JP2004094419A - 電子ペン用用紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】書面に署名が行われた際に、誰がどのような内容について署名を行ったのかの情報を素早く管理用のコンピュータに送信できるようにし、顧客情報収集のスピードアップを図ることができるようにした電子ペン用用紙を提供する。
【解決手段】インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙であって、前記用紙に、確認内容が表示された署名対象表示部と、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、確認者が署名を記入する署名部と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図6
【解決手段】インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙であって、前記用紙に、確認内容が表示された署名対象表示部と、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、確認者が署名を記入する署名部と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、申込書、契約書、依頼書などを使用して相手との各種内容の取り決めや確認を行うことが一般化されている。
例えば、保険等の申込みを行う際には、保険の内容が記載された申込書(契約書)に申込者が署名を行い、この申込書を保険会社で大切に保管管理している。
そして、これらの申込書をもとにして、誰がどのような保険に加入しているのかをコンピュータの顧客データベースに登録して顧客契約情報の一元的な管理を行うようにしている。
【0003】
これらの顧客契約情報の登録は、通常、契約書などの書類を営業外務員などが会社に持ち帰った後に、端末のキーボードに必要事項を打ち込むなどしてデータ入力を行なったり、これらの書類をデータ入力事務部門に集めた後に取りまとめて入力するなど、事務処理の負荷が高い分野であった。
また、従来は、現物書類の作成不備などのチェックを行った上で入力作業に入るため、現物書類が事務処理部門で入手できてからでないと処理に入れないなど、契約処理のリードタイムを短くするにあたっての大きな障害となっていた。
更に、これらの情報は、契約場所、地域、データ入力設備などの違いにより、契約からデータ入力するまでの時間がまちまちであり、顧客情報の均一な一元管理がしにくいという問題もある。
更に、申込書(契約書)の種類も多種になる場合が多く、一見同じ書類に見えても実は、使用目的、相手により微妙に内容が異なる場合もあり、間違って用いるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、例えば申込書、契約書などのように、書面上に他者との確認内容を表示や記入して、これに当事者である確認者が署名を行うことで、間違いなくその確認内容に関して署名者の確認がされたことを証明しようとする場合において、これらの書面に署名が行われた際に、誰がどのような内容について署名を行ったのかの情報を素早く管理用のコンピュータに送信できるようにし、顧客データベース等に短時間で登録可能とし、顧客情報収集のスピードアップを図ることができるようにした電子ペン用用紙を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子ペン用用紙は、インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙であって、前記用紙に、確認内容が表示された署名対象表示部と、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、確認者が署名を記入する署名部と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記用紙の種類を特定するために前記電子ペンの読取ユニットで取得可能な識別手段を用紙に設けたことを特徴とする。
そして、前記識別手段は、前記用紙の一部分に設けた識別子取得部より取得されることを特徴とする。
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記識別手段は、用紙の種類毎に用意されたドットパターンより取得されることを特徴とする。
【0007】
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記識別手段及び前記署名部の記入事項が前記電子ペンの読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を前記通信ユニットで他の装置に送信させるための送信指示記入部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記署名部が複数設けられ、前記署名部に対応した送信指示記入部が複数設けられていることを特徴とする。
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記確認内容が申込内容であり、前記用紙が申込書であることを特徴とする。
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記確認内容が契約内容であり、前記用紙が契約書であることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記署名対象表示部の少なくとも一部の領域が、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、電子ペンの使用形態を模式的に示す図、図2は、電子ペンの構造を示す機能ブロック図、図3は、専用ペーパーにプリントされたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図、図4は、ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す図、図5は、電子ペン用用紙の構成を説明する図、図6は、本発明の第1実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図、図7は、識別子の表示例を説明する図、図8は、電子ペン用用紙を利用したシステムの概略構成を示す図、図9は、本発明の第2実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【0011】
まず始めに、電子ペンについて説明する。
図1に示すように、電子ペン10は、予め製版された印刷版からの印刷形成(以下、単に印刷という。)またはプリンター装置によりデータをプリント形成(以下、単にプリント形成という。)してなるドットパターンが設けられた電子ペン用用紙20と組み合わせて使用される。
電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様の電子ペン用用紙20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、Bluetoothトランシーバ13、バッテリー14、赤外線LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。
また、電子ペン10は、通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0012】
電子ペン10は、ペン先部17により電子ペン用用紙20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、電子ペン用用紙20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。
赤外線LED15が電子ペン用用紙20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が電子ペン用用紙20に予め製版された印刷版からの印刷形成またはプリンター装置によりデータをプリント形成してなるドットパターンを読み取り、データ化する。
つまり、電子ペン10は、電子ペン用用紙20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0013】
圧力センサー18は、利用者が電子ペン10により電子ペン用用紙20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、赤外線LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行なう。
即ち、利用者が電子ペン10で電子ペン用用紙20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。
よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、赤外線LED15及びカメラ16を作動する。
【0014】
カメラ16は電子ペン用用紙20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。
プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、電子ペン用用紙20上でのX/Y座標を算出する。
【0015】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。
よって、メモリ12内には、利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0016】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。
そして、利用者が送信指示を行うと、Bluetoothトランシーバ13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へのメモリ12内のデータが送信される。
基本的には一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。
よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は電子ペン用用紙20上に再度記述を行う必要がある。
なお、この場合、利用者は電子ペン用用紙20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0017】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が電子ペン用用紙20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。
専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、Bluetoothトランシーバ13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25へ送信を行わせる。なお、電子ペン10は、ディスプレイやボタンなどを持たないが、データの送信完了を電子ペンの振動のより示すことができる。
【0018】
バッテリー14は、電子ペン10内の各要に電源供給するためのものであり、例えば、電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源オン/オフを行うことができる。
【0019】
このように、電子ペン10は、利用者が電子ペン用用紙20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、電子ペン用用紙20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。
即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0020】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ等の形態であり、テキストデータではない。
但し、電子ペン10は標準機能として、電子ペン用用紙20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する座標データやベクトルデータから、文字認識アプリケーションを利用してテキストデータをうることはもちろん可能である。
【0021】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。
ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。
また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、メールアドレス、空きメモリ容量、名前、住所、ファックス/電話番号、形態電話番号などを保持することができる。
【0022】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Yデータを所得する方法について説明する。
前述のように電子ペン用用紙20には、所定のドットパターンが印刷又はプリント形成されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が電子ペン用用紙20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、電子ペン用用紙20上のドットパターンを読み取る。
実際、図1に示すように、赤外線LED15による照明領域及びカメラ16の撮影領域(照明領域に位置する)は、ペン先部17が電子ペン用用紙20に接触する位置とはずれている。
【0023】
ドットパターンは、カーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。
専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、電子ペン用用紙20上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、電子ペン用用紙20を利用して各種契約書や申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0024】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。
図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組み合せにより、電子ペン用用紙上の位置座標が決定される。
図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、電子ペン用用紙20上の位置座標を対応付けされている。
よって、電子ペン10のカメラ16から入力されるドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて、図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する電子ペン用用紙上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその電子ペン用用紙上のどの位置にあるか)をリアルタイムで算出する。
なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎回毎秒100回程度の撮影を行う。
【0025】
次に、本発明の電子ペン用用紙の第1実施形態について説明する。
まず、電子ペン用用紙20の構造の一例を図5に示す。
図示のように、電子ペン用用紙20は、台紙30上にドットパターン32が印刷又はプリント形成され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。
台紙30は通常の紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷又はプリント形成されている。
また、通常のインキなどにより図案34が印刷又はプリント形成されている。ドットパターンと図案とは、同時に印刷又はプリント形成してもよいし、いずれかを先に印刷又はプリント形成してもよい。
【0026】
図6は、本発明の電子ペン用用紙20を契約書35に適応させた場合の第1実施形態を示したものである。
この電子ペン用用紙20による契約書35には、他者との確認内容が表示された署名対象表示部36が設けられている。
この署名対象表示部36としては、例えば、各顧客に対して共通して契約する内容が印刷やプリンタ印字又は記入などで表示されている共通契約内容表示部36aや、各顧客に応じて異なる契約内容となることが想定される契約内容を記入するなどして記載する個別契約内容表示部36bなどからなる。
【0027】
また、契約書35の所定部分には、契約内容である確認内容を特定する識別子を電子ペンの読取ユニットで取得可能な識別子取得部37が設けられている。
この識別子とは、用紙の種類を特定し、判別するためのもので、予めサーバに備えた契約情報データベースなどに、種々の契約内容が契約管理コード等からなる識別子と関連付けられて登録されているものである。
したがって、契約管理コードなどの識別子を契約書35に表示することで、この識別子を読み取ることで署名対象表示部36に表示された契約内容、すなわち特定の契約に用いる用紙の種類を特定できるようにシステム化されている。
【0028】
この契約管理コードなどの識別子を電子ペンで読み取り可能にする識別手段としては、以下の2つの手段がある。
第一の識別手段は、例えば図7に示すような、用紙の一部分に識別子取得部を設け、電子ペンを用いて識別子(申込書ID、契約管理コードなど)をデータとして取得するものである。
