JP2004087253A - 有機電子デバイス - Google Patents

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明渡 邦夫
Koji Noda
野田 浩司
Atsushi Miura
三浦 篤志
Hisayoshi Fujikawa
藤川 久喜
Yasunori Taga
多賀 康訓
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Abstract

【課題】曲げ応力耐性が高く、かつ防湿性の高い、有機電子素子などに最適な保護膜の提供。
【解決手段】有機電子素子の保護膜として、有機電子素子を覆って第2保護膜22を形成し、有機電子素子と基板10との間に第1保護膜20を形成する。この第1及び第2保護膜20,22のいずれか又は両方を、少なくともプラズマ重合膜24によって気相成長無機膜26を挟んだ積層構造とする。気相成長無機膜26をプラズマ重合膜24で挟むことで、気相成長無機膜26との間で生ずる応力を相殺でき、気相成長無機膜26の曲げ応力耐性が向上する。少なくとも積層構造を採用した第2保護膜22は、有機電子素子を被覆するのに十分な総膜厚とする一方で、気相成長無機膜26の膜厚はできるだけ薄くして無機膜の曲げ応力耐性等が向上し、長期間の高い防湿性の維持が可能となる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、有機電界発光素子などの有機層を備える有機電子素子、特にこの素子を保護するための保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光素子(以下有機EL素子)など、機能材料として有機化合物を用いた有機電子素子が注目され研究されている。有機化合物は、無機化合物と比較して機能に応じた分子設計の自由度が高いため、これらの有機化合物を用いた有機電子素子により様々な発光色の発光素子を実現したり、低温形成可能で高移動度のトランジスタなどの実現が期待できることがその一因である。
【0003】
このような有機化合物を用いた有機電子素子では、有機化合物層が空気中の水分や酸素などによる浸食を受けやすいことが知られている。有機EL素子を例に挙げると、これら水分や酸素の存在下では、ダークスポットが生じたり、素子が短絡する等の劣化が起こる。そこで、このような劣化を防ぎ有機EL素子を保護する手段として、素子全体を乾燥窒素や、アルゴンガスなどの雰囲気中でカバーガラスや缶パッケージなどで封止する手法が用いられている。
【0004】
また、より低コストで素子パネルの大面積化が容易な手法として、有機EL素子全体を保護膜で覆う手法も提案されている。このような保護膜としてアモルファスカーボン(特開昭63−259994号公報、特開平7−161474号公報)や、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜(特開平4−73886号公報)、DLC(Diamond Like Carbon、特開平5−101885号公報)の他、無定型シリカ(特開平5−335080号公報)、SiZnO・SiZnON(特開平8−96955号公報)、有機材料としてポリパラキシレン(特開平4−137483号公報)、ポリ尿素(特開平8−222368号公報)等を用いることが提案されている。
【0005】
保護層を何層か積層させた構造も提案されており、例えば、気相法によって形成された層と光硬化性樹脂からなる層との積層構造(特開平4−267097号公報)や、無機保護膜と封止樹脂との積層構造(特開平11−40345号公報)が報告されている。
【0006】
また、有機保護膜と、無機の酸素吸収膜や無機保護膜などとが積層した構造が、例えば特開平7−169567号公報、特開平7−192868号公報、特開2000−068050号公報、特開2001−307873号公報に開示されている。
【0007】
さらに、基板としてフレキシブル基板を用いた場合にこの基板の保護膜として「Barix」を用いることが報告されている(DISPLAYS 22, 65 (2001))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
有機EL素子を用いた表示デバイスは、様々な機器への搭載が検討されているが、例えば自動車へ搭載される(車載用)表示器として応用するには高温、高湿度条件に適応することが求められる。上記保護膜を用いて有機EL素子を水分や酸素から遮蔽することは、該有機EL表示デバイスの薄型化、低コスト化、大面積化にとって必要不可欠な技術であると考えられている。しかし、上述のような車載用途では、高温、高湿度下において、熱応力や吸湿応力によって保護膜にクラックが入ったり、保護膜が剥離する現象を確実に防止する必要がある。そして、このような現象を回避するには、保護膜が、応力耐久性に優れ、かつ有機EL素子に対して優れた密着力を持つ薄膜であることが要求される。
【0009】
軽量化、薄型化等のために可撓性を備えた有機電子デバイスを実現するため、素子を形成する基材としてプラスチック材などからなるフレキシブル基板を採用した場合、カバーガラスや、缶パッケージなどによる素子の封止ができないため、保護膜により水分や酸素を遮蔽しなければならない。さらに、このようなフレキシブル基板上に形成された有機電子素子の保護膜には、曲げに対して安定した特性を示すことが不可欠となり、曲げ応力耐久性に優れかつ応力緩和性も高いことが求められる。
【0010】
