JP2004085913A - 光接続装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光接続装置は、光導波路を伝搬する光と光導波路外に配置した光学素子とを光学的に結合する光接続装置であって、つぎのような構成を有する。光導波路の一部は溝状に切除されており、この光導波路と光学素子は、それぞれの光軸がこの溝内で一定角度をもって交わるように配置する。その光軸が交わる位置に、一方の光軸から他方の光軸に沿って光を反射して折り返す光学手段を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野で使用される光接続装置に関し、とくに光導波路を伝搬する光と光学素子とを光学的に結合する集積化が可能な光接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータをはじめとする情報処理装置が処理する情報量は増大の一途をたどっている。これにともなってこれらの装置を構成している電子回路基板内、あるいは基板間での配線数が増大し、電子回路実装の高密度化が要求されている。しかしながら配線間での信号の干渉や配線距離の長尺化による伝搬遅延の問題などが深刻になっている。
【0003】
このような問題を解決する手段として、光接続技術が注目されてきた。光信号の伝達には相互干渉の問題がなく、並列実装が行えるため、光接続技術は大量の情報の伝送に適している。電子回路基板内での配線は、基板上に実装した光源(発光素子)から光検出器(受光素子)へ光導波路等の光伝達手段を介して光信号を伝送する、いわゆる光回路によって置き換えることができる。
【0004】
しかし電子回路と光回路では多くの相違点がある。光回路においては光素子と光導波路などの伝送路との接続を行う必要がある。しかし光の結合には精密な位置合わせ(調心)が必要とされ、単純な接触でよい電気的接続に比べると容易でない。電子回路基板上で電子素子とプリント配線とを接続するのには通常、電子素子のピンをプリント配線基板に挿入してハンダ付けするが、光接続もこのように挿入固定などの簡便な方法によって行えることが望まれる。このような簡便な光接続手段を、電子素子のピンになぞらえて光ピンと称する。
【0005】
例えば、光導波路を貫通する孔に光ファイバを挿入して光接続を行う光ピンが知られている(Optics Japan 2001 講演予稿集、6pD1参照)。基板中に光導波路を形成し、この光導波路を貫通するように基板に貫通孔を設ける。この貫通孔に、先端を45゜の角度に斜め加工した分布屈折率型光ファイバを挿入することによって、光導波路を伝搬する光を90゜折り返す。この折り返した光を分布屈折率型光ファイバのレンズ作用を利用して光導波路外の光電子集積回路に接続するように構成されている。
【0006】
また、特開平7−86555号公報に開示されているように、半導体レーザ、フォトダイオードなどの光能動素子とマイクロレンズ、プリズム状のV溝を用い、自由空間を多重反射により伝搬させることで光電子集積回路を実現する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の光ピンは分布屈折率型光ファイバを使用しているため、ピンの直径が127μmと非常に細い。このために折れやすく、組立時の取り扱いが難しいという難点がある。逆にピンの間隔を250μmより小さくすることができないため、集積に不向きであるという問題もある。
【0008】
また光導波路との結合部分の加工位置の公差が厳しく性能を出しにくい。光学的には、光路を折り返した後、光導波路の水平方向に対しては光ファイバのレンズ作用によって非点隔差が発生し、結合特性が劣化するという問題がある。
このように、光ファイバを用いた光ピンの集光系の設計には、種々の制限がある。
【0009】
一方、プリズムを多重反射させて伝搬する場合には、プリズム表面の面精度の影響を多段で受けるため、プリズムの寸法公差が厳しくなる。また、すべて折り返し系で閉塞された光学系となっているため、光ファイバとの接続を前提とした光・電子混載基板上への実装が困難である。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、光導波路または光ファイバを有する光・電子混載基板上にマイクロレンズアレイを用いて半導体レーザやフォトダイオードなどの光素子を容易に実装できる光接続装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の光接続装置は、光導波路を伝搬する光と光導波路外に配置した光学素子とを光学的に結合する光接続装置であって、つぎのような構成を有する。光導波路は平板状基板内にその基板表面に光軸が平行になるように形成される。かつこの光導波路の一部は、その光軸に対して所定の角度を有する面に沿って溝状に切除されている。この光導波路と光学素子は、それぞれの光軸がこの溝内で一定角度をもって交わるように配置する。その光軸が交わる位置に、一方の光軸から他方の光軸に沿って光を反射して折り返す光学手段を設ける。
