JP2004118795A - 計算システム、計算プログラム及び計算帳票 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ユーザは、計算帳票上に印刷された電卓に代表される計算機を模した図案に従って計算条件を指定する。計算帳票上には、位置情報に対応付けられたドットパターンが形成されており、ユーザが電子ペンで数値、演算子等の指定エリアを指定すると、その指定エリアに対応する数値、演算子が特定される。そして、端末装置又は計算サーバは、ユーザが入力した計算指示に基づいて計算処理を行い、端末装置の表示装置、Web、FAX、EMAIL等の手段でユーザに通知することで計算処理を完了する。計算条件を帳票上で確認しながら計算指示をすることができるので、電卓に代表される計算機のように指示間違いを避けることができる。また、計算帳票の作成及び計算処理ソフトウェアの開発により、多種多様な計算処理に対応可能である。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷物と電子ペンを利用し、携帯電話、PDA、その他の端末装置を通じて、帳票により計算条件を指示し、計算結果を取得するためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
官公庁や金融機関、保険会社などに提出する書類には、金額などの数値情報の記入を要するものがある。そのような場合、利用者は一般的に電卓を使用することで、必要な数値計算をすることができる。
【0003】
また、金融機関や保険会社などのように、業務上、多種多様な契約条件に従って、多種多様な計算をする必要がある場合がある。金融機関の外交員等は、金融機関が開発した特殊な計算機能を有する電卓を使用することにより計算結果を取得することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
利用者は電卓を使用する際にキーを間違えて打ち込むことがあり得るが、ほとんどの場合、利用者は自分のキー入力が間違えていることに気がつかない。これは、それを確認する手段がないからである。キー入力を間違えていれば当然意図する計算結果は得られない。
【0005】
一方、金融機関が有するような業務に特化した特殊電卓ではその電卓上で計算の確認をすることができるものもあるが、帳票上に書き込むことで契約条件に依る計算条件に間違いの無いことを確認の上、計算結果が得られれば便利である。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、入力デバイスとして電子ペンを利用することにより、専用計算帳票に計算条件を書き込むことで計算を行う、計算帳票システムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、電子ペンと、前記電子ペンにより認識可能なに印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票と、利用者が前記電子ペンにより前記帳票上に記入した計算指示に対応する計算を実行し、計算結果を生成する計算装置と、を備える計算システムにおいて、前記計算装置は、前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブルと、前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段と、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、前記計算結果を表示する結果表示手段と、を備える。
【0008】
上記の計算システムによれば、利用者は計算帳票上に電子ペンを利用して計算指示を入力する。計算帳票上には、例えば数値や演算子などに対応する計算指示入力エリアが設けられており、利用者は計算指示入力エリア内にチェックマークなどを記入することにより計算指示を行う。入力された計算指示データは電子ペンから計算装置に送信される。計算装置では、テーブルを参照して計算指示に対応する計算内容を決定して計算を実行し、計算結果を表示する。よって、利用者が入力した計算内容は計算帳票上に残るので、計算指示を正しく行ったか否かを確認することができる。
【0009】
本発明の他の観点では、計算帳票を使用する計算装置は、電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより記入した計算指示を前記電子ペンから受信する受信手段と、前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブルと、前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段と、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、前記計算結果を表示する結果表示手段と、を備える。
【0010】
上記の計算装置によれば、利用者は計算帳票上に電子ペンを利用して計算指示を入力する。計算帳票上には、例えば数値や演算子などに対応する計算指示入力エリアが設けられており、利用者は計算指示入力エリア内にチェックマークなどを記入することにより計算指示を行う。入力された計算指示データは電子ペンから計算装置に送信される。計算装置では、テーブルを参照して計算指示に対応する計算内容を決定して計算を実行し、計算結果を表示する。よって、利用者が入力した計算内容は計算帳票上に残るので、計算指示を正しく行ったか否かを確認することができる。
【0011】
上記の計算装置の一態様では、前記計算指示データは前記計算帳票上の座標データであり、前記計算内容は数値及び演算子を含むことができる。また、他の一態様では、前記計算指示データは、利用者が前記計算指示入力エリアに対する入力を行った時間的順序を示す指定順序情報を含み、前記計算内容決定手段は、前記指定順序情報を参照して前記計算内容を決定する。よって、利用者が入力した計算指示を正しい順序で取得することができる。
【0012】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行されることにより、計算帳票を使用した計算を実行する計算プログラムは、前記コンピュータを、電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより記入した計算指示を前記電子ペンから受信する受信手段、前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブル、前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段、前記計算結果を表示する結果表示手段として機能させる。
【0013】
上記の計算プログラムを端末装置上で実行することにより、上述の計算装置を実現することができる。
【0014】
本発明の他の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用計算帳票は、前記電子ペンにより認識可能に印刷され、前記帳票上における位置情報を示すドットパターンと、前記ドットパターン上に、計算指示入力エリアと、を有し、各計算指示入力エリア内に印刷されたドットパターンは、計算内容を規定する数値又は演算子に対応付けされている。
