JP2004111893A - 多数個取り配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数個取り配線基板に形成された非貫通孔内に気泡が残留するため、その内部のメタライズ導体に十分な前処理が施されずにめっき金属層が被着形成されない部分が発生する。
【解決手段】内周面にメタライズ導体7が被着された非貫通孔6bが形成されたセラミック母基板1を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより非貫通孔6b内の気泡を完全に除去した後、めっき前処理を施し、メタライズ導体7にめっき金属層を被着形成する多数個取り配線基板の製造方法である。気泡の悪影響を受けることなくメタライズ導体7に十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔6b内のメタライズ導体7に欠陥の無い良好なめっき金属層8・9を被着形成することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】内周面にメタライズ導体7が被着された非貫通孔6bが形成されたセラミック母基板1を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより非貫通孔6b内の気泡を完全に除去した後、めっき前処理を施し、メタライズ導体7にめっき金属層を被着形成する多数個取り配線基板の製造方法である。気泡の悪影響を受けることなくメタライズ導体7に十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔6b内のメタライズ導体7に欠陥の無い良好なめっき金属層8・9を被着形成することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や容量素子・水晶振動子等の電子部品を搭載するための多数個の配線基板を同時集約的に得る多数個取り配線基板の製造方法であって、特に配線基板の側面端子電極となる非貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を被着形成して成る多数個取り配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や容量素子・水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成る略四角平板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための凹部が形成されているととともに、この凹部から絶縁基体の側面にかけてタングステン等の高融点金属材料から成る複数のメタライズ配線導体が配設されて成る。そして、絶縁基体の電子部品搭載用の凹部に電子部品を搭載するとともにこの電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等の電気的接続手段を介してメタライズ配線導体に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に金属製のキャップや樹脂製の封止材を電子部品を覆うように接合し、凹部に搭載された電子部品を気密に封止することによって電子装置となる。
【0003】
ところで、このような配線基板は、近時の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数10mm角程度と極めて小さいものとなってきており、多数個の小型の配線基板の取り扱いを容易とするため、また小型の配線基板の製作効率を良くするために、一枚のセラミック母基板から多数個の配線基板を同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
【0004】
このような従来の多数個取り配線基板は、その例を図3に斜視図で示すように、略四角平板状のセラミック母基板1の中央部に、分割線3で区画され、各々がその上面側に電子部品搭載用の凹部4を有するとともに凹部4から分割後の側面にかけて導出するメタライズ配線導体5が配設されて成る実質的に同一形状の略四角形の多数個の配線基板領域2を縦横の並びに一体的に配列形成して成る。
【0005】
また、セラミック母基板1の上面および/または下面に形成された、各配線基板領域2を区切る分割線3上、この例では分割線3の交点上には、各配線基板領域2に対応させて複数の貫通孔6aが列状に形成されるとともに、各配線基板領域2の各辺の角部に位置する貫通孔6aの内周面にメタライズ導体7が被着形成されている。
【0006】
そして、各配線基板領域2に電子部品(図示せず)を搭載するとともにその電極をボンディングワイヤ等を介してメタライズ配線導体5に電気的に接続し、しかる後、各電子部品を金属製キャップや樹脂製封止材により気密に封止し、その後、セラミック母基板1を分割線3に沿って各配線基板領域2毎に分割することによって個々の配線基板を使用した電子装置が得られる。
【0007】
前述のように、セラミック母基板1の上面には、各配線基板領域2を区切る分割線3上に、各配線基板領域2に対応させて複数の貫通孔6aが列状に形成されており、これら貫通孔6aの内周面にはメタライズ導体7が被着形成されている。この貫通孔6aに被着形成されたメタライズ導体7にはメタライズ配線導体5が接続されており、このメタライズ導体7は各配線基板領域2を分割して得られる配線基板の側面端子電極として利用される。
【0008】
また、このような従来の多数個取り配線基板においては、セラミック母基板1の上面の各配線基板領域2を区画する分割線3上に各配線基板領域2に対応させて貫通孔6aが形成されていたため、各電子部品を樹脂製封止材により気密に封止する際に、この貫通孔6aを通してセラミック母基板1の下面へ樹脂封止材が流れ込み、貫通孔6a内に形成されたメタライズ導体7の表面に付着して側面端子電極しての電気的接続性を劣化させる等の不具合が発生し、メタライズ導体7が配線基板の側面端子電極として機能しなくなるという問題点があった。
【0009】
そこで、これを防止するために、各配線基板領域2に対応させて貫通孔6aに代えてセラミック母基板1の下面のみに開口を持った非貫通孔を形成することが行なわれている。
【0010】
一方、このような多数個取り配線基板は、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面にニッケル・銅等のめっき金属層と金・パラジウム・白金等のめっき金属層とが順次被着され、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に対するボンディングワイヤや半田のボンディング性や濡れ性を良好としている。
【0011】
そして、このニッケル・銅等のめっき金属層や金・パラジウム・白金等のめっき金属層を被着形成する方法としては、電解めっき法および無電解めっき法が多用されている。
【0012】
例えば、電解めっき法によりニッケルめっき金属層および金めっき金属層を順次被着形成する場合には、まず、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面洗浄と表面の活性化のためにメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を脱脂・酸洗浄等の所定の前処理液に浸漬して前処理を施した後に、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層を被着形成する。次に、このニッケルめっき金属層を被着させたセラミック母基板1をシアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層上に金めっき金属層を被着形成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乾燥状態にあるメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を所定の前処理液や水洗水に浸漬した場合に、メタライズ導体7が貫通孔6a内に形成されている場合であれば、前処理液や水洗水が貫通孔6a内を通り抜けることができるため、内部の空気を液流によって押し出すことが可能であり貫通孔6a内に気泡が残留することは少ないが、処理液の流入と流出が1ヶ所の開口に限られている非貫通孔内にメタライズ導体7が形成されている場合には、前処理液や水洗水が内部に滞留しやすいため前処理液と非貫通孔内部の空気との置換作用が起こりにくく、その結果、非貫通孔内部の特に底部に表面張力によって気泡が残留してしまい、前処理液がメタライズ導体7に有効に作用することを阻害することから、メタライズ導体7上にめっき金属層が被着形成されない部分が生じてしまうという問題点があった。
【0014】
この問題点に対して、非貫通孔内の気泡を超音波振動を印加することによって物理的に除去する方法が考えられている。
【0015】
しかしながら、近年の配線基板に対するさらなる小型化・軽量化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものになってきており、これに伴って非貫通孔も小径化が進んでおり、例えば、直径が0.3mm以下の小さなものとなってきている。
【0016】
このように非貫通孔の直径が小さなものとなってきたため、超音波振動による従来の気泡除去方法では、非貫通孔の開口の周囲のセラミック母基板1の表面による超音波の遮蔽作用と、非貫通孔の壁面による超音波の減衰作用が大きくなり、非貫通孔の内部に残留した気泡の脱離に必要な力(音圧)が小さくなるため、前処理液と非貫通孔内の空気(気泡)との置換作用が極めて弱くなり、非貫通孔の内部から気泡を十分除去しきれなくなるという問題があった。
【0017】
また、超音波振動による従来の気泡除去方法では、セラミック母基板1が浸漬された前処理液等の液中にキャビテーションによる気泡が多数発生することから、これが非貫通孔内で発生した場合には、新たに非貫通孔内に気泡を発生させてしまうという問題を誘発していた。
【0018】
その結果、非貫通孔内に形成されたメタライズ層に十分な前処理が施されず、従って非貫通孔内にめっき金属層が被着形成されない部分が生じてしまうという問題点があった。
【0019】
本発明は上記問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、非貫通孔内に残留した気泡を効率的に除去した後に所定の前処理を行なうことによって貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を良好に被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板が得られる多数個取り配線基板の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、多数個取り配線基板の非貫通孔内にめっき金属層を被着する際に、予めアニオン系界面活性剤により表面張力を適切な範囲に調整した水溶液に浸漬しながら超音波を印加することにより、非貫通孔内の気泡を効率的に除去することができ、その後にめっき処理を行なうことによって、非貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を欠陥無く被着形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
