JP4103211B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばビデオテープレコーダ(VTR)等の磁気記録再生装置に組み込まれる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばVTR(ビデオテープレコーダ)等の磁気記録再生装置においては、高画質化等を目的として情報信号の短波長記録化が進められており、これに対応して磁性粉に強磁性粉末を用いた、いわゆるメタルテープや、ベースフィルム上に強磁性金属材料を直接皮着した蒸着テープ等の高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってきている。
一方、これに対処するために磁気ヘッドの分野においても研究が進められており、高抗磁力磁気記録媒体用の磁気ヘッドとして、磁気ヘッドコアに強磁性金属材料を用いた磁気ヘッドが種々開発されている。このような磁気ヘッドの代表的なものとしては、強磁性酸化材料を主コアとし、強磁性金属材料を磁気ギャップ近傍部に配したメタル・イン・ギャップヘッド(いわゆるMIGヘッド)が挙げられる。
【0003】
このMIGヘッドのヘッドコアは、図7に示すように、フロントギャップg3及びバックギャップg4を境として、左右別々に形成された一対の磁気コア半体101、102が、ギャップ部を介して互いに突き合わされ、接合一体化されたものである。
上記磁気コア半体101、102は、酸化物磁性材料108、109と強磁性金属膜110、111によって構成されており、磁気コア半体101、102の対向面が強磁性金属膜110、111の突き合わせ面間にフロントギャップg3及びバックギャップg4が形成されることとなる。
【0004】
なお、磁気コア半体101、102の突き合わせ面には、フロントギャップg3及びバックギャップg4のトラック幅を規制するためのトラック幅規制溝103、104が設けられている。
さらに、上記トラック幅規制溝103、104には融着ガラス105が溶融充填されており、磁気コア半体101、102を接合している。また、磁気コア半体101、102の突き合わせ面側にはコイル巻装用の巻線溝106、107を通してコイル(図7では不図示)が巻装される。
【0005】
ところで、上記のようなMIGヘッドは、通常ガードバンドのないアジマス記録方式の記録再生システムで多用される。このシステムでは、互いに反対方向にアジマス角度を有する磁気ギャップの形成された磁気ヘッドが、順に前の磁気ヘッドで記録した部分を一部重ね書き(オーバーライト)しながら記録することになる。
図8は、この記録方式を詳細に説明する模式図であり、アジマスの異なる記録ヘッドが磁気記録媒体上を動きながら信号の記録を行つている様子を表している。
【0006】
一方のアジマスの磁気ヘッド(Ach)が磁気記録媒体上を斜め(トラッキング方向)に走査し、所定の幅(磁気ヘッドのトラック幅Tw)の信号を記録する。次に他方の磁気ヘッド(Bch)が記録信号の幅方向で、一定の間隔(これをトラックピッチ幅Tpと呼び、システム上の実効的なトラック幅をなす)を空けて同様に記録を行う。
この時に、Bchヘッドは、Achヘッドで記録した部分を一部重ね書きすることになる。この重ね書きする量は、磁気記録システムにより異なるが、例えばテープストリーマ分野で多く用いられているDDS(Digital Data Storage)の最新フォーマットであるDDS4では、トラック幅22μmに対し、トラックピッチは6.8μmとなるため、15μm以上が重ね書きされることになる。
【0007】
なお、このようなオーバーライト方式としては、1つの磁気ヘッドをトラック毎に180度回転させることにより、隣接するトラックを異なるアジマスで記録する方式や、3つ以上の磁気ヘッドを用いて記録を行うものなど、種々のものがあり、2つの磁気ヘッドを用いる方式には限定されないものとする。
【0008】
図12は、上述のようなヘッドコアをヘッドベースに接合した磁気ヘッドの概要を示す平面図及び側面図である。
図示のように、ヘッドコア140は、ヘッドベース130の基準面130Aに接着等によって位置決め固着され、ヘッドコア140の先端部が磁気記録媒体との摺動部としてヘッドベース130より突出している。また、ヘッドコア140には、コイル150が巻装され、ヘッドベース130に設けた端子板132に接続されている。
そして、上述したオーバヘッド方式の記録動作において、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対し、図12に示す矢線α方向、すなわち、ヘッドベース130と反対側の方向に順次相対移動しながら、各トラックの記録を行うようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような磁気ヘッドを介して信号を磁気記録媒体に記録する場合、ヘッドコアの摺動面は、信号を書き込む磁気ヘッドの磁気ギャップ幅(トラック幅Tw)の全長にわたり、磁気記録媒体と隙間無く接していることが必要である。磁気ギャップと記録媒体との間に隙問ができると書き込み能力が低下するためである。
