JP2004075798A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)非石鹸界面活性剤、(b)水溶性有香化合物から選ばれる1種以上の化合物、(c)水を、特定比率で含有し、20℃でのpHが7.5〜12、イオン強度が0.5〜5mol・m−3である液体洗浄剤組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体洗浄剤組成物に関する。更に詳しくは、被洗浄物の汚れの集中した部分に塗布し、その後の洗濯における洗浄力を増強させる液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
襟袖や食べこぼし等の部分汚れのひどい場合は、通常の洗濯では、充分に汚れが取れなかったり、染みのまま残ったりする。一般的に、襟袖や染み汚れには、直接洗剤を塗布することにより、部分的に洗剤濃度を上げ、手による揉み洗いやブラシ等を用いた機械的な洗浄により対処していた。
【0003】
一方、液体洗浄剤は、洗濯水に速やかに溶解する、汚れ部分に直接塗布して使用できる等の利点がある。特に、部分汚れに直接液体洗浄剤を塗布し、その後普通に洗濯することは“部分洗い”として日常的に行われている。そのため部分洗いを行う頻度の高い襟・袖口や、泥・靴下汚れに対する洗浄力に優れ、塗布時の液量調整のし易さ、塗布のし易さ、等の、塗布使用時の使用感に優れる液体洗浄剤組成物の開発が望まれている。特に、塗布使用時には手にとって使用することから、洗濯水への使用時以上に、匂に対する要求が高い。
【0004】
従来、塗布用洗剤として、吐出口と塗り延ばし面を有する容器に充填された物品(例えば、特許文献1、4参照。)や、吐出口がブラシ状となっている物品(例えば、特許文献2、3、4参照。)が知られている。これらは、部分的に界面活性剤濃度を高め洗浄する技術であり、界面活性剤濃度が高いために香料等の匂立ちが十分とは言えなかった。また、組成物中のイオン強度も十分とは言えず、塗布用としては洗浄力も十分とは言えなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−269500号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−52321号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平10−52392号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2001−181692号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、強い匂い立ちの芳香を有し、被洗浄物に塗布した後に洗濯を行うことにより、優れた洗浄性能が得られる液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)非石鹸界面活性剤〔以下、(a)成分という〕0.05〜10質量%、(b)水溶性有香化合物から選ばれる1種以上の化合物〔以下、(b)成分という〕、(c)水〔以下、(c)成分という〕50〜95質量%を含有し、20℃でのpHが7.5〜12、イオン強度が0.5〜5mol・m−3である液体洗浄剤組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の液体洗浄剤組成物を塗布容器に充填した容器入り液体洗浄剤に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔液体洗浄剤組成物〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、JIS K 3362:1998記載の方法による20℃のpHが7.5〜12である。洗浄力、安全性の点で該pHは8〜11が好ましく、8.5〜11がより好ましく、9〜11が更に好ましく、10〜11が特に好ましい。
【0013】
本発明の液体洗浄剤組成物のイオン強度は0.5〜5mol・m−3であり、安定性、匂立ち、洗浄性能の点で1.5〜2.5mol・m−3が好ましく、1.7〜2.5mol・m−3がより好ましい。このイオン強度は、溶液中の全ての解離イオン種に対して1/2・cz2(cは各イオン種の溶液中のモル濃度、zはイオンの価数である)を計算し、これらの総和によって求められる。但し、分子量2000以上のキレート剤を含む場合は、当該組成物において該キレート剤の存在下・非存在下での電気伝導度を測定し、次に電気伝導度を測定しながら該キレート剤非存在下の各サンプルに酢酸ナトリウムを少量ずつ加え、該キレート剤存在下の電気伝導度とほぼ同等となった時の酢酸ナトリウムの添加量を記録する。添加した酢酸ナトリウムの量のイオン強度を計算により求め、これを当該サンプル中での該キレート剤のイオン強度とする。
【0014】
本発明の液体洗浄剤組成物は、安定性、洗浄性能の点で、ナトリウムイオンNa+とカリウムイオンK+とのモル比Na+/K+は7/3〜1/9が好ましく、6.5/3.5〜2.5/7.5がより好ましく、5/5〜3/7が更に好ましい。
【0015】
本発明の液体洗浄剤組成物は、塗布時の容器からの排出の容易さの点で20℃の粘度が1〜50mPa・s(B型粘度計、60r/min)が好ましく、特に噴霧又は泡状に排出する場合は1〜30mPa・sがより好ましく、1〜20mPa・sが更に好ましく、2〜15mPa・sが特に好ましい。
【0016】
本発明の液体洗浄剤組成物は、特に繊維製品用液体洗浄剤として有用であり、部分洗いのために塗布して用いる洗濯前処理用液体洗浄剤として更に好適である。
【0017】
<(a)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)成分の非石鹸界面活性剤を0.05〜10質量%含有する。洗浄性能、匂立ち、成泡性の点で、0.1〜9質量%が好ましく、0.5〜8質量%が更に好ましく、1〜7質量%が特に好ましい。
