JP2004164756A - 磁気ヘッド装置、磁気テープ装置、信号記録方法 - Google Patents

磁気ヘッド装置、磁気テープ装置、信号記録方法 Download PDF

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和志 小川
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Abstract

【課題】記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制する。
【解決手段】回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11bのうち、一方の記録ヘッド11aが磁気テープ3にアジマス記録により一方の記録トラックAを形成し、この一方の記録トラックAに隣接して、他方の記録ヘッド11bが磁気テープ3にノンアジマス記録により他方の記録トラックBを形成する。このとき、一方の記録ヘッド11aは、リーディング側に位置する磁気コア25が記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、アジマス角θの傾ける向きが設定されている。これにより、一方の記録トラックAに記録された記録ビット30の裾引き部分30aが、次に書き込まれる他方の記録トラックBにより重ね書きされて消去される。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリカルスキャン方式により磁気テープに対して信号を記録する磁気ヘッド装置、並びにそのような磁気ヘッド装置を磁気テープに対して信号を記録する信号記録手段として用いた磁気テープ装置に関する。また、本発明は、そのような磁気テープ等の磁気記録媒体に対して信号を記録するための信号記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁気記録媒体に対して信号の記録を行う記録ヘッドとしては、磁性材料からなる一対の磁気コアを突き合わすことで磁路が形成されると共に、一対の磁気コアの突合せ面に微小隙間である磁気ギャップが形成され、この磁気コアに磁界発生のためのコイルが巻線されてなる、いわゆるバルク型磁気ヘッドが用いられている。
【0003】
また、近年の記録密度の高密度化に伴って、フェライト等からなる一対の磁気コアの突合せ面に高飽和磁束密度を有する金属磁性薄膜を成膜し、これら金属磁性薄膜を磁気ギャップとなる非磁性膜を介して突き合わせてなる、いわゆるメタル・イン・ギャップ(MIG:Metal In Gap)型磁気ヘッドが実用化されている。
【0004】
一般に、記録ヘッドは、コイルに対して記録信号に応じた電流を供給し、このコイルから発生する磁界によって、一対の磁気コアに磁束が流れると共に、磁気ギャップに記録磁界が発生し、この記録磁界を磁気記録媒体に対して印加することで信号の記録を行う。
【0005】
ところで、このような記録ヘッドでは、高記録密度化の要求に応えるために、トラック幅を狭くすると共に、このトラック幅精度の向上が益々重要となってきている。しかしながら、上述した磁気ヘッドでは、微細な加工を施して作製することに限界があり、高記録密度化に対応してトラック幅を狭くすることが非常に困難となってきている。
【0006】
そこで、高記録密度化に対応した記録ヘッドとして、薄膜形成技術によって基板上に各構成要素が積層されてなる、いわゆる薄膜磁気ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。この薄膜磁気ヘッドは、磁気コアやコイル等の各構成要素がメッキ法やスパッタ法、イオンミリング法等の薄膜形成技術により形成されるために、狭トラック化や狭ギャップ化等の微細寸法化が容易であり、小型化して磁気記録媒体に対する記録密度を高めること可能である等の利点を有している。
【0007】
ここで、薄膜磁気ヘッドの一構成例を図33,図34及び図35に示す。
【0008】
この薄膜磁気ヘッド100は、基板101上に、磁路を形成する下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とが積層されてなる。そして、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とは、それぞれ磁気記録媒体と対向する媒体対向面100a側の端部に、所定のトラック幅Tw’,Tw’で突出された突部102a,103aを有し、これら突部102a,103aが非磁性層104を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップG’が形成されている。また、媒体対向面100aからデプス方向に離間した他端部において、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103とが接合されることでバックギャップが形成されている。そして、下部磁気コア層102と上部磁気コア層103との間には、このバックギャップを中心に巻回された薄膜コイル105が非磁性層104に埋め込まれた状態で設けられている。そして、この薄膜コイル105の内周側の端部及び外周側の端部は、それぞれ媒体対向面100aとは反対側に向かって引き延ばされており、ここに、外部回路と接続される外部接続用端子105a,105bが設けられている。また、この基板101の最上層には、薄膜コイル105の外部接続用端子105a,105bが外部に臨む部分を除いて全面を被覆するように保護層106が設けられている。
【0009】
また、薄膜磁気ヘッド100の中には、図36に示すように、更なる高記録密度化に対応するために、トラック幅を狭くすると共に、下部磁気コア層102上に、上部磁気コア層103側の突部103aと対向する突部102bを突出させたものがある。この薄膜磁気ヘッド100では、下部磁気コア層102側の突部102bと上部磁気コア層103側の突部103aとが非磁性層104を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップG’が形成されると共に、これらの幅がトラック幅Tw’,Tw’となっている。このように、図36に示す薄膜磁気ヘッド100では、下部磁気コア層102側に上部磁気コア層103側の突部103aに対応した幅で突出された突部102bを設けることで、トラック幅方向の側面からの漏洩磁界、すなわちサイドフリンジング磁界を少なくすることができ、このサイドフリンジング磁界による影響を低減することによって、実効トラック幅の安定化が図られている。
【0010】
以上のような薄膜磁気ヘッド100では、薄膜形成技術によって基板上に各構成要素が形成されるため、狭トラック化が可能であり、更なる磁気記録媒体の高記録密度化に対応することが可能となっている。このため、薄膜磁気ヘッド100は、高密度磁気記録再生装置の記録ヘッドとして、当初はハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置に利用され、近年はビデオテープレコーダ(VTR:Video Tape Recorder)等の磁気テープ装置でも利用されつつある。
【0011】
ところで、上述したVTR等に代表される磁気テープ装置では、ヘリカルスキャン方式を採用するものが一般的となっている(例えば、特許文献3参照。)。このヘリカルスキャン方式を採用する磁気テープ装置では、磁気テープが回転ドラムの外周面に所定の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で走行される。また、この回転ドラムには、外周面から磁気ギャップが臨むように一対の記録ヘッドが取り付けられている。したがって、このヘリカルスキャン方式では、磁気テープが回転ドラムに対して斜めに走行しながら、回転ドラムが回転駆動することによって、この回転ドラムに搭載された一対の記録ヘッドが磁気テープに対して斜めに走査されることになる。
【0012】
また、この磁気テープ装置では、図37に示すように、回転ドラムに搭載された一対の記録ヘッドのうち、一方の記録ヘッドが磁気テープ400に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で一方の記録トラックA’を形成し、この一方の記録トラックA’に隣接して、他方の記録ヘッドが磁気テープ400に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で他方の記録トラックB’を形成する。そして、これら一対の記録ヘッドが磁気テープ400に対して繰り返し記録トラックA’,B’を形成することによって、この磁気テープ400には、一方の記録トラックA’と他方の記録トラックB’とが所定のトラック幅W’,W’で当該磁気テープ400の長手方向に交互に並んで形成されることになる。
【0013】
また、この磁気テープ装置では、先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが一部重なるように重ね書き、いわゆるオーバーライトすることによって、隣接する記録トラックA’,B’間の未記録領域、いわゆるガードバンドを無くし、磁気テープ400に対する記録密度を高めることが行われている。以上のような記録方法は、一般にガードバンドレス記録と呼ばれている。
【0014】
さらに、一対の記録ヘッドは、互いの磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されており、互いにアジマス角の傾ける向きを逆向き(±)とすることによって、隣接する記録トラックA’,B’間の干渉、いわゆるクロストークを極力抑えるようにしている。以上のような記録方法は、一般にアジマス記録と呼ばれている。
【0015】
したがって、このようなアジマス記録を用いることで、上述したガードバンドレス記録のように隣接する記録トラックA’,B’間のガードバンドを無くした場合でも、再生時に読み出される記録トラックに対して、隣接する記録トラックからの(クロストーク)ノイズの影響をアジマス角の違いによるアジマスロスによって低減することができる。
【0016】
なお、このようなアジマス記録に対して、アジマス角のない、すなわち磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように記録ヘッドを配置した場合の記録方法は、一般にノンアジマス記録と呼ばれている。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−216316号公報(第2図)
【特許文献2】
特開2000−276708号公報(第7図)
【特許文献3】
特開平11−328614号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献1】
特開2001−236605号公報(第4頁、第3図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなアジマス記録を行う磁気テープ装置では、隣接する記録トラックの一部を消去してしまう、いわゆるサイドイレースが発生することがある。このサイドイレースは、アジマス角のないノンアジマス記録においては通常、上述したトラック幅方向の側面からの漏洩磁界、すなわちサイドフリンジング磁界によるものが主な原因であり、このようなサイドイレースが発生すると、再生ヘッドによって各記録トラックから十分な信号を読み出すことができず、S/N比(Signal−Noise ratio)が低下するといった問題が発生してしまう。
【0019】
また、アジマス記録の場合には、一対の記録ヘッドがアジマス角に応じて斜めに配置されるために、ノンアジマス記録の場合に比べて、トラック幅方向の側面に発生する漏洩磁界がサイドフリンジング磁界として、より顕著に影響を及ぼすことになる。さらに、上述した図36に示す薄膜磁気ヘッド100のように、サイドフリンジングによる影響が無視できる程度にまでサイドフリンジング磁界を小さくした場合でも、アジマス記録によってサイドイレースが発生することがある。
【0020】
具体的に、この薄膜磁気ヘッド100では、通常、当該ヘッドの走査方向において先行する側(以下、リーディング側という。)に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、このリーディング側とは反対側(以下、トレーリング側という。)に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界が記録し直すことになる。そして、このアジマス記録の場合には、図38に示すように、薄膜磁気ヘッド100がアジマス角に応じて斜めに配置されるために、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bと、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aとの間で、当該ヘッドの走査方向と直交する方向、すなわちトラック幅方向のずれが発生してしまう。