この場合は、用紙の種類は用紙の一部分に設けた識別子取得部より取得される前記データで特定されるので、用紙に形成されるドットパターンは、用紙の種類毎に異なるものを用意しなくともよい。
従って、印刷によりドットパターンを含むその他の共通情報を用紙に予め形成しておけばよい。
尚、プリンタ装置により、上記ドットパターンをプリント形成してもよいことは言うまでもない。
【0029】
第二の識別手段は、用紙の種類毎に異なる種類のドットパターンを形成するもので、ドットパターンを含むその他の必要な情報をプリンタ装置によりプリント形成するものである。
この場合は、用紙上のどの部分のドットパターンから得たデータであっても、用紙の種類固有の情報を含んでいるので、前記のような用紙の一部に識別子取得部を設ける必要がない。
【0030】
以下、図7を用いて、第一の識別手段を詳しく説明する。
前述のように、電子ペンの標準機能としては、申込書IDや契約管理コードなどの識別子は、利用者が端末装置25を操作することにより入力する必要がある。
しかし、電子ペン10のメリットを十分に生かすためには、それらも電子ペンのより入力できることが好ましい。
そこで、以下の方法により、電子ペン10と電子ペン用用紙20を使用して申込書IDや契約管理コードなどの識別子を入力する。
【0031】
識別子入力の第1の方法は、図7(a)に示すような識別子入力欄を電子ペン用用紙20上の予め印刷しておく方法である。
図7(a)において、各数字に対応するチェックボックスは、電子ペン用用紙20上に、通常のインキにより印刷される。
各枠に対応する数値は、そのチェックボックス内のドットパターンが示すデータと対応付けられている。即ち、最も左上のチェックボックス内のドットパターンは識別子の7桁目がゼロであることを示し、右下のチェックボックス内のドットパターンは識別子の1桁目が9であることを示す。
そのようなドットパターンと識別子の桁数及び情報とは、相互に対応付けられて例えばサービスサーバ27内に識別子対応情報として保存されている。
よって、利用者は、識別子入力欄の対応するチェックボックスに電子ペン10でチェックをいれれば、それに対応するデータが端末装置25を経由してサービスサーバ27へ送信される。
【0032】
サービスサーバ27内のアプリケーションは、識別子対応付け情報を参照して、利用者が入力した識別子を取得することができる。
なお、識別子対応付け情報を端末装置25内に記憶し、端末装置25内に用意したアプリケーションが、識別子対応付け情報を参照してドットパターンに対応する識別子を取得するようにすることもできる。
【0033】
通常のマークシートでは、楕円形などの記入欄を正確に塗りつぶす必要があるが、電子ペンを利用した識別子入力欄では、サービスサーバ27内にチェックマークを記入するだけで、カメラがドットパターンを認識するので、容易に入力を行うことができる。
【0034】
また、電子ペン用用紙20に余白がない場合には、図7(b)に示すように0〜9を表すのに最低限必要な4ビット型の入力欄を使用することができる。この場合は、各桁について入力される1つ又は複数のチェック位置の組み合せにより、入力された識別子を特定することができる。
【0035】
識別子入力の第2の方法は、図7(c)に示すようなバーコードタイプの入力表示による方法がある。
これは、図7のようにドットパターンが印刷された領域に、ドットパターンが欠落した部分を帯状に形成しておく。
この帯状のパターンは、予め契約管理コード等からなる特定の識別子をバーコード化して得られる。
そして、電子ペン10は、ペンの移動軌跡に対応する位置の座標データを用紙上から読み取るので、パターンの欠落部を予め帯状に作っておき、その上を電子ペンでなぞれば、パターンの欠落部で不連続となったパターンが取得できる。
このパターンをバーコードのように利用し、契約管理コード等からなる特定の識別子と対応付けておけば、利用者は電子ペンでパターン上をなぞるだけで対応する識別子を入力することができる。
【0036】
更に、契約書35には、契約者である確認者が署名を記入する署名部38,39が設けられている。
この署名部38,39には、契約者の数の署名部を設ければよく、例えば署名者を甲乙の2名とすると、甲用の署名部38と乙用の署名部39を設ければよい。
尚、この署名部38,39に、契約者である確認者が署名を記入することで、署名対象表示部36に表示された契約内容について、契約者双方の合意に達し、契約が締結されたことの証拠書類となる。
【0037】
契約書35には、署名対象表示部36、識別子取得部37の識別子及び署名部38,39の署名の記入事項が電子ペン10の読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を電子ペン10に備えられた通信ユニットで、他の装置に送信させる際にチェックマークを記入するための2つの送信指示記入部40,41が設けられている。
送信指示記入部40は、甲の契約者が管理する装置に対して電子ペン10の読取ユニットで読み取った情報を送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部であり、また送信指示記入部41は、乙の契約者が管理する装置に対して電子ペン10の読取ユニットで読み取った情報を送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部である。
【0038】
契約書35において、少なくとも電子ペン10の読取ユニットで読み取る領域は、読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターンが設けられている領域に設けられている。
電子ペン用用紙20による契約書35上の領域は、大きく2種類の領域に分けることができる。
1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。
図6の例では、署名対象表示部36及び署名部38,39、識別子取得部37がこれに該当する。
【0039】
もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内の電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。
図6の例において送信指示記入部40,41がこれに該当する。
【0040】
送信指示記入部40,41は、前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。
利用者が電子ペン10を用いて送信指示記入部40,41のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はBluetoothトランシーバ13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0041】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。
即ち、ある契約書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはない。
よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその契約書のどの項目に対応するものであるかを、契約書上の座標データから特定することができる。
【0042】
このように、ドットパターンを印刷又はプリント形成した電子ペン用用紙上に所定の図案を印刷又はプリント形成することにより、電子ペン用用紙を利用した各種契約書や申込書が作成できる。
利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0043】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について説明する。
前述のように、電子ペン10の通信機能はBluetoothによるものであり、契約書35からなる電子ペン用紙20に入力したデータを取り扱うサービスサーバに対して電子ペン10から直接的にデータを送信することはできない。
よって、電子ペン10により取得したデータは、端末装置25からサービスサーバへ送信される。
【0044】
その際の処理を図2を参照して説明する。
電子ペン10が取得したデータは、主として利用者である契約者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。
その代わりに、その電子ペン用用紙に関するアプリケーションやサービスを特定する情報が電子ペン用用紙上に印刷又はプリント形成されており、利用者の入力作業中に電子ペン用用紙からその情報が取得されている。
【0045】
よって、電子ペン10から入力データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その電子ペン用用紙20に対して入力されたデータをどのサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。
