JPH11203621A - 磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置

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JPH11203621A
JPH11203621A JP473498A JP473498A JPH11203621A JP H11203621 A JPH11203621 A JP H11203621A JP 473498 A JP473498 A JP 473498A JP 473498 A JP473498 A JP 473498A JP H11203621 A JPH11203621 A JP H11203621A
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magnetic
track width
magnetic head
gap forming
recording
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Junichi Honda
順一 本多
Norikatsu Fujisawa
憲克 藤澤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属磁性薄膜の磁気異方性を容易に制御する
ことができると共に、磁気ギャップの端部からの磁束の
漏洩を防止することができる磁気ヘッド及び磁気ヘッド
装置を提供すること。 【解決手段】 一対の磁気コア半体11、12が磁気ギ
ャップ形成面を突き合わせて接合一体化され、前記一対
の磁気コア半体のうち少なくとも一方の磁気コア半体の
前記磁気ギャップ形成面に金属磁性薄膜15、16が成
膜されており、前記磁気ギャップ形成面に、トラック幅
方向に対して10°〜30°傾斜し、0.1μm〜0.
5μmの幅を有する略直線状の溝17a、18aが、前
記トラック幅方向に対し垂直方向にトラック幅の1/3
〜1/6の間隔で複数形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高記録密度でデー
タを記録再生する磁気ヘッド及びその磁気ヘッドを備え
た磁気ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
信号の高密度化が進行している。この高記録密度化に対
応して磁気ヘッドには高い電磁変換効率が求められるた
め、磁性膜の磁気異方性の制御が重要な課題となってき
ている。従来は、磁性膜の磁気異方性の制御として軟磁
性膜(金属磁性薄膜)の成膜時の誘導異方性等による制
御が行われている。
【0003】また、近年のVTR(ビデオテープレコー
ダ)やデータストレージ装置等に用いられているヘリカ
ルスキャンを用いた磁気ヘッドの記録方式においては、
アジマス記録を用いて磁気テープ上に記録パターン間の
隙間、いわゆるガードバンドを無くすことで高記録密度
化させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した金
属磁性薄膜の成膜時の誘導異方性等による制御を精度良
く行うことは非常に困難であるため、磁気ヘッドの電磁
変換効率を高めることに限界が生じ、高記録密度化が妨
げられるという問題がある。
【0005】また、ヘリカルスキャン磁気記録方式は、
磁気ヘッドの磁気ギャップの端部からの漏洩磁界によ
り、本来記録を行わないトラック幅端以降の部分でも記
録現象が発生し、この部分に以前に書き込まれた逆アジ
マスの信号を消去する効果を持つが、トラック幅端以降
の部分は、トラック幅内の部分のように本来の記録信号
を書き込む能力が無いため、いわゆる記録消去の状態を
作り出す作用がある。
【0006】この無記録状態部分の幅は、トラック幅端
部からある一定の幅で存在するため、記録密度の高密度
化に伴うトラック幅の減少により、実際のトラック幅に
対する無記録状態部分の幅の割合が増加してしまい、本
来のトラック幅のみの減少による要因以上に出力の減少
やノイズの増加が発生し、高記録密度化が妨げられると
いう問題がある。
【0007】本発明は、上述した事情から成されたもの
であり、金属磁性薄膜の磁気異方性を容易に制御するこ
とができると共に、磁気ギャップの端部からの磁束の漏
