JP6098118B2 - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板およびその製造方法に関する。
プリント配線板は、電子部品や半導体素子等を実装するために広く用いられている。そして、近年の電子機器の小型化、高機能化の要求に伴い、プリント配線板には、回路の高密度化や薄型化や高周波対応が望まれている。
高密度なプリント配線板を製造する方法として、ビルドアップ法を用いた多層ビルドアップ配線板が知られている。その製造方法は、絶縁基板上に配線層を形成したコア層の上に絶縁層を形成し、さらにその上に配線層を形成し、さらに絶縁層を形成するという工程を繰り返すことにより、多層プリント配線板を形成するものである。
多層ビルドアップ配線板を例に挙げて、従来のプリント配線板の製造方法を図面に基づいて説明する。図3は、従来のプリント配線板の製造方法で得られる多層ビルドアップ配線板の製造工程の一例を示す模式断面図である。
まず、一般的にコア層と呼ばれている多層ビルドアップ配線板のベースとなる層について説明する。ガラスエポキシ基板等のリジット材料からなる絶縁基板をベースとした両面銅張基板21にドリルやレーザーを用いて貫通孔22を形成し、高圧洗浄や過マンガン酸塩浴に浸漬することで、孔内の樹脂残渣を除去する。次に、無電解銅めっき後、電解銅めっき層23を形成し、基板表面および貫通孔内に銅膜を形成する(図3(a)参照)。銅膜で被覆された貫通孔22をスクリーン印刷にて孔埋めインク24で埋め込んだ後、表面にはみ出した余分な樹脂をバフ等の研磨で除去する。図では、貫通孔22と孔埋めインク24とが引き出し線により同一領域を示しているが、空孔とその空孔を埋める物質とをそれぞれ表している。
次に、図3(b)のように、感光性のレジストを基板全面に塗布した後、フォトリソグラフィーによりレジストパターン25を形成する。
次に、図3(c)のように、塩化第二銅液などのエッチング液を用いてレジストパターンで被覆されていない銅膜部を除去し、レジストを剥離することで第一配線層26を形成する。一般に、ここまでの工程で構成されるものをコア層27と呼ぶ。
次に、コア層の上下層に形成するビルドアップ層について説明する。コア層の配線層表面を粗化処理した後に、図3(d)のように、シート状の絶縁樹脂を粘着し、絶縁層28を形成する。なお、絶縁層の形成にあたってはシート状の樹脂を粘着する方法が均一な厚さの樹脂層を簡易に形成できる観点から好ましいが、液状の樹脂を塗布する方法でもよい。絶縁層28の材料としてはエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等が用いられる。
次に、絶縁樹脂表面から第一配線層26の特定のランドに到達するビア穴29をレーザー照射にて形成する。レーザーとしてはUVレーザー、炭酸ガスレーザーやエキシマレーザー等のレーザーが用いられる。そして過マンガン酸塩浴に浸漬することによって、樹脂表面の粗面化と穴内の洗浄を行なう。なお、この穴は上下の配線層を電気的に接続するためのビアとなるため、穴の寸法、形状が高密度化と高信頼性の観点から重要である。
次に、ビルドアップ層の配線層形成について説明する。配線層の形成方法としてはエッ
チングで配線パターンを形成するサブトラクティブ法とめっきで配線パターンを形成するアディティブ法に分かれる。さらにアディティブ法は無電解めっきのみで配線パターンを形成するフルアディティブ法と電解めっきで配線パターンを形成するセミアディティブ法に分かれる。高密度基板にはセミアディティブ法が一般的に適用されているため、セミアディティブ法について説明する。
図3(e)のように絶縁樹脂表面及び穴内を過マンガン酸塩浴により粗化処理と、洗浄のためのデスミア処理をした後、無電解銅めっき層30を形成する。これは絶縁層に導電性を付与し、電解銅めっきを可能とするために行なうものである。次に、感光性レジストを基板全面に塗布する。感光性レジストには厚みの均一性に優れているドライフィルムタイプを用いることが多い。そしてフォトリソグラフィーによりレジストパターン31を形成する。そして電解めっきによりレジストパターンで被覆されていない部分に電解銅めっき層32を形成し、配線パターンを形成するとともに、上下層間の電気的接続をとるために空けたビア穴29へもめっきを行なうことでビア33が形成される。
