JP2004075400A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線を好適に吸収することができるため遮熱性に優れるとともに、透明性が良好な合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波透過性及び耐貫通性に優れる合わせガラスを提供する。
【解決手段】ポリビニルブチラール樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜であって、前記ポリビニルブチラール樹脂組成物は、ポリビニルブチラール樹脂及びカーボンナノチューブを含有する合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリビニルブチラール樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜であって、前記ポリビニルブチラール樹脂組成物は、ポリビニルブチラール樹脂及びカーボンナノチューブを含有する合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜及びそれを用いてなる合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車のような車輌、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。このような合わせガラスとしては、少なくとも一対の透明なガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール(以下PVBとも略す)樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが用いられている。
【0003】
しかしながら、このような合わせガラスは、安全性に優れているが、遮熱性に劣るという問題があった。
一般に、光線の中でも、780nm以上の波長をもつ赤外線は、紫外線と比較するとエネルギー量が約10%程度と小さいが、熱的作用が大きく、物質に吸収され熱として放出され温度上昇をもたらすことから、熱線と呼ばれている。
【0004】
従って、フロントガラスやサイドガラスから入る赤外線を遮断して、車の温度上昇を抑えることによって、遮熱性を高めることができる。このようなガラス板としては、例えば、熱線カットガラス等が市販されている。この熱線カットガラスは直射太陽光の遮断を目的として、金属蒸着、スパッタリング加工等によって、ガラス板の表面に金属/金属酸化物の多層コーティングがなされているが、この多層コーティング層は外部からの擦傷に弱く、耐薬品性も劣るため、例えば、可塑化PVB樹脂膜等からなる中間膜を積層して合わせガラスとする方法が採用されていた。
【0005】
しかしながら、金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスは、高価であり、多層コーティングが厚いため透明性(可視光透過率)が低下する。また、多層コーティングと中間膜との接着性が低下し中間膜の剥離や白化が起こったり、多層コーティング層が電磁波の透過を阻害し携帯電話、カーナビ、ガレージオープナー、料金自動収受システム等の通信機能に支障をきたしたりする等の問題点があった。
【0006】
このような問題点の解決策として、例えば、特公昭61−52093号公報、特開昭64−36442号公報等に、可塑化PVB樹脂シートの間に、金属蒸着したポリエステルフィルムを積層した中間膜を用いた合わせガラスが提案されている。しかしながら、これらの公報に開示されている合わせガラスは、可塑化PVB樹脂シートとポリエステルフィルムとの間の接着性に問題があり、界面で剥離が起こるだけでなく、電磁波透過も不充分である等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、赤外線を好適に吸収することができるため遮熱性に優れるとともに、透明性が良好な合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波透過性及び耐貫通性に優れる合わせガラスを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリビニルブチラール樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜であって、前記ポリビニルブチラール樹脂組成物は、ポリビニルブチラール樹脂及びカーボンナノチューブを含有する合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に中間膜ともいう)は、PVB樹脂組成物からなるものであり、上記PVB樹脂組成物は、PVB樹脂及びカーボンナノチューブを含有する。
上記PVB樹脂としては特に限定されず、例えば、従来から安全ガラス用中間膜用樹脂として用いられるもの等が挙げられ、例えば、ブチラール化度60〜75モル%、重合度800〜3000のPVB樹脂が好適に用いられる。
【0010】
上記カーボンナノチューブは、本発明の中間膜に遮熱性を付与する目的で配合される。上記カーボンナノチューブは、微小な赤外線吸収剤でありながら高い赤外線吸収率を有する。
【0011】
上記カーボンナノチューブとしては特に限定されず、例えば、炭素六角網面が円筒状に閉じた単層構造又は円筒構造が入れ子状に配置された多層構造をした材料からなるもの等が挙げられる。
また、上記カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていてもよく、単層構造と多層構造とが混在していてもよい。更に、製造方法の違いによって得られるカーボンナノチューブのサイズや形態は変わってくるが、本発明においては、いずれの形態のものも使用することができる。