【0015】
この計算帳票によれば、利用者は計算指示入力エリア上にチェックマークを付すなどにより、計算指示を入力することができる。計算指示入力エリアは計算内容を規定する数値や演算子に対応付けられているので、入力データを端末装置に送信して計算を実行させることにより、計算結果を得ることができる。利用者が入力した計算指示は、計算帳票上にチェックマークなどの形態で残るため、計算指示のミスなどを知ることができ、利用者は正しく計算指示を行ったことを確認しつつ計算結果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。本発明は、入力デバイスとして電子ペンを利用することにより、帳票上において各種の計算指示を行い、計算結果を得ることを可能とするものである。まず始めに、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
【0017】
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0018】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、Bluetoothトランシーバ13、バッテリー14、赤外線LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0019】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。赤外線LED15が専用ぺーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0020】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、赤外線LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、赤外線LED15及びカメラ16を作動する。
【0021】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
【0022】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0023】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、Bluetoothトランシーバ13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0024】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、Bluetoothトランシーバ13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10はディスプレイやボタンなどを持たないが、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
【0025】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0026】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0027】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。なお、端末装置25などにおいて、電子ペン10から送信された座標データやベクトルデータから、文字認識アプリケーションを利用してテキストデータを得ることはもちろん可能である。
【0028】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名前、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0029】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Yデータを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、赤外線LED15による照明領域及びカメラ16の撮影領域(照明領域内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0030】
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申請書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0031】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組み合わせにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0032】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0033】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されていないが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0034】
専用ペーパー20上の領域は大きく2種類の領域に分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0035】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はBluetoothトランシーバ13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0036】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0037】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申請書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0038】
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
【0039】
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
【0040】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について説明する。前述のように、電子ペン10の通信機能はBluetoothによるものであり、専用ペーパー20に入力したデータを取り扱うサービスサーバ(特定の申込書であれば、その申込先のサーバということになる)に対して電子ペン10から直接的にデータを送信することはできない。よって、電子ペン10により取得したデータは、端末装置25からサービスサーバへ送信される。
【0041】