なお、ビアは穴壁をめっきで被覆したコンフォーマルビアと、穴内を全てめっきで充填したフィルドビアがある。これはめっき液の組成と添加剤を選定することで使い分けることが可能である。近年は、高密度化に有利なスタックビア構造を取るために、フィルドビアを用いることが多い。なお、フィルドビアは前述のように穴をめっきで埋め込む以外に導電性ペーストで埋め込む方法もある。なお、本事例では、めっきで埋め込んだフィルドビア構造を図示した。
次に、図3(f)のように、レジストパターンをNaOHなどのアルカリ水溶液で剥離した後、露出した表面の無電解銅めっき層30の皮膜を過酸化水素/硫酸系などの水溶液で溶解除去して配線パターン間の絶縁性を与えることにより、第二配線層34が形成される。
次に、第二配線層34の表面層と上層に被覆する予定の絶縁層との密着性を上げるために、第二配線層34の表面に粗化処理を行う。
上述のように、絶縁層と配線層を順次繰り返す構成を設けることで、多層配線層が形成される。最外層の配線層上にソルダーレジスト膜を形成し、ソルダーレジスト膜から露出した配線部にニッケル、金めっき、半田などの必要な表面処理を施し、多層ビルドアップ配線板となる。
コアの配線層や第二配線層34の表面の粗化方法として、マイクロエッチング法が挙げられる。マイクロエッチング法としては、例えば硫酸・過酸化水素タイプエッチング剤、過硫酸塩タイプエッチング剤、塩化銅タイプエッチング剤、塩化鉄タイプエッチング剤、硝酸タイプエッチング剤、有機酸タイプエッチング剤等を用いる方法が挙げられる。
マイクロエッチング法での粗化では、粗化後の配線層表面は凹凸形状になる。特許文献1によれば、マイクロエッチング法での粗化の代替技術として、配線層表面にスズ層を形成し、シランカップリング剤で処理をする技術を提案している。これは、第二配線層34表面層と絶縁層を化学的に結合させ密着性をあげる技術である。この技術を用いれば、配線層表面を平滑にした状態で、上層に被覆する絶縁層との密着性を良好にすることができる。
特開2011−228632号公報
配線層表面に粗化処理を施すことにより、上層に被覆する絶縁層との密着性を良好にすることができるものの、粗化後の配線層表面または絶縁層表面に凹凸形状を発生させるため、前述の特許文献1のような改善が行われた。しかし、多層プリント配線板の各配線層表面に錫層をめっきで形成し、シランカップリング剤による処理を施すことは、従来のマイクロエッチング法による粗化処理に較べて、製造工程が長くなりコストが高くなる。一方、配線層表面の凹凸形状が悪影響を及ぼす主な現象は、高周波信号に対する表皮効果により信号の伝送遅延が発生することである。従って、多層プリント配線板の各配線層がその上層に被覆する絶縁層との密着性を良好に保つことは信頼性を保つ上で必要であるが、コスト高の製法による配線層表面の平滑性の維持をどの程度実現すべきかには、疑問が残り、不明である。
本発明は、前記の問題点に鑑みて提案するものであり、本発明が解決しようとする課題は、多層プリント配線板において、各配線層がその上層に被覆する絶縁層との密着性を良好に保ちつつ、高周波信号に対する伝送遅延が発生することのない多層プリント配線板を低コストで提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、絶縁基板上にグランド層または電源層と、シグナル層とを含む複数の配線層が絶縁層を介して形成されており、配線層間がビアにて電気的に接続されてなる多層プリント配線板において、グランド層または電源層として使用される配線層においては、絶縁基板に近い側から順に無電解銅めっきで形成される第一金属皮膜と、電解銅めっきで形成される第二金属皮膜が積層された後、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液で配線層表面が粗化されており、シグナル層として使用される配線層においては、絶縁基板に近い側から順に無電解銅めっきで形成される第一金属皮膜と、電解銅めっきで形成される第二金属皮膜と、絶縁層への拡散速度が銅よりも遅い金属からなる第三金属皮膜と、が積層された後にシランカップリング剤により防錆皮膜を形成されていることを特徴とする多層プリント配線板である。
