JP2004112297A - 画像読み取り装置および画像形成装置 - Google Patents

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米 永  晃 太 郎
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Abstract

【課題】裏写り除去を効率的にできるようにする。
【解決手段】原稿の画像を読み取り画像情報を発生する原稿読取手段および、画像情報を、それが表す画像上の設定条件(エッジ強度≦Ths)を満たす低濃度画像Rrの画像データを該画像Rrを消去した画像を表わす画像データに補正した補正画像情報P、に変換する低濃度画像除去手段を備える画像読み取り装置において、原稿の厚みを検出する手段検出厚を、前記設定条件を満たすか否の判定のための指標値に変換する指標値設定手段および、該指標値を用いて前記低濃度画像の画像データを摘出する手段を備えることを特徴とする。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成する画像読み取り装置に関し、特に、裏写り除去機能がある画像読み取り装置、ならびに、それを用いる画像形成装置に関する。この画像処理装置は、例えば、原稿スキャナやデジタルカメラなどの撮像装置,その画像データを処理するパソコン,プリンタ,複写機,ファクシミリ等に用いることができる。
【0002】
【従来技術】
原稿上の画像を撮影すると、撮影画面上には原稿の裏画像或いは原稿押さえの表面の模様或いは汚れが現れることがある。このような裏写りを消去するために、多くの裏写り除去機能あるいは地肌除去機能が既に提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−169080号公報の画像処理は、ユーザが裏写りの程度や紙質に応じて、裏写り除去の閾値を設定する。
【0004】
【特許文献2】特開2001−313832号公報の画像形成制御は、画像の種類によって裏写り除去の閾値を選択する。
【0005】
【特許文献3】特開2001−169080号公報は、片面上の画像情報のみに基づいて、該片面上の裏写り画像を抽出して、それを除去した画像を生成する方法を開示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術に依れば、裏写り除去の除去レベルの変更は、ユーザが任意に指定するのみであり、ユーザは、レベル変更を任意に設定し、一度画像形成物を出力し、不本意ならば再度レベル設定するという、試行錯誤的なレベル設定に頼っていた。これは画像出力にかかる時間的な浪費、あるいは紙や現像剤の浪費につながることになる。
【0007】
本発明は、この問題点を解決し、裏写り除去を効率的にできるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)原稿の画像を読み取り画像情報(O)を発生する原稿読取手段(30,10);および、前記画像情報(O)を、それが表す画像上の設定条件(エッジ強度≦Ths)を満たす低濃度画像(Rr)の画像データを該低濃度画像を消去した画像を表わす画像データに補正した補正画像情報(P)、に変換する低濃度画像除去手段(45Ap);を備える画像読み取り装置において、
前記原稿の厚みを検出する手段(253,254);
前記原稿の検出厚(Sptに反比例)を、前記設定条件を満たすか否の判定のための指標値(Ths)に変換する指標値設定手段(IPP:図13の9,10);および、該指標値を用いて前記低濃度画像の画像データを摘出する手段(IPP:図14の14〜16b);を備えることを特徴とする、画像読み取り装置。
【0009】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当事項の記号もしくは対応事項を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0010】
一般的に、原稿の紙厚が薄いと、裏写り画像が現れしかも濃度が高い可能性がある。したがって例えば、指標値設定手段(IPP:図13の9,10)によって前記原稿の検出厚(Sptに反比例)を、それが薄いと高い指標値(Ths:図5のTpmax)に変換して、摘出手段(IPP:図14の14,16b)および低濃度画像除去手段(45Ap:図14の15,16a)によって、画像のエッジ強度が指標値(Ths)より弱いエッジを裏写り画像のエッジと見なしてそこを背景色の画像データに置換することにより、裏写り画像が自動的に除去される。適切な裏写り除去が効率的に行われる。
【0011】
一度補正画像情報(P)を出力して指標値(Ths)の適否を確認をするといった、ユーザの閾値設定作業と比較して、時間的な浪費、あるいはサプライの浪費を抑え、裏写り除去を効率的に行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(2)更に、ユーザが指標値(Ths)を設定するための入力手段(79の322〜324,329);および、該入力手段によって設定された指標値と前記指標値設定手段(IPP:図13の9,10)が変換した指標値、の一方を選択する手段(79の418,419);を備え、前記摘出する手段(IPP:図14の14,16b)は、該選択手段が選択した指標値を用いて(図13の7〜10)前記低濃度画像の画像データを摘出する;上記(1)に記載の画像読み取り装置。
【0013】
裏写り画像濃度は、紙厚のみならず透光率によっても、また、裏画像濃度によっても変化があるので、紙厚対応の自動設定では、裏写り除去が誤処理になる可能性も考えられる。本実施態様によれば、ユーザが指標値(Ths)を設定して、それを用いる裏写り除去を指示することができ、ユーザの判断と操作による好適な裏写り除去も実施できる。
【0014】
(3)更に、前記指標値設定手段(IPP:図13の9,10)が前記検出厚を指標値(Ths)に変換する変換特性(図5)をユーザが指定するための入力手段(329);を備える上記(1)又は(2)に記載の画像読み取り装置。
【0015】
これによれば、透光率が高い原稿のときには、例えば検出厚に対して指標値(Ths)が高傾向となって裏写り画像除去の程度が強くなる変換特性(図5の(b))を選択するなど、紙質対応でユーザが裏写り画像除去の程度を選択できる。ユーザの判断と操作による好適な裏写り除去を期待できる。
【0016】
(4)更に、前記低濃度画像除去手段による補正画像情報への変換をユーザが指示するための入力手段(79の311);を備え、前記低濃度画像除去手段は該指示がある場合のみ、前期変換処理をおこなう;上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【0017】
例えば、裏写りの可能性が全く無いと見る原稿の場合には、ユーザは入力手段(79の311)による補正画像情報への変換指示を解除すれば、誤った裏写り除去の可能性が全く無い、原稿読み取りが行われる。ユーザの判断と操作により好適な原稿画像読み取りを期待できる。
【0018】
(5)前記原稿読取手段(30,10)は、原稿の表面の画像を読み取りそして裏面の画像を読取って各面の画像情報を発生することができる両面読取手段であり;前記低濃度画像除去手段(45Ap)は、原稿の表面画像情報(O),該画像情報に対する該表面の補正画像情報(P)との差分である表面の低濃度画像(R)、および、裏面の画像情報、に基づいて裏面の低濃度画像を生成し、裏面の画像情報に対する該裏面の低濃度画像の差分を裏面の補正画像情報として生成する機能(図13の3a〜6)を持つ;上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【0019】
原稿の表面の画像と裏面の画像を読み取る場合には、読み取りが後になる裏面の画像読み取りにおいて、事前に分かっている表面の、元画像情報(0)および低濃度画像(R)に基づいて、裏面の元画像情報の低濃度画像除去を行うため、裏面の元画像情報のみに基づく低濃度画像検出が省略となり、裏面の色変換処理の所要時間を短縮することができる。
【0020】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像読み取り装置(30,10,IPP);その画像情報を画像形成用の画像データに変換する画像データ処理手段(IPP);および、該画像形成用の画像データに基づいて用紙上に可視画像を形成する作像手段(100);を備える画像形成装置。
【0021】
これによれば、画像の色変換およびプリントアウトにおいて、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の作用効果が得られる。
【0022】
(7)更に、原稿読取手段(30,10)が発生した画像情報(O),低濃度画像除去(45Ap)が変換した補正画像情報(P)および消去した低濃度画像情報(Rr)が表す画像を面上(328)に表す画像出力手段(20);を備える上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像読み取り装置又は画像形成装置。