図9は、磁気ヘッドの摺動面の形状を示す説明図であり、図中の干渉縞パターン120により面上の凹凸状態(摺動面の曲率状態)を表している。そして、図9に示す磁気ヘッドの場合、摺動面は強磁性金属膜110、111の突き合わせ面に形成された磁気ギャップg3の中央部を頂点とした、なだらかな凸形状となっている。
【0010】
すなわち、通常、磁気ヘッドの摺動面は、トラック幅全長にわたって磁気記録媒体と隙間無く接触させるために、上記トラック幅の中央部を凸として、磁気記録媒体に強く接するようにしている。
しかしながら、トラック幅が大きくなると、トラック幅全長を隙間無く記録媒体に接触させることが困難となる。特に、磁気記録媒体として厚物テープ(剛性が高い)と薄物テープ(剛性が低い)の両方を用いるシステムでは、例えば、薄物テープを長く使った後に厚物テープを使用すると、磁気ヘッドの摺動面曲率が薄物テープ用に最適化されているため、磁気ヘッドのトラック幅中央部では十分に磁気テープに接触するが、トラック幅端部では接触が不十分となる。
【0011】
そこで、オーバーライトの後に実質的に磁気記録媒体に記録されて残るトラックピッチ幅に相当する部分のみが十分に磁気テープに接するように、図10に示すごとく、磁気ヘッドの摺動面の凸部頂点が上記トラックピッチ幅を書き込む部分にくるように、摺動面の表面形状を調整することが好ましい。
しかしながら、この場合、磁気ヘッドが長時間の磁気テープとの摺動により、磁気テープになじみながら摩耗することにより、上記凸部頂点は、経時的に図9に示す位置に変位してしまい、トラックピッチ幅に相当する部分を磁気テープと隙間無く接触させることが困難となる。
【0012】
そこで本発明の目的は、ヘッドコアの磁気ギャップのうち実質的な記録トラックとなるトラックピッチ幅に相当する部分を磁気記録媒体と隙間無く接触させることができ、実使用時の記録能力を高めることができる磁気ヘッドを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、磁気ヘッドのトラッキング方向に沿って配置される基準面を有するヘッドベースと、前記ヘッドベースの基準面に取り付けられるヘッドコアとを有し、前記ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に、前記トラッキング方向に対して一定のアジマス角度をもって交差し、かつ、一定のトラック幅を有する磁気ギャップを形成した磁気ヘッドにおいて、前記磁気ギャップを、前記磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部より前記基準面と反対側にずれた位置に形成したことを特徴とする。
また、前記磁気ギャップのずれ量は、オーバーライト方式によって磁気記録媒体上に最終的に形成される記録トラック幅であるトラックピッチ幅と、前記ヘッドコアのトラック幅との差を略2分の1した量であることを特徴とする。
【0014】
本発明の磁気ヘッドにおいて、例えば2つの磁気ヘッドを用いてオーバーライト方式により磁気記録媒体への磁気記録を行う場合、一方の磁気ヘッドが磁気記録媒体上を斜め(トラッキング方向)に走査し、所定の幅(磁気ヘッドのトラック幅Tw)の信号を記録する。次に、他方の磁気ヘッドが記録信号の幅方向で、一定の間隔(トラックピッチ幅Tp)だけ空けて同様に記録を行う。
なお、オーバーライト方式としては、1つの磁気ヘッドをトラック毎に180度回転させることにより、隣接するトラックを異なるアジマスで記録する方式や、3つ以上の磁気ヘッドを用いて記録を行うものなど、種々のものがあり、2つの磁気ヘッドを用いる方式には限定されないものとする。
【0015】
このような記録動作を行う場合、磁気ヘッドと磁気記録媒体とは、ヘッドコアがヘッドベースと半体側方向に順次相対移動しながら各トラックの記録を行っていき、トラック幅Twのうちヘッドベース側のトラックピッチ幅Tpの記録信号が最終的に磁気記録媒体上に残存する記録トラックとなる。
そして、本発明の磁気ヘッドでは、磁気ギャップを、磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部よりヘッドベースの基準面と反対側にずれた位置に形成したことから、磁気ギャップの全トラック幅のうちヘッドベース寄りの部分、すなわち、実質的に記録信号として残存するトラックピッチ部分を記録するギャップ部が、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面におけるほぼ中央部に配置されることになる。
【0016】
したがって、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面を、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成した場合、あるいは、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面が磁気記録媒体との摺動による摩耗によって経時的に、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成された場合に、この頂部の部分に、磁気ギャップのトラックピッチを記録する部分が一致することになり、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラックピッチを記録する部分で極めて良好な摺接状態を得ることができる。
