JP2004088062A - ドライエッチング方法、ドライエッチング装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドライエッチング方法は、(a)チャンバ3内に固体シリコンソース33a、33bが配置されたエッチング装置1aを準備する工程と、(b)一又は複数の種類の化合物半導体37bから構成される基板37をチャンバ3内に置く工程と、(c)ハロゲン元素を含むエッチングガス26Xを用いて化合物半導体37bをエッチングして被エッチ基板41を形成する工程とを備える。このドライエッチング方法では、ハロゲン元素を含むエッチングガス26X、並びに、シリコンイオン、シリコンラジカル、及びSi化合物の少なくともいずれかを含む雰囲気39中において化合物半導体37bをエッチングして被エッチ基板41を形成している。
【選択図】 図17
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法、ドライエッチング方法及びドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体デバイスを作製するためには、半導体膜の堆積及び半導体膜のエッチングといったプロセス技術が必要である。エッチングプロセスには、ウエットエッチングおよびドライエッチングがある。化合物半導体プロセスのウエットエッチングを用いると、エッチャントと半導体材料との組合せによって異方性或いは等方性のエッチングが様々に実現できる。
【0003】
ドライエッチング装置は、特許文献1に記載されているように、チャンバ内にエッチングガスを供給しながら上部電極と下部電極との間に高周波電力を印加してプラズマを発生している。ドライエッチング装置では、処理するウエハを下部電極上に置き、プラズマによりエッチングを行っている。処理するウエハは、下部電極上に直接に置かれることも、或いはウエハを載せたウエハトレイ又はサセプタを下部電極上に載せることもある。シリコンウエハを処理でできるように設けられたエッチング装置では、シリコンウエハのサイズが化合物半導体ウエハのサイズに比べて大きいので、化合物半導体ウエハを処理するためにウエハトレイ又はサセプタが用いられる。
【0004】
半導体のドライエッチングは、被エッチング材料とエッチングガスとの反応物である蒸気圧の高い化合物を形成することに行われる。しかしながら、シリコンと異なり、III−V族化合物半導体では、シリコン系フッ化物のように蒸気圧の高い反応物が得られることは希である。そこで、化合物半導体では、次に様な手法を採用している。その一つは、エッチングにおいてウエハの温度を高めることであり、別の手法は、エッチングに用いるプラズマのエネルギを高めることである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2000−058514号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
発明者の知見によれば、InPまたはGaAsといった化合物半導体の領域をドライエッチングする際に基板温度を上げると、基板を比較的良好にドライエッチングできる。しかしながら、発明者の検討によれば、化合物半導体のドライエッチングの技術分野において、より低い基板温度においてドライエッチングを行いたいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、より低い温度でドライエッチングを可能にするドライエッチング方法及びドライエッチング装置を提供することとし、また、表面電極と裏面電極の接続に用いられるヴィアホールを確実に所望の形状とできる半導体装置の製造方法を提供することとした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のドライエッチング方法は、(a)一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板を準備する工程と、(b) ハロゲン元素を含むエッチングガス、並びに、シリコンイオン、シリコンラジカル、及びシリコン化合物の少なくともいずれかを含む雰囲気中において、化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程とを備える。
【0009】
また、本発明のドライエッチング方法は、(a)チャンバ内に固体シリコンソースが配置されたエッチング装置を準備する工程と、(b)一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板をチャンバ内に置く工程と、(c)ハロゲン元素を含むエッチングガスを用いて化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程とを備える。
【0010】
さらに、本発明のドライエッチング方法は、(a)一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板を準備する工程と、(b)ハロゲン元素を含むエッチングガス及びシリコン化合物ガスを用いて化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程とを備える。
【0011】
これらのエッチング方法では、ハロゲン元素を含むエッチングガスに加えてシリコン物質をエッチング中に提供しているので、望まれない析出物がエッチング中に基板上に生成され難い。故に、より低い温度でドライエッチングを可能にするドライエッチング方法が提供される。
【0012】
本発明の上記のいずれかのドライエッチング方法では、該基板は、サファイア製支持台を介して置かれているようにしてもよい。サファイア製支持台は、石英製支持台に比べて、エッチング中に発生される熱を被エッチ基板から放出するために好適である。また、サファイアの線膨張率は、石英に比べて、III−V族化合物半導体の線膨張率に近い値である。故に、サファイア製支持台と被エッチ基板との間の応力の小さくできる。
【0013】
上記のドライエッチング方法は、被エッチ基板を形成する工程に先立って、レジストから構成されるマスク層を形成する工程を備えてもより。被エッチ基板を形成する工程においては、マスク層を用いて化合物半導体をエッチングする。
【0014】
より低い温度でドライエッチングを可能にするドライエッチング方法が提供されるので、エッチングマスク層をレジスト材で構成できる。
【0015】
本発明のエッチング装置は、化合物半導体をエッチングするためのドライエッチング装置である。ドライエッチング装置は、一対の電極と、基板支持部と、ガスソースと、電源と、プロセスチャンバと、一又は複数の固体シリコンソースとを備える。固体シリコンソースは、プロセスチャンバ内に設けられている。或いは、ドライエッチング装置は、一対の電極と、基板支持部と、ガスソースと、電源と、プロセスチャンバと、プロセスチャンバ内にエッチング中にシリコン雰囲気を形成するためのガスを供給するガスソースとを備える。シリコン雰囲気中には、シリコンイオン、シリコンラジカル、シリコン化合物、及びシリコンを含むフラグメントの少なくともいずれかが含まれる。
【0016】
これらのエッチング装置において、基板支持部は、基板を支持するように設けられている。ガスソースは、ハロゲン元素を含むエッチングガスを供給する。電源は、一対の電極間に高周波電力を提供するように設けられている。プロセスチャンバは、一対の電極及び基板支持部を収容する。
【0017】
これらのエッチング装置では、ハロゲン元素を含むエッチングガスに加えてシリコン元素をエッチング中に提供できるので、望まれない析出物がエッチング中に基板上に生成され難い。故に、化合物半導体のドライエッチングをより低い温度で可能にするドライエッチング装置が提供される。
【0018】
これらのエッチング装置において、基板支持部はサファイア製であることが好ましい。サファイア製の基板支持部は、石英製の基板支持部に比べて、エッチング中に被エッチ基板において発生する熱を放出するために好適である。また、サファイアの線膨張率は、石英に比べて、III−V族化合物半導体の線膨張率に近い値である。故に、サファイア製の基板支持部と被エッチ基板との間の応力の小さくできる。
【0019】
本発明の一側面に係る半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板の表面上に、III−V族化合物半導体から構成される半導体素子と、半導体素子のための電極とを形成する工程と、(b)半導体基板の表面上に電極に接続する接続電極を形成する工程と、(c)半導体基板の裏面に感光性シートを貼り付け、感光性シートからエッチングマスクを形成する工程と、(d)エッチングマスクを用いてドライエッチングを行って半導体基板を貫通し接続電極に到達する孔を設ける工程と、(e)上記の孔に接続電極に接続する配線部を形成する工程と、(f)半導体基板の裏面に配線部に接続する電極を形成する工程と、を備える。
【0020】
上記製造方法においては、感光性シートからエッチングマスクが形成される。感光性シートを利用しているため、十分な厚さを有するエッチングマスクが容易に形成される。よって、半導体基板を裏面からエッチングする際にドライエッチングを用いても、エッチング中にエッチングマスクが除去されてしまうのを防止できる。すなわち、半導体基板のエッチングにドライエッチングを用いることができることとなる。ドライエッチングによれば、半導体基板を貫通し接続電極に到達する孔の形状を所望の通りとできる。
【0021】
本発明の他の側面に係る半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板の表面上に、III−V族化合物半導体から構成される半導体素子と、半導体素子のための電極とを形成する工程と、(b)半導体基板の表面上に絶縁膜を形成する工程と、(c)絶縁膜上に電極に接続する接続電極を形成する工程と、(d)半導体基板の裏面に感光性シートを貼り付け、感光性シートからエッチングマスクを形成する工程と、(e)エッチングマスクを用いて半導体基板および絶縁膜をドライエッチングして、半導体基板を貫通し接続電極に到達する孔を設ける工程と、(f)孔に接続電極に接続する配線部を形成する工程と、(g)半導体基板の裏面に配線部に接続する電極を形成する工程と、を備える。
【0022】
このようにすれば、半導体基板と接続電極との間には絶縁膜が形成されるので、半導体基板と接続電極との間の容量を低減できる。よって、半導体装置の高周波特性を向上できる。また、半導体基板と絶縁膜とがエッチングされるため、半導体基板を貫通し接続電極に到達する孔を形成できる。
【0023】
また、接続電極を形成する工程とエッチングマスクを形成する工程との間に、(a)半導体基板の表面を保護する保護膜を該表面上に形成する工程と、(b)保護膜に接するように支持部材を半導体基板に貼り付ける工程と、(c)支持部材に貼り付けられた半導体基板をその裏面から研磨して、半導体基板を薄くする工程と、を更に備えると好ましい。