【0018】
非石鹸界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、非石鹸陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0019】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が好ましい。特に、アルキルポリグリコシドが好ましい。
【0020】
非石鹸陰イオン界面活性剤としては、アルコールの硫酸エステル塩、アルコールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル鎖の炭素数が12〜18のアルキル硫酸エステル塩が好ましく、対イオンとしては、アルカリ金属類、アルカノールアミン塩が好ましい。
【0021】
陽イオン界面活性剤としては、4級型のモノ長鎖アルキル又はジ長鎖アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0022】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミンオキサイド、アルキルアラニン等が挙げられる。
【0023】
中でも匂立ち、洗浄性能の点で両性界面活性剤を含有することが好ましく、界面活性剤中の50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することが更に好ましく、70質量%以上含有することが特に好ましい。
【0024】
両性界面活性剤としては、匂立ち、洗浄性能の点で下記一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物から選ばれる両性界面活性剤が好ましく、これらの合計が界面活性剤中の50質量%以上、更に60質量%以上、特に70質量%以上であることが好ましく、なかでも一般式(I)で表される化合物が界面活性剤中の50質量%以上、更に60質量%以上、特に70質量%以上であることが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】
〔式中、R1は炭素数7〜20、好ましくは9〜15のアルキル基又はアルケニル基、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数2〜3のアルケニル基、好ましくは炭素数1のアルキル基又は水素原子である。R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数2〜5のアルケニル基、好ましくは水素原子又はメチル基、mは1〜5、好ましくは3の数を示す。〕
【0027】
【化2】
【0028】
〔式中、R5は炭素数8〜20、好ましくは12〜14のアルキル基又はアルケニル基、R6、R7はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数2〜3のアルケニル基、好ましくは炭素数1のアルキル基又は水素原子、pは及び〜10、好ましくは2〜4の数を示す。〕。
【0029】
<(b)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、(b)成分として水溶性有香化合物から選ばれる1種以上の化合物を含有する。ここで、「有香化合物」とは、例えば「香料の化学」(昭和58年9月16日発行、著者:赤星亮一、発行者:佐久間祐三、発行所:大日本図書株式会社)記載の香料用化合物をいう。匂立ちの点で、組成物中の(b)成分の比率は0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が更に好ましい。
【0030】
水溶性有香化合物として、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、α−テルピネオール、l−メントール、ノポール、ネロリドール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、β−フェニルエチルジメチルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、フェニルグリコール、エチルアルコール、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、シトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、サリチルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、メチル−n−アミルケトン、メントン、ショウノウ、アセトフェノン、α−ヨノン、β−ヨノン、マルトール、アニシルアセトン、クマリン、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロアネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノール、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、ギ酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸フェニルエチル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸リナリル、酢酸エチル、イソ吉草酸n−プロピル、イソ吉草酸イソアミル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ローズオキサイド、シネオール、6−メチルテトラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、等が挙げられる。中でも、25℃の水への溶解度が0.001質量%以上のものが好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が特に好ましい。
