JP3603538B2 - 単結晶フェライト磁気ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオテープレコーダ、DATストリーマーなどの磁気テープを媒体とした磁気記録再生装置に使用される単結晶フェライト磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3、図4は従来の単結晶フェライト磁気ヘッドを説明する図である。図3は通称VHS方位と呼ばれるタイプの単結晶フェライト磁気ヘッドであり、同図中、10は、単結晶フェライト材からなるコア1、2を突き合わせてギャップ3を形成する単結晶フェライト磁気ヘッドである。コア1、2はそれぞれ図の如く、それぞれの結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(211)面、及び磁化容易化軸が<110>軸に設定されている。ここで、矢印5は磁化容易軸の軸方向を示しており、図の如くギャップ3の方向を向いている。また、矢印Aは、単結晶フェライト磁気ヘッド10の摺動面4を摺動する磁気テープの摺動方向を示している。また、図2において、符号Cで示す曲線は周波数を横軸に、磁気再生出力を縦軸にした単結晶フェライト磁気ヘッド特性である。
【0003】
図4は、通称β方位と呼ばれるタイプの単結晶フェライト磁気ヘッドであり、同図中、11は、単結晶フェライト材からなるコア7、8を突き合わせてギャップ9を形成する単結晶フェライト磁気ヘッドである。コア7、8はそれぞれ図の如く、その結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(110)面、及び磁化容易化軸が<110>軸に設定されている。ここで、矢印12、13は磁化容易軸の軸方向を示しており、図の如くギャップ9と平行の方向を向いている。また、矢印Aは、単結晶フェライト磁気ヘッド11の摺動面15を摺動する磁気テープの摺動方向を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図3に示す単結晶フェライト磁気ヘッド10は、図5に示す如くテープ摺動面4とテープとのあたり位置、特に単結晶フェライト磁気ヘッドの入り口側(コア2側であって、単結晶フェライト磁気ヘッドとテープが最初にあたる位置)が移動し、いわゆる偏磨耗が生じる。ここで図5は、テープをA方向へ摺動した時の単結晶フェライト磁気ヘッド10の摺動面を干渉縞で表したもので、(a)はテープ摺動前、(b)は摺動後100時間、(c)は摺動後200時間(d)摺動後500時間経た後の干渉縞の様子である。このため、ヘッド特性が劣化するという問題点がある。また、図4に示す単結晶フェライト磁気ヘッド11は、磁気容易化軸12、13がギャップ9の方向に向いていないため、図2の符号Bで示す曲線の如く、単結晶フェライト磁気ヘッドの再生出力が小さいという問題点がある。
【0005】
これに鑑み、本発明は、単結晶フェライト磁気ヘッドの再生出力を劣化させず、偏磨耗を低減した単結晶フェライト磁気ヘッドを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、単結晶フェライト材からなる第1のコアと、単結晶フェライト材からなる第2のコアとを突き合わせてなり磁気テープに記録再生を行う単結晶フェライト磁気ヘッドにおいて、
前記第1のコアは、その結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(211)面、及び磁化容易化軸が<110>軸からなるVHS方位に設定され、前記第2のコアは、その結晶方位において主磁路形成面が(110)、テープ摺動面が(110)面、及び磁化容易軸が<110>軸からなるβ方位に設定され、該第1のコアと該第2のコアとを突き合わせてギャップを形成することにより解決される。
【0007】
また、上記課題は、前記単結晶フェライト磁気ヘッドは、テープが摺動する際、第1のコアがテープの入り口側、前記第2のコアが前記テープの出口側に配することによって解決される。
【0008】
また、上記課題は、前記単結晶フェライト磁気ヘッドは、テープが摺動する際、第2のコアがテープの入り口側、前記第1のコアが前記テープの出口側に配することによって解決される。
【0009】
上記構成によれば、上記VHS方位の一方のコアとβ方位の一方のコアとを突き合わせて単結晶フェライト磁気ヘッドを形成したため、磁気再生出力を劣化させず、また偏磨耗を低減して単結晶フェライト磁気ヘッドの特性を向上させる。
【0010】
また、テープが摺動する際、第1のコアがテープの入り口側、前記第2のコアが前記テープの出口側に配したため、出口側での偏磨耗を低減し、耐偏磨耗特性が向上する。
【0011】
また、前記単結晶フェライト磁気ヘッドは、テープが摺動する際、第2のコアがテープの入り口側、前記第1のコアが前記テープの出口側に配したため、偏磨耗が入り口で抑えられため、耐偏磨耗特性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る単結晶フェライト磁気ヘッドの一実施形態を示している。同図中、20は、単結晶フェライト材からなるコア16、17を突き合わせてギャップ18を形成する単結晶フェライト磁気ヘッドである。コア16は、その結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(110)面、及び磁化容易化軸が<110>軸に設定され、コア17は、その結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(211)面、及び磁化容易化軸が<110>軸に設定されている。即ち、コア16は上述したβ方位のコアであり、コア17はVHS方位のコアである。ここで、矢印19、21は磁化容易軸の軸方向を示しており矢印19は、図の如くギャップ18と平行の方向を向いており、矢印21はギャップ18の方向を向いている。