しかしながら、現在、このような要求を満たす保護膜は実現されていない。
【0011】
半導体分野において保護膜としてよく用いられるシリコン窒化膜やシリコン酸化膜などの無機保護膜は、空気中の水分や酸素に対する遮蔽性、熱伝導率は高いが、ヤング率が大きいために熱応力が大きいといった欠点や、比較的脆弱な材質のためクラックが入りやすいといった欠点がある。特に、有機EL素子の保護膜としてこのような無機保護膜を用いる場合、防湿性を高めるためには、この無機保護膜を厚さ1μm程度、少なくとも0.5μmより厚くする必要がある。しかし、このような厚い無機保護膜において、応力の影響は一層大きくなり、高温や高湿条件下でクラックが入るばかりでなく、曲げに対して必要な耐久性を得ることができないという問題がある。
【0012】
また、上記ポリパラキシレンやポリ尿素などの有機保護膜は、柔軟性に優れた膜であるため、フレキシブル基板上に形成された有機電子素子に採用した場合、高い応力耐久性は得られるが、膜の緻密性が低いため水分や酸素の遮蔽性が低く、例えば車載用などに用いられる有機電子素子の保護膜としては適切でない。
【0013】
アモルファスカーボン膜(a−C)からなる保護膜は、有機電子素子に対する密着性に劣り、また膜自体にかかる応力を制御することが難しく、高温や高湿条件においてクラックや剥離といった問題が生じ、フレキシブル基板上に形成された素子に用いることができない。
【0014】
無機保護膜と封止樹脂の組み合わせで有機電子素子を覆った場合、無機保護膜を薄くすると防湿性が不十分となるが、無機保護膜を厚くすると応力耐久性が低下するというトレードオフの関係があり、防湿性の向上と応力耐久性の向上は両立することができない。
【0015】
さらに、有機保護膜と無機保護膜とが積層された上記特開平7−169567号公報等の構成においても、それぞれ上記無機保護膜の持つ問題と、有機保護膜の持つ問題とが残るため、これらそのままをフレキシブル基板を用いた有機電子素子の保護膜として採用しても、必要な保護機能を発揮できない。
【0016】
また、上述のように「Barix」を用いた保護膜は、フレキシブル基板への適用が報告されているが、この「Barix」を用いた保護膜は、蒸着により成膜する。ところが、蒸着によって形成された有機膜と無機膜は密着性が弱く、高温高湿環境下での耐久性に劣り、剥離やクラックの発生がおこりやすい。
【0017】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、有機電子素子の保護膜、特に基板が可撓性であっても優れた保護機能を発揮可能な保護膜を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、有機電子デバイスにおいて、基材上に、少なくとも電極と有機化合物層を備える有機電子素子と、前記有機電子素子を覆って形成された保護膜及び前記有機電子素子と前記基材との間に形成された保護膜のいずれか一方又は両方、を備え、前記保護膜は、気相成長無機膜と、有機化合物を少なくとも1種含む材料を用いて形成されたプラズマ重合膜と、が交互に積層され、かつ前記プラズマ重合膜が前記気相成長無機膜を挟んで形成されている積層膜を含む。
【0019】
また、上記有機電子デバイスにおいて、前記プラズマ重合膜は、例えば、アモルファス窒化炭素、アモルファス炭素、ヘテロ五員環有機化合物重合体、フッ素系有機化合物重合体、塩素系有機化合物重合体、アクリル系有機化合物重合体、シリコン系有機化合物重合体のいずれかを含んで構成でき、前記気相成長無機膜は、例えば窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、アモルファスシリコン、ダイアモンド状カーボンのいずれかを含んで構成することができる。
【0020】
有機電子素子の保護膜として、有機化合物を含むプラズマ重合膜と、気相成長無機膜との多層積層膜を採用することにより、防湿性は高いが曲げ応力耐性の低い気相成長無機膜の膜厚を薄くして曲げ応力耐性を高め、その分低下する防湿性を、応力緩和性に優れ、かつ曲げ応力耐性も高い有機化合物を含むプラズマ重合膜との多層積層によって補うことができる。このため、本発明の有機電子デバイスではこの多層の積層膜からなる保護膜によって高い曲げ応力耐性と、高い防湿性を実現することができる。
【0021】
更に、本発明に係る保護膜は、プラズマ重合膜が気相成長無機膜を挟んで形成されているため、気相成長無機膜の上下のプラズマ重合膜が気相成長無機膜に応力集中が発生することを確実に防止する。気相成長無機膜の一方の面にしかプラズマ重合膜が存在しないと、これらが曲げられた際、両膜の特性差に起因して応力が発生し、段差部や突起部において応力集中が発生する。特に上述のように無機膜はその曲げ応力耐性が低いため、応力集中が起こると無機膜にクラックが発生し、或いは膜界面で剥離が発生し、防湿性が低下してしまう。しかし、本発明のように、特性が同一または類似したプラズマ重合膜で気相成長無機膜を挟むことにより、プラズマ重合膜が気相成長無機膜を挟んで逆の効果を及ぼし、釣り合いがとれて応力が発生しにくく、応力集中を防止できる。従って、基材が曲げられた状態となってもクラック発生や防湿性低下を防ぐことができる。
【0022】