【0021】
この場合、薄膜磁気ヘッド100によって磁気テープに形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界と、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界とのトラック幅方向のずれによって、下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Tw’と、上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Tw’との位相差を含んだ記録ビットが記録されてしまい、この自己記録トラックの実効トラック幅が狭くなるといった問題が発生してしまう。
【0022】
また、アジマス記録の場合には、記録トラックの狭トラック化に伴って、上述したサイドイレースがトラックピッチに対して次第に大きくなり、S/N比が益々悪くなるといった問題が発生してしまう(例えば、特許文献3参照)。
【0023】
ここで、上述した図37に示す磁気テープ400において、隣接する記録トラックA’,B’のうち、一方の記録トラック(自己記録トラック)のトラック幅をWhとし、この自己記録トラックA’に隣接する記録トラックB’が重ね書きされる幅をWaとし、この自己記録トラックを形成する一方の記録ヘッドのアジマス角をθとし、この自己記録トラックに信号を記録する際の記録波長をλとしたときに、片側に隣接する記録トラックからのクロストーク(ノイズ)と自己記録トラックとの比Eは、次式により定義される。
【0024】
【数1】
Figure 2004164756
【0025】
この式から明らかなように、自己記録トラックのトラック幅Whが小さくに従って、この自己記録トラックに対する隣接する記録トラックからのクロストークの割合が大きくなる。したがって、高記録密度化に対応して狭トラック化が進むと、逆にアジマス記録による隣接する記録トラックからのクロストークを抑制するメリットが小さくなってしまう。
【0026】
特に、磁気テープ装置では、磁気テープと記録ヘッドとの磁気的スペーシングによって記録ヘッドのギャップ長が略々決定されるために、高記録密度化に対応してトラック幅を狭くしても、磁気テープと記録ヘッドとの磁気的スペーシングが変わらなければ、ギャップ長は一定のままとなり、上述したアジマス記録によるクロストークの問題が益々深刻化してしまう。
【0027】
したがって、従来の磁気テープ装置のように、記録トラックのトラック幅が例えば20μm程度と大きいときには、アジマス記録によって隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することが可能であり、且つ、ガードバンドレス記録によって隣接する記録トラック間のガードバンドを無し、磁気テープに対する記録密度を高めることが可能であるものの、高記録密度化に対応して、記録トラックのトラック幅を例えば1〜2μm程度にまで小さくすると、アジマス記録による隣接する記録トラックからのクロストークを抑制するメリットが無くなってしまう。
【0028】
すなわち、上述したアジマス記録によるメリットが期待できない程度にまで記録トラックが狭トラック化が進んだ場合には、むしろノンアジマス記録に変更した方が特性が良くなる。
【0029】
しかしながら、高記録密度化に対応させるため、磁気テープ装置をノンアジマス記録とした場合には、従来のようにアジマス記録によって低記録密度に信号が記録された磁気テープに対する互換性を失うことになる。したがって、従来の磁気テープ装置との下位互換性を保つためには、記録トラックの狭トラック化によってメリットを失うアジマス記録を続けなければならない不都合が生じてしまう。
【0030】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することを可能とした磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0031】
また、本発明は、そのような磁気ヘッド装置を磁気テープに対して信号を記録する信号記録手段として用いることで、S/N比の低下を抑制しながら、磁気テープに対する記録密度を大幅に高めることを可能とした磁気テープ装置を提供することを目的とする。
【0032】
また、本発明は、そのような磁気テープ等の磁気記録媒体に対して信号を連続的に記録する際に、S/N比の低下を抑制しながら、磁気記録媒体に対する記録密度を大幅に高めることを可能とした信号記録方法を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る磁気ヘッド装置は、回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の記録ヘッドを備え、このうち、一方の記録ヘッドが磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、磁気テープに対して連続的に信号を記録する。また、一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側(リーディング側)に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、一方の記録トラックにアジマス記録を行う。また、他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向と平行となるように配置されることによって、他方の記録トラックにノンアジマス記録を行う。そして、先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、一方の記録トラックと他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴としている。
【0034】
また、本発明に係る磁気テープ装置は、磁気テープを走行させるテープ走行手段と、テープ走行手段により走行される磁気テープが外周面に巻き付けられた状態で回転駆動される回転ドラムと、回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の記録ヘッドを備える。そして、一対の記録ヘッドは、一方の記録ヘッドが磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、磁気テープに対して連続的に信号を記録する。また、一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側(リーディング側)に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、一方の記録トラックにアジマス記録を行う。また、他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向と平行となるように配置されることによって、他方の記録トラックにノンアジマス記録を行う。そして、先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、一方の記録トラックと他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴としている。
【0035】
また、本発明に係る信号記録方法は、磁気記録媒体に対して走査される一対の記録ヘッドのうち、一方の記録ヘッドが磁気記録媒体に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが磁気記録媒体に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、磁気記録媒体に対して連続的に信号を記録する。また、一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側(リーディング側)に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、一方の記録トラックにアジマス記録を行う。また、他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向と平行となるように配置されることによって、他方の記録トラックにノンアジマス記録を行う。そして、先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、一方の記録トラックと他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴としている。
【0036】
以上のように、本発明では、回転ドラムに搭載された一対の記録ヘッドのうち、一方の記録ヘッドがアジマス記録により一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドがノンアジマス記録により他方の記録トラックを形成することによって、磁気テープに対して繰り返し記録トラックを形成しながら信号を連続的に記録する。
【0037】
このとき、一方の記録ヘッドがアジマス記録を行うことによって、一方の記録トラックには、当該記録ヘッドの磁気ギャップを介して突き合わされる一対の時コアのうち、リーディング側に位置する磁気コアと、トレーリング側に位置する磁気コアとのトラック幅方向のずれにより位相差が生じて、そのトラック幅方向の一端、すなわちリーディング側に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側の端部から、当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる裾引き部分が形成された非対称な記録ビットが記録される。
【0038】
また、他方の記録ヘッドがノンアジマス記録を行うことによって、他方の記録トラックには、トラック幅方向の側面からの漏洩磁界(サイドフリンジング磁界)によって、そのトラック幅方向の両端部から当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる一対の裾引き部分が形成された対称な記録ビットが記録される。
【0039】
なお、アジマス記録によって記録された記録ビットは、そのトラック幅方向の他端において、ほとんど裾引き部分を生じさせておらず、代わって、そのトラック幅方向の一端に形成された裾引き部分が、ノンアジマス記録によって記録された記録ビットの一対の裾引き部分よりも大きなものとなっている。
【0040】
そして、一方の記録ヘッドは、リーディング側に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、アジマス角の傾ける向きが設定されている。これにより、一方の記録トラックに記録された記録ビットの裾引き部分が、次に書き込まれる他方の記録トラックにより重ね書きされて消去される。
【0041】
以上のようにして、本発明では、一方の記録トラックに記録される記録ビットの裾引き部分が生じる側と、次の他方の記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされる側とが一致するように、磁気テープに対してアジマス記録による一方の記録トラックとノンアジマス記録による他方の記録トラックとを当該磁気テープの長手方向に交互に並んで形成する。
【0042】
これにより、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、アジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの問題を解決し、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することができる。
【0043】
また、以上のような本発明に係る信号記録方法は、上述したヘリカルスキャン方式によって磁気テープに対して信号を記録する場合の他にも、例えばリニア記録方式によって磁気テープの走行方向に対して記録ヘッドを平行に走査しながら磁気テープに対して信号を記録する場合や、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対して信号を記録する場合にも適用可能である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した磁気ヘッド装置、磁気テープ装置及び信号記録方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0045】
図1に示すように、本発明を適用した磁気テープ装置1は、ヘリカルスキャン方式によってテープカセット2に収納された磁気記録媒体である磁気テープ3に対して情報信号の記録/再生を行う。
【0046】