【0012】
上記カーボンナノチューブの直径及び長さとしては、本発明の中間膜の好適な透明性を確保するとともに、好適な赤外線吸収性を確保することができる直径及び長さであれば特に限定されず、例えば、0.1〜100nm程度であることが好ましい。
【0013】
上記カーボンナノチューブを製造する方法としては特に限定されず、例えば、炭素電極間にアーク放電を発生させ、放電用電極の陰極表面に成長させる方法、シリコンカーバイドにレーザービームを照射して加熱・昇華させる方法、遷移金属系触媒を用いて炭化水素を還元雰囲気下の気相で炭化する方法等が挙げられる。
【0014】
上記カーボンナノチューブの上記PVB樹脂に対する配合量としては特に限定されず、成形時の流動性、得られる中間膜の比重、強度、及び、導電性等を考慮して適宜調整される。
【0015】
上記カーボンナノチューブは、本発明の中間膜中において均一に微分散されていることが好ましい。均一に微分散されていることにより、合わせガラスとしたときに、低ヘイズで透明性に優れるとともに、遮熱性は、中間膜全体にわたって高いものとなり、更に、ガラスと中間膜と接着力が調節できることにより、耐貫通性も優れたものとなる。
なお、上記カーボンナノチューブが均一に微分散されているとは、例えば、本発明の中間膜を観察したときに、カーボンナノチューブを含有することによる可視光領域の散乱が殆ど起こらない程度にまで、カーボンナノチューブが凝集することなく、分散させた状態を意味する。
【0016】
上記カーボンナノチューブは、PVB樹脂への微分散をよくするために、有機溶媒中に分散させてPVB樹脂に添加されてもよく、この場合、PVB樹脂を可塑化するために使用する可塑剤と同種の可塑剤を主分散媒として用いて分散することが好ましい。
【0017】
上記可塑剤としては特に限定されず、従来から中間膜用に用いられているものを用いることができ、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、ジヘキシルアジペート(DHA)、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(4G7)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(3G7)等が挙げられる。上記可塑剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤の添加量は、PVB樹脂100重量部に対して30〜60重量部の範囲が好ましい。
【0018】
上記主分散媒としては、上記の可塑剤の他に、一般的に無機微粒子の分散剤として用いられる分散剤、例えば、硫酸系エステル化合物やリン酸系エステル化合物、ポリカルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等を使用してもよい。
【0019】
上記PVB樹脂組成物には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。上記接着力調整剤としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩、又は、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
上記アルカリ金属塩、又は、アルカリ土類金属塩等の金属塩の種類としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
【0020】
上記塩を構成する酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸等が挙げられる。なかでも、炭素数が2〜16の有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることがより好ましい。さらに好ましくは、炭素数が2〜16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数が2〜16のカルボン酸カリウム塩である。
【0021】
上記カルボン酸マグネシウム塩又はカルボン酸カリウム塩としては特に限定されず、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。上記カルボン酸マグネシウム塩又はカルボン酸カリウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記接着力調整剤の添加量は、PVB樹脂100重量部に対して下限が0.001重量部、上限が0.5重量部であることが好ましく、下限が0.01重量部、上限が0.2重量部であることがより好ましい。0.001重量部未満では、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力低下が起こってしまい、一方、0.5重量部を超えると接着力が低くなりすぎるおそれがあり、中間膜の透明性が失われるという問題が起こることがある。
【0023】
更に、上記PVB樹脂組成物には、中間膜としての品質を阻害しない範囲でその他の添加剤が添加されていてもよい。上記他の添加剤としては特に限定されず、例えば、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止剤や耐候性、耐光性改善のための紫外線吸収剤や各種安定剤等が挙げられる。
【0024】
上記PVB樹脂組成物に、上記紫外線吸収剤を添加する場合、シュウ酸アミド系の紫外線吸収剤を添加することが好ましい。耐候性試験後に透過率が低下するのを防止することができるからである。
