによりキャップスタン9が図1中矢印A方向に回転駆動されることによって、図1中矢印B方向に一定の速度及び張力で走行するようになされている。
【0033】
また、ガイドローラ7cとガイドローラ7dとの間には、記録再生手段である磁気ヘッド装置10が設けられている。この磁気ヘッド装置10は、一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bが搭載されたヘッドドラム13を備えており、磁気テープ3は、上述した複数のガイドローラ7a〜7fによってテープカセット2から引き出され、このヘッドドラム13に略180゜の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で、図1中矢印B方向に走行される。
【0034】
ヘッドドラム13は、図1及び図2に示すように、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム14及び固定ドラム15と、回転ドラム14を回転駆動する駆動モータ16とを備え、互いの中心軸を一致させた状態で装置本体6のベースに対してやや斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0035】
このうち、下ドラムを構成する固定ドラム15は、装置本体6のベースに固定支持されており、その円筒状の外周面15aには、磁気テープ3を案内するリードガイド17が形成されている。磁気テープ3は、このリードガイド17に沿って回転ドラム14の回転方向に対して斜めに走行される。
【0036】
一方、上ドラムを構成する回転ドラム14は、中心軸を一致させた略同径の固定ドラム15に対して回転可能に支持されると共に、固定ドラム15の下方に配置された駆動モータ16によって、図1及び図2中矢印C方向に回転駆動される。また、回転ドラム14の固定ドラム15と対向する側の外周部には、磁気テープ3に対して信号の記録動作を行う一対の記録ヘッド11a,11bと、磁気テープ3に対して信号の再生動作を行う一対の再生ヘッド12a,12bとが取り付けられている。
【0037】
一対の記録ヘッド11a,11bは、軟磁性体からなる一対の磁気コアが非磁性体からなる磁気ギャップを介して接合されると共に、磁気コアにコイルが巻装されてなるインダクティブ型磁気ヘッドである。これら一対の記録ヘッド11a,11bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、それぞれの記録ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、磁気テープ3に対してアジマス記録を行えるように、互いの記録ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。また、一対の記録ヘッド11a,11bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0038】
一方、一対の再生ヘッド12a,12bは、磁気テープ3からの信号を検出する感磁素子として磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)である。これら一対の再生ヘッド12a,12bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、これら一対の再生ヘッド12a,12bは、それぞれの再生ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。なお、これら一対の再生ヘッド12a,12bは、磁気テープ3に対してアジマス記録された信号を再生できるように、互いの再生ギャップが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。また、一対の再生ヘッド12a,12bは、互いのアジマス角が逆位相となるように設定されている。
【0039】
そして、このヘリカルスキャン方式を採用する磁気ヘッド装置10では、ヘッドドラム13に巻き付けられた磁気テープ3が、図2中矢印B方向に走行されながら、駆動モータ16により回転ドラム14が、図2中矢印C方向に回転駆動されることによって、この回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bが磁気テープ3に対して斜めに走査されることになる。そして、この回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bが磁気テープ3と摺接しながら、信号の記録動作又は再生動作を行う。
【0040】
具体的に、記録時には、磁気テープ3に対して、一方の記録ヘッド11aが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録ヘッド11bが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。そして、これら記録ヘッド11a,11bが磁気テープ3に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ3に対して連続的に信号を記録することになる。したがって、この磁気テープ3には、一方の記録ヘッドにより書き込まれた記録トラックと、他方の記録ヘッドにより書き込まれた記録トラックとが交互に形成されることになる。
【0041】
また、記録時には、先に書き込まれた記録トラックと若干重なるように次の記録トラックを書き込むことによって、隣接する記録トラック間の未記録領域、いわゆるガードバンドを無くし、磁気テープ3に対する記録密度を高めることが行われている。さらに、一対の記録ヘッド11a,11bは、互いの記録ギャップがヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されており、互いのアジマス角を逆位相とすることによって、隣接する記録トラック間の干渉、いわゆるクロストークを極力抑えるようにしている。
【0042】
一方、再生時には、磁気テープ3に対して、一方の再生ヘッド12aが、一方の記録ヘッド11aにより記録された記録トラックから信号磁界を検出し、他方の再生ヘッド12bが、この記録トラックに隣接する他方の記録ヘッド11bにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。そして、これら再生ヘッド12a,12bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ3に記録された信号を連続的に再生することになる。