【0024】
このようにすれば、半導体基板を破損することなく薄くできる。半導体基板を薄くすれば、上記孔の形成に要する時間を短縮できる。このため、エッチング中にエッチングマスクがエッチングされて消失してしまうのが確実に防止される。
【0025】
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体装置の製造方法、ドライエッチング方法およびドライエッチング装置に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、InGaAs/InP系のヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Hetero−junction Bipolar Transistor:HBT)の製造方法について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
(第1の実施の形態)
初めに、製造されるHBTの構成について説明する。図1(A)は、HBT1に形成されたHBTの構成を示す平面図である。図1(B)は、図1(A)中のI−I線に沿った断面を示す図である。図1(B)を参照すると、HBT1は、InGaAsから構成されるサブコレクタメサ3、コレクタ層4、ベース層5、およびエミッタコンタクトメサ7と、InPから構成されるエミッタ層6とを有する。また、HBT1は、半絶縁性InPから構成されるウエハ2上に形成されている。
【0029】
上記各層2〜7の材料、厚さ、添加不純物、およびキャリア濃度を例示すると表1に示す通りである。
【0030】
【表1】
表1において、InGaAsのIn組成比は、InPから構成されるウエハ2に対して格子整合するように選択され、好ましくは0.53である。ここで、格子整合とは半導体層の格子定数とInPの格子定数との差が概ね−0.1〜+0.1%の場合を意味する。
【0031】
HBT1は、エミッタコンタクトメサ7上に設けられたエミッタ電極21と、エミッタ層6上に設けられたベース電極22と、サブコレクタメサ3上に設けられたコレクタ電極23とを備える。
【0032】
また、HBT1は、ベース電極22に接続する引き出し電極32と、コレクタ電極23に接続する引き出し電極33とを有する。さらに、HBT1は、Auプラグ321を介してエミッタ電極21に接続する引き出し電極31とを有する。引き出し電極31は、図1(A)に示す通り、パッド部31aを有する。HBT1はウエハ2の裏面に形成された裏面電極34を有する。
【0033】
HBT1にはヴィアホール51が設けられている。ヴィアホール51は、金属プラグ53で埋め込まれている。図1(A),(B)から分かる通り、金属プラグ53は、引き出し電極31が有するパッド部31aと裏面電極34とに接しており、これにより、引き出し電極31と裏面電極34とが電気的に接続される。
【0034】
次に、図面を参照しながら、本実施形態によるHBT1の製造方法を説明する。図2(A), 図2(B)、図3(A), 図3(B)、図4(A), 図4(B)、図5(A), 図5(B)、図6(A), 図6(B)、図7(A)〜図7(C)、図10(A), 図10(B)、図11(A), 図11(B)、図12(A)および図12(B)は、本製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。これらの図は、図1と同様に、HBT1を半導体結晶方位の〔01−1〕方向に沿って切断した面を示す。
【0035】
(エピタキシャル成長工程)
エピタキシャル成長工程について説明する。先ず、半絶縁性のInPからなるウエハ2を用意する。次いで、図2(A)に示す通り、ウエハ2の(100)面上に、サブコレクタ膜30、コレクタ膜40、ベース膜50、エミッタ膜60、エミッタコンタクト膜70をこの順にエピタキシャル成長する。後の工程において、サブコレクタ膜30からサブコレクタメサ3が形成され、コレクタ膜40からコレクタ層4が形成され、ベース膜50からベース層5が形成され、エミッタ膜60からエミッタ層6が形成され、エミッタコンタクト膜70からエミッタコンタクトメサ7が形成される。
【0036】
これらの膜のエピタキシャル成長には、有機金属気相成長(Organo−Metallic Vapor Phase Epitaxy:OMVPE)装置を使用される装置を使用できる。OMVPE装置では、原料として、トリエチルガリウム(Triethyl Gallium:TEGa)、トリメチルインジウム(Trimethyl Indium:TMIn)、アルシン(AsH3)、およびホスフィン(PH3)を用いることができる。また、エピタキシャル成長される半導体層の導電型およびキャリア濃度を調整するため、n型不純物ドーピング原料としてシラン(SiH4)を、p型不純物ドーピング原料としてジエチル亜鉛(Diethyl Zinc:DEZn)または四臭化炭素(CBr4)を用いることができる。
【0037】
(エミッタコンタクトメサ形成工程)
図2(B)を参照すると、ウエハ2上にエミッタコンタクトメサ7が形成されている。エミッタコンタクトメサ7は以下のように形成される。まず、エミッタコンタクト膜70上にレジスト膜を形成する。所定のパターンを有するフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定のパターンを形成しレジストマスクを得る。このレジストマスクは、平面形状が略矩形の島状のレジスト領域を有し、その矩形の一対の長辺が〔011〕方向に沿って伸び、短辺が〔01−1〕方向に沿って伸びている。
【0038】
次いで、上記のレジストマスクを用いてウエハ2をエッチングすることにより、図2(B)に示す通り、エミッタコンタクトメサ7が形成される。このとき、エッチング液として、リン酸(H3PO4)と過酸化水素水(H2O2)と純水(H2O)とがH3PO4:H2O2:H2O=5:1:40の比率で混合された混合液(以下、エッチング液P)を使用できる。エッチング液Pは、いわゆるエッチング選択性を有している。すなわち、エミッタ膜60(InP)に対するエッチング速度は、エミッタコンタクト膜70(InGaAs)に対するエッチング速度よりも十分に小さい。そのため、エミッタコンタクト膜70がエッチングされてエミッタ膜60が露出した後には、エッチングの進行が非常に遅くなる。これにより、エッチングが実質上停止される。また、上記のエッチング液は、特定の結晶方位に沿う方向へのエッチング速度が速い、いわゆる異方性を有している。このため、エミッタコンタクトメサ7の結晶方位〔011〕の方向に伸びるエッジは逆メサ形状を有している。
【0039】
(メサ形成工程)
図3(A)を参照すると、サブコレクタ膜30上に、コレクタ層4、ベース層5、およびエミッタ層6を含む主要部メサ10が形成されている。主要部メサ10は以下のように形成される。まず、エミッタコンタクトメサ7が設けられたエミッタ膜60上にレジスト膜を形成する。次に、フォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定パターンを形成しレジストマスクを得る。このレジストマスクは、エミッタコンタクトメサ7を覆うように形成される。このレジストマスクは、略矩形状であり、その矩形の一対の辺が〔011〕方位に沿って伸びている。
【0040】
次いで、上記のレジストマスクを用いてエッチングを行う。このエッチングは2段階に行なわれる。先ず、塩酸と純水との混合液をエッチング液として、レジストマスクで覆われていない部分のエミッタ膜60(n型InP)を除去する。このエッチング液は選択性を有しているので、エミッタ膜60がエッチングされてベース膜50(InGaAs)が露出した後には、エッチングの進行が非常に遅くなり、事実上エッチングが停止される。これにより、先ず、エミッタ層6が得られる。
【0041】
その後、上記のレジストマスクを残したまま、硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H2O2)と純水(H2O)とが、H2SO4:H2O2:H2O=1:1:400の比率で混合された混合液をエッチング液として用いて、ベース膜50およびコレクタ膜40の所定の部分を除去する。ここで、エッチング時間は、サブコレクタ膜30が露出する程度の時間とされる。このエッチング時間は、予備実験を行って予め決定しておくと好ましい。また、サブコレクタ膜30の上層部を100nm程度オーバーエッチングすると好適である。このオーバーエッチングにより、エッチングされるべきサブコレクタ膜30が確実に除去される。これまでの工程により、主要部メサ10が形成される(図3(A))。主要部メサ10の一対の辺は結晶方位の〔011〕方向に沿って伸びている。
【0042】
図3(B)を参照すると、サブコレクタメサ3が形成されている。サブコレクタメサ3は以下のように形成される。すなわち、主要部メサ10が設けられたサブコレクタ膜30上にレジスト膜を形成する。次に、フォトリソグラフィにより、レジスト膜に所定パターンを形成しレジストマスクを得る。このレジストマスクは、主要部メサ10を覆うように形成される。このレジストマスクは、略矩形状であり、その矩形の一対の辺が〔011〕方位に沿って伸びている。
【0043】
続いて、このレジストマスクを用いてエッチング液Pによりエッチングを行うと、サブコレクタメサ3が形成される。以上の手順により、メサ形成工程が終了する。
【0044】
(電極形成工程)
図4(A)および図4(B)を参照しながら、電極形成工程について説明する。サブコレクタメサ3までが形成されたウエハ2上に絶縁膜11上に形成する。絶縁膜11は、SiNからなることができ、例えばCVD法により形成される。また、絶縁膜11の厚さは250ナノメートル程度とすることができる。続いて、絶縁膜11上にレジスト膜を形成し、所定のリソグラフィによりエッチング用のレジストマスク62を形成する。レジストマスク62は、エミッタコンタクトメサ7、エミッタ層6、およびサブコレクタメサ3上にそれぞれ矩形の開口部を有する。次に、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)により、レジスト開口部に露出する絶縁膜11を除去する。
【0045】
図4(A)に示す通り、レジストマスク62を除去することなく真空蒸着法によりウエハ2上に金属多層膜91を形成する。金属多層膜91は、Ti膜、Pt膜、Ti膜、およびAu膜といった膜がこの順に堆積されて形成されることができる。ここで、Au膜の厚さは100ナノメートルであり、他の金属膜は20ナノメートルとできる。次いで、レジストマスク62を剥離すると、レジストマスク62上の金属多層膜91が除去されて、エミッタ電極21、ベース電極22、およびコレクタ電極23が完成する(図4(B))。
【0046】