上記シュウ酸アミド系紫外線吸収剤の添加量としては、PVB樹脂100重量部に対して下限が0.005重量部、上限が0.5重量部であることが好ましく、下限が0.01重量部、上限が0.3重量部であることがより好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等、他の耐光安定剤と併用してもよい。
【0025】
本発明の中間膜を構成するPVB樹脂組成物を得る方法としては特に限定されず、例えば、カーボンナノチューブを有機溶媒中に均一分散させた分散液を可塑剤とともにPVB樹脂に添加して混練する方法等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブと有機溶媒とを混合する装置としては特に限定されず、例えば、遊星式攪拌装置、湿式メカノケミカル装置、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、超音波照射機等が挙げられる。
【0026】
上記混練に用いられる装置としては特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等が挙げられる。なかでも、連続的に生産するという観点から、押出機が好ましい。
【0027】
本発明の中間膜を成形する方法としては特に限定されず、例えば、上記PVB樹脂組成物を用いて、押出し法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する方法が挙げられる。なかでも、2軸同方向による押出し法が好ましく、ヘイズを更に良化させることができる。
【0028】
本発明の中間膜の膜厚としては特に限定されず、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や耐侯性を考慮すると、0.3〜0.8mmであることが好ましい。ただし、耐貫通性の向上等の必要に応じて本発明の中間膜及びそれ以外の中間膜を積層して使用してもよい。
【0029】
本発明の中間膜は、クリアガラス、グリーンガラス、及び、高熱線吸収ガラスからなる群より選択される厚さ2.5mmのガラス板2枚の間に介在させて合わせガラスを作製したときに、赤外線透過率が低減されたものである。
なお、上記赤外線透過率は、直記分光光度計(島津製作所社製、U−4000)を使用し、JIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、波長300〜2100nmの光線に対する上記合わせガラスの透過率を測定し、測定結果をJIS Z 8722及びJISR 3106記載の780〜2100nmの重価係数を用いて規格化し、波長領域780〜2100nmの赤外線領域の透過率を求めることにより得ることができる。
【0030】
上記合わせガラスの可視光線透過率は70%以上であることか好ましい。可視光線透過率が70%未満であると、上記合わせガラスの透明性が実使用上不充分となり、日本・米国・欧州の車両用フロントガラスの法規制に合格することができず、良好な視認性を妨げることになる。
なお、上記可視光透過率は、直記分光光度計(島津製作所社製、U−4000)を使用し、JIS R 3106に準拠して、波長380〜780nmの光線に対する上記合わせガラスの可視光透過率を測定することにより得ることができる。
【0031】
上記合わせガラスのヘイズは1.0%以下であることか好ましい。ヘイズが1.0%を超えると、上記合わせガラスの透明性が低く、実使用上不充分となることがある。
なお、上記ヘイズは、積分式濁度計(東京電色社製)を使用し、JIS K 6714「航空機用メタクリル樹脂板」に準拠して、波長340〜1800nmの光線に対する上記合わせガラスのヘイズを測定することにより得ることができる。
【0032】
本発明の合わせガラス用中間膜によれば、非常に優れた赤外線吸収率を有する微小なカーボンナノチューブが均一な状態で微分散されているため、遮熱性及び透明性に優れたものとすることができる。
また、本発明の中間膜を用いてなる合わせガラスは、遮熱性及び透明性に優れるとともに、遮熱性を確保するために金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスを用いたり、中間膜の間に金属蒸着したポリエステルフィルムを積層したりする必要がないため、電磁波透過性に優れたものとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調整できることにより、耐貫通性にも優れたものとなる。
本発明の中間膜を用いてなる合わせガラスも本発明の1つである。
【0033】
本発明の合わせガラスに使用するガラスとしては特に限定されず、例えば、一般に使用されている透明板ガラス等が挙げられる。なかでも、熱線吸収ガラスが好ましい。本発明の中間膜を上記熱線吸収ガラスと積層することにより、クリアガラスと積層する場合と比べて、同じ可視光線透過率に対しても赤外線透過率を低くでき、遮熱性を向上させることができるからである。
【0034】
本発明の合わせガラスには、本発明の中間膜とプラスチックフィルムとを組み合わせたものも含まれる。具体的には、例えば、本発明の中間膜と金属コーティング層を持たないプラスチックフィルムとを組み合わせたもの等が挙げられる。
本発明の中間膜からなることにより、熱線カット機能を得ることができ、金属コーティング層を持たないことにより、電磁波透過性を確保することができ、更にプラスチックフィルムからなることにより、防犯性、耐貫通性が向上する。
【0035】
本発明の合わせガラスは、本発明の中間膜を用いて、従来から用いられている方法によって製造することができる。