また、有機化合物を含むプラズマ重合膜と気相成長無機膜を1層ずつ積層しただけでは、両膜の熱膨張係数に差があることから熱応力が発生し、保護膜にそりが発生して段差部などで応力集中が起こり、応力の集中した部位で防湿性能の低下が起こりやすい。しかし、本発明のように保護膜を気相成長無機膜をプラズマ重合膜で挟んだ積層構造とすれば、プラズマ重合膜と気相成長無機膜との間の熱応力を気相成長無機膜を挟んで均衡させることができる。従って、保護膜にそりが発生せず、クラック発生を防止でき、また、保護膜の熱応力による防湿性悪化などが起こらず、高温高湿度条件に曝される有機電子素子についても十分な長寿命化を図ることができる。
【0023】
さらに、有機化合物を含むプラズマ重合膜が、応力緩和層として機能するため、気相成長無機膜との間、有機電子素子との間、基板との間における熱応力をこのプラズマ重合膜によって緩和でき、無機膜や素子への熱応力の影響を軽減でき、素子特性の悪化や、防湿性能の低下を防ぐことができる。
【0024】
本発明に係る多層積層構造の保護膜は、高い曲げ応力耐久性と防湿性を備える。従って、有機電子素子を可撓性材料を用いた基板の上に形成した場合においても、有機電子素子を上記のような保護膜で覆うことで素子の信頼性の向上と長寿命化を図ることができる。また、有機電子素子と基板との間に本発明のような保護膜を形成することにより、基板が曲げられてもクラック発生などによる防湿性低下、熱応力による防湿性能の低下などが起こりにくく、基材側から素子への水分や酸素の侵入を確実に防止できる。
【0025】
また、本発明の保護膜は、有機電子素子を覆うと共に、基板と素子領域との間にも形成することで、基材を含め外界からの水分や酸素の侵入を防ぐことができ、有機電子素子をより一層確実に保護することができる。
【0026】
本発明の他の態様において、前記積層膜中の前記気相成長無機膜は、その1層当たりの厚さを0.5μm以下とすることができる。本発明の保護膜はプラズマ重合膜と気相成長無機膜との多層積層構造を備えるため、無機膜だけで有機電子素子の段差を被覆するのに必要な0.5μm以上の膜厚とする必要がない。上述のように無機膜はヤング率が大きくて内部応力が大きいため曲げられた場合などクラックが入りやすく、厚く形成すると影響は一段と大きくなるが、無機膜を0.5μm以下とすることで、保護膜の機能は低下せず、高い防湿性を維持しながら高い曲げ応力耐久性を実現できる。
【0027】
本発明の他の態様では、上記有機電子デバイスにおいて、前記積層膜の積層数は50層以下とすることができる。
【0028】
また、本発明の他の態様では、上記有機電子デバイスにおいて、前記積層膜の総膜厚は、前記有機電子素子の総膜厚以上であって10μm以下とすることができる。
【0029】
本発明のプラズマ重合膜も気相成長無機膜のいずれも気相成長法により成膜するので、蒸着法などで形成した膜と異なり段差の被覆性に優れ、また積層膜により保護膜を構成することで保護膜の総膜厚を容易に有機電子素子の総膜厚以上の厚さとすることが容易で、十分な段差被覆性を実現することができる。また、総膜厚を不必要に厚くしても保護機能の向上よりも製造コストの面などでも不利となり、保護膜の総膜厚は最大で10μm程度で十分であり、また50層以下で十分である。
【0030】
また、本発明において、上記有機電子素子は、例えば有機電界発光素子、有機トランジスタ、液晶素子などを含む素子などとして適用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の好適な実施の形態(以下実施形態という)について説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る有機電子デバイスの概略断面構成を示し、図2は、図1の有機電子素子として採用した有機EL素子の概略構成を示しており、以下においては、有機電子素子として有機EL素子を中心に説明する。
【0033】
基板10の上には、有機電子素子として有機EL素子が形成されている。基板10の材料としては可撓性材料が採用可能であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エステル樹脂基板、アクリル樹脂、フッ素樹脂など様々なプラスチック材料が採用できる。また、この基板10は、有機EL素子が基板側から光を射出する構成の場合は、光透過性材料を用いることが必要であるが、素子側から光を射出する場合には非透過性材料を採用することもできる。
【0034】
有機EL素子は、具体的には図2に示すように第1電極12、有機化合物層30、第2電極18がこの順に積層されて構成されており、有機化合物層30は少なくとも有機発光材料を含む。第1電極12と第2電極18から電子と正孔を有機化合物層内に注入し、ここで電子と正孔が再結合して有機発光材料を励起させて発光を起こす。有機EL素子の各層の材料は特に限定されるものではなく、例えば従来より有機EL素子の材料として提案されている材料の他、今後新たに開発される材料及びそれらの組み合わせも採用可能である。例えば第1電極12は正孔注入電極(陽極)として機能し、ITO(Indiumn Tin Oxide)などの透明電極を用いて構成され、第2電極18は、電子注入電極(陰極)として機能し、Alなどの金属電極の単独構造の他、図2のようにフッ化リチウム(LiF)などからなる電子注入層16との積層構造を備えても良い。有機化合物層30は、上記のように少なくとも有機発光材料を含み、採用する有機材料等の特性に応じて、発光層の単層構造の他、正孔輸送層/発光層、発光層/電子輸送層などの2層構造、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層構造や、更に電荷(正孔、電子)注入層などを備える多層構造などから構成することができる。一例を挙げると、図2に示すように第1電極12側から銅フタロシアニン(CuPc)などからなる正孔注入層32、トリフェニルアミン4量体(TPTE)などからなる正孔輸送層34、キノリノールアルミ錯体(Alq)などからなる発光層36より構成でき、この素子ではAlqに由来する緑色の発光が得られる。