洩を防止することができる磁気ヘッド及び磁気ヘッド装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成面を突
き合わせて接合一体化され、前記一対の磁気コア半体の
うち少なくとも一方の磁気コア半体の前記磁気ギャップ
形成面に金属磁性薄膜が成膜されてなる磁気ヘッドにお
いて、前記磁気ギャップ形成面に、トラック幅方向に対
して10°〜30°傾斜し、0.1μm〜0.5μmの
幅を有する略直線状の溝が、前記トラック幅方向に対し
垂直方向にトラック幅の1/3〜1/6の間隔で複数形
成されていることにより達成される。
【0009】上記構成によれば、金属磁性薄膜の磁区が
溝でエネルギ的に安定化されることにより、磁区と磁区
との間に形成される磁壁が固着され、磁区が長手方向の
両端に磁極を安定して持つようになるので、形状的な異
方性により透磁率の高くなる磁化困難軸方向を制御する
ことが可能になる。この溝は、磁気ヘッドの磁束が磁気
記録媒体側に漏洩しやすくなるように、かつトラック幅
から横方向に漏れにくくなるように形成されているの
で、この溝を有する磁気ヘッドは、高記録密度に対応す
ることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術
的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範
囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の
記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0011】図1は、本発明を適用した磁気ヘッドの実
施形態を示す斜視図であり、図2は、その部分拡大平面
図である。この磁気ヘッド10は、磁気記録媒体対接触
面10aの略中央に位置する磁気ギャップgを境として
左右別々に作成された一対の磁気コア半体11、12
が、突き合わせ面である磁気ギャップ形成面を突き合わ
せて接合一体化されて成る。
【0012】この磁気ギャップgは、SiO2 やAl2
3 あるいはSiO2 にNa2 CO3 やPbO等を混ぜ
たガラス等の非磁性材で成り、矢印Tで示す磁気テープ
の走行方向(トラック方向)に関して傾斜した所定のア
ジマス角θを有するように、かつそのトラック幅Twの
方向に関して所定のギャップ長を有するように形成され
ている。
【0013】磁気コア半体11、12は、補助コアであ
る基体13、14と、主コア部である金属磁性薄膜1
5、16とから構成されている。基体13、14は、例
えばMn−Zn系フェライトやNi−Zn系フェライト
等の酸化物軟磁性材から成り、金属磁性薄膜15、16
と共に閉磁路を構成する補助コア部となっている。基体
13、14の磁気ギャップ形成面には、磁気ギャップg
のトラック幅Twを規制するためのトラック幅規制溝1
7、18が、磁気ギャップgの両端縁近傍部からそれぞ
れデプス方向に亘って円弧状に形成されていると共に、
ギャップ面微細溝17a、18aが、磁気ギャップgの
トラック幅Tw内及びトラック幅Tw端部に形成されて
いる。
【0014】そして、トラック幅規制溝17、18及び
ギャップ面微細溝17a、18a内には、それぞれ磁気
記録媒体との当たり特性を確保すると共に摺接による偏
摩耗を防止する目的で、ガラス等の非磁性材19が充填
されている。また、基体13、14の磁気ギャップ形成
面と対向する面には、磁気ギャップgのデプスを規制す
ると共にコイル(図示は省略する)を巻装するための巻
線溝11a、12aが、側面形状を略矩形状として形成
されている。
【0015】金属磁性薄膜15、16は、例えばセンダ
スト、FeRuGaSi、FeTaN等、もしくはFe
TaNのTaの代わりにZr、Hf、Nb、Tiより成
る群から少なくとも1種類以上選択された軟磁気特性の
優れた強磁性金属材から成り、基体13、14の磁気ギ
ャップ形成面、トラック幅規制溝17、18、ギャップ
面微細溝17a、18a内及び巻線溝11a、12a内
を含む全面に成膜されており、基体13、14と共に閉
磁路を構成する主コア部となっている。
【0016】尚、金属磁性薄膜15、16の材質として
は、上記FeTaNのNの代わりにC、Bを用いても同
様の磁歪の熱処理依存が得られるので代替えが可能であ
る。また、金属磁性薄膜15、16は、巻線溝11a、
12a内の少なくとも一部の面に成膜されていても良
く、また少なくとも一方の基体13、14の磁気ギャッ