また、本発明の合わせガラスの用途としては特に限定されず、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等が挙げられる。本発明の合わせガラスを自動車等の車両に用いた場合には、同じ車内温度でも人間の熱感が抑えられることにより、エアコンの負荷を低減することができる。
また、多層遮音中間膜等の中間膜が多層構造からなる多層中間膜を有する機能性合わせガラスとして用いることもできる。
【0036】
本発明の中間膜は、遮熱性及び透明性に優れた中間膜である。従って、本発明の中間膜を用いた合わせガラスは、遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波の透過を阻害する金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスを用いたり、中間膜の間に金属蒸着されたポリエステルフィルムを積層したりする必要がなく電磁波透過性に優れたものとなり、更に、耐貫通性にも優れたものとなる。
【0037】
【実施例】
実施例1
(ポリビニルブチラールの合成)
純水2890gに、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、鹸化度99.2モル%)275gを加えて加熱溶解した。反応系を15℃に温度調節し、35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gを加え、この温度を保持して反応物を析出させた。その後、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水溶液で中和し、さらに、過剰の水で2時間水洗及び乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。この樹脂の平均ブチラール化度は68.5モル%であった。
【0038】
(カーボンナノチューブ分散可塑剤の作製)
可塑剤40重量部に対し、カーボンナノチューブを0.3重量部仕込み、水平型のマイクロビーズミルにて可塑剤中にカーボンナノチューブを分散させてカーボンナノチューブ分散可塑剤を作製した。
【0039】
(合わせガラス用中間膜の製造)
上記で得られたポリビニルブチラール樹脂100重量部に対し、カーボンナノチューブ分散可塑剤を40重量部添加し、2軸同方向の押出し法により、平均膜厚0.76mmの中間膜を得た。
【0040】
(合わせガラスの製造)
上記で得られた合わせガラス用中間膜を、その両端から透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.7kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力118MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成よりなるので、遮熱性及び透明性に優れた合わせガラス用中間膜を提供することができ、該合わせガラス用中間膜を用いることで、遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波透過性及び耐貫通性にも優れた合わせガラスを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜及びそれを用いてなる合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車のような車輌、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。このような合わせガラスとしては、少なくとも一対の透明なガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール(以下PVBとも略す)樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが用いられている。
【0003】
しかしながら、このような合わせガラスは、安全性に優れているが、遮熱性に劣るという問題があった。
一般に、光線の中でも、780nm以上の波長をもつ赤外線は、紫外線と比較するとエネルギー量が約10%程度と小さいが、熱的作用が大きく、物質に吸収され熱として放出され温度上昇をもたらすことから、熱線と呼ばれている。
【0004】
従って、フロントガラスやサイドガラスから入る赤外線を遮断して、車の温度上昇を抑えることによって、遮熱性を高めることができる。このようなガラス板としては、例えば、熱線カットガラス等が市販されている。この熱線カットガラスは直射太陽光の遮断を目的として、金属蒸着、スパッタリング加工等によって、ガラス板の表面に金属/金属酸化物の多層コーティングがなされているが、この多層コーティング層は外部からの擦傷に弱く、耐薬品性も劣るため、例えば、可塑化PVB樹脂膜等からなる中間膜を積層して合わせガラスとする方法が採用されていた。
【0005】
しかしながら、金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスは、高価であり、多層コーティングが厚いため透明性(可視光透過率)が低下する。また、多層コーティングと中間膜との接着性が低下し中間膜の剥離や白化が起こったり、多層コーティング層が電磁波の透過を阻害し携帯電話、カーナビ、ガレージオープナー、料金自動収受システム等の通信機能に支障をきたしたりする等の問題点があった。
【0006】