その際の処理を図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から入力データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した入力データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0042】
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。
【0043】
[帳票を使用した計算処理システム]
次に、本発明の実施形態よる、専用ペーパーにより作成された帳票に対して利用者が電子ペンを利用して計算指示を行い、計算結果を端末装置にて取得する計算処理システムについて説明する。
【0044】
(第1実施例)
まず、本発明の計算処理システムの第1実施例を説明する。図7に、第1実施例による計算処理システムの概略構成を示す。図7において、利用者は専用ペーパーにより作成された計算帳票4に対して、電子ペン10を使用して計算指示を入力する。入力された計算指示は、電子ペン10から端末装置25へ送信される。端末装置25は、電子ペン10から計算指示を受信してその計算を実行して計算結果を算出し、端末装置25の表示装置などに表示する。
【0045】
図8(a)は計算指示インターフェースを備える計算帳票4の具体例である。上述のように本発明における計算帳票4は、図5に示す台紙30の上にドットパターン32が印刷され、その上に図案34が通常のインキで印刷されている。この場合、図案34は計算機のキーの図案となっている。
【0046】
次に、本システムの動作について説明する。利用者は電子ペン10を使用し、計算帳票4に計算指示をする。利用者は通常の電卓を叩くのと同様の要領で、電子ペン10を使用して、計算帳票4上の「0」〜「9」の数値枠と、「+」、「−」、「÷」、「×」、等の計算指示枠に例えばチェックマーク等のマーキングをすることで計算条件を入力する。入力された順序は、前述の電子ペン10の機能により、タイムスタンプ情報として記録されるので、計算指示の演算順序は保証される。即ち、図8(a)の例では、利用者が計算指示枠91→92→93→95の順でマーキングをすることにより、「7」、「+」、「5」、「=」の順に計算指示の入力が行われており、電子ペン10はタイムスタンプ情報によりその入力順序を把握している。
【0047】
利用者がチェックマークを付けるのは、図8(a)の計算指示枠91、92、93のように計算帳票の図案に対してであるが、電子ペン10はマーキング箇所のドットパターンを読み取り、図9(b)のどのエリアにチェックマークが付けられたかを示すXY座標データ(以下、「指定エリアデータ」と呼ぶ。)を判定し、内部のメモリ上に記録する。また、「=」に対応する計算指示枠95は端末装置25への計算指示送信機能に関連付けられている。利用者が計算指示を実行するために、「=」の計算指示枠枠95をマーキングすると、電子ペン10のメモリに記録された指定エリアデータ及びそれに対応したタイムスタンプデータがBluetooth通信により端末装置25に送信される。
【0048】
端末装置25には計算指示変換テーブルが予め用意されており、電子ペン10より受け取った指定エリアデータを当該変換テーブルと照合することで、数値、演算子を取り出す。図9(a)は、図8(a)に示す計算帳票4に対応する計算指示変換テーブルの例である。
【0049】
続いて、端末装置25は取り出した値をタイムスタンプ情報に従って入力順に並べることで計算指示データを生成する。計算指示データは通常の計算式と同様のもの(例えば図8(a)の計算指示データは「7+5」)であり、このような計算指示データに従い、端末装置25の計算機能が計算を実行する。計算結果は端末装置25の備える表示装置に表示される。このようにして利用者は自らが行った計算指示に間違いの無いことを帳票上で確認した上で、計算結果を取得することができる。
【0050】
(第2実施例)
第2実施例では利用者が自らの行った計算指示をより明確にするために、図10(a)に示すような計算帳票4aを使用する。図10(a)は利用者が実際に入力を行う計算帳票4aである。数値入力枠101はテキスト認識フィールドとなっており、前述の電子ペン10の機能により、入力された数値はテキストデータとして取得可能である。利用者は計算帳票の左から右に向かって、数値入力、演算子選択を繰り返すことにより、より明確に計算指示を行うことができる。また「(」、「)」枠102により、計算順序の優先付けも明確に指定可能である。電子ペン10によって読み取られた数値を表すテキストデータ、および図10(b)で表される数値および演算子の入力位置を判別する指定エリアデータ、は、「=」の枠105の送信機能により端末装置25に送られる。
【0051】
端末装置25には計算指示変換テーブルが予め用意されており、電子ペン10より受け取った指定エリアデータを当該変換テーブルと照合することで、演算子とその位置データを取り出す。図9(b)は、計算帳票4aに対応する変換テーブルの例である。
【0052】
続いて、端末装置25は取り出した数値と演算子データを位置データに従い並べることで計算指示データを生成する。計算指示データは通常の計算式と同様のもの(例えば図10(a)の計算指示データは「7+(5−2)×3」)であり、この計算指示データに従い、端末装置25の計算機能により計算が実行される。計算結果は端末装置25の備える表示装置に表示される。このようにして利用者は自らが行った計算指示に間違いの無いことを帳票上で確認した上で、計算結果を取得することができる。
【0053】
(第3実施例)
次に、さらに特殊な計算処理を必要とする場合の実施例を説明する。例えば金融機関や保険会社等ではその業務性質上、営業員が顧客の目の前で各種の金融サービス契約の指定条件に依った計算結果を即座に提供しなければならない場合が多く存在する。実際に保険の外交員は、保険料をすぐに算出できるように特殊な計算ボタンを供えた計算機を携帯しているケースが多く見られる。ここではその一例として損害保険会社で使用される計算機を挙げて、本発明における一実施例として説明する。
【0054】
図12は損害保険会社の外交員が顧客先で各種の契約による保険料等を算出するための計算機、を模した本発明における計算フォームである。このような計算機では単純な四則演算のみでは実現の困難な計算処理が必要とされるため、図11のように本システムの実施環境として、計算サーバ3を設けている。計算サーバ3は、ネットワーク2を介して、端末装置25と相互通信可能に接続されている。
【0055】
なお、ネットワーク2の好適な例としてはインターネットが想定される。本実施例ではこの計算サーバ3は通常、損害保険会社に設置されると想定される。前述までの実施例と異なるのは計算処理を行う装置、すなわち指定エリアデータを、計算指示変換テーブルを用いて変換し、計算指示データを生成する機能、および、生成された計算指示データに従い計算指示を処理する機能を備える装置が、端末装置25から計算サーバ3に変更になっている部分のみである。よって、計算指示変換テーブル等の例の図示は省略する。
【0056】
