JP2004126076A - 感光材料処理装置 - Google Patents

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Yoshie Nozawa
野沢 良衛
Hideto Yamamoto
山本 秀人
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Abstract

【課題】すべり軸受に軸支される液外の駆動軸に回転トルクの上昇が生じることによる搬送ローラ対の回転ムラによって印刷版の面状性が損なわれるのを防止する。
【解決手段】ラック側板110には、貫通孔164を挟んで両側に軸受支持部168が設けられており、貫通孔に挿入された駆動シャフトが軸受支持部に嵌め込まれているすべり軸受166に軸支されている。一方の軸受支持部には、ノズル172を介して水が、所定の時間間隔で供給されるようになっており、これにより、双方のすべり軸受とラック側板の空間に供給された水がすべり軸受と駆動シャフトの隙間に入り込んで、駆動シャフトを連続的に回転しているときの回転トルクの上昇を抑え、駆動シャフトによって駆動力が伝達される搬送ローラ対56に回転ムラが生じることがないようにしている。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版等の感光材料を、液外に配置しているローラの回転駆動によって搬送しながら、この感光材料を処理液によって処理する工程を備えた感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料には、アルミニウム等の支持体に感光層を設けた感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)があり、このPS版を処理する感光材料処理装置であるPS版プロセッサーでは、PS版を現像液に浸漬して処理する現像工程、水洗水をPS版に吹き付けて水洗処理をする水洗工程、水洗処理の終了したPS版の表面にガム液等の不感脂化処理液を塗布して不感脂化処理を施す不感脂化工程等の、処理液を用いた複数の処理工程が設けられており、画像露光されたPS版に、現像、水洗及び不感脂化処理等を施すようになっている。
【0003】
このようなPS版プロセッサーの不感脂化処理工程では、処理液(ガム液)外に配置しているローラ対によってPS版を搬送しながら、スプレーパイプ等よってPS版の表裏面にガム液を供給して、表裏面の全面にガム液を塗布する。
【0004】
また、PS版プロセッサーでは、ガム液を塗布したPS版をローラ対によって挟持して送り出すことにより、PS版の表裏面から余分なガム液を絞り落として、PS版の表裏面にガム液による薄膜の保護層を形成するようにしている。
【0005】
このようなPS版プロセッサーにおいても、樹脂製のすべり軸受を用いて軸支した駆動軸を介して、ローラ対(ローラ)に駆動力を伝達するようにしている。
【0006】
ところで、すべり軸受によって軸支している駆動軸を、長時間の間、連続して回転駆動すると、回転トルクに上昇が生じる。特に、液外に配置している軸受に軸支されている駆動軸では、回転トルクの上昇が大きく、この駆動軸に駆動源の駆動力を伝達する歯車(ギア)の剛性が低いと回転ムラが生じてしまうことがある。駆動軸の回転ムラは、この駆動軸から駆動力が伝達されるローラに回転ムラを生じさせてしまう。
【0007】
一方、PS版の表面から余分なガム液を絞り落としながら均一な薄膜を形成する搬送ローラ対に回転ムラが生じると、PS版の表面にガム液の塗布ムラが生じ、PS版の平面性を損ねるなどの面状不良を発生させてしまうという問題がある。トルク上昇を防ぐためには、処理液画かからない部分の軸受に、給脂する方法があるが、処理液がかかる可能性がある軸受への給脂は、グリースの変質や処理液へのグリース混入での不具合が懸念されるので好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、液外に配置したローラに回転ムラが生じるのを防止して、回転ムラによる感光材料の仕上り不良が生じることのない感光材料処理装置を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、駆動手段の駆動力によって感光材料を搬送しながら、処理槽に貯留している処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置であって、前記感光材料の搬送路を形成するローラを軸支するラック側板と、前記駆動手段の駆動力によって回転駆動されることにより前記ローラへ駆動源の駆動力を伝達する駆動軸と、前記処理槽内の処理液の液面上方で前記ラック側板に取り付けられて前記駆動軸を軸支する樹脂製の軸受と、前記処理槽内へ前記処理液の希釈用の水を供給する給水手段と、前記給水手段によって前記処理槽に供給する水の少なくとも一部を前記軸受と前記駆動軸との間へ供給可能とする管路と、前記給水手段を所定の時間間隔で作動させる給水制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、液外に配置している駆動軸とこの駆動軸を軸支するすべり軸受の間に、処理液の希釈用の水を所定の時間間隔で供給し、駆動軸とすべり軸受の間から処理槽内に入るようにしている。
【0011】
駆動軸と樹脂製のすべり軸受の間に水を供給することにより、駆動軸の回転トルクの上昇を抑えることができ、これにより、ローラを安定した回転速度で回転駆動することができる。
【0012】
また、希釈用の水を用いることにより、処理液が必要以上に薄められてしまうのを防止することができる。
【0013】
このような本発明では、前記管路が、前記給水手段によって前記処理槽に供給される水の一部を前期軸受と前記駆動軸の間に供給することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、駆動軸とすべり軸受の間へ供給する水は、少なくてすむので、例えば、処理液の希釈用の水を、液外のローラ等へ供給してローラの周面の洗浄を行うときに、その一部を用いることができる。また、所定の時間間隔で給水を行うので、ローラの周面を常に清浄に保つことができる。