【0043】
ところで、上述した一対の記録ヘッド11a,11bには、図3及び図4に示すように、本発明を適用したインダクティブ型の薄膜磁気ヘッド20が用いられている。
【0044】
この薄膜磁気ヘッド20は、例えばメッキ法やスパッタ法、イオンミリング法等の薄膜形成技術によって基板上に磁気コアやコイル等の各構成要素が形成されるため、狭トラック化が可能であり、更なる磁気記録媒体の高記録密度化に対応することが可能となっている。
【0045】
具体的に、一対の記録ヘッド11a,11bは、非磁性体からなる第1のヘッド部材21上に薄膜磁気ヘッド20が形成され、この薄膜磁気ヘッド20上に保護膜22を介して非磁性体からなる第2のヘッド部材23が貼り付けられた構造を有している。
【0046】
なお、この薄膜磁気ヘッド20は、第1のヘッド部材21となる基板上に同一形状となる多数のヘッド素子を形成し、このヘッド素子が形成された基板上に第2のヘッド部材23となる基板を貼り合わせてヘッドブロックを形成した後、このヘッドブロックを個々のヘッドチップとして切り出すことで作製される。
【0047】
また、この薄膜磁気ヘッド20は、磁気テープ3との当たりを良くするため、その磁気テープ3と摺接する媒体摺接面20aが、図3中矢印Dに示す磁気テープ3に対するヘッドの走査方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。そして、薄膜磁気ヘッド20は、この媒体摺接面20aから外部に臨む記録ギャップGが磁気テープ3の走行方向と略直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。
【0048】
なお、一対の記録ヘッド11a,11bは、互いのアジマス角が逆位相となる以外は、同一の構成を有している。したがって、以下の説明では、これら一対の記録ヘッド11a,11bをまとめて薄膜磁気ヘッド20として説明するものとする。
【0049】
この薄膜磁気ヘッド20は、図5,図6及び図7に示すように、第1のヘッド部材21上に、磁路を形成する下部磁気コア層24と上部磁気コア層25とが積層されてなる。そして、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25とは、それぞれ磁気テープ3と対向する媒体対向面、すなわち媒体摺接面20a側の端部に、磁気テープ3に形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅Tw,Twで突出された突部24a,25aを有しており、これら突部24a,25aが非磁性層26を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップGが形成されている。
【0050】
このように、薄膜磁気ヘッド20では、下部磁気コア層24上に、上部磁気コア層25側の突部25aと対向する突部24aを突出形成することによって、磁気ギャップGからの記録磁界をトラック幅方向に狭くすることが可能であり、微細な記録ビットを磁気テープ3の記録トラック上に記録することが可能となっている。
【0051】
また、媒体摺動面20aからデプス方向に離間した他端部において、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25が接合されることで接合部分であるバックギャップが形成されている。そして、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25との間には、このバックギャップを中心に巻回された薄膜コイル27が非磁性層26に埋め込まれた状態で設けられている。
【0052】
また、この薄膜コイル27の内周側の端部及び外周側の端部は、図3に示すように、それぞれ媒体摺接面20aとは反対側に向かって引き延ばされた引き出し導線28a,28bの一端と接続されている。そして、これら引き出し導線28a,28bの他端部には、薄膜コイル27に対して記録信号に応じた電流を供給するための外部回路と接続される外部接続用端子29a,29bが設けられている。
【0053】
また、この薄膜磁気ヘッド20の最上層には、外部接続用端子29a,29bが外部に臨む部分を除いて全面を被覆するように、上述した保護膜22が設けられている。
【0054】
ところで、この薄膜磁気ヘッド20は、上述したアジマス記録を行うために、媒体摺接面20aにおいて、磁気ギャップGが図3中矢印Dに示すヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。
【0055】
また、この薄膜磁気ヘッド20は、ヘッドの走査方向において上部磁気コア層25が下部磁気コア層24よりも先行する側に位置するように配置されている。すなわち、この薄膜磁気ヘッド20では、ヘッドの走査方向において先行する側、いわゆるリーディング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置し、このリーディング側とは反対側、いわゆるトレーリング側に下部磁気コア層24側の突部24aが位置することになる。
【0056】
そして、この薄膜磁気ヘッド20では、媒体摺接面20aにおいて、下部磁気コア層24側の突部24aにおけるトラック幅方向の両側面が、それぞれアジマス角θ以上となる角度θ,θで傾けられた傾斜面30a,30bとされており、これら傾斜面30a,30bの延長線S,S上に、それぞれ上部磁気コア層25側の突部25aにおける磁気ギャップGと隣接する側の両端部31a,31bが位置している。
【0057】
この場合、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなる。なおかつ、磁気ギャップGがアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されても、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側のトラック幅Twの内側に位置することになる。
【0058】