すなわち、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、セラミック基板の上面に、上面側に電子部品の搭載部を有し、各々が前記セラミック基板の上面および/または下面に形成された分割線で区画された多数個の配線基板領域を縦横の並びに配列形成するとともに、前記分割線上に各々の前記配線基板領域に対応させて内周面にメタライズ導体が被着された非貫通孔を形成してセラミック母基板とする工程と、このセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から気泡を除去して、前記非貫通孔内の脱泡処理を施す工程と、この脱泡処理が施された前記セラミック母基板をめっき前処理液に浸漬して前記メタライズ導体にめっき前処理を施す工程と、このめっき前処理が施された前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程とから成ることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、上記構成において、前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、前記セラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、前記非貫通孔内の洗浄処理を施す工程を有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、非貫通孔の内部の空気との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低い水溶液で満たされるため超音波振動による脱泡作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から気泡を完全に除去することができる。
【0024】
さらに、アニオン系界面活性剤は、引き続き行なわれる脱脂・酸洗浄等のめっき前処理に使用されるめっき前処理液の処理効果を阻害する成分を含有しないため、例えば水洗処理が不十分となってめっき前処理液に混入したとしても、メッキ前処理に不具合を生じることがない。
【0025】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。さらに、めっき金属層の結晶組織や表面形状に悪影響を及ぼさず良好なめっき金属層を得ることができる。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0026】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体に気泡の悪影響を受けることなく十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔内のメタライズ導体に欠陥の無い良好なめっき金属層を被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0027】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、そのセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、非貫通孔内の洗浄処理を施す工程ことにより、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体およびめっき金属層が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、めっき処理後に非貫通孔の内部に残留する残留めっき液とこの水溶液との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低いこの水溶液で満たされるため超音波振動による液置換作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から残留めっき液を完全に除去することができる。
【0028】
さらに、アニオン系界面活性剤は、比較的低い温度で分解するため、例えばこの洗浄処理工程後の水洗処理が不十分となったまま製品を乾燥したとしても、メタライズ導体上のめっき金属層に対するワイヤボンディング特性や半田接続信頼性に不具合を生じることがない。
【0029】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0030】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体にめっき金属層を被着した後に、その非貫通孔内に気泡の悪影響を受けることなく十分な洗浄処理を施すことができるため、非貫通孔内にめっき液が残留することがなくなり、これにより、ワイヤボンディング特性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の製造方法で製作された多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1はセラミック母基板、2は配線基板領域、3は分割線である。
【0033】
セラミック母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス等のセラミックス材料から成る略四角形状の平板状のセラミック基板を用いて形成され、その上面の中央部に各々が配線基板となる略四角形状の多数個の配線基板領域2がセラミック母基板1の上面および/または下面に形成された分割線3で区画されて縦横の並びに一体的に配列形成されている。
【0034】
セラミック母基板1の上面の中央部に配列形成された各配線基板領域2は、電子部品を搭載するための搭載部としての凹部4を有しているとともに、凹部4の底面から分割後の配線基板の側面および/または下面に導出するタングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る複数のメタライズ配線導体5を有している。そして、凹部4の底面には半導体素子や水晶振動子等の電子部品(図示せず)が搭載されるとともに、メタライズ配線導体5にはこの電子部品の各電極が、例えばボンディングワイヤや半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される。その後、各配線基板領域2の上面に金属製キャップや樹脂封止材を電子部品を覆うようにして固着することによって電子部品が気密に封止されることになる。
【0035】
また、セラミック母基板1の上面および/または下面、この例では下面には、各配線基板領域2を区画する分割線3上に、各々の配線基板領域2に対応させて複数の非貫通孔6bが例えば列状の配置に形成されている。これらの非貫通孔6bの内周面には、タングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る複数のメタライズ導体7が形成されている。また、この非貫通孔6bに被着形成されたメタライズ導体7にはメタライズ配線導体5が接続されており、各配線基板領域2毎に分割した後に、各々の配線基板の側面端子電極として利用される。
【0036】
次に、上述の多数個取り配線基板の製造方法について説明する。
【0037】
まず、セラミック母基板1となるセラミック基板用の複数枚のセラミックグリーンシートを準備するとともに、これらのセラミックグリーンシートに各配線基板領域2の凹部4および非貫通孔6bを形成するため等の打ち抜き加工や、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を形成するための金属ペーストの印刷加工を施し、次に、これらのセラミックグリーンシートを積層し、積層体の上面および/または下面、図1に示す例では上下面に各配線基板領域2を区画する分割線3を、カッター刃や金型等により各配線基板領域2を区画するように切り込みを入れることによって形成し、最後に、所定の温度で焼成することによってセラミック母基板1が形成される。
【0038】
なお、セラミック母基板1用のセラミックグリーンシートは、例えばセラミック母基板1のセラミック基板が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム質・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して泥しょう状となすとともに、従来周知のドクターブレード法を採用してこれをシート状に成形することによって得られる。
【0039】
また、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7用の金属ペーストは、例えばメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7がタングステンメタライズから成る場合であれば、タングステン粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して適当な粘度に調整することによって得られ、これを従来周知のスクリーン印刷法を採用することによってセラミックグリ−ンシートの表面に所定のパターンに、また非貫通孔6bの内周面に印刷塗布することができる。
【0040】
また、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7のそれぞれ露出する表面には、図2に要部拡大断面図で示すように、ニッケルめっき金属層8と金めっき金属層9とが電解めっき法もしくは無電解めっき法で順次被着されている。
【0041】
ニッケルめっき金属層8はメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に金めっき金属層9を被着させるための下地金属として機能し、例えば電解めっき法を採用する場合、その処理方法は下記のとおりである。
【0042】
すなわち、まず、セラミック母基板1を高級アルコール硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤を適量添加しその表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に常温で浸漬しながら超音波発生器によって25〜100kHzの超音波を10秒〜10分間印加することにより、非貫通孔6b内の気泡を完全に除去する。
【0043】
なお、高級アルコール硫酸エステル等のアニオン系界面活性剤の表面張力を300μN/cm未満と低いものとすると、非貫通孔6b内の気泡を除去する効果については支障はないが、アニオン系界面活性剤を過剰に添加してしまうこととなるためメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面にアニオン系界面活性剤が吸着しやすくなり、これがニッケルめっき金属層8の表面にザラツキを発生させる原因となる。また、セラミック母基板1をアニオン系界面活性剤が添加された水溶液に浸漬しながら超音波を印加した際に、水溶液の表面に泡立ちが生じ、これがセラミック母基板1の表面に付着することから、これを洗浄するために水洗を強化する必要性が生じる等の不具合が発生する。さらに、アニオン系界面活性剤の表面張力低下効果は、200〜300μN/cm程度が限界であり、これ以上表面張力を下げることは極めて困難であり、現実性に乏しい。また、600μN/cmを超えて高くすると、超音波を印加した際のキャビテーションの発生を抑制する効果が低下することから、非貫通孔6bの内部においても新たな気泡が発生しやすくなり、非貫通孔6bの内部から気泡を完全に除去することが困難となる。
