JP2000149214A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP2000149214A
JP2000149214A JP10321105A JP32110598A JP2000149214A JP 2000149214 A JP2000149214 A JP 2000149214A JP 10321105 A JP10321105 A JP 10321105A JP 32110598 A JP32110598 A JP 32110598A JP 2000149214 A JP2000149214 A JP 2000149214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実使用時の記録能力を高めることができる磁
気ヘッドを提供する。 【解決手段】 一対の磁気コア半体3A、3Bは、単結
晶フェライト1A、1Bと強磁性金属膜2A、2Bとか
ら構成され、互いに突き合わされて一体化され、強磁性
金属膜2A、2Bの間に磁気ギャップg1が形成されて
いる。磁気ギャップg1は、ヘッドコアの媒体摺動面に
臨み、その幅は、トラック幅規制溝4A、4Bにより規
制されている。そして、ヘッドコアの媒体摺動面におい
て、磁気ギャップg1は、ヘッドベースの基準面と反対
側にずれた位置に形成されており、磁気ギャップg1の
全長であるトラック幅に対し、実質的な記録トラックと
なるトラックピッチに対応する部分が、媒体摺動面のほ
ぼ中央部に配置されている。これにより、ヘッドコアの
トラックピッチ幅に相当する部分と磁気記録媒体とを隙
間無く接触させることができ、良好な摺動接触状態を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオテー
プレコーダ(VTR)等の磁気記録再生装置に組み込ま
れる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばVTR(ビデオテープ
レコーダ)等の磁気記録再生装置においては、高画質化
等を目的として情報信号の短波長記録化が進められてお
り、これに対応して磁性粉に強磁性粉末を用いた、いわ
ゆるメタルテープや、ベースフィルム上に強磁性金属材
料を直接皮着した蒸着テープ等の高抗磁力磁気記録媒体
が使用されるようになってきている。一方、これに対処
するために磁気ヘッドの分野においても研究が進められ
ており、高抗磁力磁気記録媒体用の磁気ヘッドとして、
磁気ヘッドコアに強磁性金属材料を用いた磁気ヘッドが
種々開発されている。このような磁気ヘッドの代表的な
ものとしては、強磁性酸化材料を主コアとし、強磁性金
属材料を磁気ギャップ近傍部に配したメタル・イン・ギ
ャップヘッド(いわゆるMIGヘッド)が挙げられる。
【0003】このMIGヘッドのヘッドコアは、図7に
示すように、フロントギャップg3及びバックギャップ
g4を境として、左右別々に形成された一対の磁気コア
半体101、102が、ギャップ部を介して互いに突き
合わされ、接合一体化されたものである。上記磁気コア
半体101、102は、酸化物磁性材料108、109
と強磁性金属膜110、111によって構成されてお
り、磁気コア半体101、102の対向面が強磁性金属
膜110、111の突き合わせ面間にフロントギャップ
g3及びバックギャップg4が形成されることとなる。
【0004】なお、磁気コア半体101、102の突き
合わせ面には、フロントギャップg3及びバックギャッ
プg4のトラック幅を規制するためのトラック幅規制溝
103、104が設けられている。さらに、上記トラッ
ク幅規制溝103、104には融着ガラス105が溶融
充填されており、磁気コア半体101、102を接合し
ている。また、磁気コア半体101、102の突き合わ
せ面側にはコイル巻装用の巻線溝106、107を通し
てコイル(図7では不図示)が巻装される。
【0005】ところで、上記のようなMIGヘッドは、
通常ガードバンドのないアジマス記録方式の記録再生シ
ステムで多用される。このシステムでは、互いに反対方
向にアジマス角度を有する磁気ギャップの形成された磁
気ヘッドが、順に前の磁気ヘッドで記録した部分を一部
重ね書き(オーバーライト)しながら記録することにな
る。図8は、この記録方式を詳細に説明する模式図であ
り、アジマスの異なる記録ヘッドが磁気記録媒体上を動
きながら信号の記録を行つている様子を表している。
【0006】一方のアジマスの磁気ヘッド(Ach)が
磁気記録媒体上を斜め(トラッキング方向)に走査し、
