JP3786358B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリなどの画像形成装置に関するもので、特に、大量の用紙を受けることができる積載降下トレイを持つ画像形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】
近年の画像形成装置においては、複写機,原稿スキャナ,プリンタ,ファクシミリの各機能を装備したものも多くなってきており、一台の画像形成装置にて、大量の印刷が行われることが想定される。そのため大容量の排紙トレイを有し、排紙トレイ上の用紙の蓄積量に応じてトレイを下降させることのできる機械が増えてきている。
【0003】
ところがこのような機構をもった排紙トレイの場合、蓄積量が多ければ多いほど、実際の用紙排出口との高低差が大きくなる。したがってジョブ(複写又はプリントアウト)の実行中に排紙トレイ上の用紙が取り除かれたとき、排紙トレイの上昇が完了するまでの間は、適正な位置への排紙ができなくなってしまう虞れがある。これを回避するため、ユーザが排紙トレイから用紙を取り除く際、その直前に特定の排紙中止指示によってこのトレイへの排紙を一旦停止させた後、用紙を取り除いてから排紙中止を解除するという技術が考案されている。
【0004】
特開2001−253625号公報には、大容量排紙トレイへの排紙を停止させる指示手段としてポーズキー23を備えて、ポーズキー23の第1回の押下により停止が指示された場合は、大容量排紙トレイへの排紙を行うジョブの実行を中断し、ポーズキー23の第2回の押下により停止状態の解除が指示されるまでは、大容量排紙トレイへ排紙するジョブの受付を禁止する。大容量排紙トレイ以外のトレイへ排出するジョブは、大容量排紙トレイの停止状態に関わらず、そのまま継続して実行する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、排紙停止を解除する指示の入力タイミングがユーザに任されていたため、停止指示の直後に、誤って解除指示を入力して停止指示を無効にしてしまうことや、意図しない動作となってしまう可能性があった。例えば、ユーザは排紙トレイに蓄積された用紙を取り出したい任意のタイミングで排紙中断スイッチを押下するが、急いで取り出したい場合など、排紙をすぐに止めたくて複数回連続して押してしまうことがある。その場合、図9に示すように排紙中断スイッチ34swが何回もおされて停止指示/解除指示が交互に作用するため、ジョブの停止処理,再開処理をその度に繰り返さなければならない。これではユーザが意図しない排紙停止/継続動作になってしまうばかりか、最終的に停止指示が解除されて排紙が止まらなかったりと、使い勝手の悪いユーザインターフェースとなってしまう。
【0006】
本発明は、ユーザが意図する排紙停止動作を保証し、積載降下トレイの使い勝手を良くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)用紙上に画像を形成し排出する作像機構(135);ならびに、排紙トレイ(34hs),該トレイへ用紙を送り出す搬送手段 (34),該トレイを駆動する駆動機構(34),前記排紙トレイへの用紙の送り出しの停止指示および停止の解除指示を発生する指示手段(34sw)、および、前記駆動機構を制御し、前記指示手段から発生した指示に応答して用紙の送り出しを制御する制御手段(34,131);を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記停止指示が発生してから設定時限(Tp)のタイマをスタートし、該設定時限のタイムオーバまでの間に発生した前記解除指示には非応答であり、前記タイムオーバ後に発生した前記解除指示にのみ応答して用紙の送り出しを制御する;ことを特徴とする画像形成装置。
【0008】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の記号を、例示のため参考までに付記した。以下も同様である。
【0009】
この画像形成装置によれば、ユーザが排紙を停止したい場合に誤って複数回の指示を出してしまった場合でも、停止指示があってからの一定時間内は誤操作による停止解除の入力が防止されるので、すぐに排紙停止を解除してしまったり、意図しない動作になってしまうことを防ぎ、使い勝手がよくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(2)前記タイマの時限値(Tp)を設定する手段(20);を備える上記(1)の画像形成装置。
【0011】
単純に複数回指示されのを防止するためであれば、設定時限(Tp)は短時間で良い。また用紙取り出しのためにかかる時間も踏まえるならば、やや長めに時間をとったほうが良い。本実施態様では、このような目的に応じてユーザが任意に時間設定することで、より適切な排紙停止および解除を実現することができる。
【0012】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明により明らかになろう。
【0013】
【実施例】
図1に、本発明の1実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)30と、操作ボード20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ100と、給紙バンク35の各ユニットで構成されている。ステープラ及び作像された用紙を積載可能なトレイ付きのフィニッシャ34と、両面ドライブユニット33と、大容量給紙トレイ36は、プリンタ100に装着されている。
【0014】
機内の画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニットFCU(図3)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、トレイ108上またはフィニッシャ34に排出される。
【0015】