【0044】
従って、アニオン系界面活性剤の表面張力は、300〜600μN/cmとしておくことが必要である。
【0045】
なお、アニオン系界面活性剤としては、上記の高級アルコール硫酸エステルの他に、アルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸等が使用できる。中でも、高級アルコール硫酸エステルを使用すると、水に対する溶解度が高いことから非貫通孔6bの内部への浸透性がより高く、また、脱脂作用をも有することから非貫通孔6bの内周に形成されたメタライズ導体7の水濡れ性を良好なものとすることができるため、非貫通孔6bの内部からの気泡の脱離がより容易となることから、好ましい。
【0046】
また、水溶液に浸漬しながら印加する超音波は、その振動数としては、非貫通孔6bからの気泡の脱離を促進するという観点では25kHz以上が好ましく、非貫通孔6b内でのキャビテーションの発生を抑制するという観点からは100kHz以下が望ましい。
【0047】
この脱泡処理を施したセラミック母基板1に、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面洗浄および活性化を行なうための脱脂・酸洗浄等のめっき前処理を施す。めっき前処理としては、例えば、まず、水酸化カリウム等を主成分とするアルカリ脱脂液中にセラミック母基板1を浸漬するとともに、所定の電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、電解脱脂洗浄を行なう。次に、このセラミック母基板1を塩酸等の酸性の溶液に浸漬し、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面の酸化物等を除去してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面を活性化するとともに、上記電解脱脂洗浄液の中和を行なう。
【0048】
なお、このようなめっき前処理においては、予め施した脱泡処理で使用したアニオン系界面活性剤がメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に十分な水濡れ性を与えていることから、非貫通孔6b内は上記のような各めっき前処理液で完全に満たされるため、メタライズ導体7を乾燥させない限り、めっき前処理中に非貫通孔6bの内部に再び気泡が発生することは無い。また、めっき前処理としては、上記の電解脱脂洗浄と酸洗浄以外にも、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7のめっき付き回り性を向上させるために、例えば、メタライズ導体7に含有されているガラス成分に対して、フッ化物等を主成分とするエッチング液を用いてガラスエッチング等の他のめっき前処理を行なってもよい。
【0049】
次に、このセラミック母基板1を硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、これらメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7にニッケルめっき金属層8を被着形成する。
【0050】
なお、下地めっき金属層としてのニッケルめっき金属層8は、その厚みが0.5μm未満となるとメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を金めっき金属層9で被覆することが困難となり、その結果としてボンディングワイヤを強固に接合させることができなくなったり、また半田の接合強度が低下するといった不具合を生じる可能性がある。
【0051】
また、ニッケルめっき金属層8は、その厚みが15μmを超えるとメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に電解めっき法もしくは無電解めっき法によりニッケルめっき金属層8を被着させる際、ニッケルめっき金属層8の内部に大きな応力が内在してしまい、小さな外力の印加によってもニッケルめっき金属層8がメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7から剥離してしまう等の危険性がある。
【0052】
従って、ニッケルめっき金属層8は、その厚みを0.5〜15μmの範囲としておくことが好ましい。
【0053】
一方、ニッケルめっき金属層8の表面には金めっき金属層9が被着形成されており、この金めっき金属層9はニッケルめっき金属層8の酸化腐食を有効に防止するとともに、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に対するボンディングワイヤや半田の接合強度を強固なものとなす機能を有する。例えば、電解めっき法を採用することによって、具体的にはニッケルめっき金属層8が表面に被着されたメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1が乾燥状態であれば、再びアニオン界面活性剤により表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより非貫通孔6b内の気泡を完全に除去した後、シアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層8上に金めっき金属層9を被着形成する。
【0054】
なお、金めっき金属層9は、その厚みが0.1μm未満となると、ボンディングワイヤを金属拡散によって接合させる際に、拡散金属の絶対量が少なくなってボンディングワイヤの接合強度が低下するといった不具合を生じる可能性があるため、その厚みは0.1μm以上としておくことが好ましく、経済性を考慮すると0.1〜3μmの範囲としておくことが好ましい。
【0055】
メタライズ導体7に被着するめっき金属層としては、以上のニッケルめっき金属層8および金めっき金属層9の他にも、メタライズ導体7のボンディング性や半田濡れ性を確保するための下地めっき金属層として、ニッケル−リン合金・ニッケル−ホウ素合金等のニッケル合金めっきや、銅・コバルトもしくはこれらを主成分とする合金の少なくとも1種から成るめっき金属層等が使用できる。さらに、下地めっき金属層の表面に被着される表層めっき金属層としては、メタライズ導体7および下地めっき金属層の酸化や腐食を防止する特性を有するめっき金属層として、例えば、金・パラジウム・白金もしくはこれらを主成分とする合金の少なくとも1種から成るめっき金属層等を使用することができる。
【0056】
また、前述のように、メタライズ導体7はタングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成るものであり、これらメタライズ導体7の材料や搭載される電子部品との接合方法等に応じて、以上のめっき金属層を多層または単層で被着してもよい。
【0057】
次に、ニッケルめっき金属層8および金めっき金属層9が形成されたセラミック母基板1を、高級アルコール硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤を適量添加してその表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に常温で浸漬しながら超音波発生器によって25〜100kHzの超音波を10秒〜10分間印加することにより、非貫通孔6b内の残留めっき液を除去する洗浄処理を施す。このような洗浄処理を施すことにより、残留めっき液をこの水溶液と容易にかつ十分に置換することができるので、非貫通孔6b内の残留めっき液を完全に除去することができる。
【0058】
なお、高級アルコール硫酸エステル等のアニオン系界面活性剤の表面張力を300μN/cm未満と低いものとすると、非貫通孔6b内の残留めっき液を除去する効果については支障はないが、アニオン系界面活性剤を過剰に添加してしまうこととなるため金めっき金属層9の表面にアニオン系界面活性剤が吸着しやすくなり、低い温度での分解が困難になる。また、セラミック母基板1をアニオン系界面活性剤が添加された水溶液に浸漬しながら超音波を印加した際に、水溶液の表面に泡立ちが生じ、これがセラミック母基板1の表面に付着することから、これを洗浄するために水洗を強化する必要性が生じる等の不具合が発生する。さらに、アニオン系界面活性剤の表面張力低下効果は、200〜300μN/cm程度が限界であり、これ以上表面張力を下げることは極めて困難であり、現実性に乏しい。また、600μN/cmを超えて高くすると、超音波を印加した際のキャビテーションの発生を抑制する効果が低下することから、非貫通孔6bの内部においても新たな気泡が発生しやすくなり、非貫通孔6bの内部から残留めっき液を完全に除去することが困難となる。
【0059】
従って、アニオン系界面活性剤の表面張力は、300〜600μN/cmとしておくことが必要である。
【0060】
なお、アニオン系界面活性剤としては、上記の高級アルコール硫酸エステルの他に、アルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸等が使用できる。中でも、高級アルコール硫酸エステルを使用すると、水に対する溶解度が高いことから非貫通孔6bの内部への浸透性がより高いため、非貫通孔6bの内部からの残留めっき液の置換除去がより容易となることから、好ましいものとなる。
【0061】
また、水溶液に浸漬しながら印加する超音波は、その振動数としては、非貫通孔6bからの残留めっき液の置換除去を促進するという観点では25kHz以上が好ましく、非貫通孔6b内でのキャビテーションの発生を抑制するという観点からは100kHz以下が望ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
<実施例1>
酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁体となるセラミックグリーンシート上に、タングステンのペーストをスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、セラミックグリーンシートとタングステンペーストとを同時焼成して、酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁体にタングステンメタライズから成る配線導体を形成した50mm角のセラミック母基板を作製した。このセラミック母基板の上面には、縦横3列で合計9個の14mm角の配線基板領域を分割線によって区画し、各配線基板領域の各辺の下面側に直径が0.3mmで深さが1.0mmの非貫通孔を0.7mmの間隔で12個形成し、セラミック母基板の下面の全体としては288個の非貫通孔を形成した。なお、非貫通孔の内周にはタングステンメタライズ導体を形成した。
【0064】
次に、純水に高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を表1に示すように設定した水溶液中に、電解めっき用治具に固定したセラミック母基板を常温で浸漬し、超音波発生器によって45kHzの超音波を30秒間印加して非貫通孔内部の脱泡処理を行なった後、水道水で水洗した。
【0065】