所定の幅(磁気ヘッドのトラック幅Tw)の信号を記録
する。次に他方の磁気ヘッド(Bch)が記録信号の幅
方向で、一定の間隔(これをトラックピッチ幅Tpと呼
び、システム上の実効的なトラック幅をなす)を空けて
同様に記録を行う。この時に、Bchヘッドは、Ach
ヘッドで記録した部分を一部重ね書きすることになる。
この重ね書きする量は、磁気記録システムにより異なる
が、例えばテープストリーマ分野で多く用いられている
DDS(Digital Data Storage)の最新フォーマットで
あるDDS4では、トラック幅22μmに対し、トラッ
クピッチは6.8μmとなるため、15μm以上が重ね
書きされることになる。
【0007】なお、このようなオーバーライト方式とし
ては、1つの磁気ヘッドをトラック毎に180度回転さ
せることにより、隣接するトラックを異なるアジマスで
記録する方式や、3つ以上の磁気ヘッドを用いて記録を
行うものなど、種々のものがあり、2つの磁気ヘッドを
用いる方式には限定されないものとする。
【0008】図12は、上述のようなヘッドコアをヘッ
ドベースに接合した磁気ヘッドの概要を示す平面図及び
側面図である。図示のように、ヘッドコア140は、ヘ
ッドベース130の基準面130Aに接着等によって位
置決め固着され、ヘッドコア140の先端部が磁気記録
媒体との摺動部としてヘッドベース130より突出して
いる。また、ヘッドコア140には、コイル150が巻
装され、ヘッドベース130に設けた端子板132に接
続されている。そして、上述したオーバヘッド方式の記
録動作において、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対し、
図12に示す矢線α方向、すなわち、ヘッドベース13
0と反対側の方向に順次相対移動しながら、各トラック
の記録を行うようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な磁気ヘッドを介して信号を磁気記録媒体に記録する場
合、ヘッドコアの摺動面は、信号を書き込む磁気ヘッド
の磁気ギャップ幅(トラック幅Tw)の全長にわたり、
磁気記録媒体と隙間無く接していることが必要である。
磁気ギャップと記録媒体との間に隙問ができると書き込
み能力が低下するためである。図9は、磁気ヘッドの摺
動面の形状を示す説明図であり、図中の干渉縞パターン
120により面上の凹凸状態(摺動面の曲率状態)を表
している。そして、図9に示す磁気ヘッドの場合、摺動
面は強磁性金属膜110、111の突き合わせ面に形成
された磁気ギャップg3の中央部を頂点とした、なだら
かな凸形状となっている。
【0010】すなわち、通常、磁気ヘッドの摺動面は、
トラック幅全長にわたって磁気記録媒体と隙間無く接触
させるために、上記トラック幅の中央部を凸として、磁
気記録媒体に強く接するようにしている。しかしなが
ら、トラック幅が大きくなると、トラック幅全長を隙間
無く記録媒体に接触させることが困難となる。特に、磁
気記録媒体として厚物テープ(剛性が高い)と薄物テー
プ(剛性が低い)の両方を用いるシステムでは、例え
ば、薄物テープを長く使った後に厚物テープを使用する
と、磁気ヘッドの摺動面曲率が薄物テープ用に最適化さ
れているため、磁気ヘッドのトラック幅中央部では十分
に磁気テープに接触するが、トラック幅端部では接触が
不十分となる。
【0011】そこで、オーバーライトの後に実質的に磁
気記録媒体に記録されて残るトラックピッチ幅に相当す
る部分のみが十分に磁気テープに接するように、図10
に示すごとく、磁気ヘッドの摺動面の凸部頂点が上記ト
ラックピッチ幅を書き込む部分にくるように、摺動面の
表面形状を調整することが好ましい。しかしながら、こ
の場合、磁気ヘッドが長時間の磁気テープとの摺動によ
り、磁気テープになじみながら摩耗することにより、上
記凸部頂点は、経時的に図9に示す位置に変位してしま
い、トラックピッチ幅に相当する部分を磁気テープと隙
間無く接触させることが困難となる。
【0012】そこで本発明の目的は、ヘッドコアの磁気
ギャップのうち実質的な記録トラックとなるトラックピ
ッチ幅に相当する部分を磁気記録媒体と隙間無く接触さ
せることができ、実使用時の記録能力を高めることがで
きる磁気ヘッドを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、磁気ヘッドのトラッキング方向に沿って配置
される基準面を有するヘッドベースと、前記ヘッドベー
スの基準面に取り付けられるヘッドコアとを有し、前記
ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に、前記トラッキング
方向に対して一定のアジマス角度をもって交差し、か
つ、一定のトラック幅を有する磁気ギャップを形成した
磁気ヘッドにおいて、前記磁気ギャップを、前記磁気記
録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部より前記
基準面と反対側にずれた位置に形成したことを特徴とす
る。また、前記磁気ギャップのずれ量は、オーバーライ
ト方式によって磁気記録媒体上に最終的に形成される記
録トラック幅であるトラックピッチ幅と、前記ヘッドコ
アのトラック幅との差を略2分の1した量であることを
特徴とする。
【0014】本発明の磁気ヘッドにおいて、例えば2つ
の磁気ヘッドを用いてオーバーライト方式により磁気記
録媒体への磁気記録を行う場合、一方の磁気ヘッドが磁
気記録媒体上を斜め(トラッキング方向)に走査し、所
定の幅(磁気ヘッドのトラック幅Tw)の信号を記録す
る。次に、他方の磁気ヘッドが記録信号の幅方向で、一
定の間隔(トラックピッチ幅Tp)だけ空けて同様に記
録を行う。なお、オーバーライト方式としては、1つの
磁気ヘッドをトラック毎に180度回転させることによ
り、隣接するトラックを異なるアジマスで記録する方式
や、3つ以上の磁気ヘッドを用いて記録を行うものな
ど、種々のものがあり、2つの磁気ヘッドを用いる方式
には限定されないものとする。
【0015】このような記録動作を行う場合、磁気ヘッ
ドと磁気記録媒体とは、ヘッドコアがヘッドベースと半
体側方向に順次相対移動しながら各トラックの記録を行
っていき、トラック幅Twのうちヘッドベース側のトラ
ックピッチ幅Tpの記録信号が最終的に磁気記録媒体上
に残存する記録トラックとなる。そして、本発明の磁気
ヘッドでは、磁気ギャップを、磁気記録媒体摺動面にお
けるトラック幅方向の中央部よりヘッドベースの基準面
と反対側にずれた位置に形成したことから、磁気ギャッ
プの全トラック幅のうちヘッドベース寄りの部分、すな
わち、実質的に記録信号として残存するトラックピッチ
部分を記録するギャップ部が、ヘッドコアの磁気記録媒
体摺動面におけるほぼ中央部に配置されることになる。
【0016】したがって、ヘッドコアの磁気記録媒体摺
動面を、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に
形成した場合、あるいは、ヘッドコアの磁気記録媒体摺
動面が磁気記録媒体との摺動による摩耗によって経時的
に、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成
された場合に、この頂部の部分に、磁気ギャップのトラ
ックピッチを記録する部分が一致することになり、ヘッ
ドコアの磁気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラ
ックピッチを記録する部分で極めて良好な摺接状態を得
ることができる。これにより、磁気ヘッドの実使用時の
磁気記録媒体への記録能力を改善することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による磁気ヘッドの
実施の形態について説明する。図1は、本発明による磁
気ヘッドのヘッドコアの一例を示す斜視図である。な
お、本例においては、ヘッドコアを構成する一対の磁気
コア半体の対向面に形成される強磁性金属膜が磁気ギャ
ップに対して平行となるように形成された磁気ヘッドに
ついて説明する。ただし、本発明は、このような強磁性
金属膜の形状に限定されないものである。
【0018】図1において、本例の磁気ヘッドコアは、
フロントギャップg1及びバックギャップg2を境とし
て、左右別々に形成された一対の磁気コア半体3A、3
Bが、ギャップ部を介して互いに突き合わされ、接合一
体化されたものである。上記磁気コア半体3A、3B
は、単結晶フェライト(強磁性酸化材料)1A、1Bと
強磁性金属膜2A、2Bとから構成されており、磁気コ
ア半体3A、3Bの対向面が強磁性金属膜2A、2Bに
よって構成されるようになされている。なお、磁気コア
半体3A、3Bの突き合わせ面には、フロントギャップ
g1及びバックギャップg2のトラック幅を規制するた
めのトラック幅規制溝4A、4B、コイル巻装用の巻線
溝5A、5B、及びガラス充填用のガラス溝6A、6B
が設けられている。
【0019】そして、上記強磁性金属膜2A、2Bは、
上記対向面の形状にほぼ沿って形成され、記録用磁気ギ
ャップとして機能するフロントギャップg1及びバック