【0014】
また、矢印Aは、単結晶フェライト磁気ヘッド20の摺動面22を摺動する磁気テープの摺動方向を示している。また、図2において、符号Dで示す曲線は周波数を横軸に、磁気再生出力を縦軸にした単結晶フェライト磁気ヘッド特性である。
【0015】
上記構成の単結晶フェライト磁気ヘッド20は、テープの出口側に位置するコア16が、上述したβ方位であるので、偏磨耗が起こり難く、また、テープの入り口側に位置するコア17の磁化容易軸21が単結晶フェライト磁気ヘッド20のギャップ18の方向へ向いているので、図2に示す如く、磁気再生出力がβ方位の場合よりも高出力となる。
【0016】
また、図を省略するも、テープの出口側にVHV方位のコアが、入り口側にβ方位のコアを位置させた場合も、入り口側のコアの磨耗が少ないので、偏磨耗が少なく、また、出口側のコアの磁化容易軸が単結晶フェライト磁気ヘッドのギャップの方向へ向いているので、図2に示す如く、磁気再生出力がβ方位の場合よりも高出力となる。
【0017】
なお、上記説明中、単結晶フェライト磁気ヘッドコアの材質として単結晶フェライトに限定して説明したが、これに限らず単結晶フェライトをベースとした単結晶フェライト磁気ヘッド、例えばMIGヘッド、TSSヘッドなどにも適用される。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る単結晶フェライト磁気ヘッドは、第1のコアと、第2のコアとを突き合わせてなる単結晶フェライト磁気ヘッドにおいて、その結晶方位において前記第1のコアは主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(211)面、及び磁化容易化軸が<110>軸からなるVHS方位に設定され、前記第2のコアは、その結晶方位において主磁路形成面が(110)、テープ摺動面が(110)面、及び磁化容易軸が<110>軸からなるβ方位に設定し、または前記単結晶フェライト磁気ヘッドを、テープが摺動する際、第1のコアがテープの入り口側、前記第2のコアが前記テープの出口側に配し、または前記単結晶フェライト磁気ヘッドを、テープが摺動する際、第2のコアがテープの入り口側、前記第1のコアが前記テープの出口側に配したため、単結晶フェライト磁気ヘッドの磁気再生出力を劣化させず、また単結晶フェライト磁気ヘッドのテープとの摺動面における偏磨耗を低減して単結晶フェライト磁気ヘッド特性を向上させる効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶フェライト磁気ヘッドの実施例を示す図。
【図2】本発明に係る単結晶フェライト磁気ヘッド特性図を示す図。
【図3】従来に係るVHS方位の単結晶フェライト磁気ヘッドを示す図。
【図4】従来に係るβ方位の単結晶フェライト磁気ヘッドを示す図。
【図5】図3の単結晶フェライト磁気ヘッド摺動面におけるテープとの摺動時間経過後の偏磨耗の状態を示す図。
【符号の説明】
10、11、20 単結晶フェライト磁気ヘッド
1、2、7、8、16、17 コア
3、9、18 ギャップ
4、15、22 単結晶磁気ヘッドの摺動面
5、6、12、13、19、21 磁化容易軸方向
Claims (3)
- 単結晶フェライト材からなる第1のコアと、単結晶フェライト材からなる第2のコアとを突き合わせてなり磁気テープに記録再生を行う単結晶フェライト磁気ヘッドにおいて、
前記第1のコアは、その結晶方位において主磁路形成面が(110)面、テープ摺動面が(211)面、及び磁化容易化軸が<110>軸からなるVHS方位に設定され、前記第2のコアは、その結晶方位において主磁路形成面が(110)、テープ摺動面が(110)面、及び磁化容易軸が<110>軸からなるβ方位に設定され、該第1のコアと該第2のコアとを突き合わせてギャップを形成することを特徴とする単結晶フェライト磁気ヘッド。 - 前記単結晶フェライト磁気ヘッドは、テープが摺動する際、第1のコアがテープの入り口側、前記第2のコアが前記テープの出口側に配される請求項1記載の単結晶フェライト磁気ヘッド。
- 前記単結晶フェライト磁気ヘッドは、テープが摺動する際、第2のコアがテープの入り口側、前記第1のコアが前記テープの出口側に配される請求項1記載の単結晶フェライト磁気ヘッド。
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ID=14897389
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JP12491997A Expired - Fee Related JP3603538B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 単結晶フェライト磁気ヘッド |
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JP2001118212A (ja) | 1999-10-14 | 2001-04-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置 |
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1997
- 1997-04-28 JP JP12491997A patent/JP3603538B2/ja not_active Expired - Fee Related
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