JPH06101104B2

JPH06101104B2 - 磁気ヘッド装置

Info

Publication number: JPH06101104B2
Application number: JP32020887A
Authority: JP
Inventors: 和彦古閑
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 1987-12-17
Filing date: 1987-12-17
Publication date: 1994-12-12
Anticipated expiration: 2009-12-12
Also published as: JPH01159821A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本発明はダブルアジマス磁気ヘッドとシングルアジマス
磁気ヘッドとからなる磁気ヘッド装置に関する。

（ロ）従来の技術通常、家庭用のVTR（ビデオテープレコーダ）では、ス
チル再生、スロー再生等の特殊再生を行う場合、ブレの
ない画面を再生するために、回転シリンダに同一アジマ
ス角を有する２個のヘッドチップを位相差が略180゜に
なる様に取り付け、その２個のヘッドチップで同一の記
録軌跡をトレースし再生することが行われている。ま
た、通常の記録再生のためにアジマス角を異にした２個
のヘッドチップは位相差が略180゜になるように回転シ
リンダに取り付けられている。そして、１個のヘッドチ
ップを上述の特殊再生用の２個のヘッドチップと通常の
記録再生用の２個のヘッドチップとに共用するために
は、特開昭59−92422号公報（G11B5/22）等に開示され
ているようにアジマス角の異なる２個のヘッドチップを
近接して設けたダブルアジマス磁気ヘッドが必要であ
る。

第６図は上記従来の磁気ヘッドの配置を示す図である。

図中、（１）は互いに異なるアジマス角を有する第１、
第２ヘッドチップ（２）（３）が同一のヘッドベース
（４）上に取り付けられているダブルアジマス磁気ヘッ
ドである。（５）は前記第２ヘッドチップ（３）と等し
いアジマス角を有する第４ヘッドチップ（６）がヘッド
ベース（７）上に取り付けられているシングルアジマス
磁気ヘッドである。前記ダブルアジマス磁気ヘッド
（１）と前記シングルアジマス磁気ヘッド（５）とは回
転シリンダ（８）に互いに位相差180゜をもって配設さ
れている。そして、この磁気ヘッド装置によってスチル
再生、スロー再生等を行う場合、第３ヘッドチップ
（６）で記録された記録軌跡を第２ヘッドチップ（３）
と第３ヘッドチップ（６）とで交互に再生する。

第５図（ａ）は第６図に示すダブルアジマス磁気ヘッド
（１）を拡大して示す図である。第１ヘッドチップ
（２）はフェライトよりなる第１コア（９）と第２コア
（10）とから成り、該第２コア（10）に設けられた巻線
溝（11）にはコイル（12）が巻回されている。また、第
２ヘッドチップ（３）も同様にフェライトよりなる第１
コア（13）と第２コア（14）とから成り、該第２コア
（14）に設けられた巻線溝（15）にはコイル（16）が巻
回されている。前記第１コア（９）（13）のコア幅I_w1
は0.2mm、前記第２コア（10）（14）のコア幅C_w1は1.3m
mである。

第５図（ｂ）は第６図に示すシングルアジマス磁気ヘッ
ドを拡大して示す図である。第３ヘッドチップ（６）は
フェライトよりなる第３コア（17）と第４コア（18）と
から成り、該第４コア（18）に設けられた巻線溝（19）
にはコイル（20）が巻回されている。前記第３、第４コ
ア（17）（18）のコア幅I_w2、C_w2は共に1.3mmである。

上述のような磁気ヘッド装置の場合良好な記録再生を行
う場合、第１、第２、第３ヘッドチップ（２）（３）
（６）のインダクタンスを等しくする必要がある。上記
従来の磁気ヘッド装置の場合、前記第１、第２ヘッドチ
ップ（２）（３）と前記第３ヘッドチップ（６）との形
状が異なるため、コイル（12）（16）（20）の巻回数を
調整することにより両者のインダクタンスを等しくして
いる。しかし乍ら、前記コイル（12）（16）（20）の巻
回数が異なると前記ヘッドチップ（２）（３）（６）間
ではヘッド出力、周波数特性等に差が生じる。また、前
記ヘッドチップ（２）（３）（６）間でヘッド出力、周
波数特性等に差が生じるのは、前記ヘッドチップ（２）
（３）において第１コア（９）（13）のコア幅I_w1が極
端に小さいため、磁路が狭く、しかもその部分に加工歪
が生じるためでもある。具体的には、ダブルアジマス磁
気ヘッド（１）の周波数特性はシングルアジマス磁気ヘ
ッド（５）に比べて０〜2dB程度小さくなり、ダブルア
ジマス磁気ヘッド（１）とシングルアジマス磁気ヘッド
（５）の電気特性、記録再生特性等のヘッド特性を同等
にすることは困難である。そして、このようなヘッド特
性の異なるダブルアジマス磁気ヘッド（１）とシングル
アジマス磁気ヘッド（５）とで再生を行う場合、再生画
面にフリッカ等のチラツキが生じる。尚、ここでいう周
波数特性とはである。

（ハ）発明が解決しようとする問題点本発明は上記従来例の欠点に鑑みなされたものであり、
ダブルアジマス磁気ヘッドとシングルアジマス磁気ヘッ
ドとが略等しいインダクタンス状態で生じる周波数特性
の差を抑え、前記両ヘッドのペア特性がよい磁気ヘッド
装置を提供することを目的とするものである。