【0015】
さらに、本発明では、前記給水制御手段が、装置の稼動開始時から所定時間間隔で所定量の水を前記処理槽へ供給するように前記給水手段を作動させることが好ましい。
【0016】
これにより駆動軸を常に回転駆動しつづけても回転トルクが上昇してしまうのを確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明では、駆動手段が作動を開始してから所定の時間間隔で給水手段を作動させるものであっても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、感光材料処理装置の一例として適用した印刷版現像装置(以下「PS版プロセッサー10」とする)の概略構成を示している。このPS版プロセッサー10は、図示しない露光装置によって画像露光されたフォトポリマー版などの感光性平版印刷版(以下「PS版12」と言う)の現像処理を行う。
【0019】
なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体に感光層を形成しており、フォトポリマー版は、光接合層、光重合層及びオーバーコート層が重ねられて感光層が形成され、レーザ光により画像の露光がなされることにより光重合層の画像部の重合反応が促進される。
【0020】
また、以下で説明するPS版プロセッサー10は、搬送方向と直交する方向である幅寸法が約1100mm程度の大きいサイズのPS版12の処理が可能となっている。
【0021】
PS版プロセッサー10は、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理されたPS版12の水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後のPS版12にガム液を塗布して不感脂化処理する不感脂化処理部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。すなわち、PS版プロセッサー10では、PS版12の搬送方向(図1の矢印A)方向に沿って、現像工程、水洗工程、不感脂化処理工程及び乾燥工程が順に配置されている。
【0022】
PS版プロセッサー10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及び不感脂化処理部18となる位置に水洗槽26及び不感脂化処理槽28が形成されている。
【0023】
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、乾燥部20側に挿通口34が形成されている。
【0024】
PS版プロセッサー10には、処理タンク22の上部を覆うカバー36が設けられている。このカバー36は、処理タンク22内に設けられている現像工程、水洗工程及び不感脂化処理工程を一体で覆っている。また、このカバー36には、現像部14と水洗部16との間にPS版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)38が設けられている。その副挿入口38は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサー10での処理を行うためのPS版12の挿入用となっている。
【0025】
挿入口32の外部には、挿入台40が設けられ、現像部14のPS版12の挿入側には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられたPS版12は、挿入台40に載置されて挿入口32から、矢印A方向に沿って挿入されて、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。
【0026】
搬送ローラ対42は、図示しない駆動源の駆動力が伝達されて回転駆動して、挿入されたPS版12を引き入れると共に、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプのPS版12を用いており、PS版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口32からPS版プロセッサー10内へ挿入される。
【0027】
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、PS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44が、底部に沿って配設されている。
【0028】
ガイド板44は、現像槽24の上流部(挿入口32側)に設けられ、自由回転する複数のコロ(小型のローラ)46が取り付けられている。搬送ローラ対42によって現像部14内に送り込まれたPS版12は、このコロ46によって案内されながらガイド板44上を搬送される。
【0029】
現像槽24には、水洗部16側に、外周がゴム製の搬送ローラ対48が配置されており、現像槽24内を略U字状に案内搬送されたPS版12は、この搬送ローラ対48によって挟持されて現像槽24から引き出される。PS版12は、このようにして現像槽24内を搬送されるときに現像液に浸漬され、画像露光によって感光した感光層の不要な部分が現像液により膨潤し、支持体から剥離され、露光画像に応じて不要な感光層が除去される。
【0030】
なお、現像槽24内には、スプレーパイプ50が設けられており、図示しないポンプによって吸引した現像槽24内の現像液を、このスプレーパイプ50によってPS版12の感光層面に吹き付け、PS版12の表面に現像液を供給するとともに、現像槽24内の現像液を循環させている。
【0031】
また、現像槽24内には、ガイド板44と搬送ローラ対48の間に、ブラシローラ80が設けられている。このブラシローラ80は、現像液に浸漬されながら搬送されるPS版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、PS版12の表面をブラッシングして、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。