図2に、カラープリンタ100の機構を示す。この実施例のカラープリンタ100は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ100は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
【0016】
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kを有する感光体ユニット110M,110C,110Yおよび110Kと、現像ユニット120M,120C,120Yおよび120Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの回転軸が水平x軸(主走査方向)に平行になるように、且つ、転写紙移動方向y(副走査方向)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。
【0017】
また、レーザプリンタ100は、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット102、給紙カセット103,104、レジストローラ対105、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト160を有する転写ベルトユニット106、ベルト定着方式の定着ユニット107、トレイ108,両面ドライブ(面反転)ユニット33等を備えている。また、レーザプリンタ100は、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、なども備えている。
【0018】
光書込ユニット102は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット103,104から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対105に送られる。このレジストローラ対105により所定のタイミングで転写搬送ベルト160に送出された転写紙は転写搬送ベルト160で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
【0019】
各トナー像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト160で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット107に送られる。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。定着ユニット107を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、トレイ108,フィニッシャ36又は両面ドライブユニット33に排出又は送給される。
【0020】
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット110Y及び現像ユニット120Yを備えている。感光体ユニット110Yは、感光体ドラム111Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
【0021】
感光体ユニット110Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム111Yの表面に、光書込ユニット102で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム111Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11IY上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト160上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11IY上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム111Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0022】
現像ユニット120Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース120Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム111Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
【0023】
転写ベルトユニット106の転写搬送ベルト160は、各トナ−像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。張架ローラの1つが109である。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト160上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト160の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト160上に付着したトナ−等の異物が除去される。
【0024】
また、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト160の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト160に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト160と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0025】