次に、脱泡処理を施したセラミック母基板にめっき前処理を施した。めっき前処理としては、まず、セラミック母基板を液温60℃に温度調節された電解脱脂液に電解めっき用治具を介して5Vの定電圧を印加しつつ2分間浸漬して脱脂処理を行なった。この脱脂液は、水酸化ナトリウム・ケイ酸ナトリウム・リン酸ナトリウム等のアルカリ塩と界面活性剤とを主成分とし、絶縁基体およびメタライズ導体の表面に付着している油脂等の汚れを除去するものである。この脱脂処理の後、水道水にて水洗した。次いで、10%塩酸に常温で1分間浸漬することにより、タングステンメタライズ導体の表面の酸化皮膜を取り除き、最後に純水にて水洗した。
【0066】
次に、前処理を施したセラミック母基板に電解ニッケルめっきおよび電解金めっきを施した。まず、タングステンメタライズ導体とめっき金属層との密着性を良好とするために、塩化ニッケルおよび塩酸を主成分としたニッケルストライクめっき液にセラミック母基板を浸漬し、常温で5A/dm2の電流密度を印加しながら5分間のニッケルストライクめっきを施した後、純水で水洗を行なった。次いで、硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液にセラミック母基板を浸漬し、液温60℃で1.0A/dm2の電流密度を印加しながら25分間の条件で5μmのニッケルめっき金属層を形成し、純水にて水洗を行なった。
【0067】
さらに、ニッケルめっき金属層が被着されたセラミック母基板を、シアン化金カリウム・クエン酸三カリウムを主成分とする金ストライクめっき液に、常温で2.5Vの定電圧を印加しつつ1分間浸漬し、純水にて水洗を行なった。なお、この金ストライクめっきはニッケルめっき金属層が電解金めっき液によって腐食されることを防止するために施すものである。次いで、シアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液にセラミック母基板を浸漬し、液温60℃で0.1A/dm2の電流密度を印加しながら13分間の条件で厚み0.5μmの金めっき金属層を形成した。
【0068】
次に、後処理として純水に高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を表1に示すように設定した水溶液中に、電解めっき用治具に固定したセラミック母基板を常温で浸漬し、超音波発生器によって45kHzの超音波を30秒間印加して非貫通孔内部の洗浄処理を行なった後、水道水で水洗し、最後に80℃のオーブンにて乾燥した。
【0069】
上記の方法でニッケルめっき金属層と金めっき金属層を形成したセラミック母基板を分割線に沿って各配線基板領域毎に分割し、その側面に露出した側面端子電極、すなわち非貫通孔内周のめっき金属層のめっき欠け発生率、光沢性およびめっき液残留物の有無を、肉眼および10〜100倍の実体顕微鏡で観察することによって評価した。
【0070】
その結果を表1に示す。ここで、めっき欠け発生率は全側面端子電極数に対するめっき欠けが発生した側面端子電極数の割合(単位:%)を示す。また光沢性の評価において、○は金属光沢があり良好な表面状態を有することを示し、△は金属光沢が若干低下した半光沢の表面状態を有することを示し、×は無光沢でザラツキが発生している表面状態を有することを示す。また、めっき液残留物の有無の評価において、○はめっき液残留物がなく良好な表面状態を有することを示し、×はめっき液残留物が部分的に付着している表面状態を有することを示す。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示す結果から分かるように、めっき欠け発生率については、表面張力が600μN/cm以下では0%であり、めっき欠けは発生しなかった。一方、光沢性については、300μN/cm未満で光沢性が損なわれ、めっき金属層の表面にザラツキが発生した。また、めっき液残留物の有無については、650μN/cmおよび700μN/cmでは部分的にめっき液が残留していたが、600μN/cm以下ではめっき液の残留は無かった。
【0073】
<実施例2>
実施例1と同様のセラミック母基板を用い、脱泡処理および洗浄処理において、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液を用い、印加する超音波の周波数を25・45・100kHzに設定した。また、超音波の印加時間はそれぞれ30秒とした。そして、前処理、めっき処理および洗浄処理ならびに評価を実施例1と同様としたときの結果を表2に示す。ここで、脱泡処理における水溶液を純水(表面張力720μN/cm)としたものを比較例とした。
【0074】
【表2】
【0075】
表2に示す結果から分かるように、比較例とした脱泡処理および洗浄処理の水溶液を純水とした場合は、どの周波数の超音波を印加しても全てめっき欠けが発生したのに対して、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液の場合には、いずれの周波数の超音波を印加してもめっき欠けは発生せず、良好なめっき金属層が得られた。また、めっき液残留物の有無については、比較例とした脱泡処理および洗浄処理の水溶液を純水とした場合は、どの周波数の超音波を印加しても全てめっき液が残留していたのに対して、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液の場合には、いずれの周波数の超音波を印加してもめっき液の残留は無かった。
【0076】
<実施例3>
実施例1と同様のセラミック母基板を用い、脱泡処理および洗浄処理において添加するアニオン系界面活性剤をアルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸とし、それぞれの表面張力を表3に示すように設定して、45kHzの超音波を30秒間印加した。そして、前処理、めっき処理および洗浄処理ならびに評価を実施例1と同様としたときの結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
表3に示す結果から分かるように、いずれのアニオン系界面活性剤を用いても、表面張力が600μN/cm以下ではめっき欠け発生率は0%であり、めっき欠けは発生しなかった。また、光沢性については、300μN/cm未満で光沢性が損なわれ、めっき金属層の表面にザラツキが発生した。また、めっき液残留物の有無については、650μN/cmおよび700μN/cmでは部分的にめっき液が残留していたが、600μN/cm以下ではめっき液の残留は無かった。
【0079】
なお、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では本発明の多数個取り配線基板の製造方法を、電子部品搭載用の配線基板に適用したが、混成集積回路基板等の他の用途の配線基板に適用してもよいことは言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】
本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、非貫通孔の内部の空気との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低い水溶液で満たされるため超音波振動による脱泡作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から気泡を完全に除去することができる。
【0081】
さらに、アニオン系界面活性剤は、引き続き行なわれる脱脂・酸洗浄等のめっき前処理に使用されるめっき前処理液の処理効果を阻害する成分を含有しないため、例えば水洗処理が不十分となってめっき前処理液に混入したとしても、メッキ前処理に不具合を生じることがない。
【0082】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。さらに、めっき金属層の結晶組織や表面形状に悪影響を及ぼさず良好なめっき金属層を得ることができる。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0083】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体に気泡の悪影響を受けることなく十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔内のメタライズ導体に欠陥の無い良好なめっき金属層を被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0084】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、そのセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、非貫通孔内の洗浄処理を施すことにより、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体およびめっき金属層が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、めっき処理後に非貫通孔の内部に残留する残留めっき液とこの水溶液との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低いこの水溶液で満たされるため超音波振動による液置換作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から残留めっき液を完全に除去することができる。
【0085】
さらに、アニオン系界面活性剤は、比較的低い温度で分解するため、例えばこの洗浄処理工程後の水洗処理が不十分となったまま製品を乾燥したとしても、メタライズ導体上のめっき金属層に対するワイヤボンディング特性や半田接続信頼性に不具合を生じることがない。
【0086】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0087】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体にめっき金属層を被着した後に、その非貫通孔内に気泡の悪影響を受けることなく十分な洗浄処理を施すことができるため、非貫通孔内にめっき液が残留することがなくなり、これにより、ワイヤボンディング特性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0088】
以上により、本発明によれば、非貫通孔内に残留した気泡を効率的に除去した後に所定の前処理を行なうことによって貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を良好に被着形成することができる。さらに、めっき処理後の洗浄処理により非貫通孔内に残留しためっき液を効率的に除去できる。これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板が得られる多数個取り配線基板の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す多数個取り配線基板の要部拡大断面図である。
【図3】従来の多数個取り配線基板の例を示す斜視図である
【符号の説明】
1・・・・セラミック母基板
2・・・・配線基板領域
3・・・・分割線
4・・・・凹部
5・・・・メタライズ配線導体
6a・・・・貫通孔
6b・・・・非貫通孔
7・・・・メタライズ導体
8・・・・ニッケルめっき金属層