テープカセット2は、磁気テープ装置1に対して着脱可能とされており、このテープカセット2には、磁気テープ3を供給するための供給リール4と、この供給リール4から供給された磁気テープ3を巻き取るための巻取リール5とが回転可能に設けられている。
【0047】
なお、磁気テープ3には、強磁性粉末を結合剤中に分散して、非磁性支持体上に塗布した、いわゆる塗布型テープばかりでなく、非磁性支持体上に金属磁性膜を斜方に蒸着させてなる、いわゆる蒸着テープが用いられる。この場合、蒸着テープは、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、塗布型テープに比べて、磁性層の厚みを極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化を得ることができる等、数々の利点を有している。したがって、このような蒸着テープを上述したテープカセット2の磁気テープ3に用いることで、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることが可能となっている。
【0048】
磁気テープ装置1は、テープカセット2が着脱される装置本体6を備え、この装置本体6には、テープカセット2のローディング時に供給リール4と巻取リール5との間で磁気テープ3の引き回しを行う複数のガイドローラ7a〜7fが設けられている。
【0049】
また、ガイドローラ7eとガイドローラ7fとの間には、テープ走行手段として、磁気テープ3が掛け合わされるピンチローラ8と、このピンチローラ8と共に磁気テープ3を挟み込むキャップスタン9と、このキャップスタン9を回転駆動するキャップスタンモータ9aとが設けられている。そして、磁気テープ3は、ピンチローラ8とキャップスタン9との間に挟み込まれた状態で、キャップスタンモータ9aによりキャップスタン9が図1中矢印A方向に回転駆動されることによって、図1中矢印B方向に一定の速度及び張力で走行するようになされている。
【0050】
また、ガイドローラ7cとガイドローラ7dとの間には、本発明を適用した磁気ヘッド装置10が記録再生手段として設けられている。
【0051】
この磁気ヘッド装置10は、信号記録手段である一対の記録ヘッド11a,11bと、信号再生手段である一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cとが搭載されたヘッドドラム13を備えている。そして、磁気テープ3は、上述した複数のガイドローラ7a〜7fによってテープカセット2から引き出され、このヘッドドラム13に略180゜の角度範囲でヘリカル状に巻き付けられた状態で、図1中矢印B方向に走行される。
【0052】
ヘッドドラム13は、図2及び図3に示すように、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム14及び固定ドラム15と、回転ドラム14を回転駆動する駆動モータ16とを備え、互いの中心軸を一致させた状態で装置本体6のベースに対してやや斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0053】
このうち、下ドラムを構成する固定ドラム15は、装置本体6のベースに固定支持されており、その円筒状の外周面15aには、磁気テープ3を案内するリードガイド17が形成されている。磁気テープ3は、このリードガイド17に沿って回転ドラム14の回転方向に対して斜めに走行される。
【0054】
一方、上ドラムを構成する回転ドラム14は、中心軸を一致させた略同径の固定ドラム15に対して回転可能に支持されると共に、固定ドラム15の下方に配置された駆動モータ16によって、図1及び図2中矢印C方向に回転駆動される。また、回転ドラム14の固定ドラム15と対向する側の外周部には、磁気テープ3に対して信号の記録動作を行う一対の記録ヘッド11a,11bと、磁気テープ3に対して信号の再生動作を行う一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cとが取り付けられている。
【0055】
一対の記録ヘッド11a,11bは、軟磁性体からなる一対の磁気コアが非磁性体からなる磁気ギャップを介して接合されると共に、磁気コアにコイルが巻装されてなるインダクティブ型磁気ヘッドである。
【0056】
これら一対の記録ヘッド11a,11bは、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、それぞれの記録ギャップ(磁気ギャップ)が回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。
【0057】
また、これら一対の記録ヘッド11a,11bのうち、一方の記録ヘッド11aは、磁気テープ3に対してアジマス記録を行えるように、その記録ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。また、他方の記録ヘッド11bは、磁気テープ3に対してノンアジマス記録を行えるように、その記録ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように配置されている。
【0058】
具体的に、これら一対の記録ヘッド11a,11bには、図4,図5,図6,図7及び図8に示すインダクティブ型の薄膜磁気ヘッド20が用いられている。
【0059】
この薄膜磁気ヘッド20は、例えばメッキ法やスパッタ法、イオンミリング法等の薄膜形成技術によって基板上に磁気コアやコイル等の各構成要素が形成されるため、狭トラック化が可能であり、更なる磁気記録媒体の高記録密度化に対応することが可能となっている。
【0060】
また、これら記録ヘッド11a,11bは、非磁性体からなる第1のヘッド部材21上に薄膜磁気ヘッド20が形成され、この薄膜磁気ヘッド20上に保護層22を介して非磁性体からなる第2のヘッド部材23が貼り付けられた構造を有している。
【0061】
なお、この薄膜磁気ヘッド20は、第1のヘッド部材21となる基板上に同一形状となる多数のヘッド素子を形成し、このヘッド素子が形成された基板上に第2のヘッド部材23となる基板を貼り合わせてヘッドブロックを形成した後、このヘッドブロックを個々のヘッドチップとして切り出すことで作製される。
【0062】
また、この薄膜磁気ヘッド20は、磁気テープ3との当たりを良くするため、その磁気テープ3と対向する媒体対向面20aが、図4中矢印Dに示す当該ヘッドの走査方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。そして、この媒体対向面20aからは、記録ギャップGが外部に臨むことになる。
【0063】
なお、一対の記録ヘッド11a,11bは、アジマス記録とノンアジマス記録の違いにより当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対する薄膜磁気ヘッド20の配置が異なる以外は、同一の構成を有している。したがって、以下の説明では、これら一対の記録ヘッド11a,11bをまとめて薄膜磁気ヘッド20として説明するものとする。
【0064】
この薄膜磁気ヘッド20は、第1のヘッド部材21上に、磁路を形成する下部磁気コア層24と上部磁気コア層25とが積層されてなる。そして、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25とは、それぞれ磁気テープ3と対向する媒体対向面、すなわち媒体対向面20a側の端部に、磁気テープ3に形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅Tw,Twで突出された突部24a,25aを有しており、これら突部24a,25aが非磁性層26を介して互いに突き合わされることで磁気ギャップGが形成されている。
【0065】
このように、薄膜磁気ヘッド20では、下部磁気コア層24上に、上部磁気コア層25側の突部25aと対向する突部24aを突出形成することによって、磁気ギャップGからの記録磁界をトラック幅方向に狭くすることが可能であり、微細な記録ビットを磁気テープ3の記録トラック上に記録することが可能となっている。
【0066】
また、この薄膜磁気ヘッド20は、当該ヘッドの走査方向において上部磁気コア層25が下部磁気コア層24よりも先行する側に位置するように配置されている。すなわち、この薄膜磁気ヘッド20では、当該ヘッドの走査方向において先行する側、いわゆるリーディング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置し、このリーディング側とは反対側、いわゆるトレーリング側に下部磁気コア層24側の突部24aが位置することになる。
【0067】
また、この薄膜磁気ヘッド20は、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aのトラック幅Twに対して同等又は小さくなるように形成されている。
【0068】
一方、この薄膜磁気ヘッド20には、媒体対向面20aからデプス方向に離間した他端部において、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25が接合されることで接合部分であるバックギャップが形成されている。そして、下部磁気コア層24と上部磁気コア層25との間には、このバックギャップを中心に巻回された薄膜コイル27が非磁性層26に埋め込まれた状態で設けられている。
【0069】
また、この薄膜コイル27の内周側の端部及び外周側の端部は、図4に示すように、それぞれ媒体対向面20aとは反対側に向かって引き延ばされた引き出し導線28a,28bの一端と接続されている。そして、これら引き出し導線28a,28bの他端部には、薄膜コイル27に対して記録信号に応じた電流を供給するための外部回路と接続される外部接続用端子29a,29bが設けられている。
【0070】
また、この薄膜磁気ヘッド20の最上層には、外部接続用端子29a,29bが外部に臨む部分を除いて全面を被覆するように、この薄膜磁気ヘッド20が形成された第1のヘッド部材21と第2のヘッド部材23とを接合するように、上述した保護層22が設けられている。
【0071】
一方、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cは、磁気テープ3からの信号を検出する感磁素子として磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という。)を備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドという。)である。
【0072】
これら一対の再生ヘッド12a,12bは、図2及び図3に示すように、回転ドラム14の回転中心に対して互いになす中心角が180°となる位置において互いに対向配置されている。また、互換再生ヘッド12cは、一対の再生ヘッド12a,12bのうち、一方の再生ヘッド12aと対向するように、他方の再生ヘッド12bの近傍に配置されている。また、これら一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cは、それぞれの再生ギャップが回転ドラム14の外周面から外部に臨むように、回転ドラム14の外周面から僅かに突出して設けられている。
【0073】
また、これら一対の再生ヘッド12a,12bのうち、一方の再生ヘッド12aは、磁気テープ3に対して一方の記録ヘッド11aによりアジマス記録された信号を再生できるように、その再生ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。また、他方の再生ヘッド12bは、磁気テープ3に対して他方の記録ヘッド11bによりノンアジマス記録された信号を再生できるように、その記録ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように配置されている。
【0074】
また、互換再生ヘッド12cは、一方の記録ヘッド11aとはアジマス角の傾ける向きを逆向きとした記録ヘッドによりアジマス記録された信号を再生できるように、その再生ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して、上記一方の記録ヘッド11aのアジマス角θとは逆向きのアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。すなわち、一方の再生ヘッド12aと互換再生ヘッド12cとは、互いのアジマス角θが逆位相となるように設定されている。
【0075】
具体的に、これら一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cには、図9及び図10に示すシールド型のMRヘッド40が用いられている。
【0076】
このMRヘッド40は、例えばメッキ法やスパッタ法、イオンミリング法等の薄膜形成技術によって基板上に各構成要素が形成されるため、狭トラック化が可能であり、更なる磁気記録媒体の高記録密度化に対応することが可能となっている。