これにより、磁気ヘッドの実使用時の磁気記録媒体への記録能力を改善することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による磁気ヘッドの実施の形態について説明する。
図1は、本発明による磁気ヘッドのヘッドコアの一例を示す斜視図である。
なお、本例においては、ヘッドコアを構成する一対の磁気コア半体の対向面に形成される強磁性金属膜が磁気ギャップに対して平行となるように形成された磁気ヘッドについて説明する。ただし、本発明は、このような強磁性金属膜の形状に限定されないものである。
【0018】
図1において、本例の磁気ヘッドコアは、フロントギャップg1及びバックギャップg2を境として、左右別々に形成された一対の磁気コア半体3A、3Bが、ギャップ部を介して互いに突き合わされ、接合一体化されたものである。
上記磁気コア半体3A、3Bは、単結晶フェライト(強磁性酸化材料)1A、1Bと強磁性金属膜2A、2Bとから構成されており、磁気コア半体3A、3Bの対向面が強磁性金属膜2A、2Bによって構成されるようになされている。
なお、磁気コア半体3A、3Bの突き合わせ面には、フロントギャップg1及びバックギャップg2のトラック幅を規制するためのトラック幅規制溝4A、4B、コイル巻装用の巻線溝5A、5B、及びガラス充填用のガラス溝6A、6Bが設けられている。
【0019】
そして、上記強磁性金属膜2A、2Bは、上記対向面の形状にほぼ沿って形成され、記録用磁気ギャップとして機能するフロントギャップg1及びバックギャップg2に対して平行となるように形成されている。したがって、強磁性金属膜2A、2Bの突き合わせ面間にフロントギャップg1及びバックギャップg2が形成される。
【0020】
また、上記強磁性金属膜2A、2Bを構成する材料としては、(1)Fe−Al−Si、Fe−Ga−Si、Fe−Al−Ge等、及びそれらに8原子%以下の、Co、Ti、Cr、Nb、Mo、Ta、Ru、Au、Pb、N、C、O等を一種または複数種を添加した結晶質材料、(2)Coを主として、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、Nbの一種または複数種を添加して構成されたアモルファス材料、(3)Co、Feを主として、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、Nb、Si、Al、Bの一種または複数種とN、C、Oの一種または複数種とを添加して構成された微結晶材料等を採用できる。そして、強磁性金属膜2A、2Bは、単結晶フェライト1A、1B上にスパッタリング法等の真空薄膜形成法によって上記材料の薄膜を成膜することにより形成される。
【0021】
さらに、上記トラック幅規制溝4A、4Bには融着ガラス7が溶融充填されており、磁気コア半体3A、3Bを接合している。また、磁気コア半体3A、3Bの突き合わせ面側にはコイル巻装用の巻線溝5A、5Bを通してコイル(図1では不図示)が巻装される。
【0022】
次に、本実施例の磁気ヘッドは、次のような製造工程により製造される。
まず、図2に示すように、磁気コア半体を形成すべく、単結晶フェライトブロック1を用意する。
次に、図3に示すように、単結晶フェライトブロック1の磁気ギャップ形成面1aにガラスを充填して磁気ギャップの幅を規制する断面略V字状のトラック幅規制溝4を所定の間隔を有して複数形成する。
そして、図4に示すように、コイルを巻装するための巻線溝5と、ガラスを充填するためのガラス溝6を、それぞれトラック幅規制溝4と直交するように形成して、その後、磁気ギャップ形成面1aを平滑な面に仕上げる。
【0023】
次に、単結晶フェライトブロック1の磁気ギャップ形成面1aに、Fe−Al−Si、Fe−Ni−Al−Si、Fe−Ga−Si、Fe−Al−Ge等の結晶材料、及びこの結晶材料に8原子%以下の、Co、Ti、Cr、Nb、Mo、Ta、Ru、Au、Pb、N、C、O等を一種以上添加した結晶質材料、または、Coを主として、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、Nbを一種以上添加して構成されたアモルファス材料、または、Co、Feを主として、Zr、Ta、Ti、Hf、Mo、Nb、Si、Al、Bを一種以上と、N、C、Oを一種以上添加して構成された微結晶材料等をスパッタリング法等の真空薄膜形成法により、皮着形成して強磁性金属膜2を形成する。
【0024】
その後、上記強磁性金属膜2の上に非磁性材料からなるギャップスペーサ9を形成し、磁気コア半体3を完成する。
上記非磁性材料としては、通常、Si、Cr、Mo、Zr、Ti、Ta、Ai、Nd等の酸化物、炭化物、窒化物が使用されるが、金属単体のまま用いることもできる。