以上のように構成される薄膜ヘッド20では、外部回路から薄膜コイル27に対して記録信号に応じた電流が供給されると、この薄膜コイル27から発生する磁界によって、下部磁気コア層24及び上部磁気コア層25に磁束が流れると共に、磁気ギャップGに記録磁界が発生する。そして、この記録磁界を磁気テープ3に対して印加していくことで、記録信号に応じた記録ビットが記録された記録トラックを形成することができる。
【0059】
ここで、上述した薄膜磁気ヘッド20を用いてアジマス記録を行った場合には、図8に示すように、ヘッドの走査方向において先行するリーディング側の上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録された記録ビットを、トレーリング側の下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界が記録し直す、いわゆるオーバーライトすることになる。
【0060】
この場合、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aにおける傾斜面30bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端31bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twと、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twとの位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。
【0061】
したがって、この薄膜磁気ヘッド20では、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、サイドイレースの発生を抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド20によって形成される記録ビットの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0062】
次に、図9,図10及び図11に示すように、本発明を適用した別の薄膜磁気ヘッド40について説明する。なお、この薄膜磁気ヘッド40では、上記薄膜磁気ヘッド20と同等な部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0063】
この薄膜磁気ヘッド40は、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの傾斜面30a,30bの延長線S,S上に位置する側面が、アジマス角以上となる角度θ,θで傾けられた傾斜面41a,41bとされている以外は、上記薄膜磁気ヘッド20と同様な構成を有している。
【0064】
この場合も、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、リーディング側に位置する磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなる。なおかつ、磁気ギャップGがアジマス角θに応じて斜めに配置されても、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側のトラック幅Twの内側に位置することになる。
【0065】
そして、この薄膜磁気ヘッド40を用いてアジマス記録を行った場合には、図12に示すように、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aにおける傾斜面30bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの傾斜面41bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twと、リーディング側に位置する上部磁気コア層25a側の突部25bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twとの位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。さらに、この場合には、これら傾斜面30b,41bが形成された側面と、傾斜面30a,41aが形成された側面との両側から発生するサイドフリンジング磁界を、上述した薄膜磁気ヘッド20よりも更に少なくすることができ、その結果、この薄膜磁気ヘッド40のサイドイレースの抑制は、上述した薄膜磁気ヘッド20よりも更に大きなものとなる。
【0066】
したがって、この薄膜磁気ヘッド40では、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、アジマス記録による磁気コアのトラック幅方向のずれが原因で生じるサイドイレースを抑制すると共にサイドフリンジング磁界によるサイドイレースの発生も抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド40によって形成される記録ビットの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0067】
ところで、HDDに関する発明として、ヘッドの走査方向において下部磁気コア層が上部磁気コア層よりも先行する側に位置すると共に、下部磁気コア層側の突部及び上部磁気コア層側の突部において、トラック幅方向の少なくとも一側面がスキュー角の最大角度以上となる角度で傾けられた傾斜面とされている薄膜磁気ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0068】
このようなHDDに代表される磁気ディスク装置では、基本的にはノンアジマス記録であるものの、磁気ディスクに対して、当該ディスクの径方向に操作される磁気ヘッドがある範囲の可変的なスキュー角を持つために、この磁気ディスク上を浮上する浮上ヘッドスライダに搭載された磁気ヘッドが、ヘッドの走査方向すなわちディスクの回転方向に対して、上述したアジマス記録の場合と同じように磁気ギャップがスキュー角に応じて傾くことになり、その結果、隣接する記録トラックにおけるデータの書き換えやデータの消去等といった問題が発生してしまう。特許文献1に記載される薄膜磁気ヘッドは、このようなアジマス記録に似た問題を解決するための手段として提案されたものである。
【0069】
しかしながら、この場合には、浮上ヘッドスライダとなる基板上に薄膜磁気ヘッドが形成されること、並びにこの浮上ヘッドスライダの浮上姿勢から、ヘッドの走査方向において先行するリーディング側に下部磁気コア層側の突部が位置し、トレーリング側に上部磁気コア層側の突部が位置することになる。