【0077】
また、これら再生ヘッド12a,12b,12cは、第1のヘッド部材41上に、例えばメッキ法やスパッタ法、蒸着法等の薄膜形成技術によりMRヘッド40が形成され、このMRヘッド40上に保護層42を介して第2のヘッド部材43が貼り付けられた構造を有している。
【0078】
なお、このMRヘッド40は、第1のヘッド部材41となる基板上に同一形状となる多数のヘッド素子を形成し、このヘッド素子が形成された基板上に第2のヘッド部材43となる基板を貼り合わせてヘッドブロックを形成した後、このヘッドブロックを個々のヘッドチップとして切り出すことで作製される。
【0079】
また、このMRヘッド40は、磁気テープ3との当たりを良くするため、その磁気テープ3と対向する媒体対向面40aが、図9中矢印Dに示す当該ヘッドの走査方向に沿って略円弧状に湾曲した曲面となっている。そして、この媒体対向面40aからは、後述するMR素子47が外部に臨むことになる。
【0080】
なお、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cは、アジマス記録とノンアジマス記録の違いにより当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対するMRヘッド40の配置が異なる以外は、同一の構成を有している。したがって、以下の説明では、これら一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cをまとめてMRヘッド40として説明するものとする。
【0081】
このMRヘッド40は、第1のヘッド部材41上に下部磁気シールド層44と上部磁気シールド層45とが積層され、これら上下一対の磁気シールド層44,45の間にギャップ層46を介してMR素子47が挟み込まれたシールド構造を有している。
【0082】
下部磁気シールド層44及び上部磁気シールド層45は、MR素子47を磁気的にシールドするのに十分な幅を有する軟磁性膜からなり、ギャップ層46を介してMR素子47を挟み込むことにより、磁気テープ3からの信号磁界のうち、再生対象外の磁界がMR素子47に引き込まれないように機能する。すなわち、このMRヘッド40では、MR素子47に対して再生対象外の信号磁界が一対の磁気シールド層44,45に導かれ、再生対象の信号磁界だけがMR素子47へと導かれる。これにより、MR素子47の周波数特性及び読み取り分解能の向上が図られている。
【0083】
ギャップ層46は、MR素子47と一対の磁気シールド層44,45との間を磁気的に隔離する非磁性非導電性膜からなり、一対の磁気シールド層44,45とMR素子47との間隔がギャップ長となる。
【0084】
MR素子47は、外部磁界の変化に応じて電気抵抗が変化する、いわゆる磁気抵抗効果を利用したものであり、このMR素子47に対してセンス電流を流しながら、このセンス電流の電圧変化を検出することにより、磁気テープ3に記録された信号を読み取るようになされている。また、MR素子47としては、例えば異方性磁気抵抗効果を利用したMR素子や、SAL(Soft Adjacent Layer)バイアス方式を利用したMR素子、より大きな出力が得られるスピンバルブ膜等の巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant MagnetroResistivity)を利用したGMR素子等を用いることができる。
【0085】
また、このMR素子47の動作の安定化を図るため、MR素子47の長手方向の両端部には、このMR素子47にバイアス磁界を印加するための一対の永久磁石膜48a,48bが設けられている。そして、これら一対の永久磁石膜48a,48bに挟み込まれた部分の幅が、MR素子47の再生トラック幅Twとなっている。
【0086】
なお、このMR素子47の再生トラック幅Twは、記録トラックに対するトラック幅方向の位置決めを考慮した場合、上述した一対の記録ヘッド11a,11bのトラック幅よりも大きく形成することが好ましいものの、より感度の大きいMR素子を使用した場合には、上述した一対の記録ヘッド11a,11bのトラック幅よりも小さく形成することも可能である。
【0087】
また、一対の永久磁石膜48a,48b上には、このMR素子47の抵抗値を減少させるための一対の低抵抗化膜49a,49bが設けられている。そして、このMR素子47には、センス電流を供給するための一対の導体部50a,50bが、その一端部側をそれぞれ一対の永久磁石膜48a,48b及び低抵抗化膜49a,49bに接続するように設けられている。また、この導体部50a,50bの他端部側には、外部回路と接続される一対の外部接続用端子51a,51bが設けられている。
【0088】
また、このMRヘッド40の最上層には、外部接続用端子51a,51bが外部に臨む部分を除いて全面を被覆すると共に、このMRヘッド40が形成された第1のヘッド部材41と第2のヘッド部材43とを接合するように、上述した保護層42が設けられている。
【0089】
そして、このヘリカルスキャン方式を採用する磁気ヘッド装置10では、ヘッドドラム13に巻き付けられた磁気テープ3が、図2中矢印B方向に走行されながら、駆動モータ16により回転ドラム14が、図2中矢印C方向に回転駆動されることによって、この回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11bと、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cとが、磁気テープ3に対して斜めに走査されることになる。そして、この回転ドラム14に搭載された一対の記録ヘッド11a,11bと、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cとが、磁気テープ3と摺接しながら、信号の記録動作又は再生動作を行う。
【0090】
具体的に、記録時には、図11に示すように、一方の記録ヘッド11aが、アジマス記録により磁気テープ3に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で一方の記録トラックAを形成し、この一方の記録トラックAに隣接して、他方の記録ヘッド11bが、ノンアジマス記録により磁気テープ3に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で他方の記録トラックBを形成する。そして、これら一対の記録ヘッド11a,11bが磁気テープ3に対して繰り返し記録トラックA,Bを形成することによって、磁気テープ3に対して連続的に信号を記録することになる。
【0091】
また、記録時には、先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅Waだけ一部重ね書き(オーバーライト)されることによって、隣接する記録トラックA,B間の未記録領域(ガードバンド)を無くし、磁気テープ3に対する記録密度を高めることが行われている。
【0092】
一方、再生時には、一方の再生ヘッド12aが、一方の記録ヘッド11aにより磁気テープ3にアジマス記録された一方の記録トラックAから信号磁界を検出し、この一方の記録トラックAに隣接して、他方の再生ヘッド12bが、他方の記録ヘッド11bにより磁気テープ3にノンアジマス記録された他方の記録トラックBから信号磁界を検出する。そして、これら一対の再生ヘッド12a,12bが記録トラックA,Bから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ3に記録された信号を連続的に再生することになる。
【0093】
ところで、この磁気ヘッド装置10によって信号が記録された磁気テープ3には、図11に示すように、アジマス記録により書き込まれた一方の記録トラックAと、ノンアジマス記録により書き込まれた他方の記録トラックBとが、所定のトラック幅W,Wで当該磁気テープ3の長手方向に交互に形成されることになる。
【0094】
ここで、アジマス記録を行う記録ヘッドには、図12及び図13に示すように、互いにアジマス角θの傾ける向きを逆向きとした2種類のヘッドがある。ここでは、例えば図12に示す向きに傾けられたアジマス角θをプラス(+)とし、図13に示す向きに傾けられたアジマス角θをマイナス(−)として区別する。
【0095】
そして、一方の記録ヘッド11aは、リーディング側に位置する上部磁気コア層25が一方の記録トラックAのトラック中心からずれる側に、次の他方の記録トラックBが形成されるように、アジマス角θの傾ける向きがプラス(+)側に設定されている。
【0096】
この場合、一方の記録ヘッド11a(アジマス角+θ)では、図14(A)に示すように、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aと、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aとの間で発生した記録磁界が、磁気ギャップGにおいてトラック幅方向の両側から幾分膨らんだような分布Mとなる。また、この信号磁界によって自己記録トラックに記録される記録ビットの磁化反転領域も、同様にトラック幅方向の両側において幾分膨らんだ形状となる。
【0097】
したがって、一方の記録ヘッド11aがアジマス記録(アジマス角+θ)を行うことによって、一方の記録トラックAには、図14(B)に示すように、当該記録ヘッドの磁気ギャップに対してリーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aと、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aとのトラック幅方向のずれにより位相差が生じて、そのトラック幅方向の一端、すなわちリーディング側に位置する上部磁気コア層25が記録トラックのトラック中心からずれる側の端部から、当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる記録パターン(以下、裾引き部分という。)30aが形成された非対称な記録ビット30が記録される。すなわち、この記録ビット30は、そのトラック幅方向の一端において、サイドイレースの発生がより顕著となっている。
【0098】
また、他方の記録ヘッド11b(ノンアジマス)でも、図15(A)に示すように、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aと、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aとの間で発生した記録磁界が、磁気ギャップGにおいてトラック幅方向の両側から幾分膨らんだような分布Mとなる。また、この信号磁界によって自己記録トラックに記録される記録ビットの磁化反転領域も、同様にトラック幅方向の両側において幾分膨らんだ形状となる。
【0099】
したがって、他方の記録ヘッドがノンアジマス記録を行うことによって、他方の記録トラックBには、図15(B)に示すように、トラック幅方向の側面からの漏洩磁界(サイドフリンジング磁界)によって、そのトラック幅方向の両端部から当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる一対の裾引き部分60a,60bが形成された対称な記録ビット60が記録される。
【0100】
ここで、アジマス記録によって記録された記録ビット30は、そのトラック幅方向の他端において、ほとんど裾引き部分を生じさせておらず、代わりに、そのトラック幅方向の一端に形成された裾引き部分30aが、ノンアジマス記録によって記録された記録ビット60の一対の裾引き部分60a,60bよりも大きなものとなっている。
【0101】
また、上述したように、一方の記録ヘッド11aは、リーディング側に位置する上部磁気コア層25が一方の記録トラックAのトラック中心からずれる側に、次の他方の記録トラックBが形成されるように、アジマス角θの傾ける向きが設定されている。
【0102】
したがって、図16に示すように、一方の記録トラック(アジマス角+θ)Aに、他方の記録トラック(ノンアジマス)Bが重ね書きされると、一方の記録トラックAに記録された記録ビット30の裾引き部分30aが、次に書き込まれる他方の記録トラックBの記録ビット60によって重ね書きされて消去されることになる。
【0103】
すなわち、一方の記録トラックAに記録される記録ビット30の裾引き部分30aが生じる側と、次の他方の記録トラックBが所定の幅Waだけ重ね書きされる側とが一致するように、ここでは、一方の記録ヘッド11aのアジマス角θの傾ける向きがプラス(+)側に設定されている。
【0104】