【0035】
本実施形態では、以上のような構成の有機EL素子を保護する保護膜としてプラズマ重合膜24と、気相成長無機膜26とが交互に積層され、かつ、気相成長無機膜26をプラズマ重合膜24で挟んだ少なくとも3層の積層膜を用いる。
【0036】
そして、このような多層積層構造の保護膜は、本実施形態において、基板10と有機EL素子との間に形成した第1保護膜20と、有機EL素子を覆って形成した第2保護膜22の両方に採用している。但し、第1及び第2保護膜20、22のいずれか一方にのみ採用しても効果を得ることができる。
【0037】
有機EL素子を覆う第2保護膜22に上記積層構造を備えた保護膜を採用することで、機械的な強度を向上し、外界からの衝撃から有機EL素子を保護するだけでなく、基板の変形時にも、また高温、高湿度環境下においても、有機EL素子(特に有機化合物層30)に外界の水分や酸素が侵入して素子が劣化してしまうことを確実に防止する。
【0038】
また、プラスチック材料などを用いた可撓性基板10は、ガラス基板などと比較して水分、酸素などの透過性が高いため、基板10を透過して有機EL素子領域に水分などが侵入することを防止する必要があり、基板10と素子領域との間にも保護膜を形成することが好ましい。そこで、基板10と素子との間に第1保護膜20を形成する場合、この保護膜20として、気相成長無機膜をプラズマ重合膜で挟んだ積層膜を採用することで、基板の変形時にもクラックが発生したり剥離することなく、また高温、高湿度下においても有機EL素子領域への水分などの侵入を確実に防止できる。もちろん、第1及び第2保護膜20、22の両方に上述のようなプラズマ重合膜と気相成長無機膜の多層積層構造を採用することで、曲げ応力耐久性及び防湿性のいずれについても最も高い効果を得ることができる。
【0039】
プラズマ重合膜24としては、アモルファス窒化炭素、アモルファス炭素、フランやピロールなどのヘテロ五員環有機化合物プラズマ重合体、メタクリル酸メチルプラズマ重合体、アクリロニトリルプラズマ重合体などアクリル系有機化合物プラズマ重合体、テトラフロロエチレンプラズマ重合体等のフッ素系有機化合物プラズマ重合体、ジクロロエチレンプラズマ重合体などの塩素系有機化合物重合体、テトラエトキシシリコンプラズマ重合体、ヘキサメチルジシラザンプラズマ重合体などのシリコン系有機化合物プラズマ重合体のいずれかを含むプラズマ重合膜などを採用することができる。プラズマ重合膜24としてアモルファス窒化炭素(a−CNx:H)膜を採用する場合、メタンガスと窒素ガスとの混合ガスを原料にしてプラズマ重合法にて形成する。フランプラズマ重合膜を採用する場合、気化させたフランを原料にしてプラズマ重合法によって形成する。なお、これらプラズマ重合法による重合膜24の成膜時には、基板温度を室温で実行でき、成膜時に熱による有機EL素子のダメージを確実に防止できる。
【0040】
気相成長無機膜26としては、窒化シリコン(Si膜)、窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化膜や、酸化シリコン(SiO膜)、酸化アルミニウム(Al膜)、酸化チタン(TiO膜,TiCO膜など)等の酸化膜、アモルファスシリコン、ダイアモンド状カーボン(DLC)のいずれか、又はそれらを1つ以上含んだ混合膜で構成することができる。また、気相成長法としては、プラズマCVD(化学気相成長)法、ALE(原子層エピタキシャル成長)法、cat(触媒)−CVD法などが挙げられる。気相成長無機膜26として、窒化シリコン膜を用いる場合、一例として、シランガスと窒化ガスとアンモニアガスを原材料に用い、プラズマCVD法によって形成することができる。
【0041】
基板10と素子領域との間の第1保護膜20は、図1に示す例では、基板側からプラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜の4層構造であるが、積層数は4層に限らず、プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜の3層構造でも良いし、4層以上でもよく、例えば10層程度又はそれ以上で防湿性能を向上することができる。但し、あまり層数を増やしても、保護機能は変わらないのに、製造コストが上昇するなど、或いは透明であることが要求される場合に透過性の低下などが起きる可能性があるため、50層程度以下とすることが好ましい。
【0042】
有機EL素子領域を覆う第2保護膜22についても、図1に示す例では素子側から順に気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜の4層構造であるが、積層数は4層に限らず、プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜の3層構造でも良いし、4層以上でもよい。また4層以上でもよく、例えば10層程度又はそれ以上で防湿性能を向上することができる。さらに、あまり層数を増やしても、保護機能は変わらないのに、製造コストが上昇し、或いは光透過性の低下などが起きるため、50層程度以下とすることが好ましい。
【0043】