【0012】
このような構成をとることにより、本発明の光接続装置は光導波路を形成した基板に各種光学素子および電子素子を一体化し、かつ小型に実装できる。
【0013】
さらに、上記の光学素子は、基板表面から所定距離離れた基板表面と平行な面上に実装されることが望ましい。これによって本光接続装置を組み立てる際、光学素子を光導波路の光軸に平行に保って移動でき、調心作業が簡単化できる。
【0014】
なお、上記の光学素子は半導体レーザ、特に面発光レーザ等の発光素子であるか、もしくはフォトダイオード等の受光素子であることができる。また、光を反射して折り返す光学手段はプリズムもしくはミラーであることが望ましい。さらに光学素子と光を反射して折り返す光学手段との間には、レンズに代表される集光手段が挿入されていることが望ましい。
【0015】
これらの光学要素を組み合わせて実装することにより、光導波路を伝搬してきた光信号を検出する光接続装置、もしくは光導波路に光信号を送出する光接続装置、およびそれらの組合せを一体化し、かつ小型に実装できる。
【0016】
さらに、本発明は、つぎの構成の光接続装置にも適用できる。すなわち、第1の光導波路を伝搬する光信号をこの光導波路外に配置した受光素子に入射して電気信号に変換し、その電気信号に所定の変換を施した後、その電気信号によって発光素子を駆動し、発光素子が出射する光を光信号として第2の光導波路に結合する光接続装置である。第1および第2の光導波路は前記の場合同様、平板状基板内にその表面に光軸が平行になるように形成する。そして共通の溝部にそれぞれの光軸に対して所定の角度傾斜した端面が露出するようにし、この溝部内には第1の光導波路から出射する光を反射して折り返し前記受光素子に入射させるとともに、発光素子が出射する光を反射して折り返し、第2の光導波路に入射させることができる光学手段を設ける。
【0017】
このような構成をとることにより、伝送されてきた光信号を一旦電気信号に変換し、何らかの処理を電気的に行ったのち、再度光信号に戻して伝送を続ける機能をもった光接続装置が一基板上に一体化し、かつ小型に実装できる。
【0018】
この場合も、受光素子および発光素子は、基板表面から所定距離離れた基板表面と平行な面上に実装されていることが望ましい。これによって本光接続装置を組み立てる際、光学素子を光導波路の光軸に平行に保って移動でき、調心作業が簡単化できる。
【0019】
上記の折り返し光学手段は多形プリズムであることが望ましい。多形プリズムを用いることによって、単一の素子によって複数の光路を同時に折り返すことができる。
【0020】
また、少なくとも発光素子と光学手段の間にはレンズに代表される集光手段が挿入されていることが望ましい。発光素子が出射する光は通常、発散光であり、集光手段を用いれば、これを効率的に光導波路に結合できる。受光素子と光学手段の間には必ずしも集光手段を用いなくても光導波路から出射する光を検出することが可能な場合がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、具体例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
[実施例1]
図1は本発明の光接続装置の第1の実施例を模式的に示す図である。本実施例は面発光レーザアレイ15等の発光素子からの出射光をマイクロレンズアレイ17等の集光手段を介して光導波路アレイ11aに結合する光接続装置である。(a)は光導波路の光軸に垂直な方向の断面図、(b)は光軸に平行な方向の断面図である。
【0023】