以上のようにして、本発明を適用した磁気ヘッド装置10では、一方の記録トラックAと他方の記録トラックBとを磁気テープ3の長手方向に交互に並んで形成することによって、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、アジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの問題を解決し、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することが可能である。
【0105】
一方、上記磁気ヘッド装置10において、一方の記録ヘッド11aのアジマス角θの傾ける向きがマイナス(−)側に設定されるのは、上述した図16に示す場合とは一方の記録トラックAと他方の記録トラックBとのトラック形成方向が逆となる場合である。
【0106】
この場合、一方の記録ヘッド11a(アジマス角−θ)でも、図17(A)に示すように、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aと、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aとの間で発生した記録磁界が、磁気ギャップGにおいてトラック幅方向の両側から幾分膨らんだような分布Mとなる。また、この信号磁界によって自己記録トラックに記録される記録ビットの磁化反転領域も、同様にトラック幅方向の両側において幾分膨らんだ形状となる。
【0107】
したがって、一方の記録ヘッド11aがアジマス記録(アジマス角−θ)を行うことによって、一方の記録トラックAには、図17(B)に示すように、当該記録ヘッドの磁気ギャップGに対してリーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aと、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aとのトラック幅方向のずれにより位相差が生じて、そのトラック幅方向の他端、すなわちリーディング側に位置する上部磁気コア層25が記録トラックのトラック中心からずれる側の端部から、当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる裾引き部分30bが形成された非対称な記録ビット30が記録される。すなわち、この記録ビット30は、そのトラック幅方向の他端において、サイドイレースの発生がより顕著となっている。
【0108】
ここで、一方の記録ヘッド11aは、リーディング側に位置する上部磁気コア層25が一方の記録トラックAのトラック中心からずれる側に、次の他方の記録トラックBが形成されるように、アジマス角θの傾ける向きがマイナス(−)側に設定されている。
【0109】
したがって、図18に示すように、一方の記録トラック(アジマス角−θ)Aに、他方の記録トラック(ノンアジマス)Bが重ね書きされると、一方の記録トラックAに記録された記録ビット30の裾引き部分30bが、次に書き込まれる他方の記録トラックBの記録ビット60によって重ね書きされて消去されることになる。
【0110】
以上のようにして、一方の記録ヘッド11aのアジマス角θの傾ける向きがマイナス(−)側に設定された磁気ヘッド装置10では、上述した場合と同様に、一方の記録トラックAと他方の記録トラックBとを磁気テープ3の長手方向に交互に並んで形成することによって、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、アジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの問題を解決し、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することが可能である。
【0111】
ところで、上述した図37に示す従来の磁気ヘッド装置によって低記録密度で信号が記録された磁気テープ400には、互いにアジマス角θの傾ける向きを逆向きとした一対の記録ヘッドを用いることによって、アジマス記録(アジマス角+θ)により書き込まれた一方の記録トラックA’と、アジマス記録(アジマス角−θ)により書き込まれた他方の記録トラックB’とが、所定のトラック幅W’,W’で当該磁気テープ400の長手方向に交互に形成されている。
【0112】
本発明を適用した磁気ヘッド装置10には、この従来の磁気テープ装置によって低記録密度に信号が記録された磁気テープ400に対する信号の再生を可能とするため、上述した一方の再生ヘッド12aとはアジマス角θの傾ける向きを逆向きとした互換再生ヘッド12cが設けられている。
【0113】
そして、この磁気テープ装置1では、一方の再生ヘッド12aが、磁気テープ400にアジマス記録(アジマス角+θ)された一方の記録トラックA’から信号磁界を検出し、この一方の記録トラックA’に隣接して、互換再生ヘッド12cが、磁気テープ3にアジマス記録(アジマス角−θ)された他方の記録トラックB’から信号磁界を検出する。そして、これら再生ヘッド12a,12cが記録トラックA’,B’から繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ400に記録された信号を連続的に再生することができる。
【0114】
したがって、この磁気テープ装置1では、アジマス記録とノンアジマス記録とを組み合わせた一対の記録ヘッド11a,11b及び一対の再生ヘッド12a,12bを用いて、磁気テープ3に対して高記録密度で信号の記録及び再生を行う一方、互いにアジマス角θの傾ける向きを逆向きとした一方の再生ヘッド12a及び互換再生ヘッド12cを用いて、低記録密度で記録された磁気テープ400からの信号の再生を行うことができる。
【0115】
以上のように、この磁気テープ装置1では、これら一対の記録ヘッド11a,11bと、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cを回転ドラム14に搭載することによって、従来の磁気ヘッド装置との下位互換性を保つことが可能となっている。
【0116】
ところで、上述した磁気ヘッド装置10において、一対の記録ヘッド11a,11bは、磁気ギャップGを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、上部磁気コア層25がリーディング側に位置し、下部磁気コア層24がトレーリング側に位置するように配置されている。また、これら一対の記録ヘッド11a,11bは、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24aのトラック幅Twに対して、同等又は小さくなるように形成されている。
【0117】
この場合、記録時には、幅狭な上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録された記録ビットを、幅広な下部磁気コア層24側の突部24aで発生した記録磁界が記録し直すことになる。
【0118】
これにより、上述したトラック幅方向の側面からの漏洩磁界(サイドフリンジング磁界)によるサイドイレースの発生を抑制した記録ビットを記録トラックA,Bに記録することができる。すなわち、この記録ビットのトラック幅方向の端部から、当該ヘッドの走査方向に尾を引くように伸びる裾引き部分が生じるのを抑制することができる。
【0119】
したがって、上述した磁気ヘッド装置10では、磁気テープ3に対して信号を記録する際に、一対の記録ヘッド11a,11bによって記録される自己記録トラックA,Bの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0120】
さらに、上述した磁気ヘッド装置10では、アジマス記録を行う上記一方の記録ヘッド11aとして、このアジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの発生を抑制することを可能とした、図19、図20及び図21に示す薄膜磁気ヘッド70を適用することも可能である。
【0121】
なお、この薄膜磁気ヘッド70では、上記薄膜磁気ヘッド20と同等な部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0122】
この薄膜磁気ヘッド70は、更なる高記録密度化に対応するために、トラック幅を狭くすると共に、下部磁気コア層24上に、上部磁気コア層25側の突部25aと対向する突部24bを突出させた形状を有している。また、この薄膜磁気ヘッド70は、上述したアジマス記録を行うために、媒体対向面20aにおいて、磁気ギャップGが図19中矢印Dに示す当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されている。
【0123】
そして、この薄膜磁気ヘッド70では、媒体対向面20aにおいて、下部磁気コア層24側の突部24bにおけるトラック幅方向の両側面が、それぞれアジマス角θ以上となる角度θ,θで傾けられた傾斜面70a,70bとされており、これら傾斜面70a,70bの延長線S,S上に、それぞれ上部磁気コア層25側の突部25aにおける磁気ギャップGと隣接する側の両端部71a,71bが位置している。
【0124】
この場合、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなる。なおかつ、磁気ギャップGがアジマス角θに応じて斜めとなるように配置されても、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側のトラック幅Twの内側に位置することになる。
【0125】
以上のように構成される薄膜磁気ヘッド70では、外部回路から薄膜コイル27に対して記録信号に応じた電流が供給されると、この薄膜コイル27から発生する磁界によって、下部磁気コア層24及び上部磁気コア層25に磁束が流れると共に、磁気ギャップGに記録磁界が発生する。そして、この記録磁界を磁気テープ3に対して印加していくことで、記録信号に応じた記録ビットが記録された記録トラックを形成することができる。
【0126】
ここで、上述した薄膜磁気ヘッド70を用いてアジマス記録を行った場合には、図22に示すように、当該ヘッドの走査方向において先行するリーディング側の上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録された記録ビットを、トレーリング側の下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界が記録し直すことになる。
【0127】
この場合、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bにおける傾斜面70bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端71bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twと、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twとの位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。
【0128】
したがって、この薄膜磁気ヘッド70では、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、サイドイレースの発生を抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド70によって形成される自己記録トラックの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0129】
また、上述した磁気ヘッド装置10では、アジマス記録を行う上記一方の記録ヘッド11aとして、上記薄膜磁気ヘッド70の更なる変形として、図23,図24及び図25に示す薄膜磁気ヘッド80を適用することも可能である。
【0130】
なお、この薄膜磁気ヘッド80では、上記薄膜磁気ヘッド70と同等な部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0131】
この薄膜磁気ヘッド80は、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bの傾斜面70a,70bの延長線S,S上に位置する側面が、アジマス角以上となる角度θ,θで傾けられた傾斜面80a,80bとされている以外は、上記薄膜磁気ヘッド70と同様な構成を有している。
【0132】
この場合も、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、リーディング側に位置する磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなる。なおかつ、磁気ギャップGがアジマス角θに応じて斜めに配置されても、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側のトラック幅Twの内側に位置することになる。