【0032】
現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように液面蓋52が配置されている。また、現像槽24の壁面及び液面蓋52には、挿入口32側に遮蔽部材54A、54Bが設けられ、水洗部24側に遮蔽部材54C、54Dが取り付けられている。処理タンク22には、挿通口34の周囲に搬送ローラ対56の周面に接触する遮蔽部材54E、54Fが取り付けられ、カバー36の副挿入口38には、遮蔽部材54Gが取り付けられている。
【0033】
遮蔽部材54A〜54Gは、シリコンゴム等によって形成されており、現像槽24内は、遮蔽部材54A〜54G、搬送ローラ対42、48等によって形成された密閉部内の空間に、液面に接触する大容量の液面蓋52を設けて、この空間に閉じ込められた空気の量を少なくすると共に、液面蓋52と遮蔽部材54A〜54G等によって現像液の液面近傍に新鮮な空気が入り込んでくるのが防止され、空気中の炭酸ガスによる現像液の劣化と水分の蒸発が抑えられている。なお、液面蓋52には、PS版12の搬送方向の上流側及び下流側の端部下面に串ローラ52A、52Bが設けられ、現像部14内を搬送されるPS版12が液面蓋52の下面と接触することによる表面(主に感光面)の損傷が防止されている。
【0034】
搬送ローラ対48によって現像槽24から引き出されたPS版12は、水洗部16へ送り込まれる。このとき、搬送ローラ対48は、PS版12の表裏面に付着している現像液を絞り落とすようにしている。
【0035】
水洗部16には、水洗槽26の上方に配設された搬送ローラ対58、60によってPS版12を略水平状態で搬送する搬送路が形成されており、PS版12は、搬送ローラ対58、60に挟持されて水洗槽26の上方を水平搬送される。
【0036】
水洗部16には、搬送ローラ対58、60の間に、PS版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ62A、62Bが設けられている。スプレーパイプ62A、62Bは軸線方向がPS版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向して複数の吐出孔が形成されている。
【0037】
水洗槽26には、処理液として水洗水を貯留している。また、水洗槽26の底部には、配管82の一端が開口している。この配管82は、図示しない給液ポンプを介してスプレーパイプ62A、62Bが接続している(図示省略)。スプレーパイプ62A、62Bは、PS版12の搬送に同期して給液ポンプが作動することにより供給される水洗水を、吐出孔からPS版12へ向けて噴出し、PS版12の表面(上面及び下面)に付着している現像液を洗い流す。
【0038】
このように水洗水によって洗い流された現像液は、水洗水と共に水洗槽26内に落下する。なお、水洗水の新液は、PS版12の処理量に応じて図示しない手段によって水洗槽26に供給される。また、PS版12に供給された水洗水は、PS版12が搬送ローラ対60に挟持されて送り出されることにより、PS版12に付着していた現像液と共に絞り落とされる。このようなスプレーパイプ62A、62Bからの水洗水の噴出方向は、スプレーパイプ62AがPS版12の搬送方向下流側で、スプレーパイプ62BがPS版12の搬送方向上流側としているが、これに限定されず他の方向であっても良い。
【0039】
不感脂化処理部18には、不感脂化処理槽28の上方に搬送ローラ対56が設けられ、PS版12は、この搬送ローラ対56によって不感脂化処理部18内を搬送された後に、乾燥部20へ送り込まれる。
【0040】
不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ64が設けられている。また、不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の下方に、スプレーパイプ66が設けられている。
【0041】
図1及び図2に示すように、スプレーパイプ66は、小幅のコロローラ92が軸方向に沿って所定間隔で回転自在に設けられており、これにより、搬送ローラ対60から送り出されたPS版12の後端部を支持して搬送ローラ対56へ案内するガイドローラ94を形成している。
【0042】
一方、不感脂化処理槽28には、PS版12の版面保護に用いるガム液が、処理液として貯留されており、このガム液がPS版12の搬送に同期した所定のタイミングでスプレーパイプ64、66に供給されることにより、このガム液がスプレーパイプ64、66から吐出されて、PS版12の表裏全面に塗布される。
【0043】
搬送ローラ対56は、ガム液が塗布されたPS版12を挟持して挿通口34へ向けて送り出す。このとき、搬送ローラ対56は、PS版12の表裏面に塗布されたガム液を均一に拡散させると共に、余分なガム液をPS版12から絞り落とす。これにより、PS版12は、表裏面にガム液による均一な薄膜が形成された状態で挿通口34から乾燥部20へ送り込まれる。
【0044】
乾燥部20には、挿通口34の近傍にPS版12を支持する支持ローラ68が配設され、乾燥部20内でのPS版12の搬送路の中央部及び排出口70の近傍に、搬送ローラ対72及び搬送ローラ対74が配設され、PS版12は、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によって乾燥部20内を搬送される。
【0045】
支持ローラ68と搬送ローラ対72との間及び、搬送ローラ対72と搬送ローラ対74との間には、PS版12の搬送路を挟んで対でダクト76A、76Bが配設されている。ダクト76A、76Bは、長手方向がPS版12の幅方向に沿って配設されており、PS版12の搬送路に対向する面にスリット孔78が設けられている。
【0046】