問い合わせサーバ26は、電子ペン用用紙毎に、対応するサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該電子ペン用用紙に関するサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。
それから、端末装置25は、電子ペン10から取得した入力データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
但し、端末装置25、サーバ26、サービスサーバ27は、同一装置上にあってもかまわない。
【0046】
図8に、契約者などの確認者が、電子ペン用用紙20を使用する際の環境を模式的に示す。
電子ペン用用紙20が例えば図6に示すような契約書である場合には、契約者は、契約内容として電子ペン10を使用して必要事項の記入を行う。
そして、最終的に契約締結を行う際に署名部38,39に契約者がそれぞれ電子ペン10を使用して署名を記入する。
次に、識別子取得部37の契約管理コード等からなる識別子を示すバーコードを電子ペン10を使用して横方向になぞる。
尚、前述の第二の識別手段の如く用紙の種類毎に異なるドットパターンを形成する場合は、何らかの情報を電子ペンで読み取るだけで、その読取られた情報より、用紙の種類が特定できるので、識別子取得部は不要である。
【0047】
以上の処理により、電子ペン10の記憶手段に個別契約内容情報と署名情報と共通契約内容を特定可能な情報とが一旦記憶される。
そして、次に契約者甲がチェックする送信指示記入部40を電子ペン10を使用してチェック表示を記入することで、電子ペン10の読取ユニットで読み取られた記憶手段に記憶されている情報が、電子ペン10に備えられた通信ユニットで、端末装置に送信され、更にネットワーク2を介して順次、問い合わせサーバ26、サービスサーバ27、契約者甲のサーバ3aへと送信され、契約者甲のサーバ3aの契約情報管理データベース8aに契約情報が登録される。
【0048】
同様に、契約者乙がチェックする送信指示記入部41を電子ペン10を使用してチェック表示を記入することで、電子ペン10の読取ユニットで読み取られた記憶手段に記憶されている情報が、電子ペン10に備えられた通信ユニットで、端末装置に送信され、更にネットワーク2を介して、順次、問い合わせサーバ26、サービスサーバ27、契約者乙のサーバ3bへと送信され、契約者乙のサーバ3bの契約情報管理データベース8bに契約情報が登録される。
このようにして、契約情報は、短時間で送信処理されて利用可能な状態で一元管理することができるものである。
【0049】
次に、図9に基づいて、本発明の電子ペン用用紙の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態の電子ペン用用紙は、本発明の電子ペン用用紙を保険申込書42に適応させたものである。
この保険申込書42には、その表面の全面に電子ペン10の読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターンを有している。
そして、保険申込書42の表面には、署名対象表示部として被保険者記入欄43、受取人記入欄44、申込内容表示欄45が設けられている。
この内、被保険者記入欄43と受取人記入欄44は、手書きにより記入する欄であるが、申込内容表示欄45には、プリンターにより予め定められている契約申込内容を印字したり、又は電子ペンにより記入して契約申込内容を表示する欄である。
【0050】
保険申込書42の一部には、契約申込内容を特定する管理コードからなる識別子が電子ペンの読取ユニットで取得可能にバーコードで表示された識別子取得部46が設けられている。
この管理コードは、予めサーバに備えた契約情報データベースに、種々の契約申込内容が関連付けられて登録されているものである。
したがって、管理コードなどの識別子を保険申込書42に表示または書込むことで、この管理コードを取得ことで申込内容表示欄45の契約申込内容を特定できるようにシステム化されている。
尚、前述と同様に用紙の種類毎に異なるドットパターンを用いる場合には、識別子取得部は不要である。
【0051】
更に、保険申込書42には、確認者である保険契約者が署名を記入する署名部である保険契約者署名欄47が設けられている。
また、保険申込書42には、電子ペン10の読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を電子ペン10に備えられた通信ユニットで、他の装置に送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部48が設けられている。
【0052】
次に、この保険申込書42を用いて電子ペン10により保険の申込みを行う場合の処理について説明する。
例えば、保険会社に電子ペン10と保険申込書42とを備えておき、保険申込者が申し込もうとする保険内容に基づいて、保険申込書42の申込内容表示欄45にプリンターで申込内容を印字、又は申込内容を筆記具により手書きで記入する。
そして、保険申込者に電子ペン10を使用して、保険申込書42の申込内容表示欄45に印字された申込内容の確認をしてもらい、その内容で申し込む場合には、保険申込書42の保険契約者署名欄47、被保険者記入欄43、受取人記入欄44などに記入してもらう。
【0053】
その後、保険会社の担当者が電子ペン10で、保険申込書42のバーコードで表示された識別子取得部46を横方向になぞると共に、送信指示記入部48にチェック表示を書込む。
これにより、電子ペン10で書き込んだ記入事項とバーコードで表示された識別子の情報が端末装置に送信され、更にサーバに備えた契約情報データベースに登録される。
以上の処理により、短時間で保険申込情報を収集することができるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子ペン用用紙は、書面上に他者との確認内容を表示や記入して、これに当事者である確認者が署名を行う契約書や申込書等でも、これらの書面に署名が行われた際に、誰がどのような内容について署名を行ったのかの情報を電子ペンを利用して素早く読み取り、管理用のコンピュータ等に送信することができ情報処理のスピードアップを図ることができるという効果がある。
また、用紙の種類すなわち確認内容を特定することができる識別子取得部を設けることで、確認内容と識別子を関連付けて登録したデータベース等で、簡単に確認内容の特定を行うことができるという効果がある。
更に、送信指示記入部を設けることで、送信指示記入部を電子ペンで書き込むなどして、読み取った情報を簡単に送信することができるという効果がある。
また、署名部が複数設けられ、署名部に対応した送信指示記入部を複数設けることで、各署名者が、契約や申込みなどの情報を短時間で収集することができるという効果がある。
更に、署名対象表示部の少なくとも一部の領域が、電子ペンの読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域とすることで、確認内容を電子ペンで記入することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。
【図3】専用ペーパーにプリントされたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペン用用紙の構成を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【図7】識別子の表示例を説明する図である。
【図8】電子ペン用用紙を利用したシステムの概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【符号の説明】
2 ネットワーク
3a,3b サーバ
8a,8b 契約情報管理データベース
10 電子ペン
11 プロセッサ
12 メモリ
13 Bluetoothトランシーバ
14 バッテリー
15 赤外線LED
16 カメラ
17 ペン先部
18 圧力センサ
20 電子ペン用用紙
27 サービスサーバ
30 台紙
32 ドットパターン
34 図案
35 契約書
36 署名対象表示部
36a 共通契約内容表示部
36b 個別契約内容表示部
37,46 識別子取得部
38,39 署名部
40,41,48 送信指示記入部
42 保険申込書
43 被保険者記入欄
44 受取人記入欄
45 申込内容表示欄
47 保険契約者署名欄
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、申込書、契約書、依頼書などを使用して相手との各種内容の取り決めや確認を行うことが一般化されている。
例えば、保険等の申込みを行う際には、保険の内容が記載された申込書(契約書)に申込者が署名を行い、この申込書を保険会社で大切に保管管理している。