9・・・・金めっき金属層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や容量素子・水晶振動子等の電子部品を搭載するための多数個の配線基板を同時集約的に得る多数個取り配線基板の製造方法であって、特に配線基板の側面端子電極となる非貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を被着形成して成る多数個取り配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や容量素子・水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成る略四角平板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための凹部が形成されているととともに、この凹部から絶縁基体の側面にかけてタングステン等の高融点金属材料から成る複数のメタライズ配線導体が配設されて成る。そして、絶縁基体の電子部品搭載用の凹部に電子部品を搭載するとともにこの電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等の電気的接続手段を介してメタライズ配線導体に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に金属製のキャップや樹脂製の封止材を電子部品を覆うように接合し、凹部に搭載された電子部品を気密に封止することによって電子装置となる。
【0003】
ところで、このような配線基板は、近時の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数10mm角程度と極めて小さいものとなってきており、多数個の小型の配線基板の取り扱いを容易とするため、また小型の配線基板の製作効率を良くするために、一枚のセラミック母基板から多数個の配線基板を同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
【0004】
このような従来の多数個取り配線基板は、その例を図3に斜視図で示すように、略四角平板状のセラミック母基板1の中央部に、分割線3で区画され、各々がその上面側に電子部品搭載用の凹部4を有するとともに凹部4から分割後の側面にかけて導出するメタライズ配線導体5が配設されて成る実質的に同一形状の略四角形の多数個の配線基板領域2を縦横の並びに一体的に配列形成して成る。
【0005】
また、セラミック母基板1の上面および/または下面に形成された、各配線基板領域2を区切る分割線3上、この例では分割線3の交点上には、各配線基板領域2に対応させて複数の貫通孔6aが列状に形成されるとともに、各配線基板領域2の各辺の角部に位置する貫通孔6aの内周面にメタライズ導体7が被着形成されている。
【0006】
そして、各配線基板領域2に電子部品(図示せず)を搭載するとともにその電極をボンディングワイヤ等を介してメタライズ配線導体5に電気的に接続し、しかる後、各電子部品を金属製キャップや樹脂製封止材により気密に封止し、その後、セラミック母基板1を分割線3に沿って各配線基板領域2毎に分割することによって個々の配線基板を使用した電子装置が得られる。
【0007】
前述のように、セラミック母基板1の上面には、各配線基板領域2を区切る分割線3上に、各配線基板領域2に対応させて複数の貫通孔6aが列状に形成されており、これら貫通孔6aの内周面にはメタライズ導体7が被着形成されている。この貫通孔6aに被着形成されたメタライズ導体7にはメタライズ配線導体5が接続されており、このメタライズ導体7は各配線基板領域2を分割して得られる配線基板の側面端子電極として利用される。
【0008】
また、このような従来の多数個取り配線基板においては、セラミック母基板1の上面の各配線基板領域2を区画する分割線3上に各配線基板領域2に対応させて貫通孔6aが形成されていたため、各電子部品を樹脂製封止材により気密に封止する際に、この貫通孔6aを通してセラミック母基板1の下面へ樹脂封止材が流れ込み、貫通孔6a内に形成されたメタライズ導体7の表面に付着して側面端子電極しての電気的接続性を劣化させる等の不具合が発生し、メタライズ導体7が配線基板の側面端子電極として機能しなくなるという問題点があった。
【0009】
そこで、これを防止するために、各配線基板領域2に対応させて貫通孔6aに代えてセラミック母基板1の下面のみに開口を持った非貫通孔を形成することが行なわれている。
【0010】
一方、このような多数個取り配線基板は、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面にニッケル・銅等のめっき金属層と金・パラジウム・白金等のめっき金属層とが順次被着され、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に対するボンディングワイヤや半田のボンディング性や濡れ性を良好としている。
【0011】
そして、このニッケル・銅等のめっき金属層や金・パラジウム・白金等のめっき金属層を被着形成する方法としては、電解めっき法および無電解めっき法が多用されている。
【0012】
例えば、電解めっき法によりニッケルめっき金属層および金めっき金属層を順次被着形成する場合には、まず、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面洗浄と表面の活性化のためにメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を脱脂・酸洗浄等の所定の前処理液に浸漬して前処理を施した後に、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層を被着形成する。次に、このニッケルめっき金属層を被着させたセラミック母基板1をシアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層上に金めっき金属層を被着形成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乾燥状態にあるメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1を所定の前処理液や水洗水に浸漬した場合に、メタライズ導体7が貫通孔6a内に形成されている場合であれば、前処理液や水洗水が貫通孔6a内を通り抜けることができるため、内部の空気を液流によって押し出すことが可能であり貫通孔6a内に気泡が残留することは少ないが、処理液の流入と流出が1ヶ所の開口に限られている非貫通孔内にメタライズ導体7が形成されている場合には、前処理液や水洗水が内部に滞留しやすいため前処理液と非貫通孔内部の空気との置換作用が起こりにくく、その結果、非貫通孔内部の特に底部に表面張力によって気泡が残留してしまい、前処理液がメタライズ導体7に有効に作用することを阻害することから、メタライズ導体7上にめっき金属層が被着形成されない部分が生じてしまうという問題点があった。
【0014】
この問題点に対して、非貫通孔内の気泡を超音波振動を印加することによって物理的に除去する方法が考えられている。
【0015】
しかしながら、近年の配線基板に対するさらなる小型化・軽量化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものになってきており、これに伴って非貫通孔も小径化が進んでおり、例えば、直径が0.3mm以下の小さなものとなってきている。
【0016】
このように非貫通孔の直径が小さなものとなってきたため、超音波振動による従来の気泡除去方法では、非貫通孔の開口の周囲のセラミック母基板1の表面による超音波の遮蔽作用と、非貫通孔の壁面による超音波の減衰作用が大きくなり、非貫通孔の内部に残留した気泡の脱離に必要な力(音圧)が小さくなるため、前処理液と非貫通孔内の空気(気泡)との置換作用が極めて弱くなり、非貫通孔の内部から気泡を十分除去しきれなくなるという問題があった。
【0017】
また、超音波振動による従来の気泡除去方法では、セラミック母基板1が浸漬された前処理液等の液中にキャビテーションによる気泡が多数発生することから、これが非貫通孔内で発生した場合には、新たに非貫通孔内に気泡を発生させてしまうという問題を誘発していた。
【0018】
その結果、非貫通孔内に形成されたメタライズ層に十分な前処理が施されず、従って非貫通孔内にめっき金属層が被着形成されない部分が生じてしまうという問題点があった。
【0019】
本発明は上記問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、非貫通孔内に残留した気泡を効率的に除去した後に所定の前処理を行なうことによって貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を良好に被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板が得られる多数個取り配線基板の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、多数個取り配線基板の非貫通孔内にめっき金属層を被着する際に、予めアニオン系界面活性剤により表面張力を適切な範囲に調整した水溶液に浸漬しながら超音波を印加することにより、非貫通孔内の気泡を効率的に除去することができ、その後にめっき処理を行なうことによって、非貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を欠陥無く被着形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
すなわち、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、セラミック基板の上面に、上面側に電子部品の搭載部を有し、各々が前記セラミック基板の上面および/または下面に形成された分割線で区画された多数個の配線基板領域を縦横の並びに配列形成するとともに、前記分割線上に各々の前記配線基板領域に対応させて内周面にメタライズ導体が被着された非貫通孔を形成してセラミック母基板とする工程と、このセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から気泡を除去して、前記非貫通孔内の脱泡処理を施す工程と、この脱泡処理が施された前記セラミック母基板をめっき前処理液に浸漬して前記メタライズ導体にめっき前処理を施す工程と、このめっき前処理が施された前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程とから成ることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は、上記構成において、前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、前記セラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、前記非貫通孔内の洗浄処理を施す工程を有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、非貫通孔の内部の空気との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低い水溶液で満たされるため超音波振動による脱泡作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から気泡を完全に除去することができる。