ダクト76A、76Bは、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔78からPS版12の搬送路へ向けて吐出し、PS版12に吹き付ける。これにより、PS版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。なお、挿通口34には、PS版12を処理液によって処理する不感脂化処理部18までのプロセッサ部と乾燥部20とを分離する図示しないシャッタが設けられ、挿通口34が不必要に開放されて、乾燥部20内の加熱された空気が不感脂化処理部18へ入り込むのを防止している。
【0047】
一方、図2に示すように、PS版プロセッサー10には、不感脂化処理部18で使用する処理液であるガム液の補充液を貯留する補充液タンク100が設けられており、補充液ポンプ102を所定のタイミングで作動することにより補充液タンク100内の補充液が不感脂化処理槽28へ補充される。
【0048】
また、PS版プロセッサー10には、給水タンク106が設けられており、この給水タンク106内の水は、現像部14で用いる現像液の補充液を希釈する希釈水、水洗部16の水洗水として用いられる。また、PS版プロセッサー10では、給水タンク106内の水を、不感脂化処理槽28に貯留しているガム液中の水分の蒸発量等に応じて供給することにより、ガム液中の成分を所定の濃度範囲(PS版12の版面保護を行うための適切なガム液の濃度範囲)に保つようにするガム液の希釈水として用いるようにしている。
【0049】
なお、不感脂化処理部18には、PS版12の搬送に同期して作動する給液ポンプ104が設けられており、この給液ポンプ104の作動によって不感脂化処理槽28内のガム液が、スプレーパイプ64、66に供給される。
【0050】
また、PS版プロセッサー10には、現像槽24への現像液の補充及び水洗槽26への水洗水の供給機構が設けられているが、本実施の形態では、現像液の補充液を希釈する希釈水及び水洗水の供給に関する図示及び説明を省略する。
【0051】
図2に示すように、不感脂化処理部18には、搬送ローラ対56の上方に、洗浄ローラ88が設けられている。この洗浄ローラ88は、外周面がローラ56Aに接して、ローラ56Aと一体に回転するように配置されている。また、ローラ56Aとローラ88の接触面の上方には、洗浄ノズル90が配置されている。
【0052】
不感脂化処理部18では、給水手段として給水ポンプ108が設けられており、この給水ポンプ108が作動することにより、給水タンク106内の水が、洗浄ノズル90に供給され、洗浄ノズル90からローラ56Aと洗浄ローラ88の接触面に、この水が供給される。このとき、搬送ローラ対56を回転駆動することにより、ローラ56Aと洗浄ローラ88の間に供給された水がローラ56Aの周面を洗浄し、さらに、ローラ56Bの周面を洗浄した後に、ガム液の希釈水として不感脂化処理槽28に回収される。これにより、ローラ56A、56Bの周面に付着してガム液が洗い流されて、ローラ56A、56Bの周面でガム液が固形化してしまうのを防止するようにしている。
【0053】
すなわち、PS版プロセッサー10では、幅方向に沿った寸法が1100mmまでのPS版12の処理が可能であるために、不感脂化処理槽28内のガム液の液面面積も広くなっている。このために、少なからずガム液中の水分の蒸発が生じ、これにより、ガム液が濃縮してしまうのを防止するために、給水ポンプ108を用いて、希釈用の水を供給するようになっており、この水を用いて、ローラ56A、56Bの周面の洗浄を行うようにしている。
【0054】
ところで、搬送ローラ対42、48、56〜60等には、図示しない駆動源から駆動力が伝達されることにより回転駆動する。ここで、主に不感脂化処理部18に設けている搬送ローラ対56を例に、駆動力の伝達機構を説明する。
【0055】
図3及び図4には、水洗部16及び不感脂化処理部18の間に設けているラック側板110、112の概略を示している。このラック側板110、112は、PS版12の搬送方向と直交する幅方向に沿った両側に配置され、下端部が水洗槽26及び不感脂化処理槽28(何れも図3及び図4では図示省略)挿入されるようになっている。
【0056】
図3に示すように、搬送ローラ対56、58、60は、上下のローラのそれぞれにギア114が設けられており、このギア114が噛合していることにより、上下のローラが一体に回転するようになっている。
【0057】
また、搬送ローラ対56〜60のそれぞれには、軸線方向の両端部にホルダ116が配置されている。搬送ローラ対56〜60のそれぞれは、下側のローラの回転軸118が、ホルダ116の軸孔120に挿入されて軸支され、上側のローラの回転軸122が、軸受124に挿入され、この軸受124が、ホルダ116に形成されている軸受部126に取り付けられることによりホルダ116に軸支される。
【0058】
ホルダ116は、上側のローラを下側のローラへ向けて押し付けるようになっており、搬送ローラ対56〜60は、ホルダ116に装着されることにより、PS版12を挟持するときの挟持力が生じるようになっている。
【0059】
ラック側板110、112には、互いに対向する面の所定位置に、ホルダ装着部128が形成されており、搬送ローラ対56〜60は、ホルダ116が、ラック側板110、112のホルダ装着部128に挿入されて装着されることにより、ラック側板110、112の間に掛け渡されて支持されている。なお、洗浄ローラ88及び洗浄ノズル90は、軸方向の両端がブラケット130に取り付けられ、このブラケット130が、ラック側板110、112の所定位置に取り付けられることにより、ラック側板110、112の間に掛け渡されて組みつけられる。
【0060】
一方、図4に示すように、スプレーパイプ62A、62B及びスプレーパイプ64、66は、軸方向の一端部がエンドキャップ132に閉塞されて、ブラケット134に取り付けられている。また、スプレーパイプ62A、62B及びスプレーパイプ64、66は、軸方向の他端側が、分岐継手136に装着されて連結されている。
【0061】
スプレーパイプ62A、62B及びスプレーパイプ64、66は、ブラケット134をラック側板110の所定位置に固定し、分岐継手136をラック側板112に固定することにより、ラック側板110、112の間に掛け渡されて保持される。また、分岐継手136のそれぞれには、エルボ138が連結されるようになっており、スプレーパイプ62A,62Bには、このエルボ138を介して水洗槽26内の水が供給され、スプレーパイプ64、66には、エルボ138を介して不感脂化処理槽28内のガム液が供給されるようになっている(何れも図4では図示省略)。