ギャップg2に対して平行となるように形成されてい
る。したがって、強磁性金属膜2A、2Bの突き合わせ
面間にフロントギャップg1及びバックギャップg2が
形成される。
【0020】また、上記強磁性金属膜2A、2Bを構成
する材料としては、(1)Fe−Al−Si、Fe−G
a−Si、Fe−Al−Ge等、及びそれらに8原子%
以下の、Co、Ti、Cr、Nb、Mo、Ta、Ru、
Au、Pb、N、C、O等を一種または複数種を添加し
た結晶質材料、(2)Coを主として、Zr、Ta、T
i、Hf、Mo、Nbの一種または複数種を添加して構
成されたアモルファス材料、(3)Co、Feを主とし
て、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、Nb、Si、A
l、Bの一種または複数種とN、C、Oの一種または複
数種とを添加して構成された微結晶材料等を採用でき
る。そして、強磁性金属膜2A、2Bは、単結晶フェラ
イト1A、1B上にスパッタリング法等の真空薄膜形成
法によって上記材料の薄膜を成膜することにより形成さ
れる。
【0021】さらに、上記トラック幅規制溝4A、4B
には融着ガラス7が溶融充填されており、磁気コア半体
3A、3Bを接合している。また、磁気コア半体3A、
3Bの突き合わせ面側にはコイル巻装用の巻線溝5A、
5Bを通してコイル(図1では不図示)が巻装される。
【0022】次に、本実施例の磁気ヘッドは、次のよう
な製造工程により製造される。まず、図2に示すよう
に、磁気コア半体を形成すべく、単結晶フェライトブロ
ック1を用意する。次に、図3に示すように、単結晶フ
ェライトブロック1の磁気ギャップ形成面1aにガラス
を充填して磁気ギャップの幅を規制する断面略V字状の
トラック幅規制溝4を所定の間隔を有して複数形成す
る。そして、図4に示すように、コイルを巻装するため
の巻線溝5と、ガラスを充填するためのガラス溝6を、
それぞれトラック幅規制溝4と直交するように形成し
て、その後、磁気ギャップ形成面1aを平滑な面に仕上
げる。
【0023】次に、単結晶フェライトブロック1の磁気
ギャップ形成面1aに、Fe−Al−Si、Fe−Ni
−Al−Si、Fe−Ga−Si、Fe−Al−Ge等
の結晶材料、及びこの結晶材料に8原子%以下の、C
o、Ti、Cr、Nb、Mo、Ta、Ru、Au、P
b、N、C、O等を一種以上添加した結晶質材料、また
は、Coを主として、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、
Nbを一種以上添加して構成されたアモルファス材料、
または、Co、Feを主として、Zr、Ta、Ti、H
f、Mo、Nb、Si、Al、Bを一種以上と、N、
C、Oを一種以上添加して構成された微結晶材料等をス
パッタリング法等の真空薄膜形成法により、皮着形成し
て強磁性金属膜2を形成する。
【0024】その後、上記強磁性金属膜2の上に非磁性
材料からなるギャップスペーサ9を形成し、磁気コア半
体3を完成する。上記非磁性材料としては、通常、S
i、Cr、Mo、Zr、Ti、Ta、Ai、Nd等の酸
化物、炭化物、窒化物が使用されるが、金属単体のまま
用いることもできる。なお、巻線溝5は、フロントギャ
ップのデプス(深さ)を決定するものであり、その一側
面5aは傾斜面とされ、その解放端がフロントギャップ
のデプス零の位置となるようになされている。
【0025】次いで、図5に示すように、上記磁気コア
半体3A、3Bの接合を行なう。この際、両者の磁気ギ
ャップ形成面1a、1aを相対向させて強磁性金属膜2
A、2Bが相対向するように両者を突き合わせ、突き合
わせ方向に加圧を行ないながら、窒素雰囲気中で450
〜650°Cの温度範囲で加熱を行ない、巻線溝5A、
5B及びガラス溝6A、6B間に挿入された融着ガラス
7で融着させることによって接合を行なう。その結果、
磁気コア半体3A、3Bが接合一体化されるとともに、
その突き合わせ面間(強磁性金属膜2A、2Bの突き合
わせ面間)には、再生ギャップとして機能するフロント
ギャップg1、及びバックギャップg2(図5では不図
示)が形成される。
【0026】その後、図6に示すように、これら磁気コ
ア半体3、3の接合物を図中A−A’及びB−B’で示
す切断線によって切断し、磁気記録媒体摺動面の研磨を
行なって、図1に示すような磁気ヘッドを得る。そし
て、本例においては、上記切断工程で、突き合わせ部が
両切断線の中央に位置するのではなく、所定量Lだけず
らすことが必要である。このずらし量Lは、磁気ヘッド
の磁気記録媒体摺動面の中央部に、実際に磁気記録され