プ形成面に成膜されていても良い。
【0017】このような構成の磁気ヘッド10の製造方
法について説明する。先ず、図3に示すように、例えば
長さが34.5mm、幅が2.5mm、厚みがlmm程
度のMn‐Zn系フェライトで成る基体20を作製す
る。続いて、図4に示すように、トラック幅Twとなる
フェライト断面が例えば8μm残るように、基体20の
主面20aの幅方向に、例えば主面20aに接する部分
での角度が75°、深さが250μm、断面形状がU字
型のトラック幅規制溝17、18を形成する。
【0018】尚、このトラック幅規制溝17、18の側
面の主面20aに接する部分での角度は、通常は45°
〜82°程度に形成されるが、90°でも良い。そし
て、トラック幅規制溝17、18の深さは、通常は20
0μm〜300μmに形成される。また、トラック幅規
制溝17、18の断面形状は、通常はU字型もしくはV
字型に形成されるが、多角形でも良い。
【0019】次に、図5に示すように、磁気ギャップg
のギャップデプスを規制し、巻線を巻装するための巻線
溝11a、12aを形成する。そして、基体20の主面
20aを表面粗度が20Å〜100Å程度になるように
研磨して、図6及び図7に示すように、例えばトラック
幅Twとなる方向からの角度θ1が20°、形成間隔が
2μm、形成本数が8本、幅Wが0.3μm、深さが
0.5μmのギャップ面微細溝17a、18aを形成す
る。
【0020】このギャップ面微細溝17a、18aの形
成範囲は、磁気ヘッド10としたときにギャップ対向面
として残る範囲でさらに効果を維持して溝形成時間を短
縮するために、テープ接触側の面を除くギャップ対向面
の周り0.5μm程度を除く範囲とすることも可能であ
る。即ち、図7に示すように、デプス方向に関しては、
磁気ヘッド10としたときの初期のデプスとなるDiか
ら磁気ヘッド10が略寿命となったときのデプス残存と
なるDf、例えば0.5μmとなる範囲まで、また幅方
向に関しては、磁区の端部は磁壁の大部分がギャップ面
微細溝17a、18aにより安定化されることから溝形
成を省略できるため、トラック幅Twの両端a,b、例
えば0.5μmを除く範囲とする。
【0021】尚、このギャップ面微細溝17a、18a
の角度θ1は、小さくなって0°に近くなると、ギャッ
プ面微細溝17a、18aが磁気記録媒体対接触面10
aに露出した際に露出断面が大きくなるので記録再生に
悪影響を及ぼし、逆に大きくなると、得られる異方性に
よる磁化困難磁区の方向がデプスの方向から大きくずれ
るため、8°〜30°が望ましい。
【0022】即ち、角度θ1が小さくなってギャップ面
微細溝17a、18aが磁気記録媒体対接触面10aと
略平行になった場合、磁気ギャップgが見かけ上、露出
したギャップ面微細溝17a、18aの深さ分だけ足さ
れた形になり、記録再生に不都合が発生するため、少な
くとも8°の角度を持たせ、また角度θ1が大きくなっ
た場合、異方性の傾きが大きくなるため、30°迄の角
度で規定することが望ましい。
【0023】そして、形成間隔は、磁区形状のアスペク
ト比を大きくして形状異方性を誘導させる必要があるこ
とから、磁区形状のアスペクト比が3倍、望ましくは4
倍以上となるように、トラック幅Twの1/3〜1/6
が望ましい。形成本数は、デプス面対向形状で規制する
ことが望ましい。即ち、ギャップ面微細溝17a、18
aで囲まれたことにより規制される磁区形状を発生さ
せ、さらにその形状的効果により磁極を安定化させるた
め、上記形成範囲内で必要な本数を形成することが望ま
しい。
【0024】例えばトラック幅Twが8μmであれば、
角度θ1は小さく規定していることから、磁区の長軸方
向の長さも同一の8μmになり、この磁区の長軸と短軸
の比を4とするためには形成間隔は2μmとなる。そし
て、磁気ヘッド10としたときの初期のデプスDiが1
6μmであれば、このデプスDiが完全に無くなる位置
から形成する場合の形成本数は8本になる。
【0025】また、幅Wは、ギャップ面微細溝17a、
18aが記録再生に効果を及ぼさなくなる領域となって
しまうことから、磁壁を拘束可能でかつ微細な、0.1
μm〜トラック幅Twの10%程度、例えば0.5μm
が望ましい。即ち、幅Wの狭い方は磁区制御の目的から
0.1μm、広い方は溝形成によるトラック欠落の影響
を避けるためトラック幅Twの10%程度、例えば0.