【0062】
一方のラック側板110には、搬送ローラ対56〜60へ駆動力を伝達する伝達機構140が形成されている。
【0063】
ラック側板110には、ラック側板112と反対側の面に略L字形状の支持金具142が取り付けられるようになっており、この支持金具142に、搬送ローラ対56〜60のそれぞれに対応するドライブギア144が取り付けられる。PS版プロセッサー10では、図示しない搬送モータの駆動力がドライブギア144のそれぞれに伝達されるようになっている。
【0064】
また、ラック側板110には、支持金具142との間に中間金具146が配置されている。支持金具142と中間金具146の間には、ドライブギア144のそれぞれに対応する駆動シャフト148が配置されている。
【0065】
駆動シャフト148は、両端が軸受150に挿入され、一端側の軸受150が支持金具142に装着され、他端側の軸受150が支持金具146に装着されることにより、支持金具142と中間金具146の間に掛け渡されて軸支されている。また、駆動シャフト150には、支持金具142から突出した先端部にドライブギア144が取り付けられ、中間金具146側の端部に中間ギア152が取り付けられている。
【0066】
中間金具146のそれぞれには、中間ギア152と噛合するようにギア154が配置され、このギア154の下方に、ギア154と噛合するようにギア156が配置されている。ギア154は、一端がラック側板110に取り付けられ、中間金具146から支持金具142側に突出したシャフト158の先端に回転自在に取り付けられている。
【0067】
また、ラック側板110と中間金具146の間には、駆動シャフト160が配置されている。駆動シャフト160は、中間金具146から突出した先端部にギア156が取り付けられており、ラック側板110からラック側板112側であるPS版12の搬送路側に突出した先端部にドライブギア162が取り付けられており、これにより、ドライブギア144に伝達される図示しない搬送モータの駆動力を、ラック側板110、112の間に伝達可能となっている。
【0068】
一方、図5に示すように、ラック側板110には、駆動シャフト160が挿通される貫通孔164が形成されている。また、図4及び図5に示すように、ラック側板110の両側には、駆動シャフト160が挿入されるすべり軸受166が配置されるようになっており、ラック側板110には、この軸受166が嵌め込まれる軸受支持部168が形成されている。
【0069】
図5及び図6に示すように、軸受支持部168は、ラック側板110から突設された立壁170によって形成さされている。この立壁170は、すべり軸受166の外形形状に合わせて、貫通孔164の周囲を矩形形状に囲うようにラック側板110から突設されている。
【0070】
図4及び図5に示すように、駆動シャフト160は、ラック側板100から突出する両側が、それぞれすべり軸受166に挿入され、このすべり軸受166が、軸受支持部168に嵌め込まれることによりラック側板110に軸支されるようになっている。
【0071】
また、図5に示すように、軸受支持部168に嵌め込まれたすべり軸受166と、軸受支持部168の底部であるラック側板110の間には、所定の空間が生じるようになっている。
【0072】
一方、図5及び図6に示すように、軸受支持部168の立壁170には、立壁内部のラック側板110とすべり軸受166の間の空間に連通するノズル172が装着されるようになっている。
【0073】
図3、図4及び図6に示すように、ラック側板110の天板110Aには、水洗部16側及び不感脂化処理部18側のそれぞれに継手174が取り付けられている。
【0074】
図6に示すように、不感脂化処理部18側の継手174には、フレキシブルチューブ176の一端が連結されており、このフレキシブルチューブ176の他端が、不感脂化処理部18側の軸受支持部168(立壁170)に取り付けているノズル172に連結している。
【0075】
また、水洗部16側の継手174には、フレキシブルチューブ178の一端連結しており、このフレキシブルチューブ178の他端側が、T字継手180を介して、水洗部16側の軸受支持部168(立壁170)に取り付けているノズル172のそれぞれに連結している。
【0076】
継手174のそれぞれには、水が供給されるようになっており、これにより、図5に示すように、一方の軸受支持部168内のラック側板110とすべり軸受166の空間に、この水が供給されるようになっている。なお、以下では、すべり軸受166への給水を例に説明するが、液外に配置している軸受120、124、150等へ適用しても良い。
【0077】
また、一方の軸受支持部168内の空間に供給された水は、駆動シャフト160が挿通されている貫通孔164を通過して、他方の軸受支持部168内のラック側板110とすべり軸受166の空間に入り込む。また、それぞれの軸受支持部168内の水は、駆動シャフト160とすべり軸受166の間の僅かな隙間に入り込み、この隙間から、水洗槽26及び不感脂化処理槽28のそれぞれに流れ込むようになっている。
【0078】
すなわち、フレキシブルチューブ176は、搬送ローラ対56へ駆動力を伝達する駆動シャフト160とこの駆動シャフト160を軸支するすべり軸受166の間へ給水用の管路182を形成し、フレキシブルチューブ178は、搬送ローラ対58、60のそれぞれへ駆動力を伝達する駆動シャフト160とこの駆動シャフト160を軸支するすべり軸受166の間へ給水用の管路184を形成している。
【0079】
一方、図2に示すように、不感脂化処理部18では、管路182が給水ポンプ108の二次側に連結されており、これにより、給水ポンプ108が作動することにより、給水タンク106内の水が、搬送ローラ対56へ駆動力を伝達する駆動シャフト160とすべり軸受166の間に供給されるようになっている。なお、管路184は、水洗槽28への給水を行う図示しない給水ポンプに接続しており、この給水ポンプが作動することにより、搬送ローラ対58、60へ駆動力を伝達する駆動シャフト160とすべり軸受166の間への給水がなされるようになっている。