各電極21,22,23が形成された後、ウエハ2に対して、高純度窒素ガス雰囲気下で摂氏400度、約1分間熱処理を行うと、これらの電極21,22,23のオーム性接触が実現される。なお、ベース電極22は、エミッタ層6上に形成されているが、エミッタ層6の厚さは10ナノメートル程度であるため、ベース電極22を構成する金属原子が熱処理中にエミッタ層6を通過してベース層5まで拡散するため、ベース層5と実質的に接続することとなる。
【0047】
(引き出し電極形成工程)
次いで、電極21,22,23の形成まで終了したウエハ2上に絶縁膜12をプラズマCVD法により堆積する。絶縁膜12は、絶縁膜11と同様にSiNといった無機絶縁物から構成されることができる。絶縁膜12により、サブコレクタメサ3、主要部メサ10、およびエミッタコンタクトメサ7の側面が不動態化されるとともに、外部からのナトリウムや水分の侵入が防止される。よって、HBT1の信頼性が向上される。次に、所定のリソグラフィおよびエッチングにより、図5(A)に示す通り、ベース電極22およびコレクタ電極23のそれぞれの上に開口部、すなわちスルーコンタクトを形成する。次いで、レジスト膜/SiO2膜/レジスト膜といった三層マスクを形成し、真空蒸着法によりTi、Pt、およびAuといった金属からなる金属膜を堆積する。堆積後、三層マスクを除去すると、図5(B)に示す通り、各スルーコンタクトが埋め込まれるとともに、各電極22,23に接続する引き出し電極32,33が形成される。引き出し電極32はパッド部32aを有しており、引き出し電極33はパッド部33aを有している(図1(A)参照)。
【0048】
図6(A)を参照すると、引き出し電極32,33および絶縁膜12上に絶縁膜13が形成され、絶縁膜13上にSOG(Spin−on−glass)膜14が形成されている。絶縁膜13は、絶縁膜12と同様にSiNといった無機絶縁物であることができる。
【0049】
続いて、所定のリソグラフィおよびエッチングにより、エミッタ電極21上にスルーコンタクト21aを形成する。このスルーコンタクト21aの形成に用いたレジストマスクを残したままAuを真空蒸着し、レジストマスクを除去すると、スルーコンタクト21aがAuプラグ321で埋め込まれる。この後、引き出し電極32,33と同様の手順により、エミッタ電極21に接続する引き出し電極31を形成する。この後、引き出し電極31が形成されたウエハ2上に、絶縁膜16を形成する。以上の手順により、エミッタ用の引き出し電極31を形成する工程が終了する(図6(B))。なお、引き出し電極31は、パッド部31aを有している。
【0050】
(保護膜形成工程)
図7(A)は、引き出し電極工程が終了した後のウエハ2を示す模式図である。図示の通り、ウエハ2の表面2aには多数のHBTが格子状に配置されている。以下の説明では、図7(A)のようにウエハ2全体を示す図を適宜参照する。
【0051】
図7(B)を参照すると、ウエハ2の表面2aに保護膜21が形成されている。この保護膜21は、レジストから構成されることができる。保護膜21は、HBT表面の保護を保護するために設けられる。そのため、レジストから構成される場合であっても、保護膜21にはいかなるパターンも形成されない。よって、保護膜21は感光剤が添加されていない樹脂から構成されてもよい。ただし、保護膜21は、後述するエッチングの工程において加熱されることとなるため、耐熱性に優れた材料から構成される必要がある。
【0052】
(石英板貼り付け工程)
次いで、ウエハ2を支持部材としての石英板71に貼り付ける。ここで使用する石英板71は、0.5ミリメートル(mm)程度の厚さを有し、十分に平坦な表面を有する。ウエハ2は保護膜21が石英板71の表面に接触するように石英板71上に貼り付けられており、図7(C)に示す通り、石英板71上にはウエハ2の裏面2bが現れている。この石英板71は、後述するウエハ2の裏面2bをラッピングする工程において、ウエハ2を保護する役割を果たす。
【0053】
(研磨工程)
この後、ラッピング装置を用いてウエハ2の裏面2bを粗研磨し、ウエハ2を薄くする。粗研磨後のウエハ2の厚さは、100マイクロメートル(μm)程度とすることができる。ウエハ2この程度の厚さとされても、ウエハ2は石英板71に貼り付けられているため、破損するのが防止される。また、ウエハ2の厚さが100マイクロメートル(μm)程度であれば、チップ化する際にウエハ2は容易に劈開される。また、ウエハ2を構成するInPは例えばSiに比べて熱伝導率が低いため、ウエハ2を薄くすることは、HBTのように発熱量の多いデバイスの放熱対策として有益である。
【0054】
なお、ウエハ2の裏面2bを粗研磨した後、粗研磨面を平坦化するためにポリッシングを行っても良い。次の工程でエッチングにより当該裏面2bが平坦化されるが、予めポリッシングを行っておけば、ウエハ2の裏面2bは更に平坦化されることとなる。裏面2bが平坦なほど、後の工程においてウエハ2の裏面2b上に形成される金属膜はこの裏面2bに対して強固に密着されることとなる。
【0055】
ウエハ2の裏面2bの粗研磨或いはポリッシングの後、ウエハ2の裏面2bを洗浄して当該裏面2bに付着するスラリーを除去する。次いで、ウエハ2の裏面2bを塩酸系のエッチング液によりエッチングし、ウエハ2の裏面2bを平坦化する。
【0056】
(ドライフィルムレジスト貼り付け工程)
次いで、ウエハ2の裏面2b上にドライフィルムレジスト(以降、DFR)を貼り付ける。DFRは、20〜100マイクロメートル(μm)程度の厚さを有する。また、DFRは感光性を有する。図8を参照すると、DFR90の両面には、保護フィルムFPが貼り付けられている。保護フィルムFPが貼り付けられたDFR90は、ロールRに巻かれている。
【0057】
DFR90をウエハ2に貼り付ける際には、ラミネータを使用することができる。図9は、ラミネータの構成を示す概略図である。図示の通り、ラミネータ81は、DFR90が巻かれたロールRを取り付けるシャフト82と、DFR90をウエハ2に押し付けるためのローラ83aと、ローラ83aと対となってウエハ2を送り出すためのローラ83bと、保護フィルムFPをDFR90から剥がすためのローラ84aと、剥がされた保護フィルムFPを巻き取るローラ84bと、を備える。2つのローラ83a,83bの間には、石英板71および石英板71に貼り付けられたウエハ2が通り抜けられる程度の隙間が設けられている。2つのローラ83a,83bが互いに逆回転することにより、この隙間からウエハ2を送り出すことができる。また、ローラ83a,83bには加熱機構(図示せず)が設けられており、加熱機構によりローラ83a,83bは摂氏100〜120度といった温度、好ましくは摂氏105度に維持される。
【0058】
DFR90はロールRから引き出されてローラ83aへと導かれる。ローラ83aへ至る前に、ローラ84aによりDFR90の一方の面から保護フィルムFPが剥がされる。よって、DFR90の一方の面にはDFR90そのものが露出し、他方の面は他の保護フィルムで覆われたままとなる。この後に、DFR90はローラ83aへ至る。このとき、保護フィルムFPが残る他方の面とローラ83aとが接している。このような状態で、ウエハ2の裏面2bがローラ83aに対面するようにウエハ2を上記の隙間に投入する。ウエハ2がこの隙間を通過する際、DFR90は、ローラ83aにより、ウエハ2に押し付けられるとともに加熱されてウエハ2に貼り付けられる。その後、石英板71の大きさに合わせてDFR90を切断すると、DFR90の貼り付けが終了する。
【0059】
(エッチングマスク形成工程)
図10(A)を参照すると、ウエハ2の裏面2bにDFR90が貼り付けられている。以下、DFR90からエッチングマスクの形成する手順を説明する。このエッチングマスクは、ウエハ2を貫通するとともに引き出し電極31のパッド部31aに至るヴィアホールを形成するために用いられる。
【0060】
まず、DFR90に対面するフォトマスクの位置合わせを行う。この位置合わせには、両面マスクアライナを使用できる。すなわち、図10(B)に示す通り、石英板71を通して、InPの基礎吸収端波長(0.91マイクロメートル(μm))よりも波長が長い赤外光LRをウエハ2に照射する。この赤外光LRの光源としては黒体放射光源を使用できる。赤外光LRは、ウエハ2、DFR90、およびフォトマスクMを透過する。ウエハ2には位置合わせマーク(図示せず)が予め設けられており、フォトマスクMにもまたウエハ2の位置合わせマークと対照されるマークが設けられている。このため、石英板71、ウエハ2、DFR90、およびフォトマスクMを透過した赤外光LRには、上記2つのマークのパターンを反映した暗部が生じる。これらの暗部が互いに重なり合うようフォトマスクMの位置を調整することにより、DFR90に対面するフォトマスクMがウエハ2に対して位置合わせされる。
【0061】
位置合わせが終了した後、図10(C)に示す通り、フォトマスクMを通して露光光LUをDFR90に照射すると、フォトマスクMのパターンがDFR90に転写される。次いで、DFR90に残っていた保護フィルムFPを剥がし、炭酸ナトリウム(Na2CO3)を例えば0.7〜1.0体積パーセント(%)程度で含む現像液を用いてDFR90を現像すると、露光された部分が現像液中へ溶解する。これにより、エッチングマスクが形成される。この後、DFR90に対してポストベークを行うと、エッチングマスク形成工程が終了する。
【0062】
(ヴィアホール形成工程)
続いて、図11(A)及び図11(B)を参照しながら、ヴィアホールを形成する工程を説明する。図11(A)及び図11(B)は、本実施形態の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。図11(A)を参照すると、ウエハ2の裏面上にDFR90から形成されたエッチングマスク63が設けられている。エッチングマスク63は、略円筒状の開口部63aを有している。この開口部63aは、ウエハ2の表面に設けられたパッド部31aと向かい合うように設けられている。また、開口部63aの内径は50〜80マイクロメートル(μm)程度とすることができる。エッチングマスク63を用いてエッチングを行うと、ヴィアホールが形成される。このエッチングには、プラズマエッチングや反応性イオンエッチングといったドライエッチング法が用いられる。以下では、プラズマエッチングの場合について説明する。エッチングマスク63の開口部63aにはウエハ2が露出しているため、先ず、ウエハ2をエッチングする。このエッチングの条件を例示すると以下の通りである。
・ウエハ2の設定温度:摂氏120〜160度
・エッチングガス:沃化水素(HI)、20〜40 sccm
・希釈ガス:アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)
・高周波周波数:13.56 MHz
・プラズマパワー密度:10 W/cm2
【0063】
ウエハ2は、石英板71に貼り付けられたまま、所定のエッチング装置内に載置され、上記の条件によりエッチングされる。このエッチングにより、ウエハ2を貫いて絶縁膜11に到達する孔が形成される。続いて、絶縁膜11,12,13をエッチングする。ここで、絶縁膜11,12,13がSiNから構成される場合、以下に例示するエッチング条件を用いることができる。