【0133】
そして、この薄膜磁気ヘッド80を用いてアジマス記録を行った場合には、図26に示すように、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bにおける傾斜面70bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの傾斜面80bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twと、リーディング側に位置する上部磁気コア層25a側の突部25bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twとの位相差を抑制した記録ビットを記録することができる。
【0134】
さらに、この場合には、これら傾斜面70b,80bが形成された側面と、傾斜面70a,80aが形成された側面との両側から発生するサイドフリンジング磁界を、上述した薄膜磁気ヘッド70よりも更に少なくすることができ、その結果、この薄膜磁気ヘッド80のサイドイレースの抑制は、上述した薄膜磁気ヘッド70よりも更に大きなものとなる。
【0135】
したがって、この薄膜磁気ヘッド80では、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、アジマス記録による磁気コアのトラック幅方向のずれが原因で生じるサイドイレースを抑制すると共にサイドフリンジング磁界によるサイドイレースの発生も抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド80によって形成される記録ビットの実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0136】
ところで、HDDに関する発明として、当該ヘッドの走査方向において下部磁気コア層が上部磁気コア層よりも先行する側に位置すると共に、下部磁気コア層側の突部及び上部磁気コア層側の突部において、トラック幅方向の少なくとも一側面がスキュー角の最大角度以上となる角度で傾けられた傾斜面とされている薄膜磁気ヘッドが提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
【0137】
このようなHDDに代表される磁気ディスク装置では、基本的にはノンアジマス記録であるものの、磁気ディスクに対して、当該ディスクの径方向に操作される磁気ヘッドがある範囲の可変的なスキュー角を持つために、この磁気ディスク上を浮上する浮上ヘッドスライダに搭載された磁気ヘッドが、当該ヘッドの走査方向すなわちディスクの回転方向に対して、上述したアジマス記録の場合と同じように磁気ギャップがスキュー角に応じて傾くことになり、その結果、隣接する記録トラックにおけるデータの書き換えやデータの消去等といった問題が発生してしまう。特許文献4に記載される薄膜磁気ヘッドは、このようなアジマス記録に似た問題を解決するための手段として提案されたものである。
【0138】
しかしながら、この場合には、浮上ヘッドスライダとなる基板上に薄膜磁気ヘッドが形成されること、並びにこの浮上ヘッドスライダの浮上姿勢から、当該ヘッドの走査方向において先行するリーディング側に下部磁気コア層側の突部が位置し、トレーリング側に上部磁気コア層側の突部が位置することになる。
【0139】
したがって、特許文献4に記載される薄膜磁気ヘッドでは、図27に示す薄膜磁気ヘッド90のように、上述した薄膜磁気ヘッド80を、リーディング側に下部磁気コア層24側の突部24bが位置し、トレーリング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置するように、逆向きに配置した構成となる。そして、このような逆向きの配置とした場合には、当該ヘッドの走査方向において先行するリーディング側の下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットを、トレーリング側の上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界が記録し直すことになる。
【0140】
この場合、隣接する記録トラックにおけるデータの書き換えやデータの消去等の磁気的な悪影響を小さくするといった効果がある程度期待できるものの、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも、トレーリング側に位置する磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが小さくなることから、自らの記録トラックにおいて、位相差を含んだ記録ビットが記録されてしまい、この記録ビットの実効トラック幅が狭くなるといった問題が発生してしまう。
【0141】
ここで、上述した図22に示す薄膜磁気ヘッド70、図26に示す薄膜磁気ヘッド80、図27に示す薄膜磁気ヘッド90、並びに上述した図38に示す薄膜磁気ヘッド100について、各ヘッドによって記録媒体上に記録される記録ビットの形状(ダイビットパターン)をコンピュータシミュレーションにより算出した。また、記録媒体としては、上述した蒸着テープを用いることにした。そして、磁気テープを静止した状態で各ヘッドを走査した際に記録される3つの記録ビットについて、その真ん中に位置する記録ビットの磁化反転による境界線を抽出したものをコンピュータシミュレーションにより算出した。
【0142】
なお、このコンピュータシミュレーションでは、アジマス角を20゜、上部磁気コア層のトラック幅を1.8μm、磁気ギャップ長を0.25μm、3つの記録ビット長をそれぞれ1.0μm、媒体対向面から磁気テープまでの磁気的スペーシングを30nmとして計算を行った。
【0143】
図28(A)に示すように、上述した図38に示す薄膜磁気ヘッド100によって記録される1つの記録ビット200には、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界と、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界とのトラック幅方向のずれによって生じる記録ビットのトラック幅方向の位相差によって、そのトラック幅方向の両端部から当該ヘッドの走査方向(リーディング側)に一対の裾引き部分200a,200bが形成されることになる。
【0144】
そして、図28(B)に示すように、このような記録ビット200が磁気テープの記録トラック上に複数記録されたときには、先に記録された記録ビット200の一対の裾引き部分200a,200bが、次に記録された記録ビット200のトラックエッジ部にまで及ぶサイドイレースが発生することで、この記録ビット200の磁化遷移領域近傍の実効トラック幅を狭めてしまうことになる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット200の全幅が2.10μmであるのに対して、実効トラック幅は部分的に狭くなり、磁化遷移領域近傍では、最悪の場合、1.96μmにまで狭くなっている。
【0145】
これに対して、図29(A)に示すように、上述した図22に示す薄膜磁気ヘッド70では、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bにおける傾斜面70bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端71bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twの内側に収まることになる。これにより、上述した図28に示すシミュレーション結果で問題となった位相差の激しい従来の薄膜磁気ヘッド100による記録ビット200に対して、位相差を抑制した記録ビット170を記録することができる。
【0146】
したがって、この薄膜磁気ヘッド70では、図29(B)に示すように、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、サイドイレースの発生を抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド70によって形成される記録ビット170の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット170の全幅が2.10μmであるのに対して、実効トラック幅は、最悪の場合でも、2.03μmに収まっている。
【0147】
なお、上述し記録ビット200及び記録ビット170の全幅が2.10μmに広がっているのは、薄膜磁気ヘッド100,70からのサイドフリンジング磁界の影響が顕著であったためと考えられる。したがって、上述した図22に示す薄膜磁気ヘッド70では、サイドフリンジング磁界があまり顕著でない起磁力若しくは磁気的スペーシングの範囲において、位相差を抑制した記録ビット170を記録し、この記録ビット170の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。
【0148】
一方、図30(A)に示すように、上述した図26に示す薄膜磁気ヘッド80では、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bにおける傾斜面70bの延長線S上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの傾斜面80bが位置していることから、磁気テープ3に形成される記録トラックにおいて、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twが、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって記録される記録ビットのトラック幅Twの内側に収まることで、位相差を抑制した記録ビット180を記録することができる。さらに、この場合には、これら傾斜面70b,80bが形成された側面と、傾斜面70a,80aが形成された側面との両側から発生するサイドフリンジング磁界を少なくすることができるので、上述した薄膜磁気ヘッド100,70において発生していたサイドフリンジング磁界に起因するサイドイレースの発生も抑制することができる。
【0149】
したがって、この薄膜磁気ヘッド80では、図30(B)に示すように、磁気テープ3に対してアジマス記録を行った場合でも、アジマス記録のよる磁気コアのトラック幅方向へのずれが原因で生じるサイドイレースの発生と、サイドフリンジング磁界が原因で生じるサイドイレースの発生を共に抑制することができ、この薄膜磁気ヘッド80によって形成される記録ビット180の実効トラック幅が狭くなるのを抑制することができる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット180の全幅が2.03μmであるのに対して、実効トラック幅が2.03μmとなり、上述した記録ビットの位相差によるトラック幅の減少が発生していないことがわかる。さらに、これら記録ビット180の全幅は、上述の記録ビット200及び記録ビット170の全幅2.10μmに対して、2.03μmと狭くなっており、上述したサイドフリンジング磁界の影響が抑制されていることがわかる。
【0150】
これに対して、図31(A)に示すように、上述した図27に示す薄膜磁気ヘッド90によって記録される1つの記録ビット190には、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界によって、一旦記録された記録ビットを、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界が記録し直す際に、トラック幅方向に対して十分に上書きされないことが原因で生じる記録ビットの位相差によって、そのトラック幅方向の両端部から当該ヘッドの走査方向(リーディング側)に伸びる一対の裾引き部分190a,190bが形成されている。
【0151】
そして、図31(B)に示すように、このような記録ビット190が磁気テープ3の記録トラック上に複数記録されたときには、上述した図31(B)に示す記録ビット200と同じように、先に記録された記録ビット190の一対の裾引き部分190a,190bが、次に記録された記録ビット190のトラックエッジ部にまで及ぶサイドイレースが発生することで、この記録ビット190の磁化遷移領域近傍の実効トラック幅を狭めてしまうことになる。具体的に、このシミュレーション結果では、記録ビット190の全幅が2.17μmであるのに対して、実効トラック幅は部分的に狭くなり、磁化遷移領域近傍では、最悪の場合、1.96μmにまで狭くなっており、今回計算を行った合計4種類のコア形状の薄膜記録ヘッドの中でも最も悪い結果となっている。
【0152】