るトラックピッチの中央部が来るようにするため、次の
ように決められる。
【0027】すなわち、図11に示すように、磁気ヘッ
ドのトラック幅をTw、記録媒体上のトラックピッチ幅
をTpとすると、ずらし量Lは、 L=(Tw−Tp)/2 となる。この場合、図11に示すように、磁気ヘッドの
摺接面のヘッドベース側の端面と磁気ギャップのヘッド
ベース側の端部との間隔をH1’とし、磁気ヘッドの摺
接面のヘッドベースと反対側の端面と磁気ギャップのヘ
ッドベースと反対側の端部との間隔をH2’とした場
合、H2’−H1’=Tw−Tpの関係となる。
【0028】以上のように、本例においては、磁気ギャ
ップを、磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の
中央部よりヘッドベースの基準面と反対側にずれた位置
に形成したことから、磁気ギャップの全トラック幅のう
ちヘッドベース寄りの部分、すなわち、実質的に記録信
号として残存するトラックピッチ部分を記録するギャッ
プ部が、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面におけるほぼ
中央部に配置されることになる。
【0029】したがって、ヘッドコアの磁気記録媒体摺
動面を、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に
形成した場合、あるいは、ヘッドコアの磁気記録媒体摺
動面が磁気記録媒体との摺動による摩耗によって経時的
に、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成
された場合に、この頂部の部分に、磁気ギャップのトラ
ックピッチを記録する部分が一致することになり、ヘッ
ドコアの磁気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラ
ックピッチを記録する部分で極めて良好な摺接状態を得
ることができる。これにより、磁気ヘッドの実使用時の
磁気記録媒体への記録能力を改善することができる。
【0030】そこで本例の磁気ヘッドの効果を確認すべ
く、以下のような実験を行なった。すなわち、上述のよ
うな本例の磁気ヘッドと従来の磁気ヘッドとを作製し、
これらをDDS3ドラムに実装して、記録出力を調査し
た。なお、本例の磁気ヘッドにおいては、図11に示
す、H2’−H1’を13μmとし、従来の磁気ヘッド
としては、H2’−H1’を0μmとしており、トラッ
ク幅はいずれも22μmとしている。
【0031】両ヘッドを搭載した別々のドライブ装置で
DDS3テープにそれぞれ記録した後、それらテープを
同一のドライブ装置で再生し、出力を測定したところ、
本例の磁気ヘッドで記録したテープでは、従来の磁気ヘ
ッドで記録したテープに比べて、0.4dB高い出力が
得られた。また、長時間摺動後の効果を調べるために、
50時間走行後に同様の測定を行ったが、本例の磁気ヘ
ッドで記録したテープでは、従来に比べて0.3dBの
改善がみられた。以上のように、本発明を適用すること
により、実使用時の磁気記録媒体への記録能力を改善す
ることが可能となる。
【0032】なお、以上の例では、磁気コア半体3A、
3Bの両方に巻線溝5A、5Bを設けた例を示したが、
巻線溝は、どちらか一方の磁気コア半体に設けられれば
よいものである。また、上述した磁気ギャップのずれ量
としては、上記例に限定されず、適宜選択し得るもので
ある。さらに、以上のような構成の磁気ヘッドは、上述
したオーバーライト方式により磁気記録媒体への磁気記
録を行う装置に有効なものであるが、本発明の磁気ヘッ
ドを搭載する磁気記録再生装置の記録方法等について
は、特に限定されないものとする。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気ヘッド
では、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に形成される磁
気ギャップを、磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅
方向の中央部よりヘッドベースの基準面と反対側にずれ
た位置に形成した。このため、磁気ギャップの全トラッ
ク幅のうちヘッドベース寄りの部分、すなわち、実質的
に記録信号として残存するトラックピッチ部分を記録す
るギャップ部が、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面にお
けるほぼ中央部に配置されることから、ヘッドコアの磁