このような問題点の解決策として、例えば、特公昭61−52093号公報、特開昭64−36442号公報等に、可塑化PVB樹脂シートの間に、金属蒸着したポリエステルフィルムを積層した中間膜を用いた合わせガラスが提案されている。しかしながら、これらの公報に開示されている合わせガラスは、可塑化PVB樹脂シートとポリエステルフィルムとの間の接着性に問題があり、界面で剥離が起こるだけでなく、電磁波透過も不充分である等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、赤外線を好適に吸収することができるため遮熱性に優れるとともに、透明性が良好な合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波透過性及び耐貫通性に優れる合わせガラスを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリビニルブチラール樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜であって、前記ポリビニルブチラール樹脂組成物は、ポリビニルブチラール樹脂及びカーボンナノチューブを含有する合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に中間膜ともいう)は、PVB樹脂組成物からなるものであり、上記PVB樹脂組成物は、PVB樹脂及びカーボンナノチューブを含有する。
上記PVB樹脂としては特に限定されず、例えば、従来から安全ガラス用中間膜用樹脂として用いられるもの等が挙げられ、例えば、ブチラール化度60〜75モル%、重合度800〜3000のPVB樹脂が好適に用いられる。
【0010】
上記カーボンナノチューブは、本発明の中間膜に遮熱性を付与する目的で配合される。上記カーボンナノチューブは、微小な赤外線吸収剤でありながら高い赤外線吸収率を有する。
【0011】
上記カーボンナノチューブとしては特に限定されず、例えば、炭素六角網面が円筒状に閉じた単層構造又は円筒構造が入れ子状に配置された多層構造をした材料からなるもの等が挙げられる。
また、上記カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていてもよく、単層構造と多層構造とが混在していてもよい。更に、製造方法の違いによって得られるカーボンナノチューブのサイズや形態は変わってくるが、本発明においては、いずれの形態のものも使用することができる。
【0012】
上記カーボンナノチューブの直径及び長さとしては、本発明の中間膜の好適な透明性を確保するとともに、好適な赤外線吸収性を確保することができる直径及び長さであれば特に限定されず、例えば、0.1〜100nm程度であることが好ましい。
【0013】
上記カーボンナノチューブを製造する方法としては特に限定されず、例えば、炭素電極間にアーク放電を発生させ、放電用電極の陰極表面に成長させる方法、シリコンカーバイドにレーザービームを照射して加熱・昇華させる方法、遷移金属系触媒を用いて炭化水素を還元雰囲気下の気相で炭化する方法等が挙げられる。
【0014】
上記カーボンナノチューブの上記PVB樹脂に対する配合量としては特に限定されず、成形時の流動性、得られる中間膜の比重、強度、及び、導電性等を考慮して適宜調整される。
【0015】
上記カーボンナノチューブは、本発明の中間膜中において均一に微分散されていることが好ましい。均一に微分散されていることにより、合わせガラスとしたときに、低ヘイズで透明性に優れるとともに、遮熱性は、中間膜全体にわたって高いものとなり、更に、ガラスと中間膜と接着力が調節できることにより、耐貫通性も優れたものとなる。
なお、上記カーボンナノチューブが均一に微分散されているとは、例えば、本発明の中間膜を観察したときに、カーボンナノチューブを含有することによる可視光領域の散乱が殆ど起こらない程度にまで、カーボンナノチューブが凝集することなく、分散させた状態を意味する。
【0016】
上記カーボンナノチューブは、PVB樹脂への微分散をよくするために、有機溶媒中に分散させてPVB樹脂に添加されてもよく、この場合、PVB樹脂を可塑化するために使用する可塑剤と同種の可塑剤を主分散媒として用いて分散することが好ましい。
【0017】
上記可塑剤としては特に限定されず、従来から中間膜用に用いられているものを用いることができ、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、ジヘキシルアジペート(DHA)、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(4G7)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(3G7)等が挙げられる。上記可塑剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤の添加量は、PVB樹脂100重量部に対して30〜60重量部の範囲が好ましい。
【0018】
上記主分散媒としては、上記の可塑剤の他に、一般的に無機微粒子の分散剤として用いられる分散剤、例えば、硫酸系エステル化合物やリン酸系エステル化合物、ポリカルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等を使用してもよい。
【0019】
上記PVB樹脂組成物には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。上記接着力調整剤としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩、又は、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
上記アルカリ金属塩、又は、アルカリ土類金属塩等の金属塩の種類としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
【0020】