【0070】
したがって、特許文献1に記載される薄膜磁気ヘッドでは、図13に示す薄膜磁気ヘッド60のように、上述した薄膜磁気ヘッド40を、リーディング側に下部磁気コア層24側の突部24aが位置し、トレーリング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置するように、逆向きに配置した構成となる。そして、このような逆向きの配置とした場合には、ヘッドの走査方向において先行するリーディング側の下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、トレーリング側の上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界が記録し直すことになる。
【0071】
この場合、隣接する記録トラックにおけるデータの書き換えやデータの消去等の磁気的な悪影響を小さくするといった効果がある程度期待できるものの、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、トレーリング側に位置する磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなることから、自らの記録トラックにおいて、位相差を含んだ記録ビットが記録されてしまい、この記録ビットの実効トラック幅が狭くなるといった問題が発生してしまう。
【0072】
ここで、上述した図8に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッド20、図12に示す本発明を適用した別の薄膜磁気ヘッド40、図13に示す薄膜磁気ヘッド60、並びに上述した図23に示す従来の薄膜磁気ヘッド100について、各ヘッドによって記録媒体上に記録される記録ビットの形状(ダイビットパターン)をコンピュータシミュレーションにより算出した。また、記録媒体としては、上述した蒸着テープを用いることにした。そして、磁気テープを静止した状態で各ヘッドを走査した際に記録される3つの記録ビットについて、その真ん中に位置する記録ビットの磁化反転による境界線を抽出したものをコンピュータシミュレーションにより算出した。
【0073】
なお、このコンピュータシミュレーションでは、アジマス角を20゜、上部磁気コア層のトラック幅を1.8μm、磁気ギャップ長を0.25μm、3つの記録ビット長をそれぞれ1.0μm、媒体摺接面から磁気テープまでの磁気的スペーシングを30nmとして計算を行った。
【0074】
図14(A)に示すように、上述した図23に示す従来の薄膜磁気ヘッド20によって記録される1つの記録ビット200には、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界と、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界とのトラック幅方向のずれによって生じる記録ビットのトラック幅方向の位相差によって、そのトラック幅方向の両端部からヘッドの走査方向(リーディング側)に伸びる一対の記録パターン200a,200bが形成されることになる。
【0075】
そして、図14(B)に示すように、このような記録ビット200が磁気テープの記録トラック上に複数記録されたときには、先に記録された記録ビット200の一対の記録パターン200a,200bが、次に記録された記録ビット200のトラックエッジ部にまで及ぶサイドイレースが発生することで、この記録ビット200の磁化遷移領域近傍の実効トラック幅を狭めてしまうことになる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット200の全幅が2.10μmであるのに対して、実効トラック幅は部分的に狭くなり、磁化遷移領域近傍では、最悪の場合、1.96μmにまで狭くなっている。
【0076】
これに対して、図15(A)に示すように、上述した図8に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッド20では、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aにおける傾斜面30bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端31bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twの内側に収まることになる。これにより、上述した図14に示すシミュレーション結果で問題となった位相差の激しい従来の薄膜磁気ヘッド100による記録ビット200に対して、位相差を抑制した記録ビット70を記録することができる。
【0077】
したがって、この薄膜磁気ヘッド20では、図15(B)に示すように、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、サイドイレースの発生を抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド20によって形成される記録ビット70の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット70の全幅が2.10μmであるのに対して、実効トラック幅は、最悪の場合でも、2.03μmに収まっている。
【0078】
なお、上述し記録ビット200及び記録ビット70の全幅が2.10μmに広がっているのは、薄膜磁気ヘッド100,20からのサイドフリンジング磁界の影響が顕著であったためと考えられる。したがって、上述した図8に示す薄膜磁気ヘッド20では、サイドフリンジング磁界があまり顕著でない起磁力若しくは磁気的スペーシングの範囲において、位相差を抑制した記録ビット70を記録し、この記録ビット70の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0079】