5μmが望ましい。深さは、磁壁の拘束の観点から、
0.2μm〜1μm程度が望ましい。即ち、深さの浅い
方は磁区制御の観点から0.2μm、深い方は特に深く
しても効果が高まるわけではなくて作業時間が長くなる
のみであるので1μm迄が望ましい。
【0026】次に、図8に示すように、基体20の主面
20a上にセンダストで成る金属磁性薄膜15、16を
スパッタリング法により成膜する。この金属磁性薄膜1
5、16のトラック幅Tw部分は、図9に示すように、
ギャップ面微細溝17a、18aの形成の影響で磁区が
形成され、それぞれの磁区の長手方向の両極に磁極が形
成される。磁化容易軸方向は磁区の長手方向となり、磁
化困難軸方向は磁化容易軸方向の垂直方向となり、高周
波における磁束伝達に有利であり高透磁率となり、略デ
プス方向が高透磁率で磁束が伝わり易い方向として形成
される。
【0027】そして、図10に示すように、基体20の
主面20a上にさらに規定のギャップ長の約半分の膜厚
のSiO2 で成るギャップ膜gfをスパッタリング法に
より成膜する。その後、同様に形成した2つの基体20
をトラック幅Twが一致するように突き合わせて密着さ
せ、トラック幅規制溝17、18内に500°C前後で
溶融可能なガラスで成る非磁性材19を挿入し、2つの
基体20を非磁性材19で溶融接合する。
【0028】この2つの基体20の突き合わせ時には、
図11に示すように、両基体20の磁化困難軸方向が一
致せず、互いにトラック幅Twの中心に対して対称な位
置関係となるようにすることで、磁気ヘッド10とした
ときに両磁気コア半体11、12の異方性が平均化され
て、図12に示すように、高透磁率の向きがデプス方向
となり、高い電磁変換効率を得ることができる。
【0029】次に、図13に示すように、接合した基体
20の磁気記録媒体対接触面10aを円筒研削して、ア
セトン等の有機溶剤を用いて超音波洗浄する。最後に、
図14に示すように、記録フォーマットに対応して必要
となるアジマスを考慮した位置である例えばa〜fの各
点線に沿ってスライシングして図1に示すような磁気ヘ
ッド10を完成する。この結果、この磁気ヘッド10
は、ギャップ面微細溝17a、18aが形成されていな
い場合、即ち異方性が制御されていない場合の磁気ヘッ
ドに比べ、記録再生でそれぞれ0.5dBの出力性能を
改善することができる。
【0030】さらに、ギャップ面微細溝17a、18a
の形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、例
えば図15に示すように、トラック幅Tw内においてト
ラック幅Twの中央で対称になるような形状とすること
も可能である。この場合のギャップ面微細溝27a、2
8aの角度、形成間隔、幅、深さ、トラック幅Tw内の
形成範囲については上記実施形態と同様であるが、トラ
ック幅Twの中央からトラック幅Twの端部に近づくに
従い、磁気記録媒体と摺動する側に傾く方向とすること
が重要である。
【0031】また、ギャップ面微細溝27a、28aの
形成時間を短縮させるために、トラック幅Twの中央部
分にギャップ面微細溝27a、28aを形成しないこと
も有効であるが、図16に示すように、磁区の形状がト
ラック幅Twの中央部分で不確定になってしまう場合が
あるため、図17に示すように、磁化方向の異なる磁区
の突き合わせ部分となるトラック幅Twの中央部分にも
ギャップ面微細溝27bをデプス方向に形成し、磁区の
突き合わせ部分を規制してしまうことも有効である。
【0032】このようなギャップ面微細溝27a、28
a、27bを形成する事で、図16に示すように、磁化
困難軸方向が磁気記録媒体側でトラック幅Twの内側を
向く構成となるので、通常の磁気ヘッドでのトラック幅
Twの端部からの磁束の漏洩が図18に示すように広が
りを持つのに対し、この磁気ヘッド10でのトラック幅
Twの端部からの磁束の漏洩は図19に示すように少な
くなる。
【0033】このため、図20に示すように、ヘリカル
スキャンなどガードバンドレス(ベタ書き)の記録方式
の場合に、トラック幅Twから外側の磁気ギャップgが
広がった領域部分での磁束の漏れにより、前記録パター
ンへの現記録パターンの重ね書き端部で前記録パターン
に対する消去現象が発生し、記録再生に貢献しない疑似
消去領域が形成されることを抑えることができる。そし
て、特に狭トラック幅時に発生する無記録部分による有
効記録幅の減少で発生する再生信号出力の低下及び本来
の信号が記録されていないことによるノイズの増加で発
生するS/Nの劣化を微小に抑えることが可能になる。
【0034】この結果、この磁気ヘッド10は、ギャッ
プ面微細溝17a、18aが形成されていない場合、即
ち異方性が制御されていない場合の磁気ヘッドに比べ、
記録再生でそれぞれ0.5dBの出力性能を改善するこ
とができる。さらに、重ね書きによる記録パターンを形
成した際に、重ね書き端部で発生する前記録信号の再生
及び現記録信号の再生に寄与しない領域の幅を、従来の
0.8μmから0.4μmに狭くすることができ、記録
において0.5dBのS/N比の改善を得ることができ
る。