【0080】
PS版プロセッサー10では、図示しない搬送モータを駆動している間は、給給水ポンプ108を所定の時間間隔で駆動するようになっている。このとき、不感脂化処理槽28内に必要以上の希釈水が供給されてしまうのを防止するために、少量ずつ(例えば10ml〜30ml程度)の給水がなされるようにし、その一部(例えば10ml程度)が管路182に流れ込むようにしている。
【0081】
このように構成されているPS版プロセッサー10では、図示しない露光装置等によって画像が記録されたPS版12が挿入台40に載置され、挿入口32へ挿入されと、搬送ローラ対42によってこのPS版12を引き入れ、現像部14へ送り込む。なお、PS版プロセッサー10では、挿入口32を通過するPS版12を図示しないセンサによって検出するとタイマーをスタートさせる。このタイマーは、PS版12を搬送するための駆動手段の動作と共に、水洗部16のスプレーパイプ62A、62Bから水洗水を吐出させるタイミングや、不感脂化処理部18におけるガム液の吐出タイミングの計測に用いる。
【0082】
現像部14では、搬送ローラ対42によってPS版12が水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で送りこまれて現像液に浸漬されながら搬送される。また、このPS版12は、17°〜31°の範囲の排出角度で現像液中から送り出される。PS版12は、現像部14で現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて感光層の不要部分が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このときに、現像槽24内に配置しているブラシローラ80によってPS版12の表面をブラッシングすることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0083】
なお、PS版プロセッサー10としては、複数のブラシローラ80をPS版12の表面に対向するように配置してブラッシングするものであっても良く、また、ブラシローラ80を用いずにPS版12の処理を行うものであっても良い。
【0084】
このようにして現像液による処理が行われて現像液中から送り出されたPS版12は、搬送ローラ対48によって引き出されて、表裏面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部16へ送られる。
【0085】
水洗部16では、このPS版12を搬送ローラ対58、60によって挟持して略水平状態で搬送しながら、スプレーパイプ62A、62Bから水洗水を噴出する。また、PS版12の搬送方向の下流側に配置している搬送ローラ対60は、PS版12の表裏面に供給した水洗水を、搬送ローラ対48によって絞り切れずに残った現像液と共にPS版12の表裏面から絞り落としながら、このPS版12を不感脂化処理部18へ送り出す。これにより、PS版12は、表裏面に現像液が付着していない状態で不感脂化処理部18へ送り出される。
【0086】
不感脂化処理部18へ送られたPS版12は、スプレーパイプ64と吐出ユニット66の間を通過し、搬送ローラ対56に挟持される。
【0087】
このとき、不感脂化処理部18では、スプレーパイプ64、66にガム液を供給し、PS版12の表裏面にガム液を塗布する。搬送ローラ対56は、PS版12を挟持して送り出すことにより、PS版12の表裏面にガム液の薄膜を形成すると共に、余剰となったガム液をPS版12の表裏面から絞り落とす。ガム液が塗布されたPS版12は、挿通口34から乾燥部20へ送り込まれる。
【0088】
なお、挿通口34にシャッタを設け、PS版12の処理開始のタイミングないしPS版12が不感脂化処理部18から送り出されるタイミングで挿通口34を開いて、PS版12を乾燥部20へ送り出すようにしても良い。これにより、乾燥部20の乾燥風が不必要に不感脂化処理部18へ入り込んで、搬送ローラ対56にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、挿通口34から空気が入り込み、現像部14にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発して挿通口34から出てしまうのを防止することができ、好ましい。
【0089】
乾燥部20では、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によってPS版12を搬送しながら、ダクト76A、76Bから乾燥風を吹き付ける。これにより、PS版12は、塗布されているガム液によって保護膜が形成されて排出口70から排出される。
【0090】
ところで、PS版プロセッサー10では、液外に配置している駆動シャフト160と、この駆動シャフト160が挿入されているすべり軸受166の間に、水を供給して、すべり軸受166に軸支されている駆動シャフト160の回転トルクが上昇してしまうのを抑えるようにしている。
【0091】
ここで、不感脂化処理部18の搬送ローラ対56へ駆動力を伝達するのに設けられている駆動シャフト160を例に、図7を参照しながら説明する。
【0092】
図7のフローチャートは、PS版プロセッサー10での給水処理の概略を示している。このフローチャートは、PS版プロセッサー10の図示しない電源スイッチのオン操作がなされて稼動を開始すると実行され、電源スイッチのオフ操作がなされて稼動が停止すると終了する。
【0093】
このフローチャートでは、最初のステップ200で図示しない搬送モータが作動され、搬送ローラ対56の回転駆動が開始されたか否かを確認し、搬送ローラ対56の回転駆動が開始されると、このステップ200で肯定判定して、ステップ202へ移行する。すなわち、搬送モータを作動させると、ステップ202へ移行する。
【0094】
このステップ202では、給水ポンプ108を作動させて、所定量の水を給水タンク106から不感脂化処理槽28へ供給する。