また、請求項2に記載の発明は、第三金属被膜が錫、金、銀、銅から選ばれた少なくとも1種を含むめっき金属皮膜であることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、絶縁層にビア穴を形成する工程と、絶縁層の表面全体およびビア穴に第一金属皮膜を形成する工程と、レジスト被膜を形成する工程とレジスト被膜を露光、現像する工程と、レジスト被膜現像後に露出する第一金属皮膜上に第二金属皮膜を形成する工程と、レジスト被膜を除去する工程と、レジスト被膜除去後に露出する第一金属皮膜を過酸化水素/硫酸系水溶液でエッチング除去する工程からなるセミアディティブ工法を実施した後、グランド層または電源層として使用する配線層においては、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液で配線層表面の粗化処理を行い、シグナル層として使用する配線層においては、中間形成された配線層上に設ける第三金属皮膜を形成後にシランカップリング剤により防錆皮膜を形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
本発明は、絶縁基板上にグランド層または電源層と、シグナル層とを含む複数の配線層が絶縁層を介して形成されており、配線層間がビアにて電気的に接続されてなる多層プリント配線板において、配線層が複数の金属皮膜の積層からなり、グランド層または電源層として使用する配線層においては、絶縁基板に近い側から順に第一金属皮膜と第二金属皮膜の積層からなり、配線層の表面が粗面を構成し、シグナル層として使用する配線層においては、絶縁基板に近い側から順に第一金属皮膜と第二金属皮膜と第三金属皮膜の積層からなり、配線層の表面がグランド層または電源層の場合より平坦な表面を構成することを特徴とする多層プリント配線板であるので、各配線層の機能によって配線層と絶縁層の密着方法の使い分けが可能になり、
各配線層がその上層に被覆する絶縁層との密着性を良好に保ちつつ、高周波信号に対する伝送遅延が発生することのない多層プリント配線板を低コストで提供することができる。
本発明に関する多層プリント配線板の一例として、多層ビルドアップ配線板のシグナル層の製造工程の前半部の例を工程順に示す模式断面図である。 本発明に関する多層プリント配線板の一例として、多層ビルドアップ配線板のシグナル層の製造工程の後半部の例を工程順に示す模式断面図である。 従来のプリント配線板の製造方法で得られる多層ビルドアップ配線板の製造工程の一例を工程順に示す模式断面図である。 本発明に関する多層プリント配線板の一例として、多層ビルドアップ配線板のグランド層、または電源層の製造工程の一例を工程順に示す模式断面図である。 本実施例における多層ビルドアップ配線板の構成の一例を示す模式断面図である。
以下、図面に従って、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明に関する多層プリント配線板の一例として、多層ビルドアップ配線板のシグナル層の製造工程の前半部の例を工程順に示す模式断面図であり、図2は、その後半部の例を工程順に示す模式断面図である。
本発明の実施の形態の特徴は、多層プリント配線板の配線層の内、シグナル層とグランド層または電源層とで、配線層と絶縁層との密着方法を別にすることにあるので、シグナル層とグランド層または電源層との2つの場合に分けて説明をする。最初に、配線層がシグナル層の場合の形態について説明する。
図1(a)のように、コア基板が絶縁基板1であり、絶縁基板1上に、第一配線層2とそれを覆う絶縁層3を有する場合について説明する。なお、コア基板をスルーホールが形成されたコア基板の両面に複数の配線層が絶縁層を介して形成されている多層ビルドアップ配線板に置き換えることが可能である。絶縁基板1としてはリジット基板、フレキシブル基板、テープ状のいずれでも良い。絶縁層3としては、絶縁性を有すれば特に限定するものではなく、液状又はシート状の絶縁性樹脂が挙げられる。例えば、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の熱硬化性樹脂がある。
次に図1(b)のように、絶縁層3にビア穴4をレーザーにて開ける。レーザーとしてはUVレーザー、炭酸ガスレーザーやエキシマレーザー等が挙げられる。ビア穴を開けた際に、ビア内に樹脂残りとしてのスミア5が発生する。
次に図1(c)のように、ビア内のスミア5の除去をする。スミア5の除去方法としては、スミア5を溶解可能な溶液に浸漬して除去する方法等が挙げられる。例えば、スプレーや浸漬をして、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液を、絶縁層3に接触させる方法が挙げられる。