・ウエハ2の設定温度:常温
・エッチングガス:CF4、5〜30 sccm
・高周波周波数:13.56 MHz
・プラズマパワー密度:5 W/cm2
【0064】
以上のエッチングを行うと、ヴィアホール51が形成される。ヴィアホール51は、ウエハ2を貫通するとともに引き出し電極31に到達している。ヴィアホール51は、略円筒状に設けられており、その直径はエッチングマスク63の開口部63aの内径と略等しい。この後、ポジ型レジスト用の現像液、アセトン、または2〜3体積パーセント(%)のNaOHを用いてエッチングマスク63を除去する。以上で、ヴィアホール51形成工程が終了する(図11(B))。
【0065】
(ヴィアホール埋め込み工程)
次に、スパッタ法により、ウエハ2の裏面に金属膜52を形成する(図12(A)参照)。この金属膜52は、後に金メッキを行う際に種層として用いられる。金属膜52は金から構成されることができる。金属膜52の厚さは、0.1〜0.2マイクロメートル(μm)とすることができる。また、メッキの際にヴィアホール51の内壁面にも確実に金を堆積するためには、金属膜52が当該内壁面に堆積されると好ましい。ヴィアホール51の内壁面にも確実に金属膜52が堆積されるようにスパッタ装置およびスパッタ条件を適宜調整することができる。
【0066】
金属膜52が形成された後、電界メッキ法により金をこの金属膜52上に堆積する。これにより、図12(B)に示す通り、ヴィアホール51が埋め込まれて金属プラグ53が形成されるとともに、ウエハ2の裏面に金属膜54が堆積される。金属膜54の厚さは、20〜30マイクロメートル(μm)とできる。図12(B)には、金属プラグ53に空隙が形成されることなくヴィアホール51が埋め込まれるに例を示したが、引き出し電極31とウエハ2の裏面の金属膜52との導通が確実であれば、金属プラグ53には空隙が形成されていても構わない。また、ウエハ2の裏面に堆積された金属膜54から裏面電極34が形成される。
【0067】
この後、ウエハ2から石英板71を剥がし、ウエハ2表面の保護膜21を除去する。次いで、ウエハ2に対してダイシングを行うと、HBT1を有するHBT1が完成する。
【0068】
上記の製造方法によれば、ウエハ2の裏面にDFR90が貼り付けられてDFR90からエッチングマスク63が形成される。そして、エッチングマスク63を用いてドライエッチングを行って、ヴィアホール51が形成される。ヴィアホール51は、100マイクロメートル(μm)程度を超える深さを有する。上記の程度の深さを有するヴィアホール51をドライエッチングにより形成する場合には、被エッチング材料とエッチングマスクとのエッチング速度比を大きくしても、エッチングマスクがエッチングされて薄くなるのを避けることはできない。最悪の場合には、エッチング中にエッチングマスクが除去されてしまう。そのため、エッチング後にも十分な厚さのエッチングマスクが残るようにレジスト膜を形成しておく必要がある。
【0069】
レジスト液を回転塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜からエッチングマスクを形成する場合には、例えば、粘度300mPa・sのレジスト液を1000回転/分で塗布した場合であっても、得られるレジスト膜の厚さは10マイクロメートル(μm)程度である。更に厚いレジスト膜を形成しようとすれば、粘度が更に高いレジスト液を使用する、または、塗布時の回転数を更に下げる必要がある。しかし、粘度を300mPa・sよりも高くすると、レジストコータのノズルから自動滴下するのが困難となる。また、回転数を下げると、レジスト膜の厚さの均一性を十分に確保できなくなってしまう
【0070】
これに対し、本実施形態の製造方法によれば、厚さが20〜100マイクロメートル(μm)程度のDFR90をウエハ裏面に貼り付け、DFR90からエッチングマスク63を形成するため、十分な厚さのエッチングマスク63が得られる。よって、ドライエッチングによりヴィアホールを形成することができる。
【0071】
ドライエッチングによりヴィアホールを形成できれば、以下の効果が奏される。すなわち、ウエットエッチングの場合には、エッチングがウエハ面方向に進んでしまい、ヴィアホールの内径が大きくなってしまう場合がある。しかも、エッチングがウエハ面方向に進んだ結果、HBT1を構成するサブコレクタメサ3がエッチング液に晒される場合もある。サブコレクタメサ3がエッチング液に晒されると、サブコレクタメサ3の結晶性に悪影響が生じるばかりでなく、エッチング液が残留すれば、HBTの信頼性が低下してしまう虞もある。
【0072】
また、ウエットエッチングの場合にエッチング液がサブコレクタメサ3にまで到達するのを防ぐため、ヴィアホールが形成される位置をHBTの主要部から遠ざけると、HBTの寸法が無用に大きくなってしまう。このため、1枚のウエハから製造されるHBTの数が減少し、製造コストが増加してしまう。
【0073】
これに対して、ドライエッチングによりヴィアホールを形成する場合には、エッチングがウエハ面方向に進むのを防止できるため、ヴィアホールの内径が無用に大きくなるが防止される。よって、サブコレクタメサ3が汚染されるのが防止される。しかも、ウエットエッチングの場合と異なり、ヴィアホールをHBTの主要部から遠ざける必要もない。よって、HBTの寸法が無用に大きくなることはない。
【0074】
また、本実施形態においては、ヴィアホール形成のためのエッチングの際、ウエハ2の温度は摂氏120度〜160度といった温度に維持される。ウエハ2をこの程度の温度に維持することにより、InPのエッチング速度を速くできる。レジスト液から形成されたエッチングマスクでは、摂氏150度程度まで加熱されるとマスクパターンが変形してしまう場合があり、摂氏160度程度まで加熱されるとレジストが変質してしまいエッチング後にエッチングマスクを除去できないといった事態になる場合もある。すなわち、本実施形態の製造方法は、エッチング速度を早くできるという利点を有する。
【0075】
さらに、本実施形態の製造方法により製造したHBTでは、エミッタ電極21は、Auプラグ321および引き出し電極31を介して裏面電極34と接続されているため、裏面電極34を接地することにより、エミッタ接地回路を容易に構成できる。しかも、金線といったワイヤを使用する必要がないため、寄生容量の発生がなく、よって、HBTの高周波特性が向上される。
【0076】
以上、実施形態を参照しながら、本発明に係る半導体装置の製造方法を説明したが、本発明はこれに限られることなく、種々の変形が可能である。
【0077】
InPから構成されるウエハ2のエッチングには、CH4およびC2H6といった有機系ガス、BCl3、Cl2、およびSiCl4といった塩素系ガスを使用しても構わない。
【0078】
金属プラグ53の形成には、電界メッキ法に限らず、例えば蒸着法といった堆積方法を採用してもよい。しかし、ヴィアホール51の深さが100マイクロメートル(μm)程度を超えることを考慮すると、堆積速度が速く、且つ埋め込み性に優れた電界メッキ法が好適である。
【0079】
以上説明したように、本発明の実施の形態は、III−V族化合物半導体から構成される半導体装置の製造方法に関する。III−V族化合物半導体の特徴として、シリコン(Si)に比べキャリアの移動度が大きいことが挙げられる。この特徴を利用し、高速デジタル回路用のトランジスタおよびマイクロ波通信に利用されるトランジスタがIII−V族化合物半導体から製造されている。
【0080】
III−V族化合物半導体から高周波特性に優れた半導体デバイスを製造できるとはいえ、所望の特性が発揮されるのを妨げる種々の要因がある。その一つとして接地電位の安定化が難しいことが挙げられる。従来、III−V族化合物半導体からなる半導体デバイスにおいては、引き出し電極に設けられたボンディングパッドと外部接地回路とが金線により接続されている。しかし、このような接地方法では、金線による寄生インダクタンス成分が大きくなり、接地電位が安定化されない事態となっている。そのため、半導体デバイスが安定に動作しない場合がある。しかも、このような問題は、信号の周波数が高くなればなるほど、顕著である。このような問題を解決するため、例えばバイポーラトランジスタでは、基板を貫通するヴィアホールを設けるとともに、このヴィアホールを金属プラグで埋め込み、エミッタ電極またはボンディングパッドと基板裏面の電極とを導通させる方法が採用されている。基板裏面の電極を接地することにより、エミッタ電極は金属プラグを介して接地される。金線は使用されていないため、寄生インダクタンスが低減されることができる。
【0081】
上記ヴィアホールの形成には、エッチング速度を比較的高くできるという理由から、ウエットエッチングが広く用いられている。しかしながら、本発明者らの知見によれば、ヴィアホールの内径を設計通りとするのが難しいという問題がある。ヴィアホールを形成する前には、ウエットエッチングにより基板の裏面が粗研磨されるとはいえ、粗研磨後の基板の厚さは100マイクロメートル(μm)程度もある。この程度の厚さの基板をエッチングする場合、ウエットエッチングでは、エッチングが基板面方向に進んでしまい、設計通りの内径を有するヴィアホールが得られない場合があった。また、等方的なエッチングを可能とするエッチング液を用いても、基板が長い時間エッチング液に晒されるため、エッチングは半導体結晶構造を反映して進み、その結果、ヴィアホールは所望の形状とならないといった問題もある。したがって、本発明の実施の形態によれば、表面電極と裏面電極の接続に用いられるヴィアホールを確実に所望の形状とできる半導体装置の製造方法が望まれる。
【0082】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体基板の裏面に形成されるエッチングマスクは、感光性シートから形成される。このため、十分な厚さを有するエッチングマスクが容易に形成される。よって、半導体基板を裏面からエッチングしてヴィアホールを形成する際にドライエッチングを用いても、エッチング中にエッチングマスクが除去されてしまうのを防止できる。また、エッチング中の熱による変形も防止できる。すなわち、表面電極と裏面電極の接続に用いられるヴィアホールを形成する際に、ドライエッチングを用いることができる。ドライエッチングによれば、ヴィアホールの形状を設計の通りとするのが容易となる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、表面電極と裏面電極の接続に用いられるヴィアホールを確実に所望の形状とできる半導体装置の製造方法が提供される。
【0083】
尚、本実施の形態の半導体装置の製造方法におけるヴィアホールを形成するためのドライエッチングは、引き続く第2、第3及び第5の実施の形態において説明されるドライエッチング装置を用いて行われることができる。
【0084】
(第2の実施の形態)