一方、図16(A)に示すように、上述した図12に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッド40では、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aにおける傾斜面30bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの傾斜面41bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twの内側に収まることで、位相差を抑制した記録ビット80を記録することができる。さらに、この場合には、これら傾斜面30b,41bが形成された側面と、傾斜面30a,41aが形成された側面との両側から発生するサイドフリンジング磁界を少なくすることができるので、上述した薄膜磁気ヘッド100,20において発生していたサイドフリンジング磁界に起因するサイドイレースの発生も抑制することができる。
【0080】
したがって、この薄膜磁気ヘッド40では、図16(B)に示すように、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、アジマス記録のよる磁気コアのトラック幅方向へのずれが原因で生じるサイドイレースの発生と、サイドフリンジング磁界が原因で生じるサイドイレースの発生を共に抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド40によって形成される記録ビット80の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット80の全幅が2.03μmであるのに対して、実効トラック幅が2.03μmとなり、上述した記録ビットの位相差によるトラック幅の減少が発生していないことがわかる。さらに、これら記録ビット80の全幅は、上述の記録ビット200及び記録ビット70の全幅2.10μmに対して、2.03μmと狭くなっており、上述したサイドフリンジング磁界の影響が抑制されていることがわかる。
【0081】
これに対して、図17(A)に示すように、上述した図13に示す薄膜磁気ヘッド60によって記録される1つの記録ビット90には、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界によって、一旦記録された記録ビットを、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界が記録し直す際に、トラック幅方向に対して十分に上書き(オーバーライト)されないことが原因で生じる記録ビットの位相差によって、そのトラック幅方向の両端部からヘッドの走査方向(リーディング側)に伸びる一対の記録パターン90a,90bが形成されている。
【0082】
そして、図17(B)に示すように、このような記録ビット90が磁気テープ3の記録トラック上に複数記録されたときには、上述した図14(B)に示す記録ビット200と同じように、先に記録された記録ビット90の一対の記録パターン90a,90bが、次に記録された記録ビット90のトラックエッジ部にまで及ぶサイドイレースが発生することで、この記録ビット90の磁化遷移領域近傍の実効トラック幅を狭めてしまうことになる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット90の全幅が2.17μmであるのに対して、実効トラック幅は部分的に狭くなり、磁化遷移領域近傍では、最悪の場合、1.96μmにまで狭くなっており、今回計算を行った合計4種類のコア形状の薄膜記録ヘッドの中でも最も悪い結果となっている。
【0083】
なお、記録ビット90の全幅が他のヘッドと比べて大きくなったのは、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも大きいことと、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界に比べて若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープの磁性層内の磁化を反転できることとが組み合わさったためと考えられる。
【0084】
ここで、図18に示すように、蒸着テープ300に対する記録方法を上述した薄膜記録ヘッド100を用いた場合を例に挙げて説明する。なお、図18では、薄膜記録ヘッド100のギャップG’を介して上部磁気コア層103側の突部103aと下部磁気コア層102側の突部102bとが対向する媒体摺接面の近傍のみを図示している。
【0085】
蒸着テープ300は、上述したように、非磁性支持体301上に金属磁性膜302を斜方に蒸着させてなるものであり、この蒸着テープ300の記録再生に関する最大の特徴は、磁化容易軸がテープの長手方向を含む膜断面において、膜法線に対して斜めに傾斜した方向にあることである。なお、図18中に示す矢印は、この蒸着テープ300の金属磁性膜302内における磁化の方向を示している。
【0086】
一方、薄膜磁気ヘッド100では、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸と同じ側に傾斜するのに対して、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸とは反対側、すなわち磁化困難軸と同じ側に傾斜することになる。
【0087】
ところで、このような図18に示す構成とは逆に、薄膜磁気ヘッド100に対して蒸着テープ300の磁化容易軸を、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mと同じ側に傾斜させる構成も考えられる。しかしながら、図18に示す構成のように、薄膜磁気ヘッド100に対して蒸着テープ300磁化容易軸を、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mと同じ側に傾斜させた方が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mの磁化容易軸方向成分の減少する割合が急峻となり、蒸着テープ300に記録される記録ビット303の磁化遷移領域303aがより狭くなる効果を生じることから、通常は図18に示す構成が用いられる。
【0088】
したがって、図18に示す構成の場合には、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸と同じ側に傾斜するため、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の金属磁性膜302内の磁化を反転させるのに必要な最小記録磁界強度に比べて、若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープ300の金属磁性膜302内の磁化を反転させることが可能となる。