面発光レーザアレイ15は、図1(a)に示すように、複数の面発光レーザ素子を後述の光導波路アレイの導波路間隔に等しい間隔で1列に同一基板上に配列したものである。図では4素子を示しているが、素子数に限定はない。アレイでない単一素子であってもよい。この面発光レーザアレイ15はピンホール(図示を省略している)が設けられたスペーサ18上に固定する。面発光レーザアレイ15とマイクロレンズアレイ17の距離はスペーサ18の厚さで決められる。本実施例では0.5mmとした。マイクロレンズアレイ17は直径170μm、焦点距離420μmで、厚さ1.6mmのガラス基板の表面にイオン交換法で作製した。
【0024】
マイクロレンズアレイ17と面発光レーザアレイ15は、面発光レーザを動作させた状態で両者の光軸が一致するように集光スポットを観察しつつ調心し、マイクロレンズ基板12とスペーサ18を貼り合わせ固定した。この状態で一体化されたものを以下では光源ユニットと呼ぶことにする。
【0025】
一方、2つの光・電子混載基板10a、10bは、裏打ち基板2上にスペーサ3を挟んで貼り合わせる。ここで光・電子混載基板とは光導波路、発光素子、受光素子など光回路を構成する要素と、発光素子を電気信号で変調、駆動する電子回路や受光素子が検出し変換した電気信号を増幅する電子回路などをともに同一基板上に搭載したものをいう。
【0026】
光・電子混載基板10aには光導波路が、上記の面発光レーザアレイの素子数と同数、平行に埋め込まれ、光導波路アレイ11aが形成されている。この光導波路アレイ11aは、基板10a表面に所定幅、所定深さの溝を設け、外周部をエッチング加工して直径を約50μmに細めた光ファイバを収容し、樹脂で固定することによって作製した。その埋め込み深さは1mmとした。光導波路の製法は上記に限られない。基板内にコア/クラッド構造が作製できればいかなる方法であってもよい。
【0027】
2つの光・電子混載基板10a、10bの間には、スペーサ3によって溝(マイクロスリット)14を形成する。光導波路アレイ11a、11bがこのマイクロスリット14に露出する光電子混載基板10a、10bの端面は光導波路アレイ11a、11bの光軸に対して一定角度だけ傾斜するように切断し、研磨した。
【0028】
光導波路端面を傾斜面とするのは、光導波路端面における反射光が面発光レーザアレイ15に戻って、その光を出射したレーザの活性領域内に入射すると、そのレーザの動作が不安定になるのを防ぐためである。この傾斜角は光導波路の光軸に対して垂直な面から2〜8゜程度とする。2つの光電子混載基板10a、10bの端面の傾斜方向は平行であってもよいが、図示するように溝幅が上方に向かって広がるようすると、光源ユニットを挿入しやすくなる。
【0029】
光電子混載基板10a、10bのこのスペーサ3に接する部分の端面は、光導波路アレイ11a、11bの光軸に対して垂直となるように加工する。これによってマイクロスリット14に露出する光導波路アレイ11aと11bの端面間の距離が規定される。ここでは2mmとした。
【0030】
面発光レーザアレイ15からの光を折り返す光学手段として本例では幅4mm、高さ2.2mmのマイクロプリズム13を用いた。マイクロプリズム13は、マイクロスリット14内に挿入するが、その際、一端面を光・電子混載基板10aの端面P1に押し当て、またスペーサ3の表面P2にプリズムの頂点を突き当てて位置決めし接着する。なお、プリズムは、その高さがマイクロスリットの深さより高くならないようにし、またマイクロスリット14の形状、すなわち光・電子混載基板10a、10bの端面の傾斜角に合致するように成形する必要がある。
【0031】
以上により面発光レーザアレイ15から出射する光をマイクロプリズム13の斜め面で反射し、直角に折り返して光導波路アレイ11aに結合する光学系が構成される。
【0032】
これらの折り返し光学手段と、面発光レーザアレイ15、スペーサ18、マイクロレンズアレイ17からなる光源ユニットとの調心はつぎのように行う。マイクロレンズ基板12を光・電子混載基板10a、10bの溝部をまたぐように押し当てた状態で面発光レーザを動作させ、マイクロレンズ基板12を光・電子混載基板10a、10bに対して移動させる。光導波路アレイ11aの他端からの出射光強度を監視し、それが最大になるマイクロレンズ基板12と光・電子混載基板10aの位置関係を決定する。最適位置を決定後、接合材料19としてUV硬化接着剤を用いてマイクロレンズ基板12と光・電子混載基板10a、10b、マイクロプリズム13を固定した。
【0033】
上記のように構成された光学系は、面発光レーザアレイ15から出射した発散光束51がマイクロレンズアレイ17で収束光束52に変換され、マイクロプリズム13で反射されて折り返し光束53に変換され、光導波路11aの端面に集光される、光接続装置として機能する。