図13は、本実施の形態に係るプラズマエッチング装置といったドライエッチング装置を示す概略図である。ドライエッチング装置101aは、処理チャンバ103を備える。処理チャンバ103は、チャンバ本体部103a及び蓋部103bを有する。蓋部103bは、チャンバ本体部103aを覆うようにチャンバ本体部103a上に配置されており、チャンバ本体部103a及び蓋部103bは、プラズマを形成するための領域を提供する。
【0085】
処理チャンバ103内には、平行平板電極といった一対の電極105が設けられている。一対の電極105は、上部電極105aと下部電極105bから構成される。一対の電極105の一方の電極(例えば、電極105b)上には、ウェハWといったワークピースを支持する支持台107が設置されている。支持台107の基板支持部107aは、化合物半導体基板といったウエハを支持できるように基準面に沿って伸びている。電極105aは、電源ユニット109の一端に接続されている。電源ユニット109は、マッチングネットワークといったインピーダンス整合回路109aと、RFジェネレータといった交流電源109bとを備える。交流電源109bの他端は、基準電位線113に接続されている。電極105bは、キャパシタ109cを介して基準電位線113に接続されている。交流電源109bは、一対の電極105間に高周波電力を供給する。この供給によって、処理チャンバ103内においてプロセスガスのプラズマが発生される。処理チャンバ103は、レジストが変性する温度未満に電極105b又は基板支持部107aの温度を保つための温度制御部111を有する。
【0086】
処理チャンバ103は、処理チャンバ103内を減圧排気するための減圧排気手段115を有する。減圧排気手段115は、支持部107aの背面に配置されたスロットルバルブ115a、ゲートバルブ115b、およびターボ分子ポンプ115cをいった減圧ポンプを含む。これら115a〜115cは排気経路を形成する。
【0087】
処理チャンバ103は、プロセスガスを処理チャンバ103内に導入するためのガス導入部117を備える。プロセスガスは、アルゴン(Ar)ガスといった不活性ガスArガス、HIといったハロゲン化合物ガス(ハロゲン含有ガス) を含む。
【0088】
図13に示すように、ガス導入部117は、ガス通路を介して一又は複数のノズル119を有している。ノズル119は、ガス導入部117が接続されたガス通路に接続され、蓋部103bの内側に設けられている。また、ノズル119は、一対の電極105間に設けられた領域121に向けて反応チャンバ103の内壁から突出している。
【0089】
ガス導入部117は、プロセスガス供給源123に接続されている。プロセスガス供給源123は、例えば、ガス供給ライン125a〜125f及びガス供給源126W、126Xを含む。ガス供給源126Wは、Heガス又はArガスといった不活性ガスの供給源であり、ガス供給源126Xは、ヨウ化水素(HI)ガスといったハロゲンガス又はハロゲン化合物ガスのエッチングガス供給源である。各ガス供給ライン125a〜125fには、開閉バルブ127a、127b及びマスフローコントローラ(MFC)129a、129bが設けられている。開閉バルブ127a、127bは、ガス導入部117へのガスの供給を制御する。マスフローコントローラ(MFC)129a、129bは、ガス導入部117に供給されるガスの流量を調整する。なお、ハロゲンガス又はハロゲン化合物ガスを例示的に示せば、HI、BCl3、HBr、HCl、CCl4、及びCl2の少なくともいずれかを含む。
【0090】
これら開閉バルブ127a、127b及びMFC129a、129bは、制御装置130からの制御信号により制御される。また、制御装置130は、減圧排気手段115および電源ユニット109に接続されており、スロットルバルブ115a、ゲートバルブ115b、ターボ分子ポンプ115cを制御する。
【0091】
図14(A)は、図13に示されたI−I線に沿ったドライエッチング装置の断面を示す図面である。図14(B)は、図14(a)に示されたII−II線に沿ったドライエッチング装置の断面を部分的に示す図面である。図14(A)及び図14(B)は、下部電極の近傍を詳細に示している。図14(A)及び図14(B)を参照すると、支持台107は、SiO2といった絶縁材料で形成されており、一対の電極105a、105bの間に位置している。本実施の形態では、支持台107は、電極105b上に配置されており、クランプリングといった留め具131と電極105bとによって留められている。基板支持部107aは、ワークピースWの主面が電極105aに向くように、その主面上にワークピースWを搭載できるように設けられている。留め具131上には、一又は複数の固体シリコンソース133a〜133dが配置されている。固体シリコンソース133a〜133dの各々は、シリコン基板といったシリコン片であることができる。固体シリコンソース133a〜133dは、支持台107の軸に関して所定の対称性を示すように配置されている。或いは、シリコン供給源として、例えば、ドーナッツ形状、円環形状、又は支持台7の軸を回るループ形状の固体シリコンソースを留め具131上に配置してもよい。
【0092】
図15(A)及び図15(B)は、図14(A)及び図14(B)に示された実施の形態における変形例を示す。図15(a)は、図13に示されたI−I線に相当する線に沿ったドライエッチング装置の断面を示す図面である。図15(B)は、図15(A)に示されたIII−III線に沿ったドライエッチング装置の断面を示す図面である。図15(A)及び図15(B)を参照すると、支持台107は、SiO2といった絶縁材料で形成されており、一対の電極105a、105bの間に位置している。変形例では、固体シリコンソース133a〜133dの替わりに、一又は複数の固体シリコンソース135a〜135dが使用されている。固体シリコンソース135a〜135dは、絶縁性の支持台107上に配置されている。固体シリコンソース135a〜135dの各々は、シリコン基板といったシリコン片であることができる。固体シリコンソース135a〜135dは、支持台107の軸に関して所定の対称性を示すように配置されている。或いは、シリコン供給源として、例えば、ドーナッツ形状、円環形状、又は支持台7の軸を回るループ形状の固体シリコンソースを支持台107上に配置してもよい。
【0093】
図16(A)及び図16(B)は、図13に示されたドライエッチング装置の別の変形例を示す図面である。ドライエッチング装置101cでは、チャンバ103の内壁面に固体シリコンソース147a〜147dを配置している。本変形例では、固体ソース源が内壁面上に部分的に配置されているが、軸Axを囲むように配置されてもよい。
【0094】
固体シリコンソース133a〜133d、固体シリコンソース135a〜135d及び固体シリコンソース147a〜147dは、エッチングされるべきワークピースWの周囲に配置されている。この配置により、エッチング中に固体シリコンソースからプラズマ中にシリコンを供給することが可能になる。
【0095】
以上説明したように、ドライエッチング装置101a〜101cにおいては、一又は複数の固体シリコンソースをプロセスチャンバ内に配置している。固体シリコンソースは、エッチング中にプラズマと作用してプラズマ中にシリコン(原子、イオン、ラジカル、シリコン化合物、及び/又はシリコン原子を含むフラグメントを少なくともいずれか含む物質又は化学種)を提供する。提供されたシリコンは、化合物半導体の構成元素とエッチングガスとの反応生成物と反応すると考えられる。発明者は、この反応によって、発明者がこれまで使用してきたエッチングレシピの温度摂氏160度よりも低い温度でドライエッチングを可能になっていると考えている。
【0096】
図17(A)〜図17(C)の各々は、図13並びに図14(A)及び図14(B)に示されたドライエッチング装置101aを用いて、化合物半導体基板をエッチングする工程を示す。しかしながら、化合物半導体基板をエッチングするために、変形例として示されたドライエッチング装置101b〜101d及び後ほど説明されるエッチング装置101eを用いることもできる。
【0097】
図17(A)に示されるように、チャンバ103内に固体シリコンソース133a〜133dが配置されたエッチング装置101aを準備する。電極105b上には、基板支持部107aを介して基板137が配置されている。基板137は、絶縁物層137aと、絶縁物層137a上に設けられた一叉は複数の化合物半導体層137bと、レジストといった感光性有機物(感光性樹脂)から構成されたマスク層137cとを有する。例えば、エッチングされる化合物半導体層は、InP半導体又はGaAs半導体といったIII−V族化合物半導体から構成されることができる。
【0098】
図17(B)に示されるように、真空排気手段115を用いてチャンバ103内を減圧する。次いで、バルブ127a及び127b並びにマスフローコントローラ129a及び129bを制御して、HIといったエッチングガスを含むプロセスガスをチャンバ103内に供給する。続いて、交流電源109bを作動させて、一対の電極105の間にプロセスガスのプラズマ139を生成する。チャンバ103内では、プラズマ139に露出された半導体層137bの部分がエッチングされていく。エッチング中には、プラズマ139には、矢印Aで示されるようにエッチングガスがエッチングガス源から供給されると共に、矢印Bで示されるようにシリコン物質が固体シリコン源133a、133bから供給される。シリコン物質は、エッチングガスが固体シリコン源133a〜133dに化学的に作用することにより生成され、例えば、シリコンイオン、シリコンラジカル、シリコン化合物、及びシリコンを含むフラグメントの少なくともいずれかを意味する。電極105b、支持台107といった部品の温度は、摂氏120度以下(或いは、高くても摂氏150度以下)に保たれている。マスク層137cは、レジストといった感光性有機物(感光性樹脂)から構成されているけれども、エッチング中の基板温度の上昇に起因するダメージを受けることがない。この化合物半導体をエッチングする工程の後に、被エッチ基板137が得られる。
【0099】
図17(C)に示されるように、固体シリコン源を用いて基板137をエッチングする実験では、被エッチ基板141のエッチング領域141aに針状析出物が観察されていない。また、エッチング工程の後に、剥離剤を用いてマスク層137cを除去できる。故に、エッチングによってマスク層137cに顕著な変質はない。しかしながら、固体シリコン源を用いることなく基板をエッチングする実験では、被エッチ基板のエッチング領域に針状析出物が観察されている。
【0100】
(第3の実施の形態)
図18は、別の実施の形態に係るプラズマエッチング装置といったドライエッチング装置を示す概略図である。図19(A)は、図18に示されたIV−IV線に沿った断面を示す図面である。図19(B)は、図19(A)に示されたV−V線に沿った断面を示す図面である。
【0101】