【0023】
これによれば、画像出力手段(20)によって、各画像が表示される。ユーザは各画像を視認して誤った画像除去があるかの確認をすることができる。
【0024】
(8)前記画像出力手段(20)は、画像を面表示するディスプレイ(79)および該ディスプレイにどの画像を表示するかをユーザが選択指定する表示画像選択手段(318,319)を含む;上記(7)。
【0025】
(9)原稿画像を読み取り、該画像を画像形成媒体(例えばトナー)により画像形成する際に、原稿裏面や次ページ原稿表面の画像が、原稿表面画像と同時に形成されることを抑制するような機能(以下「裏写り除去機能」と呼ぶ)として高い効果を期待できる該機能を備え、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder:ADF)を備え、該ADF内に原稿厚さ検知センサを備えた、画像形成装置において、
ADFにて原稿をスキャンする際に、原稿の厚さを検知し、原稿の厚さに応じて「裏写り除去」レベルを変化させることを特徴とする、画像形成装置。
【0026】
これによれば、一度画像形成物を出力して設定レベルの確認をするといった作業と比較して、時間的な浪費、あるいはサプライの浪費を抑え、裏写り除去を効率的に行うことが可能となる。
【0027】
(10)上記(9)において、ユーザが、使用希望/否に応じて、原稿の厚さに応じた「裏写り除去」レベルの度合いを変更させることができることを特徴とする、画像形成装置。これによれば、ユーザの要求に、より応じた、裏写り除去画像を形成することが可能となる。
【0028】
(11)上記(9)において、ユーザが、使用希望/否に応じて、「原稿厚さ検知式裏写り除去機能」のON/OFFを変更させることができることを特徴とする、画像形成装置。これによれば、厚さに依存した裏写り除去レベル変更が不要な場合は、OFFさせることが可能となる。
【0029】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明により明らかになろう。
【0030】
【実施例】
図1に、本発明の1実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)30と、操作ボード20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ100の各ユニットで構成されている。ステープラ及び作像された用紙を積載可能なトレイ付きのフィニッシャ34と、両面ドライブユニット33と、増設給紙バンク35と、大容量給紙トレイ36は、プリンタ100に装着されているが、これらはプリンタ100から分離可能な周辺ユニットであり、各々動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、画像形成装置本体であるプリンタ100の制御ボード(のプロセスコントローラ131:図6)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて用紙の送給,搬送の動作を行う。なお、操作ボード20と、ADF30付きのカラースキャナ10もプリンタ100から分離可能なユニットであり、カラースキャナ10も動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ100の制御ボードと直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
【0031】
機内の画像データ処理装置ACP(図6)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニットFCU(図6)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、排紙トレイ108上またはフィニッシャ34に排出される。
【0032】
図2に、カラープリンタ100の機構を示す。この実施例のカラープリンタ100は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ100は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
【0033】
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kを有する感光体ユニット110M,110C,110Yおよび110Kと、現像ユニット120M,120C,120Yおよび120Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの回転軸が水平x軸(主走査方向)に平行になるように、且つ、転写紙移動方向y(副走査方向)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。
【0034】
また、レーザプリンタ100は、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット102、給紙カセット103,104、レジストローラ対105、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト160を有する転写ベルトユニット106、ベルト定着方式の定着ユニット107、排紙トレイ108,両面ドライブ(面反転)ユニット33等を備えている。また、レーザプリンタ100は、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、なども備えている。
【0035】
光書込ユニット102は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット103,104から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対105に送られる。このレジストローラ対105により所定のタイミングで転写搬送ベルト160に送出された転写紙は転写搬送ベルト160で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
【0036】
各トナー像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト160で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット107に送られる。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。定着ユニット107を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ108,フィニッシャ36又は両面ドライブユニット33に排出又は送給される。
【0037】
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット110Y及び現像ユニット120Yを備えている。感光体ユニット110Yは、感光体ドラム111Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
【0038】
感光体ユニット110Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム111Yの表面に、光書込ユニット102で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム111Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11IY上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト160上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11IY上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム111Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0039】
現像ユニット120Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース120Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム111Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
【0040】
転写ベルトユニット106の転写搬送ベルト160は、各トナ−像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。張架ローラの1つが109である。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト160上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト160の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト160上に付着したトナ−等の異物が除去される。