【0034】
以上では、面発光レーザアレイ15からの光を光・電子混載基板10a内の光導波路アレイ11aに結合する光接続装置について説明した。このように光接続装置の機能を発光素子からの光を光導波路に結合することに限定してよい場合には、光電子混載基板10b内には光導波路を形成する必要はない。しかし、信号光が伝搬する光導波路の途中に光源から新たな信号光を合流させるような機能が求められる場合には、光・電子混載基板10b内にも光導波路アレイ11aと等しい深さと間隔で光導波路アレイ11bを形成し、光導波路アレイ11a、11b間をマイクロプリズム13とマイクロスリット14を透過した光が伝搬できるようにする。なお、マイクロプリズムの代わりに反射率、透過率を必要に応じて設定したマイクロミラーを使用することもできる。
【0035】
発光素子にはアレイが形成しやすく、出射光の広がりが少ない面発光レーザが適しているが、これには限定されない。広い意味では光導波路から出射する光を光源としてもよい。
【0036】
また発光素子の代わりにフォトダイオードアレイなどの受光素子を配置することもできる。この場合は光導波路アレイ11aから出射する光をマイクロプリズム13で折り返し、フォトダイオードアレイに入射して検出することができる。この場合を、光源ユニットに対応して光検出器ユニットと呼ぶ。
【0037】
光検出器ユニットでは、受光素子の受光面がある程度の面積をもっているため、集光手段を省略してもよい場合もある。光導波路側から光を入射し、フォトダイオードの出力が最大になるように光検出器ユニットの位置を調整する。
光検出器ユニットを用いた構成の場合も、マイクロプリズム13で光導波路アレイ11aからの出射光すべてを反射してもよく、また一部のみ反射し、一部は透過し光導波路アレイ11bに結合するようにしてもよい。
【0038】
上記の実施例では2つの光導波路10a、10bの端面間距離をスペーサ3によって規定したが、これには限られない。1つの光・電子混載基板にスライサなどで切り込みを加工し、マイクロスリットを形成してもよい。ただし、この場合は、マイクロスリットの基準面とマイクロプリズムの界面には光学的な屈折率整合をとる光硬化性樹脂を充填し、スライサ切断による散乱光の発生を防止することが望ましい。
【0039】
本発明の光接続装置は、その光学要素であるプリズム、レンズなどがいずれも微小光学素子であり、小型で高密度に実装が可能である。このため、構成自由度の高い光・電子混載基板用の光接続装置を構成できる。
【0040】
また、本発明の光接続装置は、光導波路とプリズム(またはミラー)からなる折り返し光学系を採用しているため、光導波路と光源ユニットとの調心を光・電子混載基板上での両者の位置調整のみで達成でき、実装装置の単純化、光・電子混載基板面内の任意の位置への光接続装置の実装固定が可能になる。
【0041】
また、折り返し光学手段を内蔵した光・電子混載基板と光源ユニットが分離独立しているため、両者の接合材料19にシリコーン樹脂などの取り外し/再接合が可能な材料を用いることで光源ユニット(または光検出器ユニット)の機能向上などのための交換、あるいは光・電子混載基板故障時の修理、光・電子混載基板上の故障個所の調査のため、光源ユニットを取り外しての光導波路中の信号調査などが可能になる。
【0042】
なお、面発光レーザの出射光が、光・電子混載基板10aの端面で反射し、同じ光路を戻るのを防ぐため、光・電子混載基板10aの端面を光導波路の光軸に対して傾斜した面とする対策をとったが、面発光レーザアレイ15の位置を、マイクロレンズの光軸から面発光レーザの活性領域の幅と同程度ずらして実装するようにしてもよい。
【0043】
[実施例2]
本発明の光接続装置の第2の実施例の機能は実施例1と同様である。実施例1では、折り返し光学手段をもつ光導波路アレイと光源ユニットまたは光検出器ユニットとがそれぞれ一体化され、この両者を平面上の摺り合わせで調心した。本実施例では、光源ユニットまたは光検出器ユニットと折り返し光学手段を先に調心して一体化し、これを光導波路にはめ込み固定する点が異なる。
【0044】
以下、図2を用いて説明する。図2は光導波路の光軸に平行な断面図である。
マイクロレンズアレイ基板22のマイクロレンズアレイ27を形成した面にマイクロプリズム13を予め貼り合わせる。面発光レーザアレイ15を搭載した基板は、このマイクロレンズアレイ基板22のマイクロレンズ27と反対側の面に直接、表面実装するが、その位置は、つぎのように調心して決定する。