ドライエッチング装置101dは、処理チャンバ103を備える。処理チャンバ103は、チャンバ本体部103aと、蓋部103bとを有する。図19(A)及び図19(B)を参照すると、ドライエッチング装置101dは、固体シリコンソースを備えていない。つまり、支持台107及び留め具131上には、固体シリコンソースが置かれていない。
【0102】
ドライエッチング装置101dでは、固体シリコンソースの代わりに追加のガス供給源126Yを備えている。すなわち、ドライエッチング装置101dでは、プロセスガス供給源124は、例えば、ガス供給ライン125a〜125f及びガス供給源126W、126Xを含む。プロセスガス供給源124は、更に、ガス供給ライン125g〜125i及びガス供給源126Yを含む。ガス供給源126Yは、SiCl4ガスといったシリコン化合物ガスの供給源である。シリコン化合物ガスを例示的に示せば、SiF4、SiCl4、及びSiHCl3がある。シリコン化合物ガスの一又は複数種を含む混合ガスを用いても良い。各ガス供給ライン125g〜125iには、開閉バルブ127c及びマスフローコントローラ(MFC)129cが設けられている。開閉バルブ127cは、ガス導入部117へのガスの供給を制御する。MFC129cは、ガス導入部117に供給されるガスの流量を調整する。これら開閉バルブ127a〜127c及びMFC129a〜129cは、制御装置130からの制御信号により制御される。
【0103】
図20(A)〜図20(C)の各々は、図18並びに図19(A)及び図19(B)に示されたドライエッチング装置101dを用いて、化合物半導体基板をエッチングする工程を示す。
図20(A)に示されるように、ハロゲン系エッチングガス及びシリコン化合物ガスを含むプロセスガスをチャンバ103内に供給できるエッチング装置101dを準備する。電極105b上には、支持台107を介して基板137が配置されている。基板137は、既に説明したように、絶縁物層137aと、一叉は複数の化合物半導体層137bと、マスク層137cとを有する。例えば、化合物半導体層137bは、InP半導体又はGaAsといったIII−V族化合物半導体から構成されることができる。
【0104】
図20(B)に示されるように、真空排気手段115を用いてチャンバ103内を減圧する。次いで、バルブ127a〜127c並びにマスフローコントローラ129a〜129cを制御して、HIといったエッチングガス及びSiCl4ガスといったシリコン化合物ガスを含むプロセスガスをチャンバ103内に供給する。続いて、交流電源109bを作動させて、一対の電極105の間にプロセスガスのプラズマ143を生成する。チャンバ103内では、プラズマ143に露出された半導体層137bの部分がエッチングされていく。エッチング中には、プラズマ143には、矢印Cで示されるようにエッチングガスがエッチングガス源から供給されると共に、矢印Dで示されるようにシリコン物質がシリコン化合物ガスから供給される。電極105b、支持台107といった部品の温度は、摂氏150度未満に保たれている。マスク層137cは、レジストといった感光性有機物(感光性樹脂)から構成されているけれども、エッチング中の基板温度のためにダメージを受けることがない。この化合物半導体をエッチングする工程の後に、被エッチ基板145が得られる。
【0105】
図20(C)に示されるように、ハロゲン系エッチングガス及びシリコン化合物ガスを用いて基板137をエッチングする実験では、被エッチ基板145のエッチング領域145aに針状析出物が観察されていない。また、エッチング工程の後に、剥離剤を用いてマスク層137cを除去できる。故に、この実験においても、エッチングによってマスク層137cに顕著な変質はない。しかしながら、シリコン化合物ガスを用いることなくハロゲン系エッチングガスを用いて基板をエッチングする実験では、被エッチ基板のエッチング領域に針状析出物が観察されている。
【0106】
(第4の実施の形態)
図21は、上記の実施の形態のドライエッチング方法を適用できる化合物半導体デバイスを製造する方法のための主要な工程を示す平面図である。
【0107】
デバイス形成工程
図21を参照すると、化合物半導体デバイス150は、デバイス形成領域150aと、ビア孔形成領域150bとを備える。デバイス形成領域150aには、ヘテロ接合バイポーラトランジスタといった半導体素子152が形成されている。半導体素子152は、III−V族化合物半導体から構成されている。ビア孔形成領域150bには、化合物半導体デバイス150の一方の面上の導電体と他方の面上の導電体とを接続するためのビア孔が形成されており、このビア孔には導電体が形成されている。ビア孔は、半導体基板を貫通している。引き続く説明では、InP基板上に形成されたヘテロ接合バイポーラトランジスタを説明するけれども、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、例えば、InP基板又はGaAs基板上に形成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタに対しても同様に適用できる。
【0108】
半導体素子152は、コレクタ領域152a、ベース領域152b、エミッタ領域152cを備える。コレクタ領域152aにはコレクタ電極154aが接続されており、ベース領域152bにはベース電極154bが接続されており、エミッタ領域152cにはエミッタ電極154cが接続されている。図9に示される化合物半導体デバイス150では、エミッタ電極154cは、ビア孔形成領域150bに設けられている。
【0109】
マスク層形成工程
図22は、ビア孔のためのマスク層を形成する工程を示す図面である。InPウエハ156の裏面156a上にエッチングマスク層158を形成する。エッチングマスク層158は、ビア孔が形成されるべき領域に開口158aを有している。エッチングマスク層158は、ドライフィルムレジスト膜といったレジスト膜を感光及び現像することにより成形できる。開口158aは、ウエハ156の表面に設けられた電極154cに位置合わせされている。また、開口158aの内径は、例えば50〜80マイクロメートル程度である。
【0110】
ビア孔形成工程
図23は、ビア孔を形成する工程を示す図面である。図23に示されるように、エッチングマスク層158を用いてエッチングを行うと、ビア孔が形成される。このエッチングは、図13若しくは図18に示されたドライエッチング装置、又は図17若しくは図20に示されたエッチング方法を用いて行うことができる。このエッチングにより、ウエハ156を貫いて絶縁膜160に到達する孔が形成される。エッチング条件を例示すれば、
・基板支持部の設定温度:摂氏120〜160度
・エッチングガス:沃化水素(HI)、20〜40 sccm
・希釈ガス:アルゴン
・高周波周波数:13.56 MHz
・プラズマパワー密度:10 W/cm2
である。なお、シリコン化合物ガスSiCl4の実施例では、このガスの流量は、2〜10sccmである。また、固体シリコンソースを用いる実施例では、固体シリコンソースとしてシリコンウエハを用いている。
【0111】
次いで、電極154cが現れるまで、一又は複数の絶縁膜60を、詳述すれば絶縁膜160a〜160dを、エッチングする。ここで、絶縁膜160a〜160dがSiN膜である場合、例示的なエッチング条件
・基板支持部の設定温度:常温
・エッチングガス:CF4、5〜30 sccm
・高周波周波数:13.56 MHz
・プラズマパワー密度:5 W/cm2
を用いることができる。このエッチングの結果、ビア孔162が形成される。ビア孔162はウエハ156を貫通するとともに電極154cに到達している。この後、エッチングマスク層158を除去する。
【0112】
埋め込み工程
図24は、ビア孔を導電体で埋め込む工程を示す図面である。ウエハ156の裏面156aに金属膜164を形成する。例示すれば、金属膜164は、スパッタ法で堆積することができ、その膜の材料は金を含むことができ、その厚さは0.1〜0.2マイクロメートルである。この金属膜164は、金メッキを行うためのシード層として利用するために、ウエハ156の裏面並びにビア孔162の内壁面及び底面に形成される。金属膜164を形成した後に、メッキ法を用いて金属膜164上に導電体を形成して、ビア孔162を導電体で埋め込む。例示すれば、電界メッキ法により金を金属膜164上に堆積する。これにより、ビア孔162が埋め込まれて金属プラグ166aといった導電体と、裏面156a上に導電膜166bが形成される。例示すれば、導電膜166bの厚さは20〜30マイクロメートルである。
【0113】
以上説明したドライエッチング方法においては、ハロゲン元素を含むエッチングガスを用いて、シリコン物質を含む雰囲気中において、一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板をドライエッチングして被エッチ基板を形成する。したがって、被エッチ基板のエッチング領域に針状析出物が観察されない。
【0114】
(第5の実施の形態)
III−V族化合物半導体基板の基板ヴィアホールを形成するために、第2の実施の形態では、ドライエッチング装置が用いられている。引き続く説明では、半導体デバイスとしてヘテロバイポーラトランジスタを例示的に説明するけれども、本願に記載された発明は、ヘテロバイポーラトランジスタに限定的に適用されるものではなく、ヘテロバイポーラトランジスタ以外の半導体デバイス、例えば、MESFET、ダイオード、集積回路素子に適用される。
【0115】
図25(A)〜図26(C)、図27及び図29は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法を示す図面である。図28は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法に使用できるエッチング装置を示す図面である。
【0116】
図2(A)〜図6(B)に示される製造工程により、ヘテロバイポーラトランジスタといった半導体デバイスをウエハ2の主面に形成してワークピースWPを準備する。図25(A)に示されるように、ワークピースWPは、半導体デバイスが設けられているデバイス形成面WPaと、デバイス形成面WPaに反対の裏面WPbとを有する。
【0117】
好適な実施例では、図25(B)に示されるように、ワークピースWPは、サファイア製支持具171に貼り付けられる。サファイア製支持具171は、後ほど説明されるように、ドライエッチング装置(図27の参照番号101e)の電極上に置かれる支持台であることができる。サファイア製支持具171は、ワークピースWPのデバイス形成面の面積より大きな取付面を有しており、好適な実施例では、サファイア基板である。このサファイア基板は、例えば、0.5ミリメートル程度〜1ミリメートル程度の厚さを有している。サファイア基板の形状は、次工程の裏面フィルムレジストの形成等を考慮して、ワークピースWP(例示すれば、ウエハ)の外形より大きい円形であることが好ましい。貼り付けは、摂氏150度以上の軟化点を有するワックスといった接着材122を用いて行われることが好ましい。