そして、これらの申込書をもとにして、誰がどのような保険に加入しているのかをコンピュータの顧客データベースに登録して顧客契約情報の一元的な管理を行うようにしている。
【0003】
これらの顧客契約情報の登録は、通常、契約書などの書類を営業外務員などが会社に持ち帰った後に、端末のキーボードに必要事項を打ち込むなどしてデータ入力を行なったり、これらの書類をデータ入力事務部門に集めた後に取りまとめて入力するなど、事務処理の負荷が高い分野であった。
また、従来は、現物書類の作成不備などのチェックを行った上で入力作業に入るため、現物書類が事務処理部門で入手できてからでないと処理に入れないなど、契約処理のリードタイムを短くするにあたっての大きな障害となっていた。
更に、これらの情報は、契約場所、地域、データ入力設備などの違いにより、契約からデータ入力するまでの時間がまちまちであり、顧客情報の均一な一元管理がしにくいという問題もある。
更に、申込書(契約書)の種類も多種になる場合が多く、一見同じ書類に見えても実は、使用目的、相手により微妙に内容が異なる場合もあり、間違って用いるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、例えば申込書、契約書などのように、書面上に他者との確認内容を表示や記入して、これに当事者である確認者が署名を行うことで、間違いなくその確認内容に関して署名者の確認がされたことを証明しようとする場合において、これらの書面に署名が行われた際に、誰がどのような内容について署名を行ったのかの情報を素早く管理用のコンピュータに送信できるようにし、顧客データベース等に短時間で登録可能とし、顧客情報収集のスピードアップを図ることができるようにした電子ペン用用紙を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子ペン用用紙は、インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙であって、前記用紙に、確認内容が表示された署名対象表示部と、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、確認者が署名を記入する署名部と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記用紙の種類を特定するために前記電子ペンの読取ユニットで取得可能な識別手段を用紙に設けたことを特徴とする。
そして、前記識別手段は、前記用紙の一部分に設けた識別子取得部より取得されることを特徴とする。
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記識別手段は、用紙の種類毎に用意されたドットパターンより取得されることを特徴とする。
【0007】
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記識別手段及び前記署名部の記入事項が前記電子ペンの読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を前記通信ユニットで他の装置に送信させるための送信指示記入部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記署名部が複数設けられ、前記署名部に対応した送信指示記入部が複数設けられていることを特徴とする。
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記確認内容が申込内容であり、前記用紙が申込書であることを特徴とする。
また、本発明の電子ペン用用紙は、前記確認内容が契約内容であり、前記用紙が契約書であることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の電子ペン用用紙は、前記署名対象表示部の少なくとも一部の領域が、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、電子ペンの使用形態を模式的に示す図、図2は、電子ペンの構造を示す機能ブロック図、図3は、専用ペーパーにプリントされたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図、図4は、ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す図、図5は、電子ペン用用紙の構成を説明する図、図6は、本発明の第1実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図、図7は、識別子の表示例を説明する図、図8は、電子ペン用用紙を利用したシステムの概略構成を示す図、図9は、本発明の第2実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【0011】
まず始めに、電子ペンについて説明する。
図1に示すように、電子ペン10は、予め製版された印刷版からの印刷形成(以下、単に印刷という。)またはプリンター装置によりデータをプリント形成(以下、単にプリント形成という。)してなるドットパターンが設けられた電子ペン用用紙20と組み合わせて使用される。
電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様の電子ペン用用紙20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、Bluetoothトランシーバ13、バッテリー14、赤外線LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。
また、電子ペン10は、通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0012】
電子ペン10は、ペン先部17により電子ペン用用紙20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、電子ペン用用紙20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。
赤外線LED15が電子ペン用用紙20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が電子ペン用用紙20に予め製版された印刷版からの印刷形成またはプリンター装置によりデータをプリント形成してなるドットパターンを読み取り、データ化する。
つまり、電子ペン10は、電子ペン用用紙20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0013】
圧力センサー18は、利用者が電子ペン10により電子ペン用用紙20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、赤外線LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行なう。
即ち、利用者が電子ペン10で電子ペン用用紙20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。
よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、赤外線LED15及びカメラ16を作動する。
【0014】
カメラ16は電子ペン用用紙20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。
プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、電子ペン用用紙20上でのX/Y座標を算出する。
【0015】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。
よって、メモリ12内には、利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0016】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。
そして、利用者が送信指示を行うと、Bluetoothトランシーバ13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へのメモリ12内のデータが送信される。
基本的には一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。
よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は電子ペン用用紙20上に再度記述を行う必要がある。