なお、曲げ応力や熱応力による気相成長無機膜のクラック発生などを確実に防止するためには、第1及び第2のいずれの保護膜20,22も、少なくともプラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜の3層を備えることが望ましい。
【0044】
また、図1のように、第1及び第2保護膜20,22は、有機EL素子からみて最内層がいずれも気相成長無機膜24であり、プラズマ重合膜24が最外層となるような積層数とすることで、以下のような効果を得ることができる。
【0045】
最外層に関し、第1保護膜20ではプラズマ重合膜24を最外層(基板側)に採用することで、プラスチック材料などを用いた基板と、有機化合物を含むプラズマ重合膜24との間で長期間高い密着性を維持できる。これは、気相成長無機膜と比較すると、有機化合物を含むプラズマ重合膜24とプラスチック基板10とでは熱応力の差が小さいので剥離し難く、また、プラズマ重合膜24は比較的柔らかい膜であるので応力緩和機能が高く、基板の変形時などに剥離し難いなどの理由による。
【0046】
また、第2保護膜22については、最外層(外界側)にプラズマ重合膜24が位置することで、保護膜22上にさらにコーティング材料などの保護層を設ける場合にこの保護層と高い密着性を発揮できる。有機EL素子の基板と対向する側を上述のような第2保護膜22のみで覆ったのでは、機械的強度が十分でなく、摩擦や衝撃などの外部力により素子がダメージを受ける可能性があり、ハードコーティング材料などを第2保護膜22の上に接着する必要がある場合に極めて有効である。つまり、気相成長無機膜に用いられる材料は、多くの場合有機化合物が用いられるコーティング材料や接着剤との密着性が低いが、有機化合物を含むプラズマ重合膜24は、これらコーティング材料や接着剤との密着性に優れる。従って、第2保護膜22の最外層をプラズマ重合膜24とすることにより、第2保護膜22上に直接コーティング材料を塗布したりフィルム状のコーティング材料を接着することが可能となる。
【0047】
ここで、上記第2保護膜22の上に形成可能なコーティング材料は、特に限定されるものではないが、アクリル系、フッ素系、シリコーン系、ゴム系、これらのハイブリッド系などのハードコーティング材が挙げられる。
【0048】
また、上記第2保護膜22の上に接着可能なコーティング材料としては、フィルム状のコーティング材があり、例えば、芳香族ナイロンフィルム(延伸又は非延伸)、PETフィルム、EVOH(エチレン−ビニルアルコール)フィルム、ポリエチレンフィルムなどが挙げられる。また、これらのフィルムを第2保護膜22の上に接着する接着剤としては、光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、エポキシ樹脂など様々なものが採用可能である。
【0049】
次に、第1及び第2保護膜20,22の素子領域側の層(最内層)について説明する。最内層はプラズマ重合膜24でも、気相成長無機膜26のいずれでも良いが、本実施形態では、第1及び第2保護膜20,22のいずれにおいても気相成長無機膜26を最内層としている。
【0050】
有機EL素子では、概略すると図2に示したように第1及び第2電極12,18間に有機化合物層30が形成されており、第1及び第2電極12,18と、第1保護膜20,第2保護膜22の最内層とが接している。
【0051】
気相成長無機膜26の一つとしてSiN膜を例に挙げると、その原材料であるシランが化学的に活性であることから、金属材料などの表面への膜の吸着性が高く、その吸着性は、プラズマ重合膜24のa−CNx:H膜などよりも高い。気相成長無機膜26の材料の多くはこのような傾向を備えている。従って、最内層を気相成長無機膜26とすることで、金属や金属酸化物などが用いられる有機EL素子の第1、第2電極12,18に対して高い密着性が得られる。さらに、素子側面から有機化合物層30に外界の水分などが侵入することをより確実に防止するため、プラズマ重合膜24よりも水分などの遮蔽性が高い気相成長無機膜26で素子側面を覆うことにより、有機化合物層30の保護をより確実とすることが可能となる。
【0052】
また、プラズマ重合膜24は、例えばa−CNxH膜など、その膜構造が下地依存性を有するものがあり、そのような材料からなるプラズマ重合膜24は、下地膜として、例えばSiN膜などの緻密な膜を採用する方がプラズマ重合膜24をより緻密で水分や酸素の遮蔽機能の高い膜とすることができる。このため、少なくとも有機EL素子を覆う第2保護膜22については、最内層(有機EL素子側)を気相成長無機膜26とした方が、その保護膜の機能が高まる。
【0053】
さらに、第1及び第2保護膜20,22の各最内層である気相成長無機膜26については、互いの界面での応力発生などを防止する観点から、同一材料であることが好ましい。
【0054】
以上のような理由から、第1及び第2保護膜20,22のいずれについても有機EL素子側を気相成長無機膜26とすることがより好ましい。
【0055】
次に、第1及び第2保護膜20,22のプラズマ重合膜24及び気相成長無機膜26のそれぞれの膜厚について説明する。既に説明したように気相成長無機膜26は、膜厚が増大するにつれて応力の影響を強く受け、曲げ応力耐性などが低下する。一方で、曲げ応力耐性に優れたプラズマ重合膜24との積層構造であるため、形成された有機EL素子の段差を気相成長無機膜26だけで被覆する必要がない。従って、気相成長無機膜26は、曲げ応力耐性ができるだけ高くなるよう少なくとも0.5μm以下の厚さとすることが好ましく、例えば0.15μm程度と薄くすることが好適である。なお、0.5μmという厚さは、通常の有機EL素子の総膜厚程度であるが、気相成長無機膜26の膜厚をこのように薄くしても、気相成長法による成膜であるので、段差をある程度確実に被覆することができ、また、プラズマ重合膜24との多数積層構造をとるので、気相成長無機膜26の1層当たりが薄くても保護膜全体として十分な防湿性や、段差の被覆性を発揮できる。