【0095】
これにより例えば、PS版プロセッサー10で立ち上げ処理を行うときに、搬送モータを作動させることにより、搬送ローラ対56等が回転駆動すると、給水ポンプ108が作動して、不感脂化処理槽28への給水を行う。
【0096】
この給水ポンプ108の吐出側には、管路184が接続しており、給水ポンプ108が作動することにより、ラック側板110に設けられて、駆動シャフト160を軸支しているすべり軸受166が嵌め込まれている軸受支持部168へ、給水される。なお、本実施の形態では、一例として、1回の給水ポンプ108の作動で、管路182内に10mlの水が供給されるようにしている。
【0097】
この軸受支持部168への給水位置は、立壁170の内部で、すべり軸受166とラック側板110の間の狭い空間となっており、少量の水であっても、この空間に水が充填され、ラック側板110に、駆動シャフト160の挿入用として形成している貫通孔164を通過して、ラック側板110の反対側の面に形成されている軸受支持部168内のすべり軸受166とラック側板110の間の空間にも入り込んで充填される。
【0098】
さらに、この水は、それぞれの軸受支持部168に嵌め込まれているすべり軸受166と駆動シャフト160の間の隙間に入り込んで、不感脂化処理槽28内に流れ込む。すなわち、給水ポンプ108が作動することによって、ラック側板110の一方の軸受支持部168へ水を供給すると、ラック側板110を挟んで対で形成されている他方の軸受支持部168にも供給され、それぞれの軸受支持部168に嵌め込まれているすべり軸受166と駆動シャフト160の間の隙間に入り込んで、この隙間を埋めるとともに、余剰となった水が、この隙間から不感脂化処理槽28内に流れ込むようになっている。
【0099】
一方、1回の給水ポンプ108の作動が終了すると、ステップ204では、図示しないタイマーをリセット/スタートさせて、ステップ206では、タイマーによる計測時間が所定時間(例えば1分)経過したか否かを確認する。
【0100】
ここで、給水ポンプ108を作動させてから所定時間が経過して、ステップ206で肯定判定されると、ステップ202へ戻って、次の給水処理を行う。これにより、所定の時間間隔で駆動シャフト160とすべり軸受166の間の隙間へ給水がなされる。
【0101】
このフローチャートでは、ステップ208で搬送ローラ対56の回転駆動が停止したか否かを確認しており、例えば、装置の稼動が停止するときに、すべり軸受166への給水処理を終了する。すなわち、PS版プロセッサー10では、搬送ローラ対56が回転駆動されている間は、この搬送ローラ対56へ駆動力を伝達する駆動シャフト160を軸支しているすべり軸受166に、所定の時間間隔で給水を行うようにしている。
【0102】
なお、PS版プロセッサー10では、給水ポンプ108を作動することにより搬送ローラ対56の周面に洗浄用の水が供給されるようになっており、このために、給水ポンプ108を作動するタイミングとなったときに、不感脂化処理部18でPS版12の処理中であれば、給水ポンプ108の作動タイミングを遅らせるか、次の給水タイミングまで、給水を行わないようにすることが好ましい。
【0103】
このように、PS版プロセッサー10では、搬送路ローラ対56へ駆動力を伝達する駆動シャフト160が回転駆動している間は、駆動シャフト160を軸支しているすべり軸受166への給水を継続している。これにより、駆動シャフト160を回転駆動するのに必要なトルク(回転トルク)の上昇を抑えることができるようにしている。
【0104】
すなわち、図8に破線で示すように、すべり軸受166への給水を行わずに、搬送ローラ対56へ駆動力を伝達する駆動シャフト160の回転駆動を連続させた場合、駆動シャフト160の回転トルクが徐々に上昇する。なお、図8では、駆動シャフト160を軸支するすべり軸受166への給水を行わないときの回転トルクの変化の測定結果を破線で示し、1分(1min)間隔で給水を行ったときの測定結果を実線で示している。
【0105】
このような回転トルクの上昇は、駆動源である搬送モータの負荷や、搬送モータからの駆動力を駆動シャフト160へ伝達するギアなどの負荷になり、駆動シャフト160の回転ムラを生じさせてしまうことになる。この駆動シャフト160の回転ムラは、搬送ローラ対56に回転ムラを生じさせてしまう。
【0106】
この搬送ローラ対56は、PS版12の表裏面に塗布して余剰となったガム液を絞り落とすことにより、PS版12の表裏面にガム液による均一な薄膜を形成するようになっている。この搬送ローラ対56に回転ムラが生じると、PS版12に塗布したガム液の表面が波打つなどして、PS版12の表面の面状性が損なわれて、PS版12の仕上がり品質を低下させてしまう。また、このPS版12を用いた印刷物に印刷不良を生じさせてしまう。
【0107】
これに対して、駆動シャフト160を軸支しているすべり軸受166に所定の時間間隔で給水を行うことにより、図8に実線で示すように、駆動シャフト160を長時間連続して回転駆動したときにも、駆動シャフト160に回転トルクの上昇が生じさせることがない。これにより、搬送モータや、搬送モータからの駆動力を駆動シャフト160に伝達するギアなどに負荷の増大を生じさせることがなく、搬送ローラ対56を一定の回転速度で回転駆動することができる。
【0108】
これにより、PS版12に均一な厚さの薄膜(ガム液の薄膜)を形成することができ、PS版12の面状性が損なわれることがない。
【0109】
一方、不感脂化処理槽28に貯留しているガム液中の水分は、時間経過に伴って蒸発する。これにより、不感脂化処理槽28内のガム液に濃縮が生じてしまう。また、PS版プロセッサー10では、例えば、幅寸法が1100mmの大版のPS版12の処理も可能となっているために、不感脂化処理槽28内に貯留しているガム液の液面面積も広くなっている。このために、不感脂化処理槽28内では、約200ml/min程度の蒸発が生じることがある。
【0110】