なお、この場合、利用者は電子ペン用用紙20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0017】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が電子ペン用用紙20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。
専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、Bluetoothトランシーバ13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25へ送信を行わせる。なお、電子ペン10は、ディスプレイやボタンなどを持たないが、データの送信完了を電子ペンの振動のより示すことができる。
【0018】
バッテリー14は、電子ペン10内の各要に電源供給するためのものであり、例えば、電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源オン/オフを行うことができる。
【0019】
このように、電子ペン10は、利用者が電子ペン用用紙20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、電子ペン用用紙20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。
即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0020】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ等の形態であり、テキストデータではない。
但し、電子ペン10は標準機能として、電子ペン用用紙20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する座標データやベクトルデータから、文字認識アプリケーションを利用してテキストデータをうることはもちろん可能である。
【0021】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。
ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。
また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、メールアドレス、空きメモリ容量、名前、住所、ファックス/電話番号、形態電話番号などを保持することができる。
【0022】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Yデータを所得する方法について説明する。
前述のように電子ペン用用紙20には、所定のドットパターンが印刷又はプリント形成されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が電子ペン用用紙20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、電子ペン用用紙20上のドットパターンを読み取る。
実際、図1に示すように、赤外線LED15による照明領域及びカメラ16の撮影領域(照明領域に位置する)は、ペン先部17が電子ペン用用紙20に接触する位置とはずれている。
【0023】
ドットパターンは、カーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。
専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、電子ペン用用紙20上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、電子ペン用用紙20を利用して各種契約書や申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0024】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。
図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組み合せにより、電子ペン用用紙上の位置座標が決定される。
図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、電子ペン用用紙20上の位置座標を対応付けされている。
よって、電子ペン10のカメラ16から入力されるドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて、図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する電子ペン用用紙上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその電子ペン用用紙上のどの位置にあるか)をリアルタイムで算出する。
なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎回毎秒100回程度の撮影を行う。
【0025】
次に、本発明の電子ペン用用紙の第1実施形態について説明する。
まず、電子ペン用用紙20の構造の一例を図5に示す。
図示のように、電子ペン用用紙20は、台紙30上にドットパターン32が印刷又はプリント形成され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。
台紙30は通常の紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷又はプリント形成されている。
また、通常のインキなどにより図案34が印刷又はプリント形成されている。ドットパターンと図案とは、同時に印刷又はプリント形成してもよいし、いずれかを先に印刷又はプリント形成してもよい。
【0026】
図6は、本発明の電子ペン用用紙20を契約書35に適応させた場合の第1実施形態を示したものである。
この電子ペン用用紙20による契約書35には、他者との確認内容が表示された署名対象表示部36が設けられている。
この署名対象表示部36としては、例えば、各顧客に対して共通して契約する内容が印刷やプリンタ印字又は記入などで表示されている共通契約内容表示部36aや、各顧客に応じて異なる契約内容となることが想定される契約内容を記入するなどして記載する個別契約内容表示部36bなどからなる。
【0027】
また、契約書35の所定部分には、契約内容である確認内容を特定する識別子を電子ペンの読取ユニットで取得可能な識別子取得部37が設けられている。
この識別子とは、用紙の種類を特定し、判別するためのもので、予めサーバに備えた契約情報データベースなどに、種々の契約内容が契約管理コード等からなる識別子と関連付けられて登録されているものである。
したがって、契約管理コードなどの識別子を契約書35に表示することで、この識別子を読み取ることで署名対象表示部36に表示された契約内容、すなわち特定の契約に用いる用紙の種類を特定できるようにシステム化されている。
【0028】
この契約管理コードなどの識別子を電子ペンで読み取り可能にする識別手段としては、以下の2つの手段がある。
第一の識別手段は、例えば図7に示すような、用紙の一部分に識別子取得部を設け、電子ペンを用いて識別子(申込書ID、契約管理コードなど)をデータとして取得するものである。
この場合は、用紙の種類は用紙の一部分に設けた識別子取得部より取得される前記データで特定されるので、用紙に形成されるドットパターンは、用紙の種類毎に異なるものを用意しなくともよい。
従って、印刷によりドットパターンを含むその他の共通情報を用紙に予め形成しておけばよい。
尚、プリンタ装置により、上記ドットパターンをプリント形成してもよいことは言うまでもない。
【0029】
第二の識別手段は、用紙の種類毎に異なる種類のドットパターンを形成するもので、ドットパターンを含むその他の必要な情報をプリンタ装置によりプリント形成するものである。
この場合は、用紙上のどの部分のドットパターンから得たデータであっても、用紙の種類固有の情報を含んでいるので、前記のような用紙の一部に識別子取得部を設ける必要がない。
【0030】
以下、図7を用いて、第一の識別手段を詳しく説明する。
前述のように、電子ペンの標準機能としては、申込書IDや契約管理コードなどの識別子は、利用者が端末装置25を操作することにより入力する必要がある。
しかし、電子ペン10のメリットを十分に生かすためには、それらも電子ペンのより入力できることが好ましい。
そこで、以下の方法により、電子ペン10と電子ペン用用紙20を使用して申込書IDや契約管理コードなどの識別子を入力する。
【0031】
識別子入力の第1の方法は、図7(a)に示すような識別子入力欄を電子ペン用用紙20上の予め印刷しておく方法である。
図7(a)において、各数字に対応するチェックボックスは、電子ペン用用紙20上に、通常のインキにより印刷される。