次に図1(d)のように、絶縁層3の表面全体およびビア穴4にめっき触媒6を付与する。めっき触媒6は、銅やニッケル等の無電解めっきの触媒として働くものであれば、特に限定するものではない。めっき触媒6の周囲に金属を析出することによりめっき触媒6間を接続して絶縁部に金属皮膜を形成するものや、絶縁部に沈着することにより絶縁部に導電性を与え、その導電性を用いて絶縁部に金属皮膜を形成する、一般にダイレクトプレーティング(直接めっき)と呼ばれる方法に用いられる導電性を有するものが挙げられる。例えばパラジウムを含有するものや、パラジウム及びスズを含有するものや、カーボン、グラファイト等の炭素を含有するものや、銅の錯体を含有するものや、導電性ポリマーを含有するもの等が挙げられる。
次に図1(e)のように、絶縁層3の表面全体およびビア穴4に第一金属皮膜7を形成する。第一金属皮膜7は、表面全体およびビア穴に対して十分に形成されていて絶縁層3が露出せず、なおかつ、後工程で部分的にエッチング除去するため、できるだけ薄い厚みが好ましい。例えば、第一金属皮膜7の形成方法は、無電解めっき、スパッタ法等が挙げられる。この第一金属皮膜7としては、後の工程でのエッチングの容易性および導電性が優れる必要があるために銅が好ましい。
次に図1(f)のように、第一金属皮膜7の表面上にレジスト被膜8をパターン形成して、後工程で設ける回路およびビア9の形成を予定する部分を除く部分を被覆する。
レジスト被膜8としては、図1(g)のように第二金属皮膜10を形成するめっき液に耐え、このめっきを行ったときに、その表面に第二金属皮膜10が形成されにくいものであれば特に限定するものではなく、例えば、液状の感光性樹脂又はシート状の感光性フィルム等が挙げられる。第一金属皮膜7上にレジスト被膜を塗布またはドライフィルムラミネートにより形成し、レジスト被膜を選択的に露光、現像して、第一金属皮膜表面の必要領域を露出することができる。
次に図1(g)のように、第一金属皮膜7の表面が露出する部分の表面に、第二金属皮膜10を形成する。例えば、第二金属皮膜10の形成方法は、電解めっき、無電解めっき等が挙げられる。なお、このとき形成する第二金属皮膜10の厚みは、レジスト被膜8の厚みより薄くする必要がある。これは、図2(h)のようにレジスト被膜8を除去する際に、第二金属皮膜10の厚みがレジスト被膜8の厚みより厚いとレジスト被膜8が除去されにくいためである。また、第二金属皮膜10は、配線層の導電性の主要構成部分であり、エッチング除去工程を一般的に伴わず、ビア9を埋めて配線層間の接続に寄与するため、第一金属皮膜7より厚く、銅により構成されることが好ましい。
次に図2(h)のように、レジスト被膜8を除去する。例えば、レジスト被膜8を除去する除去液は、アルカリ又は溶剤型の剥離液等が挙げられる。
次に図2(i)のように、レジスト被膜8除去後に露出する第一金属皮膜7の部分をエッチング除去する。露出した第一金属皮膜の部分は、第二金属皮膜形成によりその役割を終え、配線パターン間の絶縁性を付与するために既に不要部となっているからである。この第一金属皮膜7をエッチングして不要部を除去する方法としては、第一金属皮膜7を溶解可能な溶液に浸漬する方法等が挙げられる。例えば、スプレーや浸漬をして、過酸化水素/硫酸系などの水溶液を、第一金属皮膜7に接触させる方法が挙げられる。
次に図2(j)のように、絶縁層3の表面に残留するめっき触媒6を除去して第二配線層11を形成する。このように絶縁層3の表面に残留するめっき触媒6を除去すると、回路間の絶縁性が向上するため、特に信頼性が優れたプリント配線板となり好ましい。この絶縁層3の表面に残留するめっき触媒6を除去する方法としては、めっき触媒6を溶解可能な溶液に浸漬して除去する方法等が挙げられる。例えば、スプレーや浸漬をして、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液を、絶縁層3に接触させる方法が挙げられる。
次に図(k)のように、第二配線層11表面に第三金属皮膜12を形成する。第三金属皮膜は導体層を構成するので第三金属皮膜12の表面および側面にめっき触媒が残渣として残る危険性を下げる必要がある。そのために、第三金属皮膜12は、触媒を使用せずにめっき金属皮膜を形成できる錫、金、銀、銅から選ばれた少なくとも1種を含むめっき金属皮膜であることが好ましい。また、第二配線層11が銅である場合、第三金属皮膜12としては第三金属皮膜12表面に形成する絶縁層への拡散速度が銅よりも遅い金属であることが好ましい。例えば、スズおよび銅スズ合金等により合金形成置換めっき法により形成する方法が挙げられる。なお、第三金属皮膜12の過剰皮膜部分を選択的に剥離しても良い。剥離液として、硝酸が挙げられる。