【0056】
プラズマ重合膜24の膜厚については、上述の通り曲げ応力耐性があるため特に薄くする必要はなく、第2保護膜22の総膜厚が、有機EL素子の段差を被覆するのに十分な厚さとなるよう調整すればよい。一例として、プラズマ重合膜24は、0.5μm程度の厚さとすることができる。また、プラズマ重合膜24は、間に気相成長無機膜26を挟んで形成されて該無機膜26との間の熱応力によるそりなどをキャンセルする必要がある。よって、少なくとも無機層26を挟んで形成されるプラズマ重合膜24については、同じ材質でほぼ同じ膜厚とすることが好ましい。
【0057】
有機EL素子を覆う第2保護膜22については、少なくともその総膜厚が有機EL素子の総膜厚程度(多くの場合0.5μm程度)の厚さを備えることが好ましく、また最大でも10μm程度あれば十分な保護効果が得られる。このような範囲の厚さとすれば第2保護膜22により有機EL素子の段差を十分に被覆しつつ、防湿機能などを発揮できる。
【0058】
以上の説明では、基板10としてプラスチック材料を例に説明したが、プラスチックに限らず、撓みの発生しやすい薄いガラス基板、半導体基板、絶縁体基板材料なども採用できる。ガラスなど、本質的には変形の小さい材料であっても、例えば、非常に薄い基板であったり、このような薄いガラス基板とプラスチックフィルムとを貼り合わせた基板などでは、撓み易く、可撓性を備える。従って、このような基板に有機電子素子を形成する場合においても、保護膜として、上述のようなプラズマ重合膜で気相成長無機膜を挟んだ積層構造を備え、曲げ応力耐久性と防湿性にすぐれた保護膜を採用することで、素子の信頼性向上、長寿命化などを実現できる。なお、本発明の保護膜は可撓性基板上に形成された有機電子素子の保護に最適であるが、もちろん変形の少ない例えば通常の厚さのガラス基板上に形成された有機電子素子の保護用として採用しても、高い効果を得ることができる。
【0059】
さらに、有機電子素子として有機EL素子を例にあげて説明したが、その他、有機材料を能動層の材料などに用いたいわゆる有機トランジスタや、有機化合物である液晶を利用した素子など、機能材料を水分や酸素などから保護する必要の高い素子などの保護膜として用いても上記同様に高い効果を発揮できる。
【0060】
【実施例】
以下実施例1〜5に係る有機ELデバイスと、比較例1〜5に係る有機ELデバイスについて説明する。
【0061】
基板上に形成される有機EL素子は、各実施例及び比較例において全て同一構造であり、図2のように、基板10側から、第1電極12、正孔注入層32、正孔輸送層34、有機発光層36、電子注入層16を備えた第2電極18をこの順に積層して構成したものである。
【0062】
有機EL素子の構成は、より具体的には、実施例1〜5及び比較例1〜5において、基板10側から順に、第1電極12としてITO(Indium Tin Oxide)を150nm、正孔注入層32として銅フタロシアニン(CuPc)を10nm、正孔輸送層34としてトリフェニルアミン4量体(TPTE)を50nm、有機発光層36としてキノリノールアルミ錯体(Alq)を60nm、電子注入層16としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nm、第2電極18としてアルミニウム(Al)を100nm形成した。なお、ITO以外の各層は、真空蒸着法により連続(in−situ)成膜した。
【0063】
また、いずれの実施例及び比較例においても、可撓性基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム基板を用いた。
【0064】
[実施例1]
実施例1では、PETフィルム基板10上に、図1に示すような積層構造の有機ELデバイスを作成した。即ち基板10側から順に、PETフィルム基板10//プラズマ重合膜24/気相成長無機膜26/プラズマ重合膜24/気相成長無機膜26//有機EL素子//気相成長無機膜26/プラズマ重合膜24/気相成長無機膜26/プラズマ重合膜24を形成した。
【0065】
プラズマ重合膜24としては、全て厚さ500nmのアモルファス窒化炭素(a−CNx:H)膜を採用した。また、気相成長無機膜26としては、全て厚さ150nmの窒化シリコン膜を採用した。
【0066】
アモルファス窒化炭素膜は、メタンガスと窒素ガスの混合ガス(混合比2:1)を原料にしたプラズマ重合法にて作製した。成膜中の圧力は200mTorr(1Torr≒133pa)、プラズマ投入電力20W、基板温度は室温条件にて成膜した。
【0067】
窒化シリコン膜は、SiHガス、NHガス、Nガスの混合ガス(混合比3:3:25)を原料としてプラズマCVD法により形成した。成膜中の圧力は400mTorr(1Torr≒133pa)、プラズマ投入電力10W、基板温度は100℃にて成膜した。
【0068】
[実施例2]
実施例2のデバイスでは、上記実施例1の構成において、プラズマ重合膜24として、アモルファス窒化炭素膜ではなく、厚さ500nmのフランプラズマ重合膜を用いた点を除き、実施例1と同一の素子構造とした。なお、フランプラズマ重合膜は、気化させたフランを原料とし、成膜中の圧力を200mTorr(1Torr≒133pa)、プラズマ投入電力20W、基板温度を室温条件としてプラズマ重合法にて成膜した。