【0035】以上のように、一対の磁気コア半体11、
12の突き合わせ面である磁気ギャップ形成面に対し、
記録再生に影響を殆ど及ぼさないような幅のギャップ面
微細溝17a、18aを所定の方位を持って形成し、さ
らに金属磁性薄膜15、16を形成することで、ギャッ
プ面微細溝17a、18aによる実効的なトラック幅T
wのロスを最小にしながら金属磁性薄膜15、16の磁
区を規制することができる。
【0036】その結果、金属磁性薄膜15、16の異方
性を制御することができ、磁気ヘッド10から磁気記録
媒体に磁束漏洩を効率良く伝搬させることができる。さ
らに、磁気ヘッド10のトラック幅Tw内において、磁
束が磁気記録媒体に接近するに従いトラック幅Twの中
央に集束するように、その異方性の向きを形成すること
により、トラック幅Twから外側への磁束の漏れが起こ
り難く、規定のトラック幅Tw以外の領域への磁束の漏
れが防止される。
【0037】尚、上述した各実施形態の構成は、磁気ギ
ャップgが磁気ヘッド10の走行方向に対し直角になら
ないようなアジマス角θを有する場合を示したが、もち
ろん磁気ギャップgが磁気ヘッド10の走行方向に対し
直角、即ちアジマス角θが0°となる磁気ヘッドであっ
ても同様に適用することができる。また、巻線溝11
a、12aを両磁気コア半体11、12に形成した場合
を示したが、もちろん巻線溝を一方の磁気コア半体のみ
に形成した磁気ヘッドであっても同様に適用することが
できる。さらに、金属磁性薄膜15、16を磁気ギャッ
プgと平行に形成した場合を示したが、金属磁性薄膜を
磁気ギャップと非平行に形成した磁気ヘッド、いわゆる
TSS型MIGヘッドであっても同様に適用することが
できる。
【0038】図21は、本発明の磁気ヘッド装置の実施
形態を示す斜視図であり、図22は、この磁気ヘッド装
置を備える情報記録装置の一例を示す平面図である。こ
の磁気ヘッド装置30は、ビデオテープレコーダ、デー
ターストリーマ、デジタルオーディオシステム等の情報
記録装置に適用されて、テープ状の記録媒体である磁気
テープTPに対して情報を記録したり、磁気テープTP
に記録されている情報を再生するのに用いられる回転磁
気ヘッド装置である。
【0039】回転磁気ヘッド装置30は、固定ドラム3
1、回転ドラム32、モータMを有している。回転ドラ
ム32は、上述した磁気ヘッド10の構成で成る例えば
2つの再生ヘッドRH1、RH2と、2つの記録ヘッド
WH1、WH2を有している。尚、この例では再生ヘッ
ドと記録ヘッドが独立して設けられているが、再生ヘッ
ドと記録ヘッドが共用されている場合でも同様に適用可
能である。各再生MRヘッドRH1、RH2及び各記録
ヘッドWH1、WH2は180度の位相差を有してい
る。回転ドラム32は、モータMの作動により、固定ド
ラム31に対して矢印R方向に回転する。
【0040】磁気テープTPは、固定ドラム31のリー
ドガイド部33に沿ってテープ走行方向Eに沿って入口
側INから出口側OUT側に斜めに送られる。即ち、磁
気テープTPは、供給リール34からローラ34a、3
4b、34cを経て、固定ドラム31のリードガイド部
33に沿って斜めに走行し、回転ドラム32と固定ドラ
ム31にほぼ180度分密着し、ローラ34d、34
e、34f、34gを経て巻取リール35に巻取られ
る。これにより、記録ヘッドWH1、WH2と再生MR
ヘッドRH1、RH2は、磁気テープTPに対してヘリ
カルスキャン方式で接触して案内される。また、ローラ
34fに対応して、キャプスタン34hが設けられてお
り、このキャプスタン34hはキャプスタンモータM1
により回転される。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、溝の形
成により金属磁性薄膜の透磁率をデプス方向に規制し、
さらにトラック幅端部へ漏洩磁束が出難いようにするこ
とで、磁気ヘッドの効率を改善することができる。さら
に、高記録密度における使用で、トラック幅端部からの
磁束の漏洩による無記録部分の形成を微小に抑えること
も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の磁気ヘッドの部分拡大平面図。
【図3】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第1の図。
【図4】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第2の図。
【図5】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第3の図。
【図6】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第4の図。
【図7】図6のギャップ面微細溝の詳細を示す平面図。
【図8】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第5の図。
【図9】図8のギャップ面微細溝の磁区状態を示す平面
図。
【図10】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第6の