次に図(l)のように、第三金属皮膜12表面に防錆皮膜13を付与する。防錆皮膜13は、第三金属皮膜12表面に樹脂絶縁層を形成する場合に、防錆皮膜13の成分と樹脂絶縁層の成分とを化学的に結合させることで、第三金属皮膜と樹脂絶縁層との密着力を向上することを目的としている。例えば、防錆皮膜13としてシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、ビニル系、エポキシ系、アミノ系などがあり、絶縁層の種類や性質に応じて適宜選択することができる。シランカップリング剤による防錆皮膜処理は、パターン表面の凹凸が大きくならないので、高周波信号に対する伝送遅延が発生することなく、電気抵抗値がばらつきにくくなる。よって、電気特性の向上を達成しやすくなるという利点がある。
次に、配線層がグランド層または電源層の場合の形態について説明する。なお、シグナル層であっても、粗化後の配線層表面の凹凸形状が高周波に対して問題としない配線幅や
配線レイアウトの層であれば、グランド層または電源層と同様の形態でも良い。
図4は、本発明に関する多層プリント配線板の一例として、多層ビルドアップ配線板のグランド層、または電源層の製造工程の一例を工程順に示す模式断面図である。
図4(a)は、図2(j)と同様の状態を示している。図1(a)〜図2(j)までの、第二配線層11を形成してめっき触媒6を除去するまでは、前述のシグナル層形成の工程と同一の工程を辿る。すなわち、絶縁基板1上の第一配線層2上に絶縁層3を介して、ビア9による層間接続可能な第二配線層11が第一金属皮膜7と第二金属皮膜10との積層で形成されている。
次に図4(b)のように、第二配線層11に粗化処理を行い、粗化第二配線層14を形成する。粗化第二配線層14の表面には、凹凸形状が見られ、この後に被覆する予定の絶縁層との密着性が高くすることができる。粗化方法としては、マイクロエッチング法が挙げられる。マイクロエッチング法としては、例えば硫酸・過酸化水素タイプエッチング剤、過硫酸塩タイプエッチング剤、塩化銅タイプエッチング剤、塩化鉄タイプエッチング剤、硝酸タイプエッチング剤、有機酸タイプエッチング剤等を用いる方法が挙げられる。特に、有機酸タイプエッチング剤を用いると、配線層の表面に適切な凹凸形状を有する粗化処理が可能であるだけでなく、ビア9等の配線板内部の微細構造に液が浸透して緩慢に腐食するという問題を防止することができるので好ましい。
図5は、本実施例における多層ビルドアップ配線板の構成の一例を示す模式断面図である。第一配線層41および第三配線層43をグランド層、第二配線層42をシグナル層とした。図5に示すように第一配線層41、第二配線層42、第三配線層43とし、配線層間を、図1(a)のようにフィルム状の絶縁樹脂をラミネートし、35um厚の絶縁層3を形成した。次に、図1の(b)のように、絶縁層にUVレーザーにてφ60μmのビア穴4を形成し、図1の(c)のように、過マンガン酸カリウム溶液でスミア5を除去した。次に図1(d)のように無電解めっき触媒6を付与し、図1(e)のように、無電解銅めっきにて無電解銅めっき層1.0μmの厚さに形成した。次に図1(f)のように、無電解銅めっき層の表面に25μm厚のドライフイルムレジストを被覆し、露光、現像により、レジストパターンを形成した。次に図1(g)のように、硫酸銅浴を用いて電解銅めっきを施し、厚さが15μmの電解銅めっき層を形成して配線パターンおよびビアを形成した。次に図1(h)のように、レジストを剥離し、図1(i)のように、過酸化水素/硫酸系エッチング液を用いて無電解銅めっき層をエッチング除去した。次に図1(j)のように、過マンガン酸カリウム溶液で無電解めっき触媒を除去した。第一配線層41、第三配線層43のグランド層は、図3や図4(b)に示すように有機酸タイプエッチング剤を用いて粗化を行った。第二配線42は、図1(k)、(l)のように、配線層表面に合金形成置換スズめっき法にて銅スズ合金を形成し、過剰なスズ層を硝酸にて剥離し、シランカップリング剤を付与した。
<比較例1>
図5に示す第一配線層41、第二配線層42、第三配線層43を図1(a)〜図2(j)に関しては実施例1と同様に実施した。第一配線層41、第二配線層42、第三配線43は、いずれも図1(k)、(l)のように、配線層表面に合金形成置換スズめっき法にて銅スズ合金を形成し、過剰なスズ層を硝酸にて剥離し、シランカップリング剤を付与した。
<比較例2>
図5に示す第一配線層41、第二配線層42、第三配線層43を図1(a)〜図2(j)