転写搬送ベルト160で搬送され、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成された各色トナー像が転写された用紙は、定着装置107に送り込まれてそこで、トナー像が加熱,加圧によって用紙に熱定着される。熱定着後、用紙は左側板の上部のフィニッシャ34への排紙口34otからフィニッシャ34に送り込まれる。又は、プリンタ本体の上面のトレイ108に排出される。
【0026】
再度図1を参照する。フィニッシャ34は、スタッカトレイであり排紙トレイである積載降下トレイ34hsおよびソートトレイ群34stを持ち、積載降下トレイ34hsに用紙(プリント済紙,転写済紙)を排出するスタッカ排紙モードと、ソートトレイ群34stに排紙するソータ排紙モードを持つ。
【0027】
プリンタ100からフィニッシャ34に送り込まれた用紙は、左上方向に搬送されそして上下逆U字型の搬送路を経て、下向きに搬送方向を切換えてから、設定されているモードに応じて、スタッカ排紙モードのときには排出口34otから積載降下トレイ34hsに排出される。ソータ排紙モードのときには、ソータトレイ群34stの、そのとき排出中の用紙が割り当てられたソータトレイに排出される。
【0028】
フィニッシャ34には、このような用紙搬送,排出機構に加えて、積載降下トレイ34hsを昇降駆動する昇降機構,積載降下トレイ34hsを水平駆動する横駆動機構,ソータトレイ群34stを開閉のため昇降駆動する機構、ならびに、積載降下トレイ34hs上の用紙最上面が用紙排出口34otに対して所定の高低差となるように昇降機構を制御し、排紙中断スイッチ34swのオンによる停止指示に応答して、後述のプリンタ内プロセスコントローラ131と協働して用紙の送り出し(作像プロセス)を停止し、排紙中断スイッチ34swのオンによる解除指示に応答して用紙の送り出し(作像プロセス)を再開する排紙コントローラがある。
【0029】
排紙中断スイッチ34swは、ユーザが押すとオフからオンに切換り、押しがなくなるともとに戻るモーメンタリ型のボタンスイッチである。
【0030】
積載降下トレイ34hsは昇降台34udに、水平方向(図1紙面と垂直な方向:以下では横方向という)に数段階シフトする横駆動機構を介して支持されている。スタッカ排紙モードでは、積載降下トレイ34hsに転写紙が順次排紙されるのにともなって、積載降下トレイ34hsに排出した転写紙の最上部のものの高さが、排出口34ot(位置固定)に対して設定範囲内となるように、排紙コントローラの制御により、昇降台34udが下駆動される。該排出口34otの上部には、積載降下トレイ34hsの上面(転写紙を受ける面)を検出するトレイ上残紙センサ34psがあり、この残紙センサが、転写紙検出からトレイ上面の検出に切り換わると、すなわち、積載降下トレイ34hsから転写紙が持ち去られると、排紙コントローラが、積載降下トレイ34hs(を支持する昇降台34ud)を上駆動して最上部の初期位置に戻す。
【0031】
スタッカ排紙モードを設定した、1回(一人)の設定枚数の複写又はプリントの開始時点に、上記トレイ上残紙センサ34psが転写紙(残紙)を検出していると、排紙コントローラは、これからプリントアウトする転写紙とトレイ上残紙との区分が分かるように、積載降下トレイ34hsを横方向に一段階シフト駆動する。
【0032】
スタッカ排紙モードで、大量のプリントを行っていると、積載降下トレイ34hs上の転写紙量が膨大になると、積載降下トレイ34hsが転写紙排出口34otからかなり低く下がっているので、繰り返しプリントアウトが継続しているときに使用者が積載降下トレイ34hs上の転写紙を取り去ると、センサ34psの検出が、残紙検出状態からトレイ上面検出状態に切換りこれに応答して排紙コントローラが積載降下トレイ34hsを初期位置に戻すまでに、次々に排出される転写紙が大きく撓んで又は浮遊して、トレイ34hsの所定積載位置からずれて、積み形状が乱れるとか、トレイから脱落してしまうこともあり得る。
【0033】
これを回避するための、排紙中断スイッチ34swが、積載降下トレイ34hsの近くにある。スタッカ排紙モードでプリントアウトしているときに使用者が排紙中断スイッチ34swを押すと、排紙コントローラが排紙中断スイッチ34swのオンをプリンタ100内のプロセスコントローラ131(図3)に報知し、これに応答してプロセスコントローラ131が、実行中の作像プロセスを画像(1枚)単位を区切りにした正常停止となるタイミングで停止する。すなわち、ジョブの実行を中断する。積載降下トレイ34hs上の転写紙を取り出すと、センサ34psの検出が、残紙検出状態からトレイ上面検出状態に切換り、これに応答して排紙コントローラが、積載降下トレイ34hsを上駆動して初期位置に戻す。トレイ34hsが初期位置に戻ったのを見届けてから使用者が排紙中断スイッチ34swを押すと、該スイッチのオンを、排紙コントローラがプリンタ100内のプロセスコントローラ131に報知し、プロセスコントローラ131が、中断したジョブの残りの作像プロセスを再開する。
【0034】
ソータ排紙モードが指定されるとフィニッシャ内排紙コントローラは、最下部の重ね待避位置に置いたソートトレイ群34stを、図1上で2点鎖線で示す使用位置に上駆動し、ソータトレイ間の間隔を広げる。ソータ排紙モードでは、1回(一人)の設定枚数の複写又はプリントは、部ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、同一原稿(画像)をプリントした各転写紙をソートトレイ群34stの各トレイに仕分け収納する。頁ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、各トレイを各頁(画像)に割り当てて、同一頁をプリントした各転写紙を1つのソートトレイに積載する。
【0035】
図3に、図1に示す複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるカラー原稿スキャナ12が、画像データ処理装置ACPの画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)に接続されている。画像データ処理装置ACPにはまた、カラープリンタ100が接続されている。カラープリンタ100は、画像データ処理装置ACPの画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)から、書込みI/F134に記録画像データを受けて、作像ユニット135でプリントアウトする。作像ユニット135は、図2に示すものである。