【0118】
また、図25(C)に示されるように、貼り付けに先立って、デバイス形成面WPaを保護するために、デバイス形成面WPa上に保護膜120を形成することが好ましい。保護膜としては、デバイス形成面WPaの全面に形成されたレジストを用いることができる。このレジストの膜厚は、約20マイクロメートル以上であることが好ましい。このレジストは、パターニング用の通常のレジストに比べて耐熱性の優れたものであれば、更に好適である。
【0119】
図26(A)に示されるように、貼り付け工程の後に、ワークピースWPの裏面WPbにフィルムレジスト190を形成する。フィルムレジスト190は、例えば、第1の実施の形態において説明したような工程により形成される。二層構造を有するドライフィルムレジストをロールから展開して、ワークピースWPの裏面WPbにドライフィルムレジストに貼り付ける。展開したドライフィルムレジストの一方の層を剥離して、ワークピースWPの裏面WPbにフィルムレジスト190を形成する。ワークピースWPの裏面WPbには、感光面が露出されたフィルムレジスト190が残る。フィルムレジスト190の厚さは、例えば、20マイクロメートル以上の厚さであり、レジスト塗布器により塗布されるレジストの厚さより少なくとも10倍程度厚い。
【0120】
図26(B)に示されるように、フィルムレジストを形成した後に、ヴィア孔のパターンを転写するためのマスクMとワークピースWPとを互いに目合わせする。この目合わせでは、ワークピースWPの電極に対してヴィア孔のパターンを位置合わせする。位置合わせのためのサンプリング光として、InP半導体基板といったワークピースWPの基板を透過する波長領域の光が選ばれる。0.92マイクロメートルの基礎吸収端波長を有するInP半導体基板に対しては、この波長より長い光(赤外光)を用いることができる。また、この波長の光は、サファイア製支持具171も透過する。このような波長領域の光LRを目合わせに用いることにより、デバイス形成面に設けられた電極に、裏面ヴィア孔のためのマスクパターンを合わせることができる。
【0121】
図26(C)に示されるように、マスクMのアライメントが完了した後に、ワークピースWPの裏面WPb上にレジストにマスクMを通して光LUを照射する。レジストを露光した後に現像すると、図27に示されるようにエッチング用のレジストマスク163が形成される。
【0122】
図27を参照すると、エッチング装置裏面WPb上にレジストマスク163が形成されたワークピースがドライエッチング装置101e内の電極上に置かれている。図28を参照すると、ドライエッチング装置101eが示されている。ドライエッチング装置101eの構造は、既に説明されたドライエッチング装置101a〜101dにおける支持台107の代わりにサファイア製支持台171を備える。ワークピースWPは、基板支持部171a上に置かれている。ドライエッチング装置101eにおいて、上部電極105a及び下部電極105bの間にエッチングガスを導入して、この電極間に13.56MHzといた高周波電力を印加する。この電力により、エッチングガスのプラズマが発生して、プラズマ中のイオンは、電極105a、105b間に電界により加速されてマスクパターンの開口に露出している基板に衝突する。この衝突により、基板のエッチングが進行する。
【0123】
InP半導体をエッチングするためのガスとしては、ハロゲンガスとシリコン含有ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いることができる。ハロゲンガスとしては、沃化水素(HI)、塩化臭素(BrCl3)、臭化水素(BrH)、塩化水素(HCl)、四塩化炭素(CCl4)、及び塩素(Cl2)等が例示される。シリコン含有ガスとしては、フッ化シリコン(SiF4、SiHF3)、四塩化シリコン(SiCl4)等が例示される。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)等が例示される。InP半導体のインジウム(In)は、ハロゲンと反応してエッチングされる。他方の元素である燐(P)は高い蒸気圧を示すので、混合ガスに混ざり該混合ガスと一緒に排気され、或いは燐(P)は混合ガス中の水素(H)又は炭素(C)との反応物となって除去される。混合ガス中のシリコン(Si)は、反応生成物とさらに反応して蒸気圧の更に高いイオン種、ラジカル等になり、排気される。シリコン含有ガスからのシリコンに加えて、プロセスチャンバ内に設けられたシリコン基板からのシリコンを反応に利用して、化合物半導体のエッチングをすることが効果的である。各プロセスガスの供給は、マスフローコントローラにより制御される。エッチング条件を例示的に示せば、
供給ガス:沃化水素(HI)、ヘリウム(He)、四塩化シリコン(SiCl4)
流量比: HI:He:SiCl4=9:6:0.7
チャンバ内圧力:1パスカル
高周波パワー密度:5.7Watt・cm−2 (13.56MHz)
である。この条件における、InP半導体のエッチングレートは約2.0マイクロメートル/minである。厚さ100マイクロメートルのInP基板に裏面ヴィアホールを約50分で形成できる。エッチング中のウエハ温度は、摂氏170度程度である。
【0124】
図29を参照すると、エッチング装置101eにおいて、エッチングがほぼ終了したところを示している。エッチング中に、ワークピースWPに熱が発生する。この熱H1は、ワークピースWPから支持台171に伝搬する。熱H1は支持台171を広がるように伝搬する熱H2になる。熱H2は、支持台171から電極105bに伝搬する。
【0125】
以上のエッチングを行うと、ヴィアホール51が形成される。ヴィアホール51は、ウエハ2を貫通するとともに引き出し電極31に到達している。ヴィアホール51は、略円筒状に設けられており、その直径はエッチングマスク163の開口部63aの内径と略等しい。この後、エッチングマスク163を除去する。以上で、ヴィアホール51形成工程が終了する。
【0126】
InPまたはGaAsといったIII−V族化合物半導体の領域をドライエッチングする際に基板温度を上げると、基板を比較的良好にドライエッチングできる。しかしながら、化合物半導体のドライエッチングの技術分野において、より低い基板温度においてドライエッチングを行いたいという要望がある。その理由として、例えば、III−V族化合物半導体の領域をドライエッチングする際に用いるマスクといった関連部材も高温のエッチング温度に耐え得るものを用いることが求められるからである。発明者は、いくつかの実験からから、III−V族化合物半導体の領域をドライエッチングする際に基板をサファイア製支持具上に置くことが好適であることを見いだしている。
【0127】
また、サファイア材は可視光および赤外光に透明である。サファイア製支持具を用いれば、裏面ヴィアホールの形成のための目合わせも可能である。
【0128】
さらに、サファイア材の線膨張率はInP半導体の線膨張率に近い。石英製支持具に代えて、サファイア製支持具を用いると、ウエハといったワークピースを支持具に貼り付けることができる。サファイア製支持具を用いると、支持具からウエハが剥がれにくい。ウエハ及び支持具の温度はエッチング中に上昇して、エッチング後に低下する。サファイア製支持具にウエハを貼り付けるので、エッチング中に生じた熱は、ワークピースからサファイア製支持具へ速やかに伝搬しやすい。
【0129】
またさらに、サファイア製支持具を用いると、エッチング中にウエハから支持具に熱が伝わりやすい。サファイア製支持具の支持部は、ワークピースの面積より大きいので、ワークピース全面から熱を放出させるために好適である。支持具のサファイア材の熱伝導性は、石英材の熱伝導性に比べて優れている。サファイア製支持具によれば、ワークピースからの熱が下部電極からより放出されやすい。ワークピースの温度の上昇すると、レジストパターンの変色が生じる。しかしながら、サファイア製支持具を用いるエッチングでは、レジストパターンの変色は見られない。
【0130】
さらにまた、エッチング装置においてサファイア製支持具を用いると下部電極からの放熱性が良好になる。故に、エッチングレートが大きいプロセスレシピを用いることができる。発明者の実験の結果によれば、InP半導体のエッチングレートを約1.2マイクロメートル/分から約2.0マイクロメートル/分に大きくできる。
【0131】
以上説明したように、本実施の形態によれば、より低い温度でドライエッチングを可能にするドライエッチング方法及びドライエッチング装置が提供される。
【0132】
化合物半導体の電子デバイスでは、基板ヴィアホールの形成を容易にするために、基板の厚みを薄くする。基板ヴィアホールにより、基板の表面に設けられた電界効果トランジスタ(FET)或いはヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ(HBT)といった電子素子に基板の裏面から基板ヴィアホールを介して電気的な経路を提供できる。基板ヴィアホールを用いることにより、化合物半導体基板上の配線(例えば電源線、接地線)の長さを短くできる。化合物半導体基板の基板ヴィアホールは、ウエットエッチング法を用いて形成されてきた。ウエットエッチングでは、エッチングが等方的な進行するので、基板ヴィアホールの径は、基板の厚みと同程度となる。基板上の電子素子の縮小化が進む一方で、基板ヴィアホールの径は縮小できない。故に、化合物半導体デバイスの縮小化を阻害する。
【0133】
本実施の形態によれば、化合物半導体基板の基板ヴィアホールをドライエッチング装置を用いて形成できる。ところが、基板ヴィアホールの形成にはマスク層が必要である。半導体プロセスで広く用いられているレジストを該マスクの材料として用いる製造プロセスでは、エッチング中にレジストが変質することを防ぐためにエッチング温度を摂氏150度程度以下にすることが好ましい。また、より高温のエッチングではマスク材と半導体基板とのエッチングレートの差が小さくなり、エッチングマスクのレジスト厚を大きくすることが必要になる。
【0134】
化合物半導体のためのドライエッチングでは、エッチングされる基板は、サセプタ或いはトレイといった石英製支持具上に置かれる。エッチング中に、化合物半導体基板はプラズマのエネルギにより加熱される。例えば、エッチングの選択比及びエッチングレートを所望の範囲にするためには、より増強されたプラズマをエッチングに用いる必要がある。基板は、この増強されたプラズマに曝されて、その温度は上昇する。
【0135】
石英材の線膨張率は、InP又はGaAsといった化合物半導体の線膨張率に比べて一桁程度大きい。化合物半導体基板の厚さ、特に高周波デバイス用の化合物半導体基板の厚さは、数十マイクロメートル程度まで薄く加工されることに加えて、上記の化合物半導体の脆性が大きいので、化合物半導体基板の機械的な強度は小さくなっている。
【0136】