【0069】
[実施例3]
実施例3のデバイスでは、基板側から順に、PETフィルム基板//プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜//有機EL素子//気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜を形成した。実施例1と相違する点は、基板と有機EL素子との間の第1保護膜20及び有機EL素子領域を覆う第2保護膜22の層数が、共に実施例1では4層であるのに対して6層である点であり、他は実施例1と同一である。即ち、プラズマ重合膜24には、全てプラズマ重合法で形成した厚さ500nmのアモルファス窒化炭素(a−CNx:H)膜を採用し、気相成長無機膜26には、全てプラズマCVD法により形成した厚さ150nmの窒化シリコン膜を採用した。
【0070】
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同じ順序の積層構成を備えるデバイスにおいて、窒化シリコンを用いた気相成長無機膜26の厚さを、実施例1では0.15μmとしたのに対し、その厚さを1μmとした。他の構成は実施例1と同一である。
【0071】
[比較例2]
比較例2では、基板側から順に、PETフィルム基板//プラズマ重合膜/気相成長無機膜//有機EL素子//気相成長無機膜/プラズマ重合膜を形成した。プラズマ重合膜としては、全てプラズマ重合法による厚さ500nmのアモルファス窒化炭素を採用し、気相成長無機膜としては、全てプラズマCVD法による厚さ150nmの窒化シリコン膜を採用した。
【0072】
実施例1〜3と相違する点は、基板と素子との間の第1保護膜及び素子を覆う第2保護膜のいずれにおいても、気相成長無機膜を挟んでプラズマ重合膜が形成されたサンドイッチ構造になっていない点である。
【0073】
[比較例3]
比較例3では、基板側から順に、PETフィルム基板//気相成長無機膜/プラズマ重合膜//有機EL素子//プラズマ重合膜/気相成長無機膜を形成した。
【0074】
上記各実施例1〜3と相違する点は、基板と素子との間の第1保護膜及び素子を覆う第2保護膜のいずれにおいても、気相成長無機膜を挟んでプラズマ重合膜が形成されたサンドイッチ構造になっていない点と、有機EL素子からみて無機膜が最外層に形成されている点である。
【0075】
[実施例1〜3及び比較例1〜3の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の有機ELデバイスに対して、それぞれ曲げ応力耐久性と高温耐久性の評価を行った。曲げ応力耐性の評価では、実施例1〜3と比較例1〜3のいずれの素子も発光させながら基板を曲率半径8mmまで曲げ、そのときの状態の変化を評価した。更に曲率半径8mmを保ったまま素子を発光させ続け、防湿性の変化を評価した。
【0076】
高温耐久性の評価では、基板を曲げずに85℃の環境下で発光させ続け、素子の防湿性の変化を評価した。
【0077】
比較例1のデバイスは、基板の曲率半径15mmに到達した時点で第1及び第2保護膜にクラックが発生し、防湿性能が劣化してしまった。
【0078】
比較例2及び3のデバイスでは、曲率半径8mmまででクラックは発生しなかったものの、曲率半径8mmを保ったまま素子を発光させ続けると300時間過ぎから有機EL素子の本来の発光エリア内で非発光エリア(ダークスポット)が増加し、防湿性能の低下が見られた。
【0079】
これに対して実施例1〜3のデバイスは、いずれも曲率半径8mmまでクラックの発生は見られず、また、曲率半径8mmに保ったまま素子を1000時間発光させ続けてもダークスポットの増加などは見られず防湿性は低下しなかった。また実施例1〜3の素子では、高温耐久性の評価においても1000時間防湿性の低下は見られなかった。
【0080】
以上の結果から、まず、比較例1のように気相成長無機膜の膜厚が厚いと曲げ応力耐性が得られず、十分な防湿性を維持できず、可撓性基板に素子を形成する場合にはこのような厚い無機膜を有する保護膜は不適切であることがわかった。
【0081】
また、比較例2及び3と、実施例1〜3の評価結果からわかるように、プラズマ重合膜によって気相成長無機膜を挟んだ構造を備える3層以上の積層膜を保護膜に採用することにより、可撓性基板上に形成した有機電子素子を長期間確実に保護することが可能となる。以上の結果から、保護膜は、プラズマ重合膜で気相成長無機膜を挟んだサンドイッチ構造を備え、気相成長無機膜については、薄くすることで、高温耐久性にも優れ、かつ曲げに対する耐久性にも優れた有機電子デバイスの作成が可能となり、例えば過酷な環境に曝される車載用フレキシブル有機電子デバイスなどの実現が可能となる。
【0082】
[実施例4]
実施例4では、実施例1と同一の構成のデバイスに対し、その第2保護膜22の上に更にアクリル系ハードコーティング材を5μm塗布した。
【0083】
[比較例4]
比較例4では、実施例4のデバイスにおける第2保護膜22の最上層をプラズマ重合膜ではなく、気相成長無機膜とした。具体的には、基板側からPETフィルム基板//プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜//有機EL素子//気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜を順に積層した。そして、この最上層の気相成長無機膜の上に実施例4と同じアクリル系ハードコーティング材を5μm塗布した。