【0036】
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)は、パラレルバスPb,画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述),画像メモリであるメモリモジュールMEM(以下では単にMEMと記述),システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC,IPP等、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
【0037】
カラー原稿スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光をCCDで光電変換してR,G,B画像データを生成し、出力I/F12でRGB画像データに変換しかつシェーディング補正してCDICに送出する。
【0038】
CDICは、画像データに関し、出力I/F12,パラレルバスPb,IPP間のデータ転送,プロセスコントローラ131とACPの全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM132はプロセスコントローラ131のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ133はプロセスコントローラ131の動作プログラム等を記憶している。
【0039】
IPPは画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段である。スキャナ10の出力I/F12からCDICに入力された画像データは、CDICを経由してIPPに転送され、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、再度、CDICへ出力(送信)される。
【0040】
画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)は、MEMに対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ1は、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
【0041】
操作ボード20は、ACPがおこなうべき処理を入力する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
【0042】
スキャナ10の読取ユニット11より読み取った画像データは、シェーディング補正などの、IPPで読取り歪を補正する画像処理を施してから、MEMに蓄積する。MEMの画像データをプリントアウトするときには、IPPにおいてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPPから書込みI/F134に転送される。書込みI/F134は、階調処理された信号に対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット135へ送られ、作像ユニット135が転写紙上に再生画像を形成する。
【0043】
IMACは、システムコントローラ1の制御に基づいて、画像データとMEMのアクセス制御,LAN上に接続した図示しないパソコンPC(以下では単にPCと表記)のプリント用データの展開,MEMの有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
【0044】
IMACへ送られた画像データは、データ圧縮後、MEMに蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPbを経由してCDICへ戻される。CDICからIPPへの転送後は画質処理をして書込みI/F134に出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
【0045】
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDICでのバス制御により、デジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、読取られた画像データをIPPにて画像処理を実施し、CDICおよびパラレルバスPbを経由してFCUへ転送することによりおこなわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PNへファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDICを経由してIPPへ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F134から出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
【0046】
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット135およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ131において制御する。プロセスコントローラ131は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
【0047】
システムコントローラ1とプロセスコントローラ131は、パラレルバスPb,CDICおよびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ131間の通信を行う。
【0048】