【0024】
さらに、アニオン系界面活性剤は、引き続き行なわれる脱脂・酸洗浄等のめっき前処理に使用されるめっき前処理液の処理効果を阻害する成分を含有しないため、例えば水洗処理が不十分となってめっき前処理液に混入したとしても、メッキ前処理に不具合を生じることがない。
【0025】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。さらに、めっき金属層の結晶組織や表面形状に悪影響を及ぼさず良好なめっき金属層を得ることができる。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0026】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体に気泡の悪影響を受けることなく十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔内のメタライズ導体に欠陥の無い良好なめっき金属層を被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0027】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、そのセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、非貫通孔内の洗浄処理を施す工程ことにより、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体およびめっき金属層が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、めっき処理後に非貫通孔の内部に残留する残留めっき液とこの水溶液との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低いこの水溶液で満たされるため超音波振動による液置換作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から残留めっき液を完全に除去することができる。
【0028】
さらに、アニオン系界面活性剤は、比較的低い温度で分解するため、例えばこの洗浄処理工程後の水洗処理が不十分となったまま製品を乾燥したとしても、メタライズ導体上のめっき金属層に対するワイヤボンディング特性や半田接続信頼性に不具合を生じることがない。
【0029】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0030】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体にめっき金属層を被着した後に、その非貫通孔内に気泡の悪影響を受けることなく十分な洗浄処理を施すことができるため、非貫通孔内にめっき液が残留することがなくなり、これにより、ワイヤボンディング特性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の製造方法で製作された多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1はセラミック母基板、2は配線基板領域、3は分割線である。
【0033】
セラミック母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体・ガラスセラミックス等のセラミックス材料から成る略四角形状の平板状のセラミック基板を用いて形成され、その上面の中央部に各々が配線基板となる略四角形状の多数個の配線基板領域2がセラミック母基板1の上面および/または下面に形成された分割線3で区画されて縦横の並びに一体的に配列形成されている。
【0034】
セラミック母基板1の上面の中央部に配列形成された各配線基板領域2は、電子部品を搭載するための搭載部としての凹部4を有しているとともに、凹部4の底面から分割後の配線基板の側面および/または下面に導出するタングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る複数のメタライズ配線導体5を有している。そして、凹部4の底面には半導体素子や水晶振動子等の電子部品(図示せず)が搭載されるとともに、メタライズ配線導体5にはこの電子部品の各電極が、例えばボンディングワイヤや半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される。その後、各配線基板領域2の上面に金属製キャップや樹脂封止材を電子部品を覆うようにして固着することによって電子部品が気密に封止されることになる。
【0035】
また、セラミック母基板1の上面および/または下面、この例では下面には、各配線基板領域2を区画する分割線3上に、各々の配線基板領域2に対応させて複数の非貫通孔6bが例えば列状の配置に形成されている。これらの非貫通孔6bの内周面には、タングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る複数のメタライズ導体7が形成されている。また、この非貫通孔6bに被着形成されたメタライズ導体7にはメタライズ配線導体5が接続されており、各配線基板領域2毎に分割した後に、各々の配線基板の側面端子電極として利用される。
【0036】
次に、上述の多数個取り配線基板の製造方法について説明する。
【0037】
まず、セラミック母基板1となるセラミック基板用の複数枚のセラミックグリーンシートを準備するとともに、これらのセラミックグリーンシートに各配線基板領域2の凹部4および非貫通孔6bを形成するため等の打ち抜き加工や、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を形成するための金属ペーストの印刷加工を施し、次に、これらのセラミックグリーンシートを積層し、積層体の上面および/または下面、図1に示す例では上下面に各配線基板領域2を区画する分割線3を、カッター刃や金型等により各配線基板領域2を区画するように切り込みを入れることによって形成し、最後に、所定の温度で焼成することによってセラミック母基板1が形成される。
【0038】
なお、セラミック母基板1用のセラミックグリーンシートは、例えばセラミック母基板1のセラミック基板が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム質・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して泥しょう状となすとともに、従来周知のドクターブレード法を採用してこれをシート状に成形することによって得られる。
【0039】
また、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7用の金属ペーストは、例えばメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7がタングステンメタライズから成る場合であれば、タングステン粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して適当な粘度に調整することによって得られ、これを従来周知のスクリーン印刷法を採用することによってセラミックグリ−ンシートの表面に所定のパターンに、また非貫通孔6bの内周面に印刷塗布することができる。
【0040】
また、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7のそれぞれ露出する表面には、図2に要部拡大断面図で示すように、ニッケルめっき金属層8と金めっき金属層9とが電解めっき法もしくは無電解めっき法で順次被着されている。
【0041】
ニッケルめっき金属層8はメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に金めっき金属層9を被着させるための下地金属として機能し、例えば電解めっき法を採用する場合、その処理方法は下記のとおりである。
【0042】
すなわち、まず、セラミック母基板1を高級アルコール硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤を適量添加しその表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に常温で浸漬しながら超音波発生器によって25〜100kHzの超音波を10秒〜10分間印加することにより、非貫通孔6b内の気泡を完全に除去する。
【0043】
なお、高級アルコール硫酸エステル等のアニオン系界面活性剤の表面張力を300μN/cm未満と低いものとすると、非貫通孔6b内の気泡を除去する効果については支障はないが、アニオン系界面活性剤を過剰に添加してしまうこととなるためメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面にアニオン系界面活性剤が吸着しやすくなり、これがニッケルめっき金属層8の表面にザラツキを発生させる原因となる。また、セラミック母基板1をアニオン系界面活性剤が添加された水溶液に浸漬しながら超音波を印加した際に、水溶液の表面に泡立ちが生じ、これがセラミック母基板1の表面に付着することから、これを洗浄するために水洗を強化する必要性が生じる等の不具合が発生する。さらに、アニオン系界面活性剤の表面張力低下効果は、200〜300μN/cm程度が限界であり、これ以上表面張力を下げることは極めて困難であり、現実性に乏しい。また、600μN/cmを超えて高くすると、超音波を印加した際のキャビテーションの発生を抑制する効果が低下することから、非貫通孔6bの内部においても新たな気泡が発生しやすくなり、非貫通孔6bの内部から気泡を完全に除去することが困難となる。
【0044】
従って、アニオン系界面活性剤の表面張力は、300〜600μN/cmとしておくことが必要である。
【0045】
なお、アニオン系界面活性剤としては、上記の高級アルコール硫酸エステルの他に、アルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸等が使用できる。中でも、高級アルコール硫酸エステルを使用すると、水に対する溶解度が高いことから非貫通孔6bの内部への浸透性がより高く、また、脱脂作用をも有することから非貫通孔6bの内周に形成されたメタライズ導体7の水濡れ性を良好なものとすることができるため、非貫通孔6bの内部からの気泡の脱離がより容易となることから、好ましい。
【0046】
また、水溶液に浸漬しながら印加する超音波は、その振動数としては、非貫通孔6bからの気泡の脱離を促進するという観点では25kHz以上が好ましく、非貫通孔6b内でのキャビテーションの発生を抑制するという観点からは100kHz以下が望ましい。
【0047】
この脱泡処理を施したセラミック母基板1に、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面洗浄および活性化を行なうための脱脂・酸洗浄等のめっき前処理を施す。めっき前処理としては、例えば、まず、水酸化カリウム等を主成分とするアルカリ脱脂液中にセラミック母基板1を浸漬するとともに、所定の電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、電解脱脂洗浄を行なう。次に、このセラミック母基板1を塩酸等の酸性の溶液に浸漬し、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面の酸化物等を除去してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7の表面を活性化するとともに、上記電解脱脂洗浄液の中和を行なう。