【0084】
[実施例5]
実施例5では、実施例4と同一構成のデバイスに対し、その第2保護膜22の上にアクリル系ハードコーティング材ではなく、厚さ15μmの延伸した芳香族ナイロンフィルムを光硬化樹脂を用いて接着した。他の構成については実施例4と同一である。
【0085】
[比較例5]
比較例5では、実施例5と同一構成のデバイスにおいて、その第2保護膜22の最上層をプラズマ重合膜ではなく気相成長無機膜とした。具体的には、基板側からPETフィルム基板//プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜//有機EL素子//気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜/プラズマ重合膜/気相成長無機膜を順に積層した。そして、この最上層の気相成長無機膜の上に実施例5と同じく、厚さ15μmの延伸した芳香族ナイロンフィルムを光硬化樹脂を用いて接着した。
【0086】
[実施例4及び5と比較例4及び5の評価]
実施例4及び5、比較例4及び5のデバイスを共に65℃、湿度95%RH条件下に300時間放置した。その結果、実施例4及び5のデバイスでは、素子、保護膜、ハードコーティング材に異常は見られなかった。しかし、比較例4及び5のデバイスでは、コーティング材と第2保護膜との剥離等の異常が確認された。以上のことから、特に第2保護膜上にさらに保護コーティング材を設ける場合などに、第2保護膜の最上層はこれらコーティング材との親和性が高いプラズマ重合膜とすることが好ましいことがわかる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラズマ重合膜で気相成長無機膜を挟んだ積層構造を備える保護膜によって有機電子素子を保護することで、例え基板として可撓性材料を用いた場合でも、十分な曲げ応力耐性を備えたデバイスを実現できる。さらに、このような保護膜によって有機電子素子を保護することで、高温、高湿度環境下などにおいても、また基板が曲げられた状態に曝されていたとしても、劣化することなく有機電子素子を水分や酸素などから保護でき、デバイスの信頼性、寿命を飛躍的に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態及び実施例に係る有機電子デバイスの概略断面構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態及び実施例に係る有機EL素子の概略断面構成を示す図である。
【符号の説明】
10 基板、12 第1電極、16 電子注入層、18 第2電極、20 第1保護膜、22 第2保護膜、24 プラズマ重合膜、26 気相成長無機膜、30 有機化合物層。

Claims (7)

  1. 有機電子デバイスにおいて、
    基材上に、
    少なくとも電極と有機化合物層を備える有機電子素子と、
    前記有機電子素子を覆って形成された保護膜及び前記有機電子素子と前記基材との間に形成された保護膜のいずれか一方又は両方、を備え、
    前記保護膜は、気相成長無機膜と、有機化合物を少なくとも1種含む材料を用いて形成されたプラズマ重合膜と、が交互に積層され、かつ前記プラズマ重合膜が前記気相成長無機膜を挟んで形成されている積層膜を含むことを特徴とする有機電子デバイス。
  2. 請求項1に記載の有機電子デバイスにおいて、
    前記基材は可撓性材料であることを特徴とする有機電子デバイス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の有機電子デバイスにおいて、前記積層膜中の前記気相成長無機膜は、その1層当たりの厚さが0.5μm以下であることを特徴とする有機電子デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の有機電子デバイスにおいて、
    前記積層膜の積層数は50層以下であることを特徴とする有機電子デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機電子デバイスにおいて、
    前記積層膜の総膜厚は、前記有機電子素子の総膜厚以上であって10μm以下であることを特徴とする有機電子デバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の有機電子デバイスにおいて、
    前記有機電子素子は、有機電界発光素子、有機トランジスタ、液晶素子のいずれかを含む素子であることを特徴とする有機電子デバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の有機電子デバイスにおいて、
    前記プラズマ重合膜は、アモルファス窒化炭素、アモルファス炭素、ヘテロ五員環有機化合物重合体、フッ素系有機化合物重合体、塩素系有機化合物重合体、アクリル系有機化合物重合体、シリコン系有機化合物重合体のいずれかを含み、前記気相成長無機膜は、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、アモルファスシリコン、ダイアモンド状カーボンのいずれかを含むことを特徴とする有機電子デバイス。
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