なお、記録ビット190の全幅が他のヘッドと比べて大きくなったのは、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも大きいことと、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界に比べて若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープの磁性層内の磁化を反転できることとが組み合わさったためと考えられる。
【0153】
ここで、図32に示すように、蒸着テープ300に対する記録方法を上述した薄膜磁気ヘッド100を用いた場合を例に挙げて説明する。なお、図32では、薄膜磁気ヘッド100のギャップG’を介して上部磁気コア層103側の突部103aと下部磁気コア層102側の突部102bとが対向する媒体対向面の近傍のみを図示している。
【0154】
蒸着テープ300は、上述したように、非磁性支持体301上に金属磁性膜302を斜方に蒸着させてなるものであり、この蒸着テープ300の記録再生に関する最大の特徴は、磁化容易軸がテープの長手方向を含む膜断面において、膜法線に対して斜めに傾斜した方向にあることである。なお、図32中に示す矢印は、この蒸着テープ300の金属磁性膜302内における磁化の方向を示している。
【0155】
一方、薄膜磁気ヘッド100では、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸と同じ側に傾斜するのに対して、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸とは反対側、すなわち磁化困難軸と同じ側に傾斜することになる。
【0156】
ところで、このような図32に示す構成とは逆に、薄膜磁気ヘッド100に対して蒸着テープ300の磁化容易軸を、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mと同じ側に傾斜させる構成も考えられる。しかしながら、図32に示す構成のように、薄膜磁気ヘッド100に対して蒸着テープ300磁化容易軸を、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mと同じ側に傾斜させた方が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mの磁化容易軸方向成分の減少する割合が急峻となり、蒸着テープ300に記録される記録ビット303の磁化遷移領域303aがより狭くなる効果を生じることから、通常は図32に示す構成が用いられる。
【0157】
したがって、図32に示す構成の場合には、リーディング側に位置する下部磁気コア層102側の突部102bで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の磁化容易軸と同じ側に傾斜するため、トレーリング側に位置する上部磁気コア層103側の突部103aで発生した記録磁界Mが、蒸着テープ300の金属磁性膜302内の磁化を反転させるのに必要な最小記録磁界強度に比べて、若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープ300の金属磁性膜302内の磁化を反転させることが可能となる。
【0158】
このことから、上述した図27に示す薄膜磁気ヘッド90によって記録される記録ビット190の全幅が他のヘッドと比べて大きくなったのは、リーディング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bで発生した記録磁界が、トレーリング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aで発生した記録磁界に比べて若干小さい記録磁界強度でも、蒸着テープの磁性層内の磁化を反転できたためと考えられる。
【0159】
一方、上述した図26に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッド80では、上述した図27に示す薄膜磁気ヘッド90と同様に、下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twが、上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twよりも大きく、薄膜磁気ヘッド90の下部磁気コア層24側の突部24bの磁気ギャップGと隣接する側のトラック幅Twと全く同じ大きさとなっている。しかしながら、この薄膜磁気ヘッド80の下部磁気コア層24の突部24bがトレーリング側に位置することによって、図30に示す記録ビット180の全幅が2.03μmの値に収まっている。
【0160】
したがって、上述した薄膜磁気ヘッド70,80のように、リーディング側に上部磁気コア層25側の突部25aが位置し、トレーリング側に下部磁気コア層24側の突部24bが位置する構成によって、特に、蒸着テープに対してサイドイレースによる影響を大幅に抑制することが可能である。
【0161】
なお、上記薄膜磁気ヘッド70,80は、上述した構成に限定されるものではなく、媒体対向面20aにおいて、トレーリング側に位置する下部磁気コア層24側の突部24bのトラック幅方向の少なくとも一側面が、アジマス角θ以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に、リーディング側に位置する上部磁気コア層25側の突部25aの磁気ギャップGと隣接する側の一端が位置していればよい。
【0162】
また、上記薄膜磁気ヘッド70,80では、従来のような薄膜形成技術によって基板上に幅広となるトレーリング側の下部磁気コア層24を形成した後に、幅狭となるリーディング側の上部磁気コア層25を形成することから、製造が容易である等の利点を有している。また、上部磁気コア層25側の突部25aにおいて、下部磁気コア層24側の突部24bの傾斜面の延長線上に位置する側面を、アジマス角θ以上となる角度で傾けられた傾斜面とした場合でも、これら傾斜面が同一直線上に位置することから、製造上このような形状を容易に形成することが可能である。
【0163】
以上のように、本発明を適用した磁気テープ装置1では、上述した磁気ヘッド装置10が、一方の記録ヘッド11aによってアジマス記録により一方の記録トラックAと、他方の記録ヘッド11bによってノンアジマス記録により他方の記録トラックBとを磁気テープ3の長手方向に交互に並んで形成することによって、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、アジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの問題を解決し、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することが可能である。
【0164】
したがって、この磁気テープ装置1では、そのような磁気ヘッド装置10を磁気テープ3に対して信号を記録する信号記録手段として用いることで、S/N比の低下を抑制しながら、磁気テープ3に対する記録密度を大幅に高めることを可能である。
【0165】
また、この磁気テープ装置1では、上述した一対の記録ヘッド11a,11bと、一対の再生ヘッド12a,12b及び互換再生ヘッド12cが回転ドラム14に搭載されていることから、従来の磁気ヘッド装置との下位互換性を保つことが可能である。
【0166】
また、以上のような本発明を適用した信号記録方法は、上述したヘリカルスキャン方式によって磁気テープ3に対して信号を記録する場合の他にも、例えばリニア記録方式によって磁気テープの走行方向に対して記録ヘッドを平行に走査しながら、磁気テープに対して信号を記録する場合や、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対して信号を記録する場合にも広く適用可能である。
【0167】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、高記録密度化に対応して記録トラックのトラック幅を狭くした場合でも、アジマス記録によって自己記録トラック内に記録される記録ビットの位相差に起因するサイドイレースの問題を解決し、隣接する記録トラックからのクロストークを抑制することが可能なことから、S/N比の低下を抑制しながら、磁気記録媒体に対する記録密度を大幅に高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気テープ装置の概略を示す平面図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッド装置の構成を示す斜視図である。
【図3】上記磁気ヘッド装置の構成を示す平面図である。
【図4】記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図5】上記記録ヘッドの構成を示す要部斜視図である。
【図6】上記記録ヘッドの構成を示す平面図である。
【図7】図6中線分X−X’による断面図である。
【図8】上記記録ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図9】再生ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図10】上記再生ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図11】上記磁気ヘッド装置によって磁気テープに記録トラックが形成された状態を示す模式図である。
【図12】アジマス角θの傾ける向きがプラス(+)側に設定された記録ヘッドを示す端面図である。
【図13】アジマス角θの傾ける向きがマイナス(−)側に設定された記録ヘッドを示す端面図である。
【図14】一方の記録ヘッド(アジマス角+θ)により一方の記録トラックに記録される記録ビットを説明するための模式図である。
【図15】他方の記録ヘッド(ノンアジマス)により他方の記録トラックに記録される記録ビットを説明するための模式図である。
【図16】一方の記録トラック(アジマス角+θ)に他方の記録トラック(ノンアジマス)が重ね書きされる状態を示す模式図である。
【図17】一方の記録ヘッド(アジマス角−θ)により一方の記録トラックに記録される記録ビットを説明するための模式図である。
【図18】一方の記録トラック(アジマス角−θ)に他方の記録トラック(ノンアジマス)が重ね書きされる状態を示す模式図である。
【図19】上記一方の記録ヘッドとなる薄膜磁気ヘッドの他の構成を示す斜視図である。
【図20】上記薄膜磁気ヘッドの構成を示す要部斜視図である。
【図21】上記薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図22】上記薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図23】上記一方の記録ヘッドとなる薄膜磁気ヘッドのさらに他の構成を示す斜視図である。
【図24】上記薄膜磁気ヘッドの構成を示す要部斜視図である。
【図25】上記薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図26】上記薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図27】上記薄膜磁気ヘッドの配置を逆向きとした場合のアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【図28】図38中に示す従来の薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図29】図22中に示す本発明を適用した薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図30】図26中に示す本発明を適用した別の薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図31】図27中に示す薄膜磁気ヘッドにより記録される記録ビットのシミュレーション結果を示す模式図である。
【図32】蒸着テープに対する記録方法を説明するための模式図である。
【図33】従来の薄膜ヘッドの一構成例を示す平面図である。
【図34】図33中線分Y−Y’による断面図である。
【図35】上記従来の薄膜磁気ヘッドを媒体対向面から見た端面図である。
【図36】上記従来の薄膜磁気ヘッドの別の構成を媒体対向面から見た端面図である。
【図37】従来の磁気テープ装置によって磁気テープに記録トラックが形成された状態を示す模式図である。