（ニ）問題点を解決するための手段ダブルアジマス磁気ヘッドとシングルアジマス磁気ヘッ
ドとのギャップ長が異なるように構成する。

（ホ）作用一般に、ギャップ長が大きい程、が大きくなり、周波数特性が劣化することが知られてい
る。第７図は磁気ヘッドと磁気テープとの相対速度が5.
8m/secの時の各ギャップ長におけるの値を測定し、その結果を示す図であり、この図から上
述の関係が正しいことが判る。即ち、ダブルアジマス磁
気ヘッドとシングルアジマス磁気ヘッドとのギャップ長
を異ならすことにより、前記両磁気ヘッドのコイルの巻
回数を変えて両者のインダクタンスを一致させた状態
で、前記両磁気ヘッドの周波数特性を略等しく出来る。

（ヘ）実施例以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を詳細に説明
する。

第１図（ａ）は本実施例のダブルアジマス磁気ヘッドを
示す平面図、第１図（ｂ）は本実施例のシングルアジマ
ス磁気ヘッドを示す平面図であり、第５図（ａ）（ｂ）
と同一部分には同一符号を付し、その説明は第５図
（ａ）（ｂ）の説明を援用する。また、第２図（ａ）は
第１図（ａ）に示すダブルアジマス磁気ヘッドの一方の
ヘッドチップのテープ摺接面を示す図、第２図（ｂ）は
第１図（ｂ）に示すシングルアジマス磁気ヘッドのヘッ
ドチップのテープ摺接面を示す図である。

本実施例のダブルアジマス磁気ヘッドでは、第２ヘッド
チップ（３）の第１、第２コア（13）（14）間に形成さ
れるSiO₂よりなるギャップスペーサ（21）の膜厚（ギャ
ップ長）g₁は0.36μｍである。（22）（22）は前記第
１、第２コア（13）（14）を結合するガラス材料であ
る。また、第１ヘッドチップ（２）のギャップスペーサ
（図示せず）も前記第２ヘッドチップ（３）と同様にそ
の膜厚（ギャップ長）は0.36μｍである。

また、本実施例のシングルアジマス磁気ヘッドでは、第
３ヘッドチップ（６）の第３、第４コア（17）（18）間
に形成されるSiO₂よりなるギャップスペーサ（23）の膜
厚（ギャップ長）g₂は0.4μｍである。（24）（24）は
前記第３、第４コア（17）（18）を結合するガラス材料
である。尚、前記ヘッドチップ（２）（３）（６）のト
ラック幅は58μｍである。

次に、本実施例の磁気ヘッド装置におけるダブルアジマ
ス磁気ヘッド（２）とシングルアジマス磁気ヘッド
（５）とを磁気テープとの相対速度が4.85m/Sになるよ
うに走査させた時の周波数特性を調べ、その結果を第３
図に示す。また、比較例として、ダブルアジマス磁気ヘ
ッド及びシングルアジマス磁気ヘッドのギャップスペー
サの膜厚が共に0.4μｍで等しく、他は全て本実施例と
同じ従来の磁気ヘッド装置において、前述と同様にして
周波数特性を調べ、その結果を第４図に示す。尚、第３
図及び第４図とも×はダブルアジマス磁気ヘッド、・は
シングルアジマス磁気ヘッドである。

第３図及び第４図から判るように、ダブルアジマス磁気
ヘッドとシングルアジマス磁気ヘッドとのギャップスペ
ーサの膜厚が等しい比較例の磁気ヘッド装置に比べて、
本実施例の磁気ヘッド装置ではのダブルアジマス磁気ヘ
ッド（１）とシングルアジマス磁気ヘッド（５）との周
波数特性は略等しくなっている。これは、一般に第７図
に示すようにギャップスペーサの膜厚を薄くすると周波
数特性が良くなるためであり、シングルアジマス磁気ヘッド（５）に対し
て同じギャップ長では周波数特性が悪いダブルアジマス
磁気ヘッド（１）のギャップ長を小さく構成しているの
で、前記ダブルアジマス磁気ヘッド（２）の周波数特性
が向上し、両者の特性は略等しくなる。

そして、このような本実施例の磁気ヘッド装置では、ダ
ブルアジマス磁気ヘッド（１）とシングルアジマス磁気
ヘッド（５）との周波数特性が略等しくなるので、前記
両磁気ヘッド（１）（５）は電気特性、記録再生特性等
のヘッド特性が等しくなり、ペア特性が向上し、再生画
面にはフリッカー等のチラツキがほとんど発生しなくな
る。

（ト）発明の効果本発明に依れば、ダブルアジマス磁気ヘッドとシングル
アジマス磁気ヘッドとのインダクタンス、ヘッド出力特
性、周波数特性等を近似させ、前記両磁気ヘッドによる
再生特性を向上させた磁気ヘッド装置を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明に係り、第１図はダブルアジ
マス磁気ヘッドとシングルアジマス磁気ヘッドとを示す
平面図、第２図はダブルアジマス磁気ヘッドとシングル
アジマス磁気ヘッドのテープ摺接面を示す図、第３図は
磁気ヘッド装置の周波数特性を示す図である。第４図及
び第５図は従来例に係り、第４図は磁気ヘッド装置の周
波数特性を示す図、第５図はダブルアジマス磁気ヘッド
とシングルアジマス磁気ヘッドとを示す平面図である。
第６図は磁気ヘッドの配置を示す図、第７図はギャップ
長による周波数特性の変化を示す図である。（１）…ダブルアジマス磁気ヘッド、（５）…シングル
アジマス磁気ヘッド、（21）（22）…ギャップスペー
サ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転シリンダにダブルアジマス磁気ヘッド
とシングルアジマス磁気ヘッドとが装着された磁気ヘッ
ド装置において、前記ダブルアジマス磁気ヘッドより前記シングルアジマ
ス磁気ヘッドの方がギャップ長が大きいことを特徴とす
る磁気ヘッド装置。