上記塩を構成する酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸等が挙げられる。なかでも、炭素数が2〜16の有機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることがより好ましい。さらに好ましくは、炭素数が2〜16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数が2〜16のカルボン酸カリウム塩である。
【0021】
上記カルボン酸マグネシウム塩又はカルボン酸カリウム塩としては特に限定されず、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。上記カルボン酸マグネシウム塩又はカルボン酸カリウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記接着力調整剤の添加量は、PVB樹脂100重量部に対して下限が0.001重量部、上限が0.5重量部であることが好ましく、下限が0.01重量部、上限が0.2重量部であることがより好ましい。0.001重量部未満では、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力低下が起こってしまい、一方、0.5重量部を超えると接着力が低くなりすぎるおそれがあり、中間膜の透明性が失われるという問題が起こることがある。
【0023】
更に、上記PVB樹脂組成物には、中間膜としての品質を阻害しない範囲でその他の添加剤が添加されていてもよい。上記他の添加剤としては特に限定されず、例えば、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止剤や耐候性、耐光性改善のための紫外線吸収剤や各種安定剤等が挙げられる。
【0024】
上記PVB樹脂組成物に、上記紫外線吸収剤を添加する場合、シュウ酸アミド系の紫外線吸収剤を添加することが好ましい。耐候性試験後に透過率が低下するのを防止することができるからである。
上記シュウ酸アミド系紫外線吸収剤の添加量としては、PVB樹脂100重量部に対して下限が0.005重量部、上限が0.5重量部であることが好ましく、下限が0.01重量部、上限が0.3重量部であることがより好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等、他の耐光安定剤と併用してもよい。
【0025】
本発明の中間膜を構成するPVB樹脂組成物を得る方法としては特に限定されず、例えば、カーボンナノチューブを有機溶媒中に均一分散させた分散液を可塑剤とともにPVB樹脂に添加して混練する方法等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブと有機溶媒とを混合する装置としては特に限定されず、例えば、遊星式攪拌装置、湿式メカノケミカル装置、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、超音波照射機等が挙げられる。
【0026】
上記混練に用いられる装置としては特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等が挙げられる。なかでも、連続的に生産するという観点から、押出機が好ましい。
【0027】
本発明の中間膜を成形する方法としては特に限定されず、例えば、上記PVB樹脂組成物を用いて、押出し法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する方法が挙げられる。なかでも、2軸同方向による押出し法が好ましく、ヘイズを更に良化させることができる。
【0028】
本発明の中間膜の膜厚としては特に限定されず、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や耐侯性を考慮すると、0.3〜0.8mmであることが好ましい。ただし、耐貫通性の向上等の必要に応じて本発明の中間膜及びそれ以外の中間膜を積層して使用してもよい。
【0029】
本発明の中間膜は、クリアガラス、グリーンガラス、及び、高熱線吸収ガラスからなる群より選択される厚さ2.5mmのガラス板2枚の間に介在させて合わせガラスを作製したときに、赤外線透過率が低減されたものである。
なお、上記赤外線透過率は、直記分光光度計(島津製作所社製、U−4000)を使用し、JIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、波長300〜2100nmの光線に対する上記合わせガラスの透過率を測定し、測定結果をJIS Z 8722及びJISR 3106記載の780〜2100nmの重価係数を用いて規格化し、波長領域780〜2100nmの赤外線領域の透過率を求めることにより得ることができる。
【0030】
上記合わせガラスの可視光線透過率は70%以上であることか好ましい。可視光線透過率が70%未満であると、上記合わせガラスの透明性が実使用上不充分となり、日本・米国・欧州の車両用フロントガラスの法規制に合格することができず、良好な視認性を妨げることになる。
なお、上記可視光透過率は、直記分光光度計(島津製作所社製、U−4000)を使用し、JIS R 3106に準拠して、波長380〜780nmの光線に対する上記合わせガラスの可視光透過率を測定することにより得ることができる。
【0031】
上記合わせガラスのヘイズは1.0%以下であることか好ましい。ヘイズが1.0%を超えると、上記合わせガラスの透明性が低く、実使用上不充分となることがある。