【0089】
このことから、上述した図13に示す薄膜磁気ヘッド60によって記録される記録ビット90の全幅が他のヘッドと比べて大きくなったのは、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界に比べて若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープの磁性層内の磁化を反転できたためと考えられる。
【0090】
一方、上述した図12に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッド40では、上述した図13に示す薄膜磁気ヘッド60と同様に、下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが、上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも大きく、薄膜磁気ヘッド60の下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twと全く同じ大きさとなっている。しかしながら、この薄膜磁気ヘッド40の下部磁気コア層24の突部24aがトレーリング側に位置することによって、図16に示す記録ビット80の全幅が2.03μmの値に収まっている。
【0091】
したがって、本発明を適用した薄膜磁気ヘッド20,40のように、リーディング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置し、トレーリング側に下部磁気コア層24側の突部24aが位置する構成によって、特に、蒸着テープに対してサイドイレースによる影響を大幅に抑制することが可能である。
【0092】
なお、本発明は、上述した薄膜磁気ヘッド20,40の構成に限定されるものではなく、媒体対向面20aにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aのトラック幅方向の少なくとも一側面が、アジマス角θ以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端が位置していればよく、この場合、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twに対して同等又は小さくなることが好ましい。
【0093】
このように、本発明を適用した薄膜磁気ヘッドでは、従来のような薄膜形成技術によって基板上に幅広となるトレーリング側の下部磁気コア層24を形成した後に、幅狭となるリーディング側の上部磁気コア層25を形成することから、製造が容易である等の利点を有している。また、上部磁気コア層25側の突部25aにおいて、下部磁気コア層24側の突部24aの傾斜面の延長線上に位置する側面を、アジマス角θ以上となる角度で傾けられた傾斜面とした場合でも、これら傾斜面が同一直線上に位置することから、製造上このような形状を容易に形成することが可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る薄膜磁気ヘッドによれば、下部磁気コア層側の突部のトラック幅方向の少なくとも一側面が、アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上部磁気コア層側の突部の磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることから、当該ヘッドの走査方向において先行する上部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、下部磁気コア層側の突部で発生した記録磁界がトラック幅方向に対して十分記録し直すことによって、この薄膜磁気ヘッドによって磁気記録媒体に形成される記録トラックにおいて、位相差を抑制した記録ビットを記録することが可能である。
【0095】
したがって、本発明に係る磁気テープ装置では、このような薄膜磁気ヘッドを用いてアジマス記録を行った場合でも、トレーリング側に位置する下部磁気コア層で発生する記録磁界とリーディング側の上部磁気コア層で発生する記録磁界とのトラック幅方向のずれによるサイドイレースの発生と、サイドフリンジング磁界によるサイドイレースの発生とを共に抑制することが可能であり、記録ビットの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気テープ装置の概略を示す平面図である。
【図2】磁気ヘッド装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した薄膜磁気ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図4】上記薄膜磁気ヘッドの構成を示す要部斜視図である。
【図5】上記薄膜磁気ヘッドの構成を示す平面図である。
【図6】上記薄膜磁気ヘッドの構成を示すX−X’断面図である。
【図7】上記薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図8】上記薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図9】本発明を適用した別の薄膜磁気ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図10】上記別の薄膜磁気ヘッドの構成を示す要部斜視図である。
【図11】上記別の薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図12】上記別の薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図13】上記別の薄膜磁気ヘッドの配置を逆向きとした場合のアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図14】図23中に示す従来の薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図15】図8中に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図16】図12中に示す本発明を適用した別の薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図17】図13中に示す薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図18】蒸着テープに対する記録方法を説明するための模式図である。