本実施の形態のエッチング装置は、サファイアから形成された支持台を備えているので、熱伝導、線膨張、光透過等の点において、基板ヴィアホールを形成するために好適である。
【0137】
本実施の形態は、該実施の形態に先立つ実施の形態にも適用できる。
【0138】
本実施の形態では、支持具としてサファイア材を用いたけれども、ダイアモンド材を用いることもできる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者により認識される。すなわち、本実施の形態に示された構成は例示であり、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、支持台又は留め具上に固体シリコンソースを配置したけれども、プロセスチャンバ内に設けられていれば、固体シリコンソースの配置はこれに限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲及びその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のドライエッチング方法およびエッチング装置によれば、より低い温度においてドライエッチングを可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、HBT1に形成されたHBTの構成を示す平面図である。図1(B)は、図1(A)中のI−I線に沿った断面を示す図である。
【図2】図2(A)及び図2(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、本実施形態による製造方法を説明する図である。
【図8】図8は、ドライフィルムレジストの概略図である。
【図9】図9は、ラミネータの構成を示す概略図である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、本実施形態による製造方法を説明する図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、本実施形態による製造方法の各主要工程におけるHBTの断面を示す図である。
【図13】図13は、本実施の形態に係るドライエッチング装置を示す概略図である。
【図14】図14(A)は、図13に示されたI−I線に沿ったドライエッチング装置の断面を示す図面である。図14(B)は、図14(A)に示されたII−II線に沿ったドライエッチング装置の断面を示す図面である。
【図15】図15(A)及び図15(B)は、図13に示されたドライエッチング装置の変形例を示す図面である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、図13に示されたドライエッチング装置の別の変形例を示す図面である。
【図17】図17(A)〜図17(C)は半導体領域をエッチングする工程を示す図面である。
【図18】図18は、別の実施の形態に係るドライエッチング装置を示す概略図である。
【図19】図19(A)は、図1に示されたIV−IV線に沿った断面を示す図面である。図19(B)は、図19(A)に示されたV−V線に沿った断面を示す図面である。
【図20】図20(A)〜図20(C)は半導体領域をエッチングする工程を示す図面である。
【図21】図21は、上記の実施の形態のドライエッチング方法を適用できる化合物半導体デバイスを製造する方法のための主要な工程を示す平面図である。
【図22】図22は、ビア孔のためのマスク層を形成する工程を示す図面である。
【図23】図23は、ビア孔を形成する工程を示す図面である。
【図24】図24は、ビア孔を導電体で埋め込む工程を示す図面である。
【図25】図25(A)〜図25(C)は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法を示す図面である。
【図26】図26(A)〜図26(C)は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法を示す図面である。
【図27】図27は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法を示す図面である。
【図28】図28は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法に使用できるエッチング装置を示す図面である。
【図29】図29は、本実施の形態に係る半導体装置を製造する方法を示す図面である。
【符号の説明】
1…HBT、2…ウエハ、3…サブコレクタメサ、4…コレクタ層、5…ベース層、6…エミッタ層、7…エミッタコンタクトメサ、10…主要部メサ、11,12,13,15,16…絶縁膜、14…SOG膜、21…エミッタ電極、22…ベース電極、23…コレクタ電極、21a…スルーコンタクト、21…保護膜、30…サブコレクタ膜、31, 32、33…引き出し電極、31a,32a,33a…パッド部、34…裏面電極、40…コレクタ膜、50…ベース膜、51…ヴィアホール、53…金属プラグ、60…エミッタ膜、62…レジストマスク、63…エッチングマスク、70…エミッタコンタクト膜、71…石英板、81…ラミネータ、91…金属多層膜、321…Auプラグ、101a、101b、101c、101d、101e…ドライエッチング装置、103…処理チャンバ、103a…チャンバ本体部、103b…蓋部、105…一対の電極、105a…上部電極、105b…下部電極、107、171…支持台、109…電源ユニット、111…キャパシタ、115…減圧排気手段、117…ガス導入部、119…ノズル、120…保護膜、122…接着剤、123…プロセスガス供給源、125a〜125i…ガス供給ライン、26W、26X、26Y…ガス供給源、127a、127b、127c…開閉バルブ、129a、129b、129c…マスフローコントローラ、131…留め具、133a〜133d、135a〜135d、147a〜147d…固体シリコンソース
Claims (12)
- 一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板を準備する工程と、
ハロゲン元素を含むエッチングガス、並びに、シリコンイオン、シリコンラジカル、及びシリコン化合物の少なくともいずれかを含む雰囲気中において前記化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程と
を備えるドライエッチング方法。 - チャンバ内に固体シリコンソースが配置されたエッチング装置を準備する工程と、
一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板を前記チャンバ内に置く工程と、
ハロゲン元素を含むエッチングガスを用いて前記化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程と
を備えるドライエッチング方法。 - 基板を前記チャンバ内に置く前記工程において、該基板は、サファイア製支持台を介して置かれている、請求項2に記載のドライエッチング方法。
- 一又は複数の種類の化合物半導体から構成される基板を準備する工程と、
ハロゲン元素を含むエッチングガスとシリコン化合物ガスとを用いて前記化合物半導体をエッチングして被エッチ基板を形成する工程と
を備えるドライエッチング方法。 - 前記シリコン化合物ガスは、SiF4、SiCl4、及びSiHCl3の少なくともいずれかを含む、請求項4に記載のドライエッチング方法。
- エッチングする前記工程に先立って、レジストから構成されるマスク層を形成する工程を備え、
エッチングして被エッチ基板を形成する前記工程においては、前記マスク層を用いて前記化合物半導体をエッチングする、請求項1〜5のいずれかにドライエッチング方法。 - 前記エッチングガスは、HI、BCl3、HBr、HCl、CCl4、及びCl2の少なくともいずれかを含む、請求項1〜6のいずれかにドライエッチング方法。
- 化合物半導体をエッチングするエッチング装置であって、
一対の電極と、
基板を支持するための基板支持部と、
ハロゲン元素を含むエッチングガスを供給するガスソースと、
前記一対の電極間に高周波電力を提供するための電源と、
前記一対の電極及び前記基板支持部を収容するプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバ内に設けられた一又は複数の固体シリコンソースと
を備える、ドライエッチング装置。 - 前記基板支持部はサファイア製である、請求項8に記載のドライエッチング装置。
- 半導体基板の表面上に、III−V族化合物半導体から構成される半導体素子と、前記半導体素子のための電極とを形成する工程と、
前記半導体基板の表面上に前記電極に接続する接続電極を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に感光性シートを貼り付け、前記感光性シートからエッチングマスクを形成する工程と、
前記エッチングマスクを用いてドライエッチングを行って前記半導体基板を貫通し前記接続電極に到達する孔を設ける工程と、
前記孔に前記接続電極に接続する配線部を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に前記配線部に接続する電極を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法。 - 半導体基板の表面上に、III−V族化合物半導体から構成される半導体素子と、前記半導体素子のための電極とを形成する工程と、
前記半導体基板の表面上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に前記電極に接続する接続電極を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に感光性シートを貼り付け、前記感光性シートからエッチングマスクを形成する工程と、
前記エッチングマスクを用いて前記半導体基板および前記絶縁膜をドライエッチングして、前記半導体基板を貫通し前記接続電極に到達する孔を設ける工程と、
前記孔に前記接続電極に接続する配線部を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面に前記配線部に接続する電極を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法。 - 前記接続電極を形成する工程と前記エッチングマスクを形成する工程との間に、
前記半導体基板の表面を保護する保護膜を該表面上に形成する工程と、
前記保護膜に接するように支持部材を前記半導体基板に貼り付ける工程と、
前記支持部材に貼り付けられた前記半導体基板の裏面を研磨して、前記半導体基板を薄くする工程と、を更に備える請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
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