なお、巻線溝5は、フロントギャップのデプス(深さ)を決定するものであり、その一側面5aは傾斜面とされ、その解放端がフロントギャップのデプス零の位置となるようになされている。
【0025】
次いで、図5に示すように、上記磁気コア半体3A、3Bの接合を行なう。この際、両者の磁気ギャップ形成面1a、1aを相対向させて強磁性金属膜2A、2Bが相対向するように両者を突き合わせ、突き合わせ方向に加圧を行ないながら、窒素雰囲気中で450〜650°Cの温度範囲で加熱を行ない、巻線溝5A、5B及びガラス溝6A、6B間に挿入された融着ガラス7で融着させることによって接合を行なう。
その結果、磁気コア半体3A、3Bが接合一体化されるとともに、その突き合わせ面間(強磁性金属膜2A、2Bの突き合わせ面間)には、再生ギャップとして機能するフロントギャップg1、及びバックギャップg2(図5では不図示)が形成される。
【0026】
その後、図6に示すように、これら磁気コア半体3、3の接合物を図中A−A’及びB−B’で示す切断線によって切断し、磁気記録媒体摺動面の研磨を行なって、図1に示すような磁気ヘッドを得る。
そして、本例においては、上記切断工程で、突き合わせ部が両切断線の中央に位置するのではなく、所定量Lだけずらすことが必要である。
このずらし量Lは、磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動面の中央部に、実際に磁気記録されるトラックピッチの中央部が来るようにするため、次のように決められる。
【0027】
すなわち、図11に示すように、磁気ヘッドのトラック幅をTw、記録媒体上のトラックピッチ幅をTpとすると、ずらし量Lは、
L=(Tw−Tp)/2
となる。
この場合、図11に示すように、磁気ヘッドの摺接面のヘッドベース側の端面と磁気ギャップのヘッドベース側の端部との間隔をH1’とし、磁気ヘッドの摺接面のヘッドベースと反対側の端面と磁気ギャップのヘッドベースと反対側の端部との間隔をH2’とした場合、H2’−H1’=Tw−Tpの関係となる。
【0028】
以上のように、本例においては、磁気ギャップを、磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部よりヘッドベースの基準面と反対側にずれた位置に形成したことから、磁気ギャップの全トラック幅のうちヘッドベース寄りの部分、すなわち、実質的に記録信号として残存するトラックピッチ部分を記録するギャップ部が、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面におけるほぼ中央部に配置されることになる。
【0029】
したがって、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面を、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成した場合、あるいは、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面が磁気記録媒体との摺動による摩耗によって経時的に、その中央部に頂部を有するなだらかな凸面状に形成された場合に、この頂部の部分に、磁気ギャップのトラックピッチを記録する部分が一致することになり、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラックピッチを記録する部分で極めて良好な摺接状態を得ることができる。
これにより、磁気ヘッドの実使用時の磁気記録媒体への記録能力を改善することができる。
【0030】
そこで本例の磁気ヘッドの効果を確認すべく、以下のような実験を行なった。すなわち、上述のような本例の磁気ヘッドと従来の磁気ヘッドとを作製し、これらをDDS3ドラムに実装して、記録出力を調査した。
なお、本例の磁気ヘッドにおいては、図11に示す、H2’−H1’を13μmとし、従来の磁気ヘッドとしては、H2’−H1’を0μmとしており、トラック幅はいずれも22μmとしている。
【0031】
両ヘッドを搭載した別々のドライブ装置でDDS3テープにそれぞれ記録した後、それらテープを同一のドライブ装置で再生し、出力を測定したところ、本例の磁気ヘッドで記録したテープでは、従来の磁気ヘッドで記録したテープに比べて、0.4dB高い出力が得られた。また、長時間摺動後の効果を調べるために、50時間走行後に同様の測定を行ったが、本例の磁気ヘッドで記録したテープでは、従来に比べて0.3dBの改善がみられた。
以上のように、本発明を適用することにより、実使用時の磁気記録媒体への記録能力を改善することが可能となる。
【0032】
なお、以上の例では、磁気コア半体3A、3Bの両方に巻線溝5A、5Bを設けた例を示したが、巻線溝は、どちらか一方の磁気コア半体に設けられればよいものである。
また、上述した磁気ギャップのずれ量としては、上記例に限定されず、適宜選択し得るものである。