PS版プロセッサー10では、このようなガム液の濃縮を抑えるために、給水タンク106内の水を、不感脂化処理槽28へ供給するようになっている。通常、このような不感脂化処理槽28への給水は、PS版プロセッサーの稼動開始時、稼動中の一定時間毎および稼動終了時などに行われる。
【0111】
これに対して、PS版プロセッサー10では、この希釈用の水を用いて、例えば1分(1min)間隔で給水を行う。このときの給水量は、例えば、すべり軸受166へ10ml程度の少量の水が供給されるようにしており、また、すべり軸受166と同時に給水される搬送ローラ対56は、1回の給水量が少なくとも、短い時間間隔で給水されることにより、的確に洗浄される。
【0112】
なお、例えば、不感脂化処理槽28への給水用として算出される量の水から差し引いて、給水量が不足しているときには、例えば不足量が所定量に達する毎などのタイミングで、給水ポンプ108を作動させるなどして補うことができる。
【0113】
このように、PS版プロセッサー10では、駆動シャフト160を軸支するすべり軸受166に給水を行って、駆動シャフト160の回転トルクの上昇を防止するときに、ガム液の濃縮防止のために不感脂化処理槽28へ供給する水を用いることにより、すべり軸受166への給水を行うために、ガム液が必要以上に薄まってしまうことがない。また、すべり軸受166への給水のために給水ポンプを増設する必要がないので、装置の製作コストを上昇させてしまうことがない。
【0114】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、1分間隔で10mlずつの水を供給するようにしたが、1回の給水量および給水間隔はこれに限るものではなく、任意の量および時間間隔で行うものであっても良い。
【0115】
また、本実施の形態では、PS版プロセッサー10の不感脂化処理部18を例に説明したが、水洗部16の搬送ローラ対68,80へ駆動力を伝達する駆動シャフト160を軸支するすべり軸受166へも同様に給水することができる。
【0116】
また、このような不感脂化処理部18、水洗部16に限定されず、搬送ローラへ駆動力を伝達する駆動シャフトを軸支する液外のすべり軸受へ給水することができる。
【0117】
さらに、本実施の形態では、PS版プロセッサー10を例に説明したが、本発明は、PS版12を処理する任意の構成の印刷版処理装置に適用することができる。また、本発明は、PS版などの印刷版を処理する印刷版処理装置に限らず、写真フィルムや印画紙などの感光材料を処理する任意の構成の感光材料処理装置に適用することが可能である。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、液外で駆動軸を軸支する軸受に、所定の時間間隔で水を供給することにより、長時間、駆動軸を連続して回転駆動しても、回転トルクの上昇を抑えることができる。これにより、感光材料を搬送するローラの回転ムラが生じるのを防止することができ、例えば、印刷版への不感脂化処理液の塗布ムラ等により面状性が損なわれてしまうのを防止することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したPS版プロセッサーの概略構成図である。
【図2】PS版プロセッサーに設けている不感脂化処理部の概略構成図である。
【図3】水洗部と不感脂化処理部でのラック側板への搬送ローラ対の取付けを示す要部の概略斜視図である。
【図4】図3に示すラック側板に設けた伝達機構を示すラック側板の要部の概略斜視図である。
【図5】駆動シャフトを軸支するすべり軸受のラック側板への取付けを示すラック側板の要部の概略断面図である。
【図6】すべり軸受への給水を行うための管路の接続を示すラック側板の要部の概略斜視図である。
【図7】すべり軸受への給水処理の概略を示す流れ図である。
【図8】すべり軸受への給水を行ったときと、給水を行わないときの経過時間に応じた駆動シャフトの回転トルクの変化の計測結果を示す線図である。
【符号の説明】
10  PS版プロセッサー(感光材料処理装置)
12  PS版(感光材料)
16  水洗部
18  不感脂化処理部
26  水洗槽
28  不感脂化処理槽
56、58、60  搬送ローラ対
106  給水タンク(給水手段)
108  給水ポンプ(給水手段)
110、112  ラック側板
140  伝達機構(駆動手段)
144  ドライブギア(駆動手段)
160  駆動シャフト(駆動軸)
166  すべり軸受
168  軸受支持部
172  ノズル(給水手段)
174  継手(給水手段)
176、178  フレキシブルチューブ(給水手段)
182、184  管路(給水手段)

Claims (3)

  1. 駆動手段の駆動力によって感光材料を搬送しながら、処理槽に貯留している処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置であって、
    前記感光材料の搬送路を形成するローラを軸支するラック側板と、
    前記駆動手段の駆動力によって回転駆動されることにより前記ローラへ駆動源の駆動力を伝達する駆動軸と、
    前記処理槽内の処理液の液面上方で前記ラック側板に取り付けられて前記駆動軸を軸支する樹脂製の軸受と、
    前記処理槽内へ前記処理液の希釈用の水を供給する給水手段と、
    前記給水手段によって前記処理槽に供給する水の少なくとも一部を前記軸受と前記駆動軸との間へ供給可能とする管路と、
    前記給水手段を所定の時間間隔で作動させる給水制御手段と、
    を含むことを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 前記管路が、前記給水手段によって前記処理槽に供給される水の一部を前期軸受と前記駆動軸の間に供給することを特徴とする請求項1に記載の感光材料処理装置。
  3. 前記給水制御手段が、装置の稼動開始時から所定時間間隔で所定量の水を前記処理槽へ供給するように前記給水手段を作動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光材料処理装置。
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