【0048】
なお、このようなめっき前処理においては、予め施した脱泡処理で使用したアニオン系界面活性剤がメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に十分な水濡れ性を与えていることから、非貫通孔6b内は上記のような各めっき前処理液で完全に満たされるため、メタライズ導体7を乾燥させない限り、めっき前処理中に非貫通孔6bの内部に再び気泡が発生することは無い。また、めっき前処理としては、上記の電解脱脂洗浄と酸洗浄以外にも、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7のめっき付き回り性を向上させるために、例えば、メタライズ導体7に含有されているガラス成分に対して、フッ化物等を主成分とするエッチング液を用いてガラスエッチング等の他のめっき前処理を行なってもよい。
【0049】
次に、このセラミック母基板1を硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、これらメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7にニッケルめっき金属層8を被着形成する。
【0050】
なお、下地めっき金属層としてのニッケルめっき金属層8は、その厚みが0.5μm未満となるとメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を金めっき金属層9で被覆することが困難となり、その結果としてボンディングワイヤを強固に接合させることができなくなったり、また半田の接合強度が低下するといった不具合を生じる可能性がある。
【0051】
また、ニッケルめっき金属層8は、その厚みが15μmを超えるとメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に電解めっき法もしくは無電解めっき法によりニッケルめっき金属層8を被着させる際、ニッケルめっき金属層8の内部に大きな応力が内在してしまい、小さな外力の印加によってもニッケルめっき金属層8がメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7から剥離してしまう等の危険性がある。
【0052】
従って、ニッケルめっき金属層8は、その厚みを0.5〜15μmの範囲としておくことが好ましい。
【0053】
一方、ニッケルめっき金属層8の表面には金めっき金属層9が被着形成されており、この金めっき金属層9はニッケルめっき金属層8の酸化腐食を有効に防止するとともに、メタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に対するボンディングワイヤや半田の接合強度を強固なものとなす機能を有する。例えば、電解めっき法を採用することによって、具体的にはニッケルめっき金属層8が表面に被着されたメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7を有するセラミック母基板1が乾燥状態であれば、再びアニオン界面活性剤により表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより非貫通孔6b内の気泡を完全に除去した後、シアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液中に浸漬するとともに所定のめっき用電力をめっき用治具等を介してメタライズ配線導体5およびメタライズ導体7に供給することにより、ニッケルめっき金属層8上に金めっき金属層9を被着形成する。
【0054】
なお、金めっき金属層9は、その厚みが0.1μm未満となると、ボンディングワイヤを金属拡散によって接合させる際に、拡散金属の絶対量が少なくなってボンディングワイヤの接合強度が低下するといった不具合を生じる可能性があるため、その厚みは0.1μm以上としておくことが好ましく、経済性を考慮すると0.1〜3μmの範囲としておくことが好ましい。
【0055】
メタライズ導体7に被着するめっき金属層としては、以上のニッケルめっき金属層8および金めっき金属層9の他にも、メタライズ導体7のボンディング性や半田濡れ性を確保するための下地めっき金属層として、ニッケル−リン合金・ニッケル−ホウ素合金等のニッケル合金めっきや、銅・コバルトもしくはこれらを主成分とする合金の少なくとも1種から成るめっき金属層等が使用できる。さらに、下地めっき金属層の表面に被着される表層めっき金属層としては、メタライズ導体7および下地めっき金属層の酸化や腐食を防止する特性を有するめっき金属層として、例えば、金・パラジウム・白金もしくはこれらを主成分とする合金の少なくとも1種から成るめっき金属層等を使用することができる。
【0056】
また、前述のように、メタライズ導体7はタングステンやモリブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成るものであり、これらメタライズ導体7の材料や搭載される電子部品との接合方法等に応じて、以上のめっき金属層を多層または単層で被着してもよい。
【0057】
次に、ニッケルめっき金属層8および金めっき金属層9が形成されたセラミック母基板1を、高級アルコール硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤を適量添加してその表面張力を300〜600μN/cmに調整した水溶液中に常温で浸漬しながら超音波発生器によって25〜100kHzの超音波を10秒〜10分間印加することにより、非貫通孔6b内の残留めっき液を除去する洗浄処理を施す。このような洗浄処理を施すことにより、残留めっき液をこの水溶液と容易にかつ十分に置換することができるので、非貫通孔6b内の残留めっき液を完全に除去することができる。
【0058】
なお、高級アルコール硫酸エステル等のアニオン系界面活性剤の表面張力を300μN/cm未満と低いものとすると、非貫通孔6b内の残留めっき液を除去する効果については支障はないが、アニオン系界面活性剤を過剰に添加してしまうこととなるため金めっき金属層9の表面にアニオン系界面活性剤が吸着しやすくなり、低い温度での分解が困難になる。また、セラミック母基板1をアニオン系界面活性剤が添加された水溶液に浸漬しながら超音波を印加した際に、水溶液の表面に泡立ちが生じ、これがセラミック母基板1の表面に付着することから、これを洗浄するために水洗を強化する必要性が生じる等の不具合が発生する。さらに、アニオン系界面活性剤の表面張力低下効果は、200〜300μN/cm程度が限界であり、これ以上表面張力を下げることは極めて困難であり、現実性に乏しい。また、600μN/cmを超えて高くすると、超音波を印加した際のキャビテーションの発生を抑制する効果が低下することから、非貫通孔6bの内部においても新たな気泡が発生しやすくなり、非貫通孔6bの内部から残留めっき液を完全に除去することが困難となる。
【0059】
従って、アニオン系界面活性剤の表面張力は、300〜600μN/cmとしておくことが必要である。
【0060】
なお、アニオン系界面活性剤としては、上記の高級アルコール硫酸エステルの他に、アルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸等が使用できる。中でも、高級アルコール硫酸エステルを使用すると、水に対する溶解度が高いことから非貫通孔6bの内部への浸透性がより高いため、非貫通孔6bの内部からの残留めっき液の置換除去がより容易となることから、好ましいものとなる。
【0061】
また、水溶液に浸漬しながら印加する超音波は、その振動数としては、非貫通孔6bからの残留めっき液の置換除去を促進するという観点では25kHz以上が好ましく、非貫通孔6b内でのキャビテーションの発生を抑制するという観点からは100kHz以下が望ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
<実施例1>
酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁体となるセラミックグリーンシート上に、タングステンのペーストをスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布し、セラミックグリーンシートとタングステンペーストとを同時焼成して、酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁体にタングステンメタライズから成る配線導体を形成した50mm角のセラミック母基板を作製した。このセラミック母基板の上面には、縦横3列で合計9個の14mm角の配線基板領域を分割線によって区画し、各配線基板領域の各辺の下面側に直径が0.3mmで深さが1.0mmの非貫通孔を0.7mmの間隔で12個形成し、セラミック母基板の下面の全体としては288個の非貫通孔を形成した。なお、非貫通孔の内周にはタングステンメタライズ導体を形成した。
【0064】
次に、純水に高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を表1に示すように設定した水溶液中に、電解めっき用治具に固定したセラミック母基板を常温で浸漬し、超音波発生器によって45kHzの超音波を30秒間印加して非貫通孔内部の脱泡処理を行なった後、水道水で水洗した。
【0065】
次に、脱泡処理を施したセラミック母基板にめっき前処理を施した。めっき前処理としては、まず、セラミック母基板を液温60℃に温度調節された電解脱脂液に電解めっき用治具を介して5Vの定電圧を印加しつつ2分間浸漬して脱脂処理を行なった。この脱脂液は、水酸化ナトリウム・ケイ酸ナトリウム・リン酸ナトリウム等のアルカリ塩と界面活性剤とを主成分とし、絶縁基体およびメタライズ導体の表面に付着している油脂等の汚れを除去するものである。この脱脂処理の後、水道水にて水洗した。次いで、10%塩酸に常温で1分間浸漬することにより、タングステンメタライズ導体の表面の酸化皮膜を取り除き、最後に純水にて水洗した。
【0066】
次に、前処理を施したセラミック母基板に電解ニッケルめっきおよび電解金めっきを施した。まず、タングステンメタライズ導体とめっき金属層との密着性を良好とするために、塩化ニッケルおよび塩酸を主成分としたニッケルストライクめっき液にセラミック母基板を浸漬し、常温で5A/dm2の電流密度を印加しながら5分間のニッケルストライクめっきを施した後、純水で水洗を行なった。次いで、硫酸ニッケル・塩化ニッケル・ホウ酸から成る電解ニッケルめっき液にセラミック母基板を浸漬し、液温60℃で1.0A/dm2の電流密度を印加しながら25分間の条件で5μmのニッケルめっき金属層を形成し、純水にて水洗を行なった。
【0067】