【図38】上記従来の薄膜磁気ヘッドのアジマス記録による走査状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置、2 テープカセット、3 磁気テープ、4 供給リール、5 巻取リール、6 装置本体、7a〜7f ガイドローラ、8 ピンチローラ、9 キャップスタン、9a キャップスタンモータ、10 磁気ヘッド装置、11a 一方の記録ヘッド、11b 他方の記録ヘッド、12a 一方の再生ヘッド、12b 他方の再生ヘッド、12c 互換再生ヘッド、13 ヘッドドラム、14 回転ドラム、15 固定ドラム、16 駆動モータ、20 薄膜磁気ヘッド、20a 媒体対向面、21 第1のヘッド部材、22 保護層、23第2のヘッド部材、24 下部磁気コア層、24a,24b 突部、25 上部磁気コア層、25a 突部、26 非磁性層、27 薄膜コイル、28a,28b 引き出し導線、29a,29b 外部接続用端子、30 記録ビット、30a 裾引き部分、40 MRヘッド、40a 媒体対向面、41 第1のヘッド部材、42 保護層、43 第2のヘッド部材、44 下部磁気シールド層、45 上部磁気シールド層、46 ギャップ層、47 MR素子、48a,48b 永久磁石膜、49a,49b 低抵抗化膜、50a,50b 導体部、51a,51b 外部接続用端子、60 記録ビット、60a,60b 一対の裾引き部分、70 薄膜磁気ヘッド、70a,70b 傾斜面、71a,71b 端部、80 薄膜磁気ヘッド、80a,80b 傾斜面

Claims (15)

  1. 回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の記録ヘッドを備え、このうち、一方の記録ヘッドが上記磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが上記磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、上記磁気テープに対して連続的に信号を記録する磁気ヘッド装置において、
    上記一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、上記アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、上記一方の記録トラックにアジマス記録を行い、
    上記他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように配置されることによって、上記他方の記録トラックにノンアジマス記録を行い、
    先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、上記一方の記録トラックと上記他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 更に、上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の再生ヘッドを備え、このうち、上記一方の記録ヘッドに対応して、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して上記アジマス角に応じて斜めに配置された一方の再生ヘッドが、上記一方の記録トラックから信号磁界を検出し、上記他方の記録ヘッドに対応して、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行に配置された他方の再生ヘッドが、上記他方の記録トラックから信号磁界を検出することによって、上記磁気テープに記録された信号を連続的に再生することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  3. 更に、上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープの走行方向に対して斜めに走査されると共に、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して上記一方の記録ヘッドのアジマス角とは逆向きのアジマス角に応じて斜めに配置された互換再生ヘッドを備えることを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッド装置。
  4. 上記一対の記録ヘッドは、少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とは、それぞれ上記磁気テープと対向する媒体対向面側の端部に、上記磁気テープに形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が上記非磁性層を介して互いに突き合わされることで上記磁気ギャップが形成されると共に、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とが上記媒体対向面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドであり、当該ヘッドの走査方向において、上記上部磁気コア層が上記下部磁気コア層よりも先行する側に位置していることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  5. 上記一方の記録ヘッドにおいて、上記下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面が上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド装置。
  6. 上記一方の記録ヘッドにおいて、上記上部磁気コア層側の突部は、上記下部磁気コア層側の突部の傾斜面の延長線上に位置する側面が、上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされていることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッド装置。
  7. 上記一対の記録ヘッドにおいて、上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅が、上記下部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅に対して同等又は小さくなることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド装置。
  8. 磁気テープを走行させるテープ走行手段と、
    上記テープ走行手段により走行される磁気テープが外周面に巻き付けられた状態で回転駆動される回転ドラムと、
    上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の記録ヘッドを備え、
    上記一対の記録ヘッドは、一方の記録ヘッドが上記磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが上記磁気テープに対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、上記磁気テープに対して連続的に信号を記録すると共に、
    上記一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、上記アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、上記一方の記録トラックにアジマス記録を行い、
    上記他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように配置されることによって、上記他方の記録トラックにノンアジマス記録を行い、
    先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、上記一方の記録トラックと上記他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴とする磁気テープ装置。
  9. 上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープの走行方向に対して斜めに走査される一対の再生ヘッドを備え、
    上記一対の再生ヘッドは、上記一方の記録ヘッドに対応して、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して上記アジマス角に応じて斜めに配置された一方の再生ヘッドが、上記一方の記録トラックから信号磁界を検出し、上記他方の記録ヘッドに対応して、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行に配置された他方の再生ヘッドが、上記他方の記録トラックから信号磁界を検出することによって、上記磁気テープに記録された信号を連続的に再生することを特徴とする請求項8記載の磁気テープ装置。
  10. 上記回転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式により上記磁気テープの走行方向に対して斜めに走査されると共に、当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して上記一方の記録ヘッドのアジマス角とは逆向きのアジマス角に応じて斜めに配置された互換再生ヘッドを備えることを特徴とする請求項9記載の磁気テープ装置。
  11. 上記一対の記録ヘッドは、少なくとも基板上に、下部磁気コア層と非磁性層と上部磁気コア層とが積層され、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とは、それぞれ上記磁気テープと対向する媒体対向面側の端部に、上記磁気テープに形成される記録トラックに対応して所定のトラック幅で突出された突部を有し、これら突部が上記非磁性層を介して互いに突き合わされることで上記磁気ギャップが形成されると共に、上記下部磁気コア層と上記上部磁気コア層とが上記媒体対向面からデプス方向に離間した他端側で接合され、この接合部分を中心に薄膜コイルが巻回されてなるインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドであり、当該ヘッドの走査方向において、上記上部磁気コア層が上記下部磁気コア層よりも先行する側に位置していることを特徴とする請求項8記載の磁気テープ装置。
  12. 上記一方の記録ヘッドにおいて、上記下部磁気コア層側の突部は、そのトラック幅方向の少なくとも一側面が上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされ、この傾斜面の延長線上に上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側の一端が位置していることを特徴とする請求項11記載の磁気テープ装置。
  13. 上記一方の記録ヘッドにおいて、上記上部磁気コア層側の突部は、上記下部磁気コア層側の突部の傾斜面の延長線上に位置する側面が、上記アジマス角以上となる角度で傾けられた傾斜面とされていることを特徴とする請求項12記載の磁気テープ装置。
  14. 上記一対の記録ヘッドにおいて、上記上部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅が、上記下部磁気コア層側の突部の上記磁気ギャップと隣接する側のトラック幅に対して同等又は小さくなることを特徴とする請求項11記載の磁気テープ装置。
  15. 磁気記録媒体に対して走査される一対の記録ヘッドのうち、一方の記録ヘッドが上記磁気記録媒体に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら一方の記録トラックを形成し、この一方の記録トラックに隣接して、他方の記録ヘッドが上記磁気記録媒体に対して記録信号に応じた磁界を印加しながら他方の記録トラックを形成することによって、上記磁気記録媒体に対して連続的に信号を記録する信号記録方法において、
    上記一方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置され、且つ、その磁気ギャップを介して突き合わされる一対の磁気コアのうち、当該ヘッドの走査方向において先行する側に位置する磁気コアが記録トラックのトラック中心からずれる側に、次の記録トラックが形成されるように、上記アジマス角の傾ける向きが設定されることによって、上記一方の記録トラックにアジマス記録を行い、
    上記他方の記録ヘッドは、その磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対して平行となるように配置されることによって、上記他方の記録トラックにノンアジマス記録を行い、
    先に書き込まれる記録トラックに、次に書き込まれる記録トラックが所定の幅だけ重ね書きされるように、上記一方の記録トラックと上記他方の記録トラックとを交互に並んで形成することを特徴とする信号記録方法。
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