図。
【図11】図1の磁気ヘッドの磁化状態を示す第1の
図。
【図12】図1の磁気ヘッドの磁化状態を示す第2の
図。
【図13】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第7の
図。
【図14】図1の磁気ヘッドの製造方法を示す第8の
図。
【図15】図1の磁気ヘッドのギャップ面微細溝の変形
例を示す平面図。
【図16】図15のギャップ面微細溝の磁区状態を示す
平面図。
【図17】図1の磁気ヘッドのギャップ面微細溝の別の
変形例を示す平面図。
【図18】従来の磁気ヘッドの磁束の漏洩状態を示す斜
視図。
【図19】図1の磁気ヘッドの磁束の漏洩状態を示す斜
視図。
【図20】従来の磁気ヘッドによる記録状態を示す平面
図。
【図21】本発明の磁気ヘッド装置の実施形態を示す斜
視図。
【図22】図21の磁気ヘッド装置を備える情報記録装
置の一例を示す平面図。
【符号の説明】
10・・・磁気ヘッド、11、12・・・磁気コア半
体、11a、12a・・・巻線溝、13、14・・・基
体、15、16・・・金属磁性薄膜、17、18・・・
トラック幅規制溝、17a、18a、27a、28a、
27b・・・ギャップ面微細溝、19・・・非磁性材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成
    面を突き合わせて接合一体化され、前記一対の磁気コア
    半体のうち少なくとも一方の磁気コア半体の前記磁気ギ
    ャップ形成面に金属磁性薄膜が成膜されてなる磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記磁気ギャップ形成面に、トラック幅方向に対して1
    0°〜30°傾斜し、0.1μm〜0.5μmの幅を有
    する略直線状の溝が、前記トラック幅方向に対し垂直方
    向にトラック幅の1/3〜1/6の間隔で複数形成され
    ていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成
    面を突き合わせて接合一体化され、前記一対の磁気コア
    半体のうち少なくとも一方の磁気コア半体の前記磁気ギ
    ャップ形成面に金属磁性薄膜が成膜されてなる磁気ヘッ
    ドにおいて、 前記磁気ギャップ形成面に、トラック幅の中心線を対称
    軸として、前記トラック幅の両端部側から前記トラック
    幅の中心線側に向かうに従い巻線溝側にトラック幅方向
    に対して10°〜30°傾斜し、0.1μm〜0.5μ
    mの幅を有する略直線状の溝が、前記トラック幅方向に
    対し垂直方向に前記トラック幅の1/3〜1/6の間隔
    で複数形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記トラック幅の中心線上に溝が形成さ
    れている請求項2に記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体に対してデータを記録再生
    する磁気ヘッド装置であり、 一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成面を突き合わせ
    て接合一体化され、前記一対の磁気コア半体のうち少な
    くとも一方の磁気コア半体の前記磁気ギャップ形成面に
    金属磁性薄膜が成膜され、前記磁気ギャップ形成面に、
    トラック幅方向に対して10°〜30°傾斜し、0.1
    μm〜0.5μmの幅を有する略直線状の溝が、前記ト
    ラック幅方向に対し垂直方向にトラック幅の1/3〜1
    /6の間隔で複数形成されている磁気ヘッドを備えたこ
    とを特徴とする磁気ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 磁気記録媒体に対してデータを記録再生
    する磁気ヘッド装置であり、 一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成面を突き合わせ
    て接合一体化され、前記一対の磁気コア半体のうち少な
    くとも一方の磁気コア半体の前記磁気ギャップ形成面に
    金属磁性薄膜が成膜され、前記磁気ギャップ形成面に、
    トラック幅の中心線を対称軸として、前記トラック幅の
    両端部側から前記トラック幅の中心線側に向かうに従い
    巻線溝側にトラック幅方向に対して10°〜30°傾斜
    し、0.1μm〜0.5μmの幅を有する略直線状の溝
    が、前記トラック幅方向に対し垂直方向に前記トラック
    幅の1/3〜1/6の間隔で複数形成されている磁気ヘ
    ッドを備えたことを特徴とする磁気ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 前記トラック幅の中心線上に溝が形成さ
    れている請求項5に記載の磁気ヘッド装置。
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