【0045】
まず面発光レーザを発光させ、その出射光をマイクロレンズアレイ27によってマイクロプリズム23の表面(斜め面)に集光させる(マイクロレンズアレイ基板22の厚みはマイクロレンズの焦点距離によって決定する)。このとき、その集光スポット群がマイクロプリズム表面の所定位置に来るように面発光レーザアレイ25の基板の位置をマイクロレンズアレイ基板22の表面上を移動させて調整する。この所定位置とは、マイクロプリズム23がマイクロスリット24内の基準面に当て込みで挿入された際、光導波路アレイ21aのそれぞれの光導波路の光軸がマイクロプリズム表面(斜め面)と交わる位置である。
【0046】
なお、マイクロレンズアレイ27には厚さ約550μmのガラス基板にイオン交換法で作製したガラス製マイクロレンズアレイを用いた。レンズの直径は120μm、焦点距離は290μmとした。マイクロプリズム23は実施例1で用いたものと同様である。
【0047】
ここでは面発光レーザアレイを用いた例を説明したが、実施例1同様にフォトダイオードアレイを使用する場合にも適用できる。ただし、その調心には、調心用光源を別途用意し、所定の位置から光を入射する必要がある。しかしフォトダイオード素子の受光面の面積はある程度大きくすることが可能であるので、実際に光を入射させて調心する必要は必ずしもなく、機械的な位置決めで十分対処できる。この場合、開口数の大きいマイクロレンズを使用することにより、位置ずれに対する許容量をできるだけ大きくしておくことが望ましい。
【0048】
このようにして構成した折り返し光路が一体化した光源ユニット、すなわち面発光レーザを搭載した基板とマイクロレンズアレイ基板とマイクロプリズムとが一体化されたものを光・電子混載基板20のマイクロスリット24内に挿入する。
このとき、光・電子混載基板20の端面P3にプリズム端面を押し当て、またマイクロスリット24の底面P4にプリズムの頂点を突き当てて位置決めする。最終的には面発光レーザアレイの配列方向に微調整して固定した。
【0049】
なお、図2のマイクロスリット24は光・電子混載基板に切り込みを入れた場合を示しているが、図1のようにスペーサ3を用いて2枚の基板を貼り合わせることもできる。
【0050】
[実施例3]
図3は本発明の光接続装置の第3の実施例を模式的に示す図である。本実施例の光接続装置の機能はつぎの通りである。光導波路アレイ31aから入射した複数の光信号はフォトダイオードアレイ36などの複数の受光素子に入射され、それぞれ電気信号に変換される。一方、面発光レーザアレイ35等の複数の光源からの出射光は光導波路アレイ31bにそれぞれ結合される。本実施例の光接続装置はこれらを一体構成したものである。(a)は光接続装置の上面図、(b)は光軸に平行な方向の断面図である。
【0051】
光導波路アレイを内蔵した光電子混載基板30に、マイクロスリット34を形成する点は実施例1または2と同様である。ただし、マイクロスリット34の幅は3mmとした。
【0052】
フォトダイオードアレイ36と面発光レーザアレイ35は、光導波路アレイ31a、31bの導波路間隔と同じ間隔で配列したものをそれぞれ同一基板上に作製する。マイクロレンズ37も同様に導波路間隔と同じ間隔でマイクロレンズアレイ基板32内に2列形成する。
【0053】
マイクロレンズアレイ基板32のマイクロレンズ37形成面には図2に示すような断面形状のマイクロプリズム33を貼り合わせる。このような特殊な形状のマイクロプリズムは成形によって製作するのに適している。次いで、面発光レーザアレイ35を搭載した基板とフォトダイオードアレイ36を搭載した基板は、マイクロレンズアレイ基板32のマイクロレンズ形成面と反対側の表面に表面実装する。その位置は、基本的に実施例2と同様にそれぞれ調心して決定する。
【0054】
本実施例では、マイクロレンズアレイ27には厚さ約550μmのガラス基板にイオン交換法で作製したガラス製マイクロレンズアレイを用いた。レンズの寸法は実施例2と同様で、直径120μm、焦点距離290μmとした。マイクロプリズム33の大きさは4×3mm、高さは2.1mmとした。
【0055】
このようにして構成した折り返し光路のついた光入力手段、すなわち面発光レーザアレイ35とフォトダイオードアレイ36を搭載した各基板とマイクロレンズアレイ基板32とマイクロプリズム33とが一体化されたものを光・電子混載基板30のマイクロスリット34内の基準面P5、P6に当て込み、光導波路アレイ31aの位置に一致するように微調整して固定した。