なお、上記ヘイズは、積分式濁度計(東京電色社製)を使用し、JIS K 6714「航空機用メタクリル樹脂板」に準拠して、波長340〜1800nmの光線に対する上記合わせガラスのヘイズを測定することにより得ることができる。
【0032】
本発明の合わせガラス用中間膜によれば、非常に優れた赤外線吸収率を有する微小なカーボンナノチューブが均一な状態で微分散されているため、遮熱性及び透明性に優れたものとすることができる。
また、本発明の中間膜を用いてなる合わせガラスは、遮熱性及び透明性に優れるとともに、遮熱性を確保するために金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスを用いたり、中間膜の間に金属蒸着したポリエステルフィルムを積層したりする必要がないため、電磁波透過性に優れたものとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調整できることにより、耐貫通性にも優れたものとなる。
本発明の中間膜を用いてなる合わせガラスも本発明の1つである。
【0033】
本発明の合わせガラスに使用するガラスとしては特に限定されず、例えば、一般に使用されている透明板ガラス等が挙げられる。なかでも、熱線吸収ガラスが好ましい。本発明の中間膜を上記熱線吸収ガラスと積層することにより、クリアガラスと積層する場合と比べて、同じ可視光線透過率に対しても赤外線透過率を低くでき、遮熱性を向上させることができるからである。
【0034】
本発明の合わせガラスには、本発明の中間膜とプラスチックフィルムとを組み合わせたものも含まれる。具体的には、例えば、本発明の中間膜と金属コーティング層を持たないプラスチックフィルムとを組み合わせたもの等が挙げられる。
本発明の中間膜からなることにより、熱線カット機能を得ることができ、金属コーティング層を持たないことにより、電磁波透過性を確保することができ、更にプラスチックフィルムからなることにより、防犯性、耐貫通性が向上する。
【0035】
本発明の合わせガラスは、本発明の中間膜を用いて、従来から用いられている方法によって製造することができる。
また、本発明の合わせガラスの用途としては特に限定されず、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等が挙げられる。本発明の合わせガラスを自動車等の車両に用いた場合には、同じ車内温度でも人間の熱感が抑えられることにより、エアコンの負荷を低減することができる。
また、多層遮音中間膜等の中間膜が多層構造からなる多層中間膜を有する機能性合わせガラスとして用いることもできる。
【0036】
本発明の中間膜は、遮熱性及び透明性に優れた中間膜である。従って、本発明の中間膜を用いた合わせガラスは、遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波の透過を阻害する金属/金属酸化物の多層コーティングがなされた熱線カットガラスを用いたり、中間膜の間に金属蒸着されたポリエステルフィルムを積層したりする必要がなく電磁波透過性に優れたものとなり、更に、耐貫通性にも優れたものとなる。
【0037】
【実施例】
実施例1
(ポリビニルブチラールの合成)
純水2890gに、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、鹸化度99.2モル%)275gを加えて加熱溶解した。反応系を15℃に温度調節し、35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gを加え、この温度を保持して反応物を析出させた。その後、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水溶液で中和し、さらに、過剰の水で2時間水洗及び乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。この樹脂の平均ブチラール化度は68.5モル%であった。
【0038】
(カーボンナノチューブ分散可塑剤の作製)
可塑剤40重量部に対し、カーボンナノチューブを0.3重量部仕込み、水平型のマイクロビーズミルにて可塑剤中にカーボンナノチューブを分散させてカーボンナノチューブ分散可塑剤を作製した。
【0039】
(合わせガラス用中間膜の製造)
上記で得られたポリビニルブチラール樹脂100重量部に対し、カーボンナノチューブ分散可塑剤を40重量部添加し、2軸同方向の押出し法により、平均膜厚0.76mmの中間膜を得た。
【0040】
(合わせガラスの製造)
上記で得られた合わせガラス用中間膜を、その両端から透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2.7kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力118MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成よりなるので、遮熱性及び透明性に優れた合わせガラス用中間膜を提供することができ、該合わせガラス用中間膜を用いることで、遮熱性及び透明性に優れるとともに、電磁波透過性及び耐貫通性にも優れた合わせガラスを提供することができる。
Claims (2)
- ポリビニルブチラール樹脂組成物からなる合わせガラス用中間膜であって、
前記ポリビニルブチラール樹脂組成物は、ポリビニルブチラール樹脂及びカーボンナノチューブを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 請求項1記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
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