気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラックピッチ
を記録する部分で極めて良好な摺接状態を得ることがで
きる。したがって、磁気ヘッドの実使用時の磁気記録媒
体への記録能力を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドのヘッドコアの一
例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、ヘ
ッドコアを形成するための単結晶フェライトブロックを
示す斜視図である。
【図3】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、単
結晶フェライトブロックにトラック幅規制溝を形成した
状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、単
結晶フェライトブロックに巻線溝、ガラス溝を形成し、
磁性膜とギャップ膜を形成した状態を示す斜視図であ
る。
【図5】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、磁
気コア半体ブロックをギャップスペーサを介して突き合
わせてガラス融着により結合一体化した状態を示す斜視
図である。
【図6】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、一
体化された磁気コアブロックから単体のヘッドコアを切
り出す工程を示す斜視図である。
【図7】従来の磁気ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図8】オーバーヘッド方式によって記録媒体上で磁気
ヘッドが相対移動し、記録パターンを書き込む様子を示
す説明図である。
【図9】磁気ヘッドの一般的な記録媒体摺動面の形状を
示す説明図である。
【図10】磁気ヘッドの変更した記録媒体摺動面の形状
を示す説明図である。
【図11】図1に示す磁気ヘッドの記録媒体摺動面の形
状を示す説明図である。
【図12】磁気ヘッドの全体構造を示す平面図及び側面
図である。
【符号の説明】
1A、1B……単結晶フェライト、2A、2B……強磁
性金属膜、3A、3B……磁気コア半体、4A、4B…
…トラック幅規制溝、5A、5B……巻線溝、6A、6
B……ガラス溝、7……融着ガラス、9……ギャップス
ペーサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドのトラッキング方向に沿って
    配置される基準面を有するヘッドベースと、前記ヘッド
    ベースの基準面に取り付けられるヘッドコアとを有し、
    前記ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に、前記トラッキ
    ング方向に対して一定のアジマス角度をもって交差し、
    かつ、一定のトラック幅を有する磁気ギャップを形成し
    た磁気ヘッドにおいて、 前記磁気ギャップを、前記磁気記録媒体摺動面における
    トラック幅方向の中央部より前記基準面と反対側にずれ
    た位置に形成した、ことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記磁気ギャップのずれ量は、オーバー
    ライト方式によって磁気記録媒体上に最終的に形成され
    る記録トラック幅であるトラックピッチ幅と、前記ヘッ
    ドコアのトラック幅との差を略2分の1した量であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に
    おいて、少なくとも磁気ギャップの周辺部は強磁性金属
    材料によって構成され、その他の主要部分は強磁性酸化
    材料によって構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ヘッドコアは、それぞれ磁気ギャッ
    プ形成面を有する一対の磁気コア半体を有し、各磁気コ
    ア半体同士を前記磁気ギャップ形成面で突き合わせて一
    体化し、互いに突き合わされた磁気ギャップ形成面の間
    に磁気ギャップを形成したものであることを特徴とする
    請求項1記載の磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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