さらに、以上のような構成の磁気ヘッドは、上述したオーバーライト方式により磁気記録媒体への磁気記録を行う装置に有効なものであるが、本発明の磁気ヘッドを搭載する磁気記録再生装置の記録方法等については、特に限定されないものとする。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の磁気ヘッドでは、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に形成される磁気ギャップを、磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部よりヘッドベースの基準面と反対側にずれた位置に形成した。
このため、磁気ギャップの全トラック幅のうちヘッドベース寄りの部分、すなわち、実質的に記録信号として残存するトラックピッチ部分を記録するギャップ部が、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面におけるほぼ中央部に配置されることから、ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面と磁気記録媒体とが、トラックピッチを記録する部分で極めて良好な摺接状態を得ることができる。したがって、磁気ヘッドの実使用時の磁気記録媒体への記録能力を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドのヘッドコアの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、ヘッドコアを形成するための単結晶フェライトブロックを示す斜視図である。
【図3】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、単結晶フェライトブロックにトラック幅規制溝を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、単結晶フェライトブロックに巻線溝、ガラス溝を形成し、磁性膜とギャップ膜を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、磁気コア半体ブロックをギャップスペーサを介して突き合わせてガラス融着により結合一体化した状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示す磁気ヘッドの製造工程において、一体化された磁気コアブロックから単体のヘッドコアを切り出す工程を示す斜視図である。
【図7】従来の磁気ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図8】オーバーヘッド方式によって記録媒体上で磁気ヘッドが相対移動し、記録パターンを書き込む様子を示す説明図である。
【図9】磁気ヘッドの一般的な記録媒体摺動面の形状を示す説明図である。
【図10】磁気ヘッドの変更した記録媒体摺動面の形状を示す説明図である。
【図11】図1に示す磁気ヘッドの記録媒体摺動面の形状を示す説明図である。
【図12】磁気ヘッドの全体構造を示す平面図及び側面図である。
【符号の説明】
1A、1B……単結晶フェライト、2A、2B……強磁性金属膜、3A、3B……磁気コア半体、4A、4B……トラック幅規制溝、5A、5B……巻線溝、6A、6B……ガラス溝、7……融着ガラス、9……ギャップスペーサ。

Claims (3)

  1. 磁気ヘッドのトラッキング方向に沿って配置される基準面を有するヘッドベースと、前記ヘッドベースの基準面に取り付けられるヘッドコアとを有し、前記ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面に、前記トラッキング方向に対して一定のアジマス角度をもって交差し、かつ、一定のトラック幅を有する磁気ギャップを形成した磁気ヘッドにおいて、
    前記磁気ギャップを、前記磁気記録媒体摺動面におけるトラック幅方向の中央部より前記基準面と反対側にずれた位置に形成し、
    前記磁気ギャップのずれ量は、オーバーライト方式によって前記磁気記録媒体上に最終的に形成される記録トラック幅であるトラックピッチ幅と、前記ヘッドコアのトラック幅との差を略2分の1した量である
    ことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記ヘッドコアの磁気記録媒体摺動面において、少なくとも磁気ギャップの周辺部は強磁性金属材料によって構成され、その他の主要部分は強磁性酸化材料によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 前記ヘッドコアは、それぞれ磁気ギャップ形成面を有する一対の磁気コア半体を有し、各磁気コア半体同士を前記磁気ギャップ形成面で突き合わせて一体化し、互いに突き合わされた磁気ギャップ形成面の間に磁気ギャップを形成したものであることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
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