【0031】
<(c)水>
本発明の液体洗浄剤組成物は、(c)成分として水を含有する。洗浄性能、塗布性の点で50〜95質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましく、60〜85質量%が更に好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
<(d)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、カルシウム安定度定数が4〜15である分子量1000以下のキレート剤〔以下、(d)成分という〕を含有することが好ましい。洗浄性能の点で、カルシウム安定度定数は5〜14が好ましく、6〜13がより好ましく、6〜10が更に好ましく、6〜8が特に好ましい。洗浄性能の点で、分子量は800以下が好ましく、600以下がより好ましい。分子量の下限は200以上が好ましい。洗浄性能、成泡性の点で、本発明の組成物は(d)成分を1〜30質量%含有することが好ましく、2〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%が更に好ましく、3.5〜15質量%が特に好ましく、4〜12質量%が特に好ましい。
【0032】
尚、本発明において、カルシウム安定度定数は次の方法で求められるものをいう。
【0033】
(カルシウム安定度定数の測定方法)
緩衝液として0.1mol/リットルのNH4Cl−NH4OH(pH10)溶液を調製する。この緩衝液を用いて全ての試料溶液を調製する。Ca2+濃度の測定にはオリオン(株)製のイオンメーター920AとCa2+イオン電極を用いる。先ず、塩化カルシウム濃度と電極の電位の関係を求め、検量線を作成する。塩化カルシウムの5.36×10−2mol/リットル溶液、キレート剤試料の5.36×10−4mol/リットル溶液を調製する。キレート剤試料溶液100mlに塩化カルシウム溶液を1ml加え、5分間撹拌する。残存しているCa2+濃度をCa2+イオン電極を用いて測定する。キレート剤はCa2+と1:1でキレート錯体を形成すると仮定して下記の式からカルシウム安定度定数(Ca安定度定数)を求める。
【0034】
【数1】
【0035】
(d)成分としては、アミノカルボン酸(塩)、ヒドロキシアミノカルボン酸(塩)、ヒドロキシカルボン酸(塩)、シクロカルボン酸(塩)、エーテルカルボン酸(塩)等の有機カルボン酸(塩)、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩等の無機リン酸塩が挙げられる。中でも液物性の点で、有機カルボン酸(塩)が好ましい。これらの有機カルボン酸(塩)は酸の形で配合した後、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等により中和して少なくとも一部を塩としても良い。また、予めカルボキシル基の少なくとも一部を塩とした後に配合しても良い。洗浄性能の点で、特に少なくとも一部のカルボキシル基がカリウム塩又はアンモニウム塩であることが好ましい。また、洗浄性能の点で、分子内に少なくとも1個の窒素原子及び2〜5個のCOOM基(Mは水素原子、Na、K、NH4)を有する化合物が好ましく、アミノカルボン酸(塩)、ヒドロキシアミノカルボン酸(塩)がより好ましく、アミノカルボン酸(塩)が更に好ましい。
【0036】
アミノカルボン酸(塩)として、ニトリロ三酢酸(塩)、エチレンジアミンテトラ酢酸(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)等が挙げられる。中でもメチルグリシンジ酢酸(塩)が好ましい。
【0037】
ヒドロキシアミノカルボン酸(塩)として、セリンジ酢酸(塩)、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(塩)、ジヒドロキシエチルグリシン(塩)等が挙げられる。
【0038】
<(e)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、0.025質量%濃度の水溶液もしくは分散液の最大pHが10.0以上(20℃)であり、且つ該水溶液もしくは分散液1リットルをpH9にするために0.1Nの塩酸水溶液を10ml以上必要とする化合物〔以下、(e)成分という〕を含有することが好ましく、その比率は組成物中1〜30質量%が好ましい。洗浄性能、塗布性の点で3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
【0039】
(e)成分としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、モノエタノールアミン等が挙げられる。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムがより好ましく、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
【0040】
<その他の成分>
本発明の液体洗浄剤組成物には、(1)重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等の再汚染防止剤及び分散剤0.01〜10質量%、(2)ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤0.01〜10質量%、(3)シリコーン、シリカ、脂肪酸(塩)等の調泡剤0.01〜2質量%、(4)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤0.01〜2質量%、(5)着色剤、(6)アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、(7)塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ギ酸、ホウ酸(ホウ素化合物)等の酵素安定化剤、(8)(b)成分以外の香料、(9)抗菌防腐剤、(10)(b)成分以外のハイドロトロープ剤、(11)ポリアクリル酸(塩)、ポリマレイン酸(塩)、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体若しくはその塩、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマー等といった有機多価カルボン酸及び/又はその塩等を配合することができる。