【0041】
また、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト160の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト160に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト160と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0042】
転写搬送ベルト160で搬送され、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成された各色トナー像が転写された用紙は、定着装置107に送り込まれてそこで、トナー像が加熱,加圧によって用紙に熱定着される。熱定着後、用紙は左側板の上部のフィニッシャ34への排紙口34otからフィニッシャ34に送り込まれる。又は、プリンタ本体の上面の排紙トレイ108に排出される。
【0043】
4個の感光体ドラムの中の、マゼンダ像,シアン像およびイエロー像形成用の感光体ドラム111M,111Cおよび111Yは、図示しないカラードラム駆動用の1個の電気モータ(カラードラムモータ;カラードラムM:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。ブラック像形成用の感光体ドラム111Kはブラックドラム駆動用の1個の電気モータ(Kドラムモータ:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。また、転写搬送ベルト160は、上記Kドラムモータによる動力伝達系を介した転写駆動ローラの駆動により、回動移動する。従って、上記Kドラムモータは、K感光体ドラム11Kと転写搬送ベルト60を駆動し、上記カラードラムモータは、M,C,Y感光体ドラム11M,11C,11Yを駆動する。
【0044】
また、K現像器120Kは、定着ユニット107を駆動している電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。M,C,Y現像器120M,120C,120Yは、レジストローラ105を駆動する電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。現像器120M,120C,120Y,120Kは絶えず駆動されている訳ではなく、所定タイミングを持って駆動出来る様、上記クラッチにより駆動伝達を受ける。
【0045】
再度図1を参照する。フィニッシャ34は、スタッカトレイすなわち積載降下トレイ34hsおよびソートトレイ群34stを持ち、積載降下トレイ34hsに用紙(プリント済紙,転写済紙)を排出するスタッカ排紙モードと、ソートトレイ群34stに排紙するソータ排紙モードを持つ。
【0046】
プリンタ100からフィニッシャ34に送り込まれた用紙は、左上方向に搬送されそして上下逆U字型の搬送路を経て、下向きに搬送方向を切換えてから、設定されているモードに応じて、スタッカ排紙モードのときには排出口から積載降下トレイ34hsに排出される。ソータ排紙モードのときには、ソータトレイ群34stの、そのとき排出中の用紙が割り当てられたソータトレイに排出される。
【0047】
ソータ排紙モードが指定されるとフィニッシャ内排紙コントローラは、最下部の重ね待避位置に置いたソートトレイ群34stを、図1上で2点鎖線で示す使用位置に上駆動し、ソータトレイ間の間隔を広げる。ソータ排紙モードでは、1回(一人)の設定枚数の複写又はプリントは、部ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、同一原稿(画像)をプリントした各転写紙をソートトレイ群34stの各トレイに仕分け収納する。頁ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、各トレイを各頁(画像)に割り当てて、同一頁をプリントした各転写紙を1つのソートトレイに積載する。
【0048】
図3に、スキャナ10およびそれに装着されたADF30の、原稿画像読み取り機構を示す。このスキャナ10のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには第2および第3ミラー234,235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される。第1および第2キャリッジは、走行体モータ238を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。
【0049】
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、白基準板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。白基準板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。このシェーディング補正は、まず白基準板239を原稿スキャン前に主走査方向1ライン分読み取り、この読み取った白基準データをメモリに記憶し、原稿画像を読み取るときは、原稿をスキャンした画素毎に、画像データを前記メモリ上の対応する白基準データで割り算するものである。
【0050】
スキャナ10には、自動原稿供給装置ADF 30が装着されている。ADF30の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247A,247Bで、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。原稿は、読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。
【0051】
両面複写又は両面読み取りが指定されている場合には、表面(原稿トレイ241に積載された状態で上面)の読み取りを終えて排紙ローラ246,247A,247Bで、排紙トレイ248上に排出するときに、原稿の尾端が反転送り切換え爪252を通過し、かつ排紙ローラ247Aは通過しないタイミングで原稿の搬送が停止され、そして切換え爪252を点線位置に切り換えて、排紙ローラ247A,247Bが逆回転駆動される。これにより、原稿の尾端の表面が反時計方向に回転している搬送ドラム244に密着して、今度は裏面を上面にして原稿が読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247A,247Bで、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。
【0052】
ADF30の搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240に送られる原稿が、反射プレート255を通過するときに、変位検出へッド253によって該原稿の紙厚が検出される。
【0053】
図4の(a)には、紙厚検出機構の概要を示し、そこに示す変位検出へッド253の水平断面をB方向に見たヘッド断面を、図4の(b)に示す。反射プレート255は、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240に送られる原稿を受け入れるガイド板の形状であり、原稿に接する面の背面は鏡面になっている。反射プレート255の背面には、互いに平行な2本の支軸256が立てられ、固着されている。これらの支軸256を摺動自在に受け入れた固定スリーブ257があり、固定スリーブ257に係止した圧縮コイルスプリング258が、反射プレート255を、搬送ドラム244に押し付けるように押している。したがって、反射プレート255の位置に原稿が無いときには、反射プレート255は搬送ドラム244に密着しているが、原稿が到来すると、該原稿によって反射プレート255が押し上げられる。すなわち原稿が搬送ドラム244と反射プレート255の間に進入し、反射プレート255が原稿の厚み分、搬送ドラム244から離れる。
【0054】
変位検出ヘッド253は固定スリーブ257に固定されている。すなわち固定であり、反射プレート255に対向しているので、原稿がないときには反射プレート255は変位検出ヘッド253の先端面から離れているが、原稿が到来するとそれによって押し上げられて変位検出ヘッド253の先端面に近づく。反射プレート255のこの変位量は、原稿の紙厚である。
【0055】
変位検出ヘッド253には、レーザ発光ダイオード253eおよびフォトトランジスタ253rがあり、それらは、レーザ発光ダイオード253eが発するレーザが反射プレート255で反射してフォトトランジスタ253rに入射するように、それらの光軸が、原稿が無く反射プレート255が搬送ドラム244に密着した状態で、反射プレート255の背面で直交するように、配設されている。したがって、原稿が無く反射プレート255が搬送ドラム244に密着した状態(紙厚=0)でフォトトランジスタ253rの受光量は最大である。原稿が反射プレート255の下に進入すると、それによって反射プレート255が変位検出ヘッド253に近づくので、フォトトランジスタ253rの受光量が下がる。原稿の紙厚が大きいほど、フォトトランジスタ253rの受光量の低下が大きい。