【0056】
本実施例の光接続装置はつぎのような目的に応用できる。光導波路から伝搬してきた光信号をフォトダイオードで検出し、電気信号に変換する。この電気信号を例えば整形処理したり、または別の信号によって演算処理したのち、面発光レーザの駆動信号を生成する。この駆動信号によって面発光レーザを駆動し、その出射光を光導波路に結合して伝搬させる。上記の電気信号部分の処理は光電子混載基板に搭載した電子回路によって行うことができる。したがって信号を光−電気−光の順で変換しながら並列的に処理する光接続装置を集積化できる。
なお、実施例2についても説明したが、面発光レーザ側の調心は厳密に行う必要があるが、フォトダイオード側は受光面積が大きいため粗い調心でよい。
【0057】
【発明の効果】
発光素子または受光素子とマイクロレンズ、および折り返し光学手段を用いることにより、光導波路と受発光素子を高い自由度で結合する光接続装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光接続装置の第1の実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の光接続装置の第2の実施例を示す模式図である。
【図3】本発明の光接続装置の第3の実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
10a、10b、20、30 光・電子混載基板
11a、11b、21a、21b、31a、31b 光導波路アレイ
12、22、32 マイクロレンズアレイ基板
13、23、33 マイクロプリズム
14、24、34 マイクロスリット
15、25、35 面発光レーザアレイ
17、27、37 マイクロレンズアレイ
18 スペーサ
19、29,39 接合材料
26、36 フォトダイオードアレイ
Claims (10)
- 光導波路を伝搬する光と該光導波路外に配置した光学素子とを光学的に結合する光接続装置において、前記光導波路は平板状基板内に該基板表面と光軸が平行になるように形成され、かつ該光導波路の一部は、該光導波路の光軸に対して所定の角度を有する面に沿って溝状に切除されており、該光導波路と前記光学素子は、それぞれの光軸が前記溝内で一定角度をもって交わるように配置されており、該光軸が交わる位置に、一方の光軸から他方の光軸に沿って光を反射して折り返す光学手段が配設されていることを特徴とする光接続装置。
- 前記光学素子は、前記基板表面から所定距離の前記基板表面と平行な面上に実装されていることを特徴とする請求項1に記載の光接続装置。
- 前記光学素子が発光素子である請求項1または2に記載の光接続装置。
- 前記光学素子が受光素子である請求項1または2に記載の光接続装置。
- 前記光を反射して折り返す光学手段がプリズムもしくはミラーである請求項1に記載の光接続装置。
- 前記光学素子と光を反射して折り返す光学手段との間に集光手段が挿入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光接続装置。
- 第1の光導波路を伝搬する光信号を該光導波路外に配置した受光素子に入射して電気信号に変換し、該電気信号に所定の変換を施した後、該電気信号によって発光素子を駆動し、該発光素子が出射する光を光信号として第2の光導波路に結合する光接続装置において、前記第1および第2の光導波路は平板状基板内に該基板表面に光軸が平行になるように形成され、かつ共通の溝部にそれぞれの光軸に対して所定の角度傾斜した端面を露出し、該溝部内には第1の光導波路から出射する光を反射して折り返し前記受光素子に入射させ、かつ前記発光素子が出射する光を反射して折り返し、第2の光導波路に入射させる光学手段が配設されていることを特徴とする光接続装置。
- 前記受光素子および発光素子は、前記基板表面から所定距離の前記基板表面と平行な面上に実装されていることを特徴とする請求項7に記載の光接続装置。
- 前記光学手段が多形プリズムである請求項7に記載の光接続装置。
- 少なくとも前記発光素子と前記光学手段の間に集光手段が挿入されていることを特徴とする請求項7、8または9に記載の光接続装置。
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