【図19】従来の薄膜ヘッドの一構成例を示す平面図である。
【図20】上記従来の薄膜磁気ヘッドの構成を示すY−Y’断面図である。
【図21】上記従来の薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図22】上記従来の薄膜磁気ヘッドの別の構成を媒体対向面から見た端面図である。
【図23】上記従来の薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置、2 テープカセット、3 磁気テープ、4 供給リール、5 巻取リール、6 装置本体、7a〜7f ガイドローラ、8 ピンチローラ、9 キャップスタン、9a キャップスタンモータ、10 磁気ヘッド装置、11a,11b 記録ヘッド、12a,12b 再生ヘッド、13 ヘッドドラム、14 回転ドラム、15 固定ドラム、16 駆動モータ、20 薄膜磁気ヘッド、20a 媒体摺接面、21 第1のコア部材、22 保護膜、23 第2のコア部材、24 下部磁気コア層、24a 突部、25 上部磁気コア層、25a 突部、26 非磁性層、27 薄膜コイル、28a,28b 引き出し導線、29a,29b 外部接続用端子、30a,30b 傾斜面、31a,31b 端部、40 薄膜磁気ヘッド、41a,41b 傾斜面

Claims (8)

  1. 少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とは、それぞれ磁気記録媒体と対向する媒体対向面側の端部に、上記磁気記録媒体に形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が上記非磁性層を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップが形成されると共に、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とが上記媒体対向面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドであって、
    上記媒体対向面において、上記磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めに配置されると共に、当該ヘッドの走査方向において上記上部磁気コア層が上記下部磁気コア層よりも先行する側に位置しており、上記下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面が上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 上記上部磁気コア層側の突部は、上記下部磁気コア層側の突部の傾斜面の延長線上に位置する側面が、上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅が、上記下部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅に対して同等又は小さくなることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式によりテープ状の磁気記録媒体と摺接しながら信号の記録を行うことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 磁気テープを走行させるテープ走行手段と、
    上記テープ走行手段により走行される磁気テープと摺接しながら信号の記録を行う記録ヘッドとを備え、
    上記記録ヘッドは、少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とは、それぞれ上記磁気テープと摺接される媒体摺接面側の端部に、上記磁気テープに形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が上記非磁性層を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップが形成されると共に、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とが上記媒体摺接面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドであって、
    上記薄膜磁気ヘッドは、上記媒体摺接面において、上記磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めに配置されると共に、当該ヘッドの走査方向において上記上部磁気コア層が上記下部磁気コア層よりも先行する側に位置しており、上記下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面が上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴とする磁気テープ装置。
  6. 上記上部磁気コア層側の突部は、上記下部磁気コア層側の突部の傾斜面の延長線上に位置する側面が、上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされていることを特徴とする請求項5記載の磁気テープ装置。
  7. 上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅が、上記下部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅に対して同等又は小さくなることを特徴とする請求項5記載の磁気テープ装置。
  8. 上記テープ走行手段により走行される磁気テープが外周面に巻き付けられた状態で回転駆動される回転ドラムを備え、
    上記薄膜磁気ヘッドは、上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープと摺接しながら信号の記録を行うことを特徴とする請求項5記載の磁気テープ装置。
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