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F 7、シリアルバスI/F 9、ローカルバスI/F 3およびネットワークI/F 8は、IMACに接続されている。コントローラーユニット1は、ACP全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
【0049】
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMACに対して、画像データをMEMに蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC,パラレルバスI/F 7、パラレルバスPbを経由して送られる。
【0050】
この動作制御指令に応答して、画像データはCDICからパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F 7を介してIMACに送られる。そして、画像データはIMACの制御によりMEMに格納されることになる。
【0051】
一方、ACPのシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワーク経由の場合、IMACはネットワークI/F 8を介してプリント出力要求データを受け取る。
【0052】
汎用的なシリアルバス接続の場合、IMACはシリアルバスI/F 9経由でプリント出力要求データを受け取る。汎用のシリアルバスI/F 9は複数種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Universal Serial Bus)、1284または1394等の規格のインターフェースに対応する。
【0053】
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F 3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。
【0054】
シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACPの操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。
【0055】
システムコントローラ1とMEMおよび各種バスとのデータ送受信は、IMACを経由しておこなわれる。MEMを使用するジョブはACP全体の中で一元管理される。
【0056】
図4に、操作ボード20の一部分の上面を拡大して示し、図5には、操作ボード20の回路ブロックを示す。操作ボード20には、液晶ディスプレイ(LCD)260,操作キー群254,262,263,表示LED(発光ダイオード)261等がある。
【0057】
電源キー254は、省エネモード(休止モード又は低電力モード)からスタンバイモードに、またその逆への切換えを指示するための操作キーである。省エネモードが設定されている時に電源キー254が一回押されると、省エネモードからスタンバイモードに切換る。スタンバイモードであるときに電源キー254が一回押されると、スタンバイモードから休止モードに切換る。
【0058】
図5に示す操作ボード20の電気制御系の主体は、システムコントローラ1のMPU61とコミュニケーションし、操作ボード20の入力を読取り、ボード上の表示を制御するCPU253,このCPU253の制御プログラムが格納されているROM265,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM266,LCD260の描画データを格納するVRAM268,このVRAM268に接続されLCD260の描画タイミング制御等を行う液晶表示コントローラ(LCDC)267,時刻データを発生する時計IC 273等がある。LCDC267には、CFLの光源をバックライト270として有するLCD260が接続される。CPU253には更に、CFLバックライト270を駆動するインバータ269,操作キー群254,262,263のキーマトリクス271,表示LED261のLEDマトリクス272およびそれらのLEDを駆動するLED駆動装置273等が接続されている。また、CPU253が接続されたデータバスには、画像処理モード記憶用の不揮発性RAM(NVRAM)264が接続されている。
【0059】
図6に、プロセスコントローラ131の、複写或いはプリントすなわち作像ジョブの開始から終了までの、ジョブ中断処理の概要を示す。システムコントローラ1から複写又はプリントアウトのジョブコマンドを受けたプロセスコントローラ131は、フィニッシャ34に排紙する必要があればフィニッシャ34の排紙コントローラと通信を行い、指定トレイへの用紙の排出を指示する。プロセスコントローラ131は、複写或いはプリントアウトすなわち作像ジョブを開始すると(ステップ1)、ジョブ実行状態となり、ジョブ終了(ステップ4)までに、スタック排紙モードでフィニッシャ内排紙コントローラが排紙中断スイッチ34swのオンを知らせてくると、作像プロセス停止の処理を開始する(ステップ2,3,5)。
【0060】
なお、以下においてカッコ内には、ステップという語を省略してステップNo.数字のみを記す。
【0061】
作像プロセス停止の処理を開始するとプロセスコントローラ131は、Tp時限値のタイマTpをスタートして(6)、作像プロセス停止の処理を行いながら、タイマTpがタイムオーバ(計時完了)するのを待つ(7)。タイムオーバ前であれば、フィニッシャ内排紙コントローラが排紙中断スイッチ34swのオンを知らせてきても、これには応答しない。タイムオーバすると、フィニッシャ内排紙コントローラが排紙中断スイッチ34swのオンを報知してくると、これに応答してプロセスコントローラ131は、中断にしたジョブの残りの作像プロセスを開始する(8,9−1)。その後、何も支障が無ければジョブ終了となる。
【0062】