図13は本実施例を説明する流れ図である。利用者は電子ペン10で計算フォームにマーキングすることにより計算指示をする。電子ペン10はマーキングされた位置を専用フォーム上のドットパターンから算出し、XY座標データ(指定エリアデータ)として記録する(ステップS131)。利用者が計算実行を指示するために、「=」枠をマーキングすると(ステップS132)、電子ペン10はメモリ上に記録された指定エリアデータをBluetooth通信機能により端末装置25に送る(ステップS133)。端末装置25は電子ペンから受け取った指定エリアデータに自己の端末情報(例えばネットワーク2上の端末アドレスなど)を付加して計算サーバ3に送信する(ステップS134)。なお、端末情報を付加する理由は、計算サーバ3に計算結果の送信先情報を提供するためである。
【0057】
計算サーバ3は指定エリアデータから計算指示データを生成する(ステップS135)。次に、計算サーバは生成された計算指示データに従い計算処理を行う(ステップS136)。さらに、計算サーバ3は計算結果をステップS134で付加された端末情報に基づいて端末装置25に送信する(ステップS137)。計算結果を受け取った端末装置25は結果を表示装置に表示する(ステップS138)。
【0058】
以上により、利用者は、例えば損害保険の契約条件を帳票により確認した上で、保険料等の計算結果を得ることが可能となる。
【0059】
ここで、計算結果を利用者が取得する方法について説明する。上述の各実施例では、計算結果を端末装置25に表示するのみとしているが、たとえば、図12の結果通知方法欄120のように計算帳票上に選択肢を設けて、選択された通知方法で利用者に結果を通知することも考えられる。例えば、利用者がFAXで結果を受け取りたい場合にはFAX番号を入力し、FAX枠をマーキングする。利用者が選択した結果通知方法は計算指示データとともに計算サーバ3に送られるので、計算サーバ3は利用者が希望する方法、FAX、メール、web等の方法にて別途、計算結果を利用者に通知することとする。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者は帳票上にて計算条件を確認した上で、計算結果を得ることができる。また、計算処理の内容は計算帳票の図案と、計算処理を行う装置が備える計算指示変換テーブル、および、計算処理プログラムの変更により、多種多様に変更・新規作成することが可能となる。従来の金融機関等が独自に開発した計算機はハードウェアであるがために頻繁な仕様変更は困難であったが、本発明によれば、計算帳票の提供者は柔軟にかつ迅速に仕様を変更し、利用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である
【図3】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】帳票の例を示す。
【図7】本発明による計算帳票システムの概略構成を示す図である。
【図8】第1実施例に係る帳票の具体例を示す。
【図9】変換テーブルの例を示す。
【図10】第2実施例に係る帳票の具体例を示す。
【図11】本発明による計算帳票システムの概略構成を示す図である。
【図12】第3実施例に係る帳票の具体例を示す。
【図13】第3実施例における処理の流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
2 ネットワーク
3 計算サーバ
4 帳票
10 電子ペン
11 プロセッサ
12 メモリ
13 トランシーバ
14 バッテリー
25 端末装置
Claims (6)
- 電子ペンと、
前記電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票と、
利用者が前記電子ペンにより前記帳票上に記入した計算指示に対応する計算を実行し、計算結果を生成する計算装置と、を備える計算システムにおいて、
前記計算装置は、
前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブルと、
前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段と、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、
前記計算結果を表示する結果表示手段と、を備えることを特徴とする計算システム。 - 計算帳票を使用する計算装置において、
電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより記入した計算指示を前記電子ペンから受信する受信手段と、
前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブルと、
前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段と、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、
前記計算結果を表示する結果表示手段と、を備えることを特徴とする計算装置。 - 前記計算指示データは前記計算帳票上の座標データであり、前記計算内容は数値及び演算子を含むことを特徴とする請求項2に記載の計算装置。
- 前記計算指示データは、利用者が前記計算指示入力エリアに対する入力を行った時間的順序を示す指定順序情報を含み、前記計算内容決定手段は、前記指定順序情報を参照して前記計算内容を決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の計算装置。
- コンピュータ上で実行されることにより、計算帳票を使用した計算を実行する計算プログラムであって、前記コンピュータを、
電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算指示入力エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより記入した計算指示を前記電子ペンから受信する受信手段、
前記計算帳票上の各計算指示入力エリアに対応する計算指示データを記憶したテーブル、
前記テーブルを参照して計算指示入力エリアの指定から計算内容を決定する計算内容決定手段、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段、
前記計算結果を表示する結果表示手段、として機能させることを特徴とする計算プログラム。 - インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用計算帳票であって、前記電子ペンにより認識可能に印刷され、前記帳票上における位置情報を示すドットパターンと、
前記ドットパターン上に、計算指示入力エリアと、を有し、
各計算指示入力エリア内に印刷されたドットパターンは、計算内容を規定する数値又は演算子に対応付けされていることを特徴とする電子ペン用帳票。
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JP2011233166A (ja) * | 2011-07-28 | 2011-11-17 | Dainippon Printing Co Ltd | 処理装置及びプログラム |
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