に関しては実施例1と同様に実施した。第一配線層41、第二配線層42、第三配線43は、いずれも図3や図4(b)に示すように有機酸タイプエッチング剤を用いて粗化を行った。
実施例1および比較例である実施例2、3で得られた多層ビルドアップ配線板にて差動特性インピーダンス、差動透過特性の測定を実施し、結果を表1に示す。表1の結果から分かるように実施例1と2では伝送特性は同様であった。このことから、スズ層を形成後にシランカップリング剤で処理する方法を、シグナル層の配線のみに適用する本発明の場合と、グランド層も含めた全ての層に適用する従来の改良型の場合とで、伝送特性が変わらないことが分かる。
また、実施例1と3では、実施例1の方が伝送特性は良い。このことから、シグナル層の配線のみにスズ層を形成後にシランカップリング剤で処理をする場合の方が、グランド層およびシグナル層をマイクロエッチング法で粗化する場合と比較して伝送特性が良いことが分かる。
以上の結果から、層の特性によって配線層と絶縁層の密着方法の使い分けをすることで、高周波信号に対して有効であるとともに処理コストを抑えることが可能なプリント配線板を得ることが確認できた。
本発明を用いれば、高周波信号に対して有効であるとともに処理コストを抑えることが可能なプリント配線板の提供が可能となる。
1・・・絶縁基板
2・・・第一配線層
3・・・絶縁層
4・・・ビア穴
5・・・スミア
6・・・めっき触媒
7・・・第一金属皮膜
8・・・レジスト被膜
9・・・ビア
10・・・第二金属皮膜
11・・・第二配線層
12・・・第三金属皮膜
13・・・防錆皮膜
14・・・粗化第二配線層
21・・・両面銅張基板
22・・・貫通孔
23・・・電解銅めっき層
24・・・孔埋めインク
25・・・レジストパターン
26・・・第一配線層
27・・・コア層
28・・・絶縁層
29・・・ビア穴
30・・・無電解銅めっき層
31・・・レジストパターン
32・・・電解銅めっき層
33・・・ビア
34・・・第二配線層
41・・・第一配線層(グランド層)
42・・・第二配線層(シグナル層)
43・・・第三配線層(グランド層)

Claims (3)

  1. 絶縁基板上にグランド層または電源層と、シグナル層とを含む複数の配線層が絶縁層を介して形成されており、配線層間がビアにて電気的に接続されてなる多層プリント配線板において、グランド層または電源層として使用される配線層においては、絶縁基板に近い側から順に無電解銅めっきで形成される第一金属皮膜と、電解銅めっきで形成される第二金属皮膜が積層された後、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液で配線層表面が粗化されており、シグナル層として使用される配線層においては、絶縁基板に近い側から順に無電解銅めっきで形成される第一金属皮膜と、電解銅めっきで形成される第二金属皮膜と、絶縁層への拡散速度が銅よりも遅い金属からなる第三金属皮膜と、が積層された後にシランカップリング剤により防錆皮膜を形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 請求項1に記載の多層プリント配線板において、第三金属被膜が錫、金、銀、銅から選ばれた少なくとも1種を含むめっき金属皮膜であることを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 請求項1および請求項2に記載の多層プリント配線板の製造方法であって、絶縁層にビア穴を形成する工程と、絶縁層の表面全体およびビア穴に第一金属皮膜を形成する工程と、ドライフィルムラミネートによりレジスト被膜を形成する工程とレジスト被膜を露光、現像する工程と、レジスト被膜現像後に露出する第一金属皮膜上に第二金属皮膜を形成する工程と、レジスト被膜を除去する工程と、レジスト被膜除去後に露出する第一金属皮膜を過酸化水素/硫酸系水溶液でエッチング除去する工程からなるセミアディティブ工法を実施した後、グランド層または電源層として使用する配線層においては、過マンガン酸カリウム溶液又は過マンガン酸ナトリウム溶液で配線層表面の粗化処理を行い、シグナル層として使用する配線層においては、中間形成された配線層上に設ける第三金属皮膜を形成後にシランカップリング剤により防錆皮膜を形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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