【0056】
レーザ発光ダイオード253eおよびフォトトランジスタ253rが接続された変位検出回路254が、ADF30による原稿読み取り時にそれらに通電して、フォトトランジスタ253rの受光量(紙厚に反比例)に比例する紙厚信号Sptを発生する。スキャナ10の図示しないコントローラが、反射プレート255を原稿が通過している間高レベルHのEnable信号を変位検出回路254に与える。変位検出回路254は、Enable信号(H)のLからHへの立ち上がりに応答して回路254内のサンプルホールド回路をリセット(初期化;ホールド値をクリア)し、そしてEnable信号(H)がある間の紙厚信号Sptの下ピーク値を保持する。下ピーク値は、反射プレート255を通過した原稿の紙厚の最低値すなわち最も薄い部分の厚みを示す。原稿が、比較的に厚くトナーが比較的に厚く付着した凸凹のコピーである場合、下ピーク値は、画像トナーが無い地肌部となり、紙厚に最も近い値である。スキャナ10の図示しないコントローラは、1枚の原稿の画像読み取り信号の処理を終了したときに、変位検出回路254が保持する下ピーク値信号Sptをデジタル変換して読み込んで、デジタルデータすなわち紙厚データSptを、今回読み取りの原稿画像データ宛てに、送出する。この紙厚データは原稿画像データに付加して、後述のメモリMEMに書き込まれる。
【0057】
なお、紙厚検出には、上述の光反射の検出の他に、プレート255と搬送ドラム244との間の静電容量を検出してプレート255の変位量を検出する方式あるいは差動トランスを用いてプレート255の微量変位量を検出する方式などを用いても良い。
【0058】
図6に、図1に示す複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるカラー原稿スキャナ10が、画像データ処理装置ACPの画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)に接続されている。画像データ処理装置ACPにはまた、カラープリンタ100が接続されている。カラープリンタ100は、画像データ処理装置ACPの画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)から、書込みI/F134に記録画像データを受けて、作像ユニット135でプリントアウトする。作像ユニット135は、図2に示すものである。
【0059】
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)は、パラレルバスPb,画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述),画像メモリMEM(メモリモジュール&ハードディスク;以下では単にMEMと記述),システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC,IPP等、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
【0060】
カラー原稿スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光をセンサボードユニットSBU上のCCDで光電変換してR,G,B画像データを生成し、RGB画像データに変換しかつシェーディング補正して、出力I/F12を介してCDICに送出する。
【0061】
CDICは、画像データに関し、出力I/F12,パラレルバスPb,IPP間のデータ転送,プロセスコントローラ131とACPの全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM132はプロセスコントローラ131のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ133はプロセスコントローラ131の動作プログラム等を記憶している。
【0062】
MEMには、半導体メモリの他に、多くの画像データを収納するためハードディスクもある。ハードディスクを用いる事により、外部電源が不要で永久的に画像を保持できる特徴もある。多くの原稿の画像をスキャナで読み込んでハードディスクに保持し、また、PCが与える多くのドキュメント画像を保持できる。
【0063】
画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)は、MEMに対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ1は、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
【0064】
操作ボード20は、ACPがおこなうべき処理を入力する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
【0065】
スキャナ10の読取ユニット11より読み取った画像データは、スキャナ10のSBU(センサボードユニット)でシェーディング補正を施してから、IPPで、スキャナガンマ補正,フィルタ処理などの、読取り歪を補正する画像処理を施してから、MEMに蓄積する。MEMの画像データをプリントアウトするときには、IPPにおいてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPPから書込みI/F134に転送される。書込みI/F134は、階調処理された信号に対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット135へ送られ、作像ユニット135が転写紙上に再生画像を形成する。
【0066】
IMACは、システムコントローラ1の制御に基づいて、画像データとMEMのアクセス制御,LAN上に接続した図示しないパソコンPC(以下では単にPCと表記)のプリント用データの展開,MEMの有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
【0067】
IMACへ送られた画像データは、データ圧縮後、MEMに蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPbを経由してCDICへ戻される。CDICからIPPへの転送後は画質処理をして書込みI/F134に出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
【0068】
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDICでのバス制御により、デジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、スキャナ10で読取られた画像データをIPPにて画像処理を実施し、CDICおよびパラレルバスPbを経由してFCUへ転送することによりおこなわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PNへファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDICを経由してIPPへ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F134から出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
【0069】
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット135およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ131において制御する。プロセスコントローラ131は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
【0070】
システムコントローラ1とプロセスコントローラ131は、パラレルバスPb,CDICおよびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ131間の通信を行う。
【0071】
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F 7、シリアルバスI/F 9、ローカルバスI/F 3およびネットワークI/F 8は、IMACに接続されている。コントローラーユニット1は、ACP全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
【0072】