さらに、ニッケルめっき金属層が被着されたセラミック母基板を、シアン化金カリウム・クエン酸三カリウムを主成分とする金ストライクめっき液に、常温で2.5Vの定電圧を印加しつつ1分間浸漬し、純水にて水洗を行なった。なお、この金ストライクめっきはニッケルめっき金属層が電解金めっき液によって腐食されることを防止するために施すものである。次いで、シアン化金カリウム・シアン化カリウム・クエン酸三カリウム・リン酸二水素カリウム・硫酸アンモニウム・硫酸タリウムから成る電解金めっき液にセラミック母基板を浸漬し、液温60℃で0.1A/dm2の電流密度を印加しながら13分間の条件で厚み0.5μmの金めっき金属層を形成した。
【0068】
次に、後処理として純水に高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を表1に示すように設定した水溶液中に、電解めっき用治具に固定したセラミック母基板を常温で浸漬し、超音波発生器によって45kHzの超音波を30秒間印加して非貫通孔内部の洗浄処理を行なった後、水道水で水洗し、最後に80℃のオーブンにて乾燥した。
【0069】
上記の方法でニッケルめっき金属層と金めっき金属層を形成したセラミック母基板を分割線に沿って各配線基板領域毎に分割し、その側面に露出した側面端子電極、すなわち非貫通孔内周のめっき金属層のめっき欠け発生率、光沢性およびめっき液残留物の有無を、肉眼および10〜100倍の実体顕微鏡で観察することによって評価した。
【0070】
その結果を表1に示す。ここで、めっき欠け発生率は全側面端子電極数に対するめっき欠けが発生した側面端子電極数の割合(単位:%)を示す。また光沢性の評価において、○は金属光沢があり良好な表面状態を有することを示し、△は金属光沢が若干低下した半光沢の表面状態を有することを示し、×は無光沢でザラツキが発生している表面状態を有することを示す。また、めっき液残留物の有無の評価において、○はめっき液残留物がなく良好な表面状態を有することを示し、×はめっき液残留物が部分的に付着している表面状態を有することを示す。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示す結果から分かるように、めっき欠け発生率については、表面張力が600μN/cm以下では0%であり、めっき欠けは発生しなかった。一方、光沢性については、300μN/cm未満で光沢性が損なわれ、めっき金属層の表面にザラツキが発生した。また、めっき液残留物の有無については、650μN/cmおよび700μN/cmでは部分的にめっき液が残留していたが、600μN/cm以下ではめっき液の残留は無かった。
【0073】
<実施例2>
実施例1と同様のセラミック母基板を用い、脱泡処理および洗浄処理において、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液を用い、印加する超音波の周波数を25・45・100kHzに設定した。また、超音波の印加時間はそれぞれ30秒とした。そして、前処理、めっき処理および洗浄処理ならびに評価を実施例1と同様としたときの結果を表2に示す。ここで、脱泡処理における水溶液を純水(表面張力720μN/cm)としたものを比較例とした。
【0074】
【表2】
【0075】
表2に示す結果から分かるように、比較例とした脱泡処理および洗浄処理の水溶液を純水とした場合は、どの周波数の超音波を印加しても全てめっき欠けが発生したのに対して、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液の場合には、いずれの周波数の超音波を印加してもめっき欠けは発生せず、良好なめっき金属層が得られた。また、めっき液残留物の有無については、比較例とした脱泡処理および洗浄処理の水溶液を純水とした場合は、どの周波数の超音波を印加しても全てめっき液が残留していたのに対して、高級アルコール硫酸エステルを添加してその表面張力を400μN/cmに調整した水溶液の場合には、いずれの周波数の超音波を印加してもめっき液の残留は無かった。
【0076】
<実施例3>
実施例1と同様のセラミック母基板を用い、脱泡処理および洗浄処理において添加するアニオン系界面活性剤をアルキルアリル硫酸・アルキル硫酸・エステル硫酸とし、それぞれの表面張力を表3に示すように設定して、45kHzの超音波を30秒間印加した。そして、前処理、めっき処理および洗浄処理ならびに評価を実施例1と同様としたときの結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
表3に示す結果から分かるように、いずれのアニオン系界面活性剤を用いても、表面張力が600μN/cm以下ではめっき欠け発生率は0%であり、めっき欠けは発生しなかった。また、光沢性については、300μN/cm未満で光沢性が損なわれ、めっき金属層の表面にザラツキが発生した。また、めっき液残留物の有無については、650μN/cmおよび700μN/cmでは部分的にめっき液が残留していたが、600μN/cm以下ではめっき液の残留は無かった。
【0079】
なお、本発明の多数個取り配線基板の製造方法は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では本発明の多数個取り配線基板の製造方法を、電子部品搭載用の配線基板に適用したが、混成集積回路基板等の他の用途の配線基板に適用してもよいことは言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】
本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、非貫通孔の内部の空気との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低い水溶液で満たされるため超音波振動による脱泡作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から気泡を完全に除去することができる。
【0081】
さらに、アニオン系界面活性剤は、引き続き行なわれる脱脂・酸洗浄等のめっき前処理に使用されるめっき前処理液の処理効果を阻害する成分を含有しないため、例えば水洗処理が不十分となってめっき前処理液に混入したとしても、メッキ前処理に不具合を生じることがない。
【0082】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。さらに、めっき金属層の結晶組織や表面形状に悪影響を及ぼさず良好なめっき金属層を得ることができる。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0083】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体に気泡の悪影響を受けることなく十分なめっき前処理を施すことができるため、非貫通孔内のメタライズ導体に欠陥の無い良好なめっき金属層を被着形成することができ、これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0084】
また、本発明の多数個取り配線基板の製造方法によれば、メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、そのセラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、非貫通孔内の洗浄処理を施すことにより、アニオン系界面活性剤を含む水溶液の表面張力が低く、セラミック母基板に形成され内部にメタライズ導体およびめっき金属層が被着された非貫通孔内への高い浸透性を持つため、めっき処理後に非貫通孔の内部に残留する残留めっき液とこの水溶液との置換を容易に行なうことができ、かつ非貫通孔内が表面張力が低いこの水溶液で満たされるため超音波振動による液置換作用を促進することができるので、非貫通孔の内部から残留めっき液を完全に除去することができる。
【0085】
さらに、アニオン系界面活性剤は、比較的低い温度で分解するため、例えばこの洗浄処理工程後の水洗処理が不十分となったまま製品を乾燥したとしても、メタライズ導体上のめっき金属層に対するワイヤボンディング特性や半田接続信頼性に不具合を生じることがない。
【0086】
また、アニオン系界面活性剤を添加することによって水溶液の表面張力を300〜600μN/cmと調整したことから、水溶液の流動性が高くなりキャビテーションにより発生した気泡の消失が促進されるため、非貫通孔の内部に新たに気泡が発生することがない。また、アニオン系界面活性剤の起泡性による水溶液の表面の泡立ちが抑制されるので、通常の水洗法で十分なセラミック母基板の洗浄ができる。
【0087】
その結果、非貫通孔の内周面に被着形成されたメタライズ導体にめっき金属層を被着した後に、その非貫通孔内に気泡の悪影響を受けることなく十分な洗浄処理を施すことができるため、非貫通孔内にめっき液が残留することがなくなり、これにより、ワイヤボンディング特性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板を得ることができる。
【0088】
以上により、本発明によれば、非貫通孔内に残留した気泡を効率的に除去した後に所定の前処理を行なうことによって貫通孔内のメタライズ導体にめっき金属層を良好に被着形成することができる。さらに、めっき処理後の洗浄処理により非貫通孔内に残留しためっき液を効率的に除去できる。これにより、メタライズ配線導体および非貫通孔内のメタライズ導体の酸化腐食が有効に防止される、ボンディングワイヤ性や半田接続信頼性の良好な多数個取り配線基板が得られる多数個取り配線基板の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す多数個取り配線基板の要部拡大断面図である。
【図3】従来の多数個取り配線基板の例を示す斜視図である
【符号の説明】
1・・・・セラミック母基板
2・・・・配線基板領域
3・・・・分割線
4・・・・凹部
5・・・・メタライズ配線導体
6a・・・・貫通孔
6b・・・・非貫通孔
7・・・・メタライズ導体
8・・・・ニッケルめっき金属層
9・・・・金めっき金属層
Claims (2)
- セラミック基板の上面に、上面側に電子部品の搭載部を有し、各々が前記セラミック基板の上面および/または下面に形成された分割線で区画された多数個の配線基板領域を縦横の並びに配列形成するとともに、前記分割線上に各々の前記配線基板領域に対応させて内周面にメタライズ導体が被着された非貫通孔を形成してセラミック母基板とする工程と、
該セラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から気泡を除去して、前記非貫通孔内の脱泡処理を施す工程と、
該脱泡処理が施された前記セラミック母基板をめっき前処理液に浸漬して前記メタライズ導体にめっき前処理を施す工程と、
該めっき前処理が施された前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程と
から成ることを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記メタライズ導体にめっき金属層を被着する工程の後に、前記セラミック母基板を、アニオン系界面活性剤を添加することによって表面張力を300〜600μN/cmとした水溶液中に浸漬しながら超音波を印加することにより前記貫通孔の内部から残留めっき液を除去して、前記非貫通孔内の洗浄処理を施す工程を有することを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板の製造方法。
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