【0041】
〔液体洗浄剤組成物の使用方法〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、被洗浄物に容器排出部の孔より直接塗布したり、スポンジやブラシやロールを介して塗布したり、計量容器で計量して塗布しても良いが、利便性の点で噴霧又は泡状に塗布することがより好ましく、非吸引性、匂立ちの点で泡状に塗布することが更に好ましい。
【0042】
本発明の液体洗浄剤組成物の使用例として、襟汚れ、袖汚れ、しみ等の被洗浄物の汚れが集中した部分(特に人由来の汚れである襟汚れ、袖汚れ)に、内容物を塗布して用いることが挙げられる。塗布した後一定時間後に洗濯することにより効果的な洗浄が行える。洗浄性能の点で、10秒以上経過後に洗濯するのが好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上が更に好ましく、5分以上が特に好ましい。効果及び簡便性の点で、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましく、1時間以下が更に好ましく、30分以下が特に好ましい。
【0043】
〔容器入り液体洗浄剤〕
本発明の容器入り液体洗浄剤は、上記本発明の液体洗浄剤組成物を塗布容器に充填してなる。この塗布容器は、排出された組成物を対象物に塗布するのに適した手段を備えた容器である。好ましくは、泡状に塗布できる手段を備えた容器(泡吐出容器)である。そのような、泡吐出容器としては、トリガー式泡吐出容器、ポンプ機構を備えたキャップの頭部を手指で押圧することにより使用されるポンプ式泡吐出容器、軟質容器の胴部を手指で押圧することにより使用するスクイズフォーマー、エアゾール等が挙げられるが、使用性、経済性、環境適合性等よりトリガー式スプレー容器、スクイズフォーマーがより好ましく、トリガー式スプレー容器が特に好ましい。トリガー式スプレー容器の場合、使用性の点で20℃における1回の吐出量は0.3〜2gが好ましく、0.5〜1.5gがより好ましい。
【0044】
好ましい泡の物性として、洗浄性能、匂立ち、使用感の点で、20℃において嵩密度50〜300g/Lの泡が好ましく、60〜250g/Lがより好ましく、70〜200g/Lが更に好ましく、100〜200g/Lが特に好ましい。また、洗浄性能、匂立ち、使用感の点で、20℃において容器より吐出した100mLの泡を静置し、泡の70質量%相当の液層が現れるまでの時間が30秒〜10分が好ましく、1〜10分がより好ましく、2〜9分が更に好ましく、3〜8分が特に好ましい。更に、洗浄性能、使用感の点で、20℃において容器より吐出した泡の粘度(B型粘度計、60r/min、ローターNo.1、1分後)は100〜700mPa・sが好ましく、200〜600mPa・sがより好ましく、200〜500mPa・sが更に好ましく、300〜500mPa・sが特に好ましい。
【0045】
尚、泡の嵩密度は20℃において、100mLのメスシリンダー(内径27mm、旭テクノグラス(株)製)を用い、100mLの質量を求めた。また、これを静置し、泡の70質量%相当の液層が現れるまでの時間を求めた。
【0046】
液体洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填することを目的として、液体洗浄剤組成物をスタンディングパウチ、詰め替えボトル等に充填しても良い。
【0047】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜3
表1に示す液体洗浄剤組成物を調製した。得られた実施例の組成物の粘度は何れも2〜15mPa・s(B型粘度計、20℃、60r/min)であった。
【0048】
調製した組成物を市販のトリガー式泡吐出容器(ファミリーシンクまわりクリーナー250mL、花王(株)製)に充填し、容器入り洗濯前処理剤を得た。得られた実施例の容器入り洗濯前処理剤から吐出される泡は、何れも嵩密度100〜200g/L、静置した100mLの泡から泡の70質量%相当の液層が現れるまでの時間は3〜8分であった。
【0049】
これらについて以下に示す方法により、洗浄力の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
<洗浄力の評価>
(襟あか布の調製)
JIS K3362:1998記載の襟あか布を調製する。
【0051】
(洗浄条件及び評価方法)
2槽式洗濯機(東芝銀河3.6)の洗濯槽にJIS K3362:1998記載の使用水40Lを入れ、これに1.4kgの綿製の未着用肌着及び0.6kgの綿/ポリエステル混紡の未着用ワイシャツを入れる。更に、JIS K3362:1998記載の洗浄力判定用指標洗剤(蛍光増白剤無添加)53g(無水物換算)投入する。更に上記襟あか布1枚に付き、容器入り液体洗浄剤より液体洗浄剤組成物4gを泡状に塗布した後、5分間静置した襟あか布6枚(3段階の汚れを各2枚)を洗濯槽に入れ、10分間普通洗浄する。その後1分間脱水し、8分間15L/minの水量で流水すすぎする。その後5分間脱水し、室内で自然乾燥させる。
【0052】
液体洗浄剤組成物を塗布しないで同様の操作を行ったものをブランクとして、目視により一対比較し、以下の判定基準により評価する。
【0053】
評価基準
◎:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクより明らかに汚れが落ちている。
○:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクよりやや汚れが落ちている。
×:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクとほとんど差がない、又は汚れ落ちに劣る。
【0054】
<匂立ち評価>
熟練したパネラーにより、組成物の匂い立ちを判定し、以下の基準で評価した。
【0055】
評価基準
◎:匂い立ちに非常に優れる。
○:匂い立ちに優れる。
×:匂い立ちが悪い。
【0056】
【表1】
【0057】
・両性界面活性剤1:ラウラミドプロピルアミンオキシド(ソフタゾリンLAO−C、川研ファインケミカル(株)、純分換算量)
・両性界面活性剤2:ジメチルラウリルアミンオキサイド(アンヒトール20N、花王(株)、純分換算)
・両性界面活性剤3:ラウリル(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ジメチルベタイン(アンヒトール20HD、花王(株)、純分換算)
・非イオン界面活性剤1:デシルグルコシド(マイドール10、花王(株)、純分換算)
・非イオン界面活性剤2:炭素数10〜14の直鎖第1級アルコールにエチレンオキサイドを平均8モル、プロピレンオキサイドを平均2モルランダム付加させたもの
・陰イオン界面活性剤1:炭素数12〜18のアルキル硫酸エステルナトリウム
・陰イオン界面活性剤2:炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・キレート剤d1:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(トリロンMリキッド、BASFジャパン(株)、純分換算)(Ca安定度定数6.1)
・キレート剤d2:アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム(Ca安定度定数6.7)
・キレート剤d3:セリン二酢酸三ナトリウム(Ca安定度定数6.5)
・キレート剤d4:グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(Ca安定度定数5.8)
・キレート剤d5:エチルグリシン二酢酸三ナトリウム(Ca安定度定数5.7)
・ポリアクリル酸Na:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量5000)(Ca捕捉量205CaCO3mg/g、Ca安定度定数3.4)
・ポリエチレングリコール:重量平均分子量2000
・酵素:エバラーゼ16.0L−EX(プロテアーゼ、ノボザイムズ社製)
・色素:カヤシオンターキスKNA(組成物中に10ppm(質量比)添加)
Claims (5)
- (a)非石鹸界面活性剤0.05〜10質量%、(b)水溶性有香化合物から選ばれる1種以上の化合物、(c)水50〜95質量%を含有し、20℃でのpHが7.5〜12、イオン強度が0.5〜5mol・m−3である液体洗浄剤組成物。
- 更に、(d)カルシウム安定度定数が4〜15である分子量1000以下のキレート剤1〜30質量%を含有する請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- 更に、(e)0.025質量%濃度の水溶液もしくは分散液の最大pHが10.0以上(20℃)であり、且つ該水溶液もしくは分散液1リットルをpH9にするために0.1Nの塩酸水溶液を10ml以上必要とする化合物1〜30質量%を含有する請求項1又は2何れか記載の液体洗浄剤組成物。
- (b)が、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、α−テルピネオール、l−メントール、ノポール、ネロリドール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、β−フェニルエチルジメチルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、フェニルグリコール、エチルアルコール、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、シトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、サリチルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、メチル−n−アミルケトン、メントン、ショウノウ、アセトフェノン、α−ヨノン、β−ヨノン、マルトール、アニシルアセトン、クマリン、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロアネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノール、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、ギ酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸フェニルエチル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸リナリル、酢酸エチル、イソ吉草酸n−プロピル、イソ吉草酸イソアミル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ローズオキサイド、シネオール、6−メチルテトラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、から選ばれる1種以上である請求項1〜3何れか記載の液体洗浄剤組成物。
- 請求項1〜4何れか記載の液体洗浄剤組成物を塗布容器に充填した容器入り液体洗浄剤。
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