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMACに対して、画像データをMEMに蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC,パラレルバスI/F
7、パラレルバスPbを経由して送られる。
【0073】
この動作制御指令に応答して、画像データはCDICからパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F 7を介してIMACに送られる。そして、画像データはIMACの制御によりMEMに格納されることになる。
【0074】
一方、ACPのシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワーク経由の場合、IMACはネットワークI/F
8を介してプリント出力要求データを受け取る。
【0075】
汎用的なシリアルバス接続の場合、IMACはシリアルバスI/F 9経由でプリント出力要求データを受け取る。汎用のシリアルバスI/F 9は複数種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Universal Serial Bus)、1284または1394等の規格のインターフェースに対応する。
【0076】
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F 3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。
【0077】
シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACPの操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。
【0078】
システムコントローラ1とMEMおよび各種バスとのデータ送受信は、IMACを経由しておこなわれる。MEMを使用するジョブはACP全体の中で一元管理される。
【0079】
図7に示す様に、操作ボード20には、面表示機能がありしかも入力読み取り機能がある液晶タッチパネル(以下では液晶ディスプレイ又はディスプレイと言うこともある)79,テンキー80a,クリア/ストップキー60b,スタートキー60c,モードクリアキー60e,テスト印刷キー80f、および、「複写」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー80gがある。
【0080】
操作ボード20の電気制御系の主体は、システムコントローラ1とコミュニケーションし、操作ボード20の入力を読取り、ボード上の表示を制御するCPU,このCPUの制御プログラムが格納されているROM,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM,液晶ディスプレイ79の描画データを格納するVRAM,このVRAMに接続され液晶ディスプレイ79の描画タイミング制御等を行う液晶表示コントローラ(LCDC),時刻データを発生する時計IC等がある。操作ボード20のCPUには、操作キー群のキーマトリクス,表示LEDのLEDマトリクスおよびそれらのLEDを駆動するLED駆動装置等が接続されている。また、操作ボード20のCPUが接続されたデータバスには、不揮発性RAM(NVRAM)が接続されている。
【0081】
液晶ディスプレイ79には、機能選択キー80gで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、機能キー79a,79b,「裏写り除去」入力窓311等々、ならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。テスト印刷キー80fは、設定されている印刷部数に関わらずに1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。
【0082】
「文字」指定キー80hは、画像が文章や線画などの2値画像とユーザが認めるときに選択操作され、「網点」指定キー80iは、網点もしくは写真または絵画などの中間調あるいはグレイ表現のものと認めるときに選択操作される。「文字」指定があるときにはこれらの指定を表すデータ(1ビット信号)が高レベル「1」に、「網点」指定があるときには低レベル「0」になっている。「文字」指定があるときにはIPPが、画像データに、文字や線を鮮明に表す処理を施し、「網点」指定があるときには、写真などの階調画像を滑らかに表す処理を施す。
【0083】
また、初期設定キ−80dが操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「ID設定」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能、の選択メニューが表示される。
【0084】
図8に、コピー指示入力待機画面(図7)を液晶ディスプレイ79に表示しているときに、該画面上の「裏写り除去」入力窓311の裏写り除去ボタンに、ユーザが指又は入力ペンでタッチしたときに、操作ボード20が液晶ディスプレイ79に表示する「裏写り除去設定」用の入力画面を示す。
【0085】
液晶ディスプレイ79の上辺部には、裏写り除去入力の進行を指示するキー312〜316および原稿頁表示317があるタスクバー画像がある。「前へ」キー312は表示戻し指示キーであり、それにユーザがタッチすると、操作ボード20は液晶ディスプレイ79の表示を、現在の表示に切換わった直前の画面に戻す。「OK」キー313は、液晶ディスプレイ79に頁表示(317)している原稿の、裏写りを除去した補正画像(又は元画像)のプリント出力を指示するキー(補正画像プリントスタートキー)である。「裏写り除去解除」キー314は、裏写り除去指定の解除、すなわち、「裏写り除去」入力窓311の表示をデフォルト(標準設定)の裏写り除去非指定状態に戻したコピー指示入力待機画面(図7)に液晶ディスプレイ79の表示を戻すことを指示するものである。「裏写り除去解除」キー314にタッチがあると操作ボード20は、裏写り除去ボタンを指定表示状態(点々の網掛け)から、非指定表示(網掛けなし)に切換えたコピー指示入力待機画面(図7)を液晶ディスプレイ79に表示する。「次頁」キー315は、スキャナ10がADF30にあった複数頁の原稿を連続して読み込んだ場合の、裏写り除去設定の原稿頁を、現在頁表示317に表示している頁の次の頁に切換えることを指示するキー、「前頁」キー316は前頁への切換え指示キーである。
【0086】
液晶ディスプレイ79の右辺部には、表示条件入力画面があり、その中に、「画像を確認」入力窓330,表示画像選択,閾値設定を原稿紙厚に対応して自動で行うか否を指定するための閾値選択および裏写り閾値調整を行う表示窓319,419および324ならびに選択更新キー又はボタン318,418,329,アップダウンキー322,323および確定指示キー327がある。
【0087】
「画像を確認」入力窓330の、「画像を確認」ボタンは、それにユーザがタッチすると指定表示状態(点々の網掛け)に切り換わり、これは、元画像を裏写りを除去した補正画像に変換してから、次に説明する設定条件の表示をしそしてユーザのプリント指示(OKキー313のオン=ユーザタッチ)を待って、それがあると補正画像をプリントをする表示モード、を指定するものである。画像を確認ボタンにユーザがタッチすると、非指定の表示状態(網掛けなし)に切り換わり、これは、元画像を補正画像に変更してから、次に説明する表示をすることなく、またユーザの再度の指示(OKキー313のオン)を待つことなく、直ちに補正画像をプリントする非表示モード、を指定するものである。「画像を確認」入力窓330の「画像を確認」ボタンのデフォルトは、網掛け表示の、表示モード指定である。
【0088】
画像表示領域328に画像を表示するモード(表示画像選択319)には、デフォルトの(標準に設定した)「除去後画像」の他に、「元画像」および「裏写り画像」がある。ユーザが選択更新キー318に一回タッチすると、表示窓319には「元画像」が表示される。更にタッチを繰り返すと、表示窓319の表示は「裏写り画像」に切り換わり、「裏写り画像」の次にはデフォルトの「除去後画像」に戻る。キー318はスクロールキーである。
【0089】
閾値選択の選択肢は、「自動」と「手動」であり、スクロールキー418にタッチすることによって、入力窓419の表示が切り換わる。入力窓419に表示されている「自動」又は「手動」が、現在選択されているものである。「自動」を選択しているときには、後述の「片面画像処理の裏写り除去」P45Apで用いられる裏写り切り出し閾値Thsを、紙厚データSptがある場合には、紙厚データSpt対応値に定められる(図13の7〜10)。「手動」を選択しているときには、次に説明する表示窓324に表示している閾値に定められる。
【0090】
表示窓324には、初期表示では、裏写り切り出し閾値Thsのデフォルト値が表示されるが、ユーザは、選択ボタン329にタッチして既定の、強い除去となる値,弱い除去となる値および標準値(デフォルト値)に簡易に切り換えることができる。また、アップダウンキー322,323にタッチして、閾値の値を最小単位づつ大きく或いは小さく変更できる。これが閾値の「手動」設定である。