各枠に対応する数値は、そのチェックボックス内のドットパターンが示すデータと対応付けられている。即ち、最も左上のチェックボックス内のドットパターンは識別子の7桁目がゼロであることを示し、右下のチェックボックス内のドットパターンは識別子の1桁目が9であることを示す。
そのようなドットパターンと識別子の桁数及び情報とは、相互に対応付けられて例えばサービスサーバ27内に識別子対応情報として保存されている。
よって、利用者は、識別子入力欄の対応するチェックボックスに電子ペン10でチェックをいれれば、それに対応するデータが端末装置25を経由してサービスサーバ27へ送信される。
【0032】
サービスサーバ27内のアプリケーションは、識別子対応付け情報を参照して、利用者が入力した識別子を取得することができる。
なお、識別子対応付け情報を端末装置25内に記憶し、端末装置25内に用意したアプリケーションが、識別子対応付け情報を参照してドットパターンに対応する識別子を取得するようにすることもできる。
【0033】
通常のマークシートでは、楕円形などの記入欄を正確に塗りつぶす必要があるが、電子ペンを利用した識別子入力欄では、サービスサーバ27内にチェックマークを記入するだけで、カメラがドットパターンを認識するので、容易に入力を行うことができる。
【0034】
また、電子ペン用用紙20に余白がない場合には、図7(b)に示すように0〜9を表すのに最低限必要な4ビット型の入力欄を使用することができる。この場合は、各桁について入力される1つ又は複数のチェック位置の組み合せにより、入力された識別子を特定することができる。
【0035】
識別子入力の第2の方法は、図7(c)に示すようなバーコードタイプの入力表示による方法がある。
これは、図7のようにドットパターンが印刷された領域に、ドットパターンが欠落した部分を帯状に形成しておく。
この帯状のパターンは、予め契約管理コード等からなる特定の識別子をバーコード化して得られる。
そして、電子ペン10は、ペンの移動軌跡に対応する位置の座標データを用紙上から読み取るので、パターンの欠落部を予め帯状に作っておき、その上を電子ペンでなぞれば、パターンの欠落部で不連続となったパターンが取得できる。
このパターンをバーコードのように利用し、契約管理コード等からなる特定の識別子と対応付けておけば、利用者は電子ペンでパターン上をなぞるだけで対応する識別子を入力することができる。
【0036】
更に、契約書35には、契約者である確認者が署名を記入する署名部38,39が設けられている。
この署名部38,39には、契約者の数の署名部を設ければよく、例えば署名者を甲乙の2名とすると、甲用の署名部38と乙用の署名部39を設ければよい。
尚、この署名部38,39に、契約者である確認者が署名を記入することで、署名対象表示部36に表示された契約内容について、契約者双方の合意に達し、契約が締結されたことの証拠書類となる。
【0037】
契約書35には、署名対象表示部36、識別子取得部37の識別子及び署名部38,39の署名の記入事項が電子ペン10の読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を電子ペン10に備えられた通信ユニットで、他の装置に送信させる際にチェックマークを記入するための2つの送信指示記入部40,41が設けられている。
送信指示記入部40は、甲の契約者が管理する装置に対して電子ペン10の読取ユニットで読み取った情報を送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部であり、また送信指示記入部41は、乙の契約者が管理する装置に対して電子ペン10の読取ユニットで読み取った情報を送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部である。
【0038】
契約書35において、少なくとも電子ペン10の読取ユニットで読み取る領域は、読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターンが設けられている領域に設けられている。
電子ペン用用紙20による契約書35上の領域は、大きく2種類の領域に分けることができる。
1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。
図6の例では、署名対象表示部36及び署名部38,39、識別子取得部37がこれに該当する。
【0039】
もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内の電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。
図6の例において送信指示記入部40,41がこれに該当する。
【0040】
送信指示記入部40,41は、前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。
利用者が電子ペン10を用いて送信指示記入部40,41のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はBluetoothトランシーバ13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0041】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。
即ち、ある契約書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはない。
よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその契約書のどの項目に対応するものであるかを、契約書上の座標データから特定することができる。
【0042】
このように、ドットパターンを印刷又はプリント形成した電子ペン用用紙上に所定の図案を印刷又はプリント形成することにより、電子ペン用用紙を利用した各種契約書や申込書が作成できる。
利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0043】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について説明する。
前述のように、電子ペン10の通信機能はBluetoothによるものであり、契約書35からなる電子ペン用紙20に入力したデータを取り扱うサービスサーバに対して電子ペン10から直接的にデータを送信することはできない。
よって、電子ペン10により取得したデータは、端末装置25からサービスサーバへ送信される。
【0044】
その際の処理を図2を参照して説明する。
電子ペン10が取得したデータは、主として利用者である契約者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。
その代わりに、その電子ペン用用紙に関するアプリケーションやサービスを特定する情報が電子ペン用用紙上に印刷又はプリント形成されており、利用者の入力作業中に電子ペン用用紙からその情報が取得されている。
【0045】
よって、電子ペン10から入力データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その電子ペン用用紙20に対して入力されたデータをどのサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。
問い合わせサーバ26は、電子ペン用用紙毎に、対応するサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該電子ペン用用紙に関するサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。
それから、端末装置25は、電子ペン10から取得した入力データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
但し、端末装置25、サーバ26、サービスサーバ27は、同一装置上にあってもかまわない。
【0046】
図8に、契約者などの確認者が、電子ペン用用紙20を使用する際の環境を模式的に示す。
電子ペン用用紙20が例えば図6に示すような契約書である場合には、契約者は、契約内容として電子ペン10を使用して必要事項の記入を行う。
そして、最終的に契約締結を行う際に署名部38,39に契約者がそれぞれ電子ペン10を使用して署名を記入する。
次に、識別子取得部37の契約管理コード等からなる識別子を示すバーコードを電子ペン10を使用して横方向になぞる。
尚、前述の第二の識別手段の如く用紙の種類毎に異なるドットパターンを形成する場合は、何らかの情報を電子ペンで読み取るだけで、その読取られた情報より、用紙の種類が特定できるので、識別子取得部は不要である。
【0047】
以上の処理により、電子ペン10の記憶手段に個別契約内容情報と署名情報と共通契約内容を特定可能な情報とが一旦記憶される。