上述の、タイマTpに設定する時限値Tpは、操作部20から入力できるものであり、入力値が図5に示すNVRAM264に格納されているものである。CPU253が「入力読取」で、操作キー群262の中の設定キーのオペレータ操作を読取ると設定メニュー画面を液晶ディスプレイ260に表示する。
【0063】
オペレータが設定メニュー画面上の切換え待ち時間の欄を指定すると、CPU253は、液晶ディスプレイ260の表示面の一部に、図7に示す切換え待ち時間設定画面260tiを表示する。オペレータはここで、画面260ti上のアップ/ダウンボタンを操作して、タイマTpに設定する時限値Tp,タイマTd1に設定するスタンバイモードから低電力モードに切換える待ち時間の時限値Td1およびタイマTd2に設定する低電力モードから休止モードに切換える待ち時間の時限値Td2を調整することができる。液晶ディスプレイ260の表示面上の、図示を省略したEnterボタンをオペレータが操作すると、CPU253がそのとき設定画面260tiに表示している時限値Tp(A),Td1(B)およびTd2(C)をNVRAM264に更新書込み(上書き)し、かつ、時限値Tp(A)はプロセスコントローラ131に、Td1(B)およびTd2(C)は、省エネ切換えを制御するプリンタコントローラ60のMPU61に転送する。
【0064】
なお、その後NVRAM264上のこれらの時限値Tp,Td1およびTd2は、プリンタ100に電源が投入された直後の初期化処理において、操作部20のCPU253が、プロセスコントローラ131およびMPU61に転送する。
【0065】
図6に示すジョブ中断/再開処理をプロセスコントローラ131が実施するので、ジョブ(複写又はプリントアウト)を開始した後に、第1回のスイッチ34swのオンがあった後何回もスイッチ34swのオンがあっても、図8の(a)或いは(b)に示すように、タイマTpがタイムオーバするまでは、直後に続くスイッチ34swのオンによる解除指示および中断指示は読み捨てられる。タイマTpがタイムオーバすると、スイッチ34swのオンによる解除指示を受け付けるため、この解除指示があった時点で中断したジョブの残り分の作像プロセスを再開する。こうすることで、意図しない排紙中止動作やジョブが止まらないなどの問題が解消すると期待できる。
【0066】
タイマTpに設定する時限値Tpは、図8の(a)に示すように、実際のジョブ停止処理にかかる想定時間よりも長く定めても良いし、停止処理に入った直後の解除指示だけを読み捨てるようにしたいのであれば、図8の(b)のように短めに定めても良い。この時間Tpをユーザが任意に設定できるので、ユーザにとってより適切な排紙中断/再開動作を提供することができると考えられる。
【0067】
【発明の効果】
ユーザが排紙を停止したい場合に誤って複数回の指示を出してしまった場合でも、すぐに排紙停止を解除してしまったり、意図しない動作になってしまうことを防ぎ、使い勝手がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の複合機能がある複写機の外観を示す正面図である。
【図2】 図1に示すプリンタ100の作像機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示す複写機の画像処理システムの概要を示すブロック図である。
【図4】 図1,図3および図4に示す操作ボード20の一部分の上面を示す拡大平面図である。
【図5】 操作ボード20の、キーイン読み取り,表示出力を行う電気システムを示すブロック図である。
【図6】 図3に示すプロセスコントローラ131の、作像ジョブの開始から終了までの、ジョブ中断処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】 初期設定の中の切換え待ち時間の設定で図4に示す液晶ディスプレイ260に表示される項目の一部を示す平面図である。
【図8】 本発明の実施例の、スタッカ排紙モードで図1に示す排紙中断スイッチ34swのオンに応答する作像ジョブの中断/解除の過程を示すタイムチャートであり、(a)および(b)は第1実施例のものである。
【図9】 従来の、1つの排紙中断スイッチのオン操作の繰返しを、中断指示と解除指示に交互に読み取る場合の、作像ジョブの中断/解除の過程を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10:カラー原稿スキャナ 20:操作ボード
30:自動原稿供給装置 34:フィニッシャ
34hs:積載降下トレイ 34ud:昇降台
34st:ソートトレイ群 34sw:排紙中断スイッチ
34ot:排出口 34ps:トレイ上残紙センサ
100:カラープリンタ PC:パソコン
PBX:交換器 PN:通信回線
102:光書込みユニット 103,104:給紙カセット
105:レジストローラ対 106:転写ベルトユニット
107:定着ユニット 108:トレイ
110M,110C,110Y,110K:感光体ユニット
111M,111C,111Y,111K:感光体ドラム
120M,120C,120Y,120K:現像器
160:転写搬送ベルト ACP:画像データ処理装置
CDIC:画像データインターフェース制御
IMAC:画像メモリアクセス制御
IPP:画像データ処理器
Claims (1)
- 用紙上に画像を形成し排出する作像機構;ならびに、
排紙トレイ,該トレイへ用紙を送り出す搬送手段,該トレイを駆動する駆動機構,前記排紙トレイへの用紙の送り出しの停止指示および停止の解除指示を発生する指示手段、および、前記駆動機構を制御し、前記指示手段から発生した指示に応答して用紙の送り出しを制御する制御手段;を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記停止指示が発生してから設定時限のタイマをスタートし、該設定時限のタイムオーバまでの間に発生した前記解除指示には非応答であり、前記タイムオーバ後に発生した前記解除指示にのみ応答して用紙の送り出しを制御する;ことを特徴とする画像形成装置。
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