【0091】
ユーザが「OK」キー327にタッチすると、操作ボード20は、そのとき窓319,419,324に表示している情報を、原稿の裏写り除去条件に設定して、システムコントローラ1が、スキャナ10による画像読み取りを開始する。読み取った画像(O)はMEMに書き込んで、読み取りを終了すると、読み込んだ原稿全頁の裏写り除去をして、裏写りを除去した補正画像(P)および除去した裏写り画像(Rr)をMEMに書込む。この画像読み取りと除去処理に進むとき、すなわちユーザが「OK」キー327にタッチしたときに、「画像を確認」入力窓330の「画像を確認」ボタンが、指定状態の表示になっていたとき、すなわち表示モードの指定のときには、第1頁の裏写り処理結果を液晶ディスプレイ79の画像表示領域328に表示する。このとき、液晶ディスプレイ79の表示を、図9に示す処理結果表示画面に切換える。ユーザが「OK」キー327にタッチしたときに、「画像を確認」入力窓330の「画像を確認」ボタンが非指定状態の表示(非表示モードの指定)であった場合には、システムコントローラ1は、液晶ディスプレイ79への画像表示(図9)には進まず、MEMに書込んだ補正画像のプリントアウトに進む。
【0092】
図9に示す、表示モードで液晶ディスプレイ79に表示する処理結果表示画面では、そのタイトルが「裏写り除去結果」と変わり、また、図8に示す「画像を確認」入力窓330は「元画像に戻す」入力窓331に切り換わる。図9に示す表示画像のFimが表画像(補正画像)、Rimが裏画像(裏写り除去した画像)である。
【0093】
画像表示領域328には、縦,横スクロールバーが表示されており、これらにタッチして滑らせることにより、領域328に表示する画像部分をスクロールすることができる。これにより、液晶ディスプレイ79の表示サイズよりも大きいサイズの画像を領域328に表示可能にしている。
【0094】
「元画像に戻す」入力窓331のデフォルトは、「元画像に戻す」ボタンが網掛けがない非指定状態すなわち「補正画像指定」であり、この状態でユーザがOKキー313にタッチすると、これは表示頁の補正画像のプリントアウト指示となる。ユーザが「元画像に戻す」入力窓331の「元画像に戻す」ボタンにたっちするとそれが網掛け表示の「元画像に戻す」を指定する状態になり、操作ボード20は、画像表示領域328には元画像を切換え表示する。この元画像を表示した状態でユーザがOKキー313にタッチすると、これは表示頁の元画像のプリントアウト指示となる。
【0095】
図10に、IPPの画像処理機能の概要を示す。スキャナ10がCDICを介して与える読取り画像デ−タは、SBUからCDICを介してIPPの入力I/F(インタ−フェイス)41からスキャナ画像処理42へ伝達される。読取りによる画像情報の劣化の補正を主目的にして、スキャナ画像処理42は、スキャナガンマ補正およびMTF補正等を行う。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理も行う。読取り画像データの補正処理終了後、出力I/F43を介してCDICへ画像データを転送する。転写紙への出力(画像形成)は、CDICからの画像データを入力I/F44より受け、画質処理46に於いて面積階調処理を行う。画質処理後のデータは出力I/F47を介して書込みI/F134へ出力される。面積階調処理は、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0096】
一旦スキャナ画像処理42を施した画像データをメモリMEMに蓄積しておけば、画質処理46で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をスキャナ10で読み込み直す必要はなく、MEMから格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0097】
図11および図12に、操作ボード20とシステムコントローラ1の協働による、複写モードでの画像処理制御の概要を示す。図1の複写機のデフォルト(標準)モードである複写モードでは、操作ボード20は、複写モードの入力画面(図7)を表示する(ステップ101)。
【0098】
なお、以下においては、カッコ内にはステップと言う語を省略してステップNo.数字のみを記入する。
【0099】
ここで複写枚数,濃度,倍率等々の複写条件の変更入力があるとそれを操作ボード20が読み込む(102)。また、「裏写り除去」窓311の「裏写り除去」ボタンにタッチがあると、操作ボード20は、裏写り除去設定画面(図8)を切換え表示する(103−106)。
【0100】
これらの切り換え指示入力がないときに、スタートキー80cがオンになると、システムコントローラ1は各部を「複写」に設定して、プロセスコントローラ131に複写制御を行わせる(102〜105)。この複写は一般的なものであり、ここでは裏写り除去は行わない。
【0101】
「裏写り除去」窓311の「裏写り除去」ボタンにタッチがあったときには、操作ボード20は、裏写り除去設定画面(図8)を切換え表示する(103−106)。そして、操作ボード20に対する入力を読み込む(107)。ここで、液晶ディスプレイ79の右辺部の表示条件入力画面にユーザの入力(タッチ)があるとそれに応答して表示条件入力画面を変更する。表示条件入力画面の「OK」キー327にタッチがあると、そのとき表示条件入力画面に表示している情報に、裏写り除去条件レジスタ(操作ボードの内部メモリの1領域)のデータを更新する。
【0102】
OKキー313にタッチがあると、あるいはコピースタートキー(80c)が操作されると、操作ボード20は、裏写り除去条件レジスタの情報を付加して、スキャナ画像読み取りのコマンドをシステムコントローラ1に与える。
【0103】
このとき「画像を確認」窓330の「画像を確認」ボタンが、「確認」指示があった表示状態であると、システムコントローラ1は、CDICとIMACに、スキャナ読み取り画像データのMEMへの書込みを設定し、プロセスコントローラ131を介してスキャナ10に画像読み取りコマンドを与える。
【0104】
これに応答してスキャナ10は、ADF30に原稿があるとその読み取りを開始し、原稿の画像を画像データに変換してシェーディング補正してCDICを経てIPPに出力する。スキャナ10はこの画像読み取りを、ADF30にある原稿の全てに順次に行い、全原稿の読み取りを終えるとこれをプロセスコントローラ131を介してシステムコントローラ1に報知する(109−110)。このとき、ADF30による原稿給紙であると、原稿スキャナ10の図示しないコントローラが、原稿搬送のタイミングに基づいて、原稿の先端が反射プレート255に進入して後、尾端が反射プレート255を抜ける直前で、変位検出回路254にEnable(H)を与え、これに応答して変位検出回路254が、ピークホールド回路に紙厚信号Sptの下ピーク値を保持する。そして該原稿の画像信号の読込を終えたときに変位検出回路254が保持する下ピーク値をデジタル変換して、デジタルデータすなわち紙厚データSptを画像データに付加して、CDICに送出する(110ad1〜110ad3)。
【0105】
更に、「両面」(図7)が指定されていたときには、各原稿の表面の画像と裏面の画像を読み取る。すなわち両面読み取りを行う。この場合、表面の画像は奇数頁に、裏面の画像は偶数頁に頁付けが行われる。
【0106】
ADF30にもともと原稿がなかった場合には、スキャナ10は、キャリッジを走査駆動してコンタクトガラス上の原稿画像の読み取りを開始し、これを終えると終了を報知する。
【0107】
CDICはスキャナ10が発生する画像データおよび紙厚データSptをIPPに送出し、IPPが処理した画像データをパラレルバスPbに送出するデータ転送を設定し、IMACがパラレルバスPbに送り出された画像データをMEMに書込むデータ転送する。IPPは、スキャナ10が発生する画像データを、スキャナ画像処理42で処理してCDICに出力し、CDICはデータ転送効率を高くするための1次圧縮をして紙厚データSptを付加してパラレルバスPbに送出し、IMACがパラレルバスPbに送出された1次圧縮データをメモリ格納効率を高くするための2次圧縮をしてMEMに書込む。
【0108】
スキャナ10が画像読み取りを終えて、読み取り画像データがMEMに書き込まれると、システムコントローラ1は、IMAC,CDICおよびIPPに、MEMに書込んだ画像データに裏写り除去処理を施してその結果の画像データ(O,Q,R)をMEMに書込むデータ処理、を設定する。これに対応してIMACは、書込んだ画像データ(複数頁ある場合には第1頁)をMEMから読出してIPPに与え、IPPの「裏写り除去」45Aで処理して、裏写りを除去した除去後(補正画像P)データおよび除去した画像を表す裏写り画像(Rr)データを発生し、これら2種の画像データ(2組の画像P,Rr)をCDICに出力し、CDICがこれらを1次圧縮し、IMACが2次圧縮してMEMに書込む。複数頁の原稿画像をMEMに書き込んでいるときには、各頁の原稿に対して、上述の2組の画像データ(P,Rr)の生成とMEMへの書込みを行う。これにより、MEMには、1頁の原稿につき、スキャナが読み取った元画像(O),裏写りを除去した補正画像(P)および裏写り画像(Rr)の画像データが記録される。