そして、次に契約者甲がチェックする送信指示記入部40を電子ペン10を使用してチェック表示を記入することで、電子ペン10の読取ユニットで読み取られた記憶手段に記憶されている情報が、電子ペン10に備えられた通信ユニットで、端末装置に送信され、更にネットワーク2を介して順次、問い合わせサーバ26、サービスサーバ27、契約者甲のサーバ3aへと送信され、契約者甲のサーバ3aの契約情報管理データベース8aに契約情報が登録される。
【0048】
同様に、契約者乙がチェックする送信指示記入部41を電子ペン10を使用してチェック表示を記入することで、電子ペン10の読取ユニットで読み取られた記憶手段に記憶されている情報が、電子ペン10に備えられた通信ユニットで、端末装置に送信され、更にネットワーク2を介して、順次、問い合わせサーバ26、サービスサーバ27、契約者乙のサーバ3bへと送信され、契約者乙のサーバ3bの契約情報管理データベース8bに契約情報が登録される。
このようにして、契約情報は、短時間で送信処理されて利用可能な状態で一元管理することができるものである。
【0049】
次に、図9に基づいて、本発明の電子ペン用用紙の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態の電子ペン用用紙は、本発明の電子ペン用用紙を保険申込書42に適応させたものである。
この保険申込書42には、その表面の全面に電子ペン10の読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターンを有している。
そして、保険申込書42の表面には、署名対象表示部として被保険者記入欄43、受取人記入欄44、申込内容表示欄45が設けられている。
この内、被保険者記入欄43と受取人記入欄44は、手書きにより記入する欄であるが、申込内容表示欄45には、プリンターにより予め定められている契約申込内容を印字したり、又は電子ペンにより記入して契約申込内容を表示する欄である。
【0050】
保険申込書42の一部には、契約申込内容を特定する管理コードからなる識別子が電子ペンの読取ユニットで取得可能にバーコードで表示された識別子取得部46が設けられている。
この管理コードは、予めサーバに備えた契約情報データベースに、種々の契約申込内容が関連付けられて登録されているものである。
したがって、管理コードなどの識別子を保険申込書42に表示または書込むことで、この管理コードを取得ことで申込内容表示欄45の契約申込内容を特定できるようにシステム化されている。
尚、前述と同様に用紙の種類毎に異なるドットパターンを用いる場合には、識別子取得部は不要である。
【0051】
更に、保険申込書42には、確認者である保険契約者が署名を記入する署名部である保険契約者署名欄47が設けられている。
また、保険申込書42には、電子ペン10の読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を電子ペン10に備えられた通信ユニットで、他の装置に送信させる際にチェックマークを記入するための送信指示記入部48が設けられている。
【0052】
次に、この保険申込書42を用いて電子ペン10により保険の申込みを行う場合の処理について説明する。
例えば、保険会社に電子ペン10と保険申込書42とを備えておき、保険申込者が申し込もうとする保険内容に基づいて、保険申込書42の申込内容表示欄45にプリンターで申込内容を印字、又は申込内容を筆記具により手書きで記入する。
そして、保険申込者に電子ペン10を使用して、保険申込書42の申込内容表示欄45に印字された申込内容の確認をしてもらい、その内容で申し込む場合には、保険申込書42の保険契約者署名欄47、被保険者記入欄43、受取人記入欄44などに記入してもらう。
【0053】
その後、保険会社の担当者が電子ペン10で、保険申込書42のバーコードで表示された識別子取得部46を横方向になぞると共に、送信指示記入部48にチェック表示を書込む。
これにより、電子ペン10で書き込んだ記入事項とバーコードで表示された識別子の情報が端末装置に送信され、更にサーバに備えた契約情報データベースに登録される。
以上の処理により、短時間で保険申込情報を収集することができるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子ペン用用紙は、書面上に他者との確認内容を表示や記入して、これに当事者である確認者が署名を行う契約書や申込書等でも、これらの書面に署名が行われた際に、誰がどのような内容について署名を行ったのかの情報を電子ペンを利用して素早く読み取り、管理用のコンピュータ等に送信することができ情報処理のスピードアップを図ることができるという効果がある。
また、用紙の種類すなわち確認内容を特定することができる識別子取得部を設けることで、確認内容と識別子を関連付けて登録したデータベース等で、簡単に確認内容の特定を行うことができるという効果がある。
更に、送信指示記入部を設けることで、送信指示記入部を電子ペンで書き込むなどして、読み取った情報を簡単に送信することができるという効果がある。
また、署名部が複数設けられ、署名部に対応した送信指示記入部を複数設けることで、各署名者が、契約や申込みなどの情報を短時間で収集することができるという効果がある。
更に、署名対象表示部の少なくとも一部の領域が、電子ペンの読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域とすることで、確認内容を電子ペンで記入することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。
【図3】専用ペーパーにプリントされたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペン用用紙の構成を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【図7】識別子の表示例を説明する図である。
【図8】電子ペン用用紙を利用したシステムの概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電子ペン用用紙の平面図である。
【符号の説明】
2 ネットワーク
3a,3b サーバ
8a,8b 契約情報管理データベース
10 電子ペン
11 プロセッサ
12 メモリ
13 Bluetoothトランシーバ
14 バッテリー
15 赤外線LED
16 カメラ
17 ペン先部
18 圧力センサ
20 電子ペン用用紙
27 サービスサーバ
30 台紙
32 ドットパターン
34 図案
35 契約書
36 署名対象表示部
36a 共通契約内容表示部
36b 個別契約内容表示部
37,46 識別子取得部
38,39 署名部
40,41,48 送信指示記入部
42 保険申込書
43 被保険者記入欄
44 受取人記入欄
45 申込内容表示欄
47 保険契約者署名欄
Claims (9)
- インクペンユニットと光学的にドットパターンを読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備える電子ペンにより記入される用紙からなる電子ペン用用紙であって、
前記用紙に、確認内容が表示された署名対象表示部と、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域と、前記ドットパターン領域内に設けられ、確認者が署名を記入する署名部と、を備えていることを特徴とする電子ペン用用紙。 - 前記用紙の種類を特定するために前記電子ペンの読取ユニットで取得可能な識別手段を用紙に設けたことを特徴とする請求項1記載の電子ペン用用紙。
- 前記識別手段は、前記用紙の一部分に設けた識別子取得部より取得されることを特徴とする請求項2記載の電子ペン用用紙。
- 前記識別手段は、用紙の種類毎に用意されたドットパターンより取得されることを特徴とする請求項2記載の電子ペン用用紙。
- 前記識別手段及び前記署名部の記入事項が前記電子ペンの読取ユニットで読み取られ、その読み取られた情報を前記通信ユニットで他の装置に送信させるための送信指示記入部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子ペン用用紙。
- 前記署名部が複数設けられ、前記署名部に対応した送信指示記入部が複数設けられていることを特徴とする請求項5記載の電子ペン用用紙。
- 前記確認内容が申込内容であり、前記用紙が申込書であることを特徴とする請求項1記載の電子ペン用用紙。
- 前記確認内容が契約内容であり、前記用紙が契約書であることを特徴とする請求項1記載の電子ペン用用紙。
- 前記署名対象表示部の少なくとも一部の領域が、前記読取ユニットにより光学的に読み取り可能に設けられたドットパターン領域であることを特徴とする請求項1記載の電子ペン用用紙。
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