【0109】
図13に、IPPの「裏写り除去処理」45Aの処理機能「裏写り除去」45Apの概要を示す。「裏写り除去」45Apでは、「両面」の指定があると、今回の「裏写り除去」対象の画像が奇数頁(表画像)であると、「片面画像処理の裏写り除去」P45Apに進む(1−2−P45Ap)。この内容は、後述する。
【0110】
「両面」の指定がありしかも今回の「裏写り除去」対象の画像が偶数頁(裏画像)であると、その背面の表画像の「裏写り除去」が済んで、MEMに元画像O,裏写りを除去した補正画像Pおよび裏写り画像Rrがあり、しかも、「裏写り除去」の処理の時に発生した元画像Oの縮小画像OrがMEMのワークエリアにあり、該裏写り画像Rrは同じく縮小画像であるので、これら表画像の元画像Orのピーク値Bおよび裏写り画像Rrのピーク値Aと、今回の裏画像(元画像O)の縮小画像Orのピーク値Cを用いて、ピーク値Cが閾値d(0より大きい設定値)以上であると、まず原稿の透過率A/Cを算出し、それにCを乗算した値A・B/Cを算出する(3a,3b)。原稿の透過率が高く背面(表面)の画像濃度が高いほど、A・B/Cは大きい値を示し、背面(表面)の画像が今回処理対象の裏面の画像に、「裏画像」として現れている可能性が高い。そこで、A・B/Cが、設定値である閾値D以上であると、A・B/Cの信頼性が高いと判定して、表画像の元画像Orを左右反転して、それと透過率A/Cから、裏画像上の裏写り画像Rrを算出(推定演算)し(3a,3b,4)、これを裏画像の元画像Orから差し引いて裏写り除去画像すなわち補正画像Prを生成する(5)。そして原サイズに拡大した補正画像PをMEMに書込む(6)。
【0111】
ピーク値Cが閾値d未満であると、透過率A/Cの信頼性が低いので、ステップ7〜10を経て「片面画像処理の裏写り除去」P45Apに進む(3a−P45Ap)。A・B/Cが閾値D未満であったときには、裏写りの可能性が低いかもしれないが、A・B/Cの信頼性も低いと見なして、ステップ7〜10を経て「片面画像処理の裏写り除去」P45Apに進む(3b−P45Ap)。
【0112】
ステップ7〜10では、「閾値選択」入力窓419の設定に応じて、裏写り画像切り出しのための閾値Thsを設定する。
【0113】
すなわち、「閾値選択」入力窓419の設定が「自動」であって、しかも紙厚データSptが存在すると、紙厚データSptを閾値に変換して、閾値Ths(後述のステップ14で使用する)に定める(7〜9−10)。操作ボード20の不揮発メモリNVRAMには、図5の(a),(b)および(c)に示す各変換特性関数を規定する変換係数(「強」用:2Tpmax/5,「中」用:Tpmax/5,「弱」用:Tpmax/10)があり、IPPは、システムコントローラ1を介して、「裏写り閾値」入力窓の下の強,中,弱ボタン329の中の、指定(網掛け表示)されたもの(例えば中)に宛てられている変換係数(Tpmax/5)を読み出して、それに紙厚データSptを乗算した積を、閾値Thsに設定する(9,10)。
【0114】
「閾値選択」入力窓419の設定が「自動」であっても紙厚データSptが存在しない場合(コンタクトガラス231上の原稿読み取り)、ならびに、「閾値選択」入力窓419の設定が「手動」である場合には、「裏写り閾値」入力窓324に表示している値を、閾値Thsに設定する(7−P45Ap)。
【0115】
図14に、「片面画像処理の裏写り除去」P45Apの概要を示す。この実施例の「片面画像処理の裏写り除去」P45Apは、前述の特開2001−169080号公報に開示したものである。まず、MEMに書き込んだ元画像Oの、画像データの間引きにより解像度を縮小する(11)。これによって現れる画像を縮小元画像Orと表現する。この縮小元画像Orのカラー座標系を、各軸成分データの独立性が高いものに変換する(12)。
【0116】
次に画像上エッジ強度を計算する(13)。閾値Thsを用いるエッジ強度の二値化処理により、エッジ強度が弱いエッジを検出し(14)、エッジ強度が弱いエッジ周りの背景色画像を推定し(15)、エッジ強度が弱いエッジを膨張処理により少し幅を広げて、背景色画像に置き換える(16a)。背景色画像に置き換えることにより新たに生じたエッジ強度が弱いエッジを検出しそこも同様に背景色画像に置き換える(16b−15−16a)。これによって得られる画像が、裏写りを除去した擬似補正画像nPrである。
【0117】
次に、カラー座標変換した元画像Orと擬似補正画像nPrのエッジ強度の差分を算出してエッジ差分画像を生成する(17,18)。これは、不適切な処理により画像が劣化している個所を検出する。それがあると、その周りの背景色画像を推定し(20)、該当箇所を背景色画像に置き換える(21)。そしてまた元画像Orと擬似補正画像nPrのエッジ強度の差分を算出してエッジ差分画像を生成する(17,18)。エッジ差分画像があるとまたステップ20,21,17,18,19を繰り返す。そして、エッジ差分画像が生じなくなると、そのときの擬似補正画像nPrのカラー座標系を逆変換して、元のRGB系の画像に変換する(22)。これによって裏写り画像除去後の画像すなわち補正画像Prが得られる。
【0118】
次に、裏写り除去した補正画像Prと縮小元画像Orの差分計算により裏写り画像Rrを生成し(23)、それを原元画像Oのサイズに拡大して、該元画像Oの、裏写り画像部位を補正画像Prの対応位置の背景色画像に置換した補正画像Pを生成して、裏写り画像RrとともにMEMに書き込む(24)。
【0119】
再度図11を参照する。「画像を確認」窓330の「画像を確認」ボタンが、確認指示がない表示状態であったときには、上述の「裏写り除去」45Apによって、上述の2組の画像データ(P,Rr)の生成とMEMへの書込みを終えると、MEMには、1頁の画像毎に、元画像Oおよび2組の画像(P,Rr)、あわせて3組の画像のデータが存在する。ここでシステムコントローラ1は、MEMから補正画像データPを読出してIPPにおいて画質処理46をしてプリンタ100にあたえてプリントアウトするプリント処理モードを設定し、これをIMAC,CDIC,プロセスコントローラ131(プリンタ100)に実行させる(112)。
【0120】
図12を参照する。裏写り除去設定画面(図8)を表示しているときにOKキー313にタッチがあり、あるいはコピースタートキー(80c)が操作されたときに、「画像を確認」窓330の「画像を確認」ボタンが、確認指示があった表示状態であったときには、システムコントローラ1は、前述の「画像読み取り」および「裏写り除去」を実行するが、「裏写り除去」を終えて、上述の2組の画像データ(P,Rr)の生成とMEMへの書込みを終えると、システムコントローラ1は、図9に示す裏写り除去結果の画面を操作ボード20に表示して、まず第1頁の原稿に関して、操作ボード20が裏写り除去条件レジスタに保持していた前述の裏写り除去条件にしたがって、「裏写り除去表示」(114)を実行する。
【0121】
裏写り除去条件の中の表示画像選択が「除去後画像」の表示であると、システムコントローラ1は、IMACおよびCDICを介して、裏写り除去後の画像すなわち補正画像PをMEMから読出し、IPPによって、液晶ディスプレイ79に画像表示するサイズに縮小をして、CDICおよびIMACを介して、操作ボード20に転送して表示させる。
【0122】
裏写り除去条件の中の表示画像選択が「元画像」の表示であると、システムコントローラ1は、IMACおよびCDICを介して、元画像OをMEMから読出し、IPPによって、液晶ディスプレイ79に画像表示するサイズに縮小をして、CDICおよびIMACを介して、操作ボード20に転送して表示させる。
【0123】
裏写り除去条件の中の表示画像選択が「裏写り画像」の表示であると、システムコントローラ1は、IMACおよびCDICを介して、裏写り画像RrをMEMから読出し、IPPによって、液晶ディスプレイ79に画像表示するサイズに縮小をして、CDICおよびIMACを介して、操作ボード20に転送して表示させる。
【0124】
上記「裏写り除去表示」(114)によって、元画像O,補正画像P又は裏写り画像Rrが表示されると、ユーザは、補正画像の適否(裏写り除去の適否)を判断できる。
【0125】
ここでユーザが、裏写り除去条件を変更して「OK」キー327にタッチすると、操作ボード20が「入力読み取り」(115)でこれを読み込んで、そのとき液晶ディスプレイ79に表示中の裏写り除去条件をレジスタに更新書き込みして、裏写り除去処理の再実行コマンドと裏写り除去条件をシステムコントローラ1に送信する。システムコントローラ1は、IPPによる裏写り除去処理を元画像データに再度適用して、新たに補正画像P,裏写り画像RrをえてMEMに更新書き込みしてから、再度、液晶ディスプレイ79に表示中の裏写り除去条件で「裏写り除去表示」(114)を実行する(115−116−45Ap−114)。
【0126】
上記「裏写り除去表示」(114)で、補正画像Pを液晶ディスプレイ79に表示しているときに、ユーザが「OK」キー313にタッチすると、又はコピースタートキー80cを操作すると、操作ボード20がこれを読み取ってシステムコントローラ1に報知すると、システムコントローラ1は、IMACおよびCDICを介して、MEMより補正画像Pを読出し、IPPの「画質処理」46によってプリンタ100でプリントするに適した記録用の画像データに変換して、プリンタ100によってプリントアウトさせる(117−118)。このプリントアウトは、コピー入力モードのときに設定されたコピー枚数分行う。
【0127】
上記「裏写り除去表示」(114)で補正画像Pを液晶ディスプレイ79に表示しているときに、次頁キー315にタッチがあり、次頁の元画像データがMEMにあったときには、システムコントローラ1は、操作ボード20の液晶ディスプレイ79の頁表示317を次頁のものに切換え、かつ、IPPによる裏写り除去処理を該次頁の元画像データに適用して補正画像Pおよび裏写り画像RrをえてMEMに更新書き込みしてから、液晶ディスプレイ79に表示中の裏写り除去条件で「裏写り除去表示」(114)を実行する(119−45Ap−114)。
【0128】
上記「裏写り除去表示」(114)で補正画像Pを液晶ディスプレイ79に表示しているときに、「元画像に戻す」窓331の「元画像に戻す」ボタンにタッチがあると、操作ボード20がこれを読み込んでシステムコントローラ1に報知し、システムコントローラ1がこれに応答して、元画像Oを画像表示領域328に表示する、表示の切換えをIMACおよび操作ボード20に指示して、元画像Oを切換え表示する(121,122)。このようにして元画像を表示しているときに、ユーザが「OK」キー313にタッチすると、又はコピースタートキー80cを操作すると、操作ボード20がこれを読み取ってシステムコントローラ1に報知する。これに応答してシステムコントローラ1は、IMACおよびCDICを介して、MEMより元画像データを読出し、IPPの「画質処理」46によってプリンタ100でプリントするに適した記録用の画像データに変換して、プリンタ100によってプリントアウトさせる(123,124)。そして「入力読み取り」(115)に戻る。
【0129】
「入力読み取り」(115)で、「裏写り除去解除」キー314へのタッチを操作ボード20が認知すると、操作ボード20はこれをシステムコントローラ1に報知して、複写モードの入力画面(図7)に操作ボードの表示を戻す(120−101)。
【0130】
なお、複写モード以外のモード(スキャナモード,プリントモード,ファクシミリモード,蓄積モード,編集モードおよび登録モード)の入力画面(図示せず)にも、裏写り除去窓311があり、上述と同様に、裏写り除去を行うことができる。
【0131】
【発明の効果】
一度補正画像情報(P)を出力して指標値(Ths)の適否を確認をするといった、ユーザの閾値設定作業と比較して、時間的な浪費、あるいはサプライの浪費を抑え、裏写り除去を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の複合機能がある複写機の外観を示す正面図である。
【図2】図1に示すプリンタ100の作像機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図3】図1に示す原稿スキャナ10の読取り機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図4】(a)は、図3に示す反射プレート255および変位検出ヘッド253の拡大斜視図であり、(b)は、(a)に示す変位検出ヘッド253の水平断面をB方向に見た拡大断面図である。
【図5】紙厚信号Sptを閾値に変換する特性を示すグラフであり、(a)は裏写り除去の程度を「中」に指定する場合のものを、(b)および(c)はそれぞれ「強」および「弱」に指定する場合のものを示す。
【図6】図1に示す複写機の画像処理システムの概要を示すブロック図である。
【図7】図1および図6に示す操作ボード20の一部分の拡大平面図である。
【図8】図7に示す液晶ディスプレイ79の拡大平面図であり、裏写り除去設定の入力画面を表示している状態を示す。
【図9】図7に示す液晶ディスプレイ79の拡大平面図であり、裏写り除去結果の出力画面を表示している状態を示す。
【図10】図6に示すIPPの一部の処理機能の概要を示すブロック図である。
【図11】図6に示す操作ボード20とシステムコントローラ1の協働による、複写モードでの画像処理制御の概要の一部を示すフローチャートである。
【図12】図6に示す操作ボード20とシステムコントローラ1の協働による、複写モードでの画像処理制御の概要の残部を示すフローチャートである。
【図13】図10に示す「裏写り除去」45Aの処理機能の概要を示すフローチャートである。
【図14】図13に示す「片面画像処理の裏写り除去」P45Apの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10:カラー原稿スキャナ 20:操作ボード
30:自動原稿供給装置  34:フィニッシャ
34hs:積載降下トレイ 34ud:昇降台
34st:ソートトレイ群 79:液晶タッチパネル
100:カラープリンタ  PC:パソコン
PBX:交換器      PN:通信回線
102:光書込みユニット 103,104:給紙カセット
105:レジストローラ対 106:転写ベルトユニット
107:定着ユニット   108:排紙トレイ
110M,110C,110Y,110K:感光体ユニット
111M,111C,111Y,111K:感光体ドラム
120M,120C,120Y,120K:現像器
160:転写搬送ベルト  ACP:画像データ処理装置
CDIC:画像データインターフェース制御
IMAC:画像メモリアクセス制御
IPP:画像データ処理器
231:原稿台ガラス  232:照明ランプ
233:第1ミラー   234:第2ミラー
235:第3ミラー   236:レンズ
207:CCD     238:走行体モータ
239:基準白板    240:ガラス
241:原稿トレイ  242:ピックアップローラ
243:レジストローラ対 244:搬送ドラム
245:押さえローラ 246,247A,B:排紙ローラ
248:排紙トレイ兼用の圧板
249:基点センサ   250:軸
251:スケール    252:反転送り切換え爪
253:変位検出ヘッド 255:反射プレート
256:支軸      257:案内スリーブ
258:圧縮コイルスプリング
260:モータ制御ユニット

Claims (6)

  1. 原稿の画像を読み取り画像情報を発生する原稿読取手段;および、前記画像情報を、それが表す画像上の設定条件を満たす低濃度画像の画像データを該低濃度画像を消去した画像を表わす画像データに補正した補正画像情報、に変換する低濃度画像除去手段;を備える画像読み取り装置において、
    前記原稿の厚みを検出する手段;
    前記原稿の検出厚を、前記設定条件を満たすか否の判定のための指標値に変換する指標値設定手段;および、該指標値を用いて前記低濃度画像の画像データを摘出する手段;を備えることを特徴とする、画像読み取り装置。
  2. 更に、ユーザが指標値を設定するための入力手段;および、該入力手段によって設定された指標値と前記指標値設定手段が変換した指標値、の一方を選択する手段;を備え、前記摘出する手段は、該選択手段が選択した指標値を用いて前記低濃度画像の画像データを摘出する;請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 更に、前記指標値設定手段が前記検出厚を指標値に変換する変換特性をユーザが指定するための入力手段;を備える請求項1又は2に記載の画像読み取り装置。
  4. 更に、前記低濃度画像除去手段による補正画像情報への変換をユーザが指示するための入力手段;を備え、前記低濃度画像除去手段は該指示がある場合のみ、前期変換処理をおこなう;請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  5. 前記原稿読取手段は、原稿の表面の画像を読み取りそして裏面の画像を読取って各面の画像情報を発生することができる両面読取手段であり;前記低濃度画像除去手段は、原稿の表面画像情報,該画像情報に対する該表面の補正画像情報との差分である表面の低濃度画像、および、裏面の画像情報、に基づいて裏面の低濃度画像を生成し、裏面の画像情報に対する該裏面の低濃度画像の差分を裏面の補正画像情報として生成する機能を持つ;請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像読み取り装置;その画像情報を画像形成用の画像データに変換する画像データ処理手段;および、該画像形成用の画像データに基づいて用紙上に可視画像を形成する